JP2003315982A - ペリクル膜劣化識別方法およびそのためのペリクル膜 - Google Patents

ペリクル膜劣化識別方法およびそのためのペリクル膜

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JP2003315982A
JP2003315982A JP2002124079A JP2002124079A JP2003315982A JP 2003315982 A JP2003315982 A JP 2003315982A JP 2002124079 A JP2002124079 A JP 2002124079A JP 2002124079 A JP2002124079 A JP 2002124079A JP 2003315982 A JP2003315982 A JP 2003315982A
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pattern
pellicle film
deterioration
line
pellicle
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JP2002124079A
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Inventor
Takayuki Kuwabara
孝之 桑原
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Oki Electric Industry Co Ltd
Miyazaki Oki Electric Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
Miyazaki Oki Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ペリクル膜の劣化程度を簡単な検査で正確に判
断することができるペリクル膜劣化識別方法およびその
ためのペリクル膜を提供すること。 【解決手段】 ペリクル膜劣化識別方法において、識別
装置によって、ペリクル膜10上に形成したパターン1
3を測定し、その測定結果から前記ペリクル膜10の劣
化を識別すること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、フォトマスクへ
の塵埃付着防止用として使用されているペリクル膜自体
の劣化を識別するペリクル膜劣化識別方法およびそのた
めの測定用パターンに関するものである。
【0002】
【従来技術】近年、半導体デバイスは微細化の一途をた
どり、0.15μm以下のパターン形成技術が必要とな
ってきている。これに対応するために、ArFエキシマ
レーザーを用いたリソグラフィ技術が求められている。
【0003】ここで「パターン」とは、模様および図形
を意味し、膜の劣化を膜の伸びまたは剥がれ落ちを測定
するために形成されるものをいう。
【0004】ペリクル膜はフォトマスクへごみが付着す
ることを防止する目的で用いられており、ArFエキシ
マレーザーを用いたリソグラフィーにおいてもその重要
性は変わらない。
【0005】ペリクル膜はステッパーのフォトマスクに
かぶせる形で設けられる。このフォトマスクに光を照射
することによって、フォトマスクに描かれたパターンを
ペリクル膜を介してウェハに転写する。
【0006】従来はKrFエキシマレーザーやi線(波
長365nm)といったエネルギーの低い光を使用して
いたため問題は生じなかったが、ArFエキシマレーザ
ーを従来のペリクル膜に照射すると、ペリクル膜の膜厚
が減少したり、透過率が減少したり、位相が変化すると
いったペリクル膜の劣化が生じる。これらの劣化が生じ
ると、レジストの解像性の低下、レジストプロセスマー
ジンの低下、露光感度の低下といった問題が生じる。
【0007】また、ペリクル膜を長期間使用した場合、
紫外線やレーザ光といったエネルギーの照射により、ペ
リクル膜の中心層を構成している有機物の劣化や前記中
心層からの反射を防止するために膜を覆っている反射防
止層(以下中心層及び反射防止層を総称して、ペリクル
膜と記す)の脱落が発生する。ペリクル膜が劣化した場
合、マスクパターンが正確にウェハに転写されなかった
り、使用中に突然破裂し、飛散したペリクル膜がフォト
マスクに付着するといった不具合が生じてしまう。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ペリクル膜の劣化を測
定する方法として、ペリクル膜材料又はペリクル膜中の
スピン濃度を測定することにより、該膜の光劣化に係わ
る寿命予測を行う方法がある。ペリクル膜材料又はペリ
クル膜中のスピン濃度を測定する方法としては、電子ス
ピン共鳴法、磁化率測定法等がある。
【0009】ペリクル膜材料はパーフルオロ溶剤を溶媒
とした溶液になっている。シリコンウェハ上にこの溶液
を滴下し、ウェハを回転させてペリクル膜を形成する。
【0010】完成後、ペリクル膜にArFエキシマレー
ザーを照射して、照射後の膜厚変化を測定する。測定結
果からみると、総エネルギー量の増加と共に膜厚が減少
し、またパルス数の増加と共に膜厚が減少することが分
かる。このことから、各サンプルについてデータフィッ
ティングを行い、寿命を推定する。
【0011】寿命は、例えば、0.0125mJ/(c
m2 pulse)のパルスエネルギーにおいて膜厚が
6.6nm減少した時の総照射エネルギーとして定義し
てある。このパルスエネルギーはデバイスの作成で実際
に使用されるパルスエネルギーに相当する。また6.6
nmの膜厚減少は透過率が1%減少することに相当し、
こうなるとレジストのパターンが劣化する。
【0012】この寿命予測を行う方法によれば、寿命は
使用するレジストの感度により補正しなければならず、
この方法で求める寿命はペリクル膜を剥がして型枠には
めて使用したときの値で、シリコン基板装着状態での補
正が必要になる。このように直接測定したデータによら
ず補正処理をしたデータにより判断しなければならない
ことから、処理が煩雑になると共に正確性に欠けるもの
となる。
【0013】従って、ペリクル膜に照射された総エネル
ギー量から、ペリクル膜の劣化程度を定量的に判断する
ことは難しく、ペリクル膜の寿命前に交換するか、マス
クパターンの転写形状を判断するといった実用的な方法
しかなかった。
【0014】また、ペリクル膜の寿命の目安となる“透
過率”は、フォトマスクに張り付けた状態での測定は困
難であるため、ペリクル膜の劣化程度を検査で判断する
ことは、ほとんど不可能であった。
【0015】本発明の目的は、上記問題に鑑み、ペリク
ル膜の劣化程度を簡単な測定で正確に判断することがで
きるペリクル膜劣化識別方法およびそのためのペリクル
膜を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を達
成するために、以下の解決手段を採用する。 (1)ペリクル膜劣化識別方法において、識別装置によ
って、ペリクル膜上に形成したパターンを測定し、その
測定結果から前記ペリクル膜の劣化を識別すること。 (2)上記(1)記載のペリクル膜劣化識別方法におい
て、前記パターンが測定対象となる間隔を有する形状で
あること。 (3)上記(1)記載のペリクル膜劣化識別方法におい
て、前記パターンが測定対象となる幅を有する形状であ
ること。 (4)上記(1)乃至(3)のいずれか1項記載のペリ
クル膜劣化識別方法において、前記パターンを前記ペリ
クル膜上の遮光領域に形成すること。 (5)上記(1)乃至(4)のいずれか1項記載のペリ
クル膜劣化識別方法において、前記パターンを同形の2
本の線を平行に配置した平行線パターンとしたこと。 (6)上記(1)乃至(4)のいずれか1項記載のペリ
クル膜劣化識別方法において、前記パターンを角を有す
る図形を相互の間隔ができるように相互にずらした角ず
らしパターンとしたこと。 (7)上記(1)乃至(4)のいずれか1項記載のペリ
クル膜劣化識別方法において、前記パターンを内側に細
い線幅の円線、外側に前記内側の円線より線幅が太い円
線を、同心に配置した2重線パターンとしたこと。 (8)上記(1)乃至(4)のいずれか1項記載のペリ
クル膜劣化識別方法において、前記パターンを錐形を円
上に連続した連続錐形による円パターンとしたこと。 (9)上記(1)、(3)、(4)のいずれか1項記載
のペリクル膜劣化識別方法において、前記パターンを1
本線パターンとしたこと。 (10)ペリクル膜劣化識別方法において、識別装置に
よって、ペリクル膜の最外層の無機反射防止層における
遮光領域に形成したパターンを測定し、その測定結果か
ら前記ペリクル膜の劣化を識別すること。 (11)上記(10)記載のペリクル膜劣化識別方法に
おいて、前記パターンを微細化した格子状のパターンと
したこと。 (12)ペリクル膜において、遮光領域に識別装置によ
って測定されるパターンが形成されたこと。 (13)上記(12)記載のペリクル膜において、前記
パターンの測定対象として形成した間隔の幅および線幅
を配線パターンの線幅と同じに形成すること。 (14)上記(12)または(13)記載のペリクル膜
において、前記パターンの形状を、1本線パターン、同
形の2本の線を平行に配置した平行線パターン、内側に
細い線幅の円線、外側に前記内側の円線より線幅が太い
円線を同心に配置した2重線パターン、錐形を円上に連
続した連続錐形による円パターンまたは角を有する図形
を間隔ができるように相互にずらした角ずらしパターン
のいずれか1つとしたこと。 (15)ペリクル膜において、遮光領域に対応する無機
反射防止膜上に識別装置によって測定されるパターンを
形成したこと。 (16)上記(15)記載のペリクル膜において、前記
パターンを微細化した格子状のパターンとしたこと。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図を用いて
詳細に説明する。
【0018】(第1実施例)図1は、本発明の第1実施
例の構成図である。
【0019】図1(a)はペリクル膜をペリクルフレー
ムへ取り付けた状態を示す図であり、図1(b)は図1
(a)における測定用のパターンを拡大表示した図であ
る。
【0020】ペリクル膜10はペリクルフレーム11に
貼付され、この状態でフォトマスク20上に接着され
る。ペリクルフレーム11は連続する四辺形の型枠で構
成されている。ペリクル膜10は透光領域15(説明は
後記)に歪みが無いように前記ペリクルフレーム11に
膜周囲の取付部14により取り付けられている。
【0021】前記ペリクルフレーム11の形状は、連続
していれば他の形状でもよい。
【0022】ペリクル膜10は、単体の膜、乃至、最外
層に反射防止層を設けた2層または3層膜、即ち、反射
防止層/中心層、または、反射防止層/中心層/反射防
止層で構成される。前記反射防止層は無機材料または有
機材料からなる。
【0023】ペリクル膜10には、前記取付部14と、
この取付部14から前記ペリクルフレーム11に沿って
所定幅で遮光領域12が形成され、残りの領域には透光
領域15が形成されている。
【0024】前記遮光領域12は、ペリクル膜10に照
射された光がペリクルフレーム11で乱反射し、不要な
光がフォトマスク20を透過しないように設けられ、ペ
リクルフレーム11から一定領域にパターンの挿入を禁
止する領域として形成されている。
【0025】測定用のパターン13は、第1実施例の場
合、原則、測定対象となる間隔または幅を有する形状で
あればいかなる形状でもよい。
【0026】第1実施例の場合、検出対象であるパター
ン13は、同形の2本の線を平行に配置した平行線パタ
ーンであり、ペリクル膜10におけるペリクルフレーム
11に近い遮光領域12上に描画される。測定用のパタ
ーン13である2本の線は、その線のピッチ(間隔)を
100μm程度とし、光学式寸法測定器で測長可能なサ
イズとする。
【0027】パターン13は、第1実施例の場合、線の
幅が一定の2本の対に成った線である。両線は、直線で
あることから、平行線間の間隔は変わらず、どこで測定
しても同じ値を測定することができ、測定精度を高くす
ることができる。
【0028】前記パターン13は、上記2本の線に限ら
ず、所期の測定ができる形状であればどのような形状で
もよい。
【0029】第1実施例の場合、図1に示すようにパタ
ーン13は遮光領域12の4辺に形成されているが、任
意の辺、例えば1辺に形成することも可能である。
【0030】パターン13は、膜の任意方向の伸びを正
しく評価するために、例えば、図4に示されるように、
全方位をカバーするように線を配置する形状とすること
ができる。
【0031】識別装置(図示しない)は、光学式寸法測
定器を備え、パターンの幅または寸法を測定した測定デ
ータと記憶している基準データとを比較することによ
り、劣化識別の判断ができる機能を備えている。該識別
装置が測定およびその後の識別判断の処理を行う。
【0032】このように、パターン13は4辺に設ける
ようにしたので、膜の略全方位の伸びを測定することが
できるようになる。
【0033】図4は本発明の他のパターンを示す図であ
る。図4(a)のパターンは、全方位で間隔または線幅
を測定するためのパターンであり、内側に細い線幅の円
線、外側に前記内側の円線より線幅が太い円線を、同心
に配置した2重線パターンである。測定対象は、図に加
筆してある矢印間、即ち、中心点を含む直線上の内側円
線と外側円線の間隔B、中心を含む内側円線または外側
円線の間隔Cになる。
【0034】図4(b)のパターンは、全方位で間隔を
測定するためのパターンであり、32個の錐形を円上に
連続した連続錐形による円パターンである。測定対象
は、図示のように隣接錐形の先端間の間隔Dまたは中心
点を含む直線上の内側錐形の先端間の間隔Eになる。
【0035】このパターンによれば、任意方向の線幅を
測定することにより、膜の伸びを識別することができる
ようになる。また、前記間隔の幅および線幅を配線パタ
ーンの線幅と同じに形成すると、上記のように膜の伸び
を正しく測定することができる。
【0036】ペリクル膜の材質については、膜形成時の
剥離性に優れ、短波長の真空紫外光を長時間照射しても
これを吸収して光劣化したり分解することのない耐光性
に優れ、長寿命でかつ光透過率が高く変化のない特性と
するために、該膜を構成するポリマーの末端基を完全に
フッ素化するもので、ポリマーの末端のエステル基(−
COO−)の含有量が、末端基全体に対して200pp
m以下とする非晶質パーフルオロポリマーからなるペリ
クル膜10を使用することができる。
【0037】また、同じくペリクル膜の材質としては、
短波長の真空紫外光を長時間照射しても、光劣化したり
分解することがなく長寿命で、かつ光透過率が高く経時
変化のない特性とするために、膜材料として炭素原子と
フッ素原子のみからなる透明フッ素ポリマーを使用する
ことができる。
【0038】ペリクル膜の加工手段としては、短波長の
真空紫外光を長時間照射しても、光劣化したり分解する
ことがなく長寿命で、かつ光透過率が高く変化のない特
性を達成するために、非晶質パーフルオロポリマーを用
いたリソグラフィー用ペリクル膜において、該ペリクル
膜をフッ素ガスで処理し、表面上にフッ素化層を形成す
るか、または、非晶質パーフルオロポリマーからなるペ
リクル膜を成膜後、フッ素ガスで処理して該膜表面にフ
ッ素化層を形成する加工手段を使用することができる。
【0039】接着剤層としては、光劣化を起こすこと無
く、フッ素ポリマーよりなるペリクル膜とペリクルフレ
ームの接着強度が高く、しかも接着部位に微小しわ等の
歪みが発生しない加工性に優れた、シリコーン系接着剤
および有機フッ素系接着剤を用いることができる。この
場合、ペリクル膜の材質は、環状パーフルオロエーテル
基を有する含フッ素モノマー重合体であることが望まし
い。
【0040】一般に、ペリクル膜は、フォトリソグラフ
ィー工程においてi線等に曝されるわけであるから、ペ
リクル膜を構成する各パーツ、すなわちペリクル膜だけ
でなく、ペリクル膜をペリクルフレームに固定する接着
剤やペリクル膜をフォトマスクに固定する粘着剤にも耐
光性が要求される。特に粘着剤層は、ペリクル膜をフォ
トマスクに固定するために、ペリクル膜が張設されたペ
リクルフレームの他端面に形成されるのであるが、この
粘着剤層の耐光性が不十分な場合、光劣化に伴う粘着剤
層からのガスや揮発成分の発生などによってフォトマス
クのパターン面に結晶状異物が生成したり、光劣化によ
る粘着力の低下によってフォトマスクからペリクル膜が
脱落するという重大なトラブルを引き起こしたりするこ
とが知られている。
【0041】そこで、ペリクル膜内の発ガス等の発生を
抑制するために、ペリクルフレームの一端面に飽和炭化
水素系粘着剤層を付与することにより、粘着剤層の光劣
化によるペリクル膜内の曇り、発ガス、発塵、粘着力低
下等のない耐紫外線性ペリクル膜を構成することもでき
る。
【0042】露光方法としては、真空紫外域の光線を露
光に用いても、ペリクル膜の劣化を少なくするために、
フォトマスクを防護するためのペリクル膜を通して露光
を行う際、0.03容量%以上の酸素を含有する不活性
ガス雰囲気で露光を行う方法を使用することができる。
【0043】位置ずれを正確に測定するためには、測定
パターンを、実際の回路パターンの設計ルールと同じ寸
法を有する線状のパターンとすることにより、露光の際
に結像位置の差を生じにくくし、実際の回路パターンの
ずれを正確に測定することにより行うことも可能であ
る。
【0044】この測定は、例えば光学式寸法測定装置を
用いて、予め初期状態、この場合正常状態の測定パター
ンと、使用経過後の劣化の程度に応じた測定パターンと
の差、即ち、膜の伸びに基づくずれを検出することによ
り行う。この場合、測定パターンが、実際の回路パター
ンの設計ルールと同じ寸法を有する線状のパターンであ
ると、露光の際に結像位置の差が生じ難く、実際の回路
パターンのずれを正確に測定することができる。
【0045】(劣化原因の説明)図2は本発明の第1実
施例の動作説明図である。図2(a)、図2(b)は劣
化の過程を示す動作説明図、図2(c)は劣化の結果を
示す動作説明図、図2(d)は図2(c)におけるパタ
ーンの拡大図である。
【0046】露光処理の前段階として、フォトマスク2
0の1側面に設けたペリクルフレーム11にペリクル膜
10の取付部14を接着剤によって取り付けておく。
【0047】露光処理を行うと、図2(a)および
(b)に示すように、ペリクル膜10内に封じ込められ
た空気は、紫外線等のエネルギー線の照射により膨張す
る。寿命が近づいたペリクル膜10は、弾性力が低下し
ているので、図2(b)のように、膨張した空気の圧力
によって、張力が低下し、容易に伸びてしまう。
【0048】この結果、ペリクル膜10内の空気温度が
高ければ空気が膨張してペリクル膜10が膨れ、その
後、温度が低下すれば膨張した空気が収縮するので、図
2(c)に示すように、ペリクル膜10はもとに収縮で
きず、自重で垂れてしまう。
【0049】すなわち、このペリクル膜10の伸びは膜
自体の弾性力の低下によってもとのように縮まないこと
が原因であり、その結果伸びた歪みが残ることによる。
これにつれて、ペリクル膜10に描画された2本の線も
伸びた歪みを残し、対に成った線の間隔が伸びたり、広
がったりすることになる。
【0050】この結果、劣化が進行し、寿命が近づいた
ペリクル膜10は、膜上の最初に描画した測定用のパタ
ーンの間隔、幅、サイズ等は図2(d)に示すように変
化する。この変化を測定することにより膜の劣化を識別
することができる。
【0051】(測定方法)図2に示すように、識別装置
(図示しない)は、ペリクル膜10使用前に、光学式顕
微鏡等の光学式測定器により、測定用のパターン(対に
なった2本の線)のピッチ(間隔)Aを測定し、初期値
として記憶しておく。この時、測定誤差を排除するた
め、2本の線のピッチを測定する。
【0052】ペリクル膜10使用中、定期的にこのパタ
ーンのピッチA’を測定することにより、ペリクル膜1
0の伸びの経時的変化量を測定する。ペリクル膜10は
経時的に縮まなくなり伸びが蓄積されるようになる(A
<A’)。
【0053】前記識別装置は、パーソナルコンピュータ
により構成し、前記変化量を入力し、必要な処理を施
し、前記ピッチの変化量に閾値を設けておき、変化量が
閾値を超えたとき、ペリクル膜10の貼り替え時期と判
断させ、表示させる。
【0054】前記膜の伸びに関して具体的な数字をあげ
ると、例えば、長さ約90mmのペリクル膜10が、
0.01mm伸びた場合(約0.01mmペリクル膜1
0の中央が垂れた程度)、100μmピッチの2本の線
は、約0.01μm伸びることになる。
【0055】(第2実施例)第1実施例では、ペリクル
膜10上に描画された2本の線のピッチを測定すること
で、ペリクル膜10の劣化、貼り替えの時期を定量的に
判断したが、第2実施例は、更に簡便に、ペリクル膜1
0の劣化を判断する方法について説明する。
【0056】図3は本発明の第2実施例の構成および動
作説明図である。
【0057】図3は、角を有する図形、例えば正方形を
2個、角が接しないように、即ち間隔ができるように相
互にずらした角ずらしパターンであり、ペリクル膜10
上の遮光領域に形成する。パターンサイズは、第1実施
例と同じように、100μm程度とする。
【0058】第2実施例は、前記第1実施例と同じ動作
原理で、ペリクル膜10内の空気の膨張により、ペリク
ル膜10が伸びると、パターンの角部も同じように伸び
てしまい、間隔が広がっていくことになる。
【0059】以上のように、第2実施例のようなパター
ンを、ペリクル膜10上に描画し、間隔が広がったパタ
ーン角部に、下から光をあてることで、顕微鏡による目
視観察でペリクル膜10の劣化を判断することが可能に
なる。
【0060】言い換えれば、透過型顕微鏡による間隔観
察で、ペリクル膜10の継続使用可否、すなわち、1/
φ判定ができることになる。
【0061】(第3実施例)ペリクル膜10の劣化は、
その膜自体の伸びによる劣化だけではなく、ペリクル膜
10を構成する無機反射防止層の脱落もその要因として
挙げることができる。
【0062】第2実施例では、ペリクル膜10上に格子
状のパターンを配置し、そのコーナ部の離れ具合、すな
わちスリット幅の変化を透過光を用いてペリクル膜10
の劣化を判断したが、反射防止層上に描画するパターン
を数μm程度に微細化することで、反射防止層、特に無
機の反射防止層の剥がれを確認することも可能である。
前記パターンの形成された無機反射防止層の剥がれは、
結局、前記第1および第2実施例と同等に、パターンの
間隔または寸法等として測定できる。
【0063】即ち、使用前に、前記遮光領域に対応する
無機反射防止層上に微細化した測定用のパターンを形成
し、そのパターンを識別装置の測定器で測定し、記憶し
ておく。使用中、識別装置は、透過型顕微鏡等を用いて
前記パターンを測定し、前記パターンの欠損の有無の測
定により無機反射防止層の剥がれの有無を確認し膜劣化
を識別する。
【0064】第2の実施例と同じように、透過型顕微鏡
等を用いて、反射防止膜上に描画された格子状パターン
の脱落有無を観察することで、簡単に、反射防止膜の劣
化、すなわち、ペリクル膜10の劣化を判断することも
可能である。
【0065】図5は本発明の第3実施例の構成図および
パターン図である。図5(a)はペリクルをマスクに貼
り付けた状態の断面図である。図5(b)は、前記反射
防止層22の外側面に形成した前記格子状のパターン図
である。図5はペリクル膜が3層構造の例として説明す
る。
【0066】図5(a)において、光学薄膜21は中心
層23とその両側に貼り合わせた無機反射防止層22お
よび反射防止層24からなる。この光学薄膜21は接着
剤層25によりペリクルフレーム11に固定される。こ
の固定状態で、ペリクルフレーム11を接着剤層26を
介してマスク27に接着する。
【0067】中心層21は、光の透過性、強度等から、
ニトロセルロースやセルロースプロピオネール等のポリ
マーが用いられる。この層の厚みは使用する材料による
が、略0.3〜15μmの範囲となる。
【0068】無機反射防止層22および反射防止層24
は、低屈折率のフッ素系ポリマーおよび無機材料等が用
いられる。この無機反射防止層22および反射防止層2
4のそれぞれの層の厚みは使用する材料、反射防止の施
される波長によって異なるが、略0.05〜0.12μ
mの範囲となる。この実施例においては、膜の劣化の程
度を該膜のはがれる程度に応じて判断するために、はが
れる膜となる反射防止層22を無機材料で構成する。
【0069】接着剤層25および26は、天然物、熱硬
化性接着剤、ゴム系接着剤が用いられる。ペリクルフレ
ーム11は、一般にアルミニウム合金、プラスチック等
が用いられる。マスク27は、ステッパー用に設けら、
異物の影響が極めて鋭敏に現れるため、画像側だけでな
く、他の面にもペリクルを装着することがある。
【0070】図5(b)の格子パターンは、微細化の程
度をはがれの面積等に応じて設定する。
【0071】
【発明の効果】本発明は、ペリクル膜に形成する劣化検
出用の測定用パターンを、全方位的に正確に測定できる
新規なパターンとしたことにより、ペリクル膜の劣化の
程度を簡単な測定方法、識別方法により正確に測定およ
び識別することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の構成図である。
【図2】本発明の第1実施例の動作説明図である。
【図3】本発明の第2実施例の構成および動作説明図で
ある。
【図4】本発明の他のパターンを示す図である。
【図5】本発明の第3実施例の構成図およびパターン図
である。
【符号の説明】
10 ペリクル膜 11 ペリクルフレーム 12 遮光領域 13、13’ パターン 14 取付部 15 透光領域 20 フォトマスク 21 光学薄膜 22、24 反射防止層 23 中心層 25、26 接着剤層 27 マスク

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 識別装置によって、ペリクル膜上に形成
    したパターンを測定し、その測定結果から前記ペリクル
    膜の劣化を識別することを特徴とするペリクル膜劣化識
    別方法。
  2. 【請求項2】 前記パターンが測定対象となる間隔を有
    する形状であることを特徴とする請求項1項記載のペリ
    クル膜劣化識別方法。
  3. 【請求項3】 前記パターンが測定対象となる幅を有す
    る形状であることを特徴とする請求項1記載のペリクル
    膜劣化識別方法。
  4. 【請求項4】 前記パターンを前記ペリクル膜上の遮光
    領域に形成することを特徴とする請求項1乃至3のいず
    れか1項記載のペリクル膜劣化識別方法。
  5. 【請求項5】 前記パターンを同形の2本の線を平行に
    配置した平行線パターンとしたことを特徴とする請求項
    1乃至4のいずれか1項記載のペリクル膜劣化識別方
    法。
  6. 【請求項6】 前記パターンを角を有する図形を相互の
    間隔ができるように相互にずらした角ずらしパターンと
    したことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記
    載のペリクル膜劣化識別方法。
  7. 【請求項7】 前記パターンを内側に細い線幅の円線、
    外側に前記内側の円線より線幅が太い円線を、同心に配
    置した2重線パターンとしたことを特徴とする請求項1
    乃至4のいずれか1項記載のペリクル膜劣化識別方法。
  8. 【請求項8】 前記パターンを錐形を円上に連続した連
    続錐形による円パターンとしたことを特徴とする請求項
    1乃至4のいずれか1項記載のペリクル膜劣化識別方
    法。
  9. 【請求項9】 前記パターンを1本線パターンとしたこ
    とを特徴とする請求項1、3、4のいずれか1項記載の
    ペリクル膜劣化識別方法。
  10. 【請求項10】 識別装置によって、ペリクル膜の最外
    層の無機反射防止層における遮光領域に形成したパター
    ンを測定し、その測定結果から前記ペリクル膜の劣化を
    識別することを特徴とするペリクル膜劣化識別方法。
  11. 【請求項11】 前記パターンを微細化した格子状のパ
    ターンとしたことを特徴とする請求項10記載のペリク
    ル膜劣化識別方法。
  12. 【請求項12】 遮光領域に識別装置によって測定され
    るパターンを形成したことを特徴とするペリクル膜。
  13. 【請求項13】 前記パターンの測定対象として形成し
    た間隔の幅および線幅を配線パターンの線幅と同じに形
    成することを特徴とする請求項12記載のペリクル膜。
  14. 【請求項14】 前記パターンの形状を、1本線パター
    ン、同形の2本の線を平行に配置した平行線パターン、
    内側に細い線幅の円線、外側に前記内側の円線より線幅
    が太い円線を同心に配置した2重線パターン、錐形を円
    上に連続した連続錐形による円パターンまたは角を有す
    る図形を間隔ができるように相互にずらした角ずらしパ
    ターンのいずれか1つとしたことを特徴とする請求項1
    2または13記載のペリクル膜。
  15. 【請求項15】 遮光領域に対応する無機反射防止膜上
    に識別装置によって測定されるパターンを形成したこと
    を特徴とするペリクル膜。
  16. 【請求項16】 前記パターンを微細化した格子状のパ
    ターンとしたことを特徴とする請求項15記載のペリク
    ル膜。
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