JP2003314300A - 油焚ガスタービンの燃焼器、油焚ガスタービン及びガスタービンプラント - Google Patents

油焚ガスタービンの燃焼器、油焚ガスタービン及びガスタービンプラント

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JP2003314300A
JP2003314300A JP2002115320A JP2002115320A JP2003314300A JP 2003314300 A JP2003314300 A JP 2003314300A JP 2002115320 A JP2002115320 A JP 2002115320A JP 2002115320 A JP2002115320 A JP 2002115320A JP 2003314300 A JP2003314300 A JP 2003314300A
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gas turbine
burner
oil
combustor
liquid fuel
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JP2002115320A
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English (en)
Inventor
Seiichi Tanabe
清一 田辺
Sadao Minagawa
貞夫 皆川
Katsunori Tanaka
克則 田中
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 重油等の液体燃料を燃焼させて運転する油焚
ガスタービンの着火性や低負荷時の吹き消えを防止し、
安定した燃焼を可能にする。 【解決手段】 油等の液体燃料を燃焼させて運転する油
焚ガスタービン1の燃焼器2に、液体燃料を空気または
蒸気で噴霧するガス噴霧バーナを用いた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば重油のよ
うな液体燃料を燃焼させて運転する油焚ガスタービンの
燃焼器、この燃焼器を備えた油焚ガスタービン及びガス
タービンプラントに関する。
【0002】
【従来の技術】ガスタービンは、圧縮機、燃焼器及びタ
ービンを主な構成要素としており、圧縮機とタービンと
は互いに主軸で直結されている。圧縮機の吐出口には燃
焼器が接続されており、圧縮機から吐出された作動流体
は、燃焼器によって所定のタービン入口温度まで加熱さ
れる。タービンに供給された高温高圧の作動流体は、ケ
ーシング(車室)内において静翼及び主軸側に取り付け
られた動翼の間を通過して膨張し、これにより主軸が回
転して出力が得られる。ガスタービンの場合、圧縮機の
消費動力を引いた軸出力が得られるので、主軸の他端に
発電機などを接続することで駆動源として利用すること
ができる。
【0003】このようなガスタービンには、従来より重
油等の液体燃料(油)を燃料として運転する油焚ガスタ
ービンと呼ばれるものがあり、燃料の油を燃焼させる燃
焼器においては圧力噴霧式バーナが一般的に使用されて
いる。図10は従来の油焚ガスタービンの構成例を示す
図で、図中の符号1は油焚ガスタービン、2は周囲に複
数配列された燃焼器、10は発電機である。油焚ガスタ
ービン1の燃焼器2では、たとえば図11に示すような
圧力噴霧式バーナ3が用いられている。圧力噴霧式バー
ナ3は、ノズルチップ4内で旋回等により噴霧化される
液体(油)燃料5を燃焼器2の燃焼室内に供給し、図示
省略の燃焼空気により燃焼させる。なお、液体燃料5
は、流量調整弁6により圧力噴霧式バーナ3への供給量
が制御される。
【0004】また、この圧力噴霧式バーナ3では、着火
性の向上や低速回転時の安定燃焼をはかるため、着火後
に車室圧力Ptが所定値に上昇するまでの間、ノズルチ
ップ4の噴霧出口周辺部に噴霧空気7の供給を受けるの
が一般的である。この噴霧空気7は、圧力調整弁8で一
定圧力に調整して供給される。なお、この場合の所定値
は、車室圧力Ptが一定の圧力で供給される噴霧空気6
の供給圧力を越えた時点で停止される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した圧
力噴霧式バーナ3は、図12に示すように、燃料消費量
の2乗に比例してバーナ差圧(車室圧力Ptと液体燃料
吐出圧力との差圧)が変化するという特性を有してい
る。このため、燃料消費量が少ないガスタービンの起動
(着火)時や低負荷運転時にはバーナ差圧が大幅に減少
する。具体例を示すと、4/4負荷(100%負荷)時
の燃料消費量(図12の破線表示)は概ね着火時の16
倍程度となるため、着火時のバーナ差圧は4/4負荷時
の1/256程度とかなり小さくなる。
【0006】ちなみに、4/4負荷時のバーナ差圧を5
88.4Pa(60kgf/cm2)に設定すれば、着
火時のバーナ差圧は1.96Pa(0.2kgf/cm
2 )程度とかなり小さなものとなる。そして、着火時の
バーナ差圧を高くするため4/4負荷時のバーナ差圧を
上げることもが考えられるが、仮に2倍の1176.8
Pa(120kgf/cm2 )まで上げたとしても着火
時のバーナ差圧は3.92Pa(0.4kgf/cm
2 )程度までと僅かに上昇するにすぎないため、有効策
とはいえないのが実状である。
【0007】このように、着火時や低負荷時のバーナ差
圧が小さくなると、ノズルチップ4内での噴霧化が十分
に行われないため、液体燃料の噴霧粒径が大きくなって
噴霧状態が悪化するという問題が生じる。このように液
体燃料の噴霧粒径が大きくなることは良好な燃焼にとっ
て不利であり、たとえば着火の失敗や吹き消えを起こし
やすくなる。また、噴霧粒径の大きい液体燃料を燃焼さ
せる低負荷運転では、煤塵の発生が問題となることがあ
る。このような問題に対し、4/4負荷運転時のバーナ
差圧を上げることで低負荷時のバーナ差圧も引き上げる
ことは可能であるが、前述したようにその効果は僅かで
ある。なお、液体燃料を供給する燃料ポンプの都合上、
実用的なバーナ差圧は最大588.4Pa(60kgf
/cm2 )程度となる。
【0008】本発明は、上記の事情に鑑みてなされたも
ので、重油等の液体燃料を燃焼させて運転する油焚ガス
タービンの着火性や低負荷時の吹き消えを防止し、安定
した燃焼を可能にすることを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するため、以下の手段を採用した。請求項1に記載の
油焚ガスタービンは、重油等の液体燃料を燃焼させて運
転する油焚ガスタービンの燃焼器において、前記液体燃
料を空気または蒸気で噴霧するガス噴霧バーナを用いた
ことを特徴とするものである。
【0010】このような油焚ガスタービンの燃焼器によ
れば、ガス噴霧バーナを用いたことにより、バーナ差圧
とガスタービン負荷とがほぼ比例する特性が得られ、バ
ーナ差圧は燃料消費量とも比例する関係になるので、重
油等の液体燃料を燃焼させる燃焼器では着火時における
バーナ差圧の確保が容易になる。
【0011】請求項2に記載の油焚ガスタービンは、中
心軸上に配置されたパイロットバーナ及び該パイロット
バーナの周囲に配置されたメインバーナを備えた予混合
ノズルと、該予混合ノズルを収納する筒体とを具備し、
重油等の液体燃料を燃焼させて運転する油焚ガスタービ
ンの燃焼器において、前記パイロットバーナが前記液体
燃料を空気または蒸気で噴霧するガス噴霧バーナである
ことを特徴とするものである。
【0012】このような油焚ガスタービンの燃焼器によ
れば、着火用のパイロットバーナにガス噴霧バーナを用
いたことにより、着火時におけるバーナ差圧の確保が容
易になるので、重油等の液体燃料を燃焼させる予混合ノ
ズルの着火性をより一層向上させることができる。
【0013】請求項3に記載の油焚ガスタービンの燃焼
器は、複数のバーナを備え、重油等の液体燃料を燃焼さ
せて運転する油焚ガスタービンの燃焼器において、前記
複数のバーナの1つ以上が、前記液体燃料を空気または
蒸気で噴霧するガス噴霧バーナであることを特徴とする
ものである。
【0014】このような油焚ガスタービンの燃焼器によ
れば、複数のバーナの1つ以上にガス噴霧バーナを用い
たので、このガス噴霧バーナにおいては、バーナ差圧と
ガスタービン負荷とがほぼ比例する特性が得られ、バー
ナ差圧は燃料消費量とも比例する関係になる。このた
め、重油等の液体燃料を燃焼させる燃焼器では、着火時
におけるバーナ差圧の確保が容易になる。
【0015】上述した請求項1から3のいずれかに記載
の油焚ガスタービンの燃焼器においては、前記ガス噴霧
バーナが、ガス供給圧力の制御手段を備えていることが
好ましい。
【0016】 請求項5に記載の油焚ガスタービンは、
請求項1から4のいずれかに記載の油焚ガスタービンの
燃焼器を1つ以上備えていることを特徴とするものであ
る。
【0017】このような油焚ガスタービンによれば、ガ
ス噴霧バーナを採用した燃焼器を備えている油焚ガスタ
ービンとしたので、燃焼器の着火時におけるバーナ差圧
の確保が容易な油焚ガスタービンとなる。
【0018】請求項6に記載のガスタービンプラント
は、請求項5記載の油焚ガスタービンが、前記ガス噴霧
バーナのアトマイズ用ガスとして、ボイラからの蒸気ま
たは蓄熱槽からの蒸気を導入する系統を備えていること
を特徴とするものである。
【0019】このようなガスタービンプラントによれ
ば、ボイラまたは蓄熱槽から蒸気を導入し、この蒸気を
ガス噴霧バーナのアトマイズ用ガスとして利用できる。
【0020】請求項6記載のガスタービンプラントにお
いては、前記油焚ガスタービンが、該油焚ガスタービン
に隣接する他のガスタービン後流側に配置されたボイラ
から蒸気を導入することが好ましく、これにより、着火
(起動)時に安定したアトマイズ用ガスの供給を受ける
ことができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る油焚ガスター
ビンの一実施形態を、図面に基づいて説明する。図1に
示す第1の実施形態において、符号の1は油焚ガスター
ビン、2は燃焼器、5は液体燃料、6は流量調整弁、1
0は発電機、11は噴霧空気または蒸気(以下噴霧流体
と呼ぶ)、12は圧力調整弁、13は噴霧圧力検出器で
ある。燃焼器2は、油焚ガスタービン1の周囲に複数配
列されており、それぞれの燃焼器2には、図2に基づい
て後述するガス噴霧バーナ20が設けられている。
【0022】ガス噴霧バーナ20は、噴霧流体11を流
す噴霧流体流路21となる内筒部22が中心部に配置さ
れ、その周囲に液体燃料5を流す液体燃料流路23を形
成するように外筒部24が配置された2重筒構造を有
し、燃焼器2内の先端部にはノズルチップ25が取り付
けられた構成となっている。ノズルチップ25では、噴
霧流体流路21を流れてきた噴霧流体11と液体燃料流
路23を流れてきた液体燃料5とが合流し、主として噴
霧流体11の流体エネルギにより液体燃料5を噴霧化し
て噴射口25aから燃焼器2に供給する。なお、図中の
符号26は、ノズルチップ25を内筒部22及び外筒部
24に固定するキャップである。
【0023】上述したガス噴霧バーナ20を燃焼器2に
採用すると、図3に示すように、ガスタービン負荷とバ
ーナ差圧とがほぼ比例する関係となる。換言すれば、バ
ーナ差圧は燃料消費量とほぼ比例する関係にあるので、
燃料消費量の2乗に比例してバーナ差圧が変化する従来
の圧力噴霧式バーナ3とは異なり、着火時における最低
のバーナ差圧と4/4負荷時における最大のバーナ差圧
との差を小さく抑えることができる。
【0024】すなわち、バーナ差圧とは油焚ガスタービ
ン1の車室圧力Ptとガス噴霧バーナ20より供給され
る液体燃料吐出圧力との差圧を意味するものであるか
ら、車室圧力Ptが最大となる4/4負荷時にはより大
きな液体燃料吐出圧力が要求されることになる。しか
し、ガスタービン負荷とバーナ差圧とが比例関係にある
ため、たとえば着火時のバーナ差圧を安定燃焼が可能な
9.8Pa(1kgf/cm2 )程度に設定しても、4
/4負荷時におけるバーナ差圧は二次曲線ほど増加せ
ず、従ってバーナ差圧の最大値を低く抑えることができ
る。あるいは、4/4負荷時におけるバーナ差圧を液体
燃料ポンプの都合上実用的な最大値である588.4P
a(60kgf/cm2 )程度に設定することにより、
着火時のバーナ差圧をかなり高く設定することもできる
ので、諸条件を考慮して最適な着火時のバーナ差圧を適
宜選択することが可能になる。
【0025】さて、ガス噴霧バーナ20における噴霧流
体11の供給制御方式としては、バーナ出口圧力基準方
式と液体燃料入口圧力基準方式とがある。一方のバーナ
出口圧力基準方式では、圧力調整弁12で制御される噴
霧流体11の圧力が車室圧力Ptに一定圧力p1を加算
したものとなる。具体的な制御は、図1に示すように、
圧力調整弁12の下流側に噴霧圧力検出器13を設けて
おき、車室圧力Ptより常に一定圧力p1だけ高い圧力
で噴霧流体11をガス噴霧バーナ20に供給する。すな
わち、噴霧圧力検出器13で検出された圧力P1が油焚
ガスタービン1から入力される車室圧力Ptに一定圧力
p1を加えた値と等しく(P1=Pt+p1)なるよう
にフィードバック制御して、圧力調整弁12の開度を変
化させる。なお、流量調整弁6については、ガスタービ
ン出力(または回転数)14に応じて液体燃料5の供給
量を調整するよう開度制御される。このようなバーナ出
口圧力基準方式は、後述する液体燃料入口圧力基準方式
より噴霧圧力を低く抑えることができるので、噴霧流体
11の消費量が少なくてすむという利点がある。
【0026】これに対して、液体燃料入口圧力基準方式
では、圧力調整弁12で制御される噴霧流体11の圧力
P1が、液体燃料5の供給圧力に一定圧力を加算したも
のとなる。具体的な制御は、図4に示すように、上述し
た噴霧圧力検出器13に加えて流量調整弁6の下流側に
液体燃料圧力検出器15を設けておき、常に液体燃料圧
力P2より一定圧力p2だけ高い圧力で噴霧流体11を
ガス噴霧バーナ20に供給する。
【0027】この場合においても、流量調整弁6はガス
タービン出力(または回転数)14に応じて液体燃料5
の供給量(圧力)を調整するよう開度制御される。そし
て、噴霧圧力検出器13で検出された圧力P1が圧力検
出器15で検出した圧力P2に一定圧力p2を加えた値
と等しくなるように、すなわちP1=P2+p2となる
ようにフィードバック制御して、圧力調整弁12の開度
を変化させる。このような液体燃料入口圧力基準方式
は、上述したバーナ出口圧力基準方式より噴霧圧力が高
くなるため、液体燃料5の微粒子化が促進されて良好な
噴霧燃料を得やすいという利点がある。
【0028】続いて、本発明の第2の実施形態を図5に
基づいて説明する。この実施形態で採用する油焚ガスタ
ービン1の燃焼器30は、内側となる筒体(以下内筒)
31の軸中心に沿って予混合ノズル32を設置したもの
である。予混合ノズル32は、中央部にパイロットバー
ナ33が配設され、同パイロットバーナ33の周囲を取
り囲むようにして、複数(図示の例では8組)のメイン
バーナ34が等ピッチで配設されている。このため、パ
イロットバーナ33の中心軸は、内筒31の軸中心と一
致していることになる。
【0029】予混合ノズル32のパイロットバーナ33
には上述したガス噴霧バーナ20を採用し、パイロット
燃料として液体燃料及び蒸気(または液体燃料及び噴霧
空気)が供給される。このパイロットバーナ33は、先
端に設けられたノズルチップ33aが内筒31により形
成された燃焼器30の燃焼室30aに噴霧化された液体
燃料を供給する。また、パイロットスワーラ35は、パ
イロットバーナ33の外周部に設けられて通過する燃焼
用の空気流(白抜矢印で示す)に旋回を与えるものであ
る。このパイロットバーナ33では、ノズルチップ33
aから供給されるパイロット燃料(液体燃料)が、旋回
流となった空気流を燃焼空気として、燃焼室30a内で
燃焼する。こうして形成されたパイロットバーナ33の
火炎は、メインバーナ34の火種として用いられる。
【0030】上述した予混合ノズル32のメインバーナ
34は、メイン燃料として液体燃料及び蒸気(または液
体燃料及び噴霧空気)を供給するメイン燃料供給源に接
続されている。また、各メインバーナ34についても、
燃焼用の空気流に旋回を与えるメインスワーラ(スワー
ラ翼)36を具備している。なお、複数のメインバーナ
34は、いずれも同一の構成である。
【0031】このメインバーナ34は、導入された燃料
を燃料噴出口から空気流中に噴出させ、燃料と空気流と
を予混合して予混合気を形成する。この予混合気は、各
メインバーナ34から旋回流となってパイロットバーナ
33の周囲に流出し、前述したパイロットバーナ33の
火炎を火種として燃焼する。なお、図中の符号37は、
内筒31の外側に配設されて、180度反転する空気流
の導入路を形成する外筒である。
【0032】上述した構成の燃焼器30とすれば、予混
合ノズル32のパイロットバーナ33にガス噴霧バーナ
を採用したので、パイロット燃料として重油等の液体燃
料を使用する場合であっても、パイロットバーナ33の
良好な着火性が得られ、吹き消えの心配がない安定した
燃焼を行わせることができる。なお、メインバーナ34
については、従来技術で説明した圧力噴霧式バーナ3を
用い、ガスタービンの負荷に応じて使用するバーナ数を
調整するようにしてもよいし、あるいは、パイロットバ
ーナ33と同様にガス噴霧バーナを採用してもよい。
【0033】続いて、本発明の第3の実施形態を図6に
基づいて説明する。この実施形態で採用する油焚ガスタ
ービン1の燃焼器30Aは、パイロットバーナ33の周
囲に配置されている複数(図示の例では8組)のメイン
バーナ34のうち、黒丸で示す半数(4組)にガス噴霧
バーナ20を採用している。すなわち、8組のメインバ
ーナ34については、ガス噴霧バーナ(黒丸)20と圧
力噴霧式バーナ(白丸)3とが円周方向へ交互に配置さ
れている。
【0034】このような構成とすれば、燃焼器30Aの
メインバーナ34として良好な着火性が得られるガス噴
霧バーナ20を採用したので、低負荷時においても安定
した燃焼を維持することができる。なお、図6に示した
実施形態では、メインバーナ34の半数をガス噴霧バー
ナ20としてあるが、少なくとも1つ以上がガス噴霧バ
ーナ20であれば同様の作用効果を得ることができる。
【0035】このように、ガス噴霧バーナ20を燃焼器
2のバーナとして、あるいは、予混合ノズル32のパイ
ロットバーナ33またはメインバーナ34として採用す
ることにより、着火時や低負荷時のようにバーナ差圧の
小さな運転領域で重油等の液体(油)燃料を燃焼させる
場合であっても、最低のバーナ差圧を従来よりも高く設
定することが可能になるので、燃料の噴霧状態が良好
(噴霧粒径が小さい)となる。このため、油焚ガスター
ビン1の燃焼器2,30,30Aにおいて、着火性の向
上、低負荷時の吹き消え防止など、液体燃料の安定した
燃焼を行わせることが可能となる。また、噴霧粒径の小
さい液体燃料を燃焼させるので、煤塵の発生量を大幅に
低減することが可能になる。
【0036】図7は、燃焼器にガス噴霧バーナ20が採
用されている油焚ガスタービン1を構成要素とするガス
タービンプラントの第1構成例を示している。このガス
タービンプラントでは、ガス噴霧バーナ20にアトマイ
ズ用の噴霧蒸気11Sを供給する補助ボイラ41を備え
ている。この補助ボイラ41は、アトマイズ用のガスと
して燃焼器2のガス噴霧バーナ20に蒸気を導入する系
統、すなわち蒸気供給系統42によって油焚ガスタービ
ン1と接続されている。そして、補助ボイラ41で発生
させた蒸気は、その一部が噴霧蒸気11Sとして使用さ
れ、他の蒸気は別用途に使用される。
【0037】図8は、燃焼器にガス噴霧バーナ20が採
用されている油焚ガスタービン1を構成要素とするガス
タービンプラントの第2構成例を示している。このガス
タービンプラントでは、ガス噴霧バーナ20にアトマイ
ズ用の噴霧蒸気11Sを供給するため、蓄熱槽43及び
フラッシャー44を備えている。この蓄熱槽43及びフ
ラッシャー44は、蒸気供給系統42によって油焚ガス
タービン1と接続されている。そして、フラッシャー4
4で発生させた蒸気は、蒸気供給系統42を通って燃焼
器2へ供給され、ガス噴霧バーナ20の噴霧蒸気11S
として使用される。
【0038】図9は、燃焼器にガス噴霧バーナ20が採
用されている油焚ガスタービン1を構成要素とするガス
タービンプラントの第3構成例を示している。このガス
タービンプラントでは、油焚ガスタービン1と隣接して
他のガスタービン1Aが設置されている。油焚ガスター
ビン1及びガスタービン1Aは、それぞれの後流側に排
ガスボイラ50A,50Bを備えている。
【0039】そして、油焚ガスタービン1のアトマイズ
用として、隣接するガスタービン1A側の排ガスボイラ
50Bから蒸気供給系統42によって発生蒸気の一部を
導入し、噴霧蒸気11Sとして使用する。このような構
成とすれば、休止状態にある排ガスボイラ50Aから噴
霧蒸気11Sを導入する構成と比較して、すでに運転状
態にある隣接の排ガスボイラ50Bを蒸気供給源として
利用し、油焚ガスタービン1の起動時にガス噴霧バーナ
20の噴霧蒸気11Sを安定して確実に得ることができ
る。
【0040】なお、本発明の構成は上述した実施形態に
限定されるものではなく、たとえばガス噴霧バーナ20
の構成や予混合ノズル33の構成など、本発明の要旨を
逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
【0041】
【発明の効果】上述した本発明の油焚ガスタービンの燃
焼器、この燃焼器を備えた油焚ガスタービン及びガスタ
ービンプラントによれば、ガス噴霧バーナの採用により
着火時や低負荷時におけるバーナ差圧を従来よりも高く
設定できるので、重油等の液体燃料を燃焼させる燃焼器
に噴霧粒径の小さい良好な噴霧燃料を供給できるように
なる。このため、バーナにおける着火性が向上し、低負
荷時の吹き消えが防止されて、安定した燃焼を維持する
ことができる。また、噴霧粒径が小さい液体燃料を燃焼
させるので、煤塵の発生量を低減でき、近年の環境問題
の解決にも大きな効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る油焚ガスタービンの燃焼器の第
1の実施態として、ガス噴霧バーナへの噴霧流体の供給
制御方式にバーナ出口圧力基準方式を採用した構成図で
ある。
【図2】 ガス噴霧バーナの構成例を示す断面図であ
る。
【図3】 ガス噴霧バーナを採用した場合におけるガス
タービン負荷とバーナ差圧との関係を示すグラフであ
る。
【図4】 図1の変形例として、ガス噴霧バーナへの噴
霧流体の供給制御方式に液体燃料入口圧力基準方式を採
用した構成図である。
【図5】 本発明に係る油焚ガスタービンの燃焼器の第
2の実施態として予混合ノズルを備えた燃焼器を示す構
成図であり、(a)は要部断面図、(b)は(a)の縦
断面図である。
【図6】 本発明に係る油焚ガスタービンの燃焼器の第
3の実施形態を示す系統図である。
【図7】 本発明による油焚ガスタービンの燃焼器を備
えているガスタービンプラントの第1構成例を示す系統
図である。
【図8】 本発明による油焚ガスタービンの燃焼器を備
えているガスタービンプラントの第2構成例を示す系統
図である。
【図9】 本発明による油焚ガスタービンの燃焼器を備
えているガスタービンプラントの第3構成例を示す系統
図である。
【図10】 従来の油焚ガスタービンの燃焼器を示す構
成図である。
【図11】 圧力噴霧式バーナの構成例を示す断面図で
ある。
【図12】 圧力噴霧式バーナを採用した従来例におけ
るガスタービン負荷とバーナ差圧及び燃料消費量との関
係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 油焚ガスタービン 2 燃焼器 20 ガス噴霧バーナ 30 燃焼器 31 内筒(筒体) 32 予混合ノズル 33 パイロットバーナ(ガス噴霧バーナ) 34 メインバーナ 37 外筒(筒体)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 克則 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目1番1号 三菱重工業株式会社高砂製作所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重油等の液体燃料を燃焼させて運転す
    る油焚ガスタービンの燃焼器において、 前記液体燃料を空気または蒸気で噴霧するガス噴霧バー
    ナを用いたことを特徴とする油焚ガスタービンの燃焼
    器。
  2. 【請求項2】 中心軸上に配置されたパイロットバー
    ナ及び該パイロットバーナの周囲に配置されたメインバ
    ーナを備えた予混合ノズルと、該予混合ノズルを収納す
    る筒体とを具備し、重油等の液体燃料を燃焼させて運転
    する油焚ガスタービンの燃焼器において、 前記パイロットバーナが前記液体燃料を空気または蒸気
    で噴霧するガス噴霧バーナであることを特徴とする油焚
    ガスタービンの燃焼器。
  3. 【請求項3】 複数のバーナを備え、重油等の液体燃
    料を燃焼させて運転する油焚ガスタービンの燃焼器にお
    いて、 前記複数のバーナの1つ以上が、前記液体燃料を空気ま
    たは蒸気で噴霧するガス噴霧バーナであることを特徴と
    する油焚ガスタービンの燃焼器。
  4. 【請求項4】 前記ガス噴霧バーナが、ガス供給圧力
    の制御手段を備えていることを特徴とする請求項1から
    3のいずれかに記載の油焚ガスタービンの燃焼器。
  5. 【請求項5】 請求項1から4のいずれかに記載の油
    焚ガスタービンの燃焼器を1つ以上備えていることを特
    徴とする油焚ガスタービン。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の油焚ガスタービンが、
    前記ガス噴霧バーナのアトマイズ用ガスとして、ボイラ
    からの蒸気または蓄熱槽からの蒸気を導入する系統を備
    えていることを特徴とするガスタービンプラント。
  7. 【請求項7】 前記油焚ガスタービンが、該油焚ガス
    タービンに隣接する他のガスタービン後流側に配置され
    たボイラから蒸気を導入することを特徴とする請求項6
    記載のガスタービンプラント。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007132652A (ja) * 2005-11-07 2007-05-31 General Electric Co <Ge> タービンエンジン内に流体を噴射するための装置
JP2010071641A (ja) * 2008-09-17 2010-04-02 General Electric Co <Ge> 燃料ノズルチップ組立体
JP2013178035A (ja) * 2012-02-28 2013-09-09 Mitsubishi Heavy Ind Ltd パイロットノズル、これを備えたガスタービン燃焼器およびガスタービン
US11873761B2 (en) 2019-10-23 2024-01-16 Ihi Corporation Liquid fuel injector

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