JP2003326440A - ワーク自動計測方法 - Google Patents

ワーク自動計測方法

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JP2003326440A
JP2003326440A JP2002132645A JP2002132645A JP2003326440A JP 2003326440 A JP2003326440 A JP 2003326440A JP 2002132645 A JP2002132645 A JP 2002132645A JP 2002132645 A JP2002132645 A JP 2002132645A JP 2003326440 A JP2003326440 A JP 2003326440A
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Shizuo Takahashi
静男 高橋
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Yamagata Casio Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】NC工作機械にレーザ変位計を組み合わせて行
うワーク自動計測方法を提供する。 【解決手段】ワークをX方向に線走査し、この線走査を
Y方向に順次繰り返す。ワークはXY平面で1mm四方
の網目でメッシュ状に領域化され、このメッシュ情報と
NCデータとからX方向の線走査の位置(Y座標)と測
定開始位置及び測定点が予め決定される。X方向の線走
査ではX位置が100mmを周期とし1mm毎10μm
増しの高さデータとして電圧出力に変換される。すなわ
ち測定点46aで停止するとX位置に相当する高さCだ
け上昇して一時停止し、元の位置に戻って一時停止し、
更に高さCだけ降下して一時停止し、そして、元の位置
に戻る。これらの位置に対応して出力されるアナログ電
圧はデジタル値に変換されて記憶装置に記録される。高
さCに対応するデジタル電圧値でX位置が分かり、上下
の振りの中間値で測定点の高さが分かる。これで例えば
誤差dが検出される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ワーク自動計測方
法に係り、更に詳しくはNC工作機械にレーザ変位計を
組み合わせて行うワーク自動計測方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、内蔵のコンピュータにより制
御され、例えば金型などの精密製品を自動的に作成する
NC工作機と呼ばれる数値制御自動工作機械がある。図
17は、そのようなNC工作機の縦型工作機の代表的な
構成を模式的に示す側面図である。同図に示すNC工作
機1は、基台2に駆動部支持台3が固定されており、こ
の駆動部支持台3を前後(Y方向)左右(X方向)に摺
動自在に駆動される被加工物載置台4が設けられる。
【0003】上記駆動部支持台3の後部(図では左端)
から垂直支持部5が立設され、この垂直支持部5には鉛
直(Z方向)に摺動自在に駆動される昇降摺動椀6が前
方(図では右方)に突設して配置される。尚、同図は昇
降摺動椀6が垂直支持部5の上端部に停止している状態
を示している。
【0004】この昇降摺動椀6の先端下部に、駆動モー
タ部7と支持スピンドル部8からなる作業ヘッド部が支
持されている。支持スピンドル部8の先端には加工用の
工具9が交換自在に取り付けられる。工具9は例えばエ
ンドミル、ドリル、切削刃、回転やすり等である。
【0005】この工具9の下方に上記の被加工物載置台
4があり、この被加工物載置台4上に、ワーク(加工前
の素材、被加工物)10が固定載置され、水平方向の前
後左右に摺動する被加工物載置台4上で、回転しながら
上下動する工具9により切削加工されて製品が完成す
る。尚、この製品もワークと呼ばれるので、以下、混乱
を避けるために加工前の素材を素材ワークと言い、加工
後の製品を製品ワークと言うことにする。
【0006】上記昇降摺動椀6の先端から更に前方に制
御接続部11が突設され、この制御接続部11の先端に
懸架されて、上記のような被加工物載置台4の前後左右
の摺動と、工具9の上下動と回転とを制御する制御部1
2が設けられている。制御部12は、中央演算処理装置
とメモリ等を備え、メモリには例えばCADなどで作成
された設計データに基づいて作成された数値制御プログ
ラムが格納されている。NC工作機1は、この数値制御
プログラムに基づいて、制御部12により制御されて動
作し、被加工物載置台4上の素材ワーク10を所定の形
状に加工する。
【0007】近年のNC工作機では、載置台上には多数
の素材ワークが載置され、それぞれ別個の形状の製品に
加工される場合が多い。一般にNC工作機そのものには
極めて高い精度が要求されるが、その精度については、
例えばJIS−B−6201−1990等の規格があ
り、試験項目や試験方法が規定されている。
【0008】このように精度の高いNC工作機で作成さ
れる製品ワークも当然精度の高い製作品でなければなら
ない。しかし、機械には、工具の磨耗、各構成部の経時
疲労による変化、環境温度の変化による各構成部の熱膨
張率の違いによる相互位置の変動などがあり、必ずしも
常に高い精度を保って素材ワークの加工を行っていると
安心するわけにはいかない。
【0009】したがって、定期的に、あるいは特に精度
を要するものを加工する場合などには、最初に出来あが
った加工済み製品ワークの形状を調べて加工後の寸法が
正しいかどうか確認したい。そのためには、三次元測定
機を用いて測定して、その加工精度を確認する必要があ
る。
【0010】図18は、そのような三次元測定機の例を
示す斜視図である。同図に示す三次元測定機15は、基
台16上に測定物載置台17が配設されている。また、
基台16には、測定結果のデータを入力するための操作
パネル18と、このデータを処理するための不図示のコ
ンピュータ本体と、このコンピュータ本体に接続された
測定モニタ19が配設されている。
【0011】測定物載置台17の両側端部(図の斜め左
右方向端部)には前後Y方向(図の斜め右手前から斜め
左向う側方向)に空気浮揚で摺動するY方向摺動ナット
21a及び21bが配置され、これらY方向摺動ナット
21a及び21bに、それぞれレール支持部22a及び
22bが立設されている。
【0012】これらレール支持部22a及び22bの上
端に差し渡されてスライド案内レール23が配設され、
このスライド案内レール23には、左右X方向(図の斜
め左右方向端部)に空気浮揚で摺動するX方向摺動塔2
4が係合している。このX方向摺動塔24の下端部から
上下Z方向に摺動して進退するZ方向摺動軸25が配設
されている。このZ方向摺動軸25の先端の把持部26
に、対物レンズ27と接眼レンズ28を備えた測定装置
が取り付けられている。
【0013】この対物レンズ27の下方の上述した測定
物載置台17上に、被測定物である製品ワーク29が載
置されて固定される。尚、把持部26に把持される測定
装置は、対物レンズ27と接眼レンズ28を備えた測定
装置と限るわけではなく、レーザ変位計、ボール又は針
状のプローブなども取り付け可能である。
【0014】このような構成の三次元測定機15は、各
部を手動で操作されながら摺動微動し、オペレータによ
って製品ワークが測定され、その測定結果のデータが操
作パネル18から入力される。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
上記のような三次元計測技術で用いられる三次元測定機
は、極めて高価な機械であって設備費がかかりすぎると
いう問題があるばかりでなく、載置台上にある多数の製
品ワークを1個ごと取り外し、これを三次元測定機が設
置されている測定室に運び入れ、各個に三次元測定機に
かけて測定するという、時間と人手のかかる大きな工数
を要する段取りを経て計測されるものであり、困難の伴
う作業であった。
【0016】また、比較的低いコストで計測できる対物
レンズと接眼レンズを備えた光学顕微鏡測定装置を用い
た場合は、測定箇所にレンズ視野内の基準位置を合わせ
たときの、摺動部のY及びX方向の移動ハンドルの目盛
りで座標を測定して、XY平面上での計測を行う。
【0017】上記Y及びX方向の移動ハンドルの目盛り
は、そのまま測定部分のXY位置を示しており、測定部
分に焦点を合わせたときの上下の載置台の移動量は、測
定部分の高さ位置を表していることになるが光学顕微鏡
測定装置での測定は手作業によるものであり、その作業
には高度の技術を要すると共にメモリの精度にμm単位
の精度を要求することは困難である。
【0018】また、レーザ変位計を用いるときは、レー
ザ変位計は、例えば7μmφ程度の光束のレーザ光を測
定対象物に照射して、その反射光の強度によって、測定
対象物の表面の上下方向の位置を測定するものである。
しかし、レーザ変位計そのものは1次元の変位つまりZ
値を計測する機械であるから、このZ値(高さ)の判明
した測定部分のXY平面上の位置を知る3次元計測のた
めにはXY平面上の2次元分の変位データを別途に計測
するしか方法がない。しかし、そのようにXY平面上の
位置をZ位置と別途に計測した場合にはZ値とXY値の
同期を正確に取れる保証がない。
【0019】このようにXY平面上の位置データと、レ
ーザ変位計で測定した高さデータとを対応付ける方法が
従来無かったから、XY平面上の位置を別途に計測して
も無意味なことであった。一般に、精度の高い変位計
は、計測レンジが小さいので、大きな凹凸の変化を計測
するためには小さな計測レンジ内に被測定点を安全に持
っていかなければならない。これは、凹凸の大きい検体
を焦点深度の浅い光学顕微鏡で見る時と同じような制御
動作を必要とし、このような制御を手動で行うことはか
なりの時間と技術を要し、結果的にコストの高い測定方
法となる。また、変位計のセンサ部と検体との衝突の危
険性も排除できない。
【0020】また、プロープを使用したデジタイザを用
いた場合は、平面での高さを計ることはできるが、自由
曲面を計測することができない。また、この場合も計測
結果をXY座標値に対応付けることが容易には出来な
い。このように、NC工作機で加工した製品ワークを測
定することは、非常に高価な大型の三次元計測器を使用
しても、その精度が良くないこと、そうかといって他の
方法では、測定箇所のXYZの座標値を計測することが
困難であること、このように今計っている位置そのもの
が正確にわからないため元のデータ値と比較評価するこ
とができないこと、自由曲面を測定しても比較する基礎
データが無いこと、などの理由から、製品ワークを測定
は現実には行われていないのが実情である。
【0021】本発明の課題は、上記従来の実情に鑑み、
NC工作機で加工した製品ワークを加工テーブルから取
り外すこと無くそのまま三次元自動計測ができるワーク
自動計測方法を提供することである。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明のワーク自動計測
方法は、ワークを製作後のNC加工機械の主軸に変位計
を取り付ける工程と、上記ワークを作成したNCデータ
に上記変位計に特有の計測用オフセット値を付加した計
測用NCデータを作成する工程と、上記計測用NCデー
タにXY平面の線走査のX座標とY座標のデータを付加
する工程と、上記計測用NCデータに上記線走査上の測
定点を指定するデータを付加する工程と、上記計測用N
Cデータにより上記NC加工機械を駆動して上記主軸に
取り付けた上記変位計により上記ワークの表面の上記測
定点の高さを計測させる工程と、を含んで構成される。
【0023】このワーク自動計測方法は、例えば請求項
2記載のように、上記計測用NCデータに、上記変位計
を上記測定点で一時停止させ、該停止位置において、上
記線走査上の位置に相当する高さだけ上昇させて一時停
止させ、元の位置に戻らせて一時停止させ、更に上記線
走査上の位置に相当する高さだけ降下させて一時停止さ
せ、その後、元の位置に戻らせるという一連の指示デー
タを組み込む工程を更に有して構成される。
【0024】また、このワーク自動計測方法は、例えば
請求項3記載のように、上記高さに応じて上記変位計か
ら出力されるアナログ電圧値をデジタル電圧値に変換す
る工程と、上記デジタル電圧値の上記線走査上の位置に
相当する高さに対応するデジタル電圧値から上記線走査
上の位置を決定する工程と、上記上昇して一時停止した
位置と上記降下して一時停止した位置との中間位置に対
応するデジタル電圧値から上記測定点の高さを決定する
工程と、を更に含んで構成される。
【0025】また、このワーク自動計測方法は、例えば
請求項4記載のように、上記線走査上の位置を100m
mを周期とする1mm毎の位置とし、該1mm毎の位置
に相当する前記高さを10μm毎に増加する高とするよ
うに構成される。そして、上記変位計は、例えば請求項
5記載のように、上記測定点に対し上下2mmの測定振
り幅を有しているように構成される。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明は、十分な精度を持つNC
工作機の加工テーブルを三次元測定機のステージに見立
て、治具ボーラーなどの主軸に計測センサを取り付け、
三次元自動計測するための動作を行う測定用のNCデー
タを作成し、これにより、NC工作機で加工した製品ワ
ークを加工テーブルから取り外すこと無くそのまま三次
元自動計測を行うことができるようにし、これにより、
コストの削減を目指すものである。
【0027】以下、本発明の実施の形態を図面を参照し
ながら説明する。図1は、一実施の形態におけるNC工
作機械の斜視図である。同図に示すNC工作機械30
は、基台31の上に摺動駆動部32が配設されている。
摺動駆動部32には、不図示のモータ軸に連結するカッ
プリング33と軸受34との間にX軸ボールネジ35が
支持されて順逆両方に回転する。このX軸ボールネジ3
5にはX軸方向摺動部36が係合しており、このX軸方
向摺動部36は、X軸ボールネジ35の上記順逆の回転
に応じて図の両方向矢印Xで示すX方向に摺動する。
【0028】また、X軸方向摺動部36には、カップリ
ング37と軸受38との間にY軸ボールネジ39が支持
されて順逆両方に回転する。このY軸ボールネジ39に
は、加工テーブル40が係合しており、加工テーブル4
0は、Y軸ボールネジ39の上記順逆の回転に応じて図
の両方向矢印Yで示すY方向に摺動する。
【0029】すなわち、上記のようにX軸方向摺動部3
6がX方向に摺動することにより加工テーブル40もX
方向に摺動し、且つY軸ボールネジ39によりY方向に
摺動する。つまりXY方向に自在に摺動する。上記の基
台31には後部(図の斜め右上方向)に垂直支持部41
が立設され、この垂直支持部41の図では見えないZ軸
ボールネジにZ軸方向摺動部42が係合している。Z軸
方向摺動部42は、Z軸ボールネジの順逆両方向の回転
に応じて上下両方向に摺動する。
【0030】このZ軸方向摺動部42には、ヘッド支持
腕43を介してヘッド駆動部44が取り付けられてい
る。そして、ヘッド駆動部44の下端部から主軸45が
下方に向けて突設されている。主軸45の先端には図で
は陰になって見えないが精巧な構成の工具支持部が設け
られていおり、エンドミル、ドリル、切削刃、回転やす
り等の工具を自在に交換して取り付けることができる。
【0031】そして、本例のNC工作機械30の工具支
持部には、後述するようにレーザ変位計を取り付けるこ
とが出来るようになっている。図2は、上記の構成のN
C工作機械30によって、加工テーブル40上に作成さ
れた多数の製品ワーク46(46−1、46−2、・・
・、46−n)を示す図である。本例では、これらの製
品ワーク46を加工テーブル40から取り外すこと無く
そのまま三次元自動計測ができる。以下、これについて
説明する。
【0032】図3(a) は、上記のNC工作機械30によ
って三次元自動計測を行う場合のNC工作機械30を模
式的に示す正面図であり、同図(b) は、その側面図であ
る。尚、同図(a),(b) には、図1に示した構成部分と同
一の構成部分には、図1と同一の番号を付与して示して
いる。また、説明を分かり易くするため、加工テーブル
40上には製品ワーク46−i(i=1、2、・・・、
n)を1個のみ図示している。
【0033】同図(a),(b) に示すように、NC工作機械
30の主軸45の先端には、レーザ変位計47が取り付
けられている。レーザ変位計47は本体部48とその下
端に配置されたセンサ部49からなる。レーザ変位計4
7の下方の加工テーブル40上には、いましがた作成が
完了したばかりの製品ワーク46が、これから三次元自
動計測を受けるべく待機している。
【0034】加工テーブル40は、所定の基準位置を起
点にしてX方向に摺動し、これに従って製品ワーク46
がX方向に移動する。そのX方向に移動する製品ワーク
46の形状に沿って、レーザ変位計49がZ方向に上下
移動する。このX方向の測定が終了すると、その測定デ
ータにY座標データを付加した1レコードの測定レコー
ドがデータベースに登録される。次に加工テーブル40
が、Y方向に所定の距離だけ移動して、再びX方向の測
定が開始される。
【0035】このX方向の測定の終了と、Y座標データ
を付加した測定レコードの作成とを繰り返して、製品ワ
ーク46のXYZの三次元自動計測が完了する。図4
(a) は、製品ワーク46のX方向の形状データ46′の
一例を示す図であり、同図(b) は、同図(a) の形状デー
タ46′に対応してCADから出力される測定用NCデ
ータ50の軌跡を示す図である。尚、測定用NCデータ
50はNC工作機械30を測定用に駆動するためのプロ
グラムであり、同図(b) に測定用NCデータ50の軌跡
として示しているのは、測定用NCデータ50によって
駆動されるNC工作機械30の主軸45に取り付けられ
たレーザ変位計49の軌跡である。
【0036】同図(a) に示すように、製品ワーク46の
形状データ46′が示す形状においては、測定すべき点
は、一般に点E、点A、点B、点C、及び点Dである。
これに対して、同図(b) に示すように、レーザ変位計4
9を取り付けたNC工作機械30にインストールされる
測定用NCデータ50は、製品ワーク46の形状データ
46′に対しプラスの値「a」のオフセット値を付加さ
されている。このオフセット値aは、レーザ変位計47
のセンサ部49の先端から測定対称物の測定面までの距
離であり、通常は28mmである。この距離は、このレ
ーザ変位計47特有のレーザ光の焦点深度に対応した距
離である。
【0037】そして、このレーザ変位計47は、測定の
ためのレーザースポットの上下の振幅が2mmであるの
で、このレーザ変位計47は、センサ部49の先端から
28mmの点で、上下±1mmの範囲で測定対称物の測
定面を計測することになる。現今のNC工作機械の精度
は極めて精度が高く、作成された製品ワークの寸法誤差
は、有ったとしても数ミクロン単位の誤差であるから、
測定面に対する±1mmの合焦探索距離を持っていれば
十分といえる。尚、レーザースポットの直径φは、後述
するように7μmである。
【0038】図5(a) は、XY方向の表面領域をメッシ
ュ状に細分化された或る製品ワーク46−jの平面図で
あり、同図(b) は、その斜視図である。尚、この表面領
域のメッシュ状の細分化は、NCプログラム内で行われ
るものであり、製品ワーク46−jの表面に実際に描か
き出されるものではない。
【0039】同図(a) に示すメッシュの個々の網目51
の大きさは1mm四方である。これは、製品ワーク46
−jの表面の平面(XY)方向の座標位置(メッシュを
形成している直線の交点)を知るために製品ワーク46
−jの形状データに付与されるデータである。尚、斜視
図で見ると、製品ワーク46−jの傾斜した曲面では、
網目51は菱形や長方形さらには変形した不規則な形状
となっているが、これによって、同図(a) のXY平面に
おけるメッシュの正方形の網目と曲面との関係が容易に
判明する。
【0040】図6は、上記の網目51の機能を説明する
図である。同図に示す点Aは、その上の矢印に示すよう
に、X方向に測定が進んでいて、その測定経路の途中の
測定点を示している。同図において測定点Aの座標
(x、y)は(6,4)である。この測定点Aの測定レ
コードに付与された座標値(6,4)を見れば、この測
定点Aが次のような環境下にあることが直ちに判明す
る。
【0041】すなわち、進行方向の傾斜が緩やかにな
る、進行方向に直行する右側は左側より傾斜がきつく
なる、且つその点における進行方向の傾斜も緩やかに
なる、同様に進行方向左側の点も進行方向の傾斜が緩
やかになる、そして点Aとこの点Aを囲む8つの点の
9点は進行方向の左前一番高く右下が一番低い、などの
環境情報が得られる。
【0042】ところで、測定すべき点(測定したい点)
が上記のようにちょうどメッシュの交点となっていると
きは良いが、一般に測定すべき点はメッシュの交点とな
らない場合が多い。これはCADデータから生成される
製品ワーク製作用のNCデータは、位置情報に変化があ
ればミクロン単位で位置の座標値を出力するが、位置情
報に変化が無いと、たとえ何mの距離でも次の座標値を
出力しないからである。またNCデータは、小数点以下
の端数の多い数値からなるデータであることも、測定す
べき点が必ずしもメッシュの交点とはならない要因とな
る。
【0043】このような場合、測定用NCデータを作成
する場合、上記のメッシュの交点の座標値から演算によ
って、測定すべき点のXY方向座標を算出し、更に上記
の環境情報を付加して、測定用NCデータを作成する。
このように、上記のメッシュによる各交点の座標値は、
測定用NCデータを作成する場合の基礎データとなるも
のである。
【0044】ところで、図5(a),(b) に示す製品ワーク
46−jのように、曲面の多い製品ワークでは、必ずし
も全面が測定できるわけではない。図7は、図5(b) に
示した曲面を有する製品ワーク46−jの測定可能な面
と測定不可能な面を示す図である。勿論、測定用レーザ
光を反射する作用の面からみた製品ワーク46−j表面
の粗密の程度も係わってくるが、同図に示す例ではX方
向に線走査で測定する場合は面領域X1、X2及びX3
が測定可能である。また、Y方向に線走査で測定する場
合は面領域Y1が測定可能である。両方の面領域の重複
部分はXY1、XY2及びXY3である。
【0045】尚、この製品ワーク46−jの測定可能な
形状の部分は、図4(a) に示した形状データ46−i′
(つまり製品ワーク46−i)の点E又は点Bを中心と
したその近傍の形状でもある。これらの限られた部分の
測定だけでも、これらの測定部分が精度よく製作されて
いることが判明すれば、全体が精度よく作成されている
ことが容易に推定できる。これによって、製品ワーク4
6−jを製作したときの工具の精度すなわち工具が経時
劣化を起こしているか否か等の判断も行うことができ
る。
【0046】本例における測定方法では、先ず、レーザ
変位計47で製品ワーク46の表面を連続して計測する
動作を行うための測定用NCデータを作成する。この測
定用NCデータによってNC工作機械30を駆動し、こ
の駆動によってレーザ変位計47を介して得られた計測
したデータから、製品ワーク46のNCデータの形状と
比較するための三次元データを作り出すものである。
【0047】この計測データでは、レーザ変位計47は
製品ワーク46までの計測距離(上下±1mmの範囲で
の計測面の偏差量)をアナログ電圧で連続して出力す
る。このアナログ電圧データはデジタルデータに変換さ
れX値Y値及びZ値に解析される。X方向線走査で計測
を行う場合は、上記のデジタルデータからX値及びZ値
が解析され、Y値は駆動制御のデータから得られる。同
様に、Y方線向走査で計測を行う場合は、上記のデジタ
ルデータからY値及びZ値が解析され、X値は駆動制御
のデータから得られる。
【0048】以下、X方線向走査で計測する場合を例と
して取り上げて説明する(Y方向線走査で計測する場合
もXとYが入れ替わるだけで他の動作は全く同様であ
る)。上記の計測用NCデータを作るときには、図4
(b) に示したような測定用NCデータ50に、X値を正
確に距離データとして出力するように動作させるデータ
を作って組み込む。また、その際には、時間との関連性
を得るためと正確な測定データの収集のために「一時停
止」とその一時停止の「停止時間」を指示するデータを
組み込む。
【0049】図8(a),(b),(c) は、上記の測定方法を模
式的に示す図である。同図(a) に示すように、測定を開
始する基準点k(この基準点は、図6で説明した演算に
よって算出される)のXY座標位置から、測定用NCデ
ータ52に従って測定が開始される。上記の測定用NC
データ52は図4(b) に示した測定用NCデータ50と
同様のものである。また図8(a) は、レーザ変位計47
の測定レーザ光53のレーザースポットが、製品ワーク
46−jの測定点46aの位置にきたときの状態を示し
ている。この測定では直線距離100mmを測定範囲の
単位として順次100mm毎に位置の出力基準が更新さ
れる。
【0050】図8(b) は、測定点46aが含まれている
100mmの測定範囲内の動作を示す図である。同図
(b) に示すように、100mmの測定範囲内において、
X値を距離データとして表すための電圧値54(54−
0、54−1、54−2、・・・、54−99方)を1
mm(X方向の測定距離b)毎に出力することが出来る
ように制御プログラムが測定用NCデータに組み込まれ
る。
【0051】この電圧値54としては、100mm毎の
測定範囲の開始点での電圧値54−0は、上下に10μ
m(上下合わせると2×10μm、以下同様)の高さに
相当する電圧値が出力され、測定距離bが増すごとに電
圧値54−1、54−2、・・・では20μm、30μ
m、・・・の高さに相当する電圧値が出力される。そし
て、100mmの測定範囲の終端では100×10μm
すなわち1mm(上下合わせると2mm)に相当する高
さ分の電圧値が出力される。
【0052】換言すれば、レーザ変位計47は、100
mm毎の測定範囲内で、X方向の距離b×n(n=0、
1、2、・・・、99)ごとに、レーザースポットを、
上下に「(n+1)×10」μmだけ強制的に振らせる
ことが出来るように制御される。すなわちレーザ変位計
47のレーザースポットの上下の最大の振り幅である2
mmの範囲内で、X方向の距離を示すデータとして、電
圧値54が強制的にレーザ変位計47から出力される。
【0053】いま、同図(a) に示す測定点46aが、同
図(b) における距離b×2のところであったとすると、
この測定点46aで測定が開始された時点で電圧値54
−2が強制的に出力される。そして、この測定点46a
が、同図(c) に示すように、測定用NCデータが示す本
来の製品ワーク46−jの測定面の正しい形状55に対
して上に変形していれば、電圧値54−2の上下の振れ
幅の平均値(1/2)から、その偏差量が判明する。
【0054】図9(a) は、測定点46aのX位置と偏差
量とを同時に解析可能な上記の電圧値54−2の出力を
説明する図であり、同図(b) は、測定の一例を示す図で
ある。尚、同図(a) は横軸に時間を示し、縦軸に電圧値
54を示している。横の時間軸に示す時刻t1は、測定
用NCデータに組み込まれている「一時停止」命令によ
って、X方向への走査動作が測定点46aで停止した時
刻を示しており、時刻t1から時刻t2までの期間は、
同じく測定用NCデータに組み込まれている「停止時
間」の指示によってX方向への走査動作の停止を維持し
ていた期間を示している。
【0055】また、上記の「一時停止」命令と「停止時
間」の指示は、以下に説明するようにZ方向の移動にも
使用される。同図(a) によって、本発明のNC工作機械
30によるレーザ変位計を用いた測定の動作を以下に説
明する。まず、実際の被測定Z位置の値に28mmの作
動距離値を加算して測定のZ高さを確保しながら、測定
点46aのX座標位置に移動する(前述したように、こ
の場合はY座標は一定である)。
【0056】そして、測定点46aにおいて時刻t1か
ら時刻t2まで停止する。このX方向の停止期間中に、
レーザ変位計47は、レーザースポットを上下にそれぞ
れ「(n+1)×10」μm(この例では3×10μ
m)の範囲で振り分ける。すなわち、X座標値を3×1
0μmのZ高さ値に変換した分だけZプラス方向(上方
向)に移動し、一時停止命令で0.05秒間停止する。
次に、同じ値だけZマイナス方向(下方向)に移動し、
一時停止命令で0.05秒間停止する。その後、直ちに
X座標値を3×10μmのZ高さ値に変換した分だけZ
マイナス方向に移動し、一時停止命令で0.05秒間停
止する。続いて、元の位置に戻るために、Zプラス方向
に同じ値だけ移動する。
【0057】この動作の結果、レーザ変位計47は連続
して次のようなアナログ電圧を出力する。まず、測定点
46aにおいては上下の測定範囲内に被測定面があると
きはその値を電圧出力する。次に、Z高さがプラス方向
に移動するため電圧が上昇し、その後0.05秒間電圧
の変化が静止する。
【0058】続いて、Z高さがマイナス方向に移動する
ため電圧が下降し、その後0.05秒間電圧の変化が静
止する。この静止期間のZ高さが測定点aの測定値であ
る。Z高さが更にマイナス方向に移動するため電圧が下
降し、その後0.05秒間電圧の変化が静止する。続い
て、元の位置にお戻るために電圧が上昇する。
【0059】上記のアナログ電圧を収録し、このアナロ
グ電圧をデータ処理してデジタル電圧データファイルを
作成する。このデジタル電圧データの作成では、アナロ
グ電圧波形を1000データ/秒でサンプリングし、一
時静止時のデータを確実に捕捉して保存する。
【0060】ただし、デジタル電圧データファイルは、
そのままでは電圧の情報が収集時刻毎に記録されている
だけであり、大量の不要なデータも含まれている。上記
のようにX方向に線走査し、この線走査をY方向に順次
移動させて得られるデジタル電圧データファイルから、
X及びYの座標位置データと被測定個所のZ高さデータ
を抽出して、三次元点データ群を作成する。この点デー
タ群は、適宜のフォーマットを設定して出力すれば、C
Lデータファイルと同じ物にすることができる。また直
接NCデータとして出力することも可能である。
【0061】上記のデジタル電圧データファイルに基づ
いて、図9(a) に示す或るY位置においてX方向に線走
査したときの測定点46aの測定グラフが得られる。す
なわち、図9(a) に示すように、電圧値54−2が時間
軸に対して角張ったサイン曲線を描いて出力されてい
る。
【0062】このサイン曲線の上下の幅(電圧の全変位
量)の1/2の電圧変位量cが測定点46aのX位置を
表しており、また上下幅の中間値(電圧値)が測定点4
6aの偏差値dを表している。このように、上(プラス
側)で静止安定したときと下(マイナス側)で静止安定
したときの電圧データの差の2分の1がX方向の座標位
置を特定するための電圧データである。尚、プラス側と
マイナス側の双方にセンサ部49(つまり主軸45)を
移動させる理由は、実際に切削した製品ワークの寸法に
誤差があった場合、プラス側またはマイナス側への一方
だけの振りでは、この測定データから作るX座標位置に
誤差が生じるからである。
【0063】また、同図(a) に示すように、測定面が同
図(a) の破線で示す正しい形状55の形状をしていれ
ば、測定点46aまでの実線で示す電圧値は「0」であ
るが(破線で示す正しい形状55と重なるが)、測定点
46aが上に変形しているために、その周囲も上に変形
しており、したがって測定点46aの前後の測定電圧値
は、ほぼ一様に「0」よりも上に偏差量d′だけ高い値
を示している。
【0064】このようにして、測定用NCデータに組み
込まれている「一時停止」と「停止時間」の指示命令に
よって、例えば同図(b) に示すように、測定点46r、
46s、46t、46uが測定され、X位置と偏差量を
含むデータ56r、56s、56t、56uが出力され
る。同図(b) の縦軸をZとすれば、測定点間の高さ出力
が水平であるので、この測定箇所は例えば図4(a) に示
した点Cと点Dの間である。
【0065】また、図9(b) の測定点46r、46s、
46t、46uをそれぞれ図4(a)に示した点A、B、
C、Dとし、縦軸を電圧値としてグラフの横実線を電圧
の「0」位置とすれば、測定点間の電圧出力が「0」で
あるので、図4(a) の各測定点A、B、C、Dでは、偏
差が「0」であったことを示している。
【0066】図10(a) 〜(g) は、それぞれ測定用NC
データに基づいて上述したように測定される測定点、特
に形状の様々な変位点を示す図である。同図(a) は、な
だらかな凸曲線と凹曲線を示している。同図(b) は、垂
直から水平に直角に変位するエッジを示しており、同図
(c) は、斜線から水平に鈍角に変位するヘッジを示して
いる。
【0067】また、同図(d) は直線が山型に曲がる頂点
のエッジを示しており、同図(e) は円形状の山型の頂点
を示している。更に同図(f) は直線が谷型に曲がる最下
点を示し、同図(g) は円形状の凹部の最下点を示してい
る。ここで、例えば同図(b) に示す垂直から水平に直角
に変位するエッジがNCデータの中にあることが発見さ
れ、このNCデータで作成された製品ワークの上記のエ
ッジの精度を測定する場合、測定用NCデータに上述し
た測定動作とは異なる測定動作を行わせるようにするこ
とによって、エッジの測定位置を、7μmφのレーザー
スポットのレーザ変位計によって、3.5μmの精度で
測定することができる。以下、これについて説明する。
【0068】図11(a),(b) は、3.5μmの精度で角
位置を測定する場合の測定方法を説明する図であり、同
図(a) は側断面図、同図(b) は平面図である。同図(a)
において、NCデータで指定されているエッジ46kの
本来の位置は、レーザ光軸53−2の照射位置であると
する。
【0069】レーザ変位計47は、NCデータにおける
エッジ46kの真上に達したとき4μm後退して、図1
1(a) のレーザ光軸53−1で示すように計測動作を行
い、次に元の位置に戻って、レーザ光軸53−2で示す
ように計測動作を行い、更に4μm進んで、レーザ光軸
53−3で示すように計測動作を行う。
【0070】この三回の計測動作のうち二回以上のダー
クアウト(レーザ変位計47が、その照射したレーザー
ビームの反射光を捉えられないか、捉えられても計測に
足る光量がないために計測不可能になった状態をいい、
この場合はZ高さの情報が得られないため、計測のため
のNCデータのZ高さを2.4mmマイナスにしたデー
タ(電圧にして9.6V)を保存する)があれば、3.
5μm以上の誤差を発見したことになる。
【0071】図11(a),(b) に示す例では、同図(a) に
示す最初の二回の測定光軸53−1及び53−2の同図
(b) に示すレーザースポット53−1r及び53−2r
はエッジ46kを捉えておらずダークアウトしている。
そして、3回目の測定光軸53−3のレーザースポット
53−3rによってエッジ46kを含む面を捉えてい
る。このエッジ46kの位置は、本来の正しい位置であ
る2回目の測定光軸53−2の位置から3.5μm以上
離れている。すなわち、3.5μm以上で7μm以下の
誤差を有していることが分かる。3回の測定光軸が全て
ダークアウトしたときは7μm以上の誤差ということに
なる。
【0072】図12(a),(b) は、それぞれ左に横断面を
示し、右に平面図を示している。同図(a),(b) は、それ
ぞれダークアウトが最初の測定光軸53−1のレーザー
スポット53−1rの1回のみで、2回の測定光軸53
−2及び53−3のレーザースポット53−2r及び5
3−3rはエッジ46kを含む面を捉えている。この場
合は、このエッジ46kの位置は、本来の正しい位置で
ある2回目の測定光軸53−2の位置から3.5μm以
内にある、すなわち、3.5μm以下の精度でこの製品
ワーク46が製作されていることが分かる。
【0073】図13(a),(b),(c) は、3回の測定が全て
ダークアウトしなかった場合の例を示す図である。図1
2での説明でも分かるように、図13(a) では、エッジ
46kの位置は3.5μm以内の誤差である。しかし、
同図(b),(c) では、エッジ46kの位置の誤差は3.5
μm以上となっている。したがって、この場合は正しい
位置よりも誤差の位置が線走査の進行方向とは逆方向に
入り込んだ位置であることだけは分かるが、誤差の程度
は判明しないことになる。
【0074】尚、上記の方法では、最初に正しい位置か
ら4μm後退してから、前進しながら3回の測定を行っ
ているが、これに限ることなく、最初に正しい位置から
4μm前進してから、後退しながら3回の測定を行うよ
うにしてもよい。また、この測定方法は、例えば図10
(g) に示した穴のエッジの検出に適用することによって
穴の寸法精度を確認することができる。また、図10
(c) 、同図(d) に示す他の形状のエッジや、同図(f) に
示す傾斜する内壁を有する穴のエッジの検出にも、照射
する測定レーザの強度を調整し、ダークアウトの閾値を
適宜に設定することで、上記同様に位置の精度を検出す
ることが可能である。
【0075】図14は、上述した三次元測定を行うシス
テム構成を示す図である。同図に示すように、NC工作
機械30によって通常の加工作業が行われ、製品ワーク
46が作成される。続いて、レーザ変位計47を装着し
て、三次元測定機に変身したNC工作機械30′によっ
て製品ワーク46の測定が行われ、計測結果データが上
述したデジタル電圧データファイルとして記憶装置57
に記憶される。
【0076】図15は、NC工作機械30を三次元測定
機に変身させるための計測用(測定用)NCデータを作
成する手順を示す図である。まず測定対象となる製品ワ
ークを製作する際に用いられた形状データを記憶装置の
所定の領域から読み出す(T1)。
【0077】そして、図4(a) に示したような計測点の
決定、図10(a) 〜(g) に示したような特定形状の認
識、図7に示したような計測不能点の除外、変位計と製
品ワークの干渉チェックを行う(T2)。上記の変位計
と製品ワークの干渉チェックは、レーザ変位計47のセ
ンサ部49の先端が、製品ワークの被測定面から28m
mの測定距離をとって移動するとき、凹形部の開口径が
センサ部49の先端部よりも狭く且つ開口部から底面ま
で距離が28mm以上あると、凹形部の底面を測定しよ
うとするとレーザ変位計47と製品ワーク46との干渉
が発生する。このような干渉が発生する部分の測定を除
外するものである。
【0078】上記一連の処理の後、計測用NCデータの
作成を行う。この計測用NCデータの作成では、水平部
の認識、垂直部の認識、等比連続変化部の認識、凹凸部
の認識、ヘッジ部の認識が行われ、T2で決定されてい
る計測点における図9(a) で説明したようなXY平面座
標位置をZ高さデータに織り込む動作を付加する処理を
行う(T3)。
【0079】尚、ここでいうXY平面座標位置とは、X
またはY座標の位置の意味であり、X方向に線走査し、
この線走査をY方向に順次移動させるときは、X座標位
置をZ高さデータに織り込む動作となり、Y方向に線走
査して、この線走査をX方向に順次移動させるときは、
Y座標位置をZ高さデータに織り込む動作となる。
【0080】続いて、ワーク加工座標系を付与する処
理、及び計測NCデータの連結編集を行う(T4)。ワ
ーク加工座標系の付与では、図6で説明した方法などが
採用される。また、X方向に線走査するときは、その線
走査を順次移動させるY方向の位置座標が決定される。
Y方向の位置座標は、製品ワークのY方向の端部から他
の端部までとするか、製品ワークのY方向の中央か左右
に振りながら両端部まで行うなどの方法が、製品ワーク
の形状に合わせて適宜に採用される。Y方向に線走査す
るときは、上記のXとYが入れ替わるだけで方法は同一
である。このようにして、部分的に作成された多数の計
測用データが連結編集される。
【0081】この連結編集された計測用データは計測用
NCデータとして、所定の記憶装置の所定の領域に格納
される(T5)。また、これと平行して、T1で読み出
された形状データから、測定結果と比較するための表示
画面に表示用の形状表示NCデータが作成され(T
6)、この作成された形状表示NCデータが上記の計測
用NCデータと対応付けられて、上記の記憶装置の所定
の領域に格納される(T5)。
【0082】このように作成された計測用NCデータに
基づいて、レーザ変位計を取り付けられて三次元測定機
に変身したNC工作機械30が、図8〜図13で説明し
た測定処理を実行する。図16は、上記の計測が終了し
たの後に行われる処理を示す図である。同図に示すよう
に、まず、T101では、計測結果データが読み出され
る。この計測結果データは前述したデジタル電圧データ
ファイルである。この、デジタル電圧データファイルに
は、ワーク座標系データ、計測位置データ、計測デー
タ、ダークアウトデータ、ノイズ震動等要除外データが
含まれている。
【0083】次に、T102では、上記のデジタル電圧
データファイルから三次元経路データが編集される。こ
の三次元経路データの編集では、ワーク座標系データの
発見、計測位置データの発見、計測データの抽出、ダー
クアウトデータの認識、ノイズ震動等の除外が行われ、
更に、計測によるワーク形状表(CLデータファイル)
の作成が行われる。
【0084】そして、T103では、ワーク形状と計測
結果の比較用NCデータの作成が行われ、形状NCデー
タと計測結果NCデータの連結編集が行われ、これらか
ら、比較表が作成され、自動判定が行われる。この自動
判定では、予め設定されている測定点ごとの誤差許容閾
値と測定点での偏差量dが比較されて自動判定される。
あるいは、3.5μmを誤差許容閾値とする位置の偏差
が自動判定される。そして、誤差が許容閾値を超えてい
ればアラームが表示される。
【0085】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、NCデータにより三次元空間を自由に移動できる
主軸を備えているNC工作機械にレーザ変位計を取り付
けるだけで従来レーザ変位計では不可能とされていた三
次元測定を全自動で行うことができるようになり、これ
により、従来の作成された製品ワークの工作機械からの
取り外し、計測室への移動、複雑な計測機の操作準備な
どの計測のための手数のかかる段取りが不要となり、計
測作業の能率が向上すると共に計測のためのコストが大
幅に低減する。
【0086】また、加工済みの全製品ワークの計測が短
時間でできるので、この点でも計測作業の能率が向上
し、計測のためのコストが大幅に低減する。また、製品
ワークの計測を容易に行うことができるので、計測結果
を見ながら工具の磨耗管理が適正に行われるようにな
り、これにより、NC工作機械の加工精度が向上し、精
度維持が容易となり、再加工あるいは修正加工の頻度を
低減させることができ、製品ワーク作成の作業能率が一
層向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施の形態におけるNC工作機械の斜視図で
ある。
【図2】一実施の形態におけるNC工作機械により加工
テーブル上に作成された多数の製品ワークを示す図であ
る。
【図3】(a) はNC工作機械により三次元自動計測を行
う場合のNC工作機械を模式的に示す正面図、(b) はそ
の側面図である。
【図4】(a) は製品ワークのX方向の形状データの一例
を示す図、(b) は(a) の製品ワークに対応してCADか
ら出力される測定用NCデータの軌跡を示す図である。
【図5】(a) はXY方向の表面領域をメッシュ状に細分
化された或る製品ワークの平面図、(b) はその斜視図で
ある。
【図6】メッシュ状に細分化された網目の機能を説明す
る図である。
【図7】曲面を有する製品ワークの測定可能な面と測定
不可能な面を示す図である。
【図8】(a),(b),(c) は製品ワークの測定方法を模式的
に示す図である。
【図9】(a) は測定点のX位置と変位量とを同時に解析
可能な電圧値の出力を説明する図、(b) は測定の一例を
示す図である。
【図10】(a) 〜(g) はそれぞれ測定用NCデータに基
づいて上述したように測定される製品ワークの形状の様
々な変位点を示す図である。
【図11】(a),(b) は3.5μmの精度でエッジ位置を
測定する場合の測定方法を説明する図(その1)であ
る。
【図12】(a),(b) は3.5μmの精度でエッジ位置を
測定する場合の測定方法を説明する図(その2、その
3)である。
【図13】(a),(b),(c) は3.5μmの精度でエッジ位
置を測定する場合の測定方法を説明する図(その4、そ
の5、その6)である。
【図14】本発明の三次元測定を行うシステム構成を示
す図である。
【図15】NC工作機械を三次元測定機に変身させるた
めの計測用(測定用)NCデータを作成する手順を示す
図である。
【図16】計測用NCデータによる計測が終了したの後
に行われる処理を示す図である。
【図17】従来のNC工作機の縦型工作機の代表的な構
成を模式的に示す側面図である。
【図18】従来の三次元測定機の例を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 NC工作機 2 基台 3 駆動部支持台 4 被加工物載置台 5 垂直支持部 6 昇降摺動椀 7 駆動モータ部 8 支持スピンドル部 9 工具 10 素材ワーク 11 制御接続部 12 制御部 15 三次元測定機 16 基台 17 測定物載置台 18 操作パネル 19 測定モニタ 21a、21b Y方向摺動ナット 22a、22b レール支持部 23 スライド案内レール 24 X方向摺動塔 25 Z方向摺動軸 26 把持部 27 対物レンズ 28 接眼レンズ 29 製品ワーク 30 NC工作機械 31 基台 32 摺動駆動部 33 カップリング 34 軸受 35 X軸ボールネジ 36 X軸方向摺動部 37 カップリング 38 軸受 39 Y軸ボールネジ 40 加工テーブル 41 垂直支持部 42 Z軸方向摺動部 43 ヘッド支持腕 44 ヘッド駆動部 45 主軸 46(46−1、46−2、・・・、46−n) 製品
ワーク 46−i 製品ワーク 46−i′ 形状データ 46−j 製品ワーク 46a、46r、46s、46t、46u 測定点 46k 測定エッジ部 47 レーザ変位計 48 本体部 49 センサ部 50 測定用NCデータ 51 網目 52 測定用NCデータ 53 測定レーザ光 53−1、53−2、53−3 レーザ測定光軸 53−1r、53−2r、53−3r 測定レーザース
ポット 54(54−0、54−1、54−2、・・・、54−
99) X位置電圧値55 測定面の正しい形状 56r、56s、56t、56u 測定点出力データ 57 記憶装置

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワークを製作後のNC加工機械の主軸に
    変位計を取り付ける工程と、 前記ワークを作成したNCデータに前記変位計に特有の
    計測用オフセット値を付加した計測用NCデータを作成
    する工程と、 前記計測用NCデータにXY平面の線走査のX座標とY
    座標のデータを付加する工程と、 前記計測用NCデータに前記線走査上の測定点を指定す
    るデータを付加する工程と、 前記計測用NCデータにより前記NC加工機械を駆動し
    て前記主軸に取り付けた前記変位計により前記ワークの
    表面の前記測定点の高さを計測させる工程と、 を含むことを特徴とするワーク自動計測方法。
  2. 【請求項2】 前記計測用NCデータに、 前記変位計を前記測定点で一時停止させ、該停止位置に
    おいて、前記線走査上の位置に相当する高さだけ上昇さ
    せて一時停止させ、元の位置に戻らせて一時停止させ、
    更に前記線走査上の位置に相当する高さだけ降下させて
    一時停止させ、その後、元の位置に戻らせるという一連
    の指示データを組み込む工程を更に有することを特徴と
    する請求項1記載のワーク自動計測方法。
  3. 【請求項3】 前記高さに応じて前記変位計から出力さ
    れるアナログ電圧値をデジタル電圧値に変換する工程
    と、 前記デジタル電圧値の前記線走査上の位置に相当する高
    さに対応するデジタル電圧値から前記線走査上の位置を
    決定する工程と、 前記上昇して一時停止した位置と前記降下して一時停止
    した位置との中間位置に対応するデジタル電圧値から前
    記測定点の高さを決定する工程と、 を含むことを特徴とする請求項2記載のワーク自動計測
    方法。
  4. 【請求項4】 前記線走査上の位置を100mmを周期
    とする1mm毎の位置とし、該1mm毎の位置に相当す
    る前記高さは10μm毎に増加する高さとすることを特
    徴とする請求項2又は3記載のワーク自動計測方法。
  5. 【請求項5】 前記変位計は、測定点に対し上下2mm
    の測定振り幅を有していることを特徴とする請求項1、
    2又は3記載のワーク自動計測方法。
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