JP2003310769A - 抗微生物剤投与装置および組立品 - Google Patents

抗微生物剤投与装置および組立品

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JP2003310769A JP2002124855A JP2002124855A JP2003310769A JP 2003310769 A JP2003310769 A JP 2003310769A JP 2002124855 A JP2002124855 A JP 2002124855A JP 2002124855 A JP2002124855 A JP 2002124855A JP 2003310769 A JP2003310769 A JP 2003310769A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 皮膚に存在する微生物を殺菌し、微生物に由
来する感染症を有効に予防する抗微生物剤投与装置およ
び組立品を提供する。 【解決手段】 本抗微生物剤投与装置はイオントフォレ
ーシスを用いるものであり、抗微生物剤を含むドナー電
極100と、ドナー電極の対向電極として設けられるリ
ファレンス電極110と、通電の総電流量が1〜30m
A・min/cm となるようにドナー電極とリファレ
ンス電極間に電流を流す電源装置120とを備える。ド
ナー電極100の皮膚適用面積は好適には1〜100c
である。これにより、カテーテルまたは注射針が挿
入される部分の皮膚を殺菌する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カテーテルまたは
注射針が挿入される部分の皮膚に存在する微生物を殺菌
等するための抗微生物剤投与装置および組立品に係り、
特に、抗微生物剤を皮膚に対して効率的かつ安全に、能
動的な吸収制御に基づいて送達するための抗微生物剤投
与装置および組立品に関する。
【0002】
【従来の技術】入院患者管理のための基本的かつ日常臨
床において頻繁に行われるカテーテル留置は、その不適
切な使用によって発熱から敗血症まで多くの合併症を誘
発するおそれがある。静脈カテーテル感染症の防止に対
する新しい対策を考案することは、感染症防止研究の長
年の課題となっている。これは現在医療において、急増
する国際問題でもあり、治療費や病院費などが大きな負
担となっている[MermelL.A., Prevention of intravasc
ular catheter related infections, Infect. Dis. Cli
n. Parc., 1994, 3, 391-398.]。中でも、最も重篤な感
染症は中心静脈カテーテルにおいて観察され、集中治療
室における患者管理が進歩した近年においてさえも、静
脈カテーテル関連感染症は高い発生率及び死亡率を示し
ている[Mermel L.A., Prevention of intravascular ca
theter-related infections, AnnIntern Med., 2000, 1
32, 391-402.]。
【0003】生体にとって異物であるカテーテルが血管
内に留置されると、穿刺時にフィブリンが付着する。こ
れを起点としてカテーテルの表面にフィブリンの皮膜や
血栓が付着する。これらの皮膜や血栓が付着したカテー
テルが細菌増殖の巣となりカテーテル感染症が発症する
と言われている。特に、細菌がカテーテル関連感染にお
いて最も共通に単離される細菌として、コアグラーゼ陰
性ブドウ球菌(主に、表皮ブドウ球菌)や黄色ブドウ球
菌が見られる[Das I., Philpott C., and Gerorge R.
H., Central venous catheter-related septicaemia in
paediatric cancer patients, J. Hosp. Infect., 199
7, 36, 67-76., Gupta B., Bernardini J., and Pirain
o B., Peritonitis associatedwith exit site and tun
nel infections, Am. J. Kidney Dis., 1996, 28, 415-
419.]。
【0004】細菌の進入経路として、連結部からの汚
染、注入溶液の汚染、カテーテル皮膚刺入部からの汚
染、カテーテル穿刺時の感染などが挙げられる。中で
も、連結部からの汚染、カテーテル皮膚刺入部からの汚
染、カテーテル穿刺時の感染が主要因と考えられてい
る。
【0005】一方、カテーテルの改良は著しく発展し、
大きな飛躍をもたらしている。すなわち、カテーテル皮
膚刺入部からの汚染に対して、挿入部から皮下にトンネ
ルをつくり、別の場所にカテーテルの出口を作成、さら
に出口には皮下組織の増殖を促進するためのダクロンカ
フを配置することで、刺入部からカテーテルの外側を介
しての上行感染を予防することができる[Broviac J.W.,
Cole J.J. and Scribner B.H., A silicon rubber atr
ial catheter for prolonged parenteral alimentatio
n, Surg. Gynecol Obstet., 1973, 136, 602-606., Hic
kman R.O., Buckner C.D., Clift R.A. et al, A modif
ied right arterial catheter for access to the veno
us system in marrow transplant recipients.]。さら
に、カテーテル壁での細菌増殖を抑制するために、消毒
剤や抗生物質を含ませたポリマー修飾など種々の試みが
なされている[Miki D.G., Cobb L., Garman J.K., et a
l, An attachable silver-impregnated cuff for preve
ntion of infection with central venous catheters.
A prospective randomized multi-center trial, Am.
J. Med., 1988, 85, 307-314., Heard S.O., Wagle M.,
Vijayakumar E., et al, Influence of triple-lumen
central venous catheters coated with chlorhexidine
and silver sulfadiazine on the incidence of cathe
ter-related infections, Arch. Intern. Med., 1998,
158, 81-87., Tennenberg S., lieser M., McCurdy B.,
et al, A prospective randomized trial of an antib
iotic- antiseptic-coated central venous catheter i
n the prevention of catheter-related infections, A
rch. Surg., 1997, 132, 1348-1351.]。これらの技術
は、カテーテル装置が原因の感染に対して有効な方法で
大きな進歩となった。
【0006】また近年では、敗血症などカテーテル関連
感染症の要因として、カテーテル挿入時の皮膚内在来菌
による感染誘発が大きく注目されている。特に、重篤な
感染症を誘発することが知られるブドウ球菌などの細菌
類は皮膚表面に広範囲に分布し、角質層や皮脂線などの
付属器官に集中している[Eady E.A., Sampling the bac
teria of the skin, in: Serup J., and Jemec G.B.E.,
eds., Handbook of non擁nvasive methods and the sk
in, Boca Raton, CRC ress, 1995., Kearney J.N., Har
nby D., Gowland G., and Holland K.T., The follicul
ar distribution and abundance of resident bacteria
on human skin, J. Gen. Microbio., 1984, 130, 797-
801., Selwyn S., and Ellis H., Skin bacteria and s
kin disinfection reconsidered, Br. Med. J., 1972,
1, 136-140.]。これらの細菌に対する皮膚消毒方法とし
て、従来よりポピドンヨードなどの消毒剤が使用されて
いるが、完全に菌を消滅させることができないと報告さ
れている[Hendley J.O., and Ache K.M., Effect of to
pical antimicrobial treatment on aerobic bacteria
in the stratum corneum of human skin, Antimicrob A
gents Chemother., 1991, 35, 627-631.]。特に、毛
穴、皮脂腺、汗腺などの付属器官に生息する皮膚在来菌
に対して、従来の消毒剤による消毒方法では十分な殺菌
効果が得られない。これは、角質層表面または付属器官
を覆う脂質類が薬剤の透過を制限し,皮膚在来菌が生息
する部位への有効薬剤の移行を抑制するためと考えられ
る[Price P.B., The bacteriology of normal skin; a
new quantitative test applied to a study of the ba
cterial flora and the disinfectionaction of mechan
ical cleansing, J. Infect. Dis., 1939, 63, 301-31
8., Selwyn S., and Ellis H., Skin bacteria and ski
n disinfection reconsidered,Br. Med. J., 1972, 1,
136-140., Sato S., Sakuragi T., and Dan K., Humans
kin flora as a potential source of epidual absces
s, Anesthesiology, 1996, 85, 1276-1282.]。
【0007】皮膚は種々の物質に対する主要なバリアー
であり、高極性または荷電した薬剤透過をしばしば制限
する。また、毛穴、皮脂腺及び汗腺などの皮膚付属器官
はシャント経路として知られているが、それらの器官の
開口部の総面積は小さく、さらに付属器官より排出され
る脂溶性物質によっても高極性または荷電した薬剤の吸
収は抑制される[Potts R.O., and Francoeur M.L., the
influence of stratum corneum morphology on water
permeability, J. Invest. Dermatol., 1991,96, 495-4
99., Barry B.W., Dermatological formulations: Perc
utaneous absorption, In: Swarbrick J. ed., Drugs a
nd the pharmaceutical Sciences, NewYork and Basel,
Marcel Dekker Inc., 1983.]。
【0008】イオントフォレーシス(Iontophoresis)は
外的刺激に電気を用いた経皮吸収促進システムで、その
原理は主に通電により陽極および陰極間に生じた電界中
を正にチャージした分子が陽極から出て陰極へ、負にチ
ャージした分子が陰極から出て陽極へ移動する力(電気
反発)、陽極側から陰極側への水の移動(電気浸透)な
どによって分子移動を引き起こして皮膚バリヤーの透過
を促進する。
【0009】すなわち、荷電した薬物を電気化学的ポテ
ンシャルにより能動的に体内に吸収させる方法である。
例えば、正荷電の薬物を陽極側から皮膚に投与する方法
である。特に、電流は角質層内の電気抵抗の小さい汗腺
や毛嚢などの付属器官に集中することから、極性薬物は
主にこの経路から吸収されることが知られている。ま
た、荷電しない物質についても溶媒中のイオンが電場に
よる水の移動によって、物質の移動が起こる。このよう
に、イオントフォレーシスでは受動拡散に加えて、電気
反発及び電気浸透が薬物吸収に対して重要な役割を果た
している[Banga A.K. ed., Electrically assisted tra
nsdermal and topical drug delivery, London and Bri
stol, Taylor & Francis Ltd., 1998., Merino V., Alb
erti I., Kalia Y.N., et al, Transdermal and skin-t
argeted drug delivery, J. Cut. Med. Surg., 1998,
2, 108-119., Merino V., Kalia Y.N., and Guy R.H.,
Transdermal therapy and diagnosis by iontophoresi
s, Trends Biotechnol., 1997,15, 288-290., Turner
N.G., and Guy R.H., Iontophoretic transport pathwa
ys: Dependence on penetrant physicochemical prpert
ies, J. Pharm. Sci., 1997, 86, 1385-1389.]。
【0010】従って、イオントフォレーシスは皮膚付属
器官などの標的部位へ薬物を局所的に送達する上でも最
適な方法であり、さらに非侵襲的に投与できる点で確実
かつ簡便な手法として期待できる。しかしながら、抗細
菌剤の皮膚内在来菌に対する送達装置、すなわち抗微生
物活性をもつ有効成分を付属器官へ特異的に送達するた
めの装置についての具体的な報告はない。
【0011】米国特許5908401明細書では、抗ウ
イルス剤の経皮投与に適したイオントフォレーシス装置
について開示している。しかし、本特許は抗菌剤の適切
な送達に関する記載はなく、臨床的にも有効かつ安全な
装置については開示されていない。また、Amini T. らはJ
ournal of Pharmacy and Pharmacology(52 (Supplemen
t), p25, 2000)において、グルコン酸クロルヘキシジン
のイオントフォレーシスによる皮膚透過の増大効果につ
いて発表している。本論文では、イオントフォレーシスによる薬
物皮膚透過が溶液中のpHによって変化することを示し
ている。しかし、抗菌活性に関する検討は行われておら
ず、さらに臨床的にも有効なイオントフォレーシス装置
については一切記載されておらず、最適な投与装置につ
いては未だ不明のままである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、皮膚
に存在する微生物を殺菌し、微生物に由来する感染症を
有効に予防する抗微生物剤投与装置および組立品を提供
することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来の装
置では十分な殺菌効果が得られないという問題を解決す
るために鋭意検討を行った。その結果、カテーテル関連
感染症を誘発する微生物類が生息する皮膚付属器官に対
して特異的に敏速かつ効率よく用いることができ、しか
も、皮膚刺激等の安全性に優れ、使用においても容易か
つ安全な装置を見出し、本発明に至った。すなわち本発
明は、抗微生物剤を含み、通電の総電流量が1〜30m
A・min/cmのイオントフォレーシスを用いた装
置であり、これにより皮膚付属器官に対して指向的に確
実かつ短時間で有効成分を送達させ、生体に対して安全
かつ効率よく抗微生物活性が発揮できるようにしたもの
である。さらに本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、
抗微生物効果が著しく増強され、より短時間でより効果
的に殺菌できる組立品を見出し、本発明に至った。すな
わち本発明は、受動的装置と能動的装置を組み合わせた
組立品であり、例えば、受動的装置にアルコール製剤、
能動的装置にイオントフォレーシス装置を適用すること
ができる。また、本装置や組立品に局所麻酔剤を組み合
わせることにより、穿刺時の除痛が可能となる。これに
より患者のコンプライアンスを同時に改善することがで
きる。
【0014】即ち本発明は、 (1)カテーテルまたは注射針が挿入される部分の皮膚
を殺菌するためのイオントフォレーシスを用いた抗微生
物剤投与装置であって、(a)抗微生物剤を含むドナー
電極と、(b)ドナー電極の対向電極として設けられる
リファレンス電極と、(c)通電の総電流量が1〜30
mA・min/cmとなるようにドナー電極とリファ
レンス電極間に電流を流す電源装置とを備えた抗微生物
剤投与装置である。 (2)ドナー電極の皮膚適用面積は好適には1〜100
cmである。 (3)抗微生物剤は、例えば、抗ウィルス剤、抗菌剤、
化学療法剤、抗生物質、消毒剤および抗真菌剤からなる
群から選ばれる1種またはそれ以上である。 (4)抗微生物剤は、例えば、黄色ブドウ球菌、表皮ブ
ドウ球菌、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌、ミクロコッカ
ス属、グラム陽性桿菌、グラム陰性桿菌アシネトバクタ
ー、ブドウ糖非発酵グラム陰性桿菌、カンジダ属、セラ
チア類およびメチシリン耐性菌からなる群から選ばれる
1種またはそれ以上に対して抗微生物活性を有するもの
である。 (5)ドナー電極は陽極であって、抗微生物剤はクロル
ヘキシジンまたはその塩類とすることができる。 (6)ドナー電極は、さらに局所麻酔剤を含むことがで
きる。 (7)ドナー電極は陽極であって、局所麻酔剤はリドカ
インまたはその塩類とすることができる。 (8)ドナー電極は、さらに血管収縮剤を含むことがで
きる。 (9)ドナー電極は陽極であって、血管収縮剤はエピネ
フリンまたはその塩類とすることができる。また本発明
は、 (10)カテーテルまたは注射針が挿入される部分の皮
膚を殺菌するための抗微生物剤投与用組立品であって、
(a)皮膚表面を広範囲に殺菌するための受動的装置か
らなる第1構成品と、(b)カテーテルまたは注射針が
挿入される部分の皮膚周辺を局部的に殺菌するための能
動的装置からなる第2構成品とを備えた抗微生物剤投与
用組立品である。 (11)第1構成品および第2構成品は、それぞれ抗微
生物剤を含むことができる。 (12)第1構成品の皮膚適用面積である第1面積は、
好適には第2構成品の皮膚適用面積である第2面積より
広く、かつ第1面積は20cm以上であり、第2面積
は1〜100cmである。 (13)第1構成品はアルコール類を含有することがで
きる。 (14)アルコール類はエタノールまたはイソプロピル
アルコールとすることができる。 (15)第2構成品は、(a)抗微生物剤を含むドナー
電極と、(b)ドナー電極の対向電極として設けられる
リファレンス電極と、(c)通電の総電流量が1〜30
mA・min/cmとなるようにドナー電極とリファ
レンス電極間に電流を流す電源装置とを備えることがで
きる。 (16)第1構成品または第2構成品における抗微生物
剤は、例えば、抗ウィルス剤、抗菌剤、化学療法剤、抗
生物質、消毒剤および抗真菌剤からなる群から選ばれる
1種またはそれ以上である。 (17)第1構成品または第2構成品における抗微生物
剤は、例えば、黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌、コア
グラーゼ陰性ブドウ球菌、ミクロコッカス属、グラム陽
性桿菌、グラム陰性桿菌アシネトバクター、ブドウ糖非
発酵グラム陰性桿菌、カンジダ属、セラチア類およびメ
チシリン耐性菌からなる群から選ばれる1種またはそれ
以上に対して抗微生物活性を有するものである。 (18)第1構成品および第2構成品は、互いに同一の
抗微生物剤を含むことができる。 (19)第2構成品のドナー電極は陽極であって、抗微
生物剤はクロルヘキシジンまたはその塩類とすることが
できる。 (20)第2構成品のドナー電極は、さらに局所麻酔剤
を含むことができる。 (21)第2構成品のドナー電極は陽極であって、局所
麻酔剤はリドカインまたはその塩類とすることができ
る。 (22)第2構成品のドナー電極は、さらに血管収縮剤
を含むことができる。 (23)第2構成品のドナー電極は陽極であって、血管
収縮剤はエピネフリンまたはその塩類とすることができ
る。このように構成することにより、皮膚に存在する微
生物由来の感染症を抑える抗微生物剤投与装置を得るこ
とができ、これによりカテーテル敗血症発症による致死
率を抑制し、さらには治療のための医療コストを削減さ
せることで、医療の場に大きく貢献することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、必要に応じて図面を参照し
つつ本発明を詳細に説明する。図1は、本発明に係るイ
オントフォレーシスを用いた抗微生物剤投与装置の一構
成例を示す図である。本装置は、図示のように、抗微生
物剤を含むドナー電極100と、ドナー電極の対向電極
として設けられるリファレンス電極110と、ドナー電
極とリファレンス電極間に電流を流す電源装置120と
を備える。本発明において有効成分として用いられる抗
微生物剤は、抗微生物活性を有する化合物であることが
好ましい。この抗微生物活性を有する化合物は、フリー
体でも、その塩の形態のものでもよいが、塩酸塩は特に
好ましい。抗微生物剤としては、例えば、抗ウイルス
剤、抗菌剤、化学療法剤、抗生物質、消毒剤、抗真菌剤
などが挙げられる。抗微生物剤は、具体的には、黄色ブ
ドウ球菌、表皮ブドウ球菌、コアグラーゼ陰性ブドウ球
菌、ミクロコッカス属、グラム陽性桿菌、グラム陰性桿
菌アシネトバクター、ブドウ糖非発酵グラム陰性桿菌、
カンジダ属、セラチア類およびメチシリン耐性菌からな
る群から選ばれる1種またはそれ以上に対して抗微生物
活性を有するものが挙げられる。通常、ドナー電極に有
効成分を含み、リファレンス電極には有効成分を含有さ
せない形態をとるが、これら有効成分はドナー電極及び
リファレンス電極の何れにも含ませることができる。例
えば、別の形態としては、リファレンス電極にドナー電
極と同一のものを備えることもできる。
【0016】抗ウイルス、抗菌剤、化学療法剤として
は、例えば、アシクロビル、ビダラビン、サキナビル、
ラミブジン、塩酸バラシクロビル、ザナビビル、リン酸
オセルタミビル、ノルフロキサシン、シプロフロキサシ
ン、メシル酸デラビルジン、ロピナビル、リトナビル、
オフロキサシン、レボフロキサシン、リネゾリド、テイ
コプラニン、ガチフロキサシン、メシル酸パズフロキサ
シン、プルリフロキサシン、シタフロキサシン水和物、
キモシフロキサシン、エノキサシン、塩酸ロメフロキサ
シン、ガンシクロビル、メシル酸デラビルジン、ラミブ
ジンなどが用いられる。
【0017】抗生物質としては、例えば、アジスロマイ
シン水和物、硫酸ゲンタンマイシン、リピドマイシン、
硫酸シソマイシン、塩酸テトラサイクリン、アンピシリ
ン、セファクロル、セファレキシン、セファロチンナト
リウム、塩酸セフォチアム、セファゾリンナトリウム、
チエナマイシン、スルファゼシン、硫酸ストレプトマイ
シン、硫酸カナマイシン、リファンピシン、塩酸バンコ
マイシン、塩酸リンコマイシン、ホスホマイシン、塩酸
ミノサイクリン、リファンピシン、クリンダマイシン、
硫酸アミカシン、オフロキサシン、硫酸セフォセリス、
アモキシシリン、クラリスロマイシン、テリスロマイシ
ン、セファメジンナトリウム、メロペネム、ビアペネ
ム、ドリペネム、リチペネムアコキシルなどが用いられ
る。消毒剤としては、例えば、塩化ベンザルコニウム、
塩化ベンゼトニウム、グルタラール、グルコン酸クロル
ヘキシジン、抗真菌剤としては、例えば、アンフォテリ
シンB、イトラコナゾール、フルコナゾール、ミコナゾ
ール、ミカファンギン、ポリコナゾール、グリセオフル
ビンなどが用いられる。これらの抗微生物剤は、1種ま
たはそれ以上を適宜選択して用いることができる。
【0018】本発明に係るイオントフォレーシスを用い
た抗微生物剤投与装置に使用するドナー電極またはリフ
ァレンス電極は、その構造や構成材料など特に限定され
ないが、(1)有効成分である抗微生物剤を溶液状態で
含浸またはハイドロゲルなどに分散したマトリックス型
構造、(2)マトリックス型構造において導電層と皮膚
の間に導電層を保持するための半透膜、物質の移動を制
御するための選択的透過膜、薬物透過速度を調整するた
めの制御膜等を設けたリザーバー型構造体、(3)皮膚
接触面に高濃度の有効成分を適用できるように薬剤保持
層を使用時に備える積層型構造(積層型構造は、抗微生
物剤が化学的に不安定であったり、微量で強力な薬理効
果を発揮する薬剤または高価な薬剤である際には特に有
用であり、抗微生物剤を含有する保持手段を使用直前に
親水性導電層と当接して使用される)などがある。ま
た、電極の形状、導電層の様態及び抗微生物剤の分布状
態には、特に限定はなく、電極を補強する方法、すなわ
ち、バッキングの形態、粘着層の配置等も特に限定はな
い。また、ドナー電極はカテーテル挿入範囲を十分に殺
菌できることが望ましいが、本イオントフォレーシス装
置による広範囲に及ぶ過度の消毒は安全性の面で避けた
方がよく、ドナー電極の皮膚適用面積は約1〜100c
、より好ましくは2〜50cmである。
【0019】さらに、本発明に使用されるマトリック
ス、リザーバー、導電層、薬剤保持層などにおいて、そ
の性能に影響がない範囲で、適宜、電解質、pH調整
剤、緩衝剤、皮膚保護剤、刺激緩和剤、安定化剤、増粘
剤、湿潤剤、界面活性剤、可溶化剤、溶解補助剤、保湿
剤、吸収促進剤、粘着剤、粘着付与剤、防腐剤などを添
加してもよい。
【0020】本発明に使用される電極材料には、通常イ
オントフォレーシス装置において使用できる導電性の電
極材料であれば特に限定されない。このような導電材料
としては、例えば、活性電極材料としては銀、塩化銀、
アルミニウム、亜鉛、銅、鉄等が挙げられ、非活性電極
材料としてはカーボン、白金、チタン、ステンレス等が
挙げられる。中でも、活性電極材料としての銀または銀
・塩化銀は抵抗値等の電気特性もよく、ぺースト材料を
用いて製造すれば安価で製造性も高い。また、非活性電
極材料としてはカーボン等の材料を用いることで安価に
製造できる。さらに、これらを組み合わせて使用するこ
ともできる。
【0021】本発明における電源装置は、一定の方向に
通電する一方向通電、また別の形態としては、通電中の
極性を切り換えながら通電するスイッチング通電とする
ことができる。ドナー電極と同じものをリファレンス電
極に使用できる。有効成分を両極に使用する際には、ス
イッチング通電が有効な手段となる。また、複数の電極
を配した多極出力通電とすることもできる。電源装置よ
り出力される電流は、薬物送達性から直流イオントフォ
レーシスが好ましく、通常、定電流または定電圧で制御
可能であるが、薬剤吸収を厳密にコントロールするため
には定電流制御が好ましい。ここで示す電流とは薬剤の
吸収に関連する透過電流を意味する。本発明における直
流イオントフォレーシスには、直流、パルス直流または
パルス脱分極直流を用いることができる。電源として
は、連続直流電圧またはパルス直流電圧を印加し得るも
のがよい。また、これらの組み合わせであってもよく、
さらに通電と非通電を任意に設定した間欠通電であって
もよい。パルス直流においては、方形型または矩形型パ
ルス直流電圧を印加し、パルス直流電圧の周波数は、好
ましくは0.1〜200kHz、より好ましくは1〜1
00kHz、特に好ましくは5〜80kHzの範囲より
適宜選択される。パルス直流電圧のオン/オフ(on/
off)の比は、1/100〜20/1、好ましくは1
/50〜15/1、より好ましくは1/30〜10/1
の範囲より適宜選択される。さらに本通電手段におい
て、通電開始直後及び終了時に、印加電圧を徐々に変化
することで皮膚刺激感を抑制できる。
【0022】本発明における直流イオントフォレーシス
装置の最適電流密度範囲は、抗微生物剤の皮膚浸透性や
通電による皮膚刺激性より制限される。電流密度は0.
01mA/cm〜1.0mA/cm、より好ましく
は0.05mA/cm〜0.5mA/cmであり、
また総電流量は1〜100mA・min/cm、好ま
しくは1〜30mA・min/cm、より好ましくは
2〜15mA・min/cmである。本発明における
有効成分である抗微生物剤の好ましい適用濃度は、特に
制限はないが、薬物透過または効果が添加した薬物濃度
に対して非依存的になる濃度付近が好ましい。その場
合、インビトロ皮膚透過試験または局所における薬効試
験において、薬物透過、皮膚移行または薬理効果が総電
流量と相関しない濃度付近が選択される。すなわち、ド
ナー中の薬物と同電荷をもつ競合イオン成分の存在、ハ
イドロゲルなどのように高分子によって薬物移動が抑制
される場合によっても薬物濃度は影響をうけるが、通常
の製剤においては、0.0001w/v%〜10w/v%、好
ましくは0.001w/v%〜5w/v%、より好ましくは
0.01w/v%〜5.0w/v%の範囲になる。特に、抗微
生物活性を有する有効成分の正に荷電する薬物が多く、
かつ電流印加時の薬物移動性と関連する分子量(通常、
数百ダルトン程度)や脂溶性などの物理化学的性質が多
くの有効成分に対して比較的共通しているためである。
【0023】イオントフォレーシス法における薬物の輸
送効率は有効成分と共存する電解質によって影響を受け
ることから、電極反応のために必要な塩類の添加は最小
限に抑えた方がよい。例えば、競合イオンの影響を最小
限にするための方法として、有効成分が正電荷かつ電極
材料に銀などの活性電極からなる場合は、(1)抗微生
物剤の塩酸塩を使用する、(2)樹脂または高分子の塩
酸塩(例えば、陰イオン交換樹脂(コレスチラミン)や
アミノアルキルメタアクリレートコポリマーE(オイド
ラギッドE100、オイドラギッドEPO、プラストイ
ドE35L)など)、(3)下記式(I)より算出され
る最少濃度の塩素イオンP(mmol)などの方法があ
る。 (I) P=I×T/96500・n ここで、I及びTは、通電時間(秒)及び平均透過電流
(mA)を示し、nは塩素イオンの輸率(通常0.6を
使用)を示す。
【0024】本発明の別の装置としては、カテーテル挿
入時の患者の苦痛を取り除くために抗微生物剤と局所麻
酔剤を同時にイオントフォレーシス手段により送達する
装置がある。すなわち、これらの薬剤を併用すること
で、カテーテル挿入時の痛み、恐怖感などの患者の苦痛
を排除でき、コンプライアンスの向上を図ることができ
る。また、血管収縮剤を加えることによって、抗微生物
活性や局所麻酔効果の作用増強及び作用時間短縮が制御
できる。
【0025】このような局所麻酔剤としては、例えば、
塩酸リドカイン、塩酸テトラカイン、塩酸プロカイン、
塩酸ベンゾカイン、塩酸エチドカイン、塩酸プリロカイ
ン、塩酸ジブカイン、塩酸ブピバカイン、塩酸コカイ
ン、アミノ安息香酸エチル、塩酸オルソカイン、塩酸オ
キセサゼイン、塩酸メピバカイン、塩酸ロピバカイン、
塩酸ブピバカインなどが用いられる。また、血管収縮剤
としては、α−アドレナリン作動薬などがあり、例えば
エピネフリン、ナファゾリン、テトラヒドロゾリン、オ
キシメタゾリン、キシロメタゾリン、フェノキサゾリ
ン、インダナゾリン、トラマゾリン、チマゾリンなどが
用いられる。
【0026】さらに別の有効な装置として、カテーテル
または注射針を挿入する皮膚を殺菌するための非侵襲的
な2種類の構成品からなる組立品がある。図2は、本発
明に係る抗微生物剤投与用組立品の一構成例を示す図で
ある。本組立品は、図示のように、第1構成品200a
と第2構成品200bとを備える。第1構成品200a
は、皮膚表面を広範囲に殺菌等するための受動的装置2
01を有する。第2構成品200bは、カテーテルまた
は注射針が挿入される部分の皮膚周辺を局部的に殺菌す
るための能動的装置を有する。この能動的装置は、抗微
生物剤を含むドナー電極200と、ドナー電極の対向電
極として設けられるリファレンス電極210と、ドナー
電極とリファレンス電極間に電流を流す電源装置220
を備える。第1構成品200aは、例えば、抗微生物
剤、アルコールなどを含むパッチ、脱脂綿等の装置を前
処理剤として使用する。第1構成品200aによる前処
理(拭く、一旦貼って剥がすなど)後に、第2構成品2
00bを用いて、例えばイオントフォレーシスを用いて
抗微生物剤を投与する。すなわち、本組立品は、皮膚表
面を広範囲に殺菌するための第1構成品が少なくとも1
種の抗微生物剤を含む受動的装置からなり、カテーテル
または注射針を挿入する皮膚周辺を局部的に殺菌するた
めの第2構成品が少なくとも1種の抗微生物活性を有す
る有効成分を含む能動的装置からなる。本構成品におい
て、第1構成品の皮膚適用面積である、皮膚に存在する
微生物を除去することが可能な面積(第1面積)は、第
2構成品の皮膚適用面である、皮膚に存在する微生物を
除去することが可能な面積積(第2面積)より広く、か
つ第1面積が10cm以上、好ましくは20cm
上、より好ましくは100cm以上であり、第2面積
が1〜100cm、好ましくは2〜50cmであ
る。
【0027】第1構成品は、主に皮膚表面領域に抗微生
物剤を短時間に適用し、皮膚表面の微生物を広範囲に殺
菌等することを目的とする。すなわち、カテーテル挿入
時の皮膚周辺の微生物以外の2時的な感染を予防するこ
とができる。特に、アルコール類(例えばエタノール、
プロパノール)により消毒作用を得ることが好ましく、
特に、抗微生物剤をアルコールに溶解することにより顕
著な消毒作用を得ることが好ましい。さらに、第1構成
品は、アルコール含有装置であるため、皮膚適用の簡便
性、薬物皮膚浸透性及び薬物適用量コントロールなどの
機能面でも優れている。さらに、アルコール溶液を用い
る場合には、アルコールが短時間のうちに揮発するの
で、適用も容易である。また、短時間の処理のためコン
プライアンスの低下も最小限に抑えられる。さらに、ア
ルコール溶液中に薬物の吸収を促進する物質を添加して
もよい。
【0028】本発明の組立品における第2構成品は、第
1構成品により皮膚表面に適用された抗微生物剤を、確
実かつ短時間に皮膚及び付属器官の深部領域に送達でき
る能動的装置からなる。能動的装置にはイオントフォレ
ーシス、エレクトロポレーション、超音波、熱等の物理
学的吸収促進手段からなる装置が挙げられるが、特に電
気駆動力による強い薬物送達性が得られるイオントフォ
レーシスは有効な手段である。
【0029】第1構成品及び第2構成品に用いる抗微生
物剤の種類、数量等には制限はないが、特定の微生物に
対して強い効果を期待する場合は、第1構成品及び第2
構成品の有効成分は同一の有効成分であるほうが有効で
ある。なかでも、クロルヘキシジンまたはその塩類は強
力な消毒作用を示すことから、有効な薬剤の一つであ
る。一方、幅広い微生物に対して活性を期待する際に
は、各々異なる有効成分を添加することが有効である。
したがって、抗微生物剤は、1種またはそれ以上を適宜
選択して用いることができる。
【0030】本発明における装置及び組立品に用いる抗
微生物剤は、皮膚に存在する微生物の総合的な活性を低
下させるものであり、抗ウィルス剤、抗菌剤、化学療法
剤、抗生物質、消毒剤及び抗真菌剤からなる群から選ば
れる1種またはそれ以上であることが好ましく、例え
ば、黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌、コアグラーゼ陰
性ブドウ球菌、ミクロコッカス属、グラム陽性桿菌、グ
ラム陰性桿菌アシネトバクター、ブドウ糖非発酵グラム
陰性桿菌、カンジダ属、セラチア類およびメチシリン耐
性菌からなる群から選ばれる1種またはそれ以上に対し
て抗微生物活性を有するものが挙げられる。
【0031】
【実施例】以下、実験例に基づいて、本発明の実施例、
比較例をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定
されるものではない。実験例1は皮膚細菌活性に及ぼす
薬物濃度の影響について検討した。実験例2は皮膚細菌
活性に及ぼす電流量の影響を、実験例3は皮膚刺激と電
流量の関係について検討した。実験例4では皮膚細菌活
性に及ぼす抗微生物剤の各投与方法の影響について検討
した。また、実験例5では抗微生物剤と局所麻酔剤を併
用投与した際の局所麻酔効果について評価した。
【0032】(実験例1)実験例1は、皮膚細菌活性に
及ぼすグルクロン酸クロルヘキシジン(Hibitan
e:ZENECA Pharma社製)濃度の影響につい
て、パッシブ法とイオントフォレーシス法で比較結果を
示す。グルクロン酸クロルヘキシジンは「CHXD」、
クロルヘキシジンは「CHX」と略記する。実験は横型
拡散セル(有効面積;1.77cm)を用い、ダーマ
トーム処理(約600μm)したブタ皮膚を隔膜として
使用した。レセプター液には、pH7.4等張リン酸緩
衝液(10mM塩化ナトリウム含有)を用い、陽極に銀
電極、陰極に銀・塩化銀電極を適用した。実験終了後、
培地接触法により皮膚表面の細菌を採取した。また、テ
ープストリッピング法により角質層を剥離し、1、5、
10、15、20回剥離時の皮膚表面の細菌を培地接触
法により採取した。各培地は約24時間、37℃で培養
した後、各培地のコロニー数を肉眼で計測し、各培地の
総コロニー数を算出した(n=3、平均±標準偏差)。
表1に示すように、比較例1及び6はドナー溶液中に
0.09w/v% 塩化ナトリウムを用い、比較例2〜5及
び実施例1〜4は、ドナー溶液中に各濃度に調製したC
HXD溶液(0.09w/v% 塩化ナトリウム含有)を用
いた。比較例1〜5は非通電のパッシブ投与、比較例6
及び実施例1〜4は直流イオントフォレーシス(0.2
mA/cm)を10分間適用した。結果を図3に示
す。(a)はパッシブ投与群、(b)はイオントフォレ
ーシス投与群を示す。
【0033】
【表1】
【0034】図3から明らかなように、CHXD非存在
下の比較例1及び6では何れも高い残存微生物活性を示
した。パッシブ投与群の比較例2〜5のパッシブ法では
1.0w/v%CHXD以上の濃度において抗細菌効果が
観察された。しかし、パッシブ法においては依然として
高い残存細菌が観察され、特に角質層深部領域に多数の
細菌が認められた。一方、イオントフォレーシス投与群
の実施例1〜4のイオントフォレーシス群では0.01
w/v%CHXDから強い抗細菌作用を示し、角質層中の
殆どの細菌の消滅が観察された。皮膚角質層に在来する
細菌に対して短時間イオントフォレーシスは、薬物の低
濃度領域から高い有効性を示すことが確認された。
【0035】(実験例2)実験例2は皮膚細菌活性に及
ぼす電流量の影響について、実験例1と同様のインビト
ロ試験系で評価した。表2に示すように、比較例7はコ
ントロール群として未処理皮膚のコロニー数を計測し、
実施例5〜14及び比較例8、9は各条件下の直流イオ
ントフォレーシス(1w/v%CHXD、0.09w/v%
塩化ナトリウム含有)を適用した。図4に、比較例7〜
9及び実施例5〜14の全ての結果をプロット(平均±
標準偏差)する。
【0036】
【表2】
【0037】図4に示されるように、非通電下の比較例
7に比較して、実施例5〜14及び比較例8、9に示す
1.0mA・min/cm以上のイオントフォレーシ
ス群では角質層内の細菌が顕著に減少することが確認さ
れた。特に、実施例8〜14に示す約4.0mA・mi
n/cm以上のイオントフォレーシス群では角質層内
細菌はほとんど完全に消滅した。
【0038】(実験例3)実験例3は皮膚刺激と電流量
の関係について検討した。ウサギ局所刺激試験は日本白
色種雄性(体重約3.0〜4.0kg)の背部皮膚をバ
リカンで剃毛、シェーバーで処理した後、70%エタノ
ール水溶液を含む脱脂綿で軽く擦り脱脂消毒して使用し
た。ウサギ背部皮膚に市販のドナー用電極パッド及びリ
ファレンスゲル(TransQE:IOMED社製)を
使用した。ドナー溶液の2mLを電極パッドに含浸させ
た。比較例7〜9及び実施例5〜14の適用条件は実験
例2の表2と同様に行った。通電終了後に電極パッドを
除去し、除去24時間後にドナー部の皮膚刺激を肉眼的
に観察した。皮膚刺激は、刺激なし、ごく軽微な紅斑、
明らかな紅斑、中程度から重度の紅斑、重度の紅斑から
痂皮形成の5段階で判定した。結果を表3に示す。
【0039】
【表3】
【0040】表3に示すように、イオントフォレーシス
によって印加される電流量に依存して皮膚刺激性が観察
された。
【0041】(実験例4)実験例4は皮膚細菌活性に及
ぼす抗微生物剤の投与方法の影響について、実験例1と
同様なインビトロ試験系で検討した。表4に各試験条件
を示す。比較例10は0.5w/v%CHXD含有70w/v
%エタノール溶液を皮膚に3分間適用し、比較例11は
0.5w/v%CHXD含有70w/v%エタノール溶液を皮
膚に3分間処理した後に、薬物を含有しない0.09w/
v%塩化ナトリウム溶液を直流イオントフォレーシス
(0.2mA/cm、10分間)で投与した。実施例
15は0.5w/v%CHXD含有70w/v%エタノール溶
液を皮膚に3分間適用した後に、0.01w/v%CHX
D溶液(0.09w/v%塩化ナトリウム含有)を直流イ
オントフォレーシス(0.2mA/cm 、10分間)
で投与した。結果を図5に示す。
【0042】
【表4】
【0043】図5から明らかなように、比較例10のC
HXD含有アルコール溶液によるパッシブ処理では十分
な抗微生物活性は得られず、さらにパッシブ処理後に電
流のみ印加した比較例11においても角質層中に微生物
活性が残存した。一方、実施例15のパッシブ処理後に
イオントフォレーシス投与する2段階投与法においては
低薬物濃度にもかかわらず角質層中の細菌は完全に消滅
した。本2段階投与は、イオントフォレーシス単独投与
による効果を著しく増強した。
【0044】(実験例5)実験例5は抗微生物剤と局所
麻酔剤を併用投与した際の局所麻酔効果について検討し
た。実験には、実験開始前にモルモット(ハートレイ
系、雄性)の背部をバリカン、電気カミソリで除毛し、
微温湯を浸したガーゼで皮膚表面をよく拭き取った。背
部正中線を中心に右あるいは左側部を刺激用針で刺激
し、皮膚の収縮反応が確実に現れる部位をドナー電極パ
ッド(TransQE:IOMED社製)の貼付部位と
し、他の除毛部位にリファレンス電極を貼付した。ドナ
ー溶液の2mLを電極パッドに含浸させ、実施例16ま
たは17の溶液を直流イオントフォレーシス(0.2m
A/cm、10分間)で投与した。また、2段階局所
投与法では、第1段階局所投与液として0.5w/v%C
HXD含有70w/v%エタノール溶液を用い、皮膚に3
分間パッシブ適用した。その後に第2段階局所投与とし
て、実施例18または19の溶液を直流イオントフォレ
ーシス(0.2mA/cm、10分間)で投与した。
比較例12は未処理のモルモットを用いた。通電終了
後、ドナー電極貼付部位を刺激用針で6回刺激し、皮膚
の収縮反応の変化を経時的に観察した。なお、局所麻酔
効果の判定は表5の基準で行った。結果を表6に示す。
【0045】(実施例16) グルクロン酸クロルヘキシジン 1.00w/v% 塩化ナトリウム 0.09w/v% 精製水 適量 上記溶液を、直流イオントフォレーシス(0.2mA/
cm、10分間)を用いて投与した。
【0046】(実施例17) グルクロン酸クロルヘキシジン 1.00w/v% 塩酸リドカイン 1.00w/v% 塩酸エピネフリン 0.01w/v% 塩化ナトリウム 0.09w/v% 精製水 適量 上記溶液を、直流イオントフォレーシス(0.2mA/
cm、10分間)で投与した。
【0047】(実施例18) グルクロン酸クロルヘキシジン 1.00w/v% 塩化ナトリウム 0.09w/v% 精製水 適量 パッシブ法により処理した後、上記溶液を直流イオント
フォレーシス(0.2mA/cm、10分間)で投与
した。
【0048】(実施例19) グルクロン酸クロルヘキシジン 1.00w/v% 塩酸リドカイン 1.00w/v% 塩酸エピネフリン 0.01w/v% 塩化ナトリウム 0.09w/v% 精製水 適量 パッシブ法により処理した後、上記溶液を直流イオント
フォレーシス(0.2mA/cm、10分間)で投与
した。
【0049】
【表5】
【0050】表6に示すように、塩酸リドカインを含有
する実施例17及び19においては、モルモットのピン
プリッキング法に対して完全な無痛状態が確認された。
一方、実施例16及び18では、比較例12と同様に局
所麻酔効果はなかった。なお、実施例16〜19の抗微
生物活性を実験例1と同じ培地接触法により観察したと
ころ、何れの実施例からも細菌は認められなかった。
【0051】
【表6】
【0052】以上説明したように、本発明の抗微生物剤
投与装置は、例えば、総電流量が1〜30mA・min
/cmの直流イオントフォレーシス法によって皮膚付
属器官指向的に確実かつ短時間のうちに有効成分の移行
を達成でき、生体に対して安全かつ効率よい抗微生物剤
の投与を実現できる。さらに本発明は、受動的装置と能
動的装置を組み合わせた組立品であり、例えば、受動的
装置にアルコール含有装置、能動的装置にイオントフォ
レーシス装置を用いることにより、抗微生物活性が著し
く増強される。本発明の組立品は、臨床的にもより有効
で、かつ汎用性及び実用性にも優れている。また、本発
明では抗微生物剤と局所麻酔剤を組み合わせることによ
り、臨床的にカテーテル穿刺時の除痛も可能となり、患
者のコンプライアンスを同時に改善することができる。
【0053】
【発明の効果】本発明によれば、皮膚に存在する微生物
を殺菌し、微生物に由来する感染症を有効に予防する抗
微生物剤投与装置及び組立品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るイオントフォレーシスを用いた抗
微生物剤投与装置の一構成例を示す図である。
【図2】本発明に係る抗微生物剤投与用組立品の一構成
例を示す図である。
【図3】イオントフォレーシスにおける皮膚細菌活性に
及ぼす薬物濃度の影響を示すグラフであり、(a)はパ
ッシブ投与群、(b)はイオントフォレーシス投与群を
示す。
【図4】イオントフォレーシスが皮膚細菌活性に及ぼす
総電流量の影響を示すグラフである。
【図5】皮膚細菌活性に及ぼす抗微生物剤の各投与方法
の影響を示すグラフである。
【符号の説明】
100、200 ドナー電極 110、210 リファレンス電極 120、220 電源装置 200a 第1構成品 200b 第2構成品 201 受動的装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 502150719 Campus Universitair e, Parc d’affaires international, Arch amps, F−74166, France (72)発明者 安達 博敏 茨城県つくば市観音台1丁目25番11号 久 光製薬株式会社 筑波研究所内 (72)発明者 肥後 成人 茨城県つくば市観音台1丁目25番11号 久 光製薬株式会社 筑波研究所内 (72)発明者 佐藤 秀次 茨城県つくば市観音台1丁目25番11号 久 光製薬株式会社 筑波研究所内 (72)発明者 アアティ ナイク フランス国,F−74166,アーシャン,パ ークダフェール アンテルナチオナル,カ ピュス ユニフェルジテール (72)発明者 ヨーグシュウオー エヌ. カリア フランス国,F−74166,アーシャン,パ ークダフェール アンテルナチオナル,カ ピュス ユニフェルジテール (72)発明者 リチャード エイチ. ガイ フランス国,F−74166,アーシャン,パ ークダフェール アンテルナチオナル,カ ピュス ユニフェルジテール Fターム(参考) 4C053 HH02 HH04 4C058 AA28 BB02 BB07 CC01 CC05 JJ06 JJ08 JJ21

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カテーテルまたは注射針が挿入される部
    分の皮膚を殺菌するためのイオントフォレーシスを用い
    た抗微生物剤投与装置であって、(a)抗微生物剤を含
    むドナー電極と、(b)ドナー電極の対向電極として設
    けられるリファレンス電極と、(c)通電の総電流量が
    1〜30mA・min/cmとなるようにドナー電極
    とリファレンス電極間に電流を流す電源装置とを備えた
    ことを特徴とする抗微生物剤投与装置。
  2. 【請求項2】 ドナー電極の皮膚適用面積が1〜100
    cmであることを特徴とする請求項1記載の抗微生物
    剤投与装置。
  3. 【請求項3】 抗微生物剤が、抗ウィルス剤、抗菌剤、
    化学療法剤、抗生物質、消毒剤および抗真菌剤からなる
    群から選ばれる1種またはそれ以上であることを特徴と
    する請求項1または2記載の抗微生物剤投与装置。
  4. 【請求項4】 抗微生物剤が、黄色ブドウ球菌、表皮ブ
    ドウ球菌、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌、ミクロコッカ
    ス属、グラム陽性桿菌、グラム陰性桿菌アシネトバクタ
    ー、ブドウ糖非発酵グラム陰性桿菌、カンジダ属、セラ
    チア類およびメチシリン耐性菌からなる群から選ばれる
    1種またはそれ以上に対して抗微生物活性を有するもの
    であることを特徴とする請求項1または2記載の抗微生
    物剤投与装置。
  5. 【請求項5】 ドナー電極が陽極であって、抗微生物剤
    がクロルヘキシジンまたはその塩類であることを特徴と
    する請求項1〜4のいずれかに記載の抗微生物剤投与装
    置。
  6. 【請求項6】 ドナー電極が、さらに局所麻酔剤を含む
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の抗微
    生物剤投与装置。
  7. 【請求項7】 ドナー電極が陽極であって、局所麻酔剤
    がリドカインまたはその塩類であることを特徴とする請
    求項6記載の抗微生物剤投与装置。
  8. 【請求項8】 ドナー電極が、さらに血管収縮剤を含む
    ことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の抗微
    生物剤投与装置。
  9. 【請求項9】 ドナー電極が陽極であって、血管収縮剤
    がエピネフリンまたはその塩類であることを特徴とする
    請求項8記載の抗微生物剤投与装置。
  10. 【請求項10】 カテーテルまたは注射針が挿入される
    部分の皮膚を殺菌するための抗微生物剤投与用組立品で
    あって、(a)皮膚表面を広範囲に殺菌するための受動
    的装置からなる第1構成品と、(b)カテーテルまたは
    注射針が挿入される部分の皮膚周辺を局部的に殺菌する
    ための能動的装置からなる第2構成品とを備えたことを
    特徴とする抗微生物剤投与用組立品。
  11. 【請求項11】 第1構成品および第2構成品が、それ
    ぞれ抗微生物剤を含むことを特徴とする請求項10記載
    の抗微生物剤投与用組立品。
  12. 【請求項12】 第1構成品の皮膚適用面積である第1
    面積が第2構成品の皮膚適用面積である第2面積より広
    く、かつ第1面積が20cm以上であり、第2面積が
    1〜100cmであることを特徴とする請求項10ま
    たは11記載の抗微生物剤投与用組立品。
  13. 【請求項13】 第1構成品がアルコール類を含有する
    ことを特徴とする請求項10〜12のいずれかに記載の
    抗微生物剤投与用組立品。
  14. 【請求項14】 アルコール類が、エタノールまたはイ
    ソプロピルアルコールであることを特徴とする請求項1
    3記載の抗微生物剤投与用組立品。
  15. 【請求項15】 第2構成品が、(a)抗微生物剤を含
    むドナー電極と、(b)ドナー電極の対向電極として設
    けられるリファレンス電極と、(c)通電の総電流量が
    1〜30mA・min/cmとなるようにドナー電極
    とリファレンス電極間に電流を流す電源装置とを備えた
    ことを特徴とする請求項10〜14のいずれかに記載の
    抗微生物剤投与用組立品。
  16. 【請求項16】 抗微生物剤が、抗ウィルス剤、抗菌
    剤、化学療法剤、抗生物質、消毒剤および抗真菌剤から
    なる群から選ばれる1種またはそれ以上であることを特
    徴とする請求項10〜15のいずれかに記載の抗微生物
    剤投与用組立品。
  17. 【請求項17】 抗微生物剤が、黄色ブドウ球菌、表皮
    ブドウ球菌、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌、ミクロコッ
    カス属、グラム陽性桿菌、グラム陰性桿菌アシネトバク
    ター、ブドウ糖非発酵グラム陰性桿菌、カンジダ属、セ
    ラチア類およびメチシリン耐性菌からなる群から選ばれ
    る1種またはそれ以上に対して抗微生物活性を有するこ
    とを特徴とする請求項10〜15のいずれかに記載の抗
    微生物剤投与用組立品。
  18. 【請求項18】 第1構成品および第2構成品が、互い
    に同一の抗微生物剤を含むことを特徴とする請求項10
    〜17のいずれかに記載の抗微生物剤投与用組立品。
  19. 【請求項19】 ドナー電極が陽極であって、抗微生物
    剤がクロルヘキシジンまたはその塩類であることを特徴
    とする請求項16記載の抗微生物剤投与用組立品。
  20. 【請求項20】 ドナー電極が、さらに局所麻酔剤を含
    むことを特徴とする請求項10〜19のいずれかに記載
    の抗微生物剤投与用組立品。
  21. 【請求項21】 ドナー電極が陽極であって、局所麻酔
    剤がリドカインまたはその塩類であることを特徴とする
    請求項20記載の抗微生物剤投与用組立品。
  22. 【請求項22】 ドナー電極が、さらに血管収縮剤を含
    むことを特徴とする請求項15記載の抗微生物剤投与用
    組立品。
  23. 【請求項23】 ドナー電極が陽極であって、血管収縮
    剤がエピネフリンまたはその塩類であることを特徴とす
    る請求項22記載の抗微生物剤投与用組立品。
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