JP2003307559A - 磁気共鳴測定セル - Google Patents

磁気共鳴測定セル

Info

Publication number
JP2003307559A
JP2003307559A JP2002112592A JP2002112592A JP2003307559A JP 2003307559 A JP2003307559 A JP 2003307559A JP 2002112592 A JP2002112592 A JP 2002112592A JP 2002112592 A JP2002112592 A JP 2002112592A JP 2003307559 A JP2003307559 A JP 2003307559A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressure
magnetic resonance
space
container
sample
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002112592A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3570680B2 (ja
Inventor
Mitsuhisa Kanakubo
光央 金久保
Yutaka Ikushima
豊 生島
Takashi Aizawa
崇史 相澤
Kiyotaka Hatada
清隆 畑田
Isao Saito
功夫 斎藤
Hiromi Yamazaki
博実 山崎
Junko Yoshimura
純子 吉村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nikkiso Co Ltd
Japan Science and Technology Agency
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
Nikkiso Co Ltd
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Japan Science and Technology Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nikkiso Co Ltd, National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST, Japan Science and Technology Corp filed Critical Nikkiso Co Ltd
Priority to JP2002112592A priority Critical patent/JP3570680B2/ja
Publication of JP2003307559A publication Critical patent/JP2003307559A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3570680B2 publication Critical patent/JP3570680B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Sampling And Sample Adjustment (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】耐圧性を向上させて超臨界流体の測定に適する
測定セルとし、しかも測定セル内部の試料収納空間の体
積を大きくして高感度の測定が可能な磁気共鳴測定セル
を提供する。 【解決手段】試料を収納して磁気共鳴を測定するための
磁気共鳴測定セルであって、内部に試料収納空間210
を有し、前記試料収納空間に前記試料を加圧状態で収納
可能な内部容器21と、前記内部容器の外側に、前記内
部容器の少なくとも一部を覆い、前記内部容器との間に
間隙を有するように設けられ、その間隙内を中間加圧空
間220として所定の圧力に保持可能な1層以上の外部
容器22とを有する。前記中間加圧空間は、前記試料収
納空間の圧力と、前記外部容器の外側の圧力の中間の圧
力に保持される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、流体試料を所定
の温度および圧力に保持して磁気共鳴現象を測定する磁
気共鳴装置において、流体試料を収納して測定するため
の磁気共鳴測定セルに関し、詳しくは、高圧または高温
高圧を必要とする超臨界流体等の各種試料の物性測定に
適した磁気共鳴測定セルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】試料流体を超臨界状態とした超臨界流体
の物性測定、または、超臨界流体に溶存する試料の物性
測定においては、測定試料は高圧の環境下、または高温
・高圧の環境下にある。例えば、水の臨界圧は22.1
MPa、臨界温度は374℃であり、超臨界状態の水を
測定する際には、その臨界圧以上および臨界温度以上の
高温高圧の環境に設定される。したがって、超臨界状態
の水を収納して測定を行うための測定セルは、そのよう
な高温高圧の環境に耐えられるものでなければならな
い。
【0003】また、測定セルは、磁気共鳴信号の検出の
ために印加される高周波磁場、および、試料によって誘
起された高周波磁場を十分に透過する材料であることが
必要となる。すなわち、測定セルの材料は、非磁性かつ
非導電性でなければならず、また、磁気共鳴信号の測定
を行う周波数帯に妨害となるノイズ成分を発生しない材
料であることが好ましい。測定セルは、このような材料
により内部に試料を収納する空間を備えた管状に形成さ
れることが多い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来のような単層の管
状測定セルの場合、超臨界流体の物性測定が可能な高耐
圧の測定セルを作製するときに管の肉厚を厚くせざるを
得ず、測定セルの外径に対して、試料の収納体積が小さ
くなってしまうという問題点があった。試料の体積が小
さくなると、磁気共鳴信号の検出コイル内の試料の充填
率が小さくなり、磁気共鳴信号の感度が低下してしま
う。その結果として、低感度の各種の測定や低濃度の試
料の測定を行うことが困難になってしまう。
【0005】そこで、本発明は、耐圧性を向上させて超
臨界流体の測定に適する測定セルとし、しかも測定セル
内部の試料収納空間の体積を大きくして高感度の測定が
可能な磁気共鳴測定セルを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の磁気共鳴測定セルは、試料を収納して磁気
共鳴を測定するための磁気共鳴測定セルであって、内部
に試料収納空間を有し、前記試料収納空間に前記試料を
加圧状態で収納可能な内部容器と、前記内部容器の外側
に、前記内部容器の少なくとも一部を覆い、前記内部容
器との間に間隙を有するように設けられ、その間隙内を
中間加圧空間として所定の圧力に保持可能な1層以上の
外部容器とを有する。そして、前記中間加圧空間は、前
記試料収納空間の圧力と、前記外部容器の外側の圧力の
間の圧力に保持される。
【0007】また、上記の磁気共鳴測定セルにおいて、
前記外部容器を1層設け、前記中間加圧空間は、前記試
料収納空間と前記中間加圧空間との圧力差が、前記中間
加圧空間と前記外部容器の外側との圧力差にほぼ等しく
なるような圧力に保持することができる。これにより、
単層の測定セルに比較して耐圧性を向上させることがで
きる。
【0008】また、上記の磁気共鳴測定セルにおいて、
前記外部容器を複数層設け、それぞれの前記外部容器の
間には間隙を設け、その間隙内を所定の圧力に保持可能
とし、前記内部容器および複数層の前記外部容器の間の
間隙は、前記試料収納空間の圧力から最も外側の前記外
部容器の外側の圧力に順次段階的に減少するように設定
された中間の圧力にそれぞれ保持することができる。
【0009】また、上記の磁気共鳴測定セルにおいて、
前記内部容器内には、前記試料収納空間を前記内部容器
の下端側に配置するためのロッドが挿入されていること
が好ましい。
【0010】また、上記の磁気共鳴測定セルにおいて、
前記内部容器および前記外部容器は、それぞれを気密状
態で固定するための傾斜面が設けられているものである
ことが好ましい。
【0011】また、本発明の測定セルは、試料を収納し
て測定を行うための測定セルであって、内部に試料収納
空間を有し、前記試料収納空間に前記試料を加圧状態で
収納可能な内部容器と、前記内部容器の外側に、前記内
部容器の少なくとも一部を覆い、前記内部容器との間に
間隙を有するように設けられ、その間隙内を中間加圧空
間として所定の圧力に保持可能な1層以上の外部容器と
を有する。そして、前記中間加圧空間は、前記試料収納
空間の圧力と、前記外部容器の外側の圧力の間の圧力に
保持される。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について図面
を参照して説明する。図1は、本発明の磁気共鳴測定セ
ルを使用する温度可変磁気共鳴装置の主要部を示す図で
ある。円筒状のマグネット3の内部に磁気共鳴検出部1
が設置されている。そして、測定セル2が、その先端部
が磁気共鳴検出部1の内部に挿入されるように設置され
ている。図2は、磁気共鳴検出部1および測定セル2の
構成を示す拡大図である。磁気共鳴検出部1は一部を切
り欠いた状態で示している。
【0013】磁気共鳴検出部1の内部には、検出コイル
11が設置されており、測定セル2内に収納された試料
の磁気共鳴信号を検出する。また、磁気共鳴検出部1の
内部には、上部加熱器12および下部加熱器13が設け
られている。検出コイル11は、真空二重管14によっ
て上部加熱器12および下部加熱器13側とは断熱され
た状態で設置されている。したがって、検出コイル11
の温度は低温度に保つことができ、検出コイル11から
発生する熱雑音を減少させて低雑音の測定を行うことが
できる。
【0014】上部加熱器12および下部加熱器13は、
温度制御装置4によって加熱制御される。上部加熱器1
2および下部加熱器13のそれぞれを加熱制御すること
により、測定セル2内の試料の温度を正確に制御するこ
とができ、試料の内部温度差を生じさせずに均一な温度
に制御することができる。また、検出コイル11には、
スペクトロメーター6が接続されており、磁気共鳴信号
の周波数分析が行われる。スペクトロメーター6の出力
はコンピュータ7に送られ、測定結果のデータ処理や表
示が行われる。
【0015】測定セル2は、後述のように二重管によっ
て構成されており、測定セル2内部の試料収納空間21
0(図3参照)と中間加圧空間220(図3参照)にそ
れぞれ異なる圧力を印加するようになっている。そのた
めに、第1ポンプ51と第2ポンプ52の2つのポンプ
が設置されている。これらのポンプが圧力制御装置5に
接続されて、それぞれ異なる圧力の加圧ガスを測定セル
2に供給する。
【0016】図3は、測定セル2の構造を示す断面図で
ある。この断面図は、測定セル2をその中心軸を含む平
面で切った図である。シリンダ本体26は、内部に円柱
状の空間が形成されており、その空間内には加圧ピスト
ン27が配置されている。シリンダ本体26の内部空間
は、加圧ピストン27によって上部空間と下部空間とに
隔てられており、加圧ピストン27は気密を保ちながら
上下方向に自由に摺動できる。シリンダ本体26の上端
側は、シール部材28を介してキャップ29がボルト2
91により固定されている。また、キャップ29および
シール部材28を貫通して加圧ガス供給パイプ202が
設けられている。加圧ガス供給パイプ202からの加圧
ガスはシリンダ本体26内部の上部空間に供給される。
【0017】また、シリンダ本体26には、下部空間に
連通する試料供給パイプ201が設けられている。磁気
共鳴を測定する対象の試料は、試料供給パイプ201か
らシリンダ本体26内部の下部空間に供給され、さら
に、その下部空間に連通する試料収納空間210に導入
される。試料導入後は試料供給パイプ201が閉じら
れ、その後、加圧ガス供給パイプ202からの加圧ガス
により、測定対象の試料が所定の圧力に加圧される。超
臨界状態での測定では、試料はその臨界圧を超える圧力
まで加圧される。加圧ガスとしては、アルゴン、窒素等
の不活性ガスが用いられる。
【0018】シリンダ本体26の下端側には、内部容器
21が内部容器固定部材24によって固定されている。
シリンダ本体26と内部容器21との間には、メタルO
リング212が配置されており、これらの接続面を気密
状態に保っている。メタルOリングは金属材料からなる
高耐圧かつ高耐熱のOリングである。シリンダ本体26
と内部容器固定部材24とはボルト261によって固定
されている。
【0019】内部容器21の根元部分には円錐面状の傾
斜面211が形成されており、この傾斜面211を内部
容器固定部材24の対応する傾斜面によって押圧し固定
している。このため、内部容器21の固定部分に過大な
応力集中が起こることがなくなり、内部容器21の耐圧
性を向上させることができる。
【0020】また、シリンダ本体26内の下部空間から
内部容器21の内部に突出するようにロッド23が設け
られている。ロッド23は、その本体が内部容器21の
内部に挿入され、試料を内部容器21下端側の試料収納
空間210に集中して配置する機能を有している。試料
が試料収納空間210に集中して配置されているので、
試料内部の温度差による測定への影響が軽減される。ロ
ッド23の上端部は鍔状に形成され、シリンダ本体26
に当接して係止されている。また、この鍔状の部分には
溝等が形成されており、シリンダ本体26内の下部空間
と試料収納空間210とを連通している。
【0021】内部容器固定部材24の下端側には、外部
容器22が外部容器固定部材25によって固定されてい
る。内部容器固定部材24と外部容器22との間には、
メタルOリング222が配置されており、これらの接続
面を気密状態に保っている。内部容器固定部材24と外
部容器固定部材25とはボルト251によって固定され
ている。
【0022】外部容器22は、その内面と内部容器21
との間に間隙を有するように形成されている。また、内
部容器固定部材24と内部容器21の外周面との間に
も、図示のように間隙が設けられており、この間隙と内
部容器21と外部容器22との間の間隙が連通して中間
加圧空間220となっている。また、内部容器固定部材
24には、この中間加圧空間220に連通する中間加圧
ガス供給パイプ203が設けられている。中間加圧空間
220には、中間加圧ガス供給パイプ203を介して中
間加圧ガスが供給され、試料収納空間210の圧力と外
部容器22外側の大気圧の中間の圧力に保持される。中
間加圧ガスも、アルゴン、窒素等の不活性ガスが用いら
れる。
【0023】外部容器22の根元部分には円錐面状の傾
斜面221が形成されており、この傾斜面221を外部
容器固定部材25の対応する傾斜面によって押圧し固定
している。このため、外部容器22の固定部分に過大な
応力集中が起こることがなくなり、外部容器22の耐圧
性を向上させることができる。
【0024】また、内部容器21、外部容器22および
ロッド23は、磁気共鳴信号の検出のために印加される
高周波磁場、および、試料によって誘起された高周波磁
場を十分に透過する材料で作成されている。すなわち、
これらの材料は、非磁性かつ非導電性でなければなら
ず、また、磁気共鳴信号の測定を行う周波数帯に妨害と
なるノイズ成分を発生しない材料であることが好まし
い。これらの材料としては、機械的強度、耐食性、耐熱
性、耐圧性等を考慮すると、アルミナ、ジルコニア、窒
化珪素等を焼結したセラミック材料が使用可能である。
【0025】この測定セル2では、外部容器22の外側
は大気圧の環境であり、試料収納空間210の試料の圧
力は、内部容器21および外部容器22によって受ける
ようになっている。このため、図2に示したように、検
出コイル11を真空二重管14によって、上部加熱器1
2および下部加熱器13側から断熱された状態で設置す
ることができ、検出コイル11の温度を低温度に保って
検出コイル11から発生する熱雑音を減少させることが
できる。
【0026】この測定セル2により試料の磁気共鳴を測
定する際には、試料収納空間210の試料は、加圧ガス
供給パイプ202から供給される加圧ガスにより、加圧
ピストン27を介して測定を行うべき圧力に加圧され
る。この加圧ガスは、第1ポンプ51によって所定の圧
力に加圧されている。そして、内部容器21と外部容器
22の間の中間加圧空間220には、中間加圧ガス供給
パイプ203を介して中間加圧ガスが供給されており、
試料収納空間210の圧力と外部容器22外側の大気圧
の中間の圧力に保持される。中間加圧ガスは、第2ポン
プ52によって所定の中間圧力に加圧されている。
【0027】すなわち、試料収納空間210の圧力を内
部圧力Pi、外部容器22の外側の圧力を外部圧力P
o、中間加圧空間220の圧力を中間圧力Pmとする
と、Pi>Pm>Poとなっている。特に、内部容器2
1と外部容器22の耐圧が等しい場合には、内部圧力と
中間圧力の差が中間圧力と外部圧力の差に等しくなるよ
うにすることが好ましい。このときは、中間圧力Pmを
内部圧力と外部圧力の平均値(Pi+Po)/2とすれ
ばよい。
【0028】このように、測定セル2として内部容器2
1と外部容器22とからなる二重管を使用し、内部容器
21と外部容器22の間の中間加圧空間を中間圧力に保
持することにより、測定セル2全体としての耐圧性を向
上させることができる。次に、この耐圧性の向上につい
て、実例を挙げて説明する。耐圧容器として、図4
(a)に断面を示すような単層の管と、図4(b)に断
面を示すような二重管とを考える。これらは、最内径が
8mm、最外径が22mmであり、両者とも最内径およ
び最外径は同じ寸法になっている。図4(b)の二重管
は、内管の外径が13.5mm、外管の内径が14.5
mmであり、内管と外管の間に0.5mmの間隙が設け
られている。
【0029】単層の管の内圧が高くなり限界に達する
と、内壁が降伏(塑性変形)する。このときの圧力を降
伏開始圧といい、この降伏開始圧Pyは次の式1から式
3によって求められる。 Py=(σy/2)・(1−K-2) … 式1 σy=2τy … 式2 K = re/ri … 式3 ただし、上式において、σyは一軸降伏応力、τyは剪
断降伏応力、reは管の外半径、riは管の内半径をそ
れぞれ表す。
【0030】ここでは、管を構成する材料の一軸降伏応
力σyは400MPaであるものとする。図4(a)に
示す単層管の降伏開始圧Pyを式1から式3により計算
して求めると、173.55MPaとなる。次に、図4
(b)の二重管の外管と内管のそれぞれについて同様の
計算を行えば、外管の降伏開始圧Pyは113.12M
Paとなり、内管の降伏開始圧Pyは129.77MP
aとなることが分かる。
【0031】すなわち、二重管の場合は、内管の内部と
外部の圧力差が129.77MPaまで耐えることがで
き、外管の内部と外部の圧力差が113.12MPaま
で耐えることができるので、内管と外管の間の間隙を適
当な中間の圧力に保持すれば、全体としては242.8
9MPaの耐圧を有することが分かる。これは、単層管
の耐圧173.55MPaに比較するとかなり大きい。
このように、単層管に比較して二重管構造の容器では耐
圧が向上することが分かる。同様に、三重管、四重管の
構造とすれば、容器全体の耐圧をさらに向上させること
ができる。
【0032】図5は、本発明の測定セルの他の形態を示
す断面図である。この断面図は、測定セルをその軸方向
に直交する平面で切った図である。内部容器21の外側
に間隙を有して第1外部容器22aと第2外部容器22
bを設け、全体を三重管構造としたものである。内部容
器21と第1外部容器22aの間の第1中間加圧空間2
20a、および、第1外部容器22aと第2外部容器2
2bの間の第2中間加圧空間220bは、試料収納空間
210の内部圧力Piから第2外部容器22bの外側の
外部圧力Poに段階的に減少するような中間の圧力にそ
れぞれ保持される。
【0033】すなわち、第1中間加圧空間220aの圧
力を第1中間圧力P1、第2中間加圧空間220bの圧
力を第2中間圧力P2とすると、Pi>P1>P2>P
oとなっている。特に、内部容器21、第1外部容器2
2aおよび第2外部容器22bの耐圧が等しい場合に
は、それぞれの容器の内部と外部の圧力差が等しくなる
ようにすることが好ましい。このときは、第1中間圧力
P1を(Pi+Po)/3とし、第2中間圧力P2を2
(Pi+Po)/3とすればよい。
【0034】なお、内部容器と外部容器の耐圧が異なる
場合には、それぞれの容器の内部と外部の圧力差が耐圧
に比例するように、各中間圧力を設定することが好まし
い。それにより、容器全体の耐圧を最大に高めることが
できる。これは、図3のような二重管構造の測定セルで
も同様である。また、外部容器を3層以上設けてさらに
多重管構造の測定セルとし、耐圧をさらに大きくするこ
ともできる。
【0035】以上のように、本発明の磁気共鳴測定セル
によれば、同じ試料収納体積および同じ外径寸法を有す
る従来の単層の測定セルに比較して、耐圧性能を向上さ
せることができる。また、同じ耐圧性能であれば、従来
の単層の測定セルよりも管の肉厚を薄くすることがで
き、試料収納体積を増加させることができる。試料収納
体積を増加させた場合には、試料の充填密度が増加する
ので高感度の磁気共鳴測定を行うことができる。したが
って、本発明の磁気共鳴測定セルは、高温高圧の測定条
件を必要とする超臨界流体の物性測定にも適した測定セ
ルである。
【0036】なお、以上の実施の形態においては、磁気
共鳴測定を例に挙げて説明しているが、本発明の測定セ
ルは、これ以外の測定にも適用することができる。例え
ば、試料の光吸収の測定等の他の任意の測定にも適用可
能である。
【0037】
【発明の効果】本発明は、以上に説明したように構成さ
れているので、以下のような効果を奏する。
【0038】内部容器と1層以上の外部容器とを有する
多重管構造の測定セルとしたので、同じ試料収納体積お
よび同じ外径寸法を有する単層の測定セルに比較して、
耐圧性能を向上させることができる。また、同じ耐圧性
能であれば、単層の測定セルよりも管の肉厚を薄くする
ことができ、試料収納体積を増加させることができる。
試料収納体積を増加させた場合には、試料の充填密度が
増加するので高感度の磁気共鳴測定等を行うことができ
る。
【0039】内部容器の外側に外部容器を1層設けるよ
うにしたので、最も簡素な構成の多重管構造として、単
層の測定セルよりも耐圧性能を向上させることができ
る。構造が簡素なため、製作コストを低減させることが
できる。
【0040】内部容器の外側に複数層の外部容器を設け
ることにより、さらに耐圧性能を向上させることができ
る。また、同じ耐圧性能であれば、管の肉厚をさらに薄
くすることができ、試料収納体積をさらに増加させて、
さらに高感度の磁気共鳴測定を行うことができる。
【0041】試料収納空間を内部容器の下端側に配置す
るためのロッドが内部容器内に挿入されているので、試
料が試料収納空間に集中配置され、試料内部の温度差が
生じにくく温度差による対流も生じにくくなる。これに
より、磁気共鳴の測定精度が向上する。
【0042】内部容器および外部容器には、それぞれを
気密状態で固定するために、傾斜面を介して押圧して固
定するようにしたので、内部容器および外部容器の固定
部分に過大な応力集中が起こることがなくなり、内部容
器および外部容器の耐圧性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の磁気共鳴測定セルを使用する
温度可変磁気共鳴装置の全体構成を示す図である。
【図2】図2は、磁気共鳴検出部および測定セルの拡大
図である。
【図3】図3は、測定セルの構造を示す断面図である。
【図4】図4は、単層管と二重管を比較するための図で
ある。
【図5】図5は、本発明の測定セルの他の形態を示す断
面図である。
【符号の説明】
1…磁気共鳴検出部 2…測定セル 3…マグネット 4…温度制御装置 5…圧力制御装置 6…スペクトロメーター 7…コンピュータ 11…検出コイル 12…上部加熱器 13…下部加熱器 14…真空二重管 21…内部容器 22…外部容器 23…ロッド 24…内部容器固定部材 25…外部容器固定部材 26…シリンダ本体 27…加圧ピストン 28…シール部材 29…キャップ 51…第1ポンプ 52…第2ポンプ 201…試料供給パイプ 202…加圧ガス供給パイプ 203…中間加圧ガス供給パイプ 210…試料収納空間 211,221…傾斜面 212,222…メタルOリング 220…中間加圧空間 251,261,291…ボルト 22a…第1外部容器 22b…第2外部容器 220a…第1中間加圧空間 220b…第2中間加圧空間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金久保 光央 宮城県仙台市宮城野区苦竹4丁目2番1号 独立行政法人産業技術総合研究所 東北 センター内 (72)発明者 生島 豊 宮城県仙台市宮城野区苦竹4丁目2番1号 独立行政法人産業技術総合研究所 東北 センター内 (72)発明者 相澤 崇史 宮城県仙台市宮城野区苦竹4丁目2番1号 独立行政法人産業技術総合研究所 東北 センター内 (72)発明者 畑田 清隆 宮城県仙台市宮城野区苦竹4丁目2番1号 独立行政法人産業技術総合研究所 東北 センター内 (72)発明者 斎藤 功夫 宮城県仙台市宮城野区苦竹4丁目2番1号 独立行政法人産業技術総合研究所 東北 センター内 (72)発明者 山崎 博実 静岡県榛原郡榛原町静谷498−1 日機装 株式会社静岡製作所内 (72)発明者 吉村 純子 静岡県榛原郡榛原町静谷498−1 日機装 株式会社静岡製作所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】試料を収納して磁気共鳴を測定するための
    磁気共鳴測定セルであって、 内部に試料収納空間(210)を有し、前記試料収納空
    間(210)に前記試料を加圧状態で収納可能な内部容
    器(21)と、 前記内部容器(21)の外側に、前記内部容器(21)
    の少なくとも一部を覆い、前記内部容器(21)との間
    に間隙を有するように設けられ、その間隙内を中間加圧
    空間(220)として所定の圧力に保持可能な1層以上
    の外部容器(22)とを有し、 前記中間加圧空間(220)は、前記試料収納空間(2
    10)の圧力と、前記外部容器(22)の外側の圧力の
    間の圧力に保持されている磁気共鳴測定セル。
  2. 【請求項2】請求項1に記載した磁気共鳴測定セルであ
    って、 前記外部容器(22)は1層設けられており、 前記中間加圧空間(220)は、前記試料収納空間(2
    10)と前記中間加圧空間(220)との圧力差が、前
    記中間加圧空間(220)と前記外部容器(22)の外
    側との圧力差にほぼ等しくなるような圧力に保持されて
    いる磁気共鳴測定セル。
  3. 【請求項3】請求項1に記載した磁気共鳴測定セルであ
    って、 前記外部容器(22a,22b)は複数層設けられ、そ
    れぞれの前記外部容器(22a,22b)の間には間隙
    が設けられ、その間隙内を所定の圧力に保持可能であ
    り、 前記内部容器(21)および複数層の前記外部容器(2
    2a,22b)の間の間隙は、前記試料収納空間(21
    0)の圧力から最も外側の前記外部容器(22b)の外
    側の圧力に順次段階的に減少するように設定された中間
    の圧力にそれぞれ保持されている磁気共鳴測定セル。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれか1項に記載した磁
    気共鳴測定セルであって、 前記内部容器(21)内には、前記試料収納空間(21
    0)を前記内部容器(21)の下端側に配置するための
    ロッド(23)が挿入されている磁気共鳴測定セル。
  5. 【請求項5】試料を収納して測定を行うための測定セル
    であって、 内部に試料収納空間(210)を有し、前記試料収納空
    間(210)に前記試料を加圧状態で収納可能な内部容
    器(21)と、 前記内部容器(21)の外側に、前記内部容器(21)
    の少なくとも一部を覆い、前記内部容器(21)との間
    に間隙を有するように設けられ、その間隙内を中間加圧
    空間(220)として所定の圧力に保持可能な1層以上
    の外部容器(22)とを有し、 前記中間加圧空間(220)は、前記試料収納空間(2
    10)の圧力と、前記外部容器(22)の外側の圧力の
    間の圧力に保持されている測定セル。
JP2002112592A 2002-04-15 2002-04-15 磁気共鳴測定セル Expired - Fee Related JP3570680B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002112592A JP3570680B2 (ja) 2002-04-15 2002-04-15 磁気共鳴測定セル

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002112592A JP3570680B2 (ja) 2002-04-15 2002-04-15 磁気共鳴測定セル

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003307559A true JP2003307559A (ja) 2003-10-31
JP3570680B2 JP3570680B2 (ja) 2004-09-29

Family

ID=29395048

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002112592A Expired - Fee Related JP3570680B2 (ja) 2002-04-15 2002-04-15 磁気共鳴測定セル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3570680B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007051897A (ja) * 2005-08-16 2007-03-01 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 多孔質材料のヘリウム3nmrシグナルのピークシフト値の測定に使用する試料容器、及び該試料容器を使用する測定方法
JP2008107344A (ja) * 2006-10-04 2008-05-08 Bruker Biospin Ag 冷却式磁気共鳴プローブヘッド用の真空容器
JP2013205223A (ja) * 2012-03-28 2013-10-07 National Institute For Materials Science Nmrプローブ装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007051897A (ja) * 2005-08-16 2007-03-01 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 多孔質材料のヘリウム3nmrシグナルのピークシフト値の測定に使用する試料容器、及び該試料容器を使用する測定方法
JP2008107344A (ja) * 2006-10-04 2008-05-08 Bruker Biospin Ag 冷却式磁気共鳴プローブヘッド用の真空容器
JP2013205223A (ja) * 2012-03-28 2013-10-07 National Institute For Materials Science Nmrプローブ装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3570680B2 (ja) 2004-09-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Lin et al. The speed of sound and derived thermodynamic properties of pure water at temperatures between (253 and 473) K and at pressures up to 400 MPa
US6824306B1 (en) Thermal insulation testing method and apparatus
Zhang et al. Progress toward redetermining the Boltzmann constant with a fixed-path-length cylindrical resonator
EP2954306A1 (en) Apparatus and methodology for measuring properties of microporous material at multiple scales
US9097609B1 (en) Hermetic seal leak detection apparatus with variable size test chamber
ES2599710T3 (es) Cámara y procedimiento de mediciones eléctricas de muestras en polvo y líquidas altamente reactivas
Perkins et al. Spherical resonator for vapor-phase speed of sound and measurements of 1, 1, 1, 2, 2, 3, 3-heptafluoro-3-methoxypropane (RE347mcc) and trans-1, 3, 3, 3-tetrafluoropropene [R1234ze (E)]
Majer et al. A new version of vibrating-tube flow densitometer for measurements at temperatures up to 730 K
JP2003307559A (ja) 磁気共鳴測定セル
Samara et al. High pressure manganin gauge with multiple integral calibrants
Moldover et al. Microwave determination of the volume of a pressure vessel
RU2583061C1 (ru) Установка для исследования и способ исследования влияния пористых сред на фазовое поведение жидких и газообразных флюидов
RU2657353C1 (ru) Способ определения термодинамических характеристик газообразных веществ при квазиизэнтропических условиях нагружения в мегабарной области давлений
Dibeler et al. Diaphragm type micromanometer for use on a mass spectrometer
Gillis et al. ‘Weighing’a gas with microwave and acoustic resonances
Wegge et al. Speed-of-sound measurements in (argon+ carbon dioxide) over the temperature range from (275 to 500) K at pressures up to 8 MPa
JP2001264146A (ja) 液面レベルスイッチ
US8949067B1 (en) Device and method for measuring material volume changes
EP3353526B1 (en) A density sensor and density sensor manufacturing method
JP2001264147A (ja) 液面レベルスイッチ
Haynes et al. Apparatus for density and dielectric constant measurements to 35 MPa on fluids of cryogenic interest
US3343403A (en) Apparatus for the measurement of the velocity of sound in a gas
CN114076716A (zh) 岩石孔隙体积压缩系数测定装置以及测定系统
CN104049024B (zh) 用于定向安装到废气系统中的废气传感器
Goodwin et al. 6 SPEED OF SOUND

Legal Events

Date Code Title Description
RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20031215

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040531

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040618

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080702

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090702

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100702

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110702

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110702

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120702

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees