JP2003330898A - 情報端末装置 - Google Patents

情報端末装置

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JP2003330898A
JP2003330898A JP2002136574A JP2002136574A JP2003330898A JP 2003330898 A JP2003330898 A JP 2003330898A JP 2002136574 A JP2002136574 A JP 2002136574A JP 2002136574 A JP2002136574 A JP 2002136574A JP 2003330898 A JP2003330898 A JP 2003330898A
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card
terminal device
information terminal
unit
antenna
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JP2002136574A
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Junichi Sato
順一 佐藤
Akihiko Yamagata
昭彦 山形
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 無線インターフェース経由で外部機器からア
クセス可能なメモリ機能を内蔵した情報端末を提供す
る。 【解決手段】 情報端末は、電磁誘導作用に基づく非接
触データ通信を行なう非接触データ通信機能部と、電波
遮蔽物を含んだ端末本体と、電波遮蔽物とアンテナ部と
の間に空隙を形成する空隙形成部で構成される。非接触
データ通信を行ないたいときには、空隙形成部を開成操
作して2〜3ミリメートル以上の空隙を設定することに
より、電磁遮蔽物による影響を排除して安定したデータ
伝送を行なうことができる。非接触データ通信を行なわ
ないときには閉成すればよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、データを保持する
メモリ機能を備えた情報端末装置に係り、特に、外部イ
ンターフェース経由で外部機器からアクセス可能なメモ
リ機能を内蔵した情報端末装置に関する。
【0002】さらに詳しくは、本発明は、無線インター
フェース経由で外部機器からアクセス可能なメモリ機能
を内蔵した情報端末装置に係り、特に、端末本体内の電
波遮蔽物の影響を受けることなく無線インターフェース
経由で内部メモリへのアクセスか可能な情報端末装置に
関する。
【0003】
【従来の技術】従来から、本人確認や認証処理のために
暗証番号やパスワードを用いたさまざまな装置が考案さ
れ、実用に供されている。例えば、銀行やその他の金融
機関において、キャッシュ・カードやクレジット・カー
ドを使用する際には、キャッシュ・ディスペンサやその
他の金融端末上で、本人認証の手段として、暗証番号や
パスワードの入力を使用者に対して促し、使用者から正
しい暗証番号やパスワードが入力されたことを確認して
から、入出金動作を行なうようになっている。
【0004】1枚のキャッシュ・カード上に埋設されて
いる磁気ストライプなどの記憶媒体の中には、その銀行
に対してのみ使用可能な記憶領域しか設けられていな
い。したがって、上述したような暗証番号あるいはパス
ワードの入力は、この単一の記憶領域へのアクセスに過
ぎないので、偽造や盗用に対する保護は充分とは言い難
い。
【0005】このため、偽造防止などの観点から、キャ
ッシュ・カードやクレジット・カードなどに電気的な接
点を持った接触式ICカードや、無線データを介して非
接触でデータの読み書きを行う非接触ICカードなど、
メモリ機能を備えたICカードがよく使われるようにな
ってきている。例えば、ATM(Automatic Teller Mac
hine)や、コンサート会場の出入口、駅の改札口などに
設置されたICカード・リーダ/ライタは、利用者がか
ざしたICカードに非接触でアクセスすることができ
る。
【0006】利用者が暗証番号をICカード・リーダ側
に入力して、入力された暗証番号をICカード上に格納
された暗証番号と照合することで、ICカードとICカ
ード・リーダ/ライタ間で本人確認又は認証処理が行な
われる。(ICカード・アクセス時に使用する暗証番号
のことを、特にPIN(Personal Identification Numb
er)と呼ぶ。)そして、本人確認又は認証処理に成功し
た場合には、例えば、ICカード内に保存されているア
プリケーションの利用が可能となる。
【0007】ここで、ICカードが保持するアプリケー
ションとしては、例えば、電子マネーや電子チケットな
どの価値情報を挙げることができる。電子マネーとは、
利用者が提供する資金に応じて発行される電子データを
通じて決済(電子決済)される仕組み、又はこのような
電子データ自体を指す。
【0008】最近では、微細化技術の向上とも相俟っ
て、比較的大容量の記憶空間を持つICカードが出現
し、普及してきている。従来のキャッシュ・カードなど
においては単一の記憶領域すなわち単一のアプリケーシ
ョンしか担持しないので、各用途又は目的毎に応じた複
数のカードを持ち歩く必要がある。これに対して、この
ような大容量メモリ付きのICカードによれば、複数の
アプリケーションを同時に格納しておくことができるの
で、1枚のICカードを複数の用途に利用することがで
きる。例えば、1枚のICカード上に、電子決済を行な
うための電子マネーや、特定のコンサート会場に入場す
るための電子チケットなど、2以上のアプリケーション
を格納しておき、1枚のICカードをさまざまな用途に
適用させることができる。
【0009】さらに、ICカードがカード用リーダ/ラ
イタ(カード読み書き装置)との非接触インターフェー
スの他に、他の機器と接続するための有線インターフェ
ースを備えることにより、ICカードを携帯電話機、P
DA(Personal Digital Assistant)やパーソナル・コ
ンピュータ(PC)などの情報処理端末に内蔵して用い
ることができる(但し、端末に内蔵される多くの場合、
ICカードはワンチップ化して構成される。以下では、
ICカード及びICチップを総称して単に「ICカー
ド」と呼ぶことにする)。
【0010】このような場合、ICカードを利用したさ
まざまなアプリケーション・サービスを、情報処理端末
上で実行することができる。例えば、情報処理端末上の
キーボードやディスプレイなどのユーザ・インターフェ
ースを用いてICカードに対するユーザ・インタラクシ
ョンを情報処理端末上で行うことができる。また、IC
カードが携帯電話機と接続されていることにより、IC
カード内に記憶された内容を電話網経由でやり取りする
こともできる。
【0011】非接触ICカードが情報端末装置に内蔵し
て用いられる場合、以下のような多様で有益なデータ通
信が行なうことが可能である。
【0012】(1)情報端末装置内のメモリに保持した
データを、ICカード・アンテナを介して外部のカード
読み書き装置にデータ伝送する。 (2)情報端末装置がカード読み書き装置として動作す
る場合、ICカード・アンテナを介して外部の非接触カ
ードにデータ伝送する。 (3)情報端末装置内で、内部インターフェース経由で
ICカードが保持する記憶内容を端末本体の演算処理機
能部に転送する。
【0013】ところで、非接触方式のICカードとカー
ド読み書き装置(リーダ/ライタ)間の無線通信は、一
般に、電磁誘導の原理に基づいて実現される。すなわ
ち、非接触方式のICカードは、カード読み書き装置か
らの搬送波により電力を取り出して駆動するとともに、
受信した搬送波を復調・復号して送信データを得る仕組
みとなっている。
【0014】しかしながら、非接触ICカードを電磁誘
導で作動させる際、そのアンテナに金属板などの電波遮
蔽物が近接すると、電力伝送効率が減少するために通信
が不能となってしまう。
【0015】周知のように情報端末本体には、電子回路
基板や、液晶表示装置などの電波遮蔽物が収容されてい
る。このため、非接触ICカード機能をチップ化して情
報端末装置に内蔵して用いる場合には、ICカード・ア
ンテナがこれら電波遮蔽物からの影響により電磁誘導作
用が働かなくなるという問題がある。
【0016】例えば、カード読み書き装置からの搬送波
は、電波遮蔽物により反射、吸収、あるいは散乱されて
しまい、ICカード・アンテナより受信した搬送波から
電力や無線データを取り出すことができない。同様に、
情報端末装置がカード読み書き装置として動作する場合
も、ICカード・アンテナから送出される搬送波が電波
遮蔽物により反射、吸収、散乱されて、通信相手となる
外部の非接触カードに有効に伝搬されない。
【0017】すなわち、携帯電話機やPDAなどの情報
端末装置に内蔵する場合には、端末装置内で電波遮蔽物
の影響を受けないような組み込み場所を確保し、あるい
は電波遮蔽物の影響を受けずに電力伝送効率を向上させ
なければならないという問題がある。
【0018】また、携帯電話機やPDAなどの携帯型の
情報端末装置に非接触ICカード機能を内蔵させた場
合、情報端末装置の演算機能と非接触通信機能を組み合
わせた高度なアプリケーション・サービスを、場所を問
わずに利用することができるが、その反面、非接触IC
カードによるデータ通信は、カード読み書き装置に近接
して電磁誘導作用が働くだけで、ユーザの意識に拘わら
ずデータ伝送路が確立してしまうという問題がある。
【0019】情報端末装置内に格納されたメモリからの
データ伝送を、利用者の意思確認(作動確認)に連携し
ないで実施した場合、リモートでのデータ搾取がなされ
る可能性がある。
【0020】また、電子マネーによる取引は前払式証票
の規制等に関する法律(通称、「プリカ法」)の適用を
受けるが、非接触ICカードが内蔵された携帯端末装置
を持ち歩くという利用形態を想定すると、利用者の利用
意思確認や約款、証書提示義務を負うサービス提供にお
いて、利用者の視認や利用意思表示を物理的にコントロ
ールすることが困難となる。
【0021】また、情報端末装置側では、内蔵する非接
触ICカードのアンテナから外部のメディアへの読み取
りや書き込み機能の作動を検知(ポーリング)するため
に、常時作動して電力を消費しなければならない。この
ような電力消費は、とりわけバッテリ駆動の携帯型の情
報端末装置においては負担が過大である。
【0022】また、情報端末装置本体がカード読み書き
装置として動作して非接触ICカード・インターフェー
スを介して外部のカードとデータ伝送を行なう際、機器
外の非接触ICカードを利用者の情報端末装置上に物理
的に係留させることが困難である。とりわけ携帯型の情
報端末装置のようにモバイル環境下での利用が常態化さ
れている場合、機器外の非接触ICカードと端末本体と
の関係を一定に保つことは困難である。機器外の非接触
ICカードと端末本体を一体化させることが困難である
ことから、データ伝送能力が不安定になる。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、無線
インターフェース経由で外部機器からアクセス可能なメ
モリ機能を内蔵して構成される、優れた情報端末装置を
提供することにある。
【0024】本発明のさらなる目的は、端末本体内の電
波遮蔽物の影響を受けることなく、非接触ICカード・
インターフェース経由で電磁誘導作用による安定したデ
ータ伝送を行なうことができる、優れた情報端末装置を
提供することにある。
【0025】本発明のさらなる目的は、モバイル環境あ
るいはその他の不安定な作業環境下でも、外部の非接触
ICカードとの間で電磁誘導作用による安定したデータ
伝送を行なうことができる、優れた情報端末装置を提供
することにある。
【0026】本発明のさらなる目的は、モバイル環境あ
るいはその他の不安定な作業環境下でも、外部の非接触
ICカードを好適に係留して、電磁誘導作用による安定
したデータ伝送を行なうことができる、優れた情報端末
装置を提供することにある。
【0027】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、上記
課題を参酌してなされたものであり、無線電波による非
接触データ通信を行なうアンテナ部及び送受信データの
処理を行なうデータ処理部を備えた非接触データ通信機
能部と、電波遮蔽物を含んだ端末本体と、前記電波遮蔽
物と前記非接触データ通信機能部のうち少なくともアン
テナ部との間に空隙を形成する空隙形成部と、を具備す
ることを特徴とする情報端末装置である。
【0028】ここで、前記電波遮蔽物は、前記端末本体
の動作を実行するプログラム制御部、及び/又は、前記
プログラム制御部における処理結果を表示する表示部な
どである。これらは、電子回路チップを搭載した印刷配
線基板からなり、基板は金属板が含まれることから、ア
ンテナ部を介して外部と電磁誘導作用によるデータ伝送
を行なうときに搬送波を反射、吸収、あるいは散乱す
る。
【0029】本発明によれば、前記空隙形成部が情報端
末装置本体内の電波遮蔽物とアンテナ部との間に所定の
空隙を設けることにより、搬送波が電波遮蔽物による影
響を受けることなく、電磁誘導作用による安定したデー
タ伝送を行なうことができる。この空隙は例えば2〜3
ミリメートル程度で充分である。
【0030】前記空隙形成部は、前記アンテナ部を使用
した非接触データ通信時に空隙を開成し、前記アンテナ
部を未使用時に空隙を閉成するようにしてもよい。例え
ば、前記非接触データ通信機能部のうち少なくとも前記
アンテナ部を前記端末本体に対して回動可能に支持し
て、リトラクタブルな構造体にしてもよい。
【0031】したがって、ユーザは非接触データ通信を
行ないたいときには、前記空隙形成部を開成操作して2
〜3ミリメートル以上の空隙を設定することにより、電
磁遮蔽物による搬送波の反射、吸収、散乱などの影響を
受けることなく、電磁誘導作用に基づく安定したデータ
伝送を行なうことができる。他方、非接触データ通信を
行なわないときには、前記空隙形成部を閉成すればよ
い。
【0032】この場合、情報端末装置などの小型機器の
筐体設計において、アンテナへの空隙間隔を考慮しない
フォームファクタの設計が可能となる。
【0033】また、前記空隙形成部における開閉操作は
ユーザによるICカードの利用意思の表示という側面を
持つことになる。
【0034】したがって、前記空隙形成部における空隙
の開閉状態を検出する検出部をさらに備え、この検出結
果に応答して、前記端末装置本体側の少なくとも一部の
処理動作を許可又は禁止するようにしてもよい。すなわ
ち、空隙形成部の開閉操作に応じて利用意思確認を行な
うことにより、ユーザの意思確認に連携させてデータ伝
送を実施させることができる。この場合、リモートでの
データ搾取の危険性を取り除くことができる。また、利
用意思確認や約款、証書提示義務を負うサービス提供に
おいて、利用者の視認や利用意思表示を物理的にコント
ロールすることができる。
【0035】また、前記検出部における検出結果に応答
して、前記端末本体の少なくとも一部への電源を供給又
は遮断する電源制御部をさらに備えてもよい。すなわ
ち、空隙の開閉操作に応じて情報端末装置の不要な動作
を停止させることができるので、消費電力を節約するこ
とができる。
【0036】また、前記非接触データ通信部を前記端末
本体に対して着脱自在に取り付ける結合部をさらに備え
ていてもよい。
【0037】このような場合、情報端末装置と非接触デ
ータ通信部をある程度独立して設計及び製作することが
できるので、情報端末装置へ非接触ICカード機能を組
み込むための設計や製作が容易になる。また、非接触I
Cカード機能が故障したときには、情報端末装置本体か
ら切り離して障害復旧作業を行なうことができ、あるい
は部品交換作業が容易になる。また、非接触ICカード
を搭載したリトラクタブル部分をプラガブルすなわち装
脱可能に構成することにより、情報端末装置本体を機種
変更したい場合にはリトラクタブルを取り替えるだけで
済む。
【0038】また、前記空隙形成部において形成された
空隙において非接触データ通信の相手装置を保持する保
持部をさらに備えるようにしてもよい。
【0039】このように空隙形成部に配設された保持部
で非接触ICカードなどの通信相手を挟み込むようにす
ることで、モバイルなど不安定な作業環境下であって
も、情報端末装置と外部の非接触ICカードとの物理的
な係合関係を容易に維持することができる。したがっ
て、カード読み書き装置として機能する情報端末装置と
非接触ICカード間の伝送路を安定に維持することがで
きるので、データ伝送の確実性を向上させて、安定して
使用することが可能となる。
【0040】本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、
後述する本発明の実施形態や添付する図面に基づくより
詳細な説明によって明らかになるであろう。
【0041】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施形態について詳解する。
【0042】図1には、本発明の1つの実施形態に係る
携帯型の情報端末装置2を用いて実現される改札システ
ム1の構成を模式的に描いている。
【0043】ここで言う携帯型の情報端末装置2は例え
ば携帯電話機であり、非接触ICカード機能を内蔵して
おり、ユーザが移動期間中も携行しているものとする。
また、改札機4は、駅の改札口などに設けられて、通過
扉8の開閉操作を用いて、課金処理の有無やその他の権
限の有無に応じてユーザの通過を制御する。
【0044】カード読み書き装置6は、改札機4に設置
して用いられている。したがって、ユーザが改札を通過
しようとすると、所持する携帯型の情報端末装置2が近
接されて電磁誘導作用が有効化されて、これに内蔵され
る非接触ICカードにアクセスしてデータを読み書きす
ることができる。
【0045】ユーザが携帯型の情報端末装置2を所持し
たまま改札機4に接近すると、改札機4上に設置された
カード読み書き装置6は携帯型の情報端末装置2が近づ
いてきたことを電磁誘導作用により検知して、携帯型の
情報端末装置2との間で通信を行う。そして、携帯型の
情報端末装置2に内蔵される非接触ICカードに対する
認証処理、並びにそのメモリに担持される電子マネー又
は電子チケットに対する電子決済処理が行なわれる。そ
して、これらの処理に成功してユーザの通過が許可され
たときには通過扉8を開成して、ユーザの改札口の通過
を認める。
【0046】また、本実施形態に係る携帯型の情報端末
装置2は、ICカード機能だけでなく、外部のICカー
ドにアクセスするカード読み書き機能を装備していても
よい。図2には、非接触ICカード内蔵並びにカード読
み書き機能付きの携帯型の情報端末装置2を用いて実現
される決済システムの構成を模式的に示している。
【0047】同図に示す決済システムでは、携帯電話機
などの情報端末装置12は、端末外部の非接触ICカー
ド11と非接触通信を行うとともに、携帯電話網14を
介してネットワーク上のホスト端末に接続することがで
きる。例えば、非接触ICカード12上に残された運賃
(乗車ポイント)やその他の価値情報が少なくなったと
きに、携帯型の情報端末装置2はICカード12に記録
されている価値情報を読み出す。そして、不足分が発生
する場合には、基地局アンテナ13及び携帯電話網14
を介して制御用コンピュータ15にアクセスして、利用
者があらかじめ提供しておいた資金に応じて新たにポイ
ントを取得するとともに、これを非接触ICカードに書
き込む。
【0048】なお、携帯電話機などの情報端末装置がI
Cカードを装備する形態は一意ではない。例えば、ワン
チップで構成されたICチップを無線アンテナとともに
情報端末装置が内蔵するようにしてもよいし、カード状
に構成されたICチップすなわちICカードを、携帯型
の情報端末装置に配設されたカード・スロットやその他
の有線インターフェースで接続して用いるようにしても
よい。以下では、ICチップ及びICカードをICカー
ドと総称することにする。ICカードには例えば、プリ
ペイド形式の電子マネーや電子チケットなどの価値情報
に関する機能が搭載されている。
【0049】カード読み書き装置とICカード間の無線
通信は、例えば電磁誘導の原理に基づいて実現される。
図3には、電磁誘導に基づくカード読み書き装置とIC
カードとの無線通信の仕組みを概念的に図解している。
カード読み書き装置は、ループ・コイルで構成されたア
ンテナLRWを備え、このアンテナLRWに電流IRWを流す
ことでその周辺に磁界を発生させる。一方、ICカード
側では、電気的にはICカードの周辺にループ・コイル
cが形設されている。ICカード側のループ・コイルL
c端にはカード読み書き装置側のループ・アンテナLc
発する磁界による誘導電圧が生じて、ループ・コイルLc
端に接続されたICカードの端子に入力される。
【0050】カード読み書き装置側のアンテナLRWとI
Cカード側のループ・コイルLcは、その結合度は互いの
位置関係によって変わるが、系としては1個のトランス
を形成していると捉えることができ、非接触ICカード
の読み書き動作を図4に示すようにモデル化することが
できる。
【0051】カード読み書き装置側では、アンテナLRW
に流す電流IRWを変調することで、ICチップ上のルー
プ・コイルLcに誘起される電圧VOは変調を受け、その
ことを利用してカード読み書き装置はICカードへのデ
ータ送信を行うことができる。ここで言う送信データに
は、カード読み書き装置に接続された外部機器上でユー
ザ入力された暗証番号やパスワード、メモリ内のアプリ
ケーションへのアクセス権を得るための暗証コードや、
電子マネーや電子チケットなどのアプリケーションが提
供する価値情報が含まれる。
【0052】すなわち、ICカードは、カード読み書き
装置からの質問信号に対する応答信号に応じて自身のア
ンテナ間の負荷を変化させることによって、カード読み
書き装置側の受信回路に現れる信号に振幅変調をかけて
通信を行うことができる。
【0053】図5には、本発明の一実施形態に係る情報
端末装置110のハードウェア構成を模式的に示してい
る。同図に示すように、情報端末装置110はICカー
ド100を内蔵し、ICカード100は、アンテナ部1
01と、アナログ部102と、ディジタル制御部103
と、メモリ104と、内部インターフェース105とで
構成されている。
【0054】アンテナ部101は、図示しないカード読
み書き装置との間で電磁誘導作用に基づく非接触データ
の送受信を行う。アナログ部102は、検波、変復調、
クロック抽出など、アンテナ部101から送受信される
アナログ信号の処理を行う。
【0055】ディジタル制御部103は、送受信データ
の処理や外部のICカードに対する読み書き動作、その
他ICカード内の動作を統括的にコントロールする。デ
ィジタル制御部103は、アドレス可能なメモリ104
をローカルに接続しており、電子マネーや電子チケット
などのアプリケーションを格納したり、ディジタル制御
部103が実行するプログラム・コードをロードした
り、実行中の作業データを保存するために使用すること
ができる。
【0056】内部インターフェース105は、ディジタ
ル制御部103が携帯型の情報端末装置110などの外
部機器と接続するためのインターフェース機能モジュー
ルである。メモリ104に書き込まれたデータは、内部
インターフェース105を経由して、携帯型の情報端末
装置110に転送することができる。
【0057】ICカード100は、内部インターフェー
ス105経由で携帯型の情報端末装置110本体と接続
されている。内部インターフェース105には、UAR
TやI2Cのような有線インターフェースを使用する
(後述)。但し、本発明の要旨はこれらのインターフェ
ース仕様に限定されるものではない。
【0058】ICカード100は、例えば、アンテナ部
101経由で受信されるカード読み書き装置からの受信
電波によって駆動することができる。勿論、携帯型の情
報端末装置110側からの供給電力によって、一部又は
全部が動作するように構成されていてもよい。
【0059】一方、携帯型の情報端末装置110本体
は、例えば携帯電話機やPDA(Personal Digital Ass
istant)、パーソナル・コンピュータ(PC)などの情
報処理端末に相当する。携帯型の情報端末装置110
は、プログラム制御部111と、表示部112と、ユー
ザ入力部113とで構成される。
【0060】プログラム制御部111は、例えばマイク
ロプロセッサと、RAM(Random Access Memory)と、
ROM(Read Only Memory)で構成され(いずれも図5
には図示しない)、マイクロプロセッサは、ROMに格
納されたプログラム・コードに従って、RAMを作業領
域に用いてさまざまな処理サービスを実行する。処理サ
ービスには、携帯電話機など携帯型の情報端末装置11
0本来の機能の他に、ICカード100に対する処理も
含まれる。勿論、プログラム制御部111は、ハード・
ディスクなどの外部記憶装置や、その他の周辺装置を備
えていてもよい。
【0061】プログラム制御部111は、内部インター
フェース105経由で、ICカード100内のメモリ1
04にアクセスすることができる。
【0062】表示部112は、例えば液晶表示ディスプ
レイ(LCD:Liquid Crystal Display)で構成され、
プログラム制御部111における処理結果などを画面出
力してユーザに通知することができる。
【0063】ユーザ入力部113は、キーボードやジョ
グダイヤル、あるいは表示部112の表示画面に重畳さ
れたタッチパネルなどで構成され、ユーザが携帯型の情
報端末装置110にコマンドやデータを入力するために
使用される。
【0064】携帯型の情報端末装置110内のプログラ
ム制御部111は、バッテリなど図示しない主電源から
の給電により駆動する。
【0065】ICカード100が内蔵された携帯型の情
報端末装置110のユーザが情報端末装置110を所定
のカード読み書き装置にかざすことにより、ICカード
100とカード読み書き装置間の無線通信が開始され、
電磁誘導作用に基づく非接触インターフェースとしての
アンテナ部101及びアナログ部102を介して、ディ
ジタル部103とカード読み書き装置の間でデータ交換
が行われる。
【0066】また、外部の非接触ICカード(図示しな
い)を携帯型の情報端末装置110にかざすと、情報端
末装置110はカード読み書き装置としての動作を開始
して、電磁誘導作用に基づく非接触インターフェースと
してのアンテナ部101及びアナログ部102を介し
て、外部のICカードとの間でデータ交換が行なわれ
る。
【0067】プログラム制御部111は、プロセッサ・
チップやメモリ・チップなど複数の回路部品で構成さ
れ、これらは1枚又は複数毎の印刷回路基板上に搭載し
て構成されている。また、液晶ディスプレイからなる表
示部112は、表示パターンが形成されたガラス基板や
導光板、拡散膜、表示動作を駆動制御する液晶駆動回路
層などが積層して構成される。これら印刷回路基板や液
晶駆動回路層は、金属材質を含み、電磁誘導作用による
非接触ICカード・インターフェースにとって電波遮蔽
物となる。
【0068】図6には、図5に示した本実施形態に係る
ICカード100のハードウェア構成をより詳細に図解
している。図6に示した例では、ICカードは、カード
読み書き機能も併せて備えている。ICカードがカード
読み書き機能を備えることにより、図2に示したような
電子決済システムを実現することができる。
【0069】図6に示すように、このICカード100
は、アナログ部102に相当するカード機能部30と、
ディジタル制御部103、メモリ104及び内部インタ
ーフェース105に相当するデータ処理部40と、カー
ド読み書き部50で構成される。
【0070】カード機能部30では、アンテナ32で受
信された搬送波は、整流器31で整流された後、データ
処理部40内の信号処理部44に供給されるとともに、
シリアル・レギュレータ33を介して論理回路38に供
給されている。
【0071】論理回路38は、シリアル・レギュレータ
33からの電圧を制御して、ICカード100で使用す
るための適正な電源電圧VDDを供給するようになってい
る。
【0072】シリアル・レギュレータ33は、入力電圧
の如何に拘わらず、出力電圧をほぼ一定に保つようにな
っている。すなわち、入力電圧が高いときには、内部イ
ンピーダンスを高くして、逆に入力電圧が低いときには
内部インピーダンスを低くすることによって、電圧を保
つ動作を可能とする。
【0073】電圧検出器39は、論理回路38に接続さ
れた外部電源(バッテリなど)の出力端子電圧を監視し
て、外部電源の電圧が所定電圧を下回った場合には外部
電源の使用を禁止する信号を論理回路38に出力するよ
うになっている。
【0074】また、カード機能部30において、アンテ
ナ32から入力された電波は、搬送波検出器34で受信
電波中に搬送波が含まれているか否かが判断され、含ま
れている場合には、搬送波検出信号VRが論理回路38
に出力される。論理回路38は、さらに、データ処理部
40に対して搬送波が検出された旨の信号を出力するこ
とができる。
【0075】クロック抽出器35は、アンテナ32から
入力された電波からクロックを抽出して、これをクロッ
ク選択器36に供給する。また、クロック発振器37
は、例えばICカード100外に配設された水晶振動子
で構成され、ICカード100上で使用される駆動周波
数のクロックを発生して、クロック選択器36に供給す
る。クロック選択器36は、クロック抽出器35から供
給されたクロック、又は、クロック発振器37から供給
されたクロックのいずれか一方を選択して、ICカード
100内の各部に供給する。
【0076】カード読み書き部50は、送信アンプ51
と、受信信号検出器53と、受信アンプ・フィルタ54
と、送受信用のアンテナ52及び55で構成される。
【0077】データを送信するときは、データ処理部4
0の信号処理部44によって変調並びにD/A変換され
て、アナログ・ベースバンドにアップコンバートされた
送信信号が送信アンプを介してアンテナ51から送出さ
れる。また、アンテナ52から受信された信号は、受信
信号検出器53によって検出され、受信アンプ54で増
幅されてから、信号処理部44に供給される。信号処理
部44は、アナログ・ベースバンド信号にダウンコンバ
ートし、D/A変換並びに復調処理して、ディジタル・
データを再現する。
【0078】なお、ICカード機能部30と外部のカー
ド読み書き装置の間、あるいは、カード読み書き部50
と外部の非接触ICカードの間で行なわれる電磁誘導作
用に基づくカード読み書き動作は、図3及び図4を参照
しながら既に説明した通りである。
【0079】データ処理部40は、先述の信号処理部4
4の他、CPU(Central Processing Unit)45と、
DES(Data Encryption Standard)エンジン46と、
CRC(Cyclic Redundancy Check)47と、RAM(R
andom Access Memory)41と、ROM(Read Only Mem
ory)42と、EEPROM(Electrically Erasable a
nd Programmable ROM)43と、UARTインターフェ
ース48と、I2Cインターフェース49を備えてお
り、各部は内部バスによって相互接続されている。
【0080】CPU45は、ICカード100内の動作
を統括的に制御するメイン・コントローラであり、オペ
レーティング・システム(OS)の制御下で、例えばR
OM42(あるいはEEPROM43)に格納されたプ
ログラム・コードを実行するようになっている。例え
ば、CPU45は、カード機能部30やカード読み書き
部40を介して送受信されるデータに関するアプリケー
ションを実行するようになっている。
【0081】信号処理部44は、カード機能部30やカ
ード読み書き部40を介して送信されるデータの変調、
D/A変換、アップコンバートなどの処理や、受信した
データのダウンコンバート、A/D変換、復調などの処
理を行う。
【0082】DESエンジン46は、カード機能部30
やカード読み書き部40を介して送受信されるデータを
手順公開型の秘密鍵暗号により暗号化及び復号化処理す
る。
【0083】CRC47は、カード機能部30やカード
読み書き部40を介して受信したデータの巡回冗長検査
を行う。
【0084】UART48並びにI2Cインターフェー
スは、ICカード100を携帯電話器やPDA、パーソ
ナル・コンピュータなどの外部機器(図11には図示し
ない)に接続するための有線インターフェースを構成す
る。このうちUART(Universal asynchronous recei
ver transmitter)48は、コンピュータ内のパラレル
信号をシリアル信号に変換したり、シリアル信号をパラ
レル信号に変換する機能を持つ。
【0085】RAM41は書き込み可能なメモリ装置で
あり、CPU41はRAM41を作業領域としてプログ
ラムを実行する。RAM41が提供するメモリ空間はア
ドレス可能であり、CPU41や内部バス上の各装置は
このメモリ空間にアクセスすることができる。
【0086】図5に示したように非接触ICカード10
0が情報端末装置110に内蔵して用いられる場合、以
下のような多様で有益なデータ通信が行なうことが可能
である。
【0087】(1)情報端末装置110内のメモリに保
持したデータを、ICカード・アンテナ101を介して
外部のカード読み書き装置にデータ伝送する。 (2)情報端末装置110がカード読み書き装置として
動作する場合、ICカード・アンテナ101を介して外
部の非接触カード100にデータ伝送する。 (3)情報端末装置110内で、内部インターフェース
105経由でICカードが保持する記憶内容を端末装置
110本体のプログラム制御部111に転送する。
【0088】また、携帯電話機やPDAなどの携帯型の
情報端末装置に非接触ICカード機能を内蔵させた場
合、情報端末装置の演算機能と非接触通信機能を組み合
わせた高度なアプリケーション・サービスを、場所を問
わずに利用することができる。
【0089】ところが、非接触ICカード100による
データ通信は電磁誘導の原理に基づいて動作するため、
そのアンテナ101に金属板などの電波遮蔽物が近接す
ると、電力伝送効率が減少するために通信が不能となっ
てしまう。
【0090】上述したように、情報端末装置110内の
プログラム制御部111や表示部112を構成する電子
回路基板はICカード100に対して電波遮蔽物とな
り、外部と電磁誘導作用によるデータ伝送を行なうとき
に搬送波を反射、吸収、あるいは散乱するため、ICカ
ード・アンテナ101より受信した搬送波から電力や無
線データを取り出すことができない。同様に、情報端末
装置110がカード読み書き装置として動作する場合
も、ICカード・アンテナ101から送出される搬送波
が電波遮蔽物により反射、吸収、散乱されて、通信相手
となる外部の非接触カードに有効に伝搬されない。
【0091】そこで、本実施形態では、情報端末装置1
10内の電波遮蔽物とICカード・アンテナ101との
間に所定の空隙を設けることにより(図7を参照のこ
と)、電磁誘導作用によるデータ伝送が電波遮蔽物によ
る影響を受けないように構成した。この空隙は例えば2
〜3ミリメートル程度で充分である。
【0092】図7のように、筐体内でICカード・アン
テナ101と電波遮蔽物とを配置することにより、IC
カード・アンテナ101を介した電磁誘導作用に基づく
データ伝送を常に安定した状態に保つことができる。
【0093】しかしながら、この場合、電波遮蔽物の影
響を受けないようなICカード・アンテナ101の収容
場所を筐体内で用意しなければならず、機器設計が難し
くなる。また、非接触ICカードによるデータ通信は、
カード読み書き装置に近接して電磁誘導作用が働くだけ
で、ユーザの意識に拘わらず確立してしまう性質を持つ
ため、常に安定したデータ伝送が実現されることは、利
用者の意思確認に連携しない通信によりリモートでのデ
ータ搾取がなされる危険性と表裏一体である。
【0094】そこで、情報端末装置110内の電波遮蔽
物とICカード・アンテナ101との間に所定の空隙を
設けるという機器設計の変形例として、図8に示すよう
に、情報端末装置110本体に対してリトラクタブルな
蓋体120上にICカード・アンテナ101を搭載する
ようにした。
【0095】図示の通り、蓋体120は、その一端縁に
てヒンジ結合部121によって、端末装置110本体に
対して回動自在すなわちリトラクタブルに取り付けられ
ている。したがって、この蓋体120を開成して端末装
置110本体内の電波遮蔽物に対して2〜3ミリメート
ル以上の空隙を設定することにより、蓋体120上のI
Cカード・アンテナ101は、電磁遮蔽物による搬送波
の反射、吸収、散乱などの影響を受けることなく、電磁
誘導作用に基づくデータ伝送を行なうことができる。
【0096】情報端末装置110内のICカード100
を利用するとき、あるいは外部の非接触ICカードに対
してアクセスするときには、この蓋体120を開成して
端末装置110本体内の電波遮蔽物に対して2〜3ミリ
メートル以上の空隙を設定する。他方、このような非接
触ICカード・インターフェースを利用しないときに
は、蓋体120を端末装置110本体に閉成すればよ
い。
【0097】情報端末装置110に非接触ICカード1
00のアンテナ101をリトラクタブル方式で配置する
ことにより、非接触ICカード100と外部のカード読
み書き装置(図示しない)とのデータ伝送、あるいはカ
ード読み書き装置として動作するときに外部の非接触I
Cカード(図示しない)とのデータ伝送を安定且つ効率
的にすることができる。この結果、以下に示すような効
果を得ることができる。
【0098】(1)据え置き方式で実現されているカー
ド読み書き機能を小型・携帯型の情報端末装置上で実現
することができる。
【0099】(2)この結果、モバイル環境あるいはそ
の他の不安定な作業環境下でも、非接触ICカードを活
用することができる。例えば、ICカード内に記録され
た電子マネー残高、クレジット・カード番号、乗車券、
定期券の有効区間や有効期限、指定乗車券の指定席番
号、電子チケットの内容や指定席番号、クーポンやポイ
ント、利用履歴のログなどをビューワ表示させることが
できる。
【0100】(3)小型の情報端末装置110に非接触
ICカード100を組み込むことが容易になり、情報端
末装置にデジタル化された価値情報を記録することがで
き、電子財布などの付加価値の高いサービスを提供する
ことができる。例えば、電子マネー(貨幣情報)、クレ
ジット・カード、乗車券、電子チケット、クーポンやポ
イントなどを電子情報化して、内蔵非接触カードに担持
する。
【0101】また、情報端末装置などの小型機器の筐体
設計において、非接触ICカードのアンテナへの空隙間
隔を考慮しないフォームファクタの設計が可能となる。
すなわち、電波遮蔽物の非接触ICカードのアンテナへ
の影響を回避しながら、より薄型の機器を製作すること
ができる。
【0102】また、図8に示した機器構成の場合、蓋体
120の開閉操作はユーザによるICカードの利用意思
の表示という側面を持つことになる。したがって、蓋体
120の開閉操作に応じて利用意思確認を行なうことに
より、情報端末装置110に内蔵されたICカード10
0によるデータ伝送を、ユーザの意思確認に連携させて
実施させることができる。この場合、リモートでのデー
タ搾取の危険性を取り除くことができる。また、利用意
思確認や約款、証書提示義務を負うサービス提供におい
て、利用者の視認や利用意思表示を物理的にコントロー
ルすることができるので、プリカ法(前述)に抵触する
こともない。
【0103】図9には、蓋体120の開閉操作に応じて
ICカード100機能の利用意思確認を行なうことがで
きる情報端末装置110の構成例を模式的に示してい
る。
【0104】同図に示すように、ICカード100は、
アンテナ部101と、アナログ部102と、ディジタル
制御部103と、メモリ104と、外部インターフェー
ス105と、搬送波検出器106とで構成されている。
【0105】アンテナ部101は、図示しないカード読
み書き装置との間で非接触データの送受信を行う。アナ
ログ部102は、検波、変復調、クロック抽出など、ア
ンテナ部101から送受信されるアナログ信号の処理を
行う。また、アンテナ部101は、蓋体120に搭載さ
れ、蓋体120はその一端縁にてヒンジ結合部121に
よって、端末装置110本体に対して回動自在すなわち
リトラクタブルに取り付けられている。蓋体120の開
成操作は、作動検出部115によって検知され、作動検
出信号116として出力される。
【0106】搬送波検出器106は、カード読み書き装
置からの搬送波を検出して検出信号をディジタル制御部
103に出力する。ディジタル制御部103は、送受信
データの処理やその他ICカード内の動作を統括的にコ
ントロールする。ディジタル制御部103は、アドレス
可能なメモリ104をローカルに接続しており、電子マ
ネーや電子チケットなどのアプリケーションを格納した
り、ディジタル制御部103が実行するプログラム・コ
ードをロードしたり、実行中の作業データを保存するた
めに使用する。
【0107】内部インターフェース105は、ディジタ
ル制御部103が携帯端末装置110などの外部機器と
接続するためのインターフェース機能モジュールであ
る。メモリ104に書き込まれたデータは、内部インタ
ーフェース105を経由して、携帯端末装置110に転
送することができる。内部インターフェース105に
は、UARTやI2Cのような有線インターフェースを
使用する。
【0108】ICカード100は、例えば、アンテナ部
101経由で受信されるカード読み書き装置からの受信
電波によって駆動することができる。勿論、携帯型の情
報端末装置110側からの供給電力によって、一部又は
全部が動作するように構成されていてもよい。
【0109】携帯型の情報端末装置110は、例えば携
帯電話機やPDA、パーソナル・コンピュータ(PC)
などの情報処理端末に相当する。携帯型の情報端末装置
110は、プログラム制御部111と、表示部112
と、ユーザ入力部113と、電源制御部114で構成さ
れる。
【0110】プログラム制御部111は、例えばマイク
ロプロセッサと、RAMと、ROMで構成され(いずれ
も図9には図示しない)、マイクロプロセッサは、RO
Mに格納されたプログラム・コードに従って、RAMを
作業領域に用いてさまざまな処理サービスを実行する。
処理サービスには、携帯電話機など携帯型の情報端末装
置110本来の機能の他に、ICカード100−3に対
する処理も含まれる。勿論、プログラム制御部111
は、ハード・ディスクなどの外部記憶装置や、その他の
周辺装置を備えていてもよい。
【0111】プログラム制御部111は、外部インター
フェース105経由で、ICカード100−6にアクセ
スすることができる。
【0112】表示部112は、例えば液晶表示ディスプ
レイ(LCD:Liquid Crystal Display)で構成され、
プログラム制御部111における処理結果などを画面出
力してユーザに通知することができる。
【0113】ユーザ入力部113は、キーボードやジョ
グダイヤル、あるいは表示部112の表示画面に重畳さ
れたタッチパネルなどで構成され、ユーザが携帯型の情
報端末装置110にコマンドやデータを入力するために
使用される。
【0114】携帯型の情報端末装置110内のプログラ
ム制御部111は、バッテリなど図示しない主電源から
の給電により駆動する。電源制御部114は、主電源か
らプログラム制御部111への電源の投入や遮断を制御
することができる。
【0115】電源制御部114は、ICカード100側
とは作動検出信号線116を介して直接結ばれている。
ICカード100側で蓋体120が開成され、アンテナ
部101において電磁誘導作用に基づくデータ伝送を安
定して行なえる状態になる。作動検出部115は、蓋体
120の開成操作を検出すると電源制御部115に通知
する。電源制御部114は、作動検出部115からの通
知に応答して、プログラム制御部111への電源供給を
制御する。すなわち、蓋体120の開成に応じて電源を
投入し、閉成すると電源を遮断する。
【0116】このように図9に示した情報端末装置11
0は、蓋体120の作動により情報端末装置110から
のデータ書き出し、読み取り、書き込みの各機能をオン
/オフさせることができるので、ユーザのICカード1
00機能の利用意思確認を確実に行なうことができる。
また、ICカード100を使用しないときには、情報端
末装置110の不要な動作を停止させることができるの
で、消費電力を節約することができる。
【0117】図9に示すように、リトラクタブル方式の
作動により情報端末装置110からのデータ書き出し、
読み取り、書き込みなどの各機能をオン/オフさせるこ
とにより、ユーザは利用時のリトラクタブルを介して機
能利用の確認を確実に行なうことができる。
【0118】すなわち、リトラクタブルを付勢すると内
蔵ICカード機能が利用可能となり、ICカードに格納
されたデータの利用確認をユーザ側で確実に行なうこと
ができる。例えば、リトラクタブルの操作に応じて電子
マネーやクレジット・カードの支払いの意思表示を行な
い、ICカードからの不正なデータ搾取を防止すること
ができる。また、複数の電子マネーやクレジット・カー
ドからの使用選択を行なうなど、情報端末装置110上
の表示画面に利用可能なサービスを表示して、ユーザ選
択の上で使用を許可するようにする。
【0119】また、リトラクタブルを操作することによ
り情報端末装置110のカード読み書き機能を起動する
ことにより、近接する外部のICカードが持つデータの
利用確認をユーザ側で確実に行なうことができる。例え
ば、電子マネーやクレジット・カードの利用履歴のビュ
ーワ機能として情報端末装置110を利用することがで
きる。また、電子チケットでビューワ確認したい複数の
記録内容(指定席情報、期日情報、会場情報など)を選
択するなど、情報端末装置110の表示画面に利用可能
なサービスを表示して、ユーザ選択の上でビューワ機能
を使用するようにする。
【0120】また、リトラクタブルを操作して、情報端
末装置110に装備されたカード読み書き機能やICカ
ード機能を利用可能にすると同時に、情報端末装置11
0の表示画面に業法(プリカ法、割賦販売法、総合斡旋
方式)や利用客により、ユーザに提示することが義務付
けられている利用意思確認や約款、証書などを表示させ
て、視認させることができる。
【0121】また、リトラクタブルを作動させるまでの
間、情報端末装置110内のICカード機能やカード読
み書き機能を減勢しておくことにより、機器の消費電力
の省力化を実現することができる。
【0122】なお、図9に示した例では、リトラクタブ
ル部分には非接触ICカード100のうちアンテナ部1
01のみを組み込んだが、すべての非接触ICカード機
能モジュールを一体化してリトラクタブル部分に組み込
むようにしてもよい(図10を参照のこと)。
【0123】このような場合、情報端末装置と非接触I
Cカードをある程度独立して設計及び製作することがで
きるので、情報端末装置へ非接触ICカード機能を組み
込むための設計や製作が容易になる。また、非接触IC
カード機能が故障したときには、情報端末装置本体から
切り離して障害復旧作業を行なうことができ、あるいは
部品交換作業が容易になる。また、非接触ICカードを
搭載したリトラクタブル部分をプラガブルすなわち装脱
可能に構成することにより、情報端末装置本体を機種変
更したい場合にはリトラクタブルを取り替えるだけで済
む。図11には、ヒンジ部121を介して回動可能に支
持されている蓋体120が取付け部122において取り
外し可能に装着されている情報端末装置110の構成を
示している。
【0124】ところで、情報端末装置がモバイル環境あ
るいはその他の不安定な作業環境下での使用が常態化さ
れている場合、機器外の非接触ICカードと端末装置本
体との関係をホールドすることは困難であり、非接触I
Cカード・インターフェースの伝送能力が不安定にな
る。
【0125】これに対し、図8に示したように、情報端
末装置110を蓋付き構造体とした場合、ICカード・
アンテナ101利用時に蓋体120を開成して得られる
空隙を外部の非接触ICカードの収容場所として利用す
ることができる。図12には、蓋体120を開成して得
られる空隙に非接触ICカードを係留している様子を示
している。
【0126】このように非接触ICカードを蓋体120
で挟み込むようにすることで、モバイルなど不安定な作
業環境下であっても、情報端末装置110と外部の非接
触ICカードとの物理的な係合関係を容易に維持するこ
とができる。
【0127】また、カード読み書き装置として機能する
情報端末装置110と非接触ICカード間の伝送路を安
定に維持することができるので、データ伝送の確実性を
向上させて、安定して使用することが可能となる。
【0128】[追補]以上、特定の実施形態を参照しな
がら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本
発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施形態の修
正や代用を成し得ることは自明である。すなわち、例示
という形態で本発明を開示してきたのであり、本明細書
の記載内容を限定的に解釈するべきではない。本発明の
要旨を判断するためには、冒頭に記載した特許請求の範
囲の欄を参酌すべきである。
【0129】
【発明の効果】以上詳記したように、本発明によれば、
無線インターフェース経由で外部機器からアクセス可能
なメモリ機能を内蔵して構成される、優れた情報端末装
置を提供することができる。
【0130】また、本発明によれば、端末装置本体内の
電波遮蔽物の影響を受けることなく、非接触ICカード
・インターフェース経由で電磁誘導作用による安定した
データ伝送を行なうことができる、優れた情報端末装置
を提供することができる。
【0131】また、本発明によれば、モバイル環境ある
いはその他の不安定な作業環境下でも、外部の非接触I
Cカードとの間で電磁誘導作用による安定したデータ伝
送を行なうことができる、優れた情報端末装置を提供す
ることができる。
【0132】また、本発明によれば、モバイル環境ある
いはその他の不安定な作業環境下でも、外部の非接触I
Cカードを端末装置上に好適に係留して、電磁誘導作用
による安定したデータ伝送を行なうことができる、優れ
た情報端末装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1つの実施形態に係る携帯型の情報端
末装置2を用いて実現される改札システム1の構成を模
式的に示した図である。
【図2】非接触ICカード内蔵並びにカード読み書き機
能付きの携帯型の情報端末装置2を用いて実現される決
済システムの構成を模式的に示した図である。
【図3】電磁誘導に基づくカード読み書き装置とICカ
ードとの無線通信の仕組みを概念的に示した図である。
【図4】非接触ICカードの読み書き動作をモデル化し
た図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る情報端末装置110
のハードウェア構成を模式的に示した図である。
【図6】図5に示した本実施形態に係るICカード10
0のハードウェア構成をより詳細に示した図である。
【図7】情報端末装置110内の電波遮蔽物とICカー
ド・アンテナ101との間に所定の空隙を設けた様子を
示した図である。
【図8】情報端末装置110本体に対してリトラクタブ
ルな蓋体120上にICカード・アンテナ101を搭載
した実施形態を示した図である。
【図9】蓋体120の開閉操作に応じてICカード10
0機能の利用意思確認を行なうことができる情報端末装
置110の構成例を模式的に示した図である。
【図10】すべての非接触ICカード機能を一体化して
蓋体120側に組み込んで構成される情報端末装置11
0の構成例を模式的に示した図である。
【図11】非接触ICカード機能部を搭載した蓋体12
0が取り外し可能な情報端末装置110の構成例を示し
た図である。
【図12】蓋体120を開成して得られる空隙に非接触
ICカードを係留している様子を示した図である。
【符号の説明】
1…改札システム 2…携帯型の情報端末装置 4…改札機 6…カード読み書き装置 8…通過扉 12…ICカード 13…基地局アンテナ 14…携帯電話網 15…制御用コンピュータ 30…カード機能部 40…データ処理部 50…カード読み書き部 100…ICカード 101…アンテナ部 102…アナログ部 103…ディジタル制御部 104…メモリ 105…内部インターフェース 106…搬送波検出器 110…携帯型の情報端末装置 111…プログラム制御部 112…表示部 113…ユーザ入力部 114…電源制御部 115…作動検出部 116…作動検出信号 120…蓋体 121…ヒンジ部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5B019 BB08 BB10 BC01 GA03 5B058 CA02 CA15 CA17 CA22 CA25 KA01 KA04 KA06 KA12 KA24 5K012 AA05 AB03 AC06 AE13

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電磁誘導作用に基づく非接触データ通信を
    行なうアンテナ部及び送受信データの処理を行なうデー
    タ処理部を備えた非接触データ通信機能部と、 電波遮蔽物を含んだ端末本体と、 前記電波遮蔽物と前記非接触データ通信機能部のうち少
    なくともアンテナ部との間に空隙を形成する空隙形成部
    と、を具備することを特徴とする情報端末装置。
  2. 【請求項2】前記電波遮蔽物は、前記端末本体の動作を
    実行するプログラム制御部、及び/又は、前記プログラ
    ム制御部における処理結果を表示する表示部を含む、こ
    とを特徴とする請求項1に記載の情報端末装置。
  3. 【請求項3】前記空隙形成部は、前記アンテナ部を使用
    した非接触データ通信時に空隙を開成し、前記アンテナ
    部を未使用時に空隙を閉成する、ことを特徴とする請求
    項1に記載の情報端末装置。
  4. 【請求項4】前記空隙形成部は、前記非接触データ通信
    機能部のうち少なくとも前記アンテナ部を前記端末本体
    に対して回動可能に支持する、ことを特徴とする請求項
    3に記載の情報端末装置。
  5. 【請求項5】前記空隙形成部における空隙の開閉状態を
    検出する検出部をさらに備える、ことを特徴とする請求
    項3に記載の情報端末装置。
  6. 【請求項6】前記検出部における検出結果に応答して、
    前記端末本体側の少なくとも一部の処理動作を許可又は
    禁止する、ことを特徴とする請求項5に記載の情報端末
    装置。
  7. 【請求項7】前記検出部における検出結果に応答して、
    前記端末本体の少なくとも一部への電源を供給又は遮断
    する電源制御部をさらに備える、ことを特徴とする請求
    項5に記載の情報端末装置。
  8. 【請求項8】前記空隙形成部において形成された空隙に
    おいて非接触データ通信の相手装置を保持する保持部を
    さらに備える、ことを特徴とする請求項1に記載の情報
    端末装置。
  9. 【請求項9】前記非接触データ通信部を前記端末本体に
    対して着脱自在に取り付ける結合部をさらに備える、こ
    とを特徴とする請求項1に記載の情報端末装置。
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