JP2003336977A - ヒートパイプおよびヒートパイプアダプタ - Google Patents
ヒートパイプおよびヒートパイプアダプタInfo
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Abstract
れたヒートパイプを提供すること。 【解決手段】 動作温度の範囲内で凝縮と蒸発が可能な
作動流体と、作動流体を収容し、かつ内壁にウイックが
形成されている気密性容器と、気密性容器に密接して配
置された補強部材でヒートパイプを構成し、気密性容器
を炭素繊維強化炭素の隙間に金属が含浸されている金属
含浸炭素繊維強化炭素で製作する。気密性容器の内面は
金属薄膜で被覆されていること、また補強部材は、炭素
繊維強化炭素から製作されていることが望ましい。補強
部材の炭素繊維強化炭素は、炭素繊維が気密性容器の外
周面に沿う方向に配列させる。金属含浸炭素繊維強化炭
素に含浸される好ましい金属は、銅、銀、アルミニウム
またはシリコンである。
Description
関わり、特に、炭素繊維強化炭素を構造材に使用するヒ
ートパイプに関わる。
する熱をラジエータやヒートシンクに輸送して均熱化を
はかることが出来る。ヒートパイプの内部構造の一例
を、米国特許6,184,578号を引用して説明する。図4
(a)はヒートパイプの外観図、図4(b)はその断面
図を表している。このヒートパイプは、作動流体(図示
せず)を収容するチューブ15と、チューブ15の周り
に巻付けられている長尺包囲部材16および環状包囲部
材17で構成されている。長尺包囲部材16および環状
包囲部材17は、実際にはチューブ15の端から端まで
装着されているが、構造を解かりやすく説明するため
に、チューブ15の左側寄り部分にのみ描かれている。
板からなるウィック14が収容されている。ウィック1
4は、毛管現象により作動流体をチューブ15の長手方
向に運搬する。作動流体には圧力900PSI(pounds pe
r square inch)のアンモニアが使用され、アルミニウ
ム製のチューブ15の肉厚は0.015インチである。
トパイプの端部に熱が加えられ温度が上昇すると、その
部分(高温部)で作動流体が蒸発し、蒸発したガスは低
温部に移動して凝縮・液化する。液化した作動流体はウ
ィック内を毛管現象で移動して再び高温部に達して蒸発
する。以上の過程が繰り返されることによって高温部か
ら低温部に熱が輸送され、ヒートパイプの全ての位置に
おいて温度の均一化が進行する。ここで、高温部と低温
部が示す温度範囲が、作動流体の動作温度に相当する。
は、チューブ15の肉厚が薄くても作動流体の高圧力に
耐えられるように、アルミニウム製のチューブ15は長
尺包囲部材16および環状包囲部材17で外側から補強
されている。長尺包囲部材16および環状包囲部材17
は炭素繊維強化複合材料から製作されており、アルミニ
ウムのみでチューブ15を作製する場合に比べて、ヒー
トパイプの外径を小さくすることが可能で、かつ軽量で
ある。
ので、ヒートパイプを電子機器から電気的に絶縁するこ
とが容易である。また、上記米国特許には記載されてい
ない特徴だが、一般に炭素繊維強化複合材料の熱膨張率
は金属材料に比べて小さいので、熱膨張率の小さなヒー
トパイプが得られるという利点もある。
外部からの熱がヒートパイプ内部の作動流体に伝達する
際、大きな熱抵抗が発生し、ヒートパイプの熱伝達性能
が低下する場合がある。これは、ヒートパイプの外周を
取り巻く炭素繊維強化複合材料の熱伝導特性に異方性が
あり、繊維の長手方向の熱伝導は良好であるのに対し、
繊維の直交方向の熱伝導は低いことに起因する。すなわ
ち、外部からの熱が、ヒートパイプ内部の作動流体に伝
達される際、外周を取り巻く炭素繊維強化複合材料の繊
維を横切るように熱が伝わるため、大きな熱抵抗が発生
する。
材料を構成する炭素繊維としてTHORNEL P-120(Union C
arbide社製)が使用されている。この炭素繊維は繊維の
長手方向には610 W/mKと大きな熱伝導率を有する
が、繊維と直交する方向には3W/mK程度の熱伝導率を有
しているに過ぎない。このため、母材に樹脂を使用する
炭素繊維強化プラスチックから炭素繊維強化複合材料を
製作すると、ヒートパイプの外周を取巻く強化複合材料
の厚さ方向の熱伝導率は1 W/mK程度になる。この値
は、チューブの材料であるアルミニウム合金の熱伝導率
が190 W/mK程度であることを考えると、相当に低い
値である。
よくするため、母材に炭素を使用する炭素繊維強化炭素
から強化複合材料を製作したとしても、熱伝導率が10
W/mKを越えることはない。また、熱伝導性能を優先さ
せて金属を母材にすると、ヒートパイプの重量が増加し
て、ヒートパイプを強化複合材料で製作することの意味
が失われる。
の熱膨張率を比較すると、前者は23 ppm/Kであるのに
対し、後者は概ね3 ppm/Kである。両者の値は大きく異
なるので、ヒートパイプに繰返し温度変化が生じた場合
に、内部のアルミチューブと外周の炭素繊維強化複合材
料の間に熱応力により剥離が生じ、熱的接触が失われる
不具合もある。
めになされたもので、熱サイクルに対する耐久性と均熱
化特性に優れたヒートパイプおよび、このヒートパイプ
に好適に装着できるヒートパイプアダプタを提供するこ
とを目的とする。
パイプは、動作温度の範囲内で凝縮と蒸発が可能な作動
流体と、作動流体を収容し、かつ内壁にウイックを有す
る気密性容器と、気密性容器に密接して配置された補強
部材を備えてなり、気密性容器は炭素繊維強化炭素の隙
間に金属が含浸されている金属含浸炭素繊維強化炭素を
有するものである。
されているものである。
するものである。
は、炭素繊維が気密性容器の外周面に沿う方向に配向し
ているものである。
れる金属は、銅、銀、アルミニウムまたはシリコンであ
る。
プタは、前記ヒートパイプが挿入可能なインナ部材と、
インナ部材の両側に配置されたハニカム部材と、インナ
部材とハニカム部材の端面に密接して配置された表皮部
材を備えてなり、インナ部材と表皮部材はそれぞれ金属
含浸炭素繊維強化炭素と炭素繊維強化炭素を有するもの
である。
の発明の実施の形態1にかかわるヒートパイプの外観図
である。両端が封じられたチューブ状のヒートパイプ1
の内部には作動流体(図示せず)が封じ込められてい
る。図1(b)は、ヒートパイプ1を輪切りにした状態
を示す断面図である。気密性容器3は金属含浸炭素繊維
強化炭素で構成され、その内面には、ヒートパイプ1の
長手方向に連続する多数の溝で構成されるウィック4が
形成されている。
キなどの、金属被覆5が施されており、内部空間6に収
容されている作動流体(図示せず)を毛管現象によりヒ
ートパイプ1の長手方向に運搬する。動作中、気密性容
器3およびウィック4の内部の圧力は相当に高くなるの
で、炭素繊維強化炭素で構成される補強部材2で気密性
容器3を補強している。
をそれぞれ別々に加工しておいて、勘合によって取り付
けてもよい。また、気密性容器となる芯の材料に、炭素
繊維強化炭素部材を巻き付けて、一体で素材を成形し、
その後、加工により所定の形にしてもよい。
方が存在するアンモニアを用いることができ、ヒートパ
イプの動作時には、液相のアンモニアが、ウィック4の
間を毛管現象により移動する。なおここでは、溝型のウ
ィックを示したが、円筒管、金網、微細粒子、繊維など
を内部空間6に充填してもウィックとして有効に作用す
る。
する。まず炭素繊維強化プラスチックを焼成し、母材の
プラスチックを炭素化することにより、炭素繊維強化炭
素を製作する。炭素繊維強化炭素は焼成の過程で母材が
収縮し、母材内部に多数の空隙(空孔)が生じている。
次いで銅、銀、アルミニウムなどの金属をその融点以上
に加熱して溶融させ、100気圧を超える高圧環境下で
この溶融した金属を炭素繊維強化炭素に含浸させる。溶
融金属は母材内部の空隙に進入し、冷却すると母材内部
に金属を含んだ金属含浸炭素繊維強化炭素が得られる。
を用いてもよい。シリコンは溶融時の粘度が低いので、
圧力をかけなくても含浸させることができる。なお、厳
密に言えば、シリコンは非金属であるが、本発明におい
ては、金属含浸炭素繊維強化炭素の「金属」にシリコンを
含むことにする。
導率は、炭素繊維強化プラスチックの場合で1 W/mK程
度、炭素繊維強化炭素でも10 W/mKを越えることはな
いが、高熱伝導性の金属またはシリコンを含浸させるこ
とにより、金属含浸炭素繊維強化炭素の熱伝導率は50
W/mKを越えるまでに改善される。
イプ1の外周面に直交する方向に配向していることが熱
伝導の観点からは好ましいが、内側に封じられた作動流
体の圧力に対して壊れない十分な強度を持たせる為に、
外周面に沿う方向に配列させることが望ましい。また気
密性容器3の場合には、長手方向に熱伝導を高め、ヒー
トパイプの均熱特性を向上させるために、金属含浸炭素
繊維強化炭素の炭素繊維をヒートパイプ1の長手方向に
配向させる。そうすれば、補強部材2、気密性容器3の
厚さ方向の熱伝導率は50 W/mKを越える。ヒートパイ
プの厚さ方向の熱伝導率が大きいので、ヒートパイプ1
の外部の熱がヒートパイプ内部の作動流体に速やかに伝
達される。
抵抗は補強部材2、気密性容器3の熱伝導率に反比例す
るから、本実施例の場合、この熱抵抗が、炭素繊維強化
プラスチックを用いたものに比べると50分の1程度、
炭素繊維強化炭素を用いたものに比べても5分の1以下
になる。従来のヒートパイプにおいて5℃の温度不均衡
を生じていたとすれば、0.1℃〜1℃程度にまで改善
される。
素繊維には、例えば、繊維軸方向の熱伝導率が600 W
/mKのピッチ系炭素繊維K13C(三菱化学産資株式会社
製)を用いることができる。この高熱伝導性炭素繊維を
強化繊維とする金属含浸炭素繊維強化炭素は、繊維が配
向している面内において、高熱伝導金属として知られる
銅(熱伝導率390 W/mK)よりも高い熱伝導率を有す
る。
化炭素の中の空孔が金属またはシリコンで埋められてい
るので、気密性を確保しながら内部の作動流体の漏出を
防ぐことができる。本実施例では、ヒートパイプの気密
性をさらに確実なものとするために、気密性容器3に金
属被覆5を施している。さらに、ヒートパイプ全体が同
一の素材(炭素繊維強化炭素)から構成されているの
で、部材間で剥離が生じることがほとんど無い。このた
めヒートパイプの内部に生じる熱応力によって熱伝達性
能が低下するということがなくなり、ヒートパイプの信
頼性が向上する。
機器等に装着することを考えると、ヒートパイプと電子
機器の熱的接触を確保するため、ヒートパイプを四角形
にすることがある。この場合、ヒートパイプ1が肉厚に
ならざるをえず、大きな熱抵抗となる。本発明において
も断面形状が四角形のヒートパイプを作成することはも
ちろん可能であるが、ここでは図2に示すように、ヒー
トパイプアダプタ7Aを用いて、電子機器と接続する例
を示す。
けられており、この貫通孔にヒートパイプ1が挿入され
る。ヒートパイプアダプタ7Aは炭素繊維強化炭素から
なり、部材中で炭素繊維は矢印10の方向(電子機器お
よびヒートパイプの長手方向に直交する方向)に配向し
ている。ヒートパイプアダプタ7Aに含まれる炭素繊維
に、例えばピッチ系炭素繊維K13Cを用いると、矢印10
の方向の熱伝導率は、400 W/mKを越える値となる。
電子機器8はヒートパイプパネル9を介してヒートパイ
プアダプタ7Aと固定されている
に伝えられる際、熱伝達の方向とヒートパイプアダプタ
7Aの炭素繊維の配向方向が一致しているため、電子機
器8から作動流体に至る経路の熱抵抗が、高熱伝導金属
の銅と比べても低く、発生する熱は速やかにヒートパイ
プ1に伝達される。
イプアダプタの別の形態を示す。ヒートパイプアダプタ
7Bは図3(a)、(b)に示されているように、サン
ドイッチパネル型の構造を備えており、表皮部材11、
ハニカム部材12およびインナ部材13から構成されて
いる。インナ部材13の中央部にはヒートパイプ1が勘
合、接着などの方法で固定されている。
スチックまたは炭素繊維強化炭素から、ハニカム部材1
2はアルミハニカムコアから、またインナ部材13は金
属含浸炭素繊維強化炭素から製作されている。
型ヒートパイプアダプタでは、接続される電子機器や光
学機器の性能を保証するために、熱膨張率が3 ppm/Kよ
りも小さいことが要求される。ヒートパイプアダプタ7
Bは、ヒートパイプ1が熱膨張率の小さい炭素繊維強化
炭素からできていても、全体が同一の素材(炭素繊維強
化炭素)から構成されているので、炭素繊維強化プラス
チックや炭素繊維強化炭素が用いられる表皮部材11に
熱応力が発生して破損することを防止できる。
かわるヒートパイプ1の代わりに金属製のヒートパイプ
を埋め込むと、ヒートパイプ1と表皮部材11の熱膨張
率の差により、表皮に大きな熱応力が発生して、表皮部
材11が破損することがある。
温度の範囲内で凝縮と蒸発が可能な作動流体と、作動流
体を収容し、かつ内壁にウイックを有する気密性容器
と、気密性容器に密接して配置された補強部材を備えて
なり、気密性容器は炭素繊維強化炭素の隙間に金属が含
浸されている金属含浸炭素繊維強化炭素を有することに
より、均熱化特性に優れている。
されていることにより、気密性が高い。
なることにより、軽くて強度が高いものが得られる。
は、炭素繊維が気密性容器の外周面に沿う方向に配向し
ていることにより、強度が高い。
れる金属は、銅、銀、アルミニウムまたはシリコンであ
ることにより、熱伝導性が高い。
プタは、前記ヒートパイプが挿入可能なインナ部材と、
インナ部材の両側に配置されたハニカム部材と、インナ
部材とハニカム部材の端面に密接して配置された表皮部
材を備えてなり、インナ部材と表皮部材はそれぞれ金属
含浸炭素繊維強化炭素と炭素繊維強化炭素を有すること
により、熱伝導性が高い。
造を示す図である。
プアダプタ7Aの構造を説明するための図である。
めの斜視図と断面図である。
パイプを説明するための図である。
容器、 4 ウィック、 5 金属皮膜、 6 内
部空間 、 7A、7B ヒートパイプアダプタ、
11 表皮部材、 12 ハニカム部材、 13
インナ部材。
Claims (6)
- 【請求項1】 動作温度の範囲内で凝縮と蒸発が可能な
作動流体と、前記作動流体を収容し、かつ内壁にウイッ
クを有する気密性容器と、前記気密性容器に密接して配
置された補強部材を備えてなり、前記気密性容器は炭素
繊維強化炭素の隙間に金属が含浸されている金属含浸炭
素繊維強化炭素を有することを特徴とするヒートパイ
プ。 - 【請求項2】 気密性容器の内面は金属薄膜で被覆され
ていることを特徴とする請求項1記載のヒートパイプ。 - 【請求項3】 補強部材は、炭素繊維強化炭素を有する
ことを特徴とする請求項1記載のヒートパイプ。 - 【請求項4】 補強部材が有する炭素繊維強化炭素は、
炭素繊維が気密性容器の外周面に沿う方向に配向してい
ることを特徴とする請求項3記載のヒートパイプ。 - 【請求項5】 金属含浸炭素繊維強化炭素に含浸される
金属は、銅、銀、アルミニウムまたはシリコンであるこ
とを特徴とする請求項1記載のヒートパイプ。 - 【請求項6】 請求項1記載のヒートパイプを装填する
ヒートパイプアダプタであって、前記ヒートパイプが挿
入可能なインナ部材と、前記インナ部材の両側に配置さ
れたハニカム部材と、前記インナ部材と前記ハニカム部
材の端面に密接して配置された表皮部材を備えてなり、
前記インナ部材と前記表皮部材はそれぞれ金属含浸炭素
繊維強化炭素と炭素繊維強化炭素を有することを特徴と
するヒートパイプアダプタ。
Priority Applications (1)
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JP2002147909A JP4085693B2 (ja) | 2002-05-22 | 2002-05-22 | ヒートパイプおよびヒートパイプアダプタ |
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Publications (2)
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JP4085693B2 JP4085693B2 (ja) | 2008-05-14 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100759826B1 (ko) | 2006-12-07 | 2007-09-18 | 한국전자통신연구원 | 열제어 장치 및 열제어 장치의 제조 방법 |
JP2018008680A (ja) * | 2016-05-12 | 2018-01-18 | ザ・ボーイング・カンパニーThe Boeing Company | 複合材ヒートパイプ並びに複合材ヒートパイプを有するサンドイッチパネル、ラジエータパネル、及び宇宙機 |
CN116021838A (zh) * | 2022-12-08 | 2023-04-28 | 上海复合材料科技有限公司 | 内埋热管柔性连接结构及其制备方法 |
-
2002
- 2002-05-22 JP JP2002147909A patent/JP4085693B2/ja not_active Expired - Fee Related
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