JP2003326421A - 2部材の嵌合固定方法 - Google Patents

2部材の嵌合固定方法

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JP2003326421A JP2002133826A JP2002133826A JP2003326421A JP 2003326421 A JP2003326421 A JP 2003326421A JP 2002133826 A JP2002133826 A JP 2002133826A JP 2002133826 A JP2002133826 A JP 2002133826A JP 2003326421 A JP2003326421 A JP 2003326421A
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    • B23P2700/00Indexing scheme relating to the articles being treated, e.g. manufactured, repaired, assembled, connected or other operations covered in the subgroups
    • B23P2700/02Camshafts

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 精度保証上有利な温度差ばめを利用しても十
分なる接合強度を確保することができるようにする。 【解決手段】 シャフト11に複数のカムピース12を
焼ばめしてカムシャフトサブアセンブリ体10を得た
後、これを固定型16と可動型17とからなる高速型1
5のインプレッション18内に納め、この状態で、その
シャフト11の両端部を左右一対のチャックユニット2
0に把持させてシャフト11を所定角度だけ回転させ
る。すると、各カムピース12が拘束型15により拘束
されているので、シャフト11とカムピース12との間
に相対回転が生じ、この結果、シャフト11とカムピー
ス12との真実接触面が拡大すると共に、両者の接合界
面から潤滑物質が排出され、これにより、接合界面の摩
擦係数が大幅に高まって、各カムピース12はシャフト
11に対して一括して強固に嵌合固定される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2部材を嵌合固定
する方法に係り、特にエンジンの動弁系に用いられる組
立式カムシャフトの製造に向けて好適な2部材の嵌合固
定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】組立式カムシャフトは、中実または中空
のシャフトに別体のカムピースを所定の位相で嵌合固定
してなるもので、従来、前記シャフトに対するカムピー
スの嵌合固定方法としては、例えば、溶接による方法
(特開平3−185202号公報)、カムピースの焼結
と同時に拡散接合する方法(特開昭63−71506号
公報)、中空シャフトのバルジ加工を利用する方法(特
開昭63−9603号公報)、温度差ばめを利用する方
法(特開平4−350307号公報、特開平3−275
907号公報)など、多くの方法が実施されまたは試み
られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記溶
接、拡散接合およびバルジ加工を利用する方法によれ
ば、何れも接合強度は十分となるものの、シャフトの変
形が避けられないため、シャフト自体の矯正に加えて、
最終的なカム面(カムプロファイル)の研削加工、いわ
ゆるカム研が必要になり、これらの作業に多くの工数と
時間とを要して生産性および製造コストが犠牲になる、
という問題があった。また、最近のエンジン性能の向上
に伴って三次元カムシャフトの使用も進んでいるが、こ
のものでは、カムプロファイルが複雑化するため、カム
研によりその精度出しを行うことは極めて困難で、前記
した各嵌合固定方法の利用は実質断念せざるを得ない状
況にもあった。一方、上記温度差ばめを利用する方法に
よれば、シャフトの変形がないため、高精度のカムピー
スを用意することで、カム研を行わなくても十分なる精
度保証が可能になるが、接合力はシャフトとカムピース
との間の摩擦力だけに依存するため、一般に接合強度が
低く、耐久信頼性の面で問題が残ることとなっていた。
【0004】本発明は、上記した技術的背景に鑑みてな
されたもので、その課題とするところは、精度保証上有
利な温度差ばめを利用しても十分なる接合強度を確保す
ることができる、適用範囲の広い2部材の嵌合固定方法
を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、軸状部材に1個または複数個のリング状
部材を温度差ばめした後、両部材を所定量だけ相対回転
または相対移動させることを特徴とする。このように行
う2部材の嵌合固定方法によれば、温度差ばめした後、
2部材を相対回転または相対移動させることで、2部材
の微視的な接触面が拡大すると共に、2部材の接合界面
から油分等の潤滑物質が排出され、結果として、2部材
の接合界面の摩擦係数が高くなって接合力が増大する。
本発明において、上記軸状部材およびリング状部材は、
特にその種類を問うものではないが、組立式カムシャフ
トを構成するシャフトとカムピースとの組合せとするこ
とができる。この場合、複数のカムピースを分割型によ
り拘束しながらシャフトを回転または軸方向移動させる
ことで、複数のカムピースを一括してシャフトに嵌合固
定することができる。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に基いて説明する。本発明の実施に際しては、図1
に示すように、軸状部材1に対してリング状部材2を所
定の締代(20〜30μm)となるように温度差ばめ
し、その後、両部材1と2とを、所定の量だけ相対回転
(矢印A)または相対移動(矢印B)させる。前記温度
差ばめに際しては、その後の相対回転量または相対移動
量を見込んで、軸状部材1に対するリング状部材2の嵌
合位置を調整するようにし、これにより、前記相対回転
または相対移動を終えた段階では、軸状部材1上の目標
位置にリング状部材2が位置決めされるようになる。
【0007】ここで、上記軸状部材1とリング状部材2
とは、特にその材質を問うものではなく、同種材料の組
合せ(例えば、鉄系材料同士、アルミニウム系材料同
士)であっても、異種材料の組合せ(例えば、アルミニ
ウム系材料と鉄系材料、チタン系材料と鉄系材料)であ
ってもよい。また、同種材料を組合わせる場合は、当然
のこととして成分系を異ならせてもよい。。
【0008】上記軸状部材1およびリング状部材2の製
造方法は任意であり、特にリング状部材2については、
冷間鍛造、鋳造、焼結等の種々の加工方式を採用でき
る。ただし、これら軸状部材1およびリング状部材2
は、相互の嵌合面すなわち軸状部材1の外周とリング状
部材2の内周とを、機械加工や研磨加工により高精度に
仕上げておく必要がある。また、これら軸状部材1およ
びリング状部材2の形状も任意であり、軸状部材1とし
ては、図示(図1)の中実形状であっても、中空形状で
あってもよく、リング状部材2としては、単純なリング
形状であっても、カムのような異形状であってもよい。
【0009】本実施の形態において、上記軸状部材1に
リング状部材2を温度差ばめするには、焼ばめと冷ばめ
うちのどちらを選択してもよいが、温度差をつけるのが
容易であることから焼ばめを選択するのが望ましい。こ
の場合、リング状部材2を適当な手段により加熱した
後、その孔に軸状部材1を挿入させて焼ばめを行うが、
この時の加熱温度としては、リング状部材2の材質に応
じて適宜温度を選択する。一例として、リング状部材2
が低合金鋼の焼結品からなる場合は、 〜℃程度とな
る。
【0010】本実施の形態において、軸状部材1とリン
グ状部材2とを相対回転または相対移動させる方法は任
意であり、軸状部材1を位置固定してリング状部材2を
回転または直線移動させても、リング状部材2を位置固
定して軸状部材1を回転または直線移動させるようにし
てもよい。ただし、組立式カムシャフトのようにシャフ
ト(軸状部材)上に複数のカムピース(リング状部材)
を位相を変えて配置する必要がある場合は、複数のリン
グ状部材2を所定の位相で位置固定して軸状部材1を回
転または直線移動させるのが望ましい。
【0011】上記したように、両部材1と2とを温度差
ばめした後、両者を相対回転または相対移動させること
で、図2、3に示すように、軸状部材1とリング状部材
2との微視的な接触面(真実接触面)Sが拡大し、両部
材1と2の接合界面における摩擦係数は高くなる。因み
に、軸状部材1に、単にリング状部材2を温度差ばめし
ただけでは、図3の上側に示すように、両者の接合界面
は点接触に近い状態となり、その分、摩擦係数は低い。
一方、このように軸状部材1とリング状部材2とを相対
回転または相対移動させることで、両者の表面に付着し
ていた油分等の潤滑物質が接合界面から排出され、前記
同様に接合界面における摩擦係数が高くなる。すなわ
ち、両部材1と2とを温度差ばめした後、両者を相対回
転または相対移動させることで、両者の真実接触面が拡
大すると共に、両者の接合界面から潤滑物質が排出さ
れ、これにより接合界面の摩擦係数が大幅に高まり、こ
の結果、両部材1と2との接合力は、単に両者を温度差
ばめした場合よりも大幅に増大する。
【0012】図4は、組立式カムシャフトの製造に適用
した場合の本発明の実施の形態を示したものである。同
図において、10は、シャフト11に複数のカムピース
12を焼ばめしてなるカムシャフトサブアセンブリ体、
15は、固定型16と可動型17とからなる上下二分割
の拘束型、20は、前記固定型16の側方に進退動可能
に配置された左右一対のチャックユニットである。拘束
型15を構成する可動型17は、図示を略す昇降手段に
より固定型16に対して型閉じ型開きされるようになっ
ており、両者の合せ部には、前記カムシャフトサブアセ
ンブリ体10の外形状に倣うインプレッション18が型
彫りされている。
【0013】組立式カムシャフトの製造に際しては、先
ず、固定型16に対して可動型17を型開きした状態と
して、固定型16のインプレッション18内に前記焼ば
めを終えたカムシャフトサブアセンブリ体10を納め、
適宜回転方向に位置決めした後、可動型17を下降させ
て型閉じする。これにより、カムシャフトサブアセンブ
リ体10は、そのシャフト11の両端部を残して拘束型
15のインプレッション18に収納され、この状態で各
カムピース12は回転方向および軸方向に拘束される。
この場合、シャフト11の両端部は拘束型10からわず
か突出しており、前記型閉じ終了と同時に左右一対のチ
ャックユニット20が前進し、前記シャフト11の両端
部をチャッキングする。左右一対のチャックユニット2
0は、その一方または両方が回転駆動手段に支持されて
おり、前記チャッキング終了と同時にチャックユニット
20が回転し、シャフト11を一定角度(一例として、
6〜12度)だけ回転させる。すると、各カムピース1
2が拘束型15により拘束されているので、シャフト1
1とカムピース12との間に相対回転が生じ、これによ
り、前記図1に関連して説明したように、軸状部材とし
てのシャフト11とリング状部材としてのカムピース1
2との真実接触面が拡大すると共に、両者の接合界面か
ら潤滑物質が排出され、この結果、各カムピース12は
シャフト11に対して一括して強固に嵌合固定され、こ
れにて組立式カムシャフトの製造は完了する。
【0014】なお、上記シャフト11は、回転させるこ
となく直線移動させてもよいことはもちろんで、この場
合は、図4に示した態様で、左右一対のチャックユニッ
ト20を同期して軸方向移動させればよい。また、上記
拘束型15は、上下二分割の構造に代えて、左右二分割
の構造としてもよいもので、この場合は、一対のチャッ
クユニット20が上下方向に配置されることになる。
【0015】
【実施例】シャフトとして、JIS S45Cからなる
外径25mmの中実シャフトを用意すると共に、カムピ
ースとして、3%Cr−0.3%Mo−0.3%V−ba
lFeの組成を有する原料粉(川崎製鉄製 KIP30
CRV)の圧粉体を1250℃で焼結した後、焼入れ焼
戻しの熱処理(865℃×50分窒素ガス冷→180°
×90分焼戻し)を施してなるものを用意し、前記中実
シャフトの周面およびカムピースの内径を研磨仕上げし
た後、カムピースを290℃に8分間加熱して、狙い締
代が25μmとなるようにシャフトに焼ばめし、その
後、カムピースを位置固定してシャフトを種々の角度回
転させて複数の組立試料を得た。そして、各組立試料に
ついてねじり試験を行って接合強度(ねじり強度)を求
めた。
【0016】図5は、上記したねじり試験の結果を示し
たものである。これより、ねじり強度は、焼ばめ後の回
転角度が2度程度までは、通常の焼ばめによるねじ強度
とほとんど変わりがないものの、回転角度が2度を超え
ると、回転角度の増加に応じてほぼ直線的にねじり強度
が上昇している。特に、回転角度が約7度以上になる
と、カムシャフトとして必要な目標強度350N・mを
上回るようになり、本発明の方法が、組立式カムシャフ
トの製造に向けてきわめて有用であることが明らかにな
った。
【0017】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明に係る2
部材の嵌合固定方法によれば、精度保証上有利な温度差
ばめを利用しても十分なる接合強度を確保することがで
き、その適用範囲は拡大する。特に、組立式カムシャフ
トの製造に適用した場合は、面倒なカム面の研磨いわゆ
るカム研が不要になるので、生産性の向上並びに製造コ
ストの低減に大きく寄与する効果を奏し、その上、三次
元カムシャフトの製造にも利用できて、その利用価値は
著しく高いものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る2部材の嵌合固定方法の実施の形
態を示す断面図である。
【図2】本嵌合固定方法を実行した後の接合界面の微視
的状態を拡大して示す断面図である。
【図3】本嵌合固定方法を実行した前後の接合界面の微
視的状態を示す模式図である。
【図4】組立式カムシャフトの製造に適用した場合の本
発明の実施の形態を示す断面図である。
【図5】本発明の実施例で得た組立試料のねじり試験結
果を示したもので、ねじり強度に及ぼす焼ばめ後の回転
角度の影響を示すグラフである。
【符号の説明】
1 軸状部材 2 リング状部材 10 カムシャフトサブアセンブリ体 11 シャフト 12 カムピース 15 拘束型(分割型) 20 チャックユニット

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸状部材に1個または複数個のリング状
    部材を温度差ばめした後、両部材を所定量だけ相対回転
    または相対移動させることを特徴とする2部材の嵌合固
    定方法。
  2. 【請求項2】 軸状部材およびリング状部材が、組立式
    カムシャフトを構成するシャフトおよびカムピースであ
    ることを特徴とする請求項1に記載の2部材の嵌合固定
    方法。
  3. 【請求項3】 複数のカムピースを分割型により拘束し
    ながらシャフトを回転または軸方向移動させることを特
    徴とする請求項2に記載の2部材の嵌合固定方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009540240A (ja) * 2006-06-14 2009-11-19 ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェン 固定された構成部品を有するシャフト
JP2012062949A (ja) * 2010-09-15 2012-03-29 Toyota Motor Corp 軸受組立カムシャフト
JP2016030327A (ja) * 2014-07-30 2016-03-07 公益財団法人鉄道総合技術研究所 異種金属複合部材の製造装置及び製造方法

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