JP2003309601A - マルチキャスト通信装置およびシステム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】マルチキャスト通信をサポートしていない受信
端末に特別な機能を付加することなくサービスを受ける
ことができる装置およびシステムを提供する。 【解決手段】マルチキャストで送信されるデータ受信を
要求するマルチキャスト通信をサポートしてない受信端
末に、マルチキャストで送信されたデータを受信して各
受信端末に転送するマルチキャスト通信装置１０におい
て、該受信端末がデータ送信端末から情報を得るための
アクセス内容に応じてマルチキャスト配信で使用される
グループアドレスに対しグループ参加要求を行う。マル
チキャスト通信装置１０では送信端末のアドレス情報や
送信データの宛先アドレス等の情報を保持し、受信端末
の送信端末へのアクセスしようとするサービスが保持し
ているサービス情報にあればマルチキャストデータの配
信を要求する。マルチキャスト通信装置１０はマルチキ
ャストで受信した各データを受信端末に転送する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、マルチキャストに
よる配信サービスを行うための通信方法、システムおよ
びマルチキャスト配信されたデータパケットを中継する
装置に関わる。

【０００２】

【従来の技術】マルチキャスト通信は多数の端末に対し
てデータパケットを同報する通信方法であり、送信端末
は、宛先として個々の受信端末ではなく、マルチキャス
トグループを指定したデータパケットを送信する。受信
端末は所望するマルチキャストグループのグループメン
バとなることでデータパケットを受信できるようにな
る。またグループから離脱することでデータパケットの
受信を中止できる。

【０００３】多数の端末に対して情報を配信する場合、
受信端末が増加すればネットワーク上を流れるトラフィ
ック量は増大する。マルチキャスト通信ではルータ装置
がパケットを複製するため、受信端末の数によらずトラ
フィック量は変わらない。従ってマルチキャストを利用
することでトラフィック量を増やすことなく、より多く
の受信端末へ情報を配信できるようになる。

【０００４】受信端末はグループ管理プロトコルを使用
し、グループメンバとなるためのグループ参加要求ある
いはグループメンバから離脱するためのグループ離脱要
求を行う制御パケットを同一ネットワークに接続されて
いるルータに送信する。

【０００５】受信端末はマルチキャストグループメンバ
への参加・離脱はいつでも自由に要求できる。

【０００６】グループ管理プロトコルとしてはIETF (In
ternet Engineering Task Force)で作成された標準勧告
文書RFC(Request For Comments) 2236が規定するIGMP
(Internet Group Management Protocol)と、 RFC2710が
規定するMLD (Multicast Listener Discovery) があ
る。

【０００７】ルータはグループ管理プロトコルにより、
グループメンバが存在するかどうかを定期的に問い合わ
せる参加グループ問合せパケットを送信し、グループメ
ンバとなっている受信端末は、グループ参加要求パケッ
トでその問合せに応答する。

【０００８】ルータは、問合せパケットに対する応答の
有無でグループメンバが存在するかを判断し、グループ
メンバが存在するネットワークにデータパケットを中継
する。

【０００９】ルータは、グループメンバの存在を確認
し、データパケットの中継が必要であると判断した場合
は、マルチキャスト経路制御プロトコルを用いて、配送
要求を他のルータに通知する。また、グループメンバが
存在しなくなり、データパケットの中継が不要と判断し
た場合は、配送停止要求を通知する。

【００１０】ルータは通知されたマルチキャスト経路制
御プロトコルの内容に従い、保持しているマルチキャス
ト中継情報を更新する。

【００１１】マルチキャスト経路制御プロトコルの代表
的なものとしては、RFC2362が規定するPIM-SM (Protoco
l Independent Multicast Sparse Mode)と、RFC1584が
規定するMOSPF (Multicast Open Shortest Path Firs
t）がある。また、ドラフト文書として公開されているP
IM-DM (Protocol Independent Multicast Dense Mode)
とDVMRP (Distance Vector Multicast Routing Protoco
l)がある。

【００１２】上記プロトコルによれば、マルチキャスト
配信サービスを行うためにはネットワークを構成する全
てのルータで上記のマルチキャスト経路制御プロトコル
が動作する必要がある。またマルチキャストで配信され
たデータパケットを受信する端末側はIGMPやMLDが動作
しなければならない。

【００１３】ネットワーク上にマルチキャストに対応し
ていないルータが存在する場合はトンネリング技術が用
いられる。具体的には、マルチキャストルータ間でトン
ネルと呼ばれる仮想的な配送パスを設定しておく。トン
ネルの始端となるマルチキャストルータがマルチキャス
トで配信されたデータパケットをこの配送パス上に中継
する場合は、該データパケットをトンネルの終端である
マルチキャストルータに向けてユニキャストデータパケ
ットでカプセル化して送信する。

【００１４】配送パス上に存在するマルチキャスト未対
応ルータは、このカプセル化されたマルチキャストデー
タパケットを通常のユニキャストデータパケットとして
中継する。トンネルの終点となるマルチキャストルータ
は、カプセル化された該ユニキャストパケットからマル
チキャストデータパケットを取り出してマルチキャスト
で中継する。インターネット上ではこの技術を用いてMb
one(Multicast Backbone)と呼ばれる公の実験網が構築
されている。

【００１５】また、マルチキャスト機能をサポートして
いない受信端末が、マルチキャストで配信されたデータ
パケットを受信する技術として、文献１特開平10-24296
2号公報および文献２米国特許6259701号がある。

【００１６】いずれの技術もマルチキャストで配信され
たデータパケットをマルチキャストゲートウェイで受信
し、該データパケットを各々の受信端末宛てに送信する
技術である。受信端末はマルチキャストゲートウェイに
対してデータパケットの受信を要求する。

【００１７】文献１では受信要求を行う場合には、受信
したいパケットのグループ情報を含むメッセージをマル
チキャストゲートウェイに対して発行する。

【００１８】文献２ではマルチキャストゲートウェイは
ＷＷＷサーバのようにマルチキャストで配信される情報
の一覧を受信端末に対して提供する。受信端末はＷＷＷ
ブラウザ経由で該一覧情報から受信したい情報を選択す
る。マルチキャストゲートウェイでは該受信要求を行っ
た複数の受信端末に対して、受信したデータパケットの
コピーを各々の受信端末に対して送信する。

【００１９】

【発明が解決しようとする課題】マルチキャストを利用
したデータ配信を行う場合に、ネットワーク上の全ての
ルータと端末がマルチキャスト機能に対応する必要があ
る。現在は、マルチキャストに対応した端末も増えてお
り、マルチキャストで配信するサービスを行うインター
ネットサービスプロバイダもいくつか存在している。し
かし、マルチキャスト配信サービスをより多くのユーザ
に提供するためには、より多くの端末やルータをマルチ
キャストに対応させる必要があり、そのためには膨大な
コストが必要となる。

【００２０】文献１ではマルチキャストに対応していな
い端末に対してもサービスを提供するようにしている
が、端末に、受信したいグループ情報を含むメッセージ
をマルチキャストゲートウェイに対して発行するための
機能追加が必要となる。今後は携帯端末、携帯電話もイ
ンターネットへ接続するようになると予想され、これら
の端末に対してマルチキャストで配信されるデータパケ
ットを受信するための機能を追加していくことは時間と
コストを必要とする。

【００２１】一方、文献２では現在広く普及しているWW
Wブラウザを利用することで新しく機能を追加する必要
はない。文献２におけるマルチキャストゲートウェイは
内部で保持しているマルチキャストで配信される情報の
データベースを元にCGI（Common Gateway Interface）
処理を行い、端末に提供すべき配信情報の一覧を生成す
る。この処理は端末がマルチキャストゲートウェイにア
クセスした時に行われるが、CGIは処理負荷が高く、多
くの端末がアクセスした場合には処理負荷によってサー
ビス提供に影響が出る可能性がある。

【００２２】したがって、より良いマルチキャストへ対
応技術が求められている。

【００２３】

【課題を解決するための手段】本発明は、マルチキャス
トによるデータ配信サービスを提供しているシステムに
おいて、マルチキャスト機能をサポートしない端末が、
特別な機能を追加せずに、マルチキャスト機能をサポー
トしている端末と同じサービスを確実に受けることがで
きる装置およびシステムを提供する。

【００２４】本発明ではマルチキャストネットワークと
マルチキャストに対応していないネットワーク間に設置
されるマルチキャスト通信装置において、マルチキャス
トをサポートしていない端末、あるいはネットワークが
マルチキャストに対応してないためにマルチキャストで
配信されたデータパケットを受信できない端末からマル
チキャスト配信サーバへのアクセスを検出した場合、該
マルチキャスト通信装置が端末の代わりに最寄のマルチ
キャストルータに対してグループ参加要求を発行する。

【００２５】該マルチキャストルータは該マルチキャス
ト通信装置からのグループ参加要求を端末から送信され
たものとして、マルチキャストデータパケットの配送要
求をマルチキャスト配信サーバに向けて発行する。該配
送要求は該マルチキャスト通信装置とマルチキャスト配
信サーバまでの経路中に存在するマルチキャストルータ
で処理され、マルチキャスト配信サーバから該マルチキ
ャスト通信装置までのマルチキャスト配送経路が確立す
る。マルチキャスト配信されたデータパケットは該配送
経路に従って該マルチキャスト通信装置まで中継され
る。該マルチキャスト通信装置は配信サーバへアクセス
要求を出した端末のアドレス情報等を保持しておき、マ
ルチキャスト配信されたデータパケットを受信したら、
該端末宛てにデータパケットを転送する。

【００２６】該マルチキャスト通信装置に対してはあら
かじめ、配信サーバの情報と配信サーバが提供するサー
ビス情報を設定しておく。配信サーバの情報としてはサ
ーバアドレス、サービスを受信するためにアクセスする
URL等が含まれる。また、サービス情報にはデータの配
信に使用するマルチキャストグループアドレス等を設定
しておく。これらの情報はネットワークの管理者が該マ
ルチキャスト通信装置に設定してもよいし、配信サーバ
から通知してもよい。該マルチキャスト通信装置はマル
チキャスト未サポート端末からの配信サーバへのアクセ
ス内容と自身が保持するマルチキャストサービス情報と
比較し、一致する情報があれば該サービスで使用される
マルチキャストグループに対してグループ参加要求を発
行する。

【００２７】また、該マルチキャスト通信装置では各端
末のアクセス状態を監視し、アクセス状態に変化があれ
ば端末へのデータパケットの送信を中止する。例えば、
ある端末が現在アクセスしているサービスのURLとは別
のサービスのURLへのアクセスを検出した場合には、ア
クセス中のサービスのデータパケットは不要と判断し、
該データパケットの配信を止めるために、対応するグル
ープからの離脱要求を最寄のマルチキャストルータに対
して発行する。該グループ離脱要求を受信したマルチキ
ャストルータは配送停止要求を配信サーバに向けて発行
する。該配送停止要求によって配信サーバから該マルチ
キャスト通信装置までの配送経路が削除され、データパ
ケットが中継されなくなる。

【００２８】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を説明す
る。

【００２９】図６は、本発明が適用されたマルチキャス
ト通信装置によるネットワークシステム構成を示す図で
ある。マルチキャスト通信装置１０a、１０bはマルチキ
ャストルータ４０を介してマルチキャストネットワーク
６０に接続している。また、マルチキャスト通信装置１
０a、１０ｂにはそれぞれマルチキャストに対応してい
ないネットワーク６１a、６１bが接続される。マルチキ
ャストネットワーク６０には配信サーバ５０a（アドレ
スはＳ１）、５０b（アドレスはＳ２）、５０c（アドレ
スはＳ３）が接続している。ネットワーク６１aには端
末５１a（アドレスはＨ１）、５１b（アドレスはＨ２）
が接続し、ネットワーク６１ｂには端末５１c（アドレ
スはＨ３）、５１d（アドレスはＨ４）が接続してい
る。配信サーバ５０aはグループアドレスＧ１に対して
データパケットをマルチキャストで送信する。配信サー
バ５０ｂはグループアドレスＧ２１、Ｇ２２に対してデ
ータパケットをマルチキャストで送信する。

【００３０】各アドレスについては、後述する。

【００３１】図１は、本発明による第一の実施形態に係
わるマルチキャスト通信装置１０のブロック図を示す。

【００３２】マルチキャスト通信装置１０は、ＣＰＵ、
メモリ、バス等の内部通信線、ハードディスクなどの二
次記憶装置、通信インタフェースから構成される。通信
インタフェースは、ネットワークに接続されており、こ
れを経由して、マルチキャストルータ、配信サーバまた
は端末と通信する。また、メモリには、以下に述べる処
理をＣＰＵに実現させるプログラムと必要なデータが格
納されている。プログラムとデータは、予め格納されて
いても良いし、ネットワーク上の通信媒体または他の記
憶媒体を経由して他のサーバから、または二次記憶装置
から導入されても良い。

【００３３】マルチキャスト通信装置１０はマルチキャ
スト配信されたデータパケット、端末５１から配信サー
バ５０へのアクセス要求パケット、および最寄のマルチ
キャストルータ４０からのサービス情報を通知するパケ
ットなどマルチキャスト制御処理に係わる制御パケット
を受信部１１で受信する。配信サーバ５０がサービス情
報をマルチキャスト通信装置１０に通知する場合は、該
サービス情報を含むパケットも受信部１１で受信する。
次にパケット判別部１２は受信パケットが上述したパケ
ットのいずれのパケットであるかを判別する。

【００３４】（１）パケット判別部１２においてデータ
パケットを受信したと判別した場合、データ転送処理部
１３に処理を移す。データ転送処理部１３は、アクセス
端末管理テーブル１９を検索し、該マルチキャストグル
ープの情報を受け取るべき端末の情報を取得し、該受信
データパケットの宛先アドレス情報に各端末のアドレス
情報を設定し、パケット中継部１４に渡す。パケット中
継処理部１４が中継するデータパケットおよびマルチキ
ャスト制御処理部１６が発行するグループ管理プロトコ
ルパケットは、パケット送信部２０が送信する。

【００３５】（２）パケット判別部１２においてアクセ
ス要求パケットを受信したと判別した場合、アクセス制
御処理部１７に処理を移す。アクセス制御処理部１７
は、該受信パケットからアクセス情報を抽出し、サービ
ス情報管理テーブル１８で保持するサービス情報と一致
する情報があるか調べる。一致するサービス情報が存在
すれば、アクセス制御処理部１７は該アクセス要求を発
行した端末５１の情報をアクセス端末管理テーブル１９
に登録する。さらにアクセス制御処理部１７は該サービ
ス情報に登録されているマルチキャストグループ情報と
配信サーバ５０のアドレス情報をマルチキャスト制御処
理部１６に通知する。マルチキャスト制御処理部１６
は、アクセス制御処理部１７が通知するグループ情報と
配信サーバアドレス情報をグループ管理テーブル１５に
登録し、グループ管理プロトコルを使用して最寄のマル
チキャストルータ４０に対してグループ参加要求を送信
する。

【００３６】（３）パケット判別部１２においてサービ
ス情報を通知するパケットを受信したと判断した場合も
アクセス制御処理部１７に処理を移す。アクセス制御処
理部１７は該パケットからサービス情報を抽出し、サー
ビス情報管理テーブル１８に登録する。

【００３７】図２にマルチキャスト通信装置１０が処理
するパケット３０のフォーマットを示す。パケット３０
はヘッダ３１部とデータ部３２で構成される。ヘッダ部
３１はパケット３０の送信元アドレス３３、宛先アドレ
ス３４、およびプロトコル情報３５を含む。

【００３８】端末５１が発行する配信サーバ５０へのア
クセス要求パケットでは、各端末は宛先アドレス３４に
配信サーバ５０のアドレスを設定する。配信サーバ５０
がマルチキャストで配信するデータパケットでは、配信
サーバ５０は宛先アドレス３４にマルチキャストグルー
プアドレスを設定する。マルチキャスト通信装置１０が
マルチキャスト配信されたデータパケットを各端末５１
に転送する場合、マルチキャスト通信装置１０のデータ
転送処理部１３は宛先アドレス３４に各端末５１のアド
レスを設定する。データ部３２はＯＳＩ参照モデルのレ
イヤ４からレイヤ７の情報を含む。レイヤ４の情報とし
て通信アプリケーションが使用するポート番号３６を含
む。端末５１がアクセスする配信サーバ５０のＵＲＬ等
の情報はデータ部３２に含まれる。

【００３９】図３にサービス情報管理テーブル１８を示
す。サービス情報管理テーブル１８に登録されるサービ
ス情報は、マルチキャスト配信サービスを提供する配信
サーバ５０へのアクセス情報と、配信サーバ５０がマル
チキャストで配信するデータパケットの情報を含む。ア
クセス情報には、配信サーバアドレス１８２と配信サー
バ５０へアクセスする際のプロトコル１８３、ポート番
号１８４、アクセス先を示すＵＲＬ情報１８５等を含
む。マルチキャスト配信されるデータパケットの情報に
は、マルチキャストグループアドレス１８６、付加情報
１８７を含む。また、サービス情報管理テーブル１８は
現在のサービスの受信状態を示す情報１８８を含む。

【００４０】付加情報１８７としては例えばサービスの
提供時間等を含む。サービスの提供時間外にアクセス要
求があった場合にはグループ参加要求を出さないように
することで余計な制御パケットの送信を抑えることがで
きる。

【００４１】マルチキャスト通信装置１０は端末５１か
らのアクセス状態を監視し、受信端末数に応じた処理を
行う。アクセス制御処理部１７が該サービスを受信して
いる端末数をサービス情報管理テーブル１８の状態１８
８に設定し、さらにこの端末数の変化によってマルチキ
ャスト制御処理部１６に要求を伝える。もし端末数が０
から１になった場合はデータパケット受信要求を通知
し、端末数が１から０になった場合はデータパケットの
受信中止であることを通知する。他の場合は何も通知し
ない。

【００４２】サービス情報管理テーブル１８に登録され
るアクセス情報は配信サーバアドレス１８２を必須と
し、プロトコル１８３、ポート番号１８４、URL情報１
８５をすべて設定する必要はない。例えば、配信サーバ
アドレス１８２を設定、または配信サーバアドレス１８
２、プロトコル１８３、ポート番号１８４だけ設定とい
う具合に任意の組み合わせで設定してもよい。

【００４３】マルチキャスト通信装置１０のパケット判
別部１２は受信したパケットのヘッダ部３１、データ部
３２に記述されている内容とサービス情報管理テーブル
１８に登録されている内容を比較する。比較は、サービ
ス情報管理テーブル１８中に登録されている項目とだけ
について行い、登録されている項目すべてに一致するサ
ービスがあれば、該サービス情報に対応するマルチキャ
ストグループについてグループ参加要求を発行する。

【００４４】グループアドレス１８６には各サービスで
使用するグループアドレスを一つ以上を登録することが
できる。マルチキャスト通信装置１０のマルチキャスト
制御処理部１６はアクセス要求のあったサービスに登録
されている複数のグループアドレス１８６それぞれに対
してグループ参加要求を発行する。

【００４５】図３に示した例において、アドレスがＳ１
の配信サーバ５０に対して、プロトコルとしてＴＣＰを
使用し、ポート番号が８０のパケットで端末アクセスし
た事をパケット判別部１２が検出した場合、マルチキャ
スト制御処理部１６は、アクセスしようとしたＵＲＬに
係わらずグループＧ１に対して参加要求を発行する。

【００４６】アドレスがＳ２の配信サーバ５０に対し
て、プロトコルとしてＴＣＰを使用し、ポート番号が８
０、アクセス先のＵＲＬがurl1に設定されたパケットを
用いて、端末５１がアクセスした事をパケット判別部１
２が検出した場合、グループＧ２１およびグループＧ２
２に対してマルチキャスト制御処理部１６はグループ参
加要求を発行する。

【００４７】配信サーバ５０はデータパケット３０のデ
ータ部３２に、配信サーバアドレス、プロトコル、ポー
ト番号、ＵＲＬ，マルチキャストグループアドレス等、
当該配信サーバに係わる情報（以下、サービス情報とい
う）を含むパケットを生成してマルチキャスト通信装置
１０に通知する。配信サーバ５０はマルチキャスト通信
装置１０に対してサービス情報を送信するか、特定のマ
ルチキャストグループアドレスを使用してマルチキャス
トで配信する。通知する方法はネットワーク管理者が設
定可能とする。マルチキャストでサービス情報を配信す
る場合は、マルチキャスト通信装置１０は該マルチキャ
ストグループに参加することでサービス情報を受信可能
となる。サービス情報は配信サーバ５０から通知せずに
ネットワークの管理者が管理端末（図示していない）等
から直接設定してもよい。

【００４８】図４にアクセス端末管理テーブル１９を示
す。アクセス端末管理テーブル１９には配信サーバ５０
へのアクセスを要求した受信端末５１のアドレス１９
１、要求するサービス情報１９２と、アクセス要求を検
出した時刻情報１９３を設定する。時刻情報１９３は、
各端末５１に対して課金を行うために、サービスを受け
た時間の計算に利用することができる。要求サービス１
９２としてサービス情報管理テーブル１８が保持する各
サービスへのインデックス情報を設定する。アクセス端
末管理テーブル１９にはアクセス中の端末５１の情報を
登録し、アクセス状態の監視によってアクセスを中止し
たと判断した場合は該端末５１の情報はアクセス端末管
理テーブル１９から削除する。

【００４９】図５にグループ管理テーブル１５を示す。
グループ管理テーブル１５は参加要求を出しているグル
ープアドレス情報１５１と該グループアドレスに対して
データパケットを送信する端末（配信サーバ５０が相当
する）のアドレス情報１５２を含む。送信端末のアドレ
ス情報１５２は設定されなくてもよい。グループ参加・
離脱要求を発行する際は、必要に応じて送信端末のアド
レスとグループを組み合わせて、対象を指定する。

【００５０】該送信端末アドレス情報１５２は、マルチ
キャスト制御処理部１６がアクセス制御処理部１７から
のアクセス開始要求通知を受けた時に登録し、アクセス
終了要求通知を受けた時に削除する。

【００５１】図６において、マルチキャスト通信装置１
０a、１０b各々が保持するサービス情報管理テーブル１
８には図３に示す内容が登録され、各サービス情報には
ＩＤ１８１が割り当てられているとする。

【００５２】端末５１aが配信サーバ５０aへのアクセス
要求を出すと、マルチキャスト通信装置１０aのアクセ
ス制御処理部１７は該アクセス要求を検出し、ＩＤが１
のサービス情報に一致すると判断した場合、端末５０a
のアドレスＨ１とアクセスしたサービス情報のＩＤ（＝
１）をアクセス端末管理テーブル１９に記録する。

【００５３】マルチキャスト制御処理部１６はサービス
情報管理テーブル１８に登録されているサービス情報の
ＩＤが１であることから、配信サーバ５０aに対してア
クセスする端末は５０aが最初であることが分かると、
グループ管理テーブル１５にグループアドレスＧ１と配
信サーバ５０のアドレスＳ１を登録し、マルチキャスト
ルータ４０に対してグループ管理プロトコルを使用して
グループＧ１への参加要求を出す。

【００５４】マルチキャストルータ４０は該グループ参
加要求を受け、マルチキャストネットワーク６０に対し
て配送要求を出すことで、配信サーバ５０aがグループ
Ｇ１宛てにマルチキャスト配信したデータパケットがマ
ルチキャスト通信装置１０aまで到達する。

【００５５】マルチキャスト通信装置１０aはグループ
Ｇ１宛てのデータパケットを受信すると、データ転送処
理部１３は、アクセス端末管理テーブル１９を検索し該
データパケットを受信する端末があるか調べ、アクセス
端末管理テーブル１９にはＩＤ＝１のサービス情報を受
信する端末として端末５１aが登録されているので、受
信したデータパケットの宛先をアドレスＨ１に設定して
端末５１aに向けて転送する。

【００５６】端末５１bが端末５１a同様に配信サーバ５
０aにアクセス要求を出すと、マルチキャスト通信装置
１０aのアクセス制御処理部１７は該アクセス要求を検
出し、アクセス端末管理テーブル１９に端末５０bの情
報を登録する。

【００５７】サービス情報管理テーブル１８に登録され
ているＩＤ＝１のサービス情報の状態から、配信サーバ
５０aには既にアクセスしている端末があり、グループ
Ｇ１について参加要求を出しているので、マルチキャス
ト制御処理部１６はグループ参加要求は発行しない。そ
の後、マルチキャスト通信装置１０aがグループＧ１宛
てのデータパケットを受信すると、アクセス端末管理テ
ーブル１９には端末５１aと端末５１bが登録されている
ため、データ転送処理部１３は該受信データパケットの
宛先アドレスをＨ１とＨ２に設定して端末５１aと端末
５１bに転送する。

【００５８】端末５１ｃが配信サーバ５０aにアクセス
要求を出すと、マルチキャスト通信装置１０bのアクセ
ス制御処理部１７が該アクセス内容を検出し、マルチキ
ャスト制御処理部１６がグループＧ１へグループ参加要
求を発行する。

【００５９】マルチキャストルータ４０は該グループ参
加要求に従い、マルチキャスト通信装置１０aと１０bへ
グループＧ１宛てのデータパケットを中継する。マルチ
キャスト通信装置１０bのデータ転送処理部１３はグル
ープＧ１宛てのデータパケットを受信し、アクセス端末
管理テーブル１９を検索すると端末５１cが登録されて
いるので、該受信データパケットの宛先アドレスをＨ３
にして端末５１ｃに転送する。

【００６０】端末５１ｄが配信サーバ５０bにアクセス
要求を出すと、マルチキャスト通信装置１０bのアクセ
ス制御処理部１７は該アクセス要求を検出し、端末５１
dの情報とアクセスしたサービスのＩＤ（＝２）をアク
セス端末管理テーブル１９に記録する。

【００６１】サービス情報管理テーブル１８に登録され
ているＩＤ＝２のサービス情報の状態から、配信サーバ
５０bへのアクセス端末は端末５０dが最初であると判断
し、グループ管理テーブル１５にグループＧ２１とグル
ープＧ２２および配信サーバ５０bのアドレスＳ２を登
録し、マルチキャスト制御処理部１６はグループＧ２１
とＧ２２に対してグループ参加要求を発行する。

【００６２】データ転送処理部１３はグループＧ１宛て
のデータパケットを受信すると、該データパケットの宛
先アドレスをＨ３に変更して端末５１cに送信する。ま
たグループＧ２１およびグループＧ２２宛てのデータパ
ケットを受信すると、該データパケットの宛先アドレス
をＨ４に設定して端末５０dに転送する。

【００６３】マルチキャスト通信装置１０のマルチキャ
スト制御処理部１６は各端末のアクセス状態を監視し、
何らかの変化を検出した場合は、データパケットの転送
が不要であると判断し、グループからの離脱要求を発行
する。アクセス状態の変化としては、端末５１が別のサ
ービスにアクセスした場合、受信端末がアクセスを終了
した場合、障害等でマルチキャスト通信装置１０から端
末５１へデータが送信できなかった場合などがある。

【００６４】アクセス状態の変化として、端末５１が別
の配信サーバ５０にアクセスした場合について示す。端
末５１cが配信サーバ５０aにアクセスしている状態で、
配信サーバ５０bにアクセスした場合に、マルチキャス
ト通信装置１０bのアクセス制御処理部１７は端末５１c
のアクセス要求の内容とアクセス端末管理テーブル１９
に登録されている端末５１cに関する内容を比較する。
現在アクセス中のサービスのＩＤは１で、新たにアクセ
スしたサービス情報のＩＤは２であるため、受信サービ
スを変更したと判断して、端末５０cが現在アクセスし
ているＩＤが１のサービスについてサービス情報管理テ
ーブル１８中の端末数を１つ減らす。マルチキャスト通
信装置１０ｂにおいては配信サーバ５０aにアクセスし
ているのは端末５１cであるため、該サービスの端末数
は０となる。

【００６５】マルチキャスト通信装置１０bのマルチキ
ャスト制御処理部１６は配信サーバ５０aが配信してい
るグループＧ１宛てのデータパケットは不要となるた
め、グループＧ１に対してグループ離脱要求を発行す
る。

【００６６】次に、アクセス制御処理部１７は端末５１
cが新たにアクセスした配信サーバ５０bについて、サー
ビス情報管理テーブル１８に登録されているＩＤが２の
サービス情報の端末数を１つ増やす。このときは既に端
末５１dが配信サーバ５０bにアクセスしているためにグ
ループ参加要求は発行せずに、アクセス端末管理テーブ
ル１９に登録されている端末５１cのサービスのＩＤを
１から２に変更する。

【００６７】端末５１のアクセス終了と判断する場合の
例としてＴＣＰコネクションを監視する例について示
す。端末５１はＴＣＰでアクセスを行う場合に、ＴＣＰ
のＳＹＮパケットを発行し、ＴＣＰコネクションの確立
を要求する。既に確立したＴＣＰコネクションを終了す
る場合は、ＴＣＰのＦＩＮパケットを送信する。マルチ
キャスト通信装置１０のアクセス制御処理部１７におい
ては、現在アクセスしているある端末５１がＦＩＮパケ
ットを発行したことを検出した場合に、該アクセス端末
５１は配信サーバ５０へのアクセスを終了したとして該
サービス情報管理テーブル１８の端末数を１つ減らし、
アクセス端末管理テーブル１９から該端末５１の情報を
削除する。

【００６８】マルチキャスト通信装置１０からのデータ
を端末５１に送信できない場合としては、端末５１側に
障害が発生した場合と端末５１への途中のネットワーク
に障害が発生した場合が考えられる。いずれの場合にお
いてもマルチキャスト通信装置１０が転送したデータパ
ケットが届かなかった場合には、ＩＣＭＰの到達不可能
パケットが端末５１あるいは途中にあるルータ等から該
データパケットの送信元に対して発行される。マルチキ
ャスト通信装置１０のアクセス制御処理部１７はこのＩ
ＣＭＰパケットの内容と現在のアクセス端末管理テーブ
ル１９の情報からアクセス端末５１がデータを受信でき
ない状態であると判断し、サービス情報管理テーブル１
８の端末数を一つ減らし、アクセス端末管理テーブル１
９から該端末５１の情報を削除する。

【００６９】図６の構成において、端末５１ａ、５１ｂ
が配信サーバ５０aからデータパケットを受信する場合
のメッセージシーケンスを図７に示す。配信サーバ５０
aは定期的にマルチキャスト通信装置１０aおよび１０b
にサービス情報２００を通知し、グループＧ１に向けて
データパケット２０１をマルチキャストで配信している
とする。マルチキャスト通信装置１０aには図３に示す
内容がサービス情報管理テーブル１８に登録されている
とする。

【００７０】端末５１aが配信サーバ５０a（アドレスＳ
１）に対して、ＴＣＰを使ってポート番号８０でアクセ
ス要求２０２を発行する。マルチキャスト通信装置１０
aのアクセス制御処理部１７は該アクセス要求２０２の
内容を調査し、マルチキャスト制御処理部１６は該当す
るサービスに対するマルチキャストグループＧ１へのグ
ループ参加要求２０３を発行する。マルチキャストルー
タ４０はグループ参加要求２０３を受けて、グループＧ
１宛てのデータパケットの配信を要求する配送要求２０
４を送信する。

【００７１】マルチキャスト通信装置１０aのデータ転
送処理部１３はグループＧ１宛てに配信されたデータパ
ケット２０１を受信すると、該データパケット２０１の
宛先アドレスを端末５１aのアドレスＨ１に変更して端
末５１a宛てに送信する。

【００７２】マルチキャストルータ４０はマルチキャス
トグループに参加している端末が存在するかどうか定期
的にグループ問合せパケット２０５を送信する。マルチ
キャスト通信装置１０aのマルチキャスト制御処理部１
６は該グループ問合せ要求２０５を受信するとグループ
管理テーブル１５に登録されているグループＧ１につい
てグループ参加要求２０３で応答する。

【００７３】次に、端末５１bが同様に配信サーバ５０a
にＴＣＰでポート番号８０のアクセス要求２０６を発行
する。マルチキャスト通信装置１０aのアクセス制御処
理部１７はアクセス要求２０６を検出し、端末５１bの
情報をアクセス端末管理テーブル１９に登録する。配信
サーバ５０aには既に端末５１aがアクセスしているた
め、グループ参加要求は発行しない。以後、マルチキャ
スト通信装置１０aのデータ転送処理部１３はグループ
Ｇ１宛てに配信されたデータパケットを受信した場合
は、宛先アドレスを端末５１aのアドレスＨ１と端末５
１bのアドレスＨ２に変更してデータパケット２０１を
それぞれ転送する。

【００７４】図６の構成において、端末５1aが配信サー
バ５０aから配信サーバ５０cにアクセスを変更する場合
のメッセージシーケンスを図８に示す。配信サーバ５０
aは定期的にマルチキャスト通信装置１０aおよび１０b
にサービス情報２００aを通知し、グループＧ１に向け
てデータ２０１aをマルチキャストで配信しているとす
る。また、配信サーバ５０cはマルチキャスト通信装置
１０aおよび１０bにサービス情報２００cを通知し、グ
ループＧ３宛てにデータパケット２０１cをマルチキャ
ストで配信しているとする。マルチキャスト通信装置１
０aのサービス情報管理テーブル１８には図３に示す内
容が登録されているとする。

【００７５】端末５１aは図８に示すメッセージシーケ
ンスに従い、既に配信サーバ５０aからデータパケット
を受信している状態で、端末５１aが配信サーバ５０cに
ＴＣＰを使ってＵＲＬが“url2”のアクセス要求２０２
を発行する。マルチキャスト通信装置１０aアクセス制
御処理部１７はアクセス要求２０２を検出し、アクセス
端末管理テーブル１９に登録されている端末５１aに関
する内容と比較する。アクセス内容が異なっていること
が判明すると、マルチキャスト通信装置１０aのマルチ
キャスト制御処理部１６は配信サーバ５０aからのデー
タの配信を止めるためにグループＧ１に対してグループ
離脱要求２０３を発行する。

【００７６】マルチキャストルータ４０はグループ離脱
要求２０３を受信し、グループＧ１宛てのデータパケッ
トの配信を止めるために配送停止要求２０４を送信す
る。次に配信サーバ５０cからのデータパケットを受信
するために、グループＧ３宛てに対してグループ参加要
求２０５を発行する。マルチキャストルータ４０はグル
ープ参加要求２０５を受けてグループＧ３宛てのデータ
パケットの配信を要求する配送要求２０６を送信する。
マルチキャスト通信装置１０aのデータ転送処理部１３
は配信サーバ５０cからグループＧ３に対してマルチキ
ャスト配信されたデータパケット２０１cを受信する
と、宛先アドレスを端末５１aのアドレスＨ１に設定し
てデータパケット２０１cをそれぞれ転送する。

【００７７】図９はパケット受信時の処理フローを示
す。受信したパケットが、サーバからマルチキャスト配
信されたデータパケットか、端末５１からサーバへのア
クセス要求パケットか、マルチキャスト制御パケットで
あるかの判別と、サービス情報を配信サーバ５０から通
知する場合は、サービス情報を含むパケットであるかの
判別が行われる。マルチキャスト制御パケットとは最寄
のマルチキャストルータ４０から送信されるマルチキャ
スト中継制御に係わるパケットである。

【００７８】ステップ３００においてマルチキャスト制
御パケットを受信した場合はマルチキャスト制御処理３
０１を行う。マルチキャスト制御パケットでない場合
は、ステップ３０２においてデータパケットであるかど
うか判定する。これらの判定は受信パケットの宛先アド
レスがサービス情報管理テーブル１８に登録されている
かどうかで判断可能である。データパケットと判断した
場合はデータ転送処理３０３を行う。データパケットで
ない場合は、アクセス制御処理３０４を行う。

【００７９】図１０は上記データ転送処理３０３のフロ
ーを示す。受信したデータパケットを受け取るべき端末
５１が存在するかどうか、アクセス端末管理テーブル１
９およびサービス情報管理テーブル１８を調べる（ステ
ップ３１０）。アクセス要求を出した端末５１が登録さ
れていれば、宛先アドレスを各端末５１のアドレスに設
定し（ステップ３１１）、各端末５１に対して該受信デ
ータパケットを転送する。一つのグループに対して複数
の端末５１が登録されている場合は、全端末に対して該
受信データパケットを転送する（ステップ３１２）。登
録されている端末５１がない場合は該データパケットを
廃棄する（ステップ３１３）。

【００８０】図１１は上記アクセス制御処理３０４の処
理フローを示す。ここで示す処理フローはサービス情報
を配信サーバ５０から送信する場合を含む。まず受信パ
ケットがサービス情報を含むパケットか端末５１からの
アクセス要求のパケットであるかを、受信パケットの宛
先アドレス、プロトコル、ポート番号を調べて判定する
（ステップ３２０）。サービス情報を含むパケットであ
れば、サービス情報管理テーブル１８に該サービス情報
を登録するか、既に登録されているサービス情報を更新
する（ステップ３２１）。

【００８１】受信パケットがアクセス要求のパケットで
ある場合は、該受信パケットから宛先アドレス、プロト
コル、ポート番号、アクセス先のＵＲＬ情報を抽出し、
サービス情報管理テーブル１８中に一致する情報がある
かを調べる（ステップ３２２）。一致するサービス情報
が無ければ該パケットをそのまま中継する(ステップ３
２７）。

【００８２】もし一致するサービス情報があれば、該ア
クセス要求パケットを送信した受信端末５１の情報をア
クセス端末管理テーブル１９に登録する。この時、既に
該端末情報が登録され、かつアクセスしているサービス
情報が異なる場合は、新たにアクセスしたサービス情報
に変更する（ステップ３２３）。次にサービス情報管理
テーブル１８に登録されているサービスの状態情報とし
てアクセスしている端末数情報を更新する（ステップ３
２４）。該受信端末５１がアクセス先を変更した場合
は、現在アクセスしているサービス情報の端末数を減ら
し、新たにアクセスしたサービス情報の端末数情報を増
やす。ステップ３２５において端末数情報の更新によっ
て、端末数が０から１、あるいは１から０になったサー
ビスがあれば上述のマルチキャスト制御処理３０１を実
施する。それ以外の場合は既に受信している端末５１が
存在すると判断し、ステップ３２７を実施する。アクセ
ス要求パケットは配信サーバ５０宛てのパケットである
ため、最後にステップ３２７において該受信パケットを
配信サーバ５０に向けて中継する。

【００８３】図１２は上記マルチキャスト制御処理３０
１の処理フローを示す。まずアクセス制御処理３０４の
ステップ３２５から、アクセス状態を通知されたのかど
うか調べる（ステップ３４０）。もし、アクセス制御処
理３０４からの通知であれば、アクセス開始要求である
かアクセス終了要求であるかその内容を調べる（ステッ
プ３４５）。ステップ３４５において該アクセス状態の
通知がアクセス開始要求であれば、グループメンバ管理
テーブル１５にグループ情報と配信サーバアドレス情報
を登録し、該マルチキャストグループに対してグループ
参加要求を発行する（ステップ３４４）。もし、アクセ
ス終了要求であれば、グループメンバ管理テーブル１５
から該グループ情報を削除し、グループ離脱要求を発行
する（ステップ３４６）。

【００８４】ステップ３４０において、アクセス情報の
通知でなければ、グループ参加の問合せパケットである
かどうか調べる（ステップ３４１）。グループ参加問合
せパケットでない場合は受信したプロトコルに従った処
理を行う（ステップ３４２）。グループ参加問合せパケ
ットである場合は、グループメンバ管理テーブルを検索
し、登録されているグループがあるかを調べ（ステップ
３４３）、登録されている全てのグループについてグル
ープ参加要求を発行する（ステップ３４４）。

【００８５】本発明に係わる第二の実施形態として、ア
クセス要求検出およびアクセス端末管理を行う装置と、
マルチキャストで配信されたデータパケットをアクセス
端末５１に転送する処理が別の装置である場合について
説明する。

【００８６】図１３は本実施例に係わるマルチキャスト
通信装置７０とデータ転送装置８０のブロック図を示
す。マルチキャスト通信装置７０におけるパケット受信
部１１、パケット中継部１４、マルチキャスト制御処理
部１６、パケット送信部２０は第一の実施例と同じ処理
を行う。グループメンバ管理テーブル１５、サービス情
報テーブル１８、アクセス端末管理テーブル１９は第一
の実施例の場合と同じ情報を含む。

【００８７】パケット判別部７１では端末５１からのア
クセス要求のパケットであるか、配信サーバ５０からの
サービス情報を含むパケットであるかを判定する。アク
セス要求のパケットである場合、アクセス制御処理部７
２において、アクセス情報を抽出し、サービス情報管理
テーブル１８に保持されているサービス情報と一致する
情報があるか調べる。一致するサービスが存在する場
合、アクセス制御処理部７２はアクセス端末管理テーブ
ル１９に該アクセス要求を発行した端末５１の情報を登
録する。また、アクセス制御処理部７２はサービス情報
管理テーブル１８の状態を更新し、該サービス情報に登
録されているマルチキャストグループ情報および配信サ
ーバ５０のアドレス情報をマルチキャスト制御処理部１
６に通知する。またアクセス制御処理部７２は、受信端
末の情報と当該受信端末が受け取るべきデータパケット
の情報とから、マルチキャストで配信されたデータパケ
ットを各アクセス端末５１に転送するための転送情報を
生成してデータ転送装置８０に通知する。マルチキャス
ト制御処理部１６は該グループをグループメンバ管理テ
ーブル１５に登録し、グループ管理プロトコルによって
グループ参加要求を発行する。

【００８８】データ転送装置８０はマルチキャストで配
信されたデータパケットおよびマルチキャスト通信装置
７０からデータパケットの転送情報通知を受信する。パ
ケット判別部８２は受信パケットがデータパケットか転
送情報通知であるかを判定する。転送情報である場合
は、該受信パケットは転送情報処理部８３で処理され
る。転送情報処理部８３は受信パケットの内容に基づい
て転送情報テーブル８４を生成し、また、受信パケット
がマルチキャスト配信されたデータパケットであれば、
データ転送処理部８５に渡す。データ転送処理部８５は
転送情報テーブル８４に従って該データパケットの宛先
アドレスをアクセス端末５１のアドレスに設定し、パケ
ット送信部８６からデータパケットを送信する。

【００８９】図１４に本実施例におけるシステム構成の
例を示す。マルチキャスト通信装置７０とデータ転送装
置８０はマルチキャストに対応していないネットワーク
６１に接続する。また、マルチキャスト通信装置７０と
データ転送装置８０はネットワーク６５を介してマルチ
キャストルータ４０と接続する。ネットワーク６５とし
ては、ネットワーク６５に接続する装置が当該ネットワ
ーク６５上を流れるパケットを観察できるもの、例えば
ＬＡＮを使用する。データ転送装置８０はネットワーク
６５上に流れるマルチキャストデータパケットをモニタ
し、自分が転送すべきパケットを取りこむ。端末５１
a、および５１bからのアクセス要求はマルチキャスト通
信装置７０で検出され、マルチキャスト通信装置７０か
らマルチキャストルータ４０に対してグループ参加要求
が発行される。該グループ参加要求によってマルチキャ
ストルータ４０は配信サーバ５０からマルチキャスト配
信されたデータパケットを中継する。

【００９０】マルチキャストルータ４０はネットワーク
６５経由で該グループ参加要求を受信しているため、ネ
ットワーク６５上にデータパケットを中継する。従っ
て、データ転送装置８０も上述の通りマルチキャスト配
信されたデータパケットを受信することができる。デー
タ転送装置８０はネットワーク６５経由で受信するデー
タパケットについて、転送情報テーブル８４の内容に従
って転送すべきデータパケットを判定し、端末５１aま
たは５１bに向けて転送する。

【００９１】本実施形態によれば第一の実施例と同等の
効果が得られ、かつアクセス制御とデータの転送処理を
分散することによって処理負荷を軽減できる。処理負荷
をさらに分散させるためにデータ転送装置８０は複数設
置してもよい。

【００９２】次に本発明による第３の実施形態として、
マルチキャスト経路制御機能を有するマルチキャスト通
信装置９０について説明する。本実施例におけるマルチ
キャスト通信装置９０のブロック図は、パケット判別部
１２、パケット中継部１４、マルチキャスト制御処理部
１６の処理内容が第１の実施例とは異なり、その他のパ
ケット受信部１１、データ転送処理部１３、アクセス制
御部１７、パケット送信部２０は第一の実施例と同じ処
理を行う。グループ管理テーブル１５、サービス情報管
理テーブル１８、アクセス端末管理テーブル１９は第一
の実施例の場合と同じ情報を含む。

【００９３】パケット判別部１２は受信パケットがマル
チキャストで配信されたデータパケットの場合に、デー
タ転送処理部１３とパケット中継部９２に受信データパ
ケットを渡す。データ転送処理部１３は該当するアクセ
ス端末情報があればアドレス情報を該アクセス端末５１
のアドレスに設定してパケット中継部９２に渡す。パケ
ット中継部１４は、マルチキャスト中継機能を有し、必
要に応じてデータパケットをマルチキャストで中継す
る。

【００９４】アクセス制御処理部１７は、端末５１から
のアクセスを検出した場合にアクセス端末管理テーブル
１９に該端末情報を登録し、マルチキャスト制御処理部
１６にグループ情報および配信サーバ５０のアドレス情
報を通知する。マルチキャスト制御処理部１６は、マル
チキャスト経路制御プロトコルを使用して該マルチキャ
ストグループ宛てのデータパケットの配送要求を送信す
る。

【００９５】図１５に本実施例におけるシステムの構成
例を示す。マルチキャスト通信装置９０はマルチキャス
トネットワーク６０aおよび６０b、マルチキャストに対
応していないネットワーク６１aに接続している。配信
サーバ５０はマルチキャストネットワーク６０aに接続
され、マルチキャストネットワーク６０bには受信端末
５１c、５１dが接続されている。マルチキャスト通信装
置９０は、配信サーバ５０からマルチキャストで配信さ
れるデータパケットを受信すると、端末５１c、５１dに
対してはマルチキャストで配信し、端末５１a、５１ｂ
に対しては各端末に対してデータパケットを転送する。

【００９６】本実施例におけるマルチキャスト通信装置
９０がマルチキャスト経路制御プロトコルとしてPIM-SM
を使用している場合のメッセージシーケンスを図１６に
示す。配信サーバ５０はサービス情報２５０を定期的に
マルチキャスト通信装置９０に通知し、グループＧ１宛
てにデータパケット２５１をマルチキャストで配信して
いるとする。端末５１aが配信サーバ５０a宛にアクセス
要求２５２を出すと、途中にあるマルチキャスト通信装
置９０は該アクセス要求２５２を検出し、PIM-SMでのデ
ータパケットの配送要求を示すJOINパケット２５３を送
信する。マルチキャストネットワーク６０内のマルチキ
ャストルータは該JOINパケット２５３を受信することで
グループＧ１宛てのデータパケット２５１をマルチキャ
スト通信装置９０へ向けて配送し始める。マルチキャス
ト通信装置９０は該データパケット２５１を受信する
と、端末５１aのアドレスＨ１をデータパケット２５１
の宛先アドレスに設定して端末５１aに転送する。

【００９７】同様に、端末５１ｂが配信サーバ５０aに
アクセス要求２５４を出すと、途中にあるマルチキャス
ト通信装置９０は該アクセス要求２５４を検出する。端
末５１ｂは同じグループＧ１に属するため、マルチキャ
スト通信装置９０は新たなJOINパケット２５３を送信し
ない。マルチキャスト通信装置９０は該データパケット
２５１を受信すると、端末５１aのアドレスＨ１と端末
５１bのアドレスＨ２をそれぞれ設定した２つのデータ
パケット２５１を転送する。

【００９８】本実施形態によれば、マルチキャストに対
応していないネットワークに対してマルチキャスト配信
サービスを提供する際に、設置する通信装置の数を減ら
すことができ、ネットワーク管理者の管理負担および通
信装置のコストを軽減することができる。

【００９９】

【発明の効果】本発明によれば、多くのユーザにマルチ
キャストサービスを提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】第一の実施形態に関わるマルチキャスト通信装
置のブロック構成図である。

【図２】マルチキャスト通信装置が扱うマルチキャスト
データパケットのフォーマット例である。

【図３】マルチキャストサービス情報テーブルの例を示
す図である。

【図４】アクセス端末管理テーブルの例を示す図であ
る。

【図５】グループ管理テーブルの例を示す図である。

【図６】第一の実施形態に関わるルータ装置が適用され
たネットワークシステムの構成図である。

【図７】２台の端末が同一の配信サーバにアクセスする
メッセージシーケンス例を示す図である。

【図８】端末がアクセス先の配信サーバを変更する場合
のメッセージシーケンス例を示す図である。

【図９】パケット受信処理を示すフローチャートであ
る。

【図１０】データ転送処理を示すフローチャートであ
る。

【図１１】アクセス制御処理を示すフローチャートであ
る。

【図１２】マルチキャスト制御処理を示すフローチャー
トである。

【図１３】第二の実施形態に関わるマルチキャスト通信
装置およびデータ転送装置のブロック図である。

【図１４】第ニの実施形態に関わるマルチキャスト通信
装置およびデータ転送装置が適用されたネットワークシ
ステムの構成図である。

【図１５】第三の実施形態に関わるマルチキャスト通信
装置が適用されたネットワークシステムの構成図であ
る。

【図１６】第三の実施形態におけるメッセージシーケン
ス例を示す図である。

【符号の説明】

１０…マルチキャスト通信装置、１１…パケット受信
部、１２…パケット判別部、１３…データ転送処理部、
１４…パケット中継部、１５…グループメンバ管理テー
ブル、１６…マルチキャスト制御処理部、１７…アクセ
ス制御処理部、１８…サービス情報管理テーブル、１９
…アクセス端末管理テーブル、２０…パケット送信部、
３０…パケット、３１…パケットヘッダ部、３２…パケ
ットデータ部、３３…送信元アドレス、３４…宛先アド
レス、３５…プロトコル情報、３６…ポート番号、４０
…マルチキャストルータ、５０…配信サーバ、５１…受
信端末、６０…マルチキャストネットワーク

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Ｆターム(参考） 5K030 HA08 HD03 HD06 HD09 JA05 LD06 5K033 CB08 CB13 CC01 DB18 EC03

Claims (14)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】マルチキャストでデータパケットを送信す
   る送信端末からルータ装置を介して前記データパケット
   を受信し、前記データパケットの受信を要求するマルチ
   キャスト通信をサポートしていない受信端末宛てに前記
   受信データパケットを転送するマルチキャスト通信装置
   であって、 前記受信端末が、前記送信端末が送信する情報を受信す
   るために行う前記送信端末との通信を監視する手段と、 前記通信の監視結果に基づいて、マルチキャストで送信
   されるデータパケットの配送制御を前記ルータ装置に指
   示する制御パケットを生成し送信する手段と、 前記送信端末からマルチキャストで送信されたデータパ
   ケットを受信し、前記データパケットの宛先アドレス情
   報に、前記受信端末のアドレス情報を設定して、前記受
   信データパケットを前記受信端末に送信する手段を備え
   ることを特徴とするマルチキャスト通信装置。
2. 【請求項２】請求項１に記載のマルチキャスト通信装置
   であって、 前記送信端末に係わる送信端末情報を保持する手段と前
   記受信端末と前記送信端末間で行われる通信の内容と、
   前記マルチキャスト通信装置が保持する前記送信端末情
   報とを比較する手段と、 前記制御パケットを生成し送信する手段は、前記比較の
   結果に従って、前記制御パケットを生成することを特徴
   とするマルチキャスト通信装置。
3. 【請求項３】請求項２に記載のマルチキャスト通信装置
   であって、 前記送信端末情報は、 前記送信端末のアドレス情報、前記送信端末が送信する
   データパケットの宛先アドレス情報、マルチキャストを
   サポートしていない前記受信端末と前記送信端末間の通
   信で使用されるＯＳＩ参照モデルにおけるレイヤ４から
   レイヤ７の情報のいずれか1つ以上を含むことを特徴と
   するマルチキャスト通信装置。
4. 【請求項４】請求項１に記載のマルチキャスト通信装置
   であって、 前記制御パケットがグループ管理プロトコルに従ったパ
   ケットであることを特徴とするマルチキャスト通信装
   置。
5. 【請求項５】請求項２に記載のマルチキャスト通信装置
   であって、 前記送信端末が送信する前記送信端末情報を受信する手
   段を備えることを特徴とするマルチキャスト通信装置。
6. 【請求項６】請求項２に記載のマルチキャスト通信装置
   であって、 ネットワーク管理者が前記送信端末情報を入力する手段
   を備えることを特徴とするマルチキャスト通信装置。
7. 【請求項７】マルチキャストで送信されたデータパケッ
   トの中継を行うルータ装置であって、 マルチキャスト通信をサポートしていない受信端末がマ
   ルチキャストでデータパケットを送信する送信端末との
   間で行う通信を監視する手段と、 前記監視結果に基づいて、マルチキャストで送信される
   データパケットの配送制御を前記送信端末と当該ルータ
   装置の間に介在する他のルータ装置に指示する制御パケ
   ットを生成して送信する手段と、 前記送信端末からマルチキャストで送信されたデータパ
   ケットを前記他のルータ装置を介して受信し、前記デー
   タパケットの宛先アドレス情報として、前記監視結果に
   基づいて前記受信端末のアドレス情報を設定し、前記受
   信データパケットを前記受信端末に送信する手段とを備
   えることを特徴とするルータ装置。
8. 【請求項８】請求項７に記載のルータ装置であって、 前記制御パケットを生成して送信する手段は、マルチキ
   ャスト経路制御プロトコルに従って前記制御パケットを
   生成することを特徴とするルータ装置。
9. 【請求項９】マルチキャスト通信を用いて情報を提供す
   るサービスシステムであって、 提供する情報を含むデータパケットをマルチキャストで
   送信する送信端末と、 マルチキャスト通信をサポートしていない受信端末に対
   してマルチキャストで送信されたデータパケットを転送
   するマルチキャスト通信装置とからなり、 前記マルチキャスト通信装置は、 前記受信端末と前記送信端末間の通信を監視する手段
   と、 前記通信の監視結果に基づいて、マルチキャストで送信
   されるデータパケットの配送制御を前記送信端末と当該
   マルチキャスト通信装置の間に介在するルータ装置に指
   示する制御パケットを生成し、送信する手段と、 前記送信端末がマルチキャスト通信によって送信したデ
   ータパケットを受信し、前記受信端末に前記データパケ
   ットを転送する手段を備えることを特徴とするサービス
   システム。
10. 【請求項１０】請求項９に記載のサービスシステムであ
    って、 前記送信端末が前記送信端末情報を前記マルチキャスト
    通信装置に送信する手段を備え、 前記マルチキャスト通信装置において、 受信した前記送信端末情報を保持する手段と、 前記受信端末と前記送信端末間の通信の内容と前記マル
    チキャスト通信装置が保持する前記送信端末情報を比較
    する手段とを備え、 前記制御パケットを生成して送信する手段は、前記比較
    結果に従って前記制御パケットを生成することを特徴と
    するサービスシステム。
11. 【請求項１１】マルチキャスト通信を用いて情報を提供
    するするサービスシステムであって、 マルチキャスト通信で提供する情報を含むデータパケッ
    トを送信する送信端末と、 マルチキャスト通信をサポートしていない受信端末と前
    記送信端末間の通信を監視する手段と、 前記通信の監視結果に基づいて、マルチキャストでの配
    信要求を送信する手段とを備えるマルチキャスト通信装
    置と、 前記送信端末がマルチキャストで送信したデータパケッ
    トを受信し、前記受信端末に前記データパケットを送信
    するデータ転送装置とから構成されるサービスシステ
    ム。
12. 【請求項１２】請求項１１に記載のサービスシステムで
    あって、 前記マルチキャスト通信装置が、 前記受信端末の情報と前記受信端末が受け取るべき前記
    データパケットの情報とから、前記データパケットを前
    記受信端末に転送するための転送情報を生成する手段
    と、 前記生成した対応情報を前記データ転送装置に送信する
    手段を備えることを特徴とするサービスシステム。
13. 【請求項１３】請求項１１に記載のサービスシステムで
    あって、 前記データ転送装置において、 前記対応情報を受信する手段と、 受信した前記対応情報を保持する手段とを備え、 前記受信端末に前記データパケットを送信する手段は、
    前記保持する対応情報に基づいて前記データパケットを
    前記受信端末に送信することを特徴とするサービスシス
    テム。
14. 【請求項１４】マルチキャスト通信装置において、送信
    端末がマルチキャスト通信で発信する情報を、マルチキ
    ャスト通信をサポートしていない受信端末に提供する方
    法であって、 マルチキャスト通信で情報を発信する送信端末と前記受
    信端末が行う通信を監視し、 前記通信の監視結果に基づいて、マルチキャストで発信
    された情報の配送制御を前記送信端末と当該マルチキャ
    スト通信装置の間に介在するルータ装置に指示する制御
    パケットを生成し送信し、 前記送信端末からマルチキャストで配送された情報を受
    信し、 前記受信情報を前記受信端末宛てに送信することを特徴
    とするサービス提供方法。