JP2003335382A - 皮膚処理剤入りエアゾール製品の製造方法 - Google Patents

皮膚処理剤入りエアゾール製品の製造方法

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JP2003335382A JP2003172448A JP2003172448A JP2003335382A JP 2003335382 A JP2003335382 A JP 2003335382A JP 2003172448 A JP2003172448 A JP 2003172448A JP 2003172448 A JP2003172448 A JP 2003172448A JP 2003335382 A JP2003335382 A JP 2003335382A
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coating film
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Masayuki Kamiyama
雅之 神山
Yuzo Yamamoto
裕三 山本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 容器内面への皮膚処理剤の吸着が防止された
エアゾール製品の製造方法を提供すること。 【解決手段】 エポキシポリイミド系樹脂のコーティン
グ膜が内面に形成されたエアゾール容器用缶胴内に抗菌
剤及び血行促進剤を含む皮膚処理剤を充填し、次いで該
缶胴の口部に、ポリエチレン製のチューブを備えたバル
ブを締結密封してエアゾール容器となし、然る後、該バ
ルブを通じて該容器内に二酸化炭素を充填する、皮膚処
理剤入り正立噴射用エアゾール製品の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は皮膚処理剤入りエア
ゾール製品の製造方法に関し、更に詳しくは容器内面へ
の皮膚処理剤の吸着が防止されたエアゾール製品の製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】エアゾ
ール容器の内面には、充填物の品質を維持する目的や容
器の腐食を防止する目的から樹脂コーティングが施され
ている。例えば密着性や耐薬品性が良好であることか
ら、エポキシ系樹脂がコーティングされている場合が多
い。しかしエポキシ系樹脂を内面にコーティングしたエ
アゾール容器にジメチルエーテル(DME)や浸透性の
強い剤(例えば界面活性剤)を充填した場合、エポキシ
系樹脂の塗膜に膨れや剥離が生じ、甚だしい場合には容
器が腐食する場合もある。
【0003】そこで、DMEや界面活性剤を充填した場
合であっても塗膜の膨れや剥離が生じないコーティング
材料としてポリアミドイミド系樹脂が提案されている
(特許文献1参照)。またポリアミドイミド系樹脂の中
でも、特に染毛剤に対する耐浸透性の高いものとして、
ポリアミドイミド系樹脂と硬化剤としてエポキシ系樹脂
とを含む硬化ポリアミドイミド系樹脂も提案されている
(特許文献2参照)。しかしながらこれらの特許文献に
は、ポリアミドイミド系樹脂が染毛剤以外の特定の薬剤
に対してどのような有効性を有しているかについては具
体的に記載されていない。
【0004】
【特許文献1】特開平2−67374号公報
【特許文献2】特開平9−39975号公報
【0005】従って本発明は、容器内面への皮膚処理剤
の吸着が防止されたエアゾール製品の製造方法を提供す
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、エポキシポリ
イミド系樹脂のコーティング膜が内面に形成されたエア
ゾール容器用缶胴内に抗菌剤及び血行促進剤を含む皮膚
処理剤を充填し、次いで該缶胴の口部に、ポリエチレン
製のチューブを備えたバルブを締結密封してエアゾール
容器となし、然る後、該バルブを通じて該容器内に二酸
化炭素を充填する、皮膚処理剤入り正立噴射用エアゾー
ル製品の製造方法を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下本発明を、その好ましい実施
形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1には、
皮膚処理剤入りエアゾール容器に皮膚処理剤を充填する
前の状態の概略構造の縦断面図が示されている。
【0008】本実施形態のエアゾール容器1は、抗菌剤
及び血行促進剤を含む皮膚処理剤が二酸化炭素と共に充
填されるものである。エアゾール容器1は、アルミニウ
ムやスチール製のエアゾール容器用缶胴2とバルブ4と
を具備している。缶胴2は深絞り成形されたシームレス
缶から成り、胴部2aと底部2bとは継ぎ目なしに接続
されている。また胴部2aにも継ぎ目はない。缶胴2の
上部には開口部3が形成されている。
【0009】缶胴2の開口部3にはバルブ4が取り付け
られる。バルブ4はマウンティングカップ5に保持され
ている。マウンティングカップ5はその周縁部が、缶胴
2の開口部3に、かしめによって密封締結されている。
バルブ4の導入側にはチューブ6が取り付けられてい
る。チューブ6はその末端が缶胴2の底部2b近傍まで
延びている。これによって本発明のエアゾール容器は正
立噴射に適したものとなる。一方バルブ4の排出側には
ステム7が取り付けられている。ステム7にはノズル8
が取り付けられている。
【0010】缶胴2の内面にはエポキシポリイミド系樹
脂のコーティング膜(図示せず)が形成されている。ま
たマウンティングカップ5の内面にも同様のコーティン
グ膜(図示せず)が形成されている。エアゾール容器内
面のコーティングに従来用いられているエポキシ系樹脂
からなるコーティング膜は、抗菌剤及び血行促進剤を含
む皮膚処理剤を吸着しやすく、その結果、該皮膚処理剤
が充填されたエアゾール容器を長期間保存すると該皮膚
処理剤の組成が変化してしまう場合があることが、本発
明者らの検討によって判明した。この問題を解決すべく
本発明者らが検討したところ、エポキシポリイミド系樹
脂からなるコーティング膜は、抗菌剤及び血行促進剤を
含む皮膚処理剤の吸着が少ないことが判明した。特に抗
菌剤として好適に用いられるオクトピロックス及び血行
促進剤として好適に用いられる酢酸dl−α−トコフェ
ロールの吸着が少ないことが判明した。従って、エポキ
シポリイミド系樹脂からなるコーティング膜を有する本
発明のエアゾール容器においては、それに充填されてい
る皮膚処理剤の組成の経時変化は、エポキシ系樹脂から
なるコーティング膜を有するエアゾール容器に比べて極
めて小さくなる。
【0011】本発明において用いられるエポキシポリイ
ミド系樹脂は、ポリイミド樹脂とエポキシ樹脂とを主成
分として含有するものである。ベースポリマーとなるポ
リイミド樹脂としては、脂肪族ポリイミド、脂環族ポリ
イミド、芳香族ポリイミドなど、従来公知の各種のもの
が用いられ、特には限定されないが、中でも耐熱性、お
よびエポキシ樹脂との相溶性の観点からは、芳香族ポリ
イミドを用いるのが好ましい。エポキシ樹脂としては、
たとえばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノ
ールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキ
シ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ナフタ
レン型エポキシ樹脂などの芳香族系エポキシ樹脂、ネオ
ペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピ
レングリコールジグリシジルエーテル、テトラヒドロフ
タル酸ジグリシジルエステルなどの脂肪族系エポキシ樹
脂、トリグリシジルイソシアネートなどの複素環式エポ
キシ化合物などが挙げられる。これらのエポキシ樹脂
は、従来公知のメチルエチルケトンなどの溶剤に溶解さ
せたものを使用する。
【0012】本発明において用いられるエポキシポリイ
ミド系樹脂は、上述したポリイミド樹脂とエポキシ樹脂
とをそれぞれ一種ずつ用いたものであってもよく、また
少なくとも一方を二種以上用いたものであってもよい。
エポキシポリイミド系樹脂は、ポリイミド樹脂とエポキ
シ樹脂との固形分比率が好ましくは50:50〜10:
90、より好ましくは40:60〜20:80であるよ
うに溶剤に溶解されたものであることが好適である。
【0013】エポキシポリイミド系樹脂は硬化剤を含有
していてもよい。硬化剤としては、エポキシ硬化剤、ポ
リイミド硬化剤など、特に限定されるものではない。例
えば脂肪族ポリアミン、芳香族ポリアミン、2級または
3級アミン、有機酸、イミダゾール類、ジシアンジアミ
ド、ポリメルカプタン、フェノール樹脂などが挙げられ
る。更にエポキシポリイミド系樹脂は、必要に応じて従
来公知の硬化促進剤、カップリング剤、充填剤、顔料な
どを適宜含有していてもよい。
【0014】エポキシポリイミド系樹脂のコーティング
膜は、該樹脂を含む塗工液から形成することができる。
塗工液はエポキシポリイミド系樹脂の溶液からなる。溶
液中でのエポキシポリイミド系樹脂の濃度は20〜40
重量%程度とすることが塗工性等の点から好ましい。
【0015】エポキシポリイミド系樹脂のコーティング
膜はその膜厚が2〜50μm程度であることが、容器の
腐食防止や充填物の長期保存安定性を高める点から好ま
しい。
【0016】本発明においては、バルブ4の導入側に取
り付けられているチューブ6はポリエチレン製のものが
用いられている。チューブ6はその外径が1.4〜10
mm程度、内径が0.8〜8mm程度であることが好ま
しい。本発明者らの検討の結果、本発明のエアゾール容
器に充填される皮膚処理剤の長期保存による組成変化
は、皮膚処理剤に含まれる成分が缶胴内面のコーティン
グ膜に吸着することが原因であることに加えて、チュー
ブ6にも吸着することが原因であることが判明した。特
に血行促進剤として好適に用いられる酢酸dl−α−ト
コフェロールの吸着量が多いことが判明した。この吸着
を抑えるために本発明者らが鋭意検討したことろ、チュ
ーブ6の構成材料としてポリエチレンを用いることが有
効であることを知見した。
【0017】また、血行促進剤を始めとする皮膚処理剤
の構成成分のチューブ6への吸着量を一層減少させる観
点から、チューブ6を細径のものとしてその表面積を低
下させることが好ましい。しかしながらチューブ6をあ
まりにも細くしてしまうと、皮膚処理剤の噴射に支障を
来してしまう。これらのバランスの観点から、チューブ
6としてキャピラリーディップ製のものを用いることが
好ましく、その場合には外径が1.4〜2.5mm程
度、内径が0.8〜1.5mm程度であることが好まし
い。
【0018】先に述べた通り本発明のエアゾール容器に
は皮膚処理剤が二酸化炭素と共に充填されている。皮膚
処理剤には抗菌剤及び血行促進剤が含まれており、水や
アルコールを主体としている。皮膚処理剤は人体の所望
の部位に施されるものであり、特に頭皮に施されるもの
であることが好ましい。この場合には、皮膚処理剤には
抗菌剤としてオクトピロックスが含まれ且つ血行促進剤
として酢酸dl−α−トコフェロールが含まれているこ
とが好ましい。オクトピロックスはフケ発生やカユミの
防止に効果的な成分である。また酢酸dl−α−トコフ
ェロールは育毛効果の高い成分である。オクトピロック
スは皮膚処理剤中に、0.001〜5重量%程度含ま
れ、また酢酸dl−α−トコフェロールは0.001〜
5重量%程度含まれることが、これらの成分の効果が十
分に発現する点から好ましい。
【0019】皮膚処理剤と共に充填される二酸化炭素は
プロペラント(噴射剤)として用いられるものである。
プロペラントとしては他にジメチルエーテルなども用い
られるが、ジメチルエーテルは沸点が低いことから、頭
皮等に使用すると気化熱によって熱を奪いいたずらに冷
感を与え、場合によっては不快感につながる。これに対
して二酸化炭素にはそのような欠点がない。また二酸化
炭素は皮膚処理剤に溶解性があることから、二酸化炭素
をプロペラントとして用いることで、二酸化炭素と皮膚
処理剤とが均一に混合され、また皮膚処理剤の長期保存
安定性が向上するという利点もある。しかし二酸化炭素
が水を主体とする皮膚処理剤に溶解すると炭酸イオンが
生成し、皮膚処理剤の水素イオン濃度が高くなり、金属
製の缶胴2が腐食されやすくなるおそれがある。だが本
発明においては缶胴2の内面にエポキシポリイミド系樹
脂のコーティング膜が形成されているので、二酸化炭素
を用いてもそのような腐食のおそれはない。
【0020】本発明に用いられる皮膚処理剤には前述の
通り血行促進剤及び抗菌剤が含まれる。血行促進剤とし
ては、先に述べた酢酸dl−α−トコフェロールを用い
ることが好ましいが、この他にもニコチン酸アミド、ニ
コチン酸ベンジル及びニコチン酸などのニコチン酸誘導
体、アセチルコリン、塩化カルプロニウム、塩酸ジフェ
ンヒドラミン、γ−オリザノール、サークレチン、ニコ
ランジル、ピナシジル、フタリド類、センブリエキス、
ニンジンエキス、イチョウエキス、キナエキス、トウヒ
エキス等を用いることもできる。
【0021】抗菌剤としては、先に述べたオクトピロッ
クスを用いることが好ましいが、この他にもイソプロピ
ルメチルフェノール、塩化ベンザルコニウム、感光色素
101、感光色素201、クロルヘキシジン、サリチル
酸、ジンクピリチオン、ソルビン酸カリウム、ヒノキチ
オール、フェノール等を用いることもできる。
【0022】皮膚処理剤には前述した成分の他に、他の
種々の成分を配合することもできる。そのような成分と
しては例えば、抗炎症剤、局所刺激剤、毛包賦活剤、毛
母細胞分化増殖促進剤、角質溶解剤、抗脂漏剤、抗男性
ホルモン剤、カリウムチャンネルオープナーなどが挙げ
られる。
【0023】抗炎症剤としては、カンゾウエキス、グリ
チルリチン酸類(グリチルリチン酸ジカリウム、グリチ
ルリチン酸モノアンモニウム等)、脂溶性グリチルレチ
ン酸類〔グリチルレチン酸(β−グリチルレチン酸)、
グリチルレチン酸グリセリン,グリチルレチン酸ステア
リル等〕、アズレン、グアイアズレン、抗ヒスタミン剤
(ジフェンヒドラミン、フマル酸クレマスチン等)、酢
酸ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン、オウゴンエキ
ス、カミツレエキス、クマザサエキス、シラカバエキ
ス、ゼニアオイエキス、桃葉エキス、セイヨウノコギリ
ソウエキス、キキョウエキス、ビワ葉エキス、ボダイジ
ュエキス等が挙げられる。これらのうち、カンゾウエキ
ス、グリチルリチン酸類、脂溶性グリチルレチン酸類、
アズレン、グアイアズレン、オウゴンエキス、カミツレ
エキス、クマザサエキス、シラカバエキス、ゼニアオイ
エキス、桃葉エキス、セイヨウノコギリソウエキスが好
ましい。
【0024】局所刺激剤としては、カンファー、トウガ
ラシチンキ、ノニル酸ワニリルアミド、ショウキョウチ
ンキ、オランダガラシ、カンタリスチンキ、ハッカ油、
ワサビ大根エキス等が挙げられ、なかでもカンファー、
トウガラシチンキが好ましい。
【0025】毛包賦活剤としては、例えばN−アセチル
−L−メチオニン、タマサキツヅラフジ、セファランチ
ン、アデノシン三リン酸ジナトリウム、アスパラギン酸
カリウム、感光色素301、ペンタデカングリセリド、
パントテン酸エチル、チクセツニンジン、ビオチン、モ
ノニトログアヤコールナトリウム、酵母エキス、ニンニ
ク成分、真珠蛋白抽出液、タイソウエキス、プラセンタ
エキス、ローヤルゼリー等が挙げられ、これらのうち、
タマサキツヅラフジ、セファランチン、アデノシン三リ
ン酸ジナトリウム、ペンタデカングリセリド、パントテ
ン酸エチル、チクセツニンジン、ビオチン、モノニトロ
グアヤコールナトリウム、プラセンタエキス、ローヤル
ゼリーが好ましい。
【0026】毛母細胞分化増殖促進剤としては、例えば
特開平8−157334号公報記載のフラバノノール誘
導体が挙げられ、中でもトランス−3,4’−ジメチル
フラバノノール、トランス−4’−クロロ−3−メチル
フラバノノールが好ましい。
【0027】角質溶解剤としては、例えばアスピリン等
が挙げられる。
【0028】抗脂漏剤としては、例えばイオウ、レシチ
ン、カシュウエキス、チオキソロン等が挙げられる。
【0029】抗男性ホルモン剤としては、例えばサイプ
ロテロンアセテート、11α−ハイドロキシプロゲステ
ロン、フルタマイド、3−デオキシアデノシン、酢酸ク
ロルマジノン、エチニルエストラジオール、スピロノラ
クトン、エピテステロン、アロエ、サンショウ、オタネ
ニンジン等が挙げられる。
【0030】カリウムチャンネルオープナーとしては、
ミノキシジル、クロマカリム、ジアゾキシド及びその誘
導体、ピナシジル等が挙げられる。
【0031】次に前記実施形態のエアゾール製品の製造
方法を説明する。先ず、缶胴2の内面及びマウンティン
グカップ5の内面にエポキシポリイミド系樹脂のコーテ
ィング膜を形成する。缶胴2の内面にコーティング膜を
形成するには、まずアルカリ洗浄や溶剤洗浄などの下地
処理を行う。次いで、先に述べた塗工液を塗布して塗膜
を形成する。塗工方法に特に制限はなく、例えばエアス
プレーコーティング、エアレススプレーコーティング、
ロールコーティング、ディップコーティングなどを用い
ることができる。形成された塗膜は200〜300℃程
度で5〜20分程度焼き付けられる。これによってコー
ティング膜が形成される。マウンティングカップ5にコ
ーティング膜を形成する手順もこれと同様とすることが
できる。
【0032】次に缶胴2内に皮膚処理剤を所定量充填す
る。充填後、マウンティングカップ5を缶胴2の開口部
に締結密封する。マウンティングカップ5には予めバル
ブ4及びチューブ6が取り付けられている。マウンティ
ングカップ5の締結密封によってエアゾール容器が得ら
れる。然る後、マウンティングカップ5に保持されてい
るバルブ4を通じてエアゾール容器内に二酸化炭素を所
定量充填する。二酸化炭素の充填中、エアゾール容器を
振盪させると気液平衡状態に早く達するので好ましい。
【0033】本発明は前記実施形態に制限されない。例
えば図1に示すエアゾール容器において、チューブ6の
末端におもりを取り付けることで、本発明のエアゾール
容器を正立噴射用のみならず倒立噴射用とすることもで
きる。
【0034】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
する。しかしながら本発明の範囲はかかる実施例に制限
されるものではない。特に断らない限り「%」は「重量
%」を意味する。
【0035】〔実施例1〕エポキシポリイミド系樹脂原
料を溶媒に溶解して塗布液を得た。この塗布液を図1に
示す缶胴2及びマウンティングカップ5の内面にスプレ
ーコーティングし、乾燥させてコーティング膜を形成し
た。
【0036】コーティング膜が形成された缶胴内に以下
の組成からなる頭皮用の皮膚処理剤を充填した。 <皮膚処理剤の組成> ・エタノール 60% ・酢酸dl−α−トコフェロール 0.05% ・オクトピロックス 0.05% ・精製水 バランス
【0037】図1に示すバルブ4及びチューブ6をマウ
ンティングカップ5に取り付け、マウンティングカップ
5を缶胴2の開口部3に締結密着させた。これによって
エアゾール容器となした。チューブ6は134mm長の
ポリエチレン製であり、その外径は3.1mm、内径は
2.05mmであった。次いでバルブを通じてエアゾー
ル容器内に二酸化炭素を充填した。
【0038】〔比較例1〕実施例1において、缶胴2及
びマウンティングカップ5の内面に形成するコーティン
グ膜をエポキシフェノール系樹脂から形成する以外は実
施例1と同様にしてエアゾール容器を得た。
【0039】〔性能評価〕実施例及び比較例で得られた
エアゾール容器を40℃で6ヶ月間保存した後の皮膚処
理剤における酢酸dl−α−トコフェロール及びオクト
ピロックスの濃度を高速液体クロマトグラフによって定
量した。カラムはMerck Superspher RP-18(125mm
×φ4mm)であり、カラム温度は40℃とした。移動
相はメタノールであった。これらの定量とは別に、目視
によってコーティング膜の状態を観察した。これらの結
果を以下の表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】表1に示す結果から明らかなように、実施
例1のエアゾール容器(本発明品)では酢酸dl−α−
トコフェロール及びオクトピロックスの濃度変化はほと
んどみられなかった。また、コーティング膜にもほどん
ど変化は観察されなかった。これに対して比較例1のエ
アゾール容器では特にオクトピロックスの濃度低下が甚
だしかった。またコーティング膜の劣化が観察された。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、容器内面への皮膚処理
剤の吸着が防止されたエアゾール製品の製造方法が提供
される。本発明の製造方法によって得られたエアゾール
製品は、これを長期間保存しても、充填されている皮膚
処理剤の組成変化が防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法によって得られた皮膚処理剤
入りエアゾール容器に皮膚処理剤を充填する前の状態の
概略構造を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 エアゾール容器 2 缶胴 3 開口部 4 バルブ 5 マウンティングカップ 6 チューブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 31/355 A61K 45/06 31/4412 47/06 45/06 47/10 47/06 B65D 83/14 A 47/10 A61J 1/00 313Z Fターム(参考) 3E014 PA01 PB01 PC02 PC20 PD01 PD02 PD04 PE01 PE11 PF06 PF10 4C076 AA24 BB31 CC18 DD33V FF18 GG50 4C084 AA20 MA13 MA63 NA03 ZA362 ZA891 ZB352 4C086 AA01 BA09 BC17 MA02 MA04 MA13 MA63 NA03 ZA89

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エポキシポリイミド系樹脂のコーティン
    グ膜が内面に形成されたエアゾール容器用缶胴内に抗菌
    剤及び血行促進剤を含む皮膚処理剤を充填し、次いで該
    缶胴の口部に、ポリエチレン製のチューブを備えたバル
    ブを締結密封してエアゾール容器となし、然る後、該バ
    ルブを通じて該容器内に二酸化炭素を充填する、皮膚処
    理剤入り正立噴射用エアゾール製品の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記抗菌剤がオクトピロックスであり、
    前記血行促進剤が酢酸dl−α−トコフェロールである
    請求項1記載のエアゾール製品の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記皮膚処理剤が頭皮用のものである請
    求項2記載のエアゾール製品の製造方法。
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