JP2003336189A - レトルト処理用原紙 - Google Patents
レトルト処理用原紙Info
- Publication number
- JP2003336189A JP2003336189A JP2002144435A JP2002144435A JP2003336189A JP 2003336189 A JP2003336189 A JP 2003336189A JP 2002144435 A JP2002144435 A JP 2002144435A JP 2002144435 A JP2002144435 A JP 2002144435A JP 2003336189 A JP2003336189 A JP 2003336189A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- layer
- resin
- retort
- paper
- film
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Adhesive Tapes (AREA)
- Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
- Paper (AREA)
- Packages (AREA)
- Wrappers (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】レトルト殺菌処理による紙基材層の端面、表面
からの水分の浸透が防止されるため、変色の発生は認め
らず、印刷適性、意匠性に優れ、かつ、耐圧性に優れ、
輸送による衝撃にも耐えうる優れたレトルト処理用原紙
を提供する。 【解決手段】密度0.60〜1.00g/m2、エッジ
ウィック0.2g/1000mm2〜0.5g/100
0mm2、サイズ度400秒〜1200秒、坪量80〜
600g/m2からなるレトルト処理用原紙を特徴とす
る。
からの水分の浸透が防止されるため、変色の発生は認め
らず、印刷適性、意匠性に優れ、かつ、耐圧性に優れ、
輸送による衝撃にも耐えうる優れたレトルト処理用原紙
を提供する。 【解決手段】密度0.60〜1.00g/m2、エッジ
ウィック0.2g/1000mm2〜0.5g/100
0mm2、サイズ度400秒〜1200秒、坪量80〜
600g/m2からなるレトルト処理用原紙を特徴とす
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レトルト処理用原
紙に関し、さらに詳しくは、レトルト処理等の加工に伴
う熱処理を施しても、原紙の変色も認められず、耐熱
性、耐水性、耐圧性、印刷適性、変形防止強度に優れた
レトルト処理用原紙に関するものである。
紙に関し、さらに詳しくは、レトルト処理等の加工に伴
う熱処理を施しても、原紙の変色も認められず、耐熱
性、耐水性、耐圧性、印刷適性、変形防止強度に優れた
レトルト処理用原紙に関するものである。
【0002】
【従来技術】従来、例えば、飲食品、医薬品、化粧品、
洗剤、化学品、雑貨品、その他等の種々の内容物を充填
包装する容器として、金属缶、ガラス瓶、プラスチック
容器、紙容器、あるいはフィルム、金属箔をラミネート
して積層した積層体をヒートシールして袋状にした容器
等を広く使用している。また、内容物を常温にて長期保
存するため、従来、金属缶、ガラス瓶、プラスチックパ
ウチ、プラスチックとアルミニウム箔のラミネートパウ
チ等の機密性容器に内容物を詰め、120℃、4分以上
の高温、高圧下(以下「レトルト」という。)で殺菌す
ることが行われている。なお、通常、レトルト処理用容
器は、物理的にも化学的にも過酷な条件におかれること
から、レトルト処理用容器を構成する包装材料には、厳
しい包装適性が要求され、変形防止強度、耐ピンホ−ル
性、耐熱性、密封性、品質保全性、作業性、印刷適性、
その他等の種々の条件が要求されるものである。一方、
近年、包装材料の環境問題から、使用済容器の易廃棄性
や、リサイクル適性が求められ、包装の簡素化、容器の
容積軽減化、重量の軽減化、包装材料の易燃焼性が進め
られている。この点において、紙容器は、容器を展開し
て折り畳むことが可能なため、嵩張らず、また、軽量
で、易燃焼性であるため、易廃棄性や、リサイクル適性
に優れていると考えられる。このため、金属缶、ガラス
瓶、プラスチック容器の使用を減らし、紙の割合を増加
させた包装材料の使用や紙容器化が進められている。従
来、牛乳等の液状の内容物を保存する紙容器としては、
水に弱い紙に耐水性を付与するために、低密度のポリエ
チレン樹脂層を基材である紙層の最外層と最内層に積層
する積層体からなる包装用材料を、通常、その最内層を
対向させて重ね合わせ、その周辺端部をヒ−トシ−ルし
て、種々の形態の包装用容器を製造し、而して、該包装
用容器の開口部から、内容物を充填包装して、各種の包
装製品を製造しているものである。また、従来、醤油,
清酒などバリアーを必要とする内容物を保存する包装容
器としては、中間層にバリアー層として、アルミニウム
箔、プラスチック等をラミネートして貼り合せた積層体
を用いた紙容器が広く使用されている。
洗剤、化学品、雑貨品、その他等の種々の内容物を充填
包装する容器として、金属缶、ガラス瓶、プラスチック
容器、紙容器、あるいはフィルム、金属箔をラミネート
して積層した積層体をヒートシールして袋状にした容器
等を広く使用している。また、内容物を常温にて長期保
存するため、従来、金属缶、ガラス瓶、プラスチックパ
ウチ、プラスチックとアルミニウム箔のラミネートパウ
チ等の機密性容器に内容物を詰め、120℃、4分以上
の高温、高圧下(以下「レトルト」という。)で殺菌す
ることが行われている。なお、通常、レトルト処理用容
器は、物理的にも化学的にも過酷な条件におかれること
から、レトルト処理用容器を構成する包装材料には、厳
しい包装適性が要求され、変形防止強度、耐ピンホ−ル
性、耐熱性、密封性、品質保全性、作業性、印刷適性、
その他等の種々の条件が要求されるものである。一方、
近年、包装材料の環境問題から、使用済容器の易廃棄性
や、リサイクル適性が求められ、包装の簡素化、容器の
容積軽減化、重量の軽減化、包装材料の易燃焼性が進め
られている。この点において、紙容器は、容器を展開し
て折り畳むことが可能なため、嵩張らず、また、軽量
で、易燃焼性であるため、易廃棄性や、リサイクル適性
に優れていると考えられる。このため、金属缶、ガラス
瓶、プラスチック容器の使用を減らし、紙の割合を増加
させた包装材料の使用や紙容器化が進められている。従
来、牛乳等の液状の内容物を保存する紙容器としては、
水に弱い紙に耐水性を付与するために、低密度のポリエ
チレン樹脂層を基材である紙層の最外層と最内層に積層
する積層体からなる包装用材料を、通常、その最内層を
対向させて重ね合わせ、その周辺端部をヒ−トシ−ルし
て、種々の形態の包装用容器を製造し、而して、該包装
用容器の開口部から、内容物を充填包装して、各種の包
装製品を製造しているものである。また、従来、醤油,
清酒などバリアーを必要とする内容物を保存する包装容
器としては、中間層にバリアー層として、アルミニウム
箔、プラスチック等をラミネートして貼り合せた積層体
を用いた紙容器が広く使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、レトル
ト処理用容器に使用される原紙は、レトルト殺菌処理を
施すことで熱と水の浸透によって、黄色に変色してしま
い、外観上好ましくないという問題点がある。紙の変色
を防止する技術として、パルプ層上にクレイ層、白イン
キ層をコーティングするレトルト容器用原紙を提供する
ことにより、紙の変色を防止する技術として、特開平1
1−10819公報があるが、レトルト処理用容器の積
層材に用紙を使用した場合、レトルト殺菌処理を施すこ
とで、変色を隠蔽する点において優れるが、表面部ある
いは端面部より水が浸透することを防げず、紙層の剛度
や層間強度が低下してしまい、紙容器全体の強度低下を
引き起こすという問題点がある。
ト処理用容器に使用される原紙は、レトルト殺菌処理を
施すことで熱と水の浸透によって、黄色に変色してしま
い、外観上好ましくないという問題点がある。紙の変色
を防止する技術として、パルプ層上にクレイ層、白イン
キ層をコーティングするレトルト容器用原紙を提供する
ことにより、紙の変色を防止する技術として、特開平1
1−10819公報があるが、レトルト処理用容器の積
層材に用紙を使用した場合、レトルト殺菌処理を施すこ
とで、変色を隠蔽する点において優れるが、表面部ある
いは端面部より水が浸透することを防げず、紙層の剛度
や層間強度が低下してしまい、紙容器全体の強度低下を
引き起こすという問題点がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
上記の課題を解決するために、鋭意研究の結果、本発明
は、密度0.60〜1.00g/m2、エッジウィック
0.2g/1000mm2〜0.5g/1000mm2、
サイズ度400秒〜1200秒、坪量80〜600g/
m2からなり、パルプ層の表面に顔料塗工層を有するこ
とを特徴とするレトルト処理用原紙を製造したところ、
レトルト処理等の加工に伴う熱処理を施しても、原紙の
変色も認められず、耐熱性、耐水性、耐圧性、印刷適
性、変形防止強度に優れたレトルト処理用原紙を製造し
得ることができることを見いだすに至った。
上記の課題を解決するために、鋭意研究の結果、本発明
は、密度0.60〜1.00g/m2、エッジウィック
0.2g/1000mm2〜0.5g/1000mm2、
サイズ度400秒〜1200秒、坪量80〜600g/
m2からなり、パルプ層の表面に顔料塗工層を有するこ
とを特徴とするレトルト処理用原紙を製造したところ、
レトルト処理等の加工に伴う熱処理を施しても、原紙の
変色も認められず、耐熱性、耐水性、耐圧性、印刷適
性、変形防止強度に優れたレトルト処理用原紙を製造し
得ることができることを見いだすに至った。
【0005】
【発明の実施の形態】上記の本発明にかかるレトルト処
理用原紙について図面等を用いて本発明の実施の形態を
以下に詳しく説明する。本発明にかかるレトルト処理用
原紙の構成について説明すると、図1は、本発明にかか
るレトルト処理用原紙の概略的斜視図であり、図2、図
3、図4は、本発明のレトルト処理用原紙を使用した積
層体の層構成を示す断面図であり、図5は、上記の図2
の積層体を使用し、本発明にかかるレトルト処理用紙容
器の実施例を示す斜視図であり、図6は、図5のレトル
ト処理用紙容器の展開図である。
理用原紙について図面等を用いて本発明の実施の形態を
以下に詳しく説明する。本発明にかかるレトルト処理用
原紙の構成について説明すると、図1は、本発明にかか
るレトルト処理用原紙の概略的斜視図であり、図2、図
3、図4は、本発明のレトルト処理用原紙を使用した積
層体の層構成を示す断面図であり、図5は、上記の図2
の積層体を使用し、本発明にかかるレトルト処理用紙容
器の実施例を示す斜視図であり、図6は、図5のレトル
ト処理用紙容器の展開図である。
【0006】図1は、本発明にかかるレトルト処理用原
紙の概略的斜視図である。図1に示すように、本発明の
レトルト処理用原紙は、ある一定の面積と一定の厚みを
有する板紙から構成される。本発明において、本発明の
レトルト処理用原紙は、端面からの水分吸収(エッジウ
ィック)と表面から水分吸収が毛管現象によって起きる
現象を耐エッジウィック性、高密度、および、高サイズ
度からなる板紙を用いることで、レトルト処理後の端面
と表面からの水分吸収を極力防止することができるた
め、レトルト処理用包装材料の耐水性、耐熱性、強度を
有する原紙を提供することにある。
紙の概略的斜視図である。図1に示すように、本発明の
レトルト処理用原紙は、ある一定の面積と一定の厚みを
有する板紙から構成される。本発明において、本発明の
レトルト処理用原紙は、端面からの水分吸収(エッジウ
ィック)と表面から水分吸収が毛管現象によって起きる
現象を耐エッジウィック性、高密度、および、高サイズ
度からなる板紙を用いることで、レトルト処理後の端面
と表面からの水分吸収を極力防止することができるた
め、レトルト処理用包装材料の耐水性、耐熱性、強度を
有する原紙を提供することにある。
【0007】図2は、本発明にかかるレトルト処理用原
紙を使用する積層体の一例を示す断面図である。図2に
示すように、本発明にかかるレトルト処理用原紙を使用
する積層体は、外側より押出溶融樹脂層からなる最外
層、紙基材層、介在樹脂層、バリア層、耐ピンホール性
層、および、最内層とが順次積層され、該紙基材層の最
外層側にアンカーコート層を設け、最外層を押出ラミネ
ートして、該バリア層、耐ピンホール性層、および、最
内層の各層間にドライラミネート用接着剤層を介して積
層体を構成するものである。
紙を使用する積層体の一例を示す断面図である。図2に
示すように、本発明にかかるレトルト処理用原紙を使用
する積層体は、外側より押出溶融樹脂層からなる最外
層、紙基材層、介在樹脂層、バリア層、耐ピンホール性
層、および、最内層とが順次積層され、該紙基材層の最
外層側にアンカーコート層を設け、最外層を押出ラミネ
ートして、該バリア層、耐ピンホール性層、および、最
内層の各層間にドライラミネート用接着剤層を介して積
層体を構成するものである。
【0008】図3は、本発明にかかるレトルト処理用原
紙を使用する別態様の積層体の一例を示す断面図であ
る。図3に示すように、本発明にかかるレトルト処理用
原紙を使用する積層体は、外側より二軸延伸加工を施し
た合成樹脂フィルム層からなる最外層、紙基材層、介在
樹脂層、バリア層、耐ピンホール性層、および、最内層
とが順次積層され、紙基材層にコロナ処理、または、フ
レーム処理を施し、該最外層、紙基材層の層間を押出溶
融樹脂層を介して、該バリア層、耐ピンホール性層、お
よび、最内層の各層間をドライラミネート用接着剤層を
介して積層体を構成するものである。
紙を使用する別態様の積層体の一例を示す断面図であ
る。図3に示すように、本発明にかかるレトルト処理用
原紙を使用する積層体は、外側より二軸延伸加工を施し
た合成樹脂フィルム層からなる最外層、紙基材層、介在
樹脂層、バリア層、耐ピンホール性層、および、最内層
とが順次積層され、紙基材層にコロナ処理、または、フ
レーム処理を施し、該最外層、紙基材層の層間を押出溶
融樹脂層を介して、該バリア層、耐ピンホール性層、お
よび、最内層の各層間をドライラミネート用接着剤層を
介して積層体を構成するものである。
【0009】図4は、本発明の更に別態様のレトルト処
理用紙容器を構成する積層体の一例を示す断面図であ
る。図4に示すように、本発明の積層体は、外側より押
出溶融樹脂層からなる最外層、紙基材層、介在樹脂層、
耐ピンホール性層、金属の蒸着層と基材フィルム層から
なるバリア層、および、最内層とが順次積層され、該最
外層と、コロナ処理、または、フレーム処理を施した紙
基材層の層間を接着性の押出溶融樹脂層を介して、該耐
ピンホール性層、バリア層、最内層の各層間をドライラ
ミネート用接着剤層を介して積層体を構成するものであ
る。
理用紙容器を構成する積層体の一例を示す断面図であ
る。図4に示すように、本発明の積層体は、外側より押
出溶融樹脂層からなる最外層、紙基材層、介在樹脂層、
耐ピンホール性層、金属の蒸着層と基材フィルム層から
なるバリア層、および、最内層とが順次積層され、該最
外層と、コロナ処理、または、フレーム処理を施した紙
基材層の層間を接着性の押出溶融樹脂層を介して、該耐
ピンホール性層、バリア層、最内層の各層間をドライラ
ミネート用接着剤層を介して積層体を構成するものであ
る。
【0010】上記の例示は、本発明にかかるレトルト処
理用原紙を使用する積層体の例を例示したものであり、
これによって本発明は限定されるものではない。例え
ば、本発明において、必要に応じて、図示しないが、レ
トルト処理用原紙の表面、または、レトルト処理用原紙
の上に積層させる最外層の裏面に、例えば、文字、記
号、図形、絵柄、その他等からなる所望の印刷模様層を
設けることができるものである。
理用原紙を使用する積層体の例を例示したものであり、
これによって本発明は限定されるものではない。例え
ば、本発明において、必要に応じて、図示しないが、レ
トルト処理用原紙の表面、または、レトルト処理用原紙
の上に積層させる最外層の裏面に、例えば、文字、記
号、図形、絵柄、その他等からなる所望の印刷模様層を
設けることができるものである。
【0011】次に、本発明において、本発明にかかるレ
トルト処理用原紙を使用する積層体、これを製函して製
造する本発明にかかるレトルト処理用紙容器の構成につ
いてその一例を例示して説明する。図5は、本発明にか
かるレトルト処理用紙容器の実施例を示す斜視図であ
る。上記の図2に示す積層体を使用した場合の例で説明
すると、ブリック型の紙容器においては、上記の図2に
示す積層体を使用し、ロール状で成形充填機に供給し、
成形、充填、シールを連続して行い、図5に示すよう
に、本発明にかかるレトルト処理用紙容器を製造する。
上記の例示は、本発明にかかるレトルト処理用紙容器に
ついてその一例を示したものであり、これによって本発
明は限定されるものではない。例えば、本発明において
は、図示はしないが、本発明にかかるレトルト処理用紙
容器の形状としては、上記のブリック型のものの他、例
えば、筒状のもの、ゲーベルトップ型のもの、その他等
の任意の形状を取り得るものである。
トルト処理用原紙を使用する積層体、これを製函して製
造する本発明にかかるレトルト処理用紙容器の構成につ
いてその一例を例示して説明する。図5は、本発明にか
かるレトルト処理用紙容器の実施例を示す斜視図であ
る。上記の図2に示す積層体を使用した場合の例で説明
すると、ブリック型の紙容器においては、上記の図2に
示す積層体を使用し、ロール状で成形充填機に供給し、
成形、充填、シールを連続して行い、図5に示すよう
に、本発明にかかるレトルト処理用紙容器を製造する。
上記の例示は、本発明にかかるレトルト処理用紙容器に
ついてその一例を示したものであり、これによって本発
明は限定されるものではない。例えば、本発明において
は、図示はしないが、本発明にかかるレトルト処理用紙
容器の形状としては、上記のブリック型のものの他、例
えば、筒状のもの、ゲーベルトップ型のもの、その他等
の任意の形状を取り得るものである。
【0012】本発明において、本発明に係るレトルト処
理用原紙を構成する材料、製造法について更に詳しく説
明する。まず、本発明にかかるレトルト処理用原紙とし
ては、紙容器を構成する基本素材になることから、賦型
性、耐屈曲性、剛性、強度を有する紙基材であって、レ
トルト処理を施しても、変色することなく、耐水性、耐
熱性、強度を有するものを使用することができる。具体
的には、この紙からなる基材層の材料としては、NBK
P、LBKP、NBSPなどのバージンパルプや、製紙
用再生紙、また、各々のパルプを任意の割合で混合した
パルプも好適に使用できる。また、木材パルプのみなら
ず、ケナフ等の非木材パルプも使用できる。紙基材の坪
量としては、80〜600g/m2の範囲にあることが
好ましく、100〜450g/m2の範囲にあることが
望ましい。
理用原紙を構成する材料、製造法について更に詳しく説
明する。まず、本発明にかかるレトルト処理用原紙とし
ては、紙容器を構成する基本素材になることから、賦型
性、耐屈曲性、剛性、強度を有する紙基材であって、レ
トルト処理を施しても、変色することなく、耐水性、耐
熱性、強度を有するものを使用することができる。具体
的には、この紙からなる基材層の材料としては、NBK
P、LBKP、NBSPなどのバージンパルプや、製紙
用再生紙、また、各々のパルプを任意の割合で混合した
パルプも好適に使用できる。また、木材パルプのみなら
ず、ケナフ等の非木材パルプも使用できる。紙基材の坪
量としては、80〜600g/m2の範囲にあることが
好ましく、100〜450g/m2の範囲にあることが
望ましい。
【0013】なお、本発明において、レトルト処理用原
紙としては、密度0.60〜1.00g/m2の範囲に
ある紙材であることにより、耐水性、耐圧性、剛度、層
間強度を向上させることができ、容器を成形する際に、
折り曲げ適性に優れ、レトルト殺菌処理に耐えることが
でき、変形防止することができるため、好ましいもので
ある。密度が1.00g/m2を超える場合は、剛度が
強くなり過ぎ、ゲーベル形状、ブリック形状等の直方体
形状の容器を成形する際に、折り曲げ適性が劣り、成形
不良の発生原因となり、好ましくないものである。一
方、密度が0.6g/m2未満の場合は、紙繊維間の隙
間が大きいため、層間強度が弱くなり、好ましくないも
のである。更に、密度が0.6g/m2未満の場合は、
レトルト殺菌処理を施した際に、水分が浸透してしま
い、容器の強度が弱くなり、好ましくないものである。
紙としては、密度0.60〜1.00g/m2の範囲に
ある紙材であることにより、耐水性、耐圧性、剛度、層
間強度を向上させることができ、容器を成形する際に、
折り曲げ適性に優れ、レトルト殺菌処理に耐えることが
でき、変形防止することができるため、好ましいもので
ある。密度が1.00g/m2を超える場合は、剛度が
強くなり過ぎ、ゲーベル形状、ブリック形状等の直方体
形状の容器を成形する際に、折り曲げ適性が劣り、成形
不良の発生原因となり、好ましくないものである。一
方、密度が0.6g/m2未満の場合は、紙繊維間の隙
間が大きいため、層間強度が弱くなり、好ましくないも
のである。更に、密度が0.6g/m2未満の場合は、
レトルト殺菌処理を施した際に、水分が浸透してしま
い、容器の強度が弱くなり、好ましくないものである。
【0014】また、本発明において、レトルト処理用原
紙としては、エッジウィック0.2g/1000mm2
〜0.5g/1000mm2であることが、端面からの
水分吸収が少ないため、レトルト殺菌処理に耐えること
ができ、原紙の変色を抑え、変形防止することができる
理由から好ましいものである。エッジウィック(edgewi
ck)とは、紙基材の端面を介する水分吸収をいう。即
ち、エッジウィックとは、毛管現象によって水分が紙基
材の端面から紙基材内へ浸入する現象をいう。エッジウ
ィックの測定方法は、長さ1000mm、厚み1mmの
原紙の端面に水を1時間浸漬させ、浸漬後の水の重量を
測定した値である。エッジウィックが0.5gを超える
場合は、レトルト殺菌処理や冷却の際、端面から水分が
浸透しやすくなるため、容器の強度が著しく低下し、好
ましくないものである。
紙としては、エッジウィック0.2g/1000mm2
〜0.5g/1000mm2であることが、端面からの
水分吸収が少ないため、レトルト殺菌処理に耐えること
ができ、原紙の変色を抑え、変形防止することができる
理由から好ましいものである。エッジウィック(edgewi
ck)とは、紙基材の端面を介する水分吸収をいう。即
ち、エッジウィックとは、毛管現象によって水分が紙基
材の端面から紙基材内へ浸入する現象をいう。エッジウ
ィックの測定方法は、長さ1000mm、厚み1mmの
原紙の端面に水を1時間浸漬させ、浸漬後の水の重量を
測定した値である。エッジウィックが0.5gを超える
場合は、レトルト殺菌処理や冷却の際、端面から水分が
浸透しやすくなるため、容器の強度が著しく低下し、好
ましくないものである。
【0015】また、レトルト処理用原紙のサイズ度(J
IS P8122)が、400秒〜1200秒の範囲に
あることが好ましい。すなわち、サイズ度とは、5cm
角の試験片の四周を折り、2%ロダンアンモニウム溶液
(20±0℃)に浮べ、同時に1%塩化第二鉄溶液1滴
を落す。その瞬間から3個の赤色はん点が現われるまで
の時間(秒)をいう。サイズ度の測定は試験片の両面に
ついて各5回行う。結果は秒数を、1秒以下を四捨五入
して表示する。レトルト処理用原紙のサイズ度が400
秒未満の場合は、レトルト殺菌処理や冷却の際、紙の表
面より水分が浸透しやすくなるため、容器の強度が著し
く低下し、好ましくないものである。
IS P8122)が、400秒〜1200秒の範囲に
あることが好ましい。すなわち、サイズ度とは、5cm
角の試験片の四周を折り、2%ロダンアンモニウム溶液
(20±0℃)に浮べ、同時に1%塩化第二鉄溶液1滴
を落す。その瞬間から3個の赤色はん点が現われるまで
の時間(秒)をいう。サイズ度の測定は試験片の両面に
ついて各5回行う。結果は秒数を、1秒以下を四捨五入
して表示する。レトルト処理用原紙のサイズ度が400
秒未満の場合は、レトルト殺菌処理や冷却の際、紙の表
面より水分が浸透しやすくなるため、容器の強度が著し
く低下し、好ましくないものである。
【0016】また、本発明において、レトルト処理用原
紙としては、パルプ層の表面に顔料塗工層を設けること
が好ましい。顔料塗工層としては、顔料と接着剤を主成
分とするもので、耐水性と印刷適性およびレトルト後の
原紙の黄変を隠蔽することができるものである。顔料と
しては、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、二酸化チ
タン等の公知の紙塗工用顔料がいずれも使用できる。ま
た、接着剤としては、スチレン−ブタジエン共重合ラテ
ックス、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合ラテ
ックス、ポリアクリル酸エステルエマルジョン、ポリ酢
酸ビニルエマルジョン、ポリビニールアルコール、酸化
澱粉、カゼイン等の顔料塗工用として使用される接着剤
がいずれも使用でき、中でもラテックス系や、合成ゴム
系が耐水性にすぐれているため好ましいものである。顔
料塗工層のパルプ層の表面への塗工方法は、抄紙機上の
オンマシン塗工またはオフマシン塗工のいずれでもよ
く、ロールコーター、キャストコーター、バーコータ
ー、ブレードコーター、エアナイフコーター等の塗工機
を使用し、必要に応じて、スーパーキャレンダー処理や
エンボス処理を施すことができる。塗工量としては、1
〜30g/m2の範囲が好ましい。塗工の回数は、1回
ないし2回以上行っても構わない。
紙としては、パルプ層の表面に顔料塗工層を設けること
が好ましい。顔料塗工層としては、顔料と接着剤を主成
分とするもので、耐水性と印刷適性およびレトルト後の
原紙の黄変を隠蔽することができるものである。顔料と
しては、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、二酸化チ
タン等の公知の紙塗工用顔料がいずれも使用できる。ま
た、接着剤としては、スチレン−ブタジエン共重合ラテ
ックス、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合ラテ
ックス、ポリアクリル酸エステルエマルジョン、ポリ酢
酸ビニルエマルジョン、ポリビニールアルコール、酸化
澱粉、カゼイン等の顔料塗工用として使用される接着剤
がいずれも使用でき、中でもラテックス系や、合成ゴム
系が耐水性にすぐれているため好ましいものである。顔
料塗工層のパルプ層の表面への塗工方法は、抄紙機上の
オンマシン塗工またはオフマシン塗工のいずれでもよ
く、ロールコーター、キャストコーター、バーコータ
ー、ブレードコーター、エアナイフコーター等の塗工機
を使用し、必要に応じて、スーパーキャレンダー処理や
エンボス処理を施すことができる。塗工量としては、1
〜30g/m2の範囲が好ましい。塗工の回数は、1回
ないし2回以上行っても構わない。
【0017】本発明に係るレトルト処理用原紙の添加剤
としては、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリアミド、エピ
クロルヒドリン樹脂、ポリアミン・ピクロルヒドリン樹
脂等の湿潤紙力増強剤、澱粉、ポリビニールアルコー
ル、ポリアクリルアマイド等の紙力増強剤、サイズ剤、
染料、着色顔料、填料、定着剤などを適宜添加すること
ができる。また、湿潤紙力増強剤、填料、定着剤などを
添加して抄紙した原紙に、合成ゴムラテックスや合成樹
脂エマルジョンを含浸したり、製紙用パルプに合成ゴム
ラテックス、合成樹脂エマルジョンを定着して抄紙した
原紙を使用しても良い。
としては、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリアミド、エピ
クロルヒドリン樹脂、ポリアミン・ピクロルヒドリン樹
脂等の湿潤紙力増強剤、澱粉、ポリビニールアルコー
ル、ポリアクリルアマイド等の紙力増強剤、サイズ剤、
染料、着色顔料、填料、定着剤などを適宜添加すること
ができる。また、湿潤紙力増強剤、填料、定着剤などを
添加して抄紙した原紙に、合成ゴムラテックスや合成樹
脂エマルジョンを含浸したり、製紙用パルプに合成ゴム
ラテックス、合成樹脂エマルジョンを定着して抄紙した
原紙を使用しても良い。
【0018】パルプ層に添加されるサイズ剤は、特に限
定されず、用途に応じて適宜、中性サイズ剤や酸性サイ
ズ剤を用いることができる。中性サイズ剤としては、ア
ルキルケテンダイマー、アルケニル無水コハク酸等が用
いられる。また、酸性サイズ剤としては、例えば、ロジ
ンサイズ剤、強化ロジンサイズ剤、ロジンエマルジョン
サイズ剤等を用いることができる。添加量は、対パルプ
繊維あたり0.1〜4.0重量%が好ましい。定着剤と
して硫酸バンド等が添加されてもよい。
定されず、用途に応じて適宜、中性サイズ剤や酸性サイ
ズ剤を用いることができる。中性サイズ剤としては、ア
ルキルケテンダイマー、アルケニル無水コハク酸等が用
いられる。また、酸性サイズ剤としては、例えば、ロジ
ンサイズ剤、強化ロジンサイズ剤、ロジンエマルジョン
サイズ剤等を用いることができる。添加量は、対パルプ
繊維あたり0.1〜4.0重量%が好ましい。定着剤と
して硫酸バンド等が添加されてもよい。
【0019】本発明において、本発明にかかるレトルト
処理用原紙を製造する方法について、具体的に述べる
と、上記のパルプを叩解し、上記の添加剤を適宜添加
し、円網抄紙機、長網抄紙機等を使用して、抄紙するこ
とで製造できる。また、抄紙途中にサイズプレス装置等
で、サイズ剤、紙力増強剤等をコーティングすることも
適宜行われる。
処理用原紙を製造する方法について、具体的に述べる
と、上記のパルプを叩解し、上記の添加剤を適宜添加
し、円網抄紙機、長網抄紙機等を使用して、抄紙するこ
とで製造できる。また、抄紙途中にサイズプレス装置等
で、サイズ剤、紙力増強剤等をコーティングすることも
適宜行われる。
【0020】また、必要に応じて、装飾、内容物の表
示、賞味期間の表示、製造者、販売者等の表示、その他
等の表示のために、文字、絵柄、図形、記号等の任意の
印刷層をレトルト処理用原紙の表面、または、レトルト
処理用原紙の上に積層させる最外層の裏面に設けるもの
が好ましいものである。印刷層は、レトルト処理用原紙
の表面、または、最外層の裏面に設けることにより、イ
ンキの密着性が良く、また、インキ層の上に樹脂層が形
成されるため、印刷層が保護されるため、ボイル・レト
ルト処理しても、インキ剥がれがないという利点を有す
る。かかる印刷層は、例えば、通常のインキ組成物を使
用してオフセット印刷あるいはグラビア印刷、フレキソ
印刷、凸版印刷、シルクスクリーン印刷、その他等の通
常の印刷法等によって形成することができる。
示、賞味期間の表示、製造者、販売者等の表示、その他
等の表示のために、文字、絵柄、図形、記号等の任意の
印刷層をレトルト処理用原紙の表面、または、レトルト
処理用原紙の上に積層させる最外層の裏面に設けるもの
が好ましいものである。印刷層は、レトルト処理用原紙
の表面、または、最外層の裏面に設けることにより、イ
ンキの密着性が良く、また、インキ層の上に樹脂層が形
成されるため、印刷層が保護されるため、ボイル・レト
ルト処理しても、インキ剥がれがないという利点を有す
る。かかる印刷層は、例えば、通常のインキ組成物を使
用してオフセット印刷あるいはグラビア印刷、フレキソ
印刷、凸版印刷、シルクスクリーン印刷、その他等の通
常の印刷法等によって形成することができる。
【0021】以上のようにして製造される本発明にかか
るレトルト処理用原紙は、従来品と比べ、耐水性、耐圧
性、印刷適性、変形防止強度に優れるものであり、レト
ルト処理等の加工に伴う熱処理に耐えることができ、熱
水の浸透による原紙の層間強度の低下や原紙の変色も認
められず、優れているものである。
るレトルト処理用原紙は、従来品と比べ、耐水性、耐圧
性、印刷適性、変形防止強度に優れるものであり、レト
ルト処理等の加工に伴う熱処理に耐えることができ、熱
水の浸透による原紙の層間強度の低下や原紙の変色も認
められず、優れているものである。
【0022】次に、本発明において、本発明にかかるレ
トルト処理用原紙を使用したレトルト処理積層体を構成
する材料、製造方法について更に詳しく説明する。ま
ず、本発明にかかるレトルト処理用紙容器の積層体を構
成する最外層としては、レトルト殺菌処理に耐え、加熱
によって溶融し相互に融着し得るヒ−トシ−ル性を有す
るものを使用することが好ましい。また、最外層は、溶
融押出し樹脂層か、または、合成樹脂フィルム層から構
成される。具体的には、最外層の材料としては、高密度
ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレン樹脂、直鎖状低
密度ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエス
テル樹脂、ポリアミド樹脂からなる樹脂を使用すること
ができる。
トルト処理用原紙を使用したレトルト処理積層体を構成
する材料、製造方法について更に詳しく説明する。ま
ず、本発明にかかるレトルト処理用紙容器の積層体を構
成する最外層としては、レトルト殺菌処理に耐え、加熱
によって溶融し相互に融着し得るヒ−トシ−ル性を有す
るものを使用することが好ましい。また、最外層は、溶
融押出し樹脂層か、または、合成樹脂フィルム層から構
成される。具体的には、最外層の材料としては、高密度
ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレン樹脂、直鎖状低
密度ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエス
テル樹脂、ポリアミド樹脂からなる樹脂を使用すること
ができる。
【0023】本発明において、溶融押出し樹脂層からな
る最外層の材料としては、高密度ポリエチレン樹脂、直
鎖状低密度ポリエチレン樹脂(好ましくは密度0.92
以上)、ポリプロピレン樹脂若しくは変性ポリプロピレ
ン樹脂、アモルファスポリエチレンテレフタレート樹脂
等が好ましい。中でも、耐熱性、シール性、コスト面に
優れるホモ系のポリプロピレンがより好ましい。例えば
ポリプロピレン樹脂のMI(メルトインデックス)とし
ては、3〜50g/10分程度が好ましく、15〜45
g/10分程度がより好ましい。溶融押出し樹脂層から
なる最外層の厚みとしては、10〜60μmの範囲にあ
ることが好ましい。而して、本発明において、上記のよ
うな樹脂の1種ないし2種以上を使用し、これを押出機
等を用いて溶融押出して、アンカーコート剤、コロナ処
理、フレーム処理、オゾン処理等を介して、溶融押出し
樹脂層からなる最外層を溶融押出し積層することによ
り、あるいは、接着性の溶融押出樹脂層等を介して溶融
押出し積層することにより、溶融押出し樹脂層からなる
最外層を形成することができるものである。
る最外層の材料としては、高密度ポリエチレン樹脂、直
鎖状低密度ポリエチレン樹脂(好ましくは密度0.92
以上)、ポリプロピレン樹脂若しくは変性ポリプロピレ
ン樹脂、アモルファスポリエチレンテレフタレート樹脂
等が好ましい。中でも、耐熱性、シール性、コスト面に
優れるホモ系のポリプロピレンがより好ましい。例えば
ポリプロピレン樹脂のMI(メルトインデックス)とし
ては、3〜50g/10分程度が好ましく、15〜45
g/10分程度がより好ましい。溶融押出し樹脂層から
なる最外層の厚みとしては、10〜60μmの範囲にあ
ることが好ましい。而して、本発明において、上記のよ
うな樹脂の1種ないし2種以上を使用し、これを押出機
等を用いて溶融押出して、アンカーコート剤、コロナ処
理、フレーム処理、オゾン処理等を介して、溶融押出し
樹脂層からなる最外層を溶融押出し積層することによ
り、あるいは、接着性の溶融押出樹脂層等を介して溶融
押出し積層することにより、溶融押出し樹脂層からなる
最外層を形成することができるものである。
【0024】本発明において、上記の接着性の溶融押出
樹脂層としては、熱可塑性樹脂層からなる樹脂層が使用
され、耐熱性を有し、溶融押出し樹脂層からなる最外層
と紙基材層との接着力を高めるために使用することが好
ましい。具体的には、接着性の溶融押出樹脂層の材料と
しては、低密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレン
樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、直鎖状低密度ポリエチ
レン樹脂、メタロセン触媒を利用して重合したエチレン
・αオレフィンとの共重合体樹脂、エチレン・ポリプロ
ピレン共重合体樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合体樹
脂、エチレン・アクリル酸共重合体樹脂、エチレン・ア
クリル酸エチル共重合体樹脂、エチレン・メタクリル酸
共重合体樹脂、エチレン・メタクリル酸メチル共重合体
樹脂、エチレン・マレイン酸共重合体樹脂、アイオノマ
ー樹脂、ポリオレフィン樹脂に不飽和カルボン酸、不飽
和カルボン酸、不飽和カルボン酸無水物、エステル単量
体をグラフト重合、または、共重合した樹脂、無水マレ
イン酸をポリオレフィン樹脂にグラフト変性した樹脂等
を使用することができる。これらの材料は、一種ないし
それ以上を組み合わせて使用することができる。その樹
脂層の厚みとしては、10〜30μm位が好ましい。
樹脂層としては、熱可塑性樹脂層からなる樹脂層が使用
され、耐熱性を有し、溶融押出し樹脂層からなる最外層
と紙基材層との接着力を高めるために使用することが好
ましい。具体的には、接着性の溶融押出樹脂層の材料と
しては、低密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレン
樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、直鎖状低密度ポリエチ
レン樹脂、メタロセン触媒を利用して重合したエチレン
・αオレフィンとの共重合体樹脂、エチレン・ポリプロ
ピレン共重合体樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合体樹
脂、エチレン・アクリル酸共重合体樹脂、エチレン・ア
クリル酸エチル共重合体樹脂、エチレン・メタクリル酸
共重合体樹脂、エチレン・メタクリル酸メチル共重合体
樹脂、エチレン・マレイン酸共重合体樹脂、アイオノマ
ー樹脂、ポリオレフィン樹脂に不飽和カルボン酸、不飽
和カルボン酸、不飽和カルボン酸無水物、エステル単量
体をグラフト重合、または、共重合した樹脂、無水マレ
イン酸をポリオレフィン樹脂にグラフト変性した樹脂等
を使用することができる。これらの材料は、一種ないし
それ以上を組み合わせて使用することができる。その樹
脂層の厚みとしては、10〜30μm位が好ましい。
【0025】本発明において、合成樹脂フィルム層から
なる最外層としては、一軸ないし二軸延伸加工を施すこ
とにより、耐熱性、耐衝撃性をさらに向上させたものが
用いられる。具体的には、合成樹脂フィルム層からなる
最外層の材料としては、例えば、二軸延伸ポリプロピレ
ン樹脂フィルム、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート
樹脂フィルム、二軸延伸ポリアミド樹脂フィルム等が好
ましい。合成樹脂フィルム層からなる最外層の厚みとし
ては、10〜60μmの範囲にあることが好ましい。而
して、本発明において、上記のような合成樹脂フィルム
層を、上述のような接着性の溶融押出樹脂層を介しラミ
ネート積層することにより、合成樹脂フィルム層からな
る最外層を形成することができるものである。
なる最外層としては、一軸ないし二軸延伸加工を施すこ
とにより、耐熱性、耐衝撃性をさらに向上させたものが
用いられる。具体的には、合成樹脂フィルム層からなる
最外層の材料としては、例えば、二軸延伸ポリプロピレ
ン樹脂フィルム、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート
樹脂フィルム、二軸延伸ポリアミド樹脂フィルム等が好
ましい。合成樹脂フィルム層からなる最外層の厚みとし
ては、10〜60μmの範囲にあることが好ましい。而
して、本発明において、上記のような合成樹脂フィルム
層を、上述のような接着性の溶融押出樹脂層を介しラミ
ネート積層することにより、合成樹脂フィルム層からな
る最外層を形成することができるものである。
【0026】本発明にかかるレトルト処理用原紙を使用
する積層体を構成する介在樹脂層としては、高融点を必
要とせず、熱可塑性樹脂層からなる樹脂層が使用され、
紙基材層の耐水性、紙間強度を向上させるとともに、紙
基材層と中間層との接着力を高め、また、紙基材層に中
間層を積層した際に発生するカールを抑制するために使
用することが好ましい。具体的には、介在樹脂層の材料
としては、低密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレ
ン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、直鎖状低密度ポリエ
チレン樹脂、エチレン・αオレフィンとの共重合体樹
脂、エチレン・ポリプロピレン共重合体樹脂、エチレン
・酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン・アクリル酸共重
合体樹脂、エチレン・アクリル酸エステル共重合体樹
脂、エチレン・メタクリル酸共重合体樹脂、エチレン・
メタクリル酸メチル共重合体樹脂、エチレン・マレイン
酸共重合体樹脂、アイオノマー樹脂等を使用することが
できる。これらの材料は、一種ないしそれ以上を組み合
わせて使用することができる。介在樹脂層の厚みとして
は、10〜60μmの範囲にあることが好ましい。中間
層にバリア層として金属蒸着層、無機酸化物の蒸着層、
または、金属酸化物の蒸着層を備えた基材樹脂フィルム
を有するものを使用する場合、介在樹脂層、若しくは、
介在樹脂層と耐ピンホール性層の総厚みとしては、30
μm〜60μm程度の範囲にあることが、蒸着面のピン
ホールを防止することができるため、好ましい。介在樹
脂層、若しくは、介在樹脂層と耐ピンホール性層の総厚
み、30μm未満の場合、金属蒸着層、無機酸化物蒸着
層、または、金属酸化物の蒸着層が、金属箔と比べて熱
伝導性に劣り、ヒートシールして成形する際や、レトル
ト殺菌を施すことで、過度な熱や圧力がかかる部分にピ
ンホールが発生しやすいため、好ましくない。一方、介
在樹脂層、若しくは、介在樹脂層と耐ピンホール層の厚
み、60μmを越える場合、レトルト紙容器の成形性
(製函適性)が劣るため、好ましくない。
する積層体を構成する介在樹脂層としては、高融点を必
要とせず、熱可塑性樹脂層からなる樹脂層が使用され、
紙基材層の耐水性、紙間強度を向上させるとともに、紙
基材層と中間層との接着力を高め、また、紙基材層に中
間層を積層した際に発生するカールを抑制するために使
用することが好ましい。具体的には、介在樹脂層の材料
としては、低密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレ
ン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、直鎖状低密度ポリエ
チレン樹脂、エチレン・αオレフィンとの共重合体樹
脂、エチレン・ポリプロピレン共重合体樹脂、エチレン
・酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン・アクリル酸共重
合体樹脂、エチレン・アクリル酸エステル共重合体樹
脂、エチレン・メタクリル酸共重合体樹脂、エチレン・
メタクリル酸メチル共重合体樹脂、エチレン・マレイン
酸共重合体樹脂、アイオノマー樹脂等を使用することが
できる。これらの材料は、一種ないしそれ以上を組み合
わせて使用することができる。介在樹脂層の厚みとして
は、10〜60μmの範囲にあることが好ましい。中間
層にバリア層として金属蒸着層、無機酸化物の蒸着層、
または、金属酸化物の蒸着層を備えた基材樹脂フィルム
を有するものを使用する場合、介在樹脂層、若しくは、
介在樹脂層と耐ピンホール性層の総厚みとしては、30
μm〜60μm程度の範囲にあることが、蒸着面のピン
ホールを防止することができるため、好ましい。介在樹
脂層、若しくは、介在樹脂層と耐ピンホール性層の総厚
み、30μm未満の場合、金属蒸着層、無機酸化物蒸着
層、または、金属酸化物の蒸着層が、金属箔と比べて熱
伝導性に劣り、ヒートシールして成形する際や、レトル
ト殺菌を施すことで、過度な熱や圧力がかかる部分にピ
ンホールが発生しやすいため、好ましくない。一方、介
在樹脂層、若しくは、介在樹脂層と耐ピンホール層の厚
み、60μmを越える場合、レトルト紙容器の成形性
(製函適性)が劣るため、好ましくない。
【0027】本発明において、中間層を構成するバリア
層としては、太陽光等の光を遮光する性質、あるいは水
蒸気、水、ガス等を透過しない性質等を有する材料を使
用することができ、これは、単体の基材でもよく、ある
いは二種以上の基材を組み合わせてなる複合基材等であ
ってもよい。具体的には、このバリア層の材料として
は、アルミニウム箔を用いるのが一般的であるが、アル
ミニウム箔の代わりに、アルミニウム等の金属、シリ
カ、アルミナ等のセラミックをPETフィルム等のプラ
スチックフィルムに真空蒸着又はスパッタリング等によ
って蒸着層を形成して使用する場合もある。セラミック
としては、この他に、酸化インジウム錫(ITO)、又
は、亜鉛、錫、チタン、ジルコニウム、バナジウム、バ
リウム、クロム等の金属酸化物、窒化珪素、炭化珪素等
が使用できる。これらの材料は、一種ないしそれ以上を
組み合わせて使用することができる。上記のフィルムな
いしシ−トの厚さとしては、任意であるが、通常、5〜
300μm位が好ましく、10〜100μm位が望まし
い。更に、上記において、アルミニウム箔としては、5
〜30μm位の厚さのもの、また、金属または無機酸化
物の蒸着膜としては、厚さ50〜3000Å位のものを
使用することが好ましく、100〜1000Å位のもの
が望ましい。使用する金属、または、金属の酸化物とし
ては、1種または2種以上の混合物で使用し、異種の材
質で混合した無機酸化物の薄膜を形成することもでき
る。また、上記の蒸着膜を支持する樹脂のフィルムとし
ては、これに蒸着層を設けることから、機械的、物理
的、化学的、その他等において優れた性質を有し、特に
強度を有して強靭であり、かつ、耐熱性を有する樹脂の
フィルムないしシートを使用することができる。
層としては、太陽光等の光を遮光する性質、あるいは水
蒸気、水、ガス等を透過しない性質等を有する材料を使
用することができ、これは、単体の基材でもよく、ある
いは二種以上の基材を組み合わせてなる複合基材等であ
ってもよい。具体的には、このバリア層の材料として
は、アルミニウム箔を用いるのが一般的であるが、アル
ミニウム箔の代わりに、アルミニウム等の金属、シリ
カ、アルミナ等のセラミックをPETフィルム等のプラ
スチックフィルムに真空蒸着又はスパッタリング等によ
って蒸着層を形成して使用する場合もある。セラミック
としては、この他に、酸化インジウム錫(ITO)、又
は、亜鉛、錫、チタン、ジルコニウム、バナジウム、バ
リウム、クロム等の金属酸化物、窒化珪素、炭化珪素等
が使用できる。これらの材料は、一種ないしそれ以上を
組み合わせて使用することができる。上記のフィルムな
いしシ−トの厚さとしては、任意であるが、通常、5〜
300μm位が好ましく、10〜100μm位が望まし
い。更に、上記において、アルミニウム箔としては、5
〜30μm位の厚さのもの、また、金属または無機酸化
物の蒸着膜としては、厚さ50〜3000Å位のものを
使用することが好ましく、100〜1000Å位のもの
が望ましい。使用する金属、または、金属の酸化物とし
ては、1種または2種以上の混合物で使用し、異種の材
質で混合した無機酸化物の薄膜を形成することもでき
る。また、上記の蒸着膜を支持する樹脂のフィルムとし
ては、これに蒸着層を設けることから、機械的、物理
的、化学的、その他等において優れた性質を有し、特に
強度を有して強靭であり、かつ、耐熱性を有する樹脂の
フィルムないしシートを使用することができる。
【0028】具体的には、本発明において、上記の蒸着
膜を支持する樹脂のフィルムとしては、例えば、ポリエ
チレンテレフタレイト等のポリエステル系樹脂フィル
ム、各種ナイロン等のポリアミド系樹脂フィルム、ポリ
エチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、環状ポリオレ
フィン樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−
スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブ
タジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリブデ
ン樹脂フィルム等のポリオレフィンフィルム、ポリ塩化
ビニル系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、ポリイミド系
樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアリールフタレイ
ト樹脂、シリコーン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリ
フェニレンスルフィド系樹脂、ポリエーテルスルホン系
樹脂、ポリウレタン系樹脂、セルロース系樹脂、ポリ
(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニリデンフィル
ム、アセタール系樹脂フィルム、フッ素系樹脂、その他
等を使用することができる。なお、本発明においては、
特に、ポリプロピレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ま
たは、ポリアミド系樹脂のフィルムないしシートを使用
することが好ましい。
膜を支持する樹脂のフィルムとしては、例えば、ポリエ
チレンテレフタレイト等のポリエステル系樹脂フィル
ム、各種ナイロン等のポリアミド系樹脂フィルム、ポリ
エチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、環状ポリオレ
フィン樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−
スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブ
タジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリブデ
ン樹脂フィルム等のポリオレフィンフィルム、ポリ塩化
ビニル系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、ポリイミド系
樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアリールフタレイ
ト樹脂、シリコーン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリ
フェニレンスルフィド系樹脂、ポリエーテルスルホン系
樹脂、ポリウレタン系樹脂、セルロース系樹脂、ポリ
(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニリデンフィル
ム、アセタール系樹脂フィルム、フッ素系樹脂、その他
等を使用することができる。なお、本発明においては、
特に、ポリプロピレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ま
たは、ポリアミド系樹脂のフィルムないしシートを使用
することが好ましい。
【0029】次に、本発明において、バリア層を構成す
る金属または無機酸化物の蒸着膜を形成する方法につい
て説明すると、かかる方法としては、例えば、真空蒸着
法、スパッタリング法、イオンプレ−ティング法等の物
理気相成長法(Physical Vapor Dep
osition法、PVD法)、あるいは、プラズマ化
学気相成長法、熱化学気相成長法、光化学気相成長法等
の化学気相成長法(Chemical Vapor D
eposition法、CVD法)等を挙げることがで
きる。本発明において、金属または無機酸化物の蒸着膜
の形成法について具体的に説明すると、上記のような金
属または金属の酸化物を原料とし、これを加熱して可撓
性フィルムの上に蒸着する真空蒸着法、または原料に金
属または金属の酸化物を使用し、酸素ガス等を導入して
酸化させて可撓性フィルムの上に蒸着する酸化反応蒸着
法、更に酸化反応をプラズマで助成するプラズマ助成式
の酸化反応蒸着法等を用いて蒸着膜を形成することがで
きる。また、本発明においては、酸化珪素の蒸着膜を形
成する場合、オルガノシロキサンを原料とするプラズマ
化学気相成長法を用いて蒸着膜を形成することができ
る。
る金属または無機酸化物の蒸着膜を形成する方法につい
て説明すると、かかる方法としては、例えば、真空蒸着
法、スパッタリング法、イオンプレ−ティング法等の物
理気相成長法(Physical Vapor Dep
osition法、PVD法)、あるいは、プラズマ化
学気相成長法、熱化学気相成長法、光化学気相成長法等
の化学気相成長法(Chemical Vapor D
eposition法、CVD法)等を挙げることがで
きる。本発明において、金属または無機酸化物の蒸着膜
の形成法について具体的に説明すると、上記のような金
属または金属の酸化物を原料とし、これを加熱して可撓
性フィルムの上に蒸着する真空蒸着法、または原料に金
属または金属の酸化物を使用し、酸素ガス等を導入して
酸化させて可撓性フィルムの上に蒸着する酸化反応蒸着
法、更に酸化反応をプラズマで助成するプラズマ助成式
の酸化反応蒸着法等を用いて蒸着膜を形成することがで
きる。また、本発明においては、酸化珪素の蒸着膜を形
成する場合、オルガノシロキサンを原料とするプラズマ
化学気相成長法を用いて蒸着膜を形成することができ
る。
【0030】本発明において、中間層を構成する耐ピン
ホール性を付与する層としては、機械的、物理的、化学
的、その他等において優れた性質を示し、その強度に優
れ、更に、耐熱性、耐ピンホール性、耐突き刺し性等の
物性に優れたフィルムないしシートを使用することがで
きる。具体的には、耐ピンホール性を付与する層の材料
としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポ
リエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアラミド系樹
脂、ポリカーボネイト樹脂、ポリアセタール樹脂、フッ
素系樹脂その他等の強靭な樹脂のフィルムないしシ−ト
を用いることができる。而して、上記の樹脂のフィルム
ないしシ−トとしては、未延伸フィルム、あるいは一軸
方向または二軸方向に延伸した延伸フィルム等のいずれ
のものでも使用することができる。また、本発明におい
て、その樹脂のフィルムないしシートの厚さとしては、
強度、耐ピンホール性、耐突き刺し性、剛度、その他等
について必要最低限に保持され得る厚さであれば良く、
厚すぎると、コストが上昇するという欠点もあり、逆
に、薄すぎると、強度、耐突き刺し性、剛度、その他等
が低下して好ましくないものである。そのフィルムの厚
さとしては、5〜100μm位、好ましくは、6〜50
μm位が望ましい。
ホール性を付与する層としては、機械的、物理的、化学
的、その他等において優れた性質を示し、その強度に優
れ、更に、耐熱性、耐ピンホール性、耐突き刺し性等の
物性に優れたフィルムないしシートを使用することがで
きる。具体的には、耐ピンホール性を付与する層の材料
としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポ
リエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアラミド系樹
脂、ポリカーボネイト樹脂、ポリアセタール樹脂、フッ
素系樹脂その他等の強靭な樹脂のフィルムないしシ−ト
を用いることができる。而して、上記の樹脂のフィルム
ないしシ−トとしては、未延伸フィルム、あるいは一軸
方向または二軸方向に延伸した延伸フィルム等のいずれ
のものでも使用することができる。また、本発明におい
て、その樹脂のフィルムないしシートの厚さとしては、
強度、耐ピンホール性、耐突き刺し性、剛度、その他等
について必要最低限に保持され得る厚さであれば良く、
厚すぎると、コストが上昇するという欠点もあり、逆
に、薄すぎると、強度、耐突き刺し性、剛度、その他等
が低下して好ましくないものである。そのフィルムの厚
さとしては、5〜100μm位、好ましくは、6〜50
μm位が望ましい。
【0031】次に本発明において、最内層としては、レ
トルト殺菌処理に耐え、加熱によって溶融し相互に融着
し得るヒ−トシ−ル性を有するものを使用することが好
ましい。具体的に、最内層の材料としては、直線状(線
状)低密度ポリエチレン樹脂(密度が0.92以上のも
のが好ましい。)、中密度ポリエチレン樹脂、高密度ポ
リエチレン樹脂、メタロセン触媒を使用して重合したエ
チレン−α・オレフィン共重合体、ポリプロピレン樹
脂、エチレン−プロピレン共重合体、非晶性ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポ
リエステル樹脂、6ナイロンフィルム、6,6ナイロン
フィルム等のポリアミド樹脂からなる樹脂を使用するこ
とができる。而して、本発明において、上記のような樹
脂の1種ないし2種以上を使用し、予め、これらの樹脂
のフィルムないしシートを製造し、その樹脂のフィルム
ないしシートを、ラミネート接着剤層等を介してドライ
ラミネート積層することにより、最内層を形成すること
ができるものである。上記において、樹脂のフィルムな
いしシートとしては、未延伸のものあるいは延伸されて
いるもの等のいずれでも使用することができる。なお、
本発明において、最内層の厚さとしては、10〜300
μm、好ましくは、30〜100μm程度が望ましい。
特に温度120℃以上のレトルトには、融点が145〜
165℃の未延伸ポリプロピレン系樹脂フィルムを使用
することが好ましい。而して、本発明において、上記の
ような樹脂のフィルムないしシートの中でも、特に、プ
ロピレンホモポリマー、プロピレン−エチレンランダム
共重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体等の
ポリオレフィン樹脂から製膜した未延伸フィルムを使用
することが、レトルト殺菌処理による熱収縮が少なく、
低分子量物質の内容物への移行が少なく、耐衝撃性に優
れているため、望ましいものである。
トルト殺菌処理に耐え、加熱によって溶融し相互に融着
し得るヒ−トシ−ル性を有するものを使用することが好
ましい。具体的に、最内層の材料としては、直線状(線
状)低密度ポリエチレン樹脂(密度が0.92以上のも
のが好ましい。)、中密度ポリエチレン樹脂、高密度ポ
リエチレン樹脂、メタロセン触媒を使用して重合したエ
チレン−α・オレフィン共重合体、ポリプロピレン樹
脂、エチレン−プロピレン共重合体、非晶性ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポ
リエステル樹脂、6ナイロンフィルム、6,6ナイロン
フィルム等のポリアミド樹脂からなる樹脂を使用するこ
とができる。而して、本発明において、上記のような樹
脂の1種ないし2種以上を使用し、予め、これらの樹脂
のフィルムないしシートを製造し、その樹脂のフィルム
ないしシートを、ラミネート接着剤層等を介してドライ
ラミネート積層することにより、最内層を形成すること
ができるものである。上記において、樹脂のフィルムな
いしシートとしては、未延伸のものあるいは延伸されて
いるもの等のいずれでも使用することができる。なお、
本発明において、最内層の厚さとしては、10〜300
μm、好ましくは、30〜100μm程度が望ましい。
特に温度120℃以上のレトルトには、融点が145〜
165℃の未延伸ポリプロピレン系樹脂フィルムを使用
することが好ましい。而して、本発明において、上記の
ような樹脂のフィルムないしシートの中でも、特に、プ
ロピレンホモポリマー、プロピレン−エチレンランダム
共重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体等の
ポリオレフィン樹脂から製膜した未延伸フィルムを使用
することが、レトルト殺菌処理による熱収縮が少なく、
低分子量物質の内容物への移行が少なく、耐衝撃性に優
れているため、望ましいものである。
【0032】而して、本発明において、レトルト処理用
原紙に積層する上記の樹脂のフィルムないしシ−トとし
ては、例えば、上記の各種の樹脂の1種ないしそれ以上
を使用し、押出し法、キャスト法、Tダイ法、切削法、
インフレーション法、その他等の製膜化法を用いて、上
記の各種の樹脂を単独で製膜する方法、更には、2種以
上の樹脂を使用し、製膜化する前に混合して製膜化する
方法等により、各種の樹脂のフィルムないしシートを製
造し、更に、例えば、テンター方式、あるいは、チュー
ブラー方式等を利用して一軸方向または二軸方向に延伸
してなる各種の樹脂のフィルムないしシートを使用する
ことができる。
原紙に積層する上記の樹脂のフィルムないしシ−トとし
ては、例えば、上記の各種の樹脂の1種ないしそれ以上
を使用し、押出し法、キャスト法、Tダイ法、切削法、
インフレーション法、その他等の製膜化法を用いて、上
記の各種の樹脂を単独で製膜する方法、更には、2種以
上の樹脂を使用し、製膜化する前に混合して製膜化する
方法等により、各種の樹脂のフィルムないしシートを製
造し、更に、例えば、テンター方式、あるいは、チュー
ブラー方式等を利用して一軸方向または二軸方向に延伸
してなる各種の樹脂のフィルムないしシートを使用する
ことができる。
【0033】なお、本発明において、レトルト処理用原
紙に積層する上記の各種の樹脂の1種ないしそれ以上を
使用し、その製膜化に際して、例えば、フィルムの加工
性、耐熱性、対候性、機械的性質、寸法安定性、抗酸化
性、滑り性、離形性、難燃性、抗カビ性、電気的特性、
強度、その他等を改良、改質する目的で、種々のプラス
ティック配合剤や添加剤等を添加することができる。そ
の添加量としては、極微量から数十%まで、その目的に
応じて、任意に添加することができる。上記において、
一般的な添加剤としては、例えば、滑剤、架橋剤、酸化
防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、帯電防止
剤、アンチブロッキング剤、染料、顔料等の着色剤、そ
の他等を使用することができ、更には、改質用樹脂等も
使用することができる。
紙に積層する上記の各種の樹脂の1種ないしそれ以上を
使用し、その製膜化に際して、例えば、フィルムの加工
性、耐熱性、対候性、機械的性質、寸法安定性、抗酸化
性、滑り性、離形性、難燃性、抗カビ性、電気的特性、
強度、その他等を改良、改質する目的で、種々のプラス
ティック配合剤や添加剤等を添加することができる。そ
の添加量としては、極微量から数十%まで、その目的に
応じて、任意に添加することができる。上記において、
一般的な添加剤としては、例えば、滑剤、架橋剤、酸化
防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、帯電防止
剤、アンチブロッキング剤、染料、顔料等の着色剤、そ
の他等を使用することができ、更には、改質用樹脂等も
使用することができる。
【0034】また、本発明において、レトルト処理用原
紙に積層する上記の各種の樹脂のフィルムないしシート
の表面には、各層の積層の密着性等を向上させるため
に、必要に応じて、予め、所望の表面処理層を設けるこ
とができる。本発明において、上記の表面処理層として
は、例えば、フレーム処理、コロナ処理、オゾン処理、
酸素ガス、若しくは、窒素ガス等を用いた低温プラズマ
処理、グロー放電処理、化学薬品等を用いて処理する酸
化処理、その他等の前処理を任意に施し、例えば、フレ
ーム処理、コロナ処理層、オゾン処理層、プラズマ処理
層、酸化処理層、その他等を形成して設けることができ
る。上記の表面前処理は、レトルト処理用原紙、また
は、各種の樹脂のフィルムないしシートと各層を積層す
る際、密着性等を改良するための方法として実施するも
のであるが、上記の密着性を改良する方法として、例え
ば、各種の樹脂のフィルムないしシートまたは紙基材の
表面に、予め、プライマーコート剤層、アンダーコート
剤層、アンカーコート剤層等を任意に形成して、表面処
理層とすることもできる。上記の前処理のコート剤層と
しては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹
脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ樹脂、フェノール系
樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹
脂、ポリエチレンあるいはポリプロピレン等のポリオレ
フィン系樹脂あるいはその共重合体ないし変性樹脂、セ
ルロース系樹脂、その他等をビヒクルの主成分とする樹
脂組成物を使用することができる。
紙に積層する上記の各種の樹脂のフィルムないしシート
の表面には、各層の積層の密着性等を向上させるため
に、必要に応じて、予め、所望の表面処理層を設けるこ
とができる。本発明において、上記の表面処理層として
は、例えば、フレーム処理、コロナ処理、オゾン処理、
酸素ガス、若しくは、窒素ガス等を用いた低温プラズマ
処理、グロー放電処理、化学薬品等を用いて処理する酸
化処理、その他等の前処理を任意に施し、例えば、フレ
ーム処理、コロナ処理層、オゾン処理層、プラズマ処理
層、酸化処理層、その他等を形成して設けることができ
る。上記の表面前処理は、レトルト処理用原紙、また
は、各種の樹脂のフィルムないしシートと各層を積層す
る際、密着性等を改良するための方法として実施するも
のであるが、上記の密着性を改良する方法として、例え
ば、各種の樹脂のフィルムないしシートまたは紙基材の
表面に、予め、プライマーコート剤層、アンダーコート
剤層、アンカーコート剤層等を任意に形成して、表面処
理層とすることもできる。上記の前処理のコート剤層と
しては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹
脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ樹脂、フェノール系
樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹
脂、ポリエチレンあるいはポリプロピレン等のポリオレ
フィン系樹脂あるいはその共重合体ないし変性樹脂、セ
ルロース系樹脂、その他等をビヒクルの主成分とする樹
脂組成物を使用することができる。
【0035】上記アンカーコート剤に使用出来るものと
しては、レトルト処理用原紙の場合、溶剤型、水性型の
いずれも使用可能だが、希釈溶剤中およびアンカーコー
ト剤中のトルエン、メチルエチルケトン(MEK)等の
人体に有害な有機溶剤等が、積層体中に残存するため、
食品包装に用いた場合には食品に残留溶剤が移行し易
く、食品衛生上好ましくない。従って、(塩素化)ポリ
プロピレン系、変性ポリオレフィン系、エチルビニルア
ルコール系、ポリエチレンイミン系、ポリブタジエン
系、ポリウレタン系、ポリエステル系ポリウレタンエマ
ルジョン、ポリ塩化ビニルエマルジョン、ウレタンアク
リルエマルジョン、シリコンアクリルエマルジョン、酢
酸ビニルアクリルエマルジョン、アクリルエマルジョ
ン、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス、アクリ
ルニトリル−ブタジエン共重合体ラテックス、メチルメ
タアクリレート−ブタジエン共重合体ラテックス、クロ
ロプレンラテックス、ポリブタジェンラテックスのゴム
系ラテックス、ポリアクリル酸エステルラテックス、ポ
リ塩化ビニリデンラテックス、ポリブタジエンラテック
ス、あるいはこれらのラテックスのカルボキシル変性物
や水溶性物質、例えば、ポリビニルアルコール、水溶性
エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリエチレンオキサイ
ド、水性アクリル樹脂、水性アポキシ樹脂、水性セルロ
ース誘導体、水性ポリエステルおよび水性リグニン誘導
体等水性イソシアネート等の水性若しくは水分散型エマ
ルジョン若しくはディスパージョンのアンカーコート剤
が用いられる。例えば、最外層がポリプロピレン系の溶
融押出し樹脂層の場合、基材との接着性を考慮すると、
ポリプロピレン系や変性ポリオレフィン系のエマルジョ
ン若しくはディスパージョンが好ましい。上記のアンカ
−コ−ト剤の塗布法としては、例えば、グラビアコ−ト
法、リバ−スロ−ルコ−ト法、ナイフコ−ト法、キスコ
−ト法、その他等の方法で塗布することができ、その塗
布量としては、乾燥状態で、0.1〜5g/m2が好ま
しい。
しては、レトルト処理用原紙の場合、溶剤型、水性型の
いずれも使用可能だが、希釈溶剤中およびアンカーコー
ト剤中のトルエン、メチルエチルケトン(MEK)等の
人体に有害な有機溶剤等が、積層体中に残存するため、
食品包装に用いた場合には食品に残留溶剤が移行し易
く、食品衛生上好ましくない。従って、(塩素化)ポリ
プロピレン系、変性ポリオレフィン系、エチルビニルア
ルコール系、ポリエチレンイミン系、ポリブタジエン
系、ポリウレタン系、ポリエステル系ポリウレタンエマ
ルジョン、ポリ塩化ビニルエマルジョン、ウレタンアク
リルエマルジョン、シリコンアクリルエマルジョン、酢
酸ビニルアクリルエマルジョン、アクリルエマルジョ
ン、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス、アクリ
ルニトリル−ブタジエン共重合体ラテックス、メチルメ
タアクリレート−ブタジエン共重合体ラテックス、クロ
ロプレンラテックス、ポリブタジェンラテックスのゴム
系ラテックス、ポリアクリル酸エステルラテックス、ポ
リ塩化ビニリデンラテックス、ポリブタジエンラテック
ス、あるいはこれらのラテックスのカルボキシル変性物
や水溶性物質、例えば、ポリビニルアルコール、水溶性
エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリエチレンオキサイ
ド、水性アクリル樹脂、水性アポキシ樹脂、水性セルロ
ース誘導体、水性ポリエステルおよび水性リグニン誘導
体等水性イソシアネート等の水性若しくは水分散型エマ
ルジョン若しくはディスパージョンのアンカーコート剤
が用いられる。例えば、最外層がポリプロピレン系の溶
融押出し樹脂層の場合、基材との接着性を考慮すると、
ポリプロピレン系や変性ポリオレフィン系のエマルジョ
ン若しくはディスパージョンが好ましい。上記のアンカ
−コ−ト剤の塗布法としては、例えば、グラビアコ−ト
法、リバ−スロ−ルコ−ト法、ナイフコ−ト法、キスコ
−ト法、その他等の方法で塗布することができ、その塗
布量としては、乾燥状態で、0.1〜5g/m2が好ま
しい。
【0036】次に、上記の本発明において、積層体を構
成する中間層と最内層を積層する方法について説明する
と、中間層と最内層の層間は、ドライラミネーション
法、無溶剤型ラミネーション法、ウェットラミネーショ
ン法、押出しラミネーション法、共押出しラミネーショ
ン法、サンドイッチラミネーション法、その他等で行う
ことができ、中でも、ドライラミネーション法が最も好
ましい。。上記の積層を行う際に、必要ならば、例え
ば、コロナ処理、オゾン処理等の前処理をフィルムに施
すことができる。本発明において、ラミネート用接着剤
を使用することにより、中間層と最内層の層間の密着性
を向上すると共に、ラミネート用接着剤層の伸長度を向
上させ、ラミネート加工、あるいは、製函加工の後加工
適性を向上させ、後加工時におけるアルミニウム等の金
属箔や、無機酸化物の蒸着膜のクラック等を防止し、更
に、ボイル処理、レトルト処理を施しても層間剥離せず
にラミネート強度が強固なものとなるという利点を有す
るものである。上記のラミネ−ト用接着剤の組成系とし
ては、水性型、溶剤型、エマルジョン型、分散型等のい
ずれの形態でもよく、また、その性状は、フィルム・シ
ート状、粉末状、固形状等のいずれの形態でもよく、更
に、接着機構については、化学反応型、溶剤揮発型、熱
溶融型、熱圧型等のいずれの形態でもよいものである。
かかるラミネ−ト用接着剤等としては、例えば、イソシ
アネ−ト系(ウレタン系)、ポリエチレンイミン系、ポ
リブタジェン系、有機チタン系等のアンカ−コ−ティン
グ剤、あるいはポリウレタン系、ポリアクリル酸エチ
ル、ポリアクリル酸ブチル、2−エチルヘキシルエステ
ル等のポリアクリル系、ポリエステル系、エポキシ系、
ポリ酢酸ビニル系、セルロ−ス系、ポリアミド系、ポリ
イミド系、尿素樹脂、メラミン樹脂等のアミノ樹脂系、
フェノール樹脂系、エポキシ樹脂系、反応型(メタ)ア
クリル系、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、スチレン
−ブタジエンゴム等のゴム系、シリコーン系、アルカリ
金属シリケート、低融点ガラス等からなる無機系接着
剤、その他等の接着剤等を好ましく使用でき、例えば、
イソシアネ−ト系樹脂(硬化剤)と、水酸基を有するポ
リエステル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ウレタン変性
ポリオール、エポキシ化合物(主剤)との二液硬化型接
着剤が望ましい。これらの中でもポリエステルを用いる
ことは耐熱性の点で好ましい。なお、上記ラミネート用
接着剤には、例えば、シランカップリング剤等の接着促
進剤を任意に添加することができる。シランカップリン
グ剤は、その分子の一端にある官能基、クロロ、アルコ
キシ、または、アセトキシ基等が加水分解し、シラノー
ル基を形成し、これが、金属箔や金属、無機酸化物の蒸
着膜表面上の活性な基と脱水縮合反応等を起こして強固
な結合を形成し、他方で、シランカップリング剤の他端
にあるビニル基、メタクリロキシ基、アミノ基、エポキ
シ基等の有機官能基が、耐ピンホール性層、最内層等を
構成する物質と強固に反応することで、ラミネート強度
を高め、強固な層間強度を可能にするものである。即
ち、シランカップリング剤が有する無機性と有機性とを
利用し、金属箔、無機酸化物の蒸着膜と、接着剤層、ア
ンカーコート剤層、その他等の層を介して、紙基材、合
成樹脂フィルム基材との密着性を向上させ、これによ
り、ラミネート強度を高めるものである。而して、これ
らの接着剤を形成する方法としては、例えば、ダイレク
トロールコート、リバースロールコート、グラビア(ダ
イレクト)コート、エアナイフコート、スクイズコー
ト、ブレードコート、コンマコート、カーテンフローコ
ート、キスコート、押し出しコート、その他の方法によ
って形成することができる。接着剤のコーティング量と
しては、0.1〜10g/m2位(乾燥状態)が好まし
く、1〜5g/m2位(乾燥状態)が望ましい。
成する中間層と最内層を積層する方法について説明する
と、中間層と最内層の層間は、ドライラミネーション
法、無溶剤型ラミネーション法、ウェットラミネーショ
ン法、押出しラミネーション法、共押出しラミネーショ
ン法、サンドイッチラミネーション法、その他等で行う
ことができ、中でも、ドライラミネーション法が最も好
ましい。。上記の積層を行う際に、必要ならば、例え
ば、コロナ処理、オゾン処理等の前処理をフィルムに施
すことができる。本発明において、ラミネート用接着剤
を使用することにより、中間層と最内層の層間の密着性
を向上すると共に、ラミネート用接着剤層の伸長度を向
上させ、ラミネート加工、あるいは、製函加工の後加工
適性を向上させ、後加工時におけるアルミニウム等の金
属箔や、無機酸化物の蒸着膜のクラック等を防止し、更
に、ボイル処理、レトルト処理を施しても層間剥離せず
にラミネート強度が強固なものとなるという利点を有す
るものである。上記のラミネ−ト用接着剤の組成系とし
ては、水性型、溶剤型、エマルジョン型、分散型等のい
ずれの形態でもよく、また、その性状は、フィルム・シ
ート状、粉末状、固形状等のいずれの形態でもよく、更
に、接着機構については、化学反応型、溶剤揮発型、熱
溶融型、熱圧型等のいずれの形態でもよいものである。
かかるラミネ−ト用接着剤等としては、例えば、イソシ
アネ−ト系(ウレタン系)、ポリエチレンイミン系、ポ
リブタジェン系、有機チタン系等のアンカ−コ−ティン
グ剤、あるいはポリウレタン系、ポリアクリル酸エチ
ル、ポリアクリル酸ブチル、2−エチルヘキシルエステ
ル等のポリアクリル系、ポリエステル系、エポキシ系、
ポリ酢酸ビニル系、セルロ−ス系、ポリアミド系、ポリ
イミド系、尿素樹脂、メラミン樹脂等のアミノ樹脂系、
フェノール樹脂系、エポキシ樹脂系、反応型(メタ)ア
クリル系、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、スチレン
−ブタジエンゴム等のゴム系、シリコーン系、アルカリ
金属シリケート、低融点ガラス等からなる無機系接着
剤、その他等の接着剤等を好ましく使用でき、例えば、
イソシアネ−ト系樹脂(硬化剤)と、水酸基を有するポ
リエステル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ウレタン変性
ポリオール、エポキシ化合物(主剤)との二液硬化型接
着剤が望ましい。これらの中でもポリエステルを用いる
ことは耐熱性の点で好ましい。なお、上記ラミネート用
接着剤には、例えば、シランカップリング剤等の接着促
進剤を任意に添加することができる。シランカップリン
グ剤は、その分子の一端にある官能基、クロロ、アルコ
キシ、または、アセトキシ基等が加水分解し、シラノー
ル基を形成し、これが、金属箔や金属、無機酸化物の蒸
着膜表面上の活性な基と脱水縮合反応等を起こして強固
な結合を形成し、他方で、シランカップリング剤の他端
にあるビニル基、メタクリロキシ基、アミノ基、エポキ
シ基等の有機官能基が、耐ピンホール性層、最内層等を
構成する物質と強固に反応することで、ラミネート強度
を高め、強固な層間強度を可能にするものである。即
ち、シランカップリング剤が有する無機性と有機性とを
利用し、金属箔、無機酸化物の蒸着膜と、接着剤層、ア
ンカーコート剤層、その他等の層を介して、紙基材、合
成樹脂フィルム基材との密着性を向上させ、これによ
り、ラミネート強度を高めるものである。而して、これ
らの接着剤を形成する方法としては、例えば、ダイレク
トロールコート、リバースロールコート、グラビア(ダ
イレクト)コート、エアナイフコート、スクイズコー
ト、ブレードコート、コンマコート、カーテンフローコ
ート、キスコート、押し出しコート、その他の方法によ
って形成することができる。接着剤のコーティング量と
しては、0.1〜10g/m2位(乾燥状態)が好まし
く、1〜5g/m2位(乾燥状態)が望ましい。
【0037】次に、以上のようにして得られた本発明に
かかるレトルト処理用紙容器の積層体を使用して製袋な
いし製函する方法について説明すると、例えば、ブリッ
ク型のレトルト処理用紙容器においては、ロール状で成
形充填機に供給し、次に、内容物の充填に先立って、ま
ず、上記で製造した積層体の最内層を内側として左右両
側を袋が所定の幅になるように折り返し、略中央部で両
端を合掌貼り形式で熱接着させて背シール部を形成して
筒状体とし、更に、背シール部を寝かせてフラットな状
態とし、流れ方向に対して所定のピッチで底シール部を
熱接着して形成すると共に、底シール部の直ぐ後ろをカ
ットして、プレスシ−ルを行って底部を製造し、次い
で、内容物を充填した後、トップの内面を熱風加熱等に
より炙り、プレスシ−ルを行ってトップ部を形成して内
容物を充填包装した密閉レトルト処理用紙容器を製造す
ることができる。また、上記に記述した以外の製袋ない
し製函する方法について説明すると、例えば、所望の寸
法に打ち抜き、片面若しくは両面の端面をスカイブヘミ
ング、ヘミング、テープ貼り等で端面処理して、内容物
が端面に接触しないようにしてから、熱風加熱、火炎加
熱等により、胴貼りを行って筒状のスリ−ブを製造し、
次いで、上記で製造した筒状のスリ−ブを、内容物充填
機に供給し、次に、内容物の充填に先立って、まず、筒
状のスリ−ブのボトムの内面を熱風加熱、火炎加熱等に
より炙り、プレスシ−ルを行って底部を製造し、次い
で、内容物を充填した後、トップの内面を熱風加熱、火
炎加熱等により炙り、プレスシ−ルを行ってトップ部を
形成して内容物を充填包装した密閉レトルト処理用紙容
器を製造することができる。
かかるレトルト処理用紙容器の積層体を使用して製袋な
いし製函する方法について説明すると、例えば、ブリッ
ク型のレトルト処理用紙容器においては、ロール状で成
形充填機に供給し、次に、内容物の充填に先立って、ま
ず、上記で製造した積層体の最内層を内側として左右両
側を袋が所定の幅になるように折り返し、略中央部で両
端を合掌貼り形式で熱接着させて背シール部を形成して
筒状体とし、更に、背シール部を寝かせてフラットな状
態とし、流れ方向に対して所定のピッチで底シール部を
熱接着して形成すると共に、底シール部の直ぐ後ろをカ
ットして、プレスシ−ルを行って底部を製造し、次い
で、内容物を充填した後、トップの内面を熱風加熱等に
より炙り、プレスシ−ルを行ってトップ部を形成して内
容物を充填包装した密閉レトルト処理用紙容器を製造す
ることができる。また、上記に記述した以外の製袋ない
し製函する方法について説明すると、例えば、所望の寸
法に打ち抜き、片面若しくは両面の端面をスカイブヘミ
ング、ヘミング、テープ貼り等で端面処理して、内容物
が端面に接触しないようにしてから、熱風加熱、火炎加
熱等により、胴貼りを行って筒状のスリ−ブを製造し、
次いで、上記で製造した筒状のスリ−ブを、内容物充填
機に供給し、次に、内容物の充填に先立って、まず、筒
状のスリ−ブのボトムの内面を熱風加熱、火炎加熱等に
より炙り、プレスシ−ルを行って底部を製造し、次い
で、内容物を充填した後、トップの内面を熱風加熱、火
炎加熱等により炙り、プレスシ−ルを行ってトップ部を
形成して内容物を充填包装した密閉レトルト処理用紙容
器を製造することができる。
【0038】この本発明にかかるレトルト処理用紙容器
の形状については、用途・目的等に応じて適宜に決定す
ればよく、例えばゲーベルトップ型、ブリック型、フラ
ットトップ型、円筒型、角形型、紙カップ型等が挙げら
れる。また、この紙容器の注出口には、たとえばポリプ
ロピレン製のキャップ、プルタブ型の開封機構等を適宜
に設けてもよい。更には、容器にレーザー等により、開
封用ミシン目を施してもよい。
の形状については、用途・目的等に応じて適宜に決定す
ればよく、例えばゲーベルトップ型、ブリック型、フラ
ットトップ型、円筒型、角形型、紙カップ型等が挙げら
れる。また、この紙容器の注出口には、たとえばポリプ
ロピレン製のキャップ、プルタブ型の開封機構等を適宜
に設けてもよい。更には、容器にレーザー等により、開
封用ミシン目を施してもよい。
【0039】本発明において、上記のようにして製造し
た本発明にかかるレトルト処理用紙容器は、極めて広範
にわたるの内容物を密封、及び、殺菌することができ
る。上記の本発明にかかるレトルト処理用紙容器に充填
し、密封するのに特に適する食品の例としては、カレ
ー、ハッシュドビーフ、クリームシチュー、ボルシチ、
ビーフシチュー等のシチュー類、ミートソース等のソー
ス類、コンソメ、ポタージュ、ミネストローネ等のスー
プ類、味噌汁、けんちん汁等の汁類、マーボー豆腐、八
宝菜、酢豚、筑前煮、肉じゃが、煮物等の惣菜類、中華
丼、牛丼等のどんぶりの素、釜飯、五目寿司等の混ぜご
飯類素、米飯、赤飯、粥、雑炊等の米飯類、ラーメン、
うどん、パスタ等の生麺類、ぜんざい、あんみつ等のデ
ザート類、ハンバーグ、ミートボール、コンビーフ、こ
んにゃく、ちくわ、蒲鉾等の練り製品、焼き鳥、焼き
魚、煮魚、ツナ等の水産加工製品類、ハム、ソーセージ
等の燻製製品類、加工野菜、嗜好品、ペットフード等の
固体ないし液体の飲食品である。
た本発明にかかるレトルト処理用紙容器は、極めて広範
にわたるの内容物を密封、及び、殺菌することができ
る。上記の本発明にかかるレトルト処理用紙容器に充填
し、密封するのに特に適する食品の例としては、カレ
ー、ハッシュドビーフ、クリームシチュー、ボルシチ、
ビーフシチュー等のシチュー類、ミートソース等のソー
ス類、コンソメ、ポタージュ、ミネストローネ等のスー
プ類、味噌汁、けんちん汁等の汁類、マーボー豆腐、八
宝菜、酢豚、筑前煮、肉じゃが、煮物等の惣菜類、中華
丼、牛丼等のどんぶりの素、釜飯、五目寿司等の混ぜご
飯類素、米飯、赤飯、粥、雑炊等の米飯類、ラーメン、
うどん、パスタ等の生麺類、ぜんざい、あんみつ等のデ
ザート類、ハンバーグ、ミートボール、コンビーフ、こ
んにゃく、ちくわ、蒲鉾等の練り製品、焼き鳥、焼き
魚、煮魚、ツナ等の水産加工製品類、ハム、ソーセージ
等の燻製製品類、加工野菜、嗜好品、ペットフード等の
固体ないし液体の飲食品である。
【0040】本発明において、上記のようにして製造し
た本発明にかかるレトルト処理用紙容器に、食品を充填
包装した半製品を、例えば、蒸気式、熱水式、ズプレー
式(シャワー)式等のレトルト釜に入れレトルト処理す
ることができるが、端面からの水分の浸透が最も少ない
蒸気式が好ましい。また、殺菌方式としては、例えば、
定圧式、圧力を容器内圧に合せて調節する定差式、殺菌
効率を上げるため、静置式以外に回転式、揺動式等を使
用できるが、端面からの水分の浸透が最も少ないため、
静置式が好ましい。殺菌条件としては、内容物のpH等
により異なるが、中性食品の場合、食品の中心部で温度
120℃、4分間相当以上の加熱が必要となり、実際に
は、温度110〜130℃、好ましくは、120℃前後
位、圧力1〜3kgf/cm2 ・G、好ましくは、2.
1kgf/cm2 ・G前後位、5〜20分間、好ましく
は、10分間前後位、レトルト処理を行うことができ
る。また、冷却方法に関しても、水冷、空冷で冷却する
ことができるが、紙の端面からの水分の浸透を最小限に
抑えるため、空冷で冷却することが好ましい。
た本発明にかかるレトルト処理用紙容器に、食品を充填
包装した半製品を、例えば、蒸気式、熱水式、ズプレー
式(シャワー)式等のレトルト釜に入れレトルト処理す
ることができるが、端面からの水分の浸透が最も少ない
蒸気式が好ましい。また、殺菌方式としては、例えば、
定圧式、圧力を容器内圧に合せて調節する定差式、殺菌
効率を上げるため、静置式以外に回転式、揺動式等を使
用できるが、端面からの水分の浸透が最も少ないため、
静置式が好ましい。殺菌条件としては、内容物のpH等
により異なるが、中性食品の場合、食品の中心部で温度
120℃、4分間相当以上の加熱が必要となり、実際に
は、温度110〜130℃、好ましくは、120℃前後
位、圧力1〜3kgf/cm2 ・G、好ましくは、2.
1kgf/cm2 ・G前後位、5〜20分間、好ましく
は、10分間前後位、レトルト処理を行うことができ
る。また、冷却方法に関しても、水冷、空冷で冷却する
ことができるが、紙の端面からの水分の浸透を最小限に
抑えるため、空冷で冷却することが好ましい。
【0041】
【実施例】次に、実施例を示して本発明をさらに具体的
に説明する。 (実施例1)先ず、バリア層として厚さ7μmのアルミ
ニウム箔(以下「Al」という。)と、耐ピンホール性
層として厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタ
レートフィルム(以下「PET」という。)と、最内層
として厚さ60μmの無延伸ポリプロピレンフィルム
(以下「CPP」という。)とを順次、二液硬化型ウレ
タン系の接着剤を、乾燥後の接着剤層が1μmとなるよ
うに、ドライラミネーション法によりラミネートして、
AL/接着剤層/PETフィルム/接着剤層/CPPフ
ィルムからなる積層シートを作製した。次に、レトルト
処理用原紙として坪量290g/m2、密度0.84g
/cm3、エッジウィック0.321g/1000m
m2、サイズ度960秒の板紙の表面に、顔料塗工層を
20g/m2設け、ウレタン系インキ組成物を使用し、
グラビア印刷法にて、文字、記号、絵柄、図形等からな
る印刷模様を印刷して、所望の印刷を形成した。次に、
その積層シートのアルミニウム箔面に、インラインでコ
ロナ放電処理を施し、紙基材層の印刷を施していない面
を対向して重ね合わせ、その層間に、介在樹脂層として
厚さ20μmのメタクリル酸・エチレン共重合体樹脂
(以下「EMAA」という。)を押し出しラミネートし
て、上記バリア層と紙基材層とを貼り合わせて、印刷模
様層/紙基材層/EMAA/AL/接着剤層/PETフ
ィルム/接着剤層/CPPフィルムからなるラミネート
紙シートを作製した。次に、ラミネート紙シートの印刷
面に、コロナ放電処理を施し、最外層として、厚さ25
μmのポリプロピレン樹脂を、厚さ5μmのポリプロピ
レン系の接着性溶融押出樹脂を介して、共押し出しラミ
ネートして、PP樹脂層/PP溶融押出樹脂層/印刷模
様層/紙基材層/EMAA/AL/接着剤層/PETフ
ィルム/接着剤層/CPPフィルムからなる積層体を作
製した。以下に実施例1で用いた材料の種類を示す。 PP樹脂:商品名「FL25T」(日本ポリケム(株)
製) EMAA樹脂:商品名「N0908C」(三井デュポン
ポリケミカル(株)製) 接着剤:商品名「TMD830/RT86」(東洋モー
トン(株)製) CPPフィルム:商品名「P1153」(東洋紡製) 次いで、得られた積層体を用いてブリック型紙容器を形
成し、300mlのパスタソースを充填した後、トップ
の内面をホットエア−で炙り、その内面の無延伸ポリプ
ロピレン樹脂を溶融させて、プレスシ−ルを行い、半製
品を製造した。次いで、蒸気式のレトルト釜で、温度1
20℃、圧力2.1kgf/cm2・G、30分間のレ
トルト条件でレトルト殺菌を実施し、本発明にかかるレ
トルト処理包装体を得た。上記で製造したレトルト処理
包装体は、従来品と比べ、耐熱性、耐水性、耐圧性、印
刷適性、変形防止強度に優れるものであり、レトルト処
理等の加工に伴う熱処理に耐えることができ、熱水の浸
透による原紙の強度の低下や原紙の変色も認められず、
優れるものであった。
に説明する。 (実施例1)先ず、バリア層として厚さ7μmのアルミ
ニウム箔(以下「Al」という。)と、耐ピンホール性
層として厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタ
レートフィルム(以下「PET」という。)と、最内層
として厚さ60μmの無延伸ポリプロピレンフィルム
(以下「CPP」という。)とを順次、二液硬化型ウレ
タン系の接着剤を、乾燥後の接着剤層が1μmとなるよ
うに、ドライラミネーション法によりラミネートして、
AL/接着剤層/PETフィルム/接着剤層/CPPフ
ィルムからなる積層シートを作製した。次に、レトルト
処理用原紙として坪量290g/m2、密度0.84g
/cm3、エッジウィック0.321g/1000m
m2、サイズ度960秒の板紙の表面に、顔料塗工層を
20g/m2設け、ウレタン系インキ組成物を使用し、
グラビア印刷法にて、文字、記号、絵柄、図形等からな
る印刷模様を印刷して、所望の印刷を形成した。次に、
その積層シートのアルミニウム箔面に、インラインでコ
ロナ放電処理を施し、紙基材層の印刷を施していない面
を対向して重ね合わせ、その層間に、介在樹脂層として
厚さ20μmのメタクリル酸・エチレン共重合体樹脂
(以下「EMAA」という。)を押し出しラミネートし
て、上記バリア層と紙基材層とを貼り合わせて、印刷模
様層/紙基材層/EMAA/AL/接着剤層/PETフ
ィルム/接着剤層/CPPフィルムからなるラミネート
紙シートを作製した。次に、ラミネート紙シートの印刷
面に、コロナ放電処理を施し、最外層として、厚さ25
μmのポリプロピレン樹脂を、厚さ5μmのポリプロピ
レン系の接着性溶融押出樹脂を介して、共押し出しラミ
ネートして、PP樹脂層/PP溶融押出樹脂層/印刷模
様層/紙基材層/EMAA/AL/接着剤層/PETフ
ィルム/接着剤層/CPPフィルムからなる積層体を作
製した。以下に実施例1で用いた材料の種類を示す。 PP樹脂:商品名「FL25T」(日本ポリケム(株)
製) EMAA樹脂:商品名「N0908C」(三井デュポン
ポリケミカル(株)製) 接着剤:商品名「TMD830/RT86」(東洋モー
トン(株)製) CPPフィルム:商品名「P1153」(東洋紡製) 次いで、得られた積層体を用いてブリック型紙容器を形
成し、300mlのパスタソースを充填した後、トップ
の内面をホットエア−で炙り、その内面の無延伸ポリプ
ロピレン樹脂を溶融させて、プレスシ−ルを行い、半製
品を製造した。次いで、蒸気式のレトルト釜で、温度1
20℃、圧力2.1kgf/cm2・G、30分間のレ
トルト条件でレトルト殺菌を実施し、本発明にかかるレ
トルト処理包装体を得た。上記で製造したレトルト処理
包装体は、従来品と比べ、耐熱性、耐水性、耐圧性、印
刷適性、変形防止強度に優れるものであり、レトルト処
理等の加工に伴う熱処理に耐えることができ、熱水の浸
透による原紙の強度の低下や原紙の変色も認められず、
優れるものであった。
【0042】(比較例1)上記の実施例1において、坪
量235g/m2、密度0.65g/cm3、エッジウィ
ック0.56g/1000mm2、サイズ度390秒で
顔料塗工層を設けないレトルト処理用原紙を使用し、そ
れ以外は、上記の実施例1と同様の材質、方法を用い
て、積層体を作製し、レトルト処理用紙容器、レトルト
処理包装体を製造した。
量235g/m2、密度0.65g/cm3、エッジウィ
ック0.56g/1000mm2、サイズ度390秒で
顔料塗工層を設けないレトルト処理用原紙を使用し、そ
れ以外は、上記の実施例1と同様の材質、方法を用い
て、積層体を作製し、レトルト処理用紙容器、レトルト
処理包装体を製造した。
【0043】(実験1:色評価試験)上記の実施例1お
よび比較例1で製造したレトルト処理用紙容器につい
て、レトルト処理後、紙容器の表面の外観について目視
にて評価した。結果を表1に示す。上記の表1におい
て、○は、変色(黄変)がなく、外観が良好であること
を表し、×は、変色(黄変)が発生し、外観が好ましく
ないことを表す。
よび比較例1で製造したレトルト処理用紙容器につい
て、レトルト処理後、紙容器の表面の外観について目視
にて評価した。結果を表1に示す。上記の表1におい
て、○は、変色(黄変)がなく、外観が良好であること
を表し、×は、変色(黄変)が発生し、外観が好ましく
ないことを表す。
【0044】(実験2:圧縮試験)上記の実施例1およ
び比較例1で製造した紙容器について、レトルト処理
後、正立で圧縮し、その強度を測定した。結果を表1に
示す。
び比較例1で製造した紙容器について、レトルト処理
後、正立で圧縮し、その強度を測定した。結果を表1に
示す。
【0045】(実験結果)
【表1】
【0046】上記の表1に示すテスト結果から明らかな
ように、実施例1にかかるものは、変色の発生が認めら
れず、外観の優れるものであり、また、耐圧性において
も優れるものであった。これに対し、比較例1のもの
は、変色の発生が認められ、外観上好ましくなく、ま
た、耐圧性においても相対的に劣るものであり、十分満
足し得るものではなかった。
ように、実施例1にかかるものは、変色の発生が認めら
れず、外観の優れるものであり、また、耐圧性において
も優れるものであった。これに対し、比較例1のもの
は、変色の発生が認められ、外観上好ましくなく、ま
た、耐圧性においても相対的に劣るものであり、十分満
足し得るものではなかった。
【0047】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明
は、密度0.60〜1.00g/m2、エッジウィック
0.2g/1000mm2〜0.5g/1000mm2、
サイズ度400秒〜1200秒、坪量80〜600g/
m2からなり、パルプ層の表面に顔料塗工層を有するこ
とを特徴とするレトルト処理用原紙を使用し、樹脂およ
びフィルムを積層して積層体を製造し、更に、該積層体
を使用し、これを製函してレトルト処理用紙容器を製造
し、次いで、その開口部から内容物を充填し、更に、そ
の開口部を密閉して包装半製品を製造し、次いで、該包
装半製品を、温度110℃〜130℃位、圧力1〜3k
gf/cm2・G位で20〜60分間くらい加圧加熱殺
菌等のレトルト処理を施してレトルト処理包装体を製造
したところ、レトルト殺菌処理を施しても、紙基材層の
端面、表面からの水分の浸透が防止されるため、変色の
発生は認めらず、印刷適性、意匠性に優れ、かつ、耐圧
性に優れ、輸送による衝撃にも耐えうる優れたレトルト
処理用原紙、および、それを使用したレトルト処理用紙
容器、レトルト処理用包装製品を提供することができ
る。
は、密度0.60〜1.00g/m2、エッジウィック
0.2g/1000mm2〜0.5g/1000mm2、
サイズ度400秒〜1200秒、坪量80〜600g/
m2からなり、パルプ層の表面に顔料塗工層を有するこ
とを特徴とするレトルト処理用原紙を使用し、樹脂およ
びフィルムを積層して積層体を製造し、更に、該積層体
を使用し、これを製函してレトルト処理用紙容器を製造
し、次いで、その開口部から内容物を充填し、更に、そ
の開口部を密閉して包装半製品を製造し、次いで、該包
装半製品を、温度110℃〜130℃位、圧力1〜3k
gf/cm2・G位で20〜60分間くらい加圧加熱殺
菌等のレトルト処理を施してレトルト処理包装体を製造
したところ、レトルト殺菌処理を施しても、紙基材層の
端面、表面からの水分の浸透が防止されるため、変色の
発生は認めらず、印刷適性、意匠性に優れ、かつ、耐圧
性に優れ、輸送による衝撃にも耐えうる優れたレトルト
処理用原紙、および、それを使用したレトルト処理用紙
容器、レトルト処理用包装製品を提供することができ
る。
【図1】本発明におけるレトルト処理用原紙の斜視図で
ある。
ある。
【図2】本発明のレトルト処理用原紙を使用した積層体
の一例を示す断面図である。
の一例を示す断面図である。
【図3】本発明のレトルト処理用原紙を使用した積層体
の一例を示す断面図である。
の一例を示す断面図である。
【図4】本発明のレトルト処理用原紙を使用した積層体
の一例を示す断面図である。
の一例を示す断面図である。
【図5】本発明にかかる図2の積層体を使用したレトル
ト処理用紙容器の実施例を示す斜視図である。
ト処理用紙容器の実施例を示す斜視図である。
【図6】本発明にかかる図5のレトルト処理用紙容器の
展開図である。
展開図である。
1a 最外樹脂層
1b 最外フィルム層
2 紙基材層
21 レトルト処理用原紙
3 介在樹脂層
4 中間層
41 バリア層
42 耐ピンホール性層
4a 蒸着層
4b 蒸着基材フィルム層
5 最内層
6 押出溶融樹脂層
7 ドライラミネート用接着剤層
8 アンカーコート層
9a トップシール部
9b 背シール部
10 積層体
20 レトルト処理用紙容器
30 レトルト処理用紙容器ブランク
k 罫線
e 端面
s 表面
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
C09J 121/02 C09J 121/02 4L055
133/00 133/00
D21H 19/36 D21H 19/36 Z
// C09J 7/02 C09J 7/02 Z
D21H 27/30 D21H 27/30 A
(72)発明者 吉川 正浩
東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号
大日本印刷株式会社内
(72)発明者 向井 峰夫
東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号
大日本印刷株式会社内
Fターム(参考) 3E067 AB01 BA12A BA17A BB01A
BB25A CA17 ED08 FC01
GC02
3E086 AA02 AB01 AC07 BA04 BA14
BA15 BA24 BB41 BB51 BB62
BB71 BB77 BB85 CA03 DA08
4F100 AB10 AB33 AK07 AK42 AK51G
AK71 BA02 DG02A DG10A
EC18 EC182 EH23 EH232
EJ55 EJ552 GB23 JA13A
JA20A JD05 JJ03 JK20
JL04 JM02B YY00A
4J004 AA06 AA10 CA03 FA06
4J040 DB011 DF001 NA06 NA19
PA09
4L055 AH02 AH37 AJ01 AJ02 AJ04
BE08 BE14 EA08 EA10 FA12
FA13 FA15 FA19 GA05 GA19
GA30 GA50
Claims (2)
- 【請求項1】 密度0.60〜1.00g/m2、エッ
ジウィック0.2g/1000mm2〜0.5g/10
00mm2、サイズ度400秒〜1200秒、坪量80
〜600g/m2からなることを特徴とするレトルト処
理用原紙。 - 【請求項2】 パルプ層の表面に顔料塗工層を有する請
求項1記載のレトルト処理用原紙。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002144435A JP2003336189A (ja) | 2002-05-20 | 2002-05-20 | レトルト処理用原紙 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002144435A JP2003336189A (ja) | 2002-05-20 | 2002-05-20 | レトルト処理用原紙 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003336189A true JP2003336189A (ja) | 2003-11-28 |
Family
ID=29704108
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002144435A Pending JP2003336189A (ja) | 2002-05-20 | 2002-05-20 | レトルト処理用原紙 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003336189A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011516747A (ja) * | 2008-04-09 | 2011-05-26 | ストラ エンソ オーワイジェイ | 耐溶媒性液体包装用ボード、その製造方法及び使用、並びにそれから作製された飲用カップ |
JP2012522907A (ja) * | 2009-04-02 | 2012-09-27 | コルスネス アーベー (ペー ウ ベー エル) | 殺菌可能な包装材に適する顔料コート板紙 |
JP2014500805A (ja) * | 2010-09-28 | 2014-01-16 | テトラ ラバル ホールデイングス エ フイナンス ソシエテ アノニム | レトルトパッケージ用の包装材料を製造するための方法 |
WO2017126432A1 (ja) * | 2016-01-20 | 2017-07-27 | 王子ホールディングス株式会社 | 積層体及び積層体の製造方法 |
-
2002
- 2002-05-20 JP JP2002144435A patent/JP2003336189A/ja active Pending
Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011516747A (ja) * | 2008-04-09 | 2011-05-26 | ストラ エンソ オーワイジェイ | 耐溶媒性液体包装用ボード、その製造方法及び使用、並びにそれから作製された飲用カップ |
US9340927B2 (en) | 2008-04-09 | 2016-05-17 | Stora Enso Oyj | Solvent-resistant liquid packaging board, its manufacturing method and use, and a drinking cup made of the same |
JP2012522907A (ja) * | 2009-04-02 | 2012-09-27 | コルスネス アーベー (ペー ウ ベー エル) | 殺菌可能な包装材に適する顔料コート板紙 |
JP2014500805A (ja) * | 2010-09-28 | 2014-01-16 | テトラ ラバル ホールデイングス エ フイナンス ソシエテ アノニム | レトルトパッケージ用の包装材料を製造するための方法 |
US9527615B2 (en) | 2010-09-28 | 2016-12-27 | Tetra Laval Holdings & Finance S.A. | Method of producing a packaging material for a retortable package |
WO2017126432A1 (ja) * | 2016-01-20 | 2017-07-27 | 王子ホールディングス株式会社 | 積層体及び積層体の製造方法 |
JPWO2017126432A1 (ja) * | 2016-01-20 | 2018-11-08 | 王子ホールディングス株式会社 | 積層体及び積層体の製造方法 |
JP7052356B2 (ja) | 2016-01-20 | 2022-04-12 | 王子ホールディングス株式会社 | 積層体及び積層体の製造方法 |
JP2022089858A (ja) * | 2016-01-20 | 2022-06-16 | 王子ホールディングス株式会社 | 積層体及び積層体の製造方法 |
US11426763B2 (en) | 2016-01-20 | 2022-08-30 | Oji Holdings Corporation | Laminate and method for producing laminate |
JP7283606B2 (ja) | 2016-01-20 | 2023-05-30 | 王子ホールディングス株式会社 | 積層体及び積層体の製造方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5442613B2 (ja) | 軟質包装複合材料 | |
US7569276B2 (en) | Thermoformable polyester-containing laminates | |
JP2004017984A (ja) | レトルト処理用紙容器の積層体およびレトルト処理用紙容器 | |
JP4865750B2 (ja) | 積層体 | |
JP4763005B2 (ja) | 積層体 | |
JP2003334893A (ja) | レトルト処理用紙容器の積層体およびレトルト処理用紙容器 | |
JP2010274530A (ja) | 積層フィルムおよびそれを用いた包装用フィルム | |
JP5945500B2 (ja) | 断熱紙製容器用多層シート、断熱紙製容器、及び製造方法 | |
JP2008155432A (ja) | バリア性を有するヒ−トシ−ル性フィルム | |
JP2008087785A (ja) | 包装材料 | |
JP2010076180A (ja) | 積層フィルムおよびそれを用いた包装用フィルム | |
JP4147062B2 (ja) | 積層体 | |
JP4147061B2 (ja) | 積層体 | |
JP2003336189A (ja) | レトルト処理用原紙 | |
JP5811726B2 (ja) | 包装フィルム及びそれを用いた包装袋 | |
JP2008155438A (ja) | バリア性を有するヒ−トシ−ル性フィルム | |
JP2001192018A (ja) | 液体紙容器 | |
JP2024043232A (ja) | 積層体、包装袋、自立型包装袋及び紙製容器 | |
JP2023069321A (ja) | 包装袋用積層体及び包装袋 | |
CA2264969A1 (en) | Spice packaging | |
JP2023041156A (ja) | 包装袋用積層体及び包装袋 | |
JP2024047336A (ja) | 蓋体用積層シート、蓋体、食品用包装容器及び包装食品 | |
JP2007308152A (ja) | 密封包装食品の包装箱 | |
AU2014200026A1 (en) | Flexible packaging composites | |
JP2007126176A (ja) | 紙容器のレトルト殺菌方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050516 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20070807 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070810 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20071204 |