JP2003321294A - 結晶製造装置 - Google Patents
結晶製造装置Info
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Abstract
ながら結晶の製造を繰り返し行っても、チャンバーに応
力腐食割れが生じることなく、結晶の製造を安定して長
期間行うことができ、結晶を効率的にかつ安価に製造で
きる結晶の製造装置を提供する。 【解決手段】 少なくとも、結晶育成室となる冷却手段
を有するチャンバーと、原料を溶融させる加熱手段と、
結晶育成時に磁場を印加する磁場発生装置を具備し、前
記磁場発生装置から磁場を融液に印加しながら結晶を成
長させる結晶の製造装置において、前記冷却手段を有す
るチャンバーが、炭素含有量0.03%以下の低炭素ス
テンレス鋼からなることを特徴とする結晶製造装置。
Description
するものであり、特に、磁場を結晶融液に印加しながら
結晶を成長させる結晶製造装置に関するものである。
に挙げて説明する。近年、半導体素子の高集積・大容量
化に伴い、半導体素子の製造に用いられるシリコンウエ
ーハには、ウエーハの大口径化、例えば、シリコン単結
晶の直径が300mmを超えるものが要求されており、
加えて、素子作製プロセスにおいてスリップ等が発生し
ない等のウエーハの品質向上が求められている。
コン単結晶を成長させる方法として、チョクラルスキー
法(CZ法)や浮融帯域融解法(FZ法)が広く知られ
ている。CZ法は、例えば、原料である純度の高い多結
晶シリコンを石英ルツボに充填し、これをヒータ等で加
熱して溶融した後、このシリコン融液に種結晶を浸して
引上げることによってシリコン単結晶(インゴット)を
成長させることができる。また一方、FZ法は、原料で
ある多結晶シリコン棒の下端を例えば高周波コイル等で
加熱して溶融し、種結晶に融着させ、ヒータを徐々に上
方に移動させる(または、多結晶シリコンを下方に移動
させる)ことによりシリコン単結晶を成長させる方法で
ある。
ン単結晶の大口径化を容易に行うことができ、またCZ
法でシリコン単結晶を育成する際に、石英ルツボから溶
出した酸素が単結晶中に取り込まれるため、ゲッタリン
グ能力が高く、スリップ転位が生じにくいシリコン単結
晶を得ることができる等の優位性があることから、現在
の大口径シリコンウエーハではCZ法によるシリコン単
結晶の製造が主流をなしている。
リコン単結晶の製造では、石英ルツボ内に充填された多
量のシリコン融液を側面から例えば抵抗加熱式の黒鉛製
のヒータにより加熱し、種結晶及びルツボを回転させな
がら単結晶を育成するため、シリコン融液に熱対流やル
ツボ回転・結晶回転による強制対流が起こり、その結
果、単結晶の有転位化による歩留まりの低下や育成した
シリコン単結晶の不純物分布に影響するという問題があ
る(直径300mmシリコン基板実用化における課題,
応用物理,66,vol7,1997,p.673)。
に、CZ法によるシリコン単結晶の育成中にシリコン融
液に磁場を印加すること(MCZ法)によりシリコン融
液対流を制御し、融液対流が安定した状態で結晶を育成
する方法が着目されている。例えば、シリコン融液に横
磁場(水平磁場)を印加して対流を制御しながらシリコ
ン単結晶を育成することによって、単結晶の有転位化を
防止し、また結晶中に取り込まれる酸素濃度等を制御し
ながらシリコン単結晶を製造することができる。
装置は、一般的に、結晶育成室となる冷却手段を有する
チャンバーと、結晶育成時に磁場を印加する磁場発生装
置を具備し、またチャンバー内には、多結晶シリコンが
充填される石英ルツボと、該ルツボを取り囲むように加
熱ヒータと断熱材で構成されたいわゆるホットゾーンが
設置されており、約100Torr程度の減圧下で単結
晶の育成が行えるように構成されている。
の製造装置において、結晶育成室となるチャンバーの材
質としては、加工性に優れ、安価なオーステナイト系の
ステンレス鋼であるSUS304(JIS規格、炭素含
有量0.08%以下:通常、0.06〜0.07%)が
一般的に用いられており、単結晶製造装置に使用される
ような大きなチャンバーを作製する場合には、例えば、
このSUS304を所定の形状となるように成形し、冷
却手段として水冷ジャケットを設けるために溶接等の加
工を行うことによって、結晶育成室となる冷却手段を有
するチャンバーを作製することができる。
ら作製されたチャンバーを有するシリコン単結晶の製造
装置において、MCZ法のようにシリコン融液に磁場を
印加しながらシリコン単結晶の製造を繰り返し行うと、
チャンバーはほとんど変形せずに、応力腐食割れが発生
するという問題が生じた。応力腐食割れとは、金属材料
に一定の応力のかかった状態で、その材料に特有の腐食
性雰囲気におかれた場合に生ずる割れであり、引張り
応力でのみ割れ、圧縮応力では割れない、金属材料と
特定環境の組み合わせの場合に割れる、遅れ破壊であ
る等の特徴がある。例えば、上記のようなSUS304
を用いて冷却手段を有するチャンバーを作製した場合で
は、冷却手段に流される水溶液中の溶存酸素とCl−イ
オンとの組み合わせにより応力腐食割れが発生するとさ
れている(ステンレス鋼の熱処理技術,昭和58年8月
31日 初版9刷,日刊工業新聞社)。
おいてチャンバーに応力腐食割れが発生すると、チャン
バーに備えられている冷却手段から水漏れが生じるた
め、通常2〜3年のサイクルでチャンバーの修理・交換
が必要であった。このようなチャンバーの修理・交換
は、通常シリコン単結晶の製造を停止して行われるた
め、上記のようにチャンバーの修理交換のサイクルが2
〜3年、またはそれよりも短い場合、シリコン単結晶の
生産性の低下を招く原因となり、さらにはチャンバーの
修理・交換のための費用も大きいことから、シリコン単
結晶の製造コストにも大きな負担がかかるという問題が
あった。
れは、MCZ法だけではなく、例えば、特開平5−20
8887号に開示されているような、磁場を印加しなが
らFZ法によりシリコン単結晶を製造する方法において
も同様に観察され、シリコン単結晶の生産性の低下と製
造のコストアップの要因の一つとなっていた。
問題点に鑑みて為されたものであって、本発明の目的
は、MCZ法等のように結晶融液に磁場を印加しながら
結晶の製造を繰り返し行っても、チャンバーに応力腐食
割れが生じることなく、結晶の製造を安定して長期間行
うことができ、結晶を効率的にかつ安価に製造できる結
晶の製造装置を提供することにある。
に、本発明によれば、少なくとも、結晶育成室となる冷
却手段を有するチャンバーと、原料を溶融させる加熱手
段と、結晶育成時に磁場を印加する磁場発生装置を具備
し、前記磁場発生装置から磁場を融液に印加しながら結
晶を成長させる結晶の製造装置において、前記冷却手段
を有するチャンバーが、炭素含有量0.03%以下の低
炭素ステンレス鋼からなることを特徴とする結晶製造装
置が提供される(請求項1)。
るチャンバー、加熱手段及び磁場発生装置を具備し、磁
場を融液に印加しながら結晶を成長させる結晶の製造装
置において、冷却手段を有するチャンバーが炭素含有量
0.03%以下の低炭素ステンレス鋼からなるものであ
れば、磁場を印加しながら結晶の製造を繰り返し行って
も、チャンバーに応力腐食割れが発生することがないた
め、チャンバーを修理・交換することなく長期間の操業
を行うことができ、結晶の製造を効率的にかつ安価に行
うことができる。
スキー法(CZ法)によって単結晶の成長を行うもので
あるものとすることができる(請求項2)。CZ法は、
上記のように、ルツボ内で一度に大量の結晶融液を用い
るものであるため、印加する磁場強度も高くする必要が
あり、特に本発明を適用するのが有利である。そして、
本発明によれば、磁場を融液に印加しながらチョクラル
スキー法によって単結晶の成長を行うMCZ法におい
て、冷却手段を有するチャンバーに応力腐食割れが発生
することなく、長期間安定して大口径単結晶の製造を行
うことができる。
の低炭素ステンレス鋼が、SUS304LまたはSUS
316Lであることが好ましい(請求項3)。このよう
に、冷却手段を有するチャンバーがSUS304Lまた
はSUS316L(JIS規格記号)であれば、耐食性
・加工性に優れており、また溶接等の熱間加工を行って
冷却手段を有するチャンバーを作製しても、ステンレス
鋼に鋭敏化が生じず粒界腐食を生じることもない。その
ため、磁場を印加しながら結晶の製造を繰り返し行って
も応力腐食割れが発生することがないので、チャンバー
を修理・交換することなく、結晶の製造を長期間行うこ
とができる。さらに、前記SUS304LまたはSUS
316LにN2を0.1〜0.15%添加したものであ
れば、耐性、引張り強さ等の強度が上がり、その分肉厚
を薄くできる利点も有するのでより好ましい。
が、チャンバーに冷却手段を設ける溶接が行われた後、
固溶化熱処理が施されたものであることが好ましい(請
求項4)。このように、チャンバーが冷却手段を設ける
溶接が行われた後、固溶化熱処理が施されたものであれ
ば、溶接の際にチャンバーの溶接部において例え粒界に
炭素が析出したとしても、固溶化熱処理により再び炭素
をオーステナイト粒内に固溶させることができるため、
ステンレス鋼の鋭敏化を確実に防止することができ、よ
り耐食性の優れたチャンバーを作製することができる。
を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。従来、シリコン単結晶の製造装置において、結晶育
成室となる冷却手段を有するチャンバーの材料として、
加工性や経済性等からオーステナイト系のステンレス鋼
であるSUS304が用いられてきた。しかしながら、
MCZ法等のように磁場を印加しながらシリコン単結晶
を製造する製造装置において、チャンバーの材料として
このSUS304が用いられている場合、シリコン単結
晶の製造を繰り返し行うと、チャンバー、特に冷却手段
との溶接部において応力腐食割れが発生し、冷却手段か
ら水漏れが生じていた。そのため、チャンバーの修理・
交換がその都度必要となり、結果としてシリコン単結晶
の生産性の低下とコストアップを招くという問題があっ
た。
腐食割れの原因となるステンレス鋼の腐食作用を改善す
ることによってチャンバーの応力腐食割れを防止し、そ
れにより、磁場を印加しながらシリコン単結晶の製造を
繰り返し行ってもチャンバーに応力腐食割れが生じるこ
となく、シリコン単結晶を安定して長期間製造できるシ
リコン単結晶の製造装置が提供できることを見出し、本
発明を完成させた。
磁場を印加しながらCZ法によりシリコン単結晶を育成
する製造装置を例に挙げ、図面を参照しながら説明す
る。図1は、本発明に係るMCZ法によりシリコン単結
晶を育成するシリコン単結晶の製造装置の概略説明図を
示している。
は、結晶育成室となる冷却手段を有するチャンバー1と
結晶育成時に磁場を印加する磁場発生装置2を具備して
おり、またチャンバー1内には、シリコン融液9が充填
される石英ルツボ7と、石英ルツボ7を取り囲むように
炭素製の加熱ヒータ6と断熱材5で構成されたホットゾ
ーンが配置されており、約100Torr程度の減圧下
で単結晶の育成が行えるように構成されている。そし
て、チャンバー内で発生する高熱に耐えることが出来る
ように、チャンバーは、いわゆるジャケット方式、蛇管
方式等により水冷されている。
を用いてシリコン単結晶8を育成する方法は、石英ルツ
ボ7中のシリコン融液9に種結晶を浸漬した後、種絞り
を経て、シリコン単結晶8を回転させながら静かに引上
げることによって行われる。このとき、磁場発生装置2
からシリコン融液9に水平方向の磁場を印加することに
よって、シリコン融液9の対流を制御して、品質の優れ
た単結晶を効率良く育成できるようにしている。また、
チャンバー1の上部には、ガス導入バルブ3が設けられ
ており、該ガス導入バルブ3からアルゴンガス等の不活
性ガスが導入され、引上げ中の単結晶8の周囲を通過し
てガス排気バルブ4から排出される。
記のような構成を有するシリコン単結晶の製造装置にお
いて、結晶育成室となる冷却手段を有するチャンバー1
が炭素含有量0.03%以下の低炭素ステンレス鋼から
なることを特徴とする。
において、チャンバーに応力腐食割れが発生する原因に
ついて説明する。従来、シリコン単結晶の製造装置に使
用されるチャンバーには、上述のようにオーステナイト
系のステンレス鋼材であるSUS304が用いられてい
る。しかしながら、このSUS304におけるオーステ
ナイトのC(炭素)固溶度は、高温では大きく、低温で
は小さい。例えば、Cr18%、Ni8%を含有するS
US304(18−8ステンレス鋼)におけるCの固溶
度は、1200℃で0.34%、1000℃で0.18
%であるため、SUS304に含有されている0.08
以下(通常、0.06〜0.07%)のCは、1000
℃以上の高温においては全てステンレス鋼(γ鉄)に固
溶している。
US304におけるCの固溶度は、0.02%であり、
常温においては更に小さくなる。そのため、SUS30
4が50〜850℃の温度に一定時間加熱された場合、
固溶限界を超えた過飽和のCはオーステナイト粒内に存
在できなくなり、結晶粒界に析出する。その際、C単独
では安定でないため、周囲のマトリックスに固溶してい
るCrを引き寄せて、安定なCr23C6のクロム炭化
物(Cr23C6はFeを幾分含むため、(Fe,C
r)23C6と記載することもある)として結晶粒界に
連続して析出する。このとき、Crはマトリックスから
粒界へ拡散されるため、析出したクロム炭化物の近傍に
Cr欠乏領域が形成される。このような現象は、一般に
鋭敏化と呼ばれ、クロム炭化物の析出によりCr濃度が
約12%以下になると、ステンレス鋼の安定表面である
不動態(表面にCrを含む酸化皮膜が生成され、優れた
耐腐食性を示す状態)を生ぜず、電位も下がることか
ら、結晶粒界のみが優先して腐食される粒界腐食が生じ
る。
を用いて冷却手段を有するチャンバーを作製する際に溶
接等の50〜850℃の熱間加工が行われると、SUS
304に鋭敏化が生じるため、冷却手段に流される冷却
水により溶接されたチャンバーの溶接部において粒界腐
食が生じることになる。
4)は、常温では準安定状態でα鉄+炭化物に変態しよ
うとする傾向を持ち、18−8ステンレス鋼に冷間加工
が行われるとマルテンサイト変態を生じ、磁性が生じ
る。したがって、SUS304を所定の形状にするため
に、成形のような冷間加工を行ってチャンバーを作製す
ると、シリコン単結晶の育成において磁場発生装置から
磁場を印加した際に、印加された磁場の影響によりチャ
ンバーに引張り応力が生じる。
て冷却手段を有するチャンバーを作製し、該チャンバー
を有するシリコン単結晶の製造装置を用いてMCZ法の
ように磁場をシリコン融液に印加しながらシリコン単結
晶を製造すれば、チャンバーの冷却手段の溶接部には、
冷却手段に流される冷却水による腐食と印加磁場による
引張り応力との作用により、応力腐食割れが発生するも
のと思われる。
の応力腐食割れを防止するため、チャンバーの材質とし
て炭素含有量0.03%以下の低炭素ステンレス鋼を用
い、この低炭素ステンレス鋼に成形や溶接等の加工を行
い、結晶育成室となる冷却手段を有するチャンバーを作
製した。
有するチャンバーが、炭素含有量0.03%以下の低炭
素ステンレス鋼からなるものであれば、チャンバー作製
の際に溶接等の熱間加工を行っても、オーステナイトの
結晶粒界に析出するクロム炭化物を低減する事ができ、
その結果、ステンレス鋼に発生する粒界腐食を防止する
ことができる。特に、炭素含有量0.03%以下の低炭
素ステンレス鋼としては、耐食性・加工性に優れたSU
S304LまたはSUS316Lを用いることが好まし
く、これらのオーステナイト系のステンレス鋼を用いる
ことによって、熱間加工を行っても鋭敏化が生じにく
く、粒界腐食の生じないチャンバーを得ることができ
る。
おいてチャンバーが炭素含有量0.03%以下の低炭素
ステンレス鋼からなるものであれば、冷却手段の溶接部
に発生する腐食を防止することができるため、MCZ法
等のように磁場をシリコン融液に印加しながらシリコン
単結晶を製造するものであっても、チャンバーに発生す
る応力腐食割れを防止することができる。その結果、チ
ャンバーの修理・交換を行うことなく長期間の操業を行
うことが可能となり、効率的にかつ安価にシリコン単結
晶の製造を行うことができる。
ステンレス鋼からチャンバーを作製する際に、チャンバ
ーに冷却手段を設ける溶接が行われた後、固溶化熱処理
が施されたものであることが好ましい。この固溶化熱処
理は、例えば、溶接が行われたステンレス鋼に1010
〜1150℃の熱処理をし、その後急冷することによっ
て行うことができる。
が、溶接後に固溶化熱処理が施されたものであれば、溶
接の際にチャンバーの溶接部において粒界に炭素が析出
したとしても、固溶化熱処理により再び炭素をオーステ
ナイト粒内に固溶させることができる。従って、ステン
レス鋼の鋭敏化を確実に防止することができ、チャンバ
ーに発生する応力腐食割れを完全に防止することができ
る。
り具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるも
のではない。 (実施例1)結晶育成室となる冷却手段を有するチャン
バーの材質として、SUS316Lを用い、このSUS
316Lを成形し、溶接により水冷ジャケットを形成す
ることによって直径850mmのチャンバーを作製し
た。その後、該チャンバーを用いて図1に示すようなシ
リコン単結晶の製造装置を構成した。
磁場発生装置からシリコン融液表面に0.5Tの磁場を
印加しながら、CZ法により従来行われている方法と同
様にシリコン単結晶の製造を断続的に行った。その結
果、59ヶ月間、チャンバーに水漏れの発生はなく、チ
ャンバーの修理・交換を行うことなく、安定してシリコ
ン単結晶の製造を行うことができた。
有するチャンバーの材質として、SUS316Lを用
い、このSUS316Lを成形し、溶接により水冷ジャ
ケットを形成することによって直径1115mmのチャ
ンバーを作製した。その後、該チャンバーを用いて図1
に示すようなシリコン単結晶の製造装置を構成した。
磁場発生装置からシリコン融液表面に0.4Tの磁場を
印加しながら、CZ法により従来行われている方法と同
様にシリコン単結晶の製造を断続的に行った。その結
果、72ヶ月間、チャンバーに水漏れの発生はなく、チ
ャンバーの修理・交換を行うことなく、安定してシリコ
ン単結晶の製造を行うことができた。
するチャンバーの材質として、SUS304を用い、こ
のSUS304を成形し、溶接により水冷ジャケットを
形成することによって直径850mmのチャンバーを作
製した。その後、実施例と同様に、該チャンバーを用い
てシリコン単結晶の製造装置を構成した。
磁場発生装置からシリコン融液表面に0.2Tの磁場を
印加しながら、CZ法によりシリコン単結晶の製造を実
施例と同様に断続的に行った。その結果、実験開始から
16ヶ月目において、水冷ジャケットの上下の溶接部か
ら水漏れが発生した。シリコン単結晶の製造装置を分解
して調査したところ、応力腐食割れが発生していたこと
がわかった。
るものではない。上記実施形態は単なる例示であり、本
発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的
に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、
いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含され
る。
を融液に印加しながら、CZ法によりシリコン単結晶の
成長を行うMCZ法によるシリコン単結晶の製造装置に
ついて説明を行っているが、本発明はこれに限定される
ものではなく、例えば、磁場発生装置から磁場を融液に
印加しながら、FZ法によりシリコン単結晶を成長させ
るシリコン単結晶の製造装置にも同様に適用することが
できるし、製造する結晶についてもシリコン単結晶に限
らないことは言うまでもない。
場発生装置から磁場を融液に印加しながらシリコン単結
晶の製造を繰り返し行っても、冷却手段を有するチャン
バーに応力腐食割れが発生しないシリコン単結晶の製造
装置を提供することができる。それにより、長期間チャ
ンバーの修理・交換を行うことなくシリコン単結晶の製
造を行うことができるため、効率的にかつ安価にシリコ
ン単結晶の製造を行うことができる。
育成するシリコン単結晶の製造装置の概略説明図であ
る。
ルブ、 4…ガス排気バルブ、5…断熱材、 6…加熱
ヒータ、 7…石英ルツボ、8…シリコン単結晶、 9
…シリコン融液、10…シリコン単結晶の製造装置。
Claims (4)
- 【請求項1】 少なくとも、結晶育成室となる冷却手段
を有するチャンバーと、原料を溶融させる加熱手段と、
結晶育成時に磁場を印加する磁場発生装置を具備し、前
記磁場発生装置から磁場を融液に印加しながら結晶を成
長させる結晶の製造装置において、前記冷却手段を有す
るチャンバーが、炭素含有量0.03%以下の低炭素ス
テンレス鋼からなることを特徴とする結晶製造装置。 - 【請求項2】 前記結晶の成長は、チョクラルスキー法
(CZ法)によって単結晶の成長を行うものであること
を特徴とする請求項1に記載の結晶製造装置。 - 【請求項3】 前記炭素含有量0.03%以下の低炭素
ステンレス鋼が、SUS304LまたはSUS316L
であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載
の結晶製造装置。 - 【請求項4】 前記冷却手段を有するチャンバーが、チ
ャンバーに冷却手段を設ける溶接が行われた後、固溶化
熱処理が施されたものであることを特徴とする請求項1
ないし請求項3のいずれか一項に記載の結晶製造装置。
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