JP2003320014A - 微細骨粉を含浸させた生体適合性材料からなる構造体およびその製造方法 - Google Patents

微細骨粉を含浸させた生体適合性材料からなる構造体およびその製造方法

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JP2003320014A
JP2003320014A JP2003052004A JP2003052004A JP2003320014A JP 2003320014 A JP2003320014 A JP 2003320014A JP 2003052004 A JP2003052004 A JP 2003052004A JP 2003052004 A JP2003052004 A JP 2003052004A JP 2003320014 A JP2003320014 A JP 2003320014A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 臨床応用可能な人工骨および人工歯根に適す
る構造体ならびにその製造方法を提供すること。 【解決手段】 骨粉を含浸させた多孔質構造体または表
面粗造構造体を用いる。多孔質構造体は、構造体の外部
表面とつながる平均孔径100〜1000μmのマクロ
な連続気孔を構造体の全体にわたって有し、かつマクロ
な気孔相互間に存在する生体適合性材料の全体にマクロ
な気孔と連続する平均孔径0.005〜50μmの微細
な連続気孔を有し、該生体適合性材料の表面50μm平
方の範囲内に、該微細な連続気孔を少なくとも1個以上
有しているか、または平均0.005〜50μmの大き
さの微細な陥凹部を表面の50μm平方の範囲内に少な
くとも一つ以上有する。表面粗造構造体は、表面に平均
0.01〜50μmの大きさの微細な陥凹部を表面の5
0μm平方の範囲内に少なくとも一つ以上有することが
好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人工骨および人工
歯根用途に適する多孔質構造体または表面粗造構造体お
よびその製造方法に関する。さらに詳しくは、骨粉を含
浸させた生体適合性材料からなる多孔質構造体または表
面粗造構造体およびそれらの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】生体における高度の外傷や骨腫瘍等によ
る骨摘出に伴う広範囲の骨欠損部に対しては骨移植が行
われており、骨を再生させるためには自家骨を用いるの
が最も良いとされている。しかし、採骨量に限界がある
ばかりでなく、採骨部に対する侵襲はその量が多くなる
ほど大きくなる。
【0003】多量の採骨を伴う自家骨に代わるものとし
て、生体適合性材料からなる人工骨が適用されている
が、この人工骨に骨誘導能はなくその適用には限界があ
る。また、歯が喪失した後の治療法の一つとして人工歯
根の適用が行われているが、顎骨の吸収や萎縮が進行し
ている場合には人工歯根の適用は不可能で従来の可撤性
義歯を装用せざるを得ない状況である。
【0004】現在、骨誘導因子となりうる様々な細胞増
殖因子の局所への適用、さらに骨髄の間葉系幹細胞を様
々な因子を用い培養増殖して骨芽細胞に分化させた後、
局所に移植する方法等が検討されている。
【0005】細胞増殖因子を局所へ適用する研究は、U
ristが1960年代に脱灰骨を筋肉内に移植し、骨
形成が生ずることを認め、骨の基質内に異所性の新規骨
誘導活性を示す蛋白質が含まれていることを見出したこ
とに端を発する。以後、骨内に含まれる骨形成に関与す
る様々な増殖・分化因子の精製、部分アミノ酸配列の決
定、そして遺伝子クローニング等へ発展してきた。特に
骨形成に関与すると考えられる一群の増殖因子(BMP
s)が明らかにされるとともに、代表的な組み換えBM
P−2(rhBMP−2)が製品化され入手出来るよう
になった。ラット筋肉内に5mm立法程度の骨を作るの
には数十マイクログラムのrhBMP−2が必要とされ
るが、現時点では非常に高価である。また、マウスやラ
ットでは良好な骨形成が異所性に得られるものの大型の
動物、特に霊長類のサルでは、良好な結果が得られず、
ヒトにおける効果も疑問視されている(例えば、非特許
文献1参照。)。このため、BMPを含浸させた徐放性
材料の開発(例えば、非特許文献2を参照。)や、BM
P以外の増殖因子の検討(例えば、非特許文献3および
4を参照。)も行われているが、いずれも臨床的有効性
は明らかにされていない。
【0006】骨芽細胞に分化させた後、局所に移植する
方法とは、まず骨髄液を採取しその中の幹細胞を培養系
で増殖させるとともに骨芽細胞に分化させ、その細胞を
移植するか(例えば、非特許文献5参照。)、細胞を人
工骨に含浸または混和し、生体の局所に移植しようとす
る組織工学的手法を用いるものである(例えば、非特許
文献6参照。)。
【0007】しかしながら、幹細胞から骨芽細胞への増
殖・分化には限界があり、骨髄液からいかに大量の幹細
胞を確保するかがネックとなる。現段階では形成可能な
骨の量が少なく、臨床応用は限定的な範囲でやっと始ま
った段階である。また、この方法では培養下の幹細胞に
対し、各種の増殖因子やステロイドホルモンが加えられ
ており、培養系で分化した骨芽細胞が生体内のものと同
一なものか否かに疑問がある。最近では、成体幹細胞が
既存の組織中の細胞と融合して遺伝的にごちゃ混ぜの細
胞が出来るリスクのあることが報告され成体幹細胞の臨
床応用に疑問が投じられた(例えば、非特許文献7、8
参照。)。さらに培養液をして動物(ウシ)の血清が使
われる場合には未知の感染の危険性がある。
【0008】また、骨内に埋入される人工骨頭などの人
工骨や人工歯根では、それらが埋入後早期に周囲の骨と
一体化して強固な植率の得られることが望まれる。人工
骨や人工歯根の表面を粗造にしたり多孔性にする試みが
なされている(例えば、非特許文献9、10参照。)。
この試みは人工骨や人工歯根埋入後におけるそれら周囲
の骨形成活性が高い場合に有効である。しかし、周囲の
骨の活性が低い場合にはこれらの方法もその効果に疑問
がある(例えば、非特許文献11参照。)。
【0009】
【非特許文献1】野田正樹、二藤彰、辻邦和、“骨の再
生とBMP”、炎症・再生、21(4):425,2001
【0010】
【非特許文献2】田畑泰彦、“細胞増殖因子による骨修
復”、第23回日本バイオマテリアル学会予稿集、48, 20
01
【0011】
【非特許文献3】田中浩、脇坂敦彦、溝上士、他、“bF
GF ( basic fibroblast growthfactor )による骨髄間質
細胞の分化・増殖に対する効果”、日整会誌、72
(8):S1498、1998
【0012】
【非特許文献4】岡崎賢、神宮司誠也、占部憲、他、
“実験的関節症での骨棘形成におけるInsulin-like Gro
wth Factor 1の発現”、日整会誌、72(8):S1484、19
98
【0013】
【非特許文献5】梅澤明広、“骨髄間質細胞を用いた臓
器再生と細胞移植”、炎症・再生、21(4):437, 2001
【0014】
【非特許文献6】大串始、三宅淳、立石哲也“骨髄幹細
胞を用いた骨再生”、炎症・再生、21(4):434, 2001
【0015】
【非特許文献7】Terada, N., Hamazaki, T., Oka, M.,
Hoki, M., Mastalerz, D..M.,Nakano, Y.,Meyer, E.
M., Morel, L., Petersen, B.E. & Scott, E.W.“Bone
marrow cells adopt phenotype of other cells by spo
ntaneous cell fusion.”Nature 416, 542-545 (2002).
【0016】
【非特許文献8】Ying, Q-L., Nichols, J., Evans, E.
& Smith, A. G. Changing potency by spontaneous fu
sion. Nature 416, 545-548 (2002).
【0017】
【非特許文献9】Hall, J. & Lausmaa, J. "Properties
of a new porous oxide surface on titanium implant
s" Applied Osseointegration Research 1(1), 5-8 (20
00)
【0018】
【非特許文献10】Wieland, M., Textor, M., Spence
r, N. D. & Brunette, D. M. "Wavelength-dependent r
oughness: a quantitative approach to characterizin
g the topography of rough titanium surfaces" Int J
oral Maxillofac Implants16(2), 163-181 (2001)
【0019】
【非特許文献11】Ogiso, M., Yamashita, Y., Tabat
a,T., Lee, R. & Borgese, A. D."The delay method: a
new surgical technique for enhancing the bone-bin
ding capability of HAP implants to bone surroundin
g implant cavity preparations" J Biomed Mater Res
18, 805-812 (1994)
【0020】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、大きな
骨欠損部に対する生体適合性材料からなる人工骨の適用
には限界がある。また顎骨の吸収や萎縮が進行している
症例に人工歯根を適用する場合にも多量の採骨を必要と
しない骨再生の技術が求められている。さらに骨内に埋
入される人工骨頭などの人工骨や人工歯根の適用に際し
ては、埋入後速やかに周囲の骨と一体化し強固な植立が
得られるための人工骨や人工歯根の確立が求められてい
る。
【0021】従って、本発明では従来技術における上記
のような種々の問題点を解決し、臨床応用可能な自発的
骨形成を誘導する人工骨および人工歯根に適する生体適
合性材料からなる多孔質構造体または表面粗造構造体、
ならびにそれらの製造方法の提供を目的とするものであ
る。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明は、以下に示す手
段により上記課題を解決するものである。
【0023】本発明の第1の態様は、多孔質構造体であ
って、微細骨粉を含浸させた生体適合性材料からなるこ
とを特徴とする。
【0024】本発明の第2の態様は、本発明の第1の態
様の多孔質構造体であって、平均孔径0.005〜50
μmの微細な連続気孔を構造体の全体にわたって有し、
該微細な連続気孔は、構造体の外部表面の50μm平方
の範囲内に少なくとも1つ以上存在していることを特徴
とする。
【0025】本発明の第3の態様は、本発明の第1の態
様の多孔質構造体であって、構造体の外部表面とつなが
る平均孔径100〜1000μmのマクロな連続気孔を
構造体の全体にわたって有するとともに、マクロな気孔
相互間に存在する生体適合性材料の全体にマクロな気孔
と連続する平均孔径0.005〜50μmの微細な連続
気孔を有し、該マクロな連続気孔は構造体の外部表面1
000μm平方の範囲内に少なくとも1つ以上存在し、
かつ該微細な連続気孔はマクロな気孔相互間に存在する
生体適合性材料の表面50μm平方の範囲内に少なくと
も1つ以上存在していることを特徴とする。
【0026】本発明の第4の態様は、本発明の第1の態
様の多孔質構造体であって、構造体の外部表面とつなが
る平均孔径100〜1000μmのマクロな連続気孔を
構造体の全体にわたって有するとともに、マクロな気孔
相互間に存在する生体適合性材料の表面に大きさおよび
深さがそれぞれ平均0.005〜50μmの微細な陥凹
部を表面の50μm平方の範囲内に少なくとも一つ以上
有し、該マクロな連続気孔は多孔質構造体の外部表面1
000μm平方の範囲内に少なくとも1つ以上存在する
ことを特徴とする。
【0027】本発明の第5の態様は、本発明の第1から
第4の態様の多孔質構造体であって、前記生体適合性材
料は、セラミックス、金属、および高分子材料からなる
群の少なくとも1つから選ばれることを特徴とする。
【0028】本発明の第6の態様は、本発明の第5の態
様の多孔質構造体であって、前記セラミックスは、リン
酸カルシウム系セラミックスであることを特徴とする。
【0029】本発明の第7の態様は、本発明の第1から
第6の態様の多孔質構造体であって、前記骨粉が脱灰処
理を施していない生の骨を粉砕して得た骨粉であること
を特徴とする。
【0030】本発明の第8の態様は、本発明の第1から
第6の態様の多孔質構造体であって、前記骨粉が脱灰骨
粉であることを特徴とする。
【0031】本発明の第9の態様は、本発明の第1から
第8の態様の多孔質構造体であって、多孔質構造体に含
浸させる微細骨粉の大きさが平均50μm以下であるこ
とを特徴とする。
【0032】本発明の第10の態様は、本発明の第1か
ら第9の態様における多孔質構造体の製造方法であっ
て、骨粉を作製する工程と、多孔質構造体に骨粉を含浸
させる工程を含むことを特徴とする。
【0033】本発明の第11の態様は、人工骨であっ
て、本発明の第1から第9の態様の多孔質構造体である
ことを特徴とする。
【0034】本発明の第12の態様は、人工骨または人
工歯根であって、本発明の1、2、5、6、7、8また
は9の態様の多孔質構造体を人工骨または人工歯根の外
表面部に平均100μm未満の厚さで用いることを特徴
とする。
【0035】本発明の第13の態様は、人工骨または人
工歯根であって、本発明の1、3、4、5、6、7、8
または9の態様の多孔質構造体を人工骨または人工歯根
の外表面部に平均100μm以上の厚さで用いることを
特徴とする。
【0036】本発明の第14の態様は、表面粗造構造体
であって、骨粉を含浸させた生体適合性材料からなるこ
とを特徴とする。
【0037】本発明の第15の態様は、本発明の第14
の態様における表面粗造構造体であって、構造体の外部
表面の50μm平方の範囲内に大きさおよび深さがそれ
ぞれ平均0.005〜50μmの微細な陥凹部を少なく
とも一つ以上有することを特徴とする。
【0038】本発明の第16の態様は、本発明の第14
または15の態様の表面粗造構造体であって、前記生体
適合性材料は、セラミックス、金属、および高分子材料
からなる群の少なくとも1つから選ばれることを特徴と
する。
【0039】本発明の第17の態様は、本発明の第16
の態様の表面粗造構造体であって、前記セラミックス
は、リン酸カルシウム系セラミックスであることを特徴
とする。
【0040】本発明の第18の態様は、本発明の第14
から第17の態様の表面粗造構造体であって、前記骨粉
が脱灰処理を施していない生の骨を粉砕して得た骨粉で
あることを特徴とする。
【0041】本発明の第19の態様は、本発明の第14
から第17の態様の表面粗造構造体であって、前記骨粉
は脱灰骨粉であることを特徴とする。
【0042】本発明の第20の態様は、本発明の第14
から第19の態様の表面粗造構造体であって、表面粗造
構造体に含浸させる微細骨粉の大きさが平均50μm以
下であることを特徴とする。
【0043】本発明の第21の態様は、本発明の第14
から第20の態様の表面粗造構造体の製造方法であっ
て、骨粉を作製する工程と、構造体に骨粉を含浸させる
工程を含むことを特徴とする。
【0044】本発明の第22の態様は、人工骨または人
工歯根であって、本発明の第14から第20の態様の表
面粗造構造体を人工骨または人工歯根の外表面部に用い
ることを特徴とする。
【0045】
【発明の実施の形態】次に、本発明についてさらに詳細
に説明する。
【0046】健常な動物の骨ではリモデリングが繰り返
されており、通常、骨吸収と骨再生のカップリングが成
立している。しかし、吸収と再生は常にバランスが取れ
ているわけではない。
【0047】骨折に際して外傷部での骨吸収はわずかで
あるのに対し、形成される骨の量は多い。骨に穴を開け
ると骨切削面での骨吸収はわずかであるのに骨形成は穴
を満たす程に生ずる。また、海綿骨域の黄色骨髄を洗浄
除去するとその骨髄域に大量の骨が形成されるのに対し
骨形成中心となる元来の骨表面での骨吸収は少ない。こ
れらのことは、吸収を受けた量以上の骨を再生させる能
力、つまり過剰な自己再生能力を骨自身が本来的に有し
ていることを示している。
【0048】骨基質内には骨形成に関係する様々な増殖
因子が含まれている。BMPは骨形成プロセスの上流に
あると考えられている増殖因子であるが、BMP単独の
投与により骨形成を生じさせることは上述のようにヒト
では困難である。前述のような吸収以上の骨再生は、骨
吸収に伴ってBMPを含む様々な骨増殖因子が骨から遊
離・活性化され、それらが外傷部で増殖した間葉系幹細
胞に複合的にかつ効率良く作用し、骨再生が可能な環境
を骨吸収部の周囲に作り出すことに始まると考えられ
る。またこのような環境域での骨形成の直接的な開始
は、骨面もしくは骨吸収を受けた骨面に沿って骨芽細胞
が分化・出現することで始まり、骨から離れた部位で骨
芽細胞がいきなり出現することは通常ない。
【0049】また、骨芽細胞に分化し得る間葉系幹細胞
は骨組織内にのみ存在するわけではない。骨の発生学的
起源である間葉組織に由来する脂肪組織を含む結合組織
また筋肉などの軟組織にも、骨芽細胞を含むさまざまな
細胞に分化し得る未分化間葉細胞または間葉系幹細胞が
残っていると考えられている。
【0050】一方、健常な骨のリモデリングに際して吸
収と再生はバランスが取れており、必要以上の骨が再生
されない、また脂肪組織や筋肉内で通常骨が形成されな
いのは、骨形成に対する因子の欠如また阻止因子の作用
によると考えられる。
【0051】以上のことは、骨組織内のみならず脂肪組
織、線維性結合組織また筋肉組織内においても、骨形成
阻止因子を排除できる人為的なスペースを確保しそのス
ペースで骨をうまく使えば、大量の骨形成が可能になる
ことを示唆している。その際、スペース内で骨から遊離
する一連の骨増殖因子が豊富になりしかも骨の一部が残
在する条件が満たされなければならない。
【0052】よって、本発明は、骨の再生能力を最大限
発揮させ得るような特殊な環境を設定することにより、
わずかな骨から大量の骨を再生させることの可能な生体
適合性材料からなる構造体を提供するものである。
【0053】より具体的には、骨を増殖させるための上
記構造体は、多孔質構造体のマクロな気孔内、およびマ
クロな気孔相互間に存在する生体適合性材料の全体もし
くは表面に分布する微細な気孔内または表面の微細な陥
凹部に、少量の骨から調整された微細な骨粉を分散し含
浸させた生体適合性材料からなる構造体である。該構造
体は、軟組織内、骨内、または骨に接触させて移植する
ことにより用いる。
【0054】移植後早期に、マクロな気孔内で破骨細胞
やマクロファージによって骨粉を効率良く吸収させ、骨
形成に必須である骨増殖因子が豊富な環境を多孔質構造
体内に作り出させるとともに、微細な気孔内もしくは陥
凹部に含浸させた骨粉については破骨細胞やマクロファ
ージの攻撃から身をかわさせ、マクロな気孔内で増殖し
た間葉系幹細胞に対して骨芽細胞への分化を誘導させよ
うとするものである。つまり微細な気孔もしくは表面に
微細な陥凹部を持つ生体適合性材料とそれらの気孔もし
くは陥凹部に入り込んだ微細な骨粉の複合体を骨芽細胞
分化のための足場(スカッフォールド)とする。またこ
れらの現象を多孔質構造体内で生じさせることで、多孔
質構造体の外部組織にいると考えられる骨形成阻止因子
の影響を排除し、多孔質構造体内での多量の骨形成を可
能にする。
【0055】また骨内に埋入される人工骨頭などの人工
骨や人工歯根ではそれらが埋入後早期に周囲の骨と癒合
することが望まれる。最も有効な手段は、人工骨や人工
歯根に自発的な骨形成能を持たせておくことであり、周
囲の骨組織や骨切削面から始まる骨形成が人工骨や人工
歯根に達し両者が結合するのを待つことではない。自発
的な骨形成能を持たない人工骨や人工歯根が骨形活性が
低い骨に埋入された場合、埋入後に元来の骨からの骨形
成が人工骨や人工歯根に達する前に人工骨や人工歯根の
周囲に繊維性結合組織が形成されてしまい、その後の骨
結合は困難になる(非特許文献11参照。)。しかし、
人工骨や人工歯根の表面を多孔性や粗造にし、その微細
な気孔内や陥凹部に骨粉を含浸させ、骨芽細胞が分化・
出現する足場をあらかじめ設定しておくことで人工骨や
人工歯根に自発的骨形成能を持たせることが出来、その
結果繊維性結合組織による被包化を防ぐことが出来る。
人工骨や人工歯根の内部にも太い骨の形成を図る場合に
は、それらの表面部に、マクロな気孔およびマクロな気
孔相互間に存在する生体適合性材料の表面に微細な気孔
もしくは微細な陥凹のある多孔質構造の厚い層を設け、
その多孔質構造内に骨粉を含浸させる。
【0056】また、骨形成を誘導するものは骨だけでは
ない。骨と発生学的に近いとともに、組織構造的にも類
似した歯の大部分を占める象牙質やセメント質も有効で
ある。実際、脱灰歯根が骨誘導能を有することがすでに
報告されている(Monica, F.G., Mario, S. A. & Terez
inha O N,“Histologic evaluation of the osteoinduc
tive property of autogeneous demineralized dentin
matrix on surgicalbone defects in rabbit skulls us
ing human amniotic membrane for guided bone regene
ration”, Int J Maxillofac Implants, 16:563-571、2
001)。したがって、本発明において歯の粉砕体を人工
骨および人工歯根用生体材料に含浸させてもよい。
【0057】A.粉砕体用の生体由来の硬組織 本発明の粉砕体用の生体由来の硬組織には、骨または歯
を用いることができる。
【0058】1)粉砕体用の骨:骨はヒトの骨以外に
も、ウシなどの哺乳類はもとより魚なども含め脊椎動物
全般の広範囲な動物の骨も抗原性の減弱化処理により利
用することが出来る。好ましくは、ヒトの骨を用いる。
ヒトの骨は、米国等より商業的に入手することもできる
が、自己由来の骨が最も好ましい。
【0059】また、骨の採取部位としては、腸骨、顎
骨、脛骨、大腿骨が含まれるが、特にこれらの部位に限
定されない。
【0060】一般に、自家骨の移植には、活性の高い骨
髄を含む海綿骨もしくは海綿骨を含む骨が好まれ、皮質
骨は細胞成分が少ないため移植に適さない。しかしなが
ら、本発明に用いる骨は、海綿骨に限られず、皮質骨を
用いることもできる。
【0061】本発明において粉砕体用の骨には、生の状
態に限られず、それを化学処理したもの、例えば脱灰骨
等をも含むことを意図する。
【0062】脱灰骨とは、酸処理した骨をいう。脱灰処
理をすると、抗原性が減弱化すること、骨基質中の分化
増殖因子が活性化すること等の理由から移植したときに
良い結果を生むと考えられている。具体的には、0.5
〜0.6モル程度の濃度の塩酸を用い温度4℃の条件で
脱灰する。脱灰時間は骨片の大きさ、量により異なる
が、直径0.5mmの骨粉1キログラムを完全に脱灰す
るには、攪拌機でよく攪拌しながら10リットルの塩酸
を1度交換し合計20リットル用いた場合に2日位であ
る。脱灰後、大量の生理的食塩水で洗浄、もしくは大量
の水道水でpHが中性になるまで洗浄し最後に蒸留水で
洗浄することにより中和する。さらに、アセトンで水を
置換すると同時に脱脂し乾燥させる。アセトンの脱脂処
理は行ったほうが好ましい。その後の保管はフリーザー
を用いる。滅菌処理としてエチレンオキサイドガスを用
いることも可能である。
【0063】2)粉砕体用の歯:歯の場合には、象牙質
を有する動物のものならばいずれの動物の歯も利用でき
る。
【0064】B.骨粉の作製 本明細書においては、骨粉という場合には、骨の粉砕体
に限られず、歯の粉砕体をも含むことを意味する。
【0065】メス、トレパンバー等を用いて生体の骨か
ら骨片を摘出する。歯は顎からヘーベル、鉗子等で抜歯
する。粉砕には乳鉢もしくは粉砕機等を用いる。乳鉢・
粉砕機の容器はいずれも、骨や歯の無機質成分であるア
パタイトより硬い材質のものが好ましい。また粉砕に先
立ちペンチ等で細片化しておき、粉砕機を用いる場合に
は容器を低温にするとともに骨や歯の細片を凍結させた
後に行うと効率が良い。骨粉のサイズはそれが大きいこ
とによるメリットは特にない。少量の骨からの骨粉を広
範囲にかつ分布密度が高い状態で分散させられ、しかも
多孔質構造体の内部にまで容易に含浸させられるサイズ
でなければならない。また、多孔質構造体のマクロな気
孔内に含浸された骨粉が破骨細胞やマクロファージによ
って速やかに吸収されるサイズであり、かつ骨粉の一部
はマクロな気孔相互間に存在する生体適合性材料の全体
もしくは表面に分布する微細な気孔あるいは陥凹部に入
り込み細胞攻撃から身をかわすことの出来るようなサイ
ズでなければならない。したがって、粉砕は粉体のサイ
ズが平均50μm以下、好ましくはサブミクロンサイズ
を含む20μm以下になるまで行う。化学処理した脱灰
骨の粉砕体を使用する場合は、大き目のサイズの骨を脱
灰した後に微粉化させるのが微粉の採取の観点から好ま
しい。
【0066】本明細書においては、骨の粉砕体という場
合には、生の状態の粉体に限られず、それを化学処理し
て抽出されたもの、例えば脱灰骨粉等をも含むことを意
味する。
【0067】C.多孔質構造体および表面粗造構造体 1)人工骨の全体が多孔性をなす多孔質構造体:骨再生
を目的としたもので、多孔質構造体の内部の全体に骨形
成を促すことを目的とした比較的大きなブロック状のも
のと、骨欠損部や骨陥凹部に比較的小さな顆粒状の多孔
質構造体を補填して補填域全体に骨形成を促そうとする
顆粒状多孔質骨補填材の双方を含むことを意図する。本
発明の多孔質構造体は、生体適合性材料からなる。
【0068】生体適合性材料は、セラミックス、高分子
材料、および金属からなる群の少なくとも一つから選ば
れる。
【0069】セラミックスは、ヒドロキシアパタイトお
よび三リン酸カルシウムなどリン酸カルシウム系セラミ
ックスや動物の焼成骨を用いることができるが、これに
限定されない。
【0070】高分子材料は、キチンやキトサン、コラー
ゲンやゼラチン、ポリ乳酸、ポリグリコール酸等を主成
分とする生分解性高分子材料が好ましいが、メチルメタ
クリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレートを主
成分とする重合体等これに限定されない。
【0071】金属は、チタン、チタン合金等を用いるこ
とができるが、これらに限定されない。
【0072】ブロック状の多孔質構造体は、構造体の外
部表面とつながる平均孔径100〜1000μm、好ま
しくは100〜500μmのマクロな連続気孔を構造体
の全体にわたって有するとともに、かつマクロな気孔相
互間に存在する生体適合性材料の全体にマクロな気孔と
連続する平均孔径0.005〜50μmの微細な連続気
孔を有し、そのマクロな連続気孔は構造体の外部表面1
000μm平方の範囲内に少なくとも1つ以上存在し、
かつその微細な連続気孔は該生体適合性材料の表面の5
0μm平方に少なくとも1個以上存在していることが好
ましい。またはマクロな気孔相互間に存在する生体適合
性材料の表面に大きさおよび深さがそれぞれ平均0.0
05〜50μmの微細な陥凹部を表面の50μm平方の
範囲内に少なくとも一つ以上有するものであっても良
い。
【0073】マクロな気孔の孔径が100μm以下では
多孔質構造体深部への栄養血管の侵入形成が遅れ、骨粉
を含浸させても多孔質構造体内での良好な骨形成が得ら
れない。多孔質構造体の肉厚が5mm以上の場合には、
マクロな気孔の孔径は100μmより大きい方が好まし
い。一方、このような構造の多孔質構造体内での骨形成
は主としてマクロな気孔相互間に存在する生体適合性材
料の表面に沿って形成され、マクロな気孔の中央部分で
は骨髄が形成される。従って、マクロな気孔の孔径が1
000μm以上の場合、多孔質構造体内での実質的な骨
の形成量が少なくなり、また1000μm以上では周囲
軟組織の骨形成阻止因子の影響が多孔質構造体内に及ぶ
リスクがある。よって、多孔質構造体の肉厚が10mm
以下の場合には500μmを上限にすることが望まし
い。またマクロな気孔相互間に存在する生体適合性材料
の表面の微細な気孔もしくは陥凹部では微細な骨粉が含
浸するとともに、その骨粉が破骨細胞やマクロファージ
の攻撃にさらされてもそれらの攻撃が不十分で一部残る
ことが肝要であるため、気孔径もしくは陥凹部の大きさ
が50μm以下であることが望ましい。気孔径もしくは
陥凹部の大きさが0.005μm以下では骨の最小の有
形物である骨結晶の含浸が不可能であるばかりか、その
ような気孔もしくは陥凹部には細胞突起も入れず、骨芽
細胞の分化が不可能となる。
【0074】リン酸カルシウム系セラミックスによる多
孔質構造体の場合、多孔質構造体内での骨形成量を多く
することに重点を置き、多孔質構造体そのものの強度を
それほど必要としない用い方の場合には高気孔率のもの
が良く、気孔率が60〜95パーセントが好ましい。ま
た多孔質構造体の強度が必要な場合には気孔率が40〜
60パーセントが好ましい。
【0075】顆粒状多孔質骨補填材では補填域におい
て、顆粒内や顆粒相互間の間隙で良好な骨形成が生ずる
ことが望まれる。顆粒状多孔質骨補填材の構造は、平均
孔径0.005〜50μmの微細な連続気孔を構造体の
全体にわたって有し、その微細な連続気孔を表面の50
μm平方に少なくとも1つ以上有しているもの、または
前述のマクロな気孔を有する多孔質構造体を粉砕して得
られたものいずれでも良い。
【0076】前者の構造の場合、顆粒のサイズは骨形成
が主として顆粒の表面に形成され内部での骨形成がそれ
ほど期待されないこと、また顆粒が補填された場合の顆
粒相互間隙の広さおよび補填域全体における骨形成から
考えて、1mm以上のものは間隙が広くなることで骨形
成量が少なくなるとともに骨が形成されない顆粒部分が
広くなり好ましくない。一方100μm以下のものは間
隙が狭くなり過ぎ栄養血管の侵入形成が遅れる危険性が
ある。両者の間のサイズが好ましい。しかし、顆粒がマ
クロな気孔を有する多孔質構造体を粉砕して得られたも
のの場合、1mm以上のものでも顆粒内で骨が形成され
るため、1mm以上のものと1mm以下のものとを混在
させて補填することで、補填域全体における良好な骨形
成が得られる。したがって、100μm以上、数mmま
でのサイズが可能である。
【0077】2)人工骨または人工歯根の表面部が多孔
性の多孔質構造体:これには多孔質部分の厚みが外部表
面から平均100μm未満のものと、平均100μm以
上のものがあり、いずれも骨内に埋入される人工骨頭な
どの人工骨や人工歯根として用いられる。本発明の多孔
質構造体は金属、セラミックス、高分子材料、およびこ
れらの複合体から選ばれる。
【0078】セラミックスは、ヒドロキシアパタイトお
よび三リン酸カルシウムなどリン酸カルシウム系セラミ
ックス、アルミナ、ジルコニア等を用いることができる
が、これらに限定されない。
【0079】金属は、チタン、チタン合金等を用いるこ
とができるが、多孔質層を形成できる生体適合性金属で
あれば、これらに限定されない。
【0080】高分子材料は、メチルメタクリレート、2
−ヒドロキシエチルメタクリレートを主成分とする重合
体が好ましいが、キチンやキトサン、コラーゲンやゼラ
チン、ポリ乳酸、ポリグリコール酸等を主成分とする生
分解性高分子材料等これに限定されない。
【0081】多孔質部分の厚みが外部表面から平均1
00μm未満の人工歯根・人工骨:多孔質部分の厚みが
外部表面から平均100μm未満の多孔質構造体は平均
孔径が0.005〜50μmの微細な連続気孔を多孔質
部分の全体にわたって有し、その微細な連続気孔が表面
の50μm平方に少なくとも1つ以上存在していること
が好ましい。本発明の人工骨・人工歯根では表面に骨粉
を含浸させることで、埋入後に人工歯根・人工骨の表面
で骨芽細胞の分化・出現を自発的に生じさせ、周囲骨と
の結合をより早期にまた確実に得させようとするもので
ある。全体が多孔性である多孔質構造体での良好な骨形
成のためには、前述の通り、マクロな気孔に含浸した骨
粉を吸収させて多孔質体内に骨増殖因子の高濃度な環境
を作り出すことが重要である。しかし、人工歯根・人工
骨は骨内に埋入されるもので、それらの周囲は基本的に
骨形成環境である。したがって、人工歯根・人工骨の周
囲に骨増殖因子の高濃度な環境を人為的に作り出す必要
は特にない。
【0082】多孔質部分の厚みが外部表面から平均1
00μm以上の人工歯根・人工骨:多孔質部分の厚みが
外部表面から平均100μm以上の多孔質構造体は、構
造体の外部表面とつながる平均孔径100〜1000μ
m、好ましくは100〜500μmのマクロな連続気孔
を多孔質部分の全体にわたって有するとともに、マクロ
な気孔相互間に存在する生体適合性材料の全体にマクロ
な気孔と連続する平均孔径0.005〜50μmの微細
な連続気孔を有し、そのマクロな連続気孔は構造体の外
部表面1000μm平方の範囲内に少なくとも1つ以上
存在し、かつその微細な連続気孔はマクロな気孔相互間
に存在する生体適合性材料の表面50μm平方の範囲内
に少なくとも1個以上存在していることが好ましい。ま
たはマクロな気孔相互間に存在する生体適合性材料の表
面に大きさおよび深さがそれぞれ平均0.005〜50
μmの微細な陥凹部を表面の50μm平方の範囲内に少
なくとも一つ以上有するものであっても良い。本発明の
人工骨・人工歯根では、表面の厚い多孔質部分に骨粉を
含浸させることで多孔質部分の内部及び表面に強い骨を
自発的に形成させ、その骨と人工骨・人工歯根周囲の骨
が結合することによって、骨内での強固な植立を得よう
とするものである。
【0083】3)表面粗造構造体:骨内に埋入される人
工骨頭などの人工骨や人工歯根の外表面部に用いられ
る。本発明の表面粗造構造体は生体適合性材料からな
る。
【0084】生体適合性材料は、金属、セラミックス、
高分子材料、およびこれらの複合体から選ばれる。
【0085】セラミックスは、ヒドロキシアパタイトお
よび三リン酸カルシウムなどリン酸カルシウム系セラミ
ックス、アルミナ、ジルコニア等を用いることができる
が、これらに限定されない。
【0086】金属は、チタン、チタン合金等を用いるこ
とができるが、これらに限定されない。
【0087】高分子材料は、メチルメタクリレート、2
−ヒドロキシエチルメタクリレートを主成分とする重合
体が好ましいが、キチンやキトサン、コラーゲンやゼラ
チン、ポリ乳酸、ポリグリコール酸等を主成分とする生
分解性高分子材料等これに限定されない。
【0088】表面構造は表面に大きさおよび深さがそれ
ぞれ平均0.005〜50μmの微細な陥凹部を少なく
とも表面の50μm平方の範囲内に一つ以上有する粗造
面であることが好ましい。これは表面の陥凹部に骨粉を
含浸させることで、埋入後に人工歯根・人工骨の表面で
自発的な骨芽細胞の分化・出現を生じさせるための足場
を提供する。
【0089】金属の場合、具体的には、金属表面の王水
処理や陽極酸化処理、またこれらとグリットブラスト処
理の併用により、表面に平均0.005〜50μmの大
きさの微細な陥凹部を作成することができ、またリン酸
カルシウム系セラミックスの場合グリットブラスト処
理、酸処理及び両者の併用で作成できるが、これに限定
されない。
【0090】D.多孔質構造体および表面粗造構造体へ
の骨粉の含浸 多孔質構造体および表面粗造構造体への骨粉の含浸に
は、骨粉の浮遊液を含浸させることで行うのが適切で以
下にその方法を説明する。
【0091】1)骨粉浮遊液の調整:粉砕機もしくは乳
鉢で粉砕された骨粉または脱灰骨粉に生理食塩水もしく
は移植対象者の血漿、血清を加えた後、撹拌機および超
音波を用い骨粉を拡散させる。この際、骨形成に関わる
特定の増殖・分化因子、抗ウィルス性薬剤、抗菌剤及び
抗生物質、免疫抑制剤を添加することも出来る。
【0092】2)骨粉の含浸:骨粉の浮遊液を多孔質構
造体および表面粗造構造体へ含浸させるためには、単な
る浸漬のみならずバイブレーター、減圧装置、撹拌機及
び超音波を用いる。まず多孔質構造体および表面粗造構
造体の入った容器をバイブレーターにあてがい骨粉浮遊
液を少しずつ滴下する。肉厚5mm以上の多孔質構造体
の場合には多孔質構造体に貫通性の穴を設けるのが良
い。また肉厚10mm以上の場合には一端が閉鎖系の穴
を開け穴の開放部に注射針もしくはチュウブを取り付け
ておき、滴下後注射筒などの減圧装置で骨粉浮遊液を多
孔質構造体内に誘導することが好ましい。その後オイル
レス真空ポンプ等の減圧機で構造体から残る気泡を脱泡
し大気圧に戻すことで骨粉浮遊液の含浸を促進する。こ
の際、撹拌機の併用は骨粉の凝集、沈殿を防ぐ。さらに
容器を超音波槽に浸し多孔質構造体および表面粗造構造
体に含浸した骨粉を分散させ、微細な骨粉が多孔質構造
体および表面粗造構造体の微細な気孔内または陥凹部へ
含浸するのを促進する。
【0093】3)骨粉含浸多孔質構造体および表面粗造
構造体の保管:骨粉含浸多孔質構造体および表面粗造構
造体は、原則として含浸後直ちに移植もしくは埋入する
のが好ましいが、数日以内であれば通常の冷蔵庫で保管
可能である。それ以上の期間の保管に際しては−80℃
以下のフリーザーで保管するのが好ましく、この場合数
ヶ月程度の保管が可能である。なお、骨粉浮遊液の調整
に際し生理的食塩水で行った場合には使用時に生理的食
塩水を移植対象者の全血、血漿もしくは血清と置換する
のが好ましい。
【0094】また、骨粉浮遊液の調整に際し用いる液を
生理的食塩水で行い、骨粉含浸後に凍結乾燥してフリー
ザーで保管し、使用時に対象者の全血、血漿や血清を気
孔内や粗造面に浸透させる方法もある。この方法は、不
特定多数の症例に対し前もって製造し保管するのに適し
ている。
【0095】さらに本発明を具体的に説明するが、以下
の実施例に限定されるものでない。
【0096】
【実施例】(実施例1)成犬の脛骨から歯科用電気エン
ジンに取り付けたトレパンバーを用い骨片を摘出し、こ
れを無菌的環境下、生理的食塩水中でアルミナ製乳鉢を
用い粉砕した。生理的食塩水中で撹拌した骨粉入り生理
的食塩水14ccを15ccコニカルチューブに入れ、
これを遠心分離機で3000回転(約1000g)に達
するまで回転させた。3000回転に達した時点でブレ
ーキをかけ、生理的食塩水を除去した。この条件で沈殿
した骨粉体積の10〜30倍(骨粉作製以前の緻密骨の
体積に対し約80倍〜240倍)になるまで血漿を加え
て骨粉を拡散させ骨粉浮遊液を調整した。骨粉浮遊液
を、マクロな気孔および微細な気孔を有するハイドロキ
シアパタイトを成分とする大きさ約6mm立法で気孔率
約85パーセントの多孔質構造体の入った容器にバイブ
レーター使用下で滴下し、その後100W、28khz
の超音波および撹拌機を併用し、10℃以下の冷却下で
10分間の含浸操作を行った。多孔質構造体に貫通性の
穴は設けなかった。骨粉の含浸後血漿1ccあたりヒト
由来のトロンビンを1単位加え、凝血させた。その後多
孔質構造体のみを同一犬の背部皮下の脂肪組織内に移植
した。移植後2週、4週、6週、8週で多孔質構造体を
周囲脂肪組織とともに摘出して多孔質構造体内の組織形
成の状態を観察した。
【0097】その結果、移植後2週では多孔質構造体内
部の広範な領域に未だ血液成分が残存し周辺部において
も骨形成は見られない。しかし、4週になると多孔質構
造体内部の各所でマクロな気孔内に含浸した骨粉はすで
にほとんどが吸収・消失し、マクロな気孔相互間に存在
する生体適合性材料の表面を基盤として骨形成が見られ
るようになる(図1)。8週になると多孔質構造体内の
全域で骨が形成されるとともに、マクロな気孔の中央部
では洞様毛細血管、造血を伴う骨髄も形成され、多孔質
構造体が正常な骨組織で満たされた状態となった。ま
た、多孔質構造体の周囲には移植床である通常の脂肪組
織が見られる(図2)。
【0098】(実施例2)表面粗造構造体を外表面部に
有する緻密質アパタイト人工歯根と、厚さ100μm未
満の多孔質構造体を外表面部に有するチタン人工歯根
に、実施例1と同様な方法でそれらの粗造面または多孔
質内へ骨粉の含浸を行った。前者アパタイト人工歯根は
ペンタックス社製人工歯根アパセラム(登録商標)の表
面を50μmアルミナビーズを用い2気圧でブラスト処
理を行い、さらに100W、28khzの超音波下でp
H約2.5の塩酸テトラサイクリン水溶液中で5分間エ
ッチング処理を行ったものである。ブラスト処理による
大きさ約10μm、深さ約5μmの陥凹が全面に生じて
いる(図3)とともにエッチング処理により焼結体を構
成する約0.5μmの一次粒子の相互間に陥凹が生じ
(図4)、2相性の粗造面が形成されている。また後者
チタン人工歯根はスウェーデン、ノーベルバイオケア−
社製のチタン人工歯根タイユナイト(登録商標)で、表
面部に陽極酸化方式によるTiOの多孔質層を有し、
多孔質層の厚さは10〜1μm、気孔のサイズは10μ
m以下でピークが1〜2μm、表面粗さが平均1.2μ
mのものである。2種人工歯根への骨粉含浸後、採骨し
た成犬の坐骨にそれらを埋入した。4週後人工歯根を含
む坐骨を摘出し、人工歯根の表面周囲における骨形成状
態を観察した。
【0099】その結果、表面粗造のアパタイト人工歯根
ではそのほぼ全表面に骨が添加形成され(図5)、また
その骨はアパタイトの粗造な面に直接結合している(図
6)。また表面多孔質のチタン人工歯根においても、そ
の広範な表面に骨が形成され(図7)、しかもその骨と
粗造な表面を持つ酸化チタン層は直接接しており両者間
に未石灰化層の存在は光学顕微鏡レベルでは認められな
い部分が多い(図8)。
【0100】上記アパタイト人工歯根の骨形成状態は無
処理のものに比べ勝るとも劣らない所見で、またチタン
人工歯根の骨形成状態も骨粉を含浸させていないものの
骨接着率が5割程度とされているのに比べかなり優れて
いる。
【0101】
【発明の効果】本発明の骨粉含浸多孔質構造体によれ
ば、わずかな骨を骨粉化し、その潜在的骨形成能を最大
限有効に生かす環境を設定することにより、多量の骨再
生が可能となる。付加的侵襲を伴う自家骨を用いたとし
ても、採取する骨の何十倍か以上の骨を形成させられる
ことにより、画期的な骨再生法として利用できる。しか
も骨再生のプロセスを生体内の骨内または骨面などの局
所で進行させられるばかりでなく、皮下の脂肪組織など
の異所性でも進行させられるため、方法的に安全である
とともに応用範囲が非常に広い。
【0102】さらに、本発明の生体由来の骨粉を含浸さ
せた多孔質構造体や表面粗造構造体は人工骨頭などの人
工骨や人工歯根の外表面部として用いることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】移植4週間後における多孔質構造体のマクロな
気孔相互間に存在する生体適合性材料の表面に沿った骨
形成を示す顕微鏡写真である(倍率:200倍)。
【図2】移植8週間後における多孔質構造体の全域での
骨形成を示す顕微鏡写真である(倍率:16倍)。
【図3】表面粗造のアパタイト人工歯根の表面性状を示
す弱拡大の電子顕微鏡写真である(倍率:360倍)。
【図4】表面粗造のアパタイト人工歯根の表面にアパタ
イトの一次粒子が浮き出ている状態を示す強拡大の電子
顕微鏡写真である(倍率:5170倍)。
【図5】埋入4週後における表面粗造のアパタイト人工
歯根の全表面に骨が添加形成されていることを示す顕微
鏡写真である(倍率:40倍)。
【図6】埋入4週後における表面粗造のアパタイト人工
歯根の微細な凹凸に一致して骨が形成されていることを
示す顕微鏡写真である(倍率:200倍)。
【図7】埋入4週後における多孔質構造体を表面部に有
するチタン人工歯根で、広範な表面に沿って骨が形成さ
れていることを示す顕微鏡写真である(倍率:53
倍)。
【図8】埋入4週後における多孔質構造体を表面部に有
するチタン人工歯根で、TiO からなる多孔質構造体
の表面の微細な凹凸に一致して骨が形成されていること
を示す顕微鏡写真である(倍率:200倍)。

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 微細骨粉を含浸させた生体適合性材料か
    らなる多孔質構造体。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の多孔質構造体であっ
    て、平均孔径0.005〜50μmの微細な連続気孔を
    構造体の全体にわたって有し、該微細な連続気孔は、構
    造体の外部表面の50μm平方の範囲内に少なくとも1
    つ以上存在していることを特徴とする多孔質構造体。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の多孔質構造体であっ
    て、構造体の外部表面とつながる平均孔径100〜10
    00μmのマクロな連続気孔を構造体の全体にわたって
    有するとともに、マクロな気孔相互間に存在する生体適
    合性材料の全体にマクロな気孔と連続する平均孔径0.
    005〜50μmの微細な連続気孔を有し、該マクロな
    連続気孔は構造体の外部表面1000μm平方の範囲内
    に少なくとも1つ以上存在し、かつ該微細な連続気孔は
    マクロな気孔相互間に存在する生体適合性材料の表面5
    0μm平方の範囲内に少なくとも1つ以上存在している
    ことを特徴とする多孔質構造体。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の多孔質構造体であっ
    て、構造体の外部表面とつながる平均孔径100〜10
    00μmのマクロな連続気孔を構造体の全体にわたって
    有するとともに、マクロな気孔相互間に存在する生体適
    合性材料の表面に大きさおよび深さがそれぞれ平均0.
    005〜50μmの微細な陥凹部を表面の50μm平方
    の範囲内に少なくとも一つ以上有し、該マクロな連続気
    孔は多孔質構造体の外部表面1000μm平方の範囲内
    に少なくとも1つ以上存在することを特徴とする多孔質
    構造体。
  5. 【請求項5】 請求項1から4のいずれか一項に記載の
    多孔質構造体であって、前記生体適合性材料は、セラミ
    ックス、金属、および高分子材料からなる群の少なくと
    も1つから選ばれることを特徴とする多孔質構造体。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の多孔質構造体であっ
    て、前記セラミックスは、リン酸カルシウム系セラミッ
    クスであることを特徴とする多孔質構造体。
  7. 【請求項7】 請求項1から6のいずれか一項に記載の
    多孔質構造体であって、前記骨粉が脱灰処理を施してい
    ない生の骨を粉砕して得た骨粉であることを特徴とする
    多孔質構造体。
  8. 【請求項8】 請求項1から6のいずれか一項に記載の
    多孔質構造体であって、前記骨粉が脱灰骨粉であること
    を特徴とする多孔質構造体。
  9. 【請求項9】 請求項1から8のいずれか一項に記載の
    多孔質構造体であって、多孔質構造体に含浸させる微細
    骨粉の大きさが平均50μm以下であることを特徴とす
    る多孔質構造体。
  10. 【請求項10】 請求項1から9のいずれか一項に記載
    の多孔質構造体の製造方法であって、骨粉を作製する工
    程と、多孔質構造体に骨粉を含浸させる工程を含むこと
    を特徴とする製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項1から9のいずれか一項に記載
    の多孔質構造体であることを特徴とする人工骨。
  12. 【請求項12】 請求項1、2、5、6、7、8または
    9のいずれか一項に記載の多孔質構造体を人工骨または
    人工歯根の外表面部に平均100μm未満の厚さで用い
    ることを特徴とする人工骨または人工歯根。
  13. 【請求項13】 請求項1、3、4、5、6、7、8ま
    たは9のいずれか一項に記載の多孔質構造体を人工骨ま
    たは人工歯根の外表面部に平均100μm以上の厚さで
    用いることを特徴とする人工骨または人工歯根。
  14. 【請求項14】 骨粉を含浸させた生体適合性材料から
    なる表面粗造構造体。
  15. 【請求項15】 請求項14に記載の表面粗造構造体で
    あって、構造体の外部表面の50μm平方の範囲内に大
    きさおよび深さがそれぞれ平均0.005〜50μmの
    微細な陥凹部を少なくとも一つ以上有することを特徴と
    する表面粗造構造体。
  16. 【請求項16】 請求項14または15に記載の表面粗
    造構造体であって、前記生体適合性材料は、セラミック
    ス、金属、および高分子材料からなる群の少なくとも1
    つから選ばれることを特徴とする表面粗造構造体。
  17. 【請求項17】 請求項16に記載の表面粗造構造体で
    あって、前記セラミックスは、リン酸カルシウム系セラ
    ミックスであることを特徴とする表面粗造構造体。
  18. 【請求項18】 請求項14から17のいずれか一項に
    記載の表面粗造構造体であって、前記骨粉が脱灰処理を
    施していない生の骨を粉砕して得た骨粉であることを特
    徴とする表面粗造構造体。
  19. 【請求項19】 請求項14から17のいずれか一項に
    記載の表面粗造構造体であって、前記骨粉は脱灰骨粉で
    あることを特徴とする表面粗造構造体。
  20. 【請求項20】 請求項14から19のいずれか一項に
    記載の表面粗造構造体であって、表面粗造構造体に含浸
    させる微細骨粉の大きさが平均50μm以下であること
    を特徴とする表面粗造構造体。
  21. 【請求項21】 請求項14から20のいずれか一項に
    記載の表面粗造構造体の製造方法であって、骨粉を作製
    する工程と、構造体に骨粉を含浸させる工程を含むこと
    を特徴とする製造方法。
  22. 【請求項22】 請求項14から20のいずれか一項に
    記載の表面粗造構造体を人工骨または人工歯根の外表面
    部に用いることを特徴とする人工骨または人工歯根。
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