JP2003315508A - 光拡散板、その製造方法、光学素子および画像表示装置 - Google Patents

光拡散板、その製造方法、光学素子および画像表示装置

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JP2003315508A
JP2003315508A JP2002117159A JP2002117159A JP2003315508A JP 2003315508 A JP2003315508 A JP 2003315508A JP 2002117159 A JP2002117159 A JP 2002117159A JP 2002117159 A JP2002117159 A JP 2002117159A JP 2003315508 A JP2003315508 A JP 2003315508A
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film
light
plate
light diffusing
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JP2002117159A
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Sadahiro Nakanishi
貞裕 中西
Shusaku Nakano
秀作 中野
Shu Mochizuki
周 望月
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Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透過型や反射型の液晶表示装置等に適用して
も正面方向のコントラストや輝度の低下による視認性の
低下や、表示光の干渉による画像のにじみやボケを生じ
にくい光拡散板であって、生産性に優れたものを提供す
ること。 【解決手段】 マトリクス中に、マトリクス材料とは厚
さ方向の屈折特性が相違する微小領域が分散分布した複
屈折性フィルムからなる光拡散板であって、マトリクス
材料がホメオトロピック配向液晶材料を含んでなること
を特徴とする光拡散板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示装置、有
機EL表示装置、PDPなどの表示装置において、斜め
入射光を選択的に優位に拡散して、視野角拡大や高コン
トラスト等の表示性能の向上に好適な光拡散板およびそ
の製造方法に関する。また本発明は当該光拡散板を用い
た光学素子に関する。さらには光拡散板、光学素子が用
いられている画像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、液晶表示装置等の画像表示装
置において、表示光を散乱させて視野角を拡大する目的
などで光拡散板が用いられている。光拡散板としては、
マトリクスポリマー中に当該ポリマーと屈折率が相違す
る透明粒子を分散含有するプラスチックフィルムや、表
面を粗面化処理したプラスチックフィルムが知られてい
る。しかし、前記光拡散板を透過型の液晶表示装置に適
用すると、正面(垂直)方向のコントラストや輝度の低
下により視認性が低下する問題があり、反射型の液晶表
示装置では表示光が入射時の反射光等と干渉して画像に
にじみやボケが顕著に現れる問題点があった。
【0003】前記問題を解決するために、特開平11−
231113号公報等では、複屈折物質界面での散乱異
方性を利用した光拡散板が提案されている。かかる光拡
散板は、一般的に、ポリマーフィルムを1軸または2軸
延伸処理する方法で作製されているため、延び性に優れ
るポリマーを選択しなけらばならないとする制約や、延
伸工程が必要なために生産性に劣るという問題がある。
【0004】さらに、特開平11−29772号公報等
では、光学的異方性媒質が2枚の透明基板間に封入され
た液晶材料であり媒質中に透明微粒子の少なくとも一部
が、2 枚の透明基板の間隙を保つスペーサ材として機能
するような光拡散板という形態が提案されている。しか
し、この光拡散板では、光学的異方性媒質の光軸が面内
方向にあるため、正面方向のコントラストや輝度の低下
により視認性が不十分である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、透過型や反
射型の液晶表示装置等に適用しても正面方向のコントラ
ストや輝度の低下による視認性の低下や、表示光の干渉
による画像のにじみやボケを生じにくい光拡散板であっ
て、生産性に優れたものを提供することを目的とする。
また、本発明は前記光拡散板の製造方法を提供すること
を目的とする。また、本発明は前記光拡散板を用いた光
学素子、さらには前記光拡散板、光学素子を用いた、視
野角や視認性等の表示性能に優れる画像表示装置を提供
することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記課題を
解決すべく鋭意検討を重ねた結果、以下に示す光拡散板
により前記目的を達成できることを見出し、本発明を完
成するに到った。
【0007】すなわち本発明は、マトリクス中に、マト
リクス材料とは厚さ方向の屈折特性が相違する微小領域
が分散分布した複屈折性フィルムからなる光拡散板であ
って、マトリクスがホメオトロピック配向液晶材料を含
んでなることを特徴とする光拡散板、に関する。
【0008】上記本発明の光拡散板は、垂直入射光に対
しては拡散を抑制し、斜め入射光に対しては大きな拡散
性を示し、従って斜め入射光を選択的に優位に拡散する
ことができる。その結果、かかる光拡散板またはこれを
用いた光学素子を液晶表示装置等の画像表示装置に適用
することにより、透過型では正面方向のコントラストや
輝度が低下しにくくて視認性に優れるとともに、斜め入
射光の良好な拡散で広い視野角を示して表示性能に優れ
る液晶表示装置等を得ることができる。また反射型にて
も、表示光と入射時の反射光とが干渉しにくくて画像に
ボケやにじみを発生しにくく、斜め入射光が良好に拡散
して視認性と視野角に優れて表示性能に優れる液晶表示
装置等を得ることができる。しかも本発明の光拡散板
は、マトリクス材料として、光軸が厚み方向にあるホメ
オトロピック配向液晶材料を用いているため、延伸処理
を行うことなく、上記特性を満たす光拡散板を製造する
ことができ生産性に優れる。
【0009】前記光拡散板において、マトリクス材料に
用いられるホメオトロピック配向液晶材料は、ホメオト
ロピック配向性の側鎖型液晶ポリマーであることが好ま
しい。ホメオトロピック配向性の側鎖型液晶ポリマーに
より、光拡散板となる複屈折性フィルムを容易に製造で
きる。
【0010】前記光拡散板において、複屈折性フィルム
における微小領域とマトリクス部分とのフィルムの厚さ
方向における屈折率差(△n1)が0.01以上であ
り、かつフィルムの平面方向の屈折率差(△n2)が前
記△n1の80%以下であることが好ましい。
【0011】前記光拡散板において、複屈折性フィルム
の微小領域とマトリクス部分は前記屈折率差△n1、△
n2が前記範囲に制御されているのが好ましい。かかる
屈折率差とすることにより、垂直入射光の拡散性を抑制
しつつ、斜め入射光の拡散性に優れるものとすることが
できる。斜め入射光に対する選択的拡散性などの点より
前記△n1は適度に大きいことが好ましく、△n1は1
以下であるのが好ましい。特に、△n1は0.01〜
0.5が好ましい。一方、△n2は、△n1の80%以
下であれば特に制限されないが、△n2は小さいほど好
ましく、0.005以下、さらには0.002以下、特
に0.001以下であるのが好ましい。
【0012】前記光拡散板において、微小領域の大きさ
が0.1〜100μm3 であることが好ましい。
【0013】複屈折性フィルムにおける微小領域は、例
えばドメインなどの状態で存在しうるものであるが、前
記拡散効果等の均質性などの点より可及的に均等に分散
分布していることが好ましく、また微小領域の大きさも
可及的に均等であることが好ましい。かかる点より微小
領域の大きさは、0.1〜100μm3 が好ましい。さ
らには0.5〜90μm3 が好ましく、特に1〜10μ
3 であることが好ましい。
【0014】また本発明は、ホメオトロピック配向液晶
材料と、当該材料とは異なる材料である微小領域の形成
材料を含有する混合物溶液を、基板上に塗布した後、溶
媒を乾燥することを特徴とする前記光拡散板の製造方
法、に関する。
【0015】上記本発明の複屈折性フィルムからなる光
拡散板の製造方法は特に制限されないが、ホメオトロピ
ック配向液晶材料と、微小領域の形成材料を含有するポ
リマー混合溶液から容易に製造することができる。
【0016】また本発明は前記光拡散板を複数枚積層し
た光拡散板、に関する。また本発明は、偏光板及び位相
差板のいずれか少なくとも1種と、前記光拡散板との積
層体からなることを特徴とする光学素子、に関する。さ
らには本発明は、前記光拡散板又は光学素子が用いられ
ていることを特徴とする画像表示装置、に関する。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の光拡散板等を図
面を参照しながら説明する。本発明の光拡散板1は、ホ
メオトロピック配向液晶材料を含んでなるマトリクス中
に、マトリクスとは厚さ方向の屈折特性が相違する微小
領域が分散分布した複屈折性フィルムからなる。図1
は、前記マトリクスにより形成されるマトリクス部a
に、微小領域bが分散分布した複屈折性フィルム1(光
拡散板1)の概念図である。
【0018】微小領域bの大きさは、前述の通り0.1
〜100μm3 が好ましい。また複屈折性フィルム1に
占める微小領域bの割合は、前記拡散効果等の均質性、
フィルム強度などを考慮しながら適宜に決定しうる。前
記微小領域bの割合は、一般には、複屈折性フィルム1
に対する微小領域bの体積割合は1〜95%が好まし
く、さらには2〜80%が好ましく、特に5〜30%が
好ましい。
【0019】上記複屈折性フィルムのマトリクス部を形
成するマトリクスは、ホメオトロピック配向液晶材料を
含有する。ホメオトロピック配向液晶材料は、光学軸が
z軸方向にあり、しかも主屈折率nx及びnyがほぼ同
一であり、かつnzがnx、nyよりも大きい関係を満
たすフィルム(ポジティブCプレートとも呼ばれる)を
形成しうるものである。ホメオトロピック配向液晶材料
は、かかる光学的性質によって確認されるなお、前記n
x、nyおよびnzは、それぞれx方向、y方向および
z方向の3方向の主屈折率を意味し、x方向とy方向と
は互いに直交するフィルム面内方向、z方向はフィルム
膜厚方向とするものである。主屈折率nx、nyおよび
nzの値は、用いる材料の構造やフィルム膜厚およびフ
ィルム製造条件に依存してほぼ決まってくる値である。
従って、それら材料や膜厚、製造条件を調節することに
より、光学的に主要なパラメータである△n(厚み方向
の屈折率と面内方向の屈折率との差)を適宜制御するこ
とができる。本発明のホメオトロピック配向液晶材料
は、そのフィルムの△n、すなわち、nz−nx(また
はnz−ny)が、通常、0.01以上であることが好
ましい。さらに好ましくは0.02以上、特に好ましく
は0.1以上である。前記屈折率差△nが小さい場合に
は、光散乱特性を所望値とするために、複屈折性フィル
ムの膜厚を厚くしなければならなくなり、このような場
合には、例えば、複屈折性フィルム(光拡散板)を液晶
表示素子等へ付設する隙にフィルム厚みが問題になる可
能性がある。
【0020】ホメオトロピック配向液晶材料としては、
例えば、化学総説44(表面の改質,日本化学会編,1
56〜163頁)に記載されているような、垂直配向剤
によりホメオトロピック配向させることができる、一般
的なネマチック液晶化合物があげられる。
【0021】またホメオトロピック配向液晶材料として
は、ホメオトロピック配向性の側鎖型液晶ポリマーが用
いられる。ホメオトロピック配向液晶層を形成しうる側
鎖型液晶ポリマーとしては、たとえば、液晶性フラグメ
ント側鎖を含有するモノマーユニット(a)と非液晶性
フラグメント側鎖を含有するモノマーユニット(b)を
含有する側鎖型液晶ポリマーがあげられる。
【0022】前記側鎖型液晶ポリマーは、垂直配向膜を
用いなくても、たとえば熱処理により液晶状態としネマ
チック液晶相を発現させ、液晶ポリマーのホメオトロピ
ック配向を実現することができる。
【0023】前記モノマーユニット(a)はネマチック
液晶性を有する側鎖を有するものであり、たとえば、一
般式(a):
【化1】 (ただし、R1 は水素原子またはメチル基を、aは1〜
6の正の整数を、X1 は−CO2 −基または−OCO−
基を、R2 はシアノ基、炭素数1〜6のアルコキシ基、
フルオロ基または炭素数1〜6のアルキル基を、bおよ
びcは1または2の整数を示す。)で表されるモノマー
ユニットがあげられる。
【0024】またモノマーユニット(b)は、直鎖状側
鎖を有するものであり、たとえば、一般式(b):
【化2】 (ただし、R3 は水素原子またはメチル基を、R4 は炭
素数1〜22のアルキル基、炭素数1〜22のフルオロ
アルキル基、または一般式(b1):
【化3】 ただし、dは1〜6の正の整数を、R5 は炭素数1〜6
のアルキル基を示す。)で表されるモノマーユニットが
あげられる。
【0025】また、モノマーユニット(a)とモノマー
ユニット(b)の割合は、特に制限されるものではな
く、モノマーユニットの種類によっても異なるが、モノ
マーユニット(b)の割合が多くなると側鎖型液晶ポリ
マーが液晶モノドメイン配向性を示さなくなるため、
(b)/{(a)+(b)}=0.01〜0.8(モル
比)とするのが好ましい。特に0.1〜0.5とするの
がより好ましい。
【0026】またホメオトロピック配向液晶層を形成し
うる液晶ポリマーとしては、前記液晶性フラグメント側
鎖を含有するモノマーユニット(a)と脂環族環状構造
を有する液晶性フラグメント側鎖を含有するモノマーユ
ニット(c)を含有する側鎖型液晶ポリマーがあげられ
る。
【0027】前記側鎖型液晶ポリマーも、垂直配向膜を
用いずに、液晶ポリマーのホメオトロピック配向を実現
することができる。前記モノマーユニット(c)はネマ
チック液晶性を有する側鎖を有するものであり、たとえ
ば、一般式(c):
【化4】 (ただし、R6 水素原子またはメチル基を、hは1〜6
の正の整数を、X2 −CO2 −基または−OCO−基
を、eとgは1または2の整数を、fは0〜2の整数
を、R7 はシアノ基、炭素数1〜12のアルキル基を示
す。)で表されるモノマーユニットモノマーユニットが
あげられる。
【0028】また、モノマーユニット(a)とモノマー
ユニット(c)の割合は、特に制限されるものではな
く、モノマーユニットの種類によっても異なるが、モノ
マーユニット(c)の割合が多くなると側鎖型液晶ポリ
マーが液晶モノドメイン配向性を示さなくなるため、
(c)/{(a)+(c)}=0.01〜0.8(モル
比)とするのが好ましい。特に0.1〜0.6とするの
がより好ましい。
【0029】ホメオトロピック配向液晶層を形成しうる
液晶ポリマーは、前記例示のモノマーユニットを有する
ものに限られず、また前記例示モノマーユニットは適宜
に組み合わせることができる。
【0030】前記側鎖型液晶ポリマーの重量平均分子量
は、2千〜10万であるのが好ましい。重量平均分子量
をかかる範囲に調整することにより液晶ポリマーとして
の性能を発揮する。側鎖型液晶ポリマーの重量平均分子
量が過少では配向層の成膜性に乏しくなる傾向があるた
め、重量平均分子量は2.5千以上とするのがより好ま
しい。一方、重量平均分子量が過多では液晶としての配
向性に乏しくなって均一な配向状態を形成しにくくなる
傾向があるため、重量平均分子量は5万以下とするのが
より好ましい。
【0031】なお、前記例示の側鎖型液晶ポリマーは、
前記モノマーユニット(a)、モノマーユニット
(b)、モノマーユニット(c)に対応するアクリル系
モノマーまたはメタクリル系モノマーを共重合すること
により調製できる。なお、モノマーユニット(a)、モ
ノマーユニット(b)、モノマーユニット(c)に対応
するモノマーは公知の方法により合成できる。共重合体
の調製は、例えばラジカル重合方式、カチオン重合方
式、アニオン重合方式などの通例のアクリル系モノマー
等の重合方式に準じて行うことができる。なお、ラジカ
ル重合方式を適用する場合、各種の重合開始剤を用いう
るが、そのうちアゾビスイソブチロニトリルや過酸化ベ
ンゾイルなどの分解温度が高くもなく、かつ低くもない
中間的温度で分解するものが好ましく用いられる。
【0032】前記ホメオトロピック配向性の側鎖型液晶
ポリマーは、溶剤に溶解した溶液を、たとえば、プラス
チック基板上等に薄膜として塗布し、側鎖型液晶ポリマ
ーが液晶温度範囲になるように熱処理を行い、ネマチッ
ク液晶相を発現させ、ホメオトロピック配向を示したと
ころで、熱を除去し、ガラス化させて、液晶ポリマー層
を固定化することができる。
【0033】微小領域の形成材料は、マトリクス部の材
料であるホメオトロピック配向液晶材料とは相違する材
料が用いられる。またマトリクス部とは厚さ方向の屈折
特性が相違する材料が用いられる。微小領域の形成材料
としては、具体的には、熱可塑性樹脂材料、各種フィラ
ー、常温不揮発性溶媒、光架橋性モノマーなどが好まし
く用いられる。例えば、熱可塑性樹脂としては、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等の
ポリエステル系ポリマー、ポリスチレン、アクリロニト
リル・スチレン共重合体(AS樹脂)等のスチレン系ポ
リマー、ポリエチレン、ポリプロピレン、シクロ系ない
しノルボルネン構造を有するポリオレフィンやエチレン
・プロピレン共重合体等のオレフィン系ポリマー、カー
ボネート系ポリマー、ポリメチルメタクリレート等のア
クリル系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、二酢酸セル
ロースや三酢酸セルロース等のセルロース系ポリマー、
ナイロンや芳香族ポリアミド等のアミド系ポリマー、イ
ミド系ポリマー、スルホン系ポリマー、ポリエーテルス
ルフォン系ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン系ポ
リマー、ポリフェニレンスルフィド系ポリマー、ビニル
アルコール系ポリマー、塩化ビニリデン系ポリマー、ビ
ニルブチラール系ポリマー、アリレート系ポリマー、ポ
リオキシメチレン系ポリマー、あるいはそれらのブレン
ド物などがあげられる。その他にも、各種フィラー、常
温不揮発性溶媒、光架橋性モノマーなども用いられう
る。熱可塑性樹脂や光架橋性モノマーの場合、これを溶
解する溶液とホメオトロピック配向液晶材料の溶液とを
混合した溶液を用いることができ、各種フィラーの場合
はそのままホメオトロピック配向液晶溶液に分散して用
いることができる。
【0034】本発明の複屈折性フィルムは、前記ホメオ
トロピック配向液晶材料と、微小領域形成材料の混合物
から形成される。前記ホメオトロピック配向液晶材料
と、微小領域の形成材料は、通常、相溶せず相分離する
ものを適宜に選択して組み合わせて用いる。相分離する
混合物の組合せは、複屈折特性が相違する微小領域の分
散分布性などの点より好ましく、組み合わせる材料の相
溶性により分散分布性を制御することができる。ホメオ
トロピック配向液晶材料と、微小領域の形成材料の配合
割合は、複屈折フィルムにおける微小領域の体積割合
が、前述の通り、1〜95%程度になるように調整する
のが好ましい。
【0035】なお、前記混合物中には、本発明の効果を
損なわない範囲において例えば界面活性剤、可塑剤、紫
外線吸収剤、酸化防止剤、染料、顔料、密着性向上剤、
フィラー等の各種添加剤を加えることもできる。
【0036】複屈折性フィルムの製造方法は、特に制限
されないが、通常、前記ホメオトロピック配向液晶材料
と微小領域の形成材料の混合物を基板に塗布し、塗膜を
形成することにより行うことができる。その際、必要に
応じて、基板上に垂直配向膜を形成させる工程を含んで
もよい。前記混合物の調製は、例えばホメオトロピック
配向液晶材料と微小領域の形成材料を溶媒にて溶解して
混合物溶液とする方式や、ホメオトロピック配向液晶材
料と微小領域の形成材料を加熱溶融下に混合して溶融混
合物とする方式などの適宜な方式で行うことができる。
【0037】前記混合物溶液に用いる溶媒は、前記混合
物を溶解できるものであれば特に制限はなく、例えば、
クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、ジクロロ
エタン、テトラクロロエタン、トリクロロエチレン、テ
トラクロロエチレン、クロロベンゼン、オルソジクロロ
ベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、フェノール、パラ
クロロフェノール等のフェノール類、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、メトキシベンゼン、1,2−ジメトキシ
ベンゼン等の芳香族炭化水素類、アセトン、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノ
ン、シクロペンタノン、2−ピロリドン、N−メチル−
2−ピロリドン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブ
チル等のエステル系溶媒、t−ブチルアルコール、グリ
セリン、エチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレ
ングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、2 −メチル−2,4 −ぺ
ンタンジオール等のアルコール系溶媒、ジメチルホルム
アミド、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒、アセ
トニトリル、ブチロニトリル等のニトリル系溶媒、ジエ
チルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、二硫化炭素、メチ
ルセルソルブ、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ等
があげられる。これら溶媒は1種を単独でまたは2種以
上を混合して使用することが可能である。混合溶夜中の
前記混合物の濃度は、通常0.5〜50重量%、好まし
くは1〜40重量%、さらに好ましくは2〜35重量%
である。
【0038】前記混合物が塗布される基板は、最終的に
得られる複屈折性フィルムが光学的にポジティブCプレ
ートとなる基板であれば特に限定されない。たとえば、
ガラス基板、プラスチックフィルム等のプラスチック基
板、ステンレスベルトやステンレスドラム、銅箔等の金
属基板等を用いることができる。なかでも後に述べる偏
光板との貼り合わせを考えると、プラスチック基板また
はステンレスベルトやステンレスドラムを用いることが
望ましい。可能であれば、基板として偏光板を用い、こ
れに前記混合物を直接塗布しても良い。
【0039】プラスチックフィルムとしては、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリ(4 −メチルペンテン−
1)などのポリオレフィン、ポリイミド、ポリアミドイ
ミド、ポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテル
ケトン、ポリエーテルサルファイド、ポリエーテルスル
ホン、ポリスルホン、ポリフェニレンサルフアイド、ポ
リフェニレンオキサイド、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタ
レート、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリアリ
レート、アクリル系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ
プロピレン、セルロース系樹脂、エポキシ樹脂、フェノ
ール樹脂等から形成されるフィルムをあげることができ
る。
【0040】これらプラスチックフィルムは、光学的に
等方性であっても、異方性であっても差し支えない。基
板に使用されるプラスチックフィルムの中でも、耐溶剤
性や耐熱性の観点からポリプロピレン、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリエチレンナフタレートの各フィルム
が望ましい。基板となるプラスチックフィルムの厚み
は、通常10μm以上、好ましくは20μm以上、より
好ましくは30μm以上である。10μmより薄い場合
は基板の強度が弱いために製造時に切れてしまう等の問
題が発生するおそれがある。
【0041】基板上に前記混合物を塗布する方法として
は、当該分野で公知の手法を適宜採用することができ、
例えば、スピンコート法、ロールコート法、プリント
法、浸漬引き上げ法、カーテンコート法、マイヤーバー
コート法、ドクターブレード法、ナイフコート法、ダイ
コート法、グラビアコート法、マイクログラビアコート
法、オフセットグラビアコート法、リップコート法、ス
プレーコート法等のキャスティング法、押出成形法、射
出成形法、ロール成形法、流延成形法などの各種方式が
あげられる。なお、微小領域を形成させる材料として光
架橋性材料を用いる場合は、そのモノマー状態で展開し
それを加熱処理や紫外線等の放射線処理などにより重合
して固定化する方式などを採用することができる。これ
らの塗布方法により前記混合物を、所望するフィルム膜
厚となるように基板上に塗布し、乾燥させることによっ
て本発明の光学フィルムを得ることができる。
【0042】微小領域の均等分布性に優れる複屈折性フ
ィルムを得る点においては、溶媒を介した材料の混合物
溶液をキャスティング法や流延成形法等にて製膜する方
式が好ましい。その場合、溶媒の種類や混合物溶液の粘
度、混合物溶液の展開層の乾燥速度などにより微小領域
の大きさや分布性などを制御することができる。微小領
域の小面積化には混合物溶液の低粘度化や混合物溶液の
展開層の乾燥速度の急速化などが有利である。前記混合
物溶液は、基板上に塗布した後、溶媒を乾燥することに
より複屈折性フィルムが製造される。
【0043】複屈折性フィルムの厚さは、適宜に決定し
うるが一般には配向処理性などの点より0.1μm〜3
mm、さらには0.5μm〜1mm、特に1〜500μ
mとされる。
【0044】乾燥温度は、前記ホメオトロピック液晶材
料、微小領域形成材料や溶媒の種類等に応じて適宜選択
され、一概に規定することはできないが、通常20〜4
00℃、好ましくは40〜300℃、さらに好ましくは
60〜200℃である。塗膜の乾燥は、一定温度下にお
いて行っても良いし、段階的に温度を上昇させながら行
っても良い。乾燥時間も適宜選択されるところではある
が、通常10秒間〜30分間以下、好ましくは30秒間
〜25分間、さらに好ましくは1分間〜20分間であ
る。
【0045】本発明の複屈折性フィルムのマトリクス部
は、特に配向処理や延伸処理を行わなくてもホメオトロ
ピック配向するが、複屈折性フィルムには、必要に応じ
て前記処理を行っても差し支えない。また、これらのプ
ラスチックフィルムには、コロナ処理、ケン化処理等の
処理を施したものを用いることもできる。
【0046】本発明の光拡散板は、図1に例示の如く複
屈折性フィルム1からなるが、図2に示すように被着体
に接着するための接着剤層2を有していてもよい。ま
た、接着剤層2は接着剤層2を仮着カバーするセパレー
タ21を有していてもよい。
【0047】また、本発明の光拡散板は、図2に例示の
如く複屈折性フィルム1は単層あってもよいし、2層又
は3層以上の複数層の複屈折性フィルム1の重畳体であ
ってもよい。図3は2層の複屈折性フィルム1を積層し
た場合の例である。複数の複屈折性フィルムを使用する
と、拡散効果の増幅に有利である。複数の複屈折性フィ
ルムは同種又は異種の適宜な組合せにて用いることがで
きる。なお重畳体とする場合、各複屈折性フィルムは、
単に重ね置いた状態にあってもよいが、ズレ防止や各界
面への異物等の侵入防止などの点から図3に例示の如く
接着剤層2等を介して接着されていることが好ましい。
【0048】前記接着剤層2の形成は、例えばホットメ
ルト系や粘着系などの適宜な接着剤を用いうる。反射損
を抑制する点よりは、複屈折性フィルムとの屈折率差が
可及的に小さい接着剤層が好ましく、複屈折性フィルム
やその微小領域を形成するポリマーにて接着することも
できる。
【0049】本発明による光拡散板1は、上記した斜め
入射光に対し選択的拡散性を示す特性に基づいて、例え
ば透過型や反射型の液晶表示装置における視野角の拡大
などの従来に準じた各種の目的に用いることができる。
従って光拡散板の実用に際しては、例えば偏光板又は/
及び位相差板等の適宜な光学部品の片面又は両面に光拡
散板を配置した積層体からなる光学素子として用いるこ
ともできる。
【0050】図4に、光学部品3に光拡散板1を適用し
た光学素子の例を示した。図4に示す積層体は、光学部
品3と光拡散板1を単に重ね置いたものであってもよい
し、図例の如く接着剤層2等を介して接着したものであ
ってもよい。その接着剤層としては、上記した複屈折性
フィルムの重畳の場合に準じうる。
【0051】前記積層対象の光学部品3については特に
限定はなく、例えば偏光板や位相差板、導光板等のバッ
クライトや反射板、多層膜等からなる偏光分離板や液晶
セルなどの適宜なものであってよい。また偏光板や位相
差板等の光学部品は、各種のタイプのものであってよ
い。
【0052】すなわち偏光板では、吸収型タイプや反射
型タイプや拡散型タイプ、位相差板では1/4波長板や
1/2波長板、一軸や二軸等による延伸フィルムタイ
プ、さらに厚さ方向にも分子配向させた傾斜配向フィル
ムタイプ、液晶ポリマータイプ、視野角や複屈折による
位相差を補償するタイプ、それらを積層したタイプのも
のなどの各種のものがあるが、本発明においてはいずれ
のタイプも用いうる。
【0053】前記偏光板の具体例としては、ポリビニル
アルコール系フィルム、部分ホルマール化ポリビニルア
ルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系
部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムに、ヨウ
素や二色性染料等の二色性物質を吸着させて延伸した吸
収型偏光板、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ
塩化ビニルの脱塩酸処理物等のポリエン配向フィルムな
どがあげられる。
【0054】また前記偏光フィルムの片面又は両面に耐
水性等の保護目的で、プラスチックの塗布層やフィルム
のラミネート層等からなる透明保護層を設けた偏光板な
どもあげられる。さらにその透明保護層に.例えば平均
粒径が0.5〜5 μmのシリカやアルミナ、チタニアや
ジルコニア、酸化錫や酸化インジウム、酸化カドミウム
や酸化アンチモン等の導電性のこともある無機系微粒
子、架橋又は未架橋ポリマー等の有機系微粒子等の透明
微粒子を含有させて表面に微細凹凸構造を付与したもの
などもあげられる。
【0055】一方、位相差板の具体例としては、上記の
複屈折性フィルムで例示したポリマー類からなる延伸フ
ィルムや液晶ポリマー、特に、捩れ配向の液晶ポリマー
などからなるものがあげられる。
【0056】さらに導光板の具体例としては、透明な樹
脂板の側面に(冷,熱)陰極管等の線状光源や発光ダイ
オード、EL等の光源を配置し、その樹脂板に板内を伝
送される光を拡散や反射、回折や干渉等により板の片面
側に出射するようにしたものなどがあげられる。
【0057】導光板を含む光学素子の形成に際しては、
光の出射方向を制御するためのプリズムシート等からな
るプリズムアレイ層、均一な発光を得るための拡散板、
線状光源からの出射光を導光板の側面に導くための光源
ホルダなどの補助手段を導光板の上下面や側面などの所
定位置に必要に応じ1層又は2層以上を配置して適宜な
組合せ体とすることができる。前記の拡散板は、本発明
によるものであってもよいし、従来に準じたものなどで
あってもよい。
【0058】本発明の光学素子を形成する積層体は、1
種の光学部品を用いたものであってもよいし、2種以上
の光学部品を用いたものであってもよい。また例えば位
相差板等の同種の光学部品を2層以上積層したものであ
ってもよく、その場合、光学部品の位相差板等の特性は
同じであってもよいし、相違していてもよい。光学素子
における光拡散板は、積層体の片外面や両外面、積層体
を形成する光学部品の片面や両面などの積層体の外部や
内部の適宜な位置に1層又は2層以上が配置されていて
よい。
【0059】なお光学素子を形成するための偏光板とし
ては、輝度やコントラストの向上を図る点などより、上
記した二色性物質含有の吸収型偏光板などの如く偏光度
の高いものが好ましく、光透過率が40%以上で、偏光
度が95%以上、特に99%以上のものが好ましく用い
られる。
【0060】本発明による光拡散板や光学素子は、上記
した特長を有することより液晶表示装置の形成に好まし
く用いうる。液晶表示装置の例を図5、図6に示した。
4が偏光板、5が液晶セル、6が拡散反射板、7が導光
板、71は反射層、72は光源、8は視認光拡散用の光
拡散板である。
【0061】前記の図5は、反射型の液晶表示装置を例
示しており、光拡散板1は、視認側の偏光板4の外側に
配置されている。一方、図6は、透過型の液晶表示装置
を例示しており、光拡散板1は、バックライトを形成す
る導光板7と視認背面側の偏光板4の間に配置されてい
る。
【0062】液晶表示装置は一般に、偏光板、液晶セ
ル、反射板又はバックライト、及び必要に応じての光学
部品等の構成部品を適宜に組立てて駆動回路を組込むこ
となどにより形成される。本発明においては、上記した
光拡散板ないし光学素子を用いる点を除いて特に限定は
なく、従来に準じて形成することができる。従って液晶
表示装置の形成に際しては、例えば視認側の偏光板の上
に設ける光拡散板やアンチグレア層、反射防止膜、保護
層、保護板、または液晶セルと視認側等の偏光板の間に
設ける補償用位相差板などの適宜な光学部品を適宜に配
置することができる。
【0063】前記の補償用位相差板は、上記したように
複屈折の波長依存性などを補償して視認性を向上させる
ことなどを目的とするものであり、視認側又は/及びバ
ックライト側の偏光板と液晶セルの間等に配置される。
なお補償用位相差板としては、波長域などに応じて上記
した位相差板などの適宜なものを用いうる。また補償用
位相差板は、2層以上の位相差層からなっていてもよ
い。
【0064】前記において光拡散板ないし光学素子は、
それを単位として液晶セルの片側又は両側の適宜な位置
に1層又は2層以上を配置することができる。反射型液
晶表示装置においては偏光板、特に視認側のそれの光入
射側、透過型液晶表示装置においては視認背面側の偏光
板とバックライトの間の適宣な位置などの、光を拡散し
て視野角を拡大したり、発光を平準化したりすることな
どが望まれる適宣な位置に1層又は2層以上を配置する
ことができる。
【0065】なお前記の光拡散板の配置に際してその光
拡散板は、上記したように隣接の光学部品などと積層一
体化した光学素子として用いることができる。また液晶
表示装置についてもそれを形成する各部品は、上記した
本発明による光拡散板等に準じて接着層を介し接着一体
化されていることが好ましい。
【0066】
【実施例】以下に実施例を述べるが、本発明はこれらに
限定されるものではない。実施例で用いた各分析法は以
下の通りである。なお、各例中、部および%は重量基準
である。
【0067】(屈折率測定)それぞれ単体フィルムを作
製し、Atago製アッべ屈折計1T型を用いて589
nmにおける屈折率を測定した。
【0068】(膜厚測定)アンリツ製デジタルマイクロ
メーターK−351C型を使用して測定した。
【0069】(全光線透過率、ヘイズ測定)ASTMD
1003−61に準拠してポイック積分球式へイズメー
ターにて測定した。
【0070】実施例1 ホメオトロピック配向液晶材料として下記化5で示す繰
り返し単位を有する側鎖型液晶ポリマー(重量平均分子
量6000)100部、
【化5】 および微小領域形成材料としてポリノルボルネン系樹脂
(JSR社製,アートン)5部をシクロヘキサノン30
0部に溶解した溶液を調製した。この溶液を支持体であ
るガラス板上にスピンコート塗布し成膜、次いで160
℃で2分間乾燥および配向処理を行い、ガラス基板上に
厚さ3μmの複屈折性フィルムを作製した。このフィル
ムを、乾燥後にガラス板から剥離した。
【0071】前記複屈折性フィルムは、ホメオトロピッ
ク配向液晶材料である前記側鎖型液晶ポリマーをマトリ
クス部として、その中に大きさが約1μm3 のポリノル
ボルネン系樹脂がドメイン状に分散したものであった。
別途測定した前記側鎖型液晶ポリマーの膜厚方向の屈折
率(nz)は1.724、平面方向の屈折率(nx=n
y)は1.524であり、微小分散しているポリノルボ
ルネン系樹脂の屈折率(nx、ny、nz)はいずれも
1.521であった。従って、微小領域とマトリクス部
分との屈折率差(微少分散界面での屈折率差)はフィル
ムの厚さ方向における△n1が0.203で、△n2が
0.003であった。このように、マトリクス部のホメ
オトロピック配向液晶材料は、光学軸を法線方向(Z軸
方向)に有するポジティブCプレートとなっていること
がわかった。また正面よりの視認(厚さ方向)ではその
全光線透過率が89%で、ヘイズが2%であり、斜め4
5度の視認では全光線透過率が82%で、ヘイズが14
%であった。
【0072】次に前記で得た光拡散板と全光線透過率が
41%で透過光の偏光度が99%の市販偏光板をアクリ
ル系粘着層を介し接着して光学素子を得た。その光学素
子を光拡散板側を介しTN型液晶セルの視認側にアクリ
ル系粘着層を介し接着し、その液晶セルの他面に偏光板
を介し鏡面反射板をアクリル系粘着層にて接着して、内
部鏡面反射型の液晶表示装置を得た(図5)。この液晶
表示装置の表示は、にじみやボケが少ないものであっ
た。
【0073】一方、前記で得た光学素子を光拡散板側を
介しTFT型液晶セルの視認側にアクリル系粘着層を介
して接着し、その液晶セルの他面に偏光板を介しバック
ライトを配置して透過型の液晶表示装置を得た(図
6)。この液晶表示装置の表示は、正面方向では光拡散
板無配置のものに近く、斜めからも表示内容を確認でき
て視野角に優れるものであった。
【0074】比較例1 実施例1において、側鎖型液晶ポリマーの代わりにポリ
スチレンを用いたこと以外は実施例1と同様にして複屈
折性フィルムを作製した。前記複屈折性フィルムは、光
学的に等方的なポリスチレンをマトリクス部として、そ
の中に大きさが約1μm3 のポリノルボルネン系樹脂が
ドメイン状に分散したものであった。別途測定した前記
ポリスチレンの屈折率(nx、ny、nz)は1.59
5であり、光学的に等方的であった。微小分散している
ポリノルボルネン系樹脂の屈折率(nx、ny、nz)
はいずれも1.521であった。従って、微小領域とマ
トリクス部分との屈折率差(微少分散界面での屈折率
差)はフィルムの厚さ方向における△n1、フィルム面
内方向における△n2は、いずれも0.075であっ
た。この複屈折フィルムの正面よりの視認はその全光線
透過率が85%で、ヘイズが17%であり、斜め45度
の視認では全光線透過率が82%で、ヘイズが20%で
あった。このように、得られた複屈折フィルムは厚み方
向での異方性はなかった。この複屈折フィルムを、前記
実施例1と同様にして市販偏光板と積層して、光学素
子、液晶表示装置を得た。この液晶表示装置の表示は、
正面でのボケが認められ、視認性に劣るものであった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光拡散板の平面図の概念図である。
【図2】光拡散板に接着剤層を設けた場合の断面図であ
る。
【図3】光拡散板を積層した場合の断面図である。
【図4】光拡散板を適用した光学素子の断面図である。
【図5】光拡散板を液晶表示装置に適用した場合の断面
図である。
【図6】光拡散板を他の液晶表示装置に適用した場合の
断面図である。
【符号の説明】
1:光拡散板(複屈折性フィルム) a:マトリクス部 b:微小領域 2:接着剤層 3:光学部品 4:偏光板 5:液晶セル 6:拡散反射板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 望月 周 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 Fターム(参考) 2H042 BA03 BA08 BA12 BA20 2H049 BA06 BA42 BB03 BB61 BC22 2H091 FA08X FA08Z FA11X FA11Z FA14Z FA23Z FA41X FA41Z FA44Y FB02 FB04 FB07 FC22 FC23 FC27 GA01 GA06 GA13 HA07 KA01 LA16 LA17 LA18 LA19

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マトリクス中に、マトリクス材料とは厚
    さ方向の屈折特性が相違する微小領域が分散分布した複
    屈折性フィルムからなる光拡散板であって、マトリクス
    材料がホメオトロピック配向液晶材料を含んでなること
    を特徴とする光拡散板。
  2. 【請求項2】 ホメオトロピック配向液晶材料が、ホメ
    オトロピック配向性の側鎖型液晶ポリマーであることを
    特徴とする請求項1記載の光拡散板。
  3. 【請求項3】 複屈折性フィルムにおける微小領域とマ
    トリクス部分とのフィルムの厚さ方向における屈折率差
    (△n1)が0.01以上であり、かつフィルムの平面
    方向の屈折率差(△n2)が前記△n1の80%以下で
    あることを特徴とする請求項1または2記載の光拡散
    板。
  4. 【請求項4】 微小領域の大きさが0.1〜100μm
    3 あることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載
    の光拡散板。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の光拡散
    板が複数枚積層していることを特徴とする光拡散板。
  6. 【請求項6】 ホメオトロピック配向液晶材料と、当該
    材料とは異なる材料である微小領域の形成材料を含有す
    る混合物溶液を、基板上に塗布した後、溶媒を乾燥する
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光拡
    散板の製造方法。
  7. 【請求項7】 偏光板及び位相差板のいずれか少なくと
    も1種と、請求項1〜5のいずれかに記載の光拡散板と
    の積層体からなることを特徴とする光学素子。
  8. 【請求項8】 請求項1〜5のいずれかに記載の光拡散
    板又は請求項7記載の光学素子が用いられていることを
    特徴とする画像表示装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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