JP2003313678A - ノンクロム金属表面処理剤、ノンクロム金属表面処理方法、及び、アルミニウム又はアルミニウム合金 - Google Patents

ノンクロム金属表面処理剤、ノンクロム金属表面処理方法、及び、アルミニウム又はアルミニウム合金

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JP2003313678A JP2002121338A JP2002121338A JP2003313678A JP 2003313678 A JP2003313678 A JP 2003313678A JP 2002121338 A JP2002121338 A JP 2002121338A JP 2002121338 A JP2002121338 A JP 2002121338A JP 2003313678 A JP2003313678 A JP 2003313678A
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Tomoshi Nishimura
智志 西村
Tomoyuki Sugata
智之 菅田
Masayuki Kamimura
雅之 神村
Minoru Inoue
実 井上
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リン酸クロメート表面処理剤と同等の耐食性
及び塗膜密着性を得ることができるノンクロム金属表面
処理剤を提供する。 【解決手段】 水溶性ジルコニウム化合物及び/又は水
溶性チタン化合物(1)、有機ホスホン酸化合物
(2)、並びに、タンニン(3)からなるノンクロム金
属表面処理剤であって、上記水溶性ジルコニウム化合物
及び/又は上記水溶性チタン化合物(1)の含有量は、
ジルコニウム及び/又はチタンの量として質量基準で4
0〜1000ppmであり、上記有機ホスホン酸化合物
(2)の含有量は、質量基準で20〜500ppmであ
り、上記タンニン(3)の含有量は、質量基準で200
〜5000ppmであり、上記ノンクロム金属表面処理
剤は、pHが1.6〜4.0であるノンクロム金属表面
処理剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ノンクロム金属表
面処理剤、ノンクロム金属表面処理方法、及び、アルミ
ニウム又はアルミニウム合金に関する。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム板の表面処理としては、リ
ン酸クロメート系表面処理剤が使用されてきた。このリ
ン酸クロメート系表面処理剤により形成される化成皮膜
は、皮膜単独の耐食性に優れており、また、各種樹脂系
塗料を塗装した後の耐食性、密着性に優れているため、
建材向け、家電向け、フィン材向け、カーエバポレータ
ー向け、飲料缶材向け等アルミ材の広範囲な用途におい
て使用されている。しかし、近年、環境保護の観点か
ら、リン酸クロメート系表面処理剤と同等の高い耐食
性、密着性を付与することができるノンクロム系表面処
理剤が求められている。
【0003】ノンクロム化成処理剤としては、例えば、
飲料缶ボディ向けとして、ジルコニウム又はチタニウム
化合物とリン酸化合物とを併用した系が用いられてい
る。しかしながら、これらの系により形成される化成皮
膜は、リン酸クロメート系表面処理剤により形成される
皮膜と比べて、塗装後の耐食性、密着性が劣るため、広
範囲な用途に使用できるものではなかった。
【0004】特公昭56−33468号公報には、ジル
コニウム及び/又はチタン、フォスフェート並びにフッ
化物を含有するアルミニウム用表面処理剤が開示されて
いる。しかしながら、この技術では、塗料との高い密着
性及び塗装材としての防食性が不充分であった。
【0005】特公昭63−30218号公報には、水溶
性チタン及び/又はジルコニウム化合物と、タンニン及
び/又は水溶性若しくは水分散性高分子からなるノンク
ロム系表面処理剤が開示されている。しかしながら、こ
のようなノンクロム系表面処理剤は、塗装材としての防
食性が不充分であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記現状に
鑑み、リン酸クロメート表面処理剤と同等の耐食性及び
塗膜密着性を得ることができるノンクロム金属表面処理
剤を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、水溶性ジルコ
ニウム化合物及び/又は水溶性チタン化合物(1)、有
機ホスホン酸化合物(2)、並びに、タンニン(3)か
らなるノンクロム金属表面処理剤であって、上記水溶性
ジルコニウム化合物及び/又は上記水溶性チタン化合物
(1)の含有量は、ジルコニウム及び/又はチタンの量
として質量基準で40〜1000ppmであり、上記有
機ホスホン酸化合物(2)の含有量は、質量基準で20
〜500ppmであり、上記タンニン(3)の含有量
は、質量基準で200〜5000ppmであり、上記ノ
ンクロム金属表面処理剤は、pHが1.6〜4.0であ
ることを特徴とするノンクロム金属表面処理剤である。
上記有機ホスホン酸化合物は、ホスホン基を構成するリ
ン原子が炭素原子と結合したものであることが好まし
い。
【0008】本発明は、上記ノンクロム金属表面処理剤
で被処理物を処理する工程(A)からなることを特徴と
するノンクロム金属表面処理方法である。上記工程
(A)が行われる前に、酸で洗浄する工程が行われるも
のであることが好ましい。上記工程(A)が行われる前
に、アルカリで洗浄する工程、次いで酸で洗浄する工程
が行われるものであることが好ましい。
【0009】本発明はまた、上記ノンクロム金属表面処
理方法により得られることを特徴とするアルミニウム又
はアルミニウム合金である。上記アルミニウム又はアル
ミニウム合金は、乾燥後の片面当たりの質量で、上記水
溶性ジルコニウム化合物及び/又は上記水溶性チタン化
合物(1)が、ジルコニウム及び/又はチタン原子換算
で4〜30mg/m含有し、上記水溶性ジルコニウム
化合物及び/又は上記水溶性チタン化合物(1)のジル
コニウム及び/又はチタン原子換算での質量に対して、
有機ホスホン酸化合物(2)が、リン原子換算で0.0
5〜0.3、タンニン(3)が、炭素原子換算で0.5
〜3の割合で含有する皮膜が形成されてなるものである
ことが好ましい。以下、本発明を詳細に説明する。
【0010】本発明のノンクロム金属表面処理剤は、塗
料塗装後において、優れた耐食性、塗膜密着性を付与す
ることができ、クロムを含有しない表面処理剤である。
特に、アルミニウム又はアルミニウム合金に対して、好
適に適用できるものであり、例えば、飲料缶、家電用の
アルミニウム又はアルミニウム合金に適用することによ
り優れた耐食性、塗膜密着性を付与することができるも
のである。
【0011】本発明のノンクロム金属表面処理剤は、水
溶性ジルコニウム化合物及び/又は水溶性チタン化合物
(1)を含有するものである。上記水溶性ジルコニウム
化合物としては、ジルコニウムを含有する化合物であれ
ば特に限定されないが、当該pHでの安定性が良好で、
皮膜形成性に優れることから、フッ素を含有している水
溶性ジルコニウム化合物が好ましい。
【0012】上記フッ素を含有している水溶性ジルコニ
ウム化合物としては特に限定されず、例えば、HZr
、(NHZrF、KZrF、Na
rF、LiZrF等を挙げることができる。これ
らは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよ
い。
【0013】上記水溶性チタン化合物としては、チタン
を含有する化合物であれば特に限定されないが、当該p
Hでの安定性が良好で、皮膜形成性に優れることから、
フッ素を含有している水溶性チタン化合物が好ましい。
【0014】上記フッ素を含有している水溶性チタン化
合物としては特に限定されず、例えば、HTiF
(NHTiF、KTiF、NaTiF
等を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよ
く、2種以上を併用してもよい。
【0015】上記水溶性ジルコニウム化合物及び/又は
上記水溶性チタン化合物(1)の含有量は、上記ノンク
ロム金属表面処理剤中で、ジルコニウム及び/又はチタ
ンの量として質量基準で、下限が40ppm、上限が1
000ppmである。40ppm未満であると、短時間
処理で充分なジルコニウム又はチタン皮膜量が得られ
ず、密着性、耐食性が低下するおそれがある。1000
ppmを超えると、塗装後の塗膜密着性が低下するおそ
れがあり、また、性能向上、処理時間の短縮は認められ
ず、コスト高となるおそれもある。上記下限は、100
ppmであることが好ましく、上記上限は、300pp
mであることが好ましい。なお、上記水溶性ジルコニウ
ム化合物及び/又は上記水溶性チタン化合物の含有量と
は、ノンクロム金属表面処理剤中に含まれるジルコニウ
ムとチタンとの合計の含有量である。
【0016】本発明のノンクロム金属表面処理剤は、有
機ホスホン酸化合物(2)を含有するものである。上記
有機ホスホン酸化合物(2)は、ホスホン基(−PO
)を化合物中に有する有機化合物を意味するもので
あるが、化合物中の炭素原子にホスホン基(−PO
)が結合した化合物であることが好ましい。
【0017】上記有機ホスホン酸化合物(2)のなかで
も、化合物中の炭素原子にホスホン基(−PO
が結合した化合物としては特に限定されず、例えば、下
記式(a)で表されるアミノトリ(メチレンホスホン
酸)、下記式(b)で表される1−ヒドロキシエチリデ
ン−1,1−ジホスホン酸、下記式(c)で表される2
−ホスホブタノン1,2,4−トリカルボン酸等を挙げ
ることができる。
【0018】
【化1】
【0019】上記有機ホスホン酸化合物(2)としては
また、下記式(d)で表されるエチレンジアミンテトラ
(メチレンホスホン酸)、下記式(e)で表されるジエ
チレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)等も挙
げることができる。
【0020】
【化2】
【0021】上記有機ホスホン酸化合物(2)のなかで
も、皮膜析出性、塗装後の耐食性、塗膜密着性に優れる
ことから、上記式(a)で表されるアミノトリ(メチレ
ンホスホン酸)、上記式(b)で表される1−ヒドロキ
シエチリデン−1,1−ジホスホン酸、上記式(c)で
表される2−ホスホブタノン1,2,4−トリカルボン
酸が好ましい。
【0022】上記有機ホスホン酸化合物(2)は、水溶
性であることが好ましい。水溶性の化合物である場合に
は、有機溶媒を用いる必要がなくなり、環境に対する負
荷を軽減することができる。
【0023】上記有機ホスホン酸化合物(2)は、単独
で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なお、ホ
スホン基に含まれる水素原子をアルカリ金属又はアンモ
ニウム等で置換した有機ホスホン酸化合物塩をノンクロ
ム金属表面処理剤に含有させることは、形成される皮膜
の耐食性が低下することから好ましくない。
【0024】上記有機ホスホン酸化合物(2)の含有量
は、上記ノンクロム金属表面処理剤中で、質量基準で下
限20ppm、上限500ppmである。20ppm未
満であると、形成される皮膜中に適切なリン皮膜量が得
られず、塗装後の塗膜密着性が低下するおそれがあり、
500ppmを超えても、過剰に存在することになるだ
けで密着性、耐食性を向上させる効果は見られず、コス
ト高となるおそれがある。上記下限は、50ppmであ
ることが好ましく、上記上限は、200ppmであるこ
とが好ましい。
【0025】本発明のノンクロム金属表面処理剤は、タ
ンニン(3)を含有するものである。上記タンニン
(3)は、タンニン酸ともいい、広く植物界に分布する
多数のフェノール性ヒドロキシル基を有する複雑な構造
の芳香族化合物の総称である。上記タンニン(3)は、
加水分解性タンニンでも縮合型タンニンでもよい。
【0026】上記タンニン(3)としては、ハマメリタ
ンニン、カキタンニン、チャタンニン、五倍子タンニ
ン、没食子タンニン、ミロバランタンニン、ジビジビタ
ンニン、アルガロビラタンニン、バロニアタンニン、カ
テキンタンニン等を挙げることができる。また、上記タ
ンニン(3)は、植物中に存在するタンニンを加水分解
等の方法によって分解したタンニン分解物であってもよ
い。
【0027】上記タンニン(3)としては、市販のも
の、例えば「タンニン酸エキスA」、「Bタンニン
酸」、「Nタンニン酸」、「工用タンニン酸」、「精製
タンニン酸」、「Hiタンニン酸」、「Fタンニン
酸」、「局タンニン酸」(いずれも大日本製薬社製)、
「タンニン酸:AL」(富士化学工業製)等を使用する
こともできる。上記タンニンは、単独で用いてもよく、
2種以上を併用してもよい。
【0028】上記タンニン(3)は、数平均分子量が2
00以上であることが好ましい。上記タンニン(3)と
してタンニン分解生成物を使用する場合、分解が進行し
すぎて分子量が200未満の低分子量化合物である場合
には、タンニンとしての性質を有さないため、塗装後の
塗膜密着性が向上しないおそれがある。
【0029】上記タンニン(3)の含有量は、上記ノン
クロム金属表面処理剤中において、質量基準で下限20
0ppm、上限5000ppmである。200ppm未
満であると、形成される皮膜中に、適切な炭素皮膜量が
得られず、塗装後の耐食性、塗膜密着性が低下するおそ
れがある。5000ppmを超えても、耐食性、塗膜密
着性等の性能が向上、処理時間の短縮は認められず、コ
スト高となるおそれがある。上記下限は、500ppm
であることが好ましく、上記上限は、2000ppmで
あることが好ましい。
【0030】本発明のノンクロム金属表面処理剤は、p
Hが、下限1.6、上限4.0の範囲内である。pHが
1.6未満の場合は、金属表面のエッチングが促進され
過ぎるため、皮膜外観が不良となり、また、得られる皮
膜の耐食性も悪化する。pHが4.0を超えると、化成
反応が満足に進行せず、化成皮膜が形成されにくくな
る。上記下限は、1.8であることが好ましく、2.2
であることがより好ましい。上記上限は、3.4である
ことが好ましく、2.8であることがより好ましい。
【0031】本発明のノンクロム金属表面処理剤は、上
記成分の他に必要に応じて、更に、エッチング助剤、キ
レート剤、pH調整剤を使用することができる。上記エ
ッチング助剤としては、例えば、フッ化水素酸、フッ化
水素酸塩、フッ化硼素酸等を挙げることができる。な
お、フッ素イオンの供給源として、上記水溶性ジルコニ
ウム化合物、上記水溶性チタン化合物(1)として挙げ
たジルコニウム又はチタンの錯体を用いる場合には、生
成するフッ素イオンの量が不充分であるので、上記フッ
素化合物を併用することが好ましい。
【0032】上記キレート剤としては、例えば、クエン
酸、酒石酸、グルコン酸等、アルミニウムと錯体を形成
する酸及びそれらの金属塩等を挙げることができる。
【0033】上記pH調整剤としては、例えば、硝酸、
過塩素酸、硫酸、硝酸ナトリウム、水酸化アンモニウ
ム、水酸化ナトリウム、アンモニア等の表面処理に悪影
響を与えない酸又は塩基を挙げることができる。
【0034】本発明のノンクロム金属表面処理方法は、
上記ノンクロム金属表面処理剤で被処理物を処理する工
程(A)からなるものである。上記工程(A)を行うこ
とにより、被処理物に優れた塗装後の耐食性、塗膜密着
性を付与することができる。
【0035】上記被処理物としては、例えば、金属製基
材が挙げられ、アルミニウム又はアルミニウム合金が好
ましく、例えば、アルミニウム合金5182材、アルミ
ニウム合金5021材、アルミニウム合金5022材、
アルミニウム合金5052材、アルミニウム合金300
4材、アルミニウム合金3005材、アルミニウム合金
1050材、アルミニウム合金1100材等が好適に用
いられる。上記被処理材の用途としては特に限定され
ず、例えば、家電向け、飲食物用容器向け、住宅建材向
け等を挙げることができる。
【0036】上記工程(A)において、上記被処理物を
処理する方法としては、上記被処理物を上記ノンクロム
金属表面処理剤に接触させる方法であれば特に限定され
ず、スプレー法、浸漬法等の通常の方法を挙げることが
できる。なかでも、スプレー法で行うことが好ましい。
【0037】上記工程(A)は、下限30℃、上限80
℃の温度範囲で行うことが好ましい。30℃未満である
と、反応速度が低下し、皮膜の析出性が悪くなるため、
充分な皮膜量を得るために処理時間を延長する必要が生
じ、生産性を低下させる。80℃を超えると、エネルギ
ーのロスが大きくなる可能性がある。上記下限は、50
℃であることがより好ましい。上記上限は、70℃であ
ることがより好ましい。
【0038】上記工程(A)は、スプレー法で処理する
場合は、処理時間が下限1秒、上限20秒の範囲内であ
ることが好ましい。1秒未満であると、形成される皮膜
量が充分でなく、耐食性や密着性が低下するおそれがあ
り、20秒を超えると、皮膜形成時のエッチングが過度
に進行し、密着性、耐食性が低下するおそれがある。上
記下限は、3秒であることがより好ましい。上記上限
は、8秒であることがより好ましい。
【0039】上記工程(A)の後、必要に応じて水洗処
理を行うことができる。上記水洗処理は、塗膜外観等に
悪影響を及ぼさないようにするために、1回又はそれ以
上行われるものである。この場合、最終の水洗は、純水
で行われることが適当である。この水洗処理において
は、スプレー水洗又は浸漬水洗のどちらでもよく、これ
らの方法を組み合わせて水洗することもできる。
【0040】上記工程(A)により得られる皮膜は、水
洗後に乾燥させることが好ましい。上記皮膜を乾燥する
方法としては加熱乾燥が好ましく、例えば、オーブン乾
燥及び/又は熱空気の強制的循環による加熱乾燥を挙げ
ることができる。これらの加熱乾燥は、通常、40〜1
20℃で6秒〜60秒間行われる。
【0041】本発明のノンクロム金属表面処理方法は、
上記工程(A)の処理が行われる前に酸で洗浄する工程
が行われることが好ましい。更に酸で洗浄する工程の前
にアルカリで洗浄する工程が行われることが好ましい。
最も好ましい態様は、アルカリ洗浄、水洗、酸洗浄、水
洗、ノンクロム金属表面処理、水洗、乾燥の各工程を順
次行う方法である。
【0042】上記アルカリ洗浄処理としては特に限定さ
れず、例えば、従来アルミニウムやアルミニウム合金等
の金属のアルカリ洗浄処理に用いられてきたアルカリ洗
浄を行うことができる。上記アルカリ洗浄処理におい
て、通常、アルカリ洗浄はアルカリ性クリーナーを用い
て行われる。また、上記酸洗浄は酸性クリーナーを用い
て行われる。
【0043】上記アルカリ性クリーナーとしては特に限
定されず、例えば、通常のアルカリ洗浄に用いられるも
のを用いることができ、例えば、日本ペイント社製「サ
ーフクリーナー360」等を挙げることができる。上記
酸性クリーナーとしては特に限定されず、例えば、硫
酸、硝酸、塩酸等の無機酸;日本ペイント社製「サーフ
クリーナーST160」等を挙げることができる。
【0044】上記酸洗浄及びアルカリ洗浄処理は、通
常、スプレー法で行われる。上記酸洗浄又はアルカリ洗
浄処理を行った後は、基材表面に残存する酸洗浄剤又は
アルカリ洗浄剤を除去するために、水洗処理を行う。
【0045】上記ノンクロム金属表面処理方法により得
られる皮膜は、乾燥後の片面当たりの質量で、上記水溶
性ジルコニウム化合物及び/又は上記水溶性チタン化合
物(1)が、ジルコニウム及び/又はチタン原子換算で
下限4mg/m、上限30mg/m含有するもので
あることが好ましい。4mg/m未満であると、塗装
後の耐食性が低下するおそれがあり、30mg/m
超えると、塗装後の塗膜密着性が低下するおそれがあ
る。上記下限は、10mg/mであることがより好ま
しく、上記上限は、20mg/mであることがより好
ましい。なお、上記水溶性ジルコニウム化合物及び/又
は上記水溶性チタン化合物の乾燥後の片面当たりの質量
とは、上記ノンクロム金属表面方法により得られる皮膜
中に含まれるジルコニウムとチタンとの合計の質量であ
る。
【0046】上記ノンクロム金属表面処理方法により得
られる皮膜において、各成分の皮膜量は、ノンクロム金
属表面処理剤の組成、処理温度、処理時間を適宜設定す
ることによって所望の皮膜量を得ることができる。
【0047】上記ノンクロム金属表面処理方法により得
られる皮膜は、上記水溶性ジルコニウム化合物及び/又
は上記水溶性チタン化合物(1)のジルコニウム及び/
又はチタン原子換算での質量に対して、上記有機ホスホ
ン酸化合物(2)が、リン原子換算で、下限0.05、
上限0.3の割合で含有するものであることが好まし
い。0.05未満であると、塗装後の塗膜密着性が低下
するおそれがあり、0.3を超えても、過剰に存在する
ことになるだけで密着性を向上させる効果は見られず、
コスト高となるおそれがある。上記下限は、0.1であ
ることがより好ましく、上記上限は、0.15であるこ
とがより好ましい。
【0048】上記ノンクロム金属表面処理方法により得
られる皮膜は、上記水溶性ジルコニウム化合物及び/又
は上記水溶性チタン化合物(1)のジルコニウム及び/
又はチタン原子換算での質量に対して、上記タンニン
(3)が、炭素原子換算で、下限0.5、上限3の割合
で含有するものであることが好ましい。0.5未満であ
ると、塗装後の塗膜密着性が低下するおそれがあり、3
を超えると、塗装後の耐食性が低下するおそれがある。
上記下限は、1.0であることがより好ましく、上記上
限は、1.5であることがより好ましい。
【0049】上記ノンクロム金属表面処理方法により得
られる皮膜中の上記水溶性ジルコニウム化合物及び/又
は上記水溶性チタン化合物(1)のジルコニウム及びチ
タン量、有機ホスホン酸化合物(2)のリン量は、蛍光
X線分析装置により測定することができ、上記タンニン
(3)の量は、形態別炭素/水分析装置によって測定さ
れる有機炭素量により測定することができる。
【0050】本発明のアルミニウム又はアルミニウム合
金は、上記ノンクロム金属表面処理方法により得られる
ものである。これにより得られるアルミニウム又はアル
ミニウム合金は、塗装後の耐食性及び塗膜密着性に優れ
るものであることから、飲料物用容器、家電、建材等の
用途に好適に用いることができる。
【0051】本発明のノンクロム金属表面処理剤は、水
溶性ジルコニウム化合物及び/又は水溶性チタン化合物
(1)、有機ホスホン酸化合物(2)、並びに、タンニ
ン(3)からなるノンクロム金属表面処理剤であって、
上記水溶性ジルコニウム化合物及び/又は上記水溶性チ
タン化合物(1)の含有量は、ジルコニウム及び/又は
チタンの量として質量基準で40〜1000ppmであ
り、上記有機ホスホン酸化合物(2)の含有量は、質量
基準で20〜500ppmであり、上記タンニン(3)
の含有量は、質量基準で200〜5000ppmであ
り、上記ノンクロム金属表面処理剤は、pHが1.6〜
4.0であるものである。即ち、水溶性ジルコニウム化
合物及び/又は水溶性チタン化合物(1)だけでなく、
有機ホスホン酸化合物(2)及びタンニン(3)を含有
するものであることから、上記ノンクロム金属表面処理
剤を用いることにより、塗装後耐食性及び塗膜密着性を
向上させることができる。これにより、上記ノンクロム
金属表面処理剤でアルミニウム又はアルミニウム合金等
の金属製基材を処理することにより、金属製基材に優れ
た塗装後耐食性、塗膜密着性を付与することができ、飲
料缶材向け、家電向け、建材向け等に好適に用いること
ができる。
【0052】
【実施例】以下に本発明を実施例により更に具体的に説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。また実施例中、「部」は特に断りのない限り
「質量部」を意味する。
【0053】(ノンクロム金属表面処理剤の調製) 実施例1 イオン交換水9993部を攪拌装置付きベッセルに仕込
んだ。常温にて攪拌しながら、日本軽金属社製「フッ化
ジルコニウム水素酸」(Zrとして17.6%含有)
2.3部を徐々に添加した。更に、攪拌しながら、森田
化学工業社製「1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジ
ホスホン酸」0.7部を徐々に添加した。次いで、攪拌
しながら、大日本製薬社製「タンニン酸エキスA」(不
揮発分50%)4部を徐々に添加した。続いて、攪拌し
ながら、処理剤に対し、フリーフッ素濃度が12ppm
となるようにフッ化水素酸を配合した後、アンモニアを
添加し、処理剤のpHを2.6に調整した。10分攪拌
を継続し、フッ化ジルコニウム水素酸をジルコニウムと
して40ppm、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−
ジホスホン酸をリンとして20ppm、タンニン200
ppm含有する微褐色の水溶液を得た。
【0054】実施例2〜12、比較例1〜4 表1及び表2に記載した配合比で実施例1と同様の方法
によって、実施例2〜12及び比較例1〜4のノンクロ
ム金属表面処理剤を調製した。
【0055】実施例13 イオン交換水9989.1部を攪拌装置付きベッセルに
仕込んだ。常温にて攪拌しながら、森田化学工業社製
「フッ化チタン水素酸」(Tiとして29.3%含有)
1.5部を徐々に添加した。更に、攪拌しながら、森田
化学工業社製「1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジ
ホスホン酸」1.4部を徐々に添加した。次いで、攪拌
しながら、大日本製薬社製「タンニン酸エキスA」(不
揮発分50%)8部を徐々に添加した。続いて、攪拌し
ながら、処理剤に対し、フリーフッ素濃度が12ppm
となるようにフッ化水素酸を配合した後、アンモニアを
添加し、処理剤のpHを2.6に調整した。10分攪拌
を継続し、フッ化チタン水素酸をチタンとして45pp
m、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸
をリンとして40ppm、タンニン400ppmを含有
する微褐色の水溶液を得た。
【0056】実施例14〜21、比較例5〜8 表1及び表2に記載した配合比で実施例13と同様の方
法によって、実施例14〜21及び比較例5〜8のノン
クロム金属表面処理剤を調製した。
【0057】実施例22 イオン交換水9987.9部を攪拌装置付きベッセルに
仕込んだ。常温にて攪拌しながら、フッ化ジルコニウム
水素酸1.7部、続いてフッ化チタン水素酸1.0部を
徐々に添加した。更に、攪拌しながら、1−ヒドロキシ
エチリデン−1,1−ジホスホン酸1.4部を徐々に添
加した。次いで、攪拌しながら、大日本製薬社製「タン
ニン酸エキスA」(不揮発分50%)8部を徐々に添加
した。続いて、攪拌しながら、処理剤に対し、フリーフ
ッ素濃度が12ppmとなるようにフッ化水素酸を配合
した後、アンモニアを添加し、処理剤のpHを2.6に
調整した。10分攪拌を継続し、フッ化ジルコニウム水
素酸をジルコニウムとして30ppm、フッ化チタン水
素酸をチタンとして30ppm、1−ヒドロキシエチリ
デン−1,1−ジホスホン酸をリンとして40ppm、
タンニン400ppmを含有する微褐色の水溶液を得
た。
【0058】実施例23〜25 表1に記載した配合比で実施例22と同様の方法によっ
て、実施例23〜25のノンクロム金属表面処理剤を調
製した。
【0059】実施例26〜28、比較例9〜10 実施例4で作成した水溶液(フッ化ジルコニウム水素酸
をジルコニウムとして200ppm、1−ヒドロキシエ
チリデン−1,1−ジホスホン酸をリンとして120p
pm、タンニンを1400ppm含有)のpHを、硝
酸、又はアンモニアを用いて、1.4〜5の範囲で調整
し、実施例26〜28のノンクロム金属表面処理剤を得
た。(実施例26:pH=1.6、実施例27:pH=
3.0、実施例28:pH=4.0) 同様の方法によって比較例9、10のノンクロム金属表
面処理剤を得た。(比較例9:pH=1.4、比較例1
0:pH=5.0)
【0060】(化成処理板の作成)アルミニウム合金5
182板材を、日本ペイント社製「サーフクリーナー3
60」の1%希釈液を用いて脱脂し(65℃×3秒間処
理)、水洗し、続いて硫酸1%希釈液を用いて洗浄した
後(50℃×3秒間処理)、水洗し、得られたアルミニ
ウム材に、スプレー装置によって、58℃にて5秒間上
記実施例及び比較例のノンクロム金属表面処理剤による
処理を行い、素材温度80℃にて30秒間乾燥させ、表
面処理金属板を得た。
【0061】比較例11〜13 処理剤として、日本ペイント社製「アルサーフ413
0」(比較例11:リン酸ジルコニウム系処理剤)、日
本ペイント社製「アルサーフ402」(比較例12:ジ
ルコニウム系処理剤(リン酸化合物含有せず))、日本
ペイント社製「アルサーフ401/45」(比較例1
3:リン酸クロメート処理剤)を使用した他は、いずれ
も、上述の洗浄工程、スプレー処理と同条件にて化成皮
膜を形成させた。
【0062】(皮膜量測定)実施例及び比較例によって
得られた乾燥皮膜のジルコニウム、チタン、リン、クロ
ムの質量を、島津製作所社製 蛍光X線分析装置「XR
F−1700」を用いて測定した。乾燥化成皮膜のタン
ニンの質量は、米国LECO社製 形態別炭素/水分分
析装置「RC412」を用いてタンニン由来の炭素原子
質量を測定した。なお、タンニン由来の炭素原子質量
は、以下の方法により測定した。
【0063】〔タンニン由来の炭素原子質量の測定方
法〕 (1)水溶性ジルコニウム化合物及び/又は水溶性チタ
ン化合物、並びに、有機ホスホン酸化合物のみからなる
皮膜を作成し、有機ホスホン酸化合物由来の炭素質量と
リン質量とを測定し、有機ホスホン酸化合物由来の炭素
質量とリンとの質量比を算出し、一次式を作成した。 (2)次に、水溶性ジルコニウム化合物及び/又は水溶
性チタン化合物、有機ホスホン酸化合物、並びに、タン
ニンからなる皮膜を作成し、炭素質量、リン質量を測定
した。 (3)(1)で得られた一次式から、(2)で得られた
リン質量をもとに有機ホスホン酸化合物由来の炭素質量
を算出した。 (4)(2)で得られた炭素質量(実測値)と(3)で
得られたリン質量(計算値)との差から、タンニン由来
の炭素質量を求めた。
【0064】上記測定によって得られたジルコニウム化
合物中のジルコニウムの質量をZrとして、チタン化合
物中のチタンの質量をTiとして、有機ホスホン酸化合
物に由来するリンの質量をPとして、タンニンに由来す
る炭素原子の質量をCとして、それぞれ表1、表2に示
した。また、Zr・Ti対Pの比率及びZr・Ti対C
の比率もあわせて示した。
【0065】
【表1】
【0066】
【表2】
【0067】塗装板の作成1 得られた化成処理板に、日本ペイント社製水性エポキシ
系クリアー塗料「キャンライナー100」(不揮発分2
8%)を、リバースロールコーターを用いて、片面当た
りウェット質量にて25g/mなるよう塗布し、コン
ベアー式オーブンを用いて素材温度260℃で30秒間
焼付けを行い、塗料の乾燥塗装質量が7g/mのアル
ミ塗装材を得た。
【0068】塗装板の作成2 得られた化成処理板に、日本ファインコーティングス社
製溶剤型ポリエステル系塗料「フレキコート#5000
ホワイト」(不揮発分50%)を、リバースロールコー
ターを用いて、片面当たりウェット質量にて15g/m
なるよう塗布し、コンベアー式オーブンを用いて素材
温度230℃で60秒間焼付けを行い、塗料の乾燥塗装
質量が7.5g/mのアルミ塗装材を得た。
【0069】(評価方法)下記評価を行い、結果を表
3、表4に示した。 1.ノンクロム金属表面処理剤の安定性 上記により調製した金属表面処理剤を40℃で30日間
保管し、処理液の外観を目視で評価した。表3、4にお
いて、白濁、沈降、凝集物の有無等の異常の無い、良好
な外観が得られたものを「○」で表し、異常があったも
のはその状態を表記した。
【0070】2.皮膜外観 上記により得た化成処理板の表面を目視で評価した。表
3、4において、はじき、ムラ、著しい変色等の異常の
無い、良好な外観が得られたものを「○」で表し、異常
があったものはその状態を表記した。
【0071】3.密着強度 2枚の同一の塗装板の塗装面同士を、ダイセル化学工業
社製熱溶融ポリアミドフィルム「ダイアミドフィルム#
7000」を用いて貼り合わせた。貼り合わせは、ホッ
トプレス試験器を用い、200℃、7kg/cmで1
分間圧着した。塗装面を貼り合わせた板を、5mmの幅
に切り出し、テンシロン引っ張り試験器を用いて200
mm/分の速度で引き剥がし、その際にかかる力を測定
した(単位:kgf/5mm)。(ポリエステル系塗料
はこの接着法では貼合わせることができないため、試験
できない。) リン酸クロメート処理への塗装板と同等以上の数値を示
すことを合格レベルとすした。
【0072】4.耐水密着性 アルミ塗装板を100℃の沸騰水に60分間浸漬した。
アルミ塗装板を沸騰水より取り出し後直ちに、即座に、
1mm幅で100個のクロスカットを施し、セロハンテ
ープ剥離を行い、剥離個数を測定した。剥離個所が無い
ことを合格レベルとした。
【0073】5.耐食性 アルミ塗装板の塗装面を凸となるよう、図1に示したカ
ップ加工を行った。カップ 加工材を、50℃に保持し
た、2%クエン酸、2%食塩の混合水溶液に72時間浸
潰し、取り出し後、図1に示した平面部1、エッジ部2
及び側面部3の各部位の腐食状態を5点満点にて評価
し、その平均点を算出する。 5点:腐食無し 4点:微少腐食(側面部0.5mm、腐食10ヶ所以
下、エッジ部:0.5mm腐食5ヶ所以下) 3点:腐食(側面部:1mm腐食20ヶ所以下、エッジ
部:1mm腐食10ヶ所以下) 2点:腐食(側面部:3mm腐食20ヶ所以下、エッジ
部:3mm腐食10ヶ所以下) 1点:全面腐食(側面部、エッジ部とも半分以上腐食) 評点平均値がリン酸クロメート処理へのアルミ塗装板と
同等以上の数値を示すことを合格レベルとした。
【0074】
【表3】
【0075】
【表4】
【0076】実施例により得られたノンクロム金属表面
処理剤は、液安定性に優れ、処理剤により得られた塗膜
は、密着性、耐食性に優れるものであった。水溶性ジル
コニウム化合物及び/又は水溶性チタン化合物(1)、
有機ホスホン酸化合物(2)、タンニン(3)の量が本
発明の範囲外となっている比較例1〜8の処理剤により
得られた塗膜は、密着性、耐食性に劣るものであった。
また、pHの範囲が本発明の範囲外となっている比較例
9〜10は、密着性、耐食性に劣るだけでなく、処理剤
の安定性に劣ったり、得られる皮膜が白化したりするも
のであった。更に、実施例のノンクロム金属表面処理剤
により得られた塗膜は、比較例11〜13の処理剤によ
り得られたものと同等又はそれ以上の密着性、耐食性を
示すものであった。
【0077】
【発明の効果】本発明のノンクロム金属表面処理剤、ノ
ンクロム金属表面処理方法及びアルミニウム又はアルミ
ニウム合金は、上述した構成よりなるので、リン酸クロ
メート表面処理剤と同等の耐食性及び塗膜密着性を得る
ことができるものである。これにより、建材向け、家電
向け、フィン材向け、カーエバポレーター向け、飲料缶
材向け等アルミ材の広範囲な用途、特に家電向け、建材
向け、飲料缶蓋材向けの用途に好適に用いることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 防食性評価のための被検物の形状の模式図を
示す。
【符号の説明】 1 平面部 2 エッジ部 3 側面部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 神村 雅之 東京都品川区南品川4丁目1番15号 日本 ペイント株式会社内 (72)発明者 井上 実 東京都品川区南品川4丁目1番15号 日本 ペイント株式会社内 Fターム(参考) 4K026 AA09 AA22 BA01 BB08 CA13 CA26 CA28 DA03 DA06 DA13 EA08 EA11

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水溶性ジルコニウム化合物及び/又は水
    溶性チタン化合物(1)、有機ホスホン酸化合物
    (2)、並びに、タンニン(3)からなるノンクロム金
    属表面処理剤であって、前記水溶性ジルコニウム化合物
    及び/又は前記水溶性チタン化合物(1)の含有量は、
    ジルコニウム及び/又はチタンの量として質量基準で4
    0〜1000ppmであり、前記有機ホスホン酸化合物
    (2)の含有量は、質量基準で20〜500ppmであ
    り、前記タンニン(3)の含有量は、質量基準で200
    〜5000ppmであり、前記ノンクロム金属表面処理
    剤は、pHが1.6〜4.0であることを特徴とするノ
    ンクロム金属表面処理剤。
  2. 【請求項2】 有機ホスホン酸化合物は、ホスホン基を
    構成するリン原子が炭素原子と結合したものである請求
    項1記載のノンクロム金属表面処理剤。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のノンクロム金属表
    面処理剤で被処理物を処理する工程(A)からなること
    を特徴とするノンクロム金属表面処理方法。
  4. 【請求項4】 工程(A)が行われる前に、酸で洗浄す
    る工程が行われるものである請求項3記載のノンクロム
    金属表面処理方法。
  5. 【請求項5】 工程(A)が行われる前に、アルカリで
    洗浄する工程、次いで酸で洗浄する工程が行われるもの
    である請求項3記載のノンクロム金属表面処理方法。
  6. 【請求項6】 請求項3、4又は5記載のノンクロム金
    属表面処理方法により得られることを特徴とするアルミ
    ニウム又はアルミニウム合金。
  7. 【請求項7】 乾燥後の片面当たりの質量で、水溶性ジ
    ルコニウム化合物及び/又は水溶性チタン化合物(1)
    は、ジルコニウム及び/又はチタン原子換算で4〜30
    mg/m含有し、前記水溶性ジルコニウム化合物及び
    /又は前記水溶性チタン化合物(1)のジルコニウム及
    び/又はチタン原子換算での質量に対して、有機ホスホ
    ン酸化合物(2)は、リン原子換算で0.05〜0.
    3、タンニン(3)は、炭素原子換算で0.5〜3の割
    合で含有する皮膜が形成されてなる請求項7記載のアル
    ミニウム又はアルミニウム合金。
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