JP2003307508A - 磁気特性の測定装置及びその測定方法 - Google Patents

磁気特性の測定装置及びその測定方法

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JP2003307508A
JP2003307508A JP2002113486A JP2002113486A JP2003307508A JP 2003307508 A JP2003307508 A JP 2003307508A JP 2002113486 A JP2002113486 A JP 2002113486A JP 2002113486 A JP2002113486 A JP 2002113486A JP 2003307508 A JP2003307508 A JP 2003307508A
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JP2002113486A
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Keisuke Fujisaki
敬介 藤崎
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 測定試料に対して良好な励磁環境を与えるこ
とにより、測定試料の磁気特性をより高い精度で測定で
きるようにする。 【解決手段】 中空円柱型コア1の内側に複数個のスロ
ットを配置し、前記スロット間に巻回された多相励磁コ
イル(U、U、−W、−W、V、V、…)に電源電流制
御装置12から多相交流電流を供給して2次元回転磁界
ベクトルを発生させて測定試料2に方向依存性のない一
様な回転磁界を与えられるようにして、コア中空部の前
記2次元回転磁界ベクトルを含む平面に配設された測定
試料近傍の磁界を検出するとともに、前記試料を貫通し
て通過する磁束を検出するようにすることで、測定試料
の測定精度を著しく向上させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気特性の測定装置
及びその測定方法に関し、特に、磁性体の磁気抵抗率を
測定するために用いて好適なものである。
【0002】
【従来の技術】従来から高効率の電気機器、特に電磁機
械を設計する際には、その低損失化、高効率化が重要な
課題である。高効率、省エネルギー形電磁機械において
は、磁束集中を避けて均一な磁束分布を得ること、渦電
流損失の増加を防ぐために磁束波形の歪みを避けるこ
と、加工歪みや外部応力の影響を避けること、漏れ磁束
を少なくすること等が要件として考慮されている。
【0003】しかし、このような要件を満足させるため
には、一般に磁性材料の磁束密度を下げて構造設計をす
る方法が採用されてきた。この方法では電磁機械が大型
になり、品質向上が十分に達成されない。このような背
景には、従来から磁性材料の特性評価が磁性材料の研究
者のみに委ねられ、必ずしもユーザーの意向が組込まれ
てこなかったことも一因と考えられる。
【0004】一方、ユーザー側では、磁性材料の各パラ
メーターを定数と考えて取扱ってきたことにも要因はあ
る。すなわち、電磁機械に使用される磁性材料はスカラ
ー量として取扱われ、磁界Hと磁束Bとの間で、その大
きさの非線形性や空間的な角度の非線形性が無視されて
きた。このような問題を榎園正人氏は、2次元磁気特
性、あるいはベクトル磁気特性と称して取扱うことによ
って、次のように解決している。
【0005】榎園正人氏に従えば、磁性材料特性におい
て、2次元磁気特性からみたコア用磁性材料の適正な選
択、回転磁束鉄損の抑制、励磁電流の低減、磁界ベクト
ルの制御がそれぞれ達成されなければならない。以下、
同氏の文献「2000磁気応用技術シンポジウム」
(日本能率協会)に従って説明を進める。
【0006】磁性材料の鉄損Wiは、以下の式(1)で
表せる。
【0007】
【数1】
【0008】また、回転磁束下における回転鉄損W
rは、以下の式(2)で表せる。
【0009】
【数2】
【0010】ただし、Tは励磁周期、ρ磁性材料の密
度、ωは角周波数である。
【0011】磁性材料の磁化容易軸の方向が測定方向と
は一致しない場合、磁界Hと磁束Bとは平行にはならな
い。従来の磁気持性の測定においては、磁化容易軸方
向、すなわち配向方向あるいは圧延方向に対してのみの
測定であるため、測定値は当該方向の磁気特性データを
表わしている。しかし、この磁気特性データは、磁性材
料から成るコア内部の磁性材料の磁気特性データや有限
要素法における磁界解析データとして用いる磁気特性デ
ータとしては使用できるものではない。
【0012】一般に、磁性材料は鉄損を最小化する必要
性から薄板状のコアとして使用されるため、電磁解析で
は2次元量として取扱うことができる。また、電磁機械
では回転磁束を取扱うので、磁界Hと磁束Bとは平行と
はならない。すなわち、磁界Hと磁束Bとは空間的な位
相関係においても非直線性を有するため、磁界Hと磁束
Bとがまちまちに動いてしまう。
【0013】そこで、磁束Bのベクトルが常に一方向を
向いて増大するように磁界Hのベクトルの位相を制御す
る必要がある。この条件を備えた測定法として、2次元
励磁による2次元磁気特性測定法を採用する必要があ
る。この測定法では、直交する2方向から磁性材料鋼板
を励磁し、十字型に構成された磁界センサコイル及び磁
束センサコイルによって、各々、磁界H及び磁束Bを測
定することによリ交番磁束下及び回転磁束下における磁
気特性データが測定できる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上述のように磁性材料
鋼板では、磁界Hと磁束Bとの間に存在する大きさの非
直線性及び空間的な角度の非直線性を考慮に入れて、2
次元励磁による2次元磁気特性測定法が採用されてき
た。この測定法では直交する2方向から磁性材料鋼板を
励磁し、十字型に構成された磁界センサコイル及び磁束
センサコイルによって、回転磁束であっても満足に測定
できる。
【0015】しかし、この測定法では直交する2つのコ
イルによって回転磁界を生成しているため、具体的な電
磁機器における良好な電磁環境を実現することができな
かった。よって、良好な回転磁界を生成し、実際にコア
を構成する磁性材料鋼板に対して回転磁束下における磁
界H及び磁束Bを高い精度で測定することができる測定
方法を実現することが課題となっていた。
【0016】本発明は前述の問題点にかんがみてなされ
たものであり、測定試料に対して良好な励磁環境を与え
ることにより、測定試料の磁気特性をより高い精度で測
定できるようにすることを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の磁気特性の測定
装置は、複数個のスロットを内側に有する中空円柱型コ
アと、前記コアのスロット間に巻回され、多相交流電流
により2次元回転磁界ベクトルを発生する多相励磁コイ
ルと、前記コア中空部の前記2次元回転磁界ベクトルを
含む平面に配設された試料近傍の磁界を検出する磁界検
出手段と、前記試料を貫通して通過する磁束を検出する
磁束検出手段とを有することを特徴とするものである。
【0018】本発明の磁気特性の測定装置の他の特徴と
するところは、前記多相励磁コイルに供給する多相交流
電流を制御する制御手段を備えることを特徴とするもの
である。
【0019】また、本発明の磁気特性の測定装置のその
他の特徴とするところは、前記磁界検出手段で検出され
た磁界と前記磁束検出手段で検出された磁束とに基づい
て前記試料の磁気特性を算出する算出手段を備えること
を特徴とするものである。
【0020】また、本発明の磁気特性の測定装置のその
他の特徴とするところは、複数個のスロットを内側に有
し、積層鋼板から成る中空円柱型コアと、前記コアを励
磁するために多相交流電流を供給する電源と、前記コア
のスロット間に巻回され、前記電源からの多相交流電流
により2次元回転磁界ベクトルを発生する多相励磁コイ
ルと、前記コア中空部の前記2次元回転磁界ベクトルを
含むxy平面に配置される円板状の磁性材料鋼板の試料
を保持する試料保持手段と、前記試料に近接して配置さ
れた磁界検出手段と、前記試料を貫通して通過する磁束
を検出するように配置された磁束検出手段と、前記多相
交流電流により前記試料内で生成される2次元回転磁束
密度ベクトルのxy平面座標成分(Bx、By)が所定の
関係を保持するように前記多相交流電流を制御する電源
電流制御装置と、前記磁界検出手段と前記磁束検出手段
とからの出力を取り込み、その出力結果に基づいて前記
試料の磁気抵抗率テンソルを算出する磁気抵抗率テンソ
ル算出手段とを備えることを特徴とするものである。
【0021】また、本発明の磁気特性の測定装置のその
他の特徴とするところは、前記磁界検出手段が、前記試
料に近接してかつ前記試料に平行な前記xy平面に沿っ
て配置され、前記xy平面内で前記2次元回転磁界ベク
トルを検出する互いに直交した2個の磁界検出コイルで
あり、前記磁束検出手段が、前記試料を貫通して通過す
る磁束を検出する位置に配置され、前記2次元回転磁界
ベクトルによって発生する磁束密度ベクトルを検出する
互いに直交した2個の磁束検出コイルあるいは磁束検出
用プローブであることを特徴とするものである。
【0022】また、本発明の磁気特性の測定装置のその
他の特徴とするところは、前記磁気抵抗率テンソル算出
手段は、前記互いに直交した2個の磁界検出コイルと前
記互いに直交した2個の磁束検出コイルあるいは磁束検
出用プローブとの出力電流を同時に処理し、Hx−Hy
びBx−Byのグラフを表示する波形観察用オシロスコー
プ機能を備えていることを特徴とするものである。
【0023】本発明の磁気特性の測定方法は、中空円柱
型コアの内側に複数個のスロットを配置し、前記スロッ
ト間に巻回された多相励磁コイルに多相交流電流を供給
して2次元回転磁界ベクトルを発生させて、前記コア中
空部の前記2次元回転磁界ベクトルを含む平面に配設さ
れた試料近傍の磁界を検出するとともに、前記試料を貫
通して通過する磁束を検出することを特徴とするもので
ある。
【0024】本発明の磁気特性の測定方法の他の特徴と
するところは、前記多相励磁コイルに供給する多相交流
電流を制御することを特徴とするものである。
【0025】また、本発明の磁気特性の測定方法のその
他の特徴とするところは、前記検出した磁界と前記検出
した磁束とに基づいて前記試料の磁気特性を算出するこ
とを特徴とするものである。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の磁気特性の測定装
置及び測定方法について添付図面を参照しながら説明す
る。図1は、本発明における磁気特性の測定装置の実施
形態を示す概略図である。図1において、1は回転磁界
を発生する励磁用磁界発生部、2は円板状の磁性材料鋼
板の試料、3は磁界検出手段、4は磁束検出手段、11
は電源電流制御装置、12は3相交流電流電源、13は
試料2を保持するための試料保持手段、14は磁界検出
手段3及び磁束検出手段4からの出力を取り込み、試料
の磁気特性を算出する算出手段である。
【0027】回転磁界を発生して試料2を励磁する励磁
用磁界発生部1は、中空円柱型積層鋼板の内側に複数個
のスロットを備え、各スロットの凹部には3相誘導モー
ターを構成する2層巻きによる励磁コイルが備えてあ
る。各スロットの凹部には、各々U、U、−W、−W、
V、V、−U、−U、W、W、−V、−Vの順に巻いた
励磁コイルが、各々−V、U、U、−W、−W、V、
V、−U、−U、W、W、−Vの順に巻いた励磁コイル
と順次、組み合わせてある。
【0028】U相、V相、W相の励磁コイルには、3相
交流電流電源12から各々の相に3相交流電流iu
v、iwを流す。これによって中空円柱型積層鋼板の内
側には時計方向の回転磁界が得られる。反時計方向の回
転磁界は、V相とW相とを相互に逆に接続すれば得られ
る。本実施の形態では、3相交流電流電源12による3
相交流入力を想定しているが、他の3相以上の多相交流
入力であってもよい。
【0029】電源電流制御装置11は、3相交流電流電
源12と3相励磁コイルとの間に接続されていて、3相
励磁コイルに流す3相交流電流iu、iv、iwによって
生成される2次元回転ベクトルのxy平面座標成分(B
x、By)が予め定められた真円、あるいはxy平面座標
系に対して任意の傾斜角φを有する楕円となるように帰
還制御する。
【0030】誘導モーター型の励磁用磁界発生部1に
は、次のような特徴がある。 (1)方位依存性のない、真円形の回転磁界が生成でき
る。このため、磁気抵抗率[ν]のテンソルが高精度で
測定できる。 (2)試料2を円板形にできるので、資料の磁気特性パ
ラメーターが方位依存性を持つことはない。 (3)3相交流電流iu、iv、iwの値を変えて磁界強
度を変えることができ、回転磁界の強度を容易に変更で
きる等の利点があり、制御性が高い。
【0031】次に、榎園正人氏及び祖田直也氏によって
導かれた理論によって磁気抵抗率[ν]を説明する。こ
こで、図2に示すような回転磁束が回転磁界によって得
られたとする。図2において軸比α(短軸/長軸)はB
min/Bmax、最小磁束密度及び最大磁束密度はそれぞれ
min、Bmax、長軸の容易軸からの傾斜角はφである。
一方、回転磁束条件下では、回転方向に対して磁界の強
度Hと磁束密度Bとの間に空間的位相差を有する。この
空間的位相差は、磁束密度の大きさBや傾斜角φに依存
して変化する非線形量である。そこで、図3(a)に示
すようにモデル化した磁界Hと磁束密度Bとの位相関係
において、図3(b)に示ように磁束密度B方向の磁界
H’は、以下の式(3)によって与えられる。
【0032】
【数3】
【0033】ここで、θphは磁界Hと磁束密度Bとの間
の空間的位相差を表わす。また、磁束密度B方向の磁界
H'のx成分、y成分をHx’、Hy’として表す。さら
に、実効異方性磁気抵抗率κは以下の式(4)として定
義される。
【0034】
【数4】
【0035】従って、磁界成分Hx、Hyは以下の式
(5)となる。
【0036】
【数5】
【0037】ここで、実効異方性磁気抵抗率κ、空間的
位相差θphは以下の式(6)として表せる。
【0038】
【数6】
【0039】また、B=(Bx 2+By 21/2、θB=tan
-1(By/Bx)である。
【0040】次に、図2に示す楕円の磁束密度Bの軌跡
においては、以下の式(7)、式(8)で表せる。
【0041】
【数7】
【0042】よって、y座標方向に1/α倍して、上述
の楕円を真円に変換すると、以下の式(9)、式(1
0)及び式(11)が得られる。
【0043】
【数8】
【0044】上記の関係から磁界Hと磁束密度Bとの関
係は、以下の式(12)となる。
【0045】
【数9】
【0046】回転磁束の条件下では、一つの磁束条件下
の実測データから磁束密度Bの傾斜角θBを変化させ
て、瞬時的な実効異方性磁気抵抗率κ及び空間的位相角
θphを求める。そこで磁気抵抗率[ν]を以下の式(1
3)によって定義する。
【0047】
【数10】
【0048】従って、以下の式(14)が得られる。
【0049】
【数11】
【0050】よって、磁界H、磁束密度Bの測定から磁
気抵抗率[ν]が求められる。
【0051】図1に示した磁性材料鋼板の試料2は、円
板状のものであり、また、中空円柱型積層鋼板の内側に
回転磁界ベクトルを含むxy平面内で2次元的に配置さ
れている。試料2は円板状であるので、試料2の形状に
依存した異方性が生ずることはない。
【0052】磁界検出手段3は、磁性材料鋼板の試料2
に近接して配置され、コア1の内側に存在する回転磁界
を検出する。この磁界検出手段3は、回転磁界を検出す
る直交した2個の磁気検出コイルより構成されている。
直交した2個の磁気検出コイルの出力をベクトル量とし
て加算すれば、磁界の大きさと方向が測定できる。
【0053】一方、磁束検出手段4は、磁性材料鋼板の
試料2を貫通して通過する磁束をピックアップするよう
に配置したもので、回転磁界ベクトルによって発生する
磁束密度ベクトルを検出する直交した2個の磁束検出コ
イル、あるいは直交して配置された2対のプローブ(4
個のプローブ)から成るプローブアレイで構成されてい
る。
【0054】前述した磁界検出手段3及び磁束検出手段
4は、榎園正人氏らのグループで使用されているものと
同様な構造のものである。
【0055】次に、磁界検出手段3及び磁束検出手段4
について簡単に説明をする。
【0056】図4は、磁界検出手段3を構成する2個の
直交するコイルを示す概略図である。図4において、コ
イル5、6は可能な限りインダクタンスを小さくすると
ともに、容積も減じて、回転磁界の一様性を損なうこと
がないように構成されている。この形式のコイルによっ
て磁束検出手段4を構成する場合には、磁束検出に際し
て試料2にコイルの通る貫通穴を開ける必要がある。試
料2内に貫通穴を開けることは磁束密度の一様性を損な
うのみならず、応力歪による誤差の原因となるため、貫
通穴を使用する必要のないプローブの使用が好ましい。
プローブ法は試料鋼板の表面にプローブを2本配置し、
試料2内部を流れる磁束の変化によって生ずる渦電流の
電位差を測る方法である。
【0057】図5は、2次平面におけるプローブ法を用
いた磁束検出手段4の一構成例を示す概略図である。一
対のプローブ7、9と他の一対のプローブ8、10とを
直交して配置する。プローブ7、9間の電位差と、プロ
ーブ8、10間の電位差により、磁束の2次元ベクトル
量が測定される。磁束密度や磁界を測定する方法には、
他に偏光された光ビームの回転を利用した光学的方法や
結晶の起電力を利用する方法等が挙げられる。
【0058】磁界検出手段3によって磁界H1(Hx1
y1)及び磁界H2(Hx2、Hy2)を検出し、磁界H1
び磁界H2に対応して磁束検出手段4によって磁束密度
1(Bx1、By1)及び磁束密度B2(Bx2、By2)を検
出すれば、式(14)から以下の式(15)〜式(1
8)が得られる。
【0059】
【数12】
【0060】算出手段14は、磁界検出手段3及び磁束
検出手段4に接続され、各々磁界H 1(Hx1、Hy1)と
磁界H2(Hx2、Hy2)、及び磁束密度B1(Bx1
y1)と磁束密度B2(Bx2、By2)のデータを収集し
て、式(15)〜式(18)の演算を実行して磁気抵抗
率νxx、νxy、νyx、νyyのテンソルを算出する。ここ
で本実施の形態では、磁界Hx1−Hy1と磁界Hx2
y2、及び磁束密度Bx1−By1と磁束密度Bx2−By2
波形を同時に観察するため、波形観測用オシロスコープ
が各検出手段の出力回路に接続されている。
【0061】
【発明の効果】本発明によれば、中空円柱型コアの内側
に複数個のスロットが配置され、前記スロット間に巻回
された多相励磁コイルに多相交流電流を供給して2次元
回転磁界ベクトルを発生させて、前記コア中空部の前記
2次元回転磁界ベクトルを含む平面に配設された試料近
傍の磁界を検出するとともに、前記試料を貫通して通過
する磁束を検出するようにしたので、試料に方向依存性
のない一様な回転磁界を与えることができるようにな
り、試料の磁気特性の測定精度を著しく向上させること
ができる。
【0062】また、本発明の他の特徴とするところは、
前記多相励磁コイルに供給する多相交流電流を制御する
制御手段を設けたので、多相励磁コイルで発生させる2
次元回転磁界ベクトルをより一様で安定なものとするこ
とができる。
【0063】また、本発明のその他の特徴とするところ
は、前記磁界検出手段で検出された磁界と前記磁束検出
手段で検出された磁束とに基づいて前記試料の磁気特性
を算出する算出手段を設けたので、試料のテンソル磁気
抵抗率を高精度で測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による磁気特性の測定装置に使用する励
磁用磁界発生部の説明図である。
【図2】回転磁界による磁束密度(Bx,By)の軌跡を
示す概略図である。
【図3】磁界と磁束密度との位相関係を示す概略図であ
る。
【図4】磁界検出手段の一構成例を示す概略図である。
【図5】磁束検出手段の一構成例を示す概略図である。
【符号の説明】
1 励磁用磁界発生部 2 磁性材料鋼板の試料 3 磁界検出手段 4 磁束検出手段 5、6 コイル 7〜10 プローブ 11 電源電流制御装置 12 3相交流電流電源 13 試料保持手段 14 算出手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G017 AA01 AA04 AA10 AD02 BA03 CA03 CB02 CB16 2G053 AA00 AB01 AB19 AB21 BA02 BA11 BA15 BB11 BC03 BC12 CA03 CA09 CA18 CB30 DA01 DA10

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数個のスロットを内側に有する中空円
    柱型コアと、 前記コアのスロット間に巻回され、多相交流電流により
    2次元回転磁界ベクトルを発生する多相励磁コイルと、 前記コア中空部の前記2次元回転磁界ベクトルを含む平
    面に配設された試料近傍の磁界を検出する磁界検出手段
    と、 前記試料を貫通して通過する磁束を検出する磁束検出手
    段とを有することを特徴とする磁気特性の測定装置。
  2. 【請求項2】 前記多相励磁コイルに供給する多相交流
    電流を制御する制御手段を備えることを特徴とする請求
    項1に記載の磁気特性の測定装置。
  3. 【請求項3】 前記磁界検出手段で検出された磁界と前
    記磁束検出手段で検出された磁束とに基づいて前記試料
    の磁気特性を算出する算出手段を備えることを特徴とす
    る請求項1又は2に記載の磁気特性の測定装置。
  4. 【請求項4】 複数個のスロットを内側に有し、積層鋼
    板から成る中空円柱型コアと、 前記コアを励磁するために多相交流電流を供給する電源
    と、 前記コアのスロット間に巻回され、前記電源からの多相
    交流電流により2次元回転磁界ベクトルを発生する多相
    励磁コイルと、 前記コア中空部の前記2次元回転磁界ベクトルを含むx
    y平面に配置される円板状の磁性材料鋼板の試料を保持
    する試料保持手段と、 前記試料に近接して配置された磁界検出手段と、 前記試料を貫通して通過する磁束を検出するように配置
    された磁束検出手段と、 前記多相交流電流により前記試料内で生成される2次元
    回転磁束密度ベクトルのxy平面座標成分(Bx、By
    が所定の関係を保持するように前記多相交流電流を制御
    する電源電流制御装置と、 前記磁界検出手段と前記磁束検出手段とからの出力を取
    り込み、その出力結果に基づいて前記試料の磁気抵抗率
    テンソルを算出する磁気抵抗率テンソル算出手段とを備
    えることを特徴とする磁気特性の測定装置。
  5. 【請求項5】 前記電源電流制御装置は、前記試料内で
    生成される2次元回転磁束密度ベクトルのxy平面座標
    成分(Bx、By)が予め定められた真円あるいはxy平
    面座標系に対して任意の傾斜角φを有する楕円となるよ
    うに帰還制御することを特徴とする請求項4に記載の磁
    気特性の測定装置。
  6. 【請求項6】 前記磁界検出手段が、前記試料に近接し
    てかつ前記試料に平行な前記xy平面に沿って配置さ
    れ、前記xy平面内で前記2次元回転磁界ベクトルを検
    出する互いに直交した2個の磁界検出コイルであり、 前記磁束検出手段が、前記試料を貫通して通過する磁束
    を検出する位置に配置され、前記2次元回転磁界ベクト
    ルによって発生する磁束密度ベクトルを検出する互いに
    直交した2個の磁束検出コイルあるいは磁束検出用プロ
    ーブであることを特徴とする請求項4又は5に記載の磁
    気特性の測定装置。
  7. 【請求項7】 前記磁気抵抗率テンソル算出手段は、前
    記互いに直交した2個の磁界検出コイルと前記互いに直
    交した2個の磁束検出コイルあるいは磁束検出用プロー
    ブとの出力電流を同時に処理し、Hx−Hy及びBx−By
    のグラフを表示する波形観察用オシロスコープ機能を備
    えていることを特徴とする請求項6に記載の磁気特性の
    測定装置。
  8. 【請求項8】 中空円柱型コアの内側に複数個のスロッ
    トを配置し、前記スロット間に巻回された多相励磁コイ
    ルに多相交流電流を供給して2次元回転磁界ベクトルを
    発生させて、前記コア中空部の前記2次元回転磁界ベク
    トルを含む平面に配設された試料近傍の磁界を検出する
    とともに、前記試料を貫通して通過する磁束を検出する
    ことを特徴とする磁気特性の測定方法。
  9. 【請求項9】 前記多相励磁コイルに供給する多相交流
    電流を制御することを特徴とする請求項8に記載の磁気
    特性の測定方法。
  10. 【請求項10】 前記検出した磁界と前記検出した磁束
    とに基づいて前記試料の磁気特性を算出することを特徴
    とする請求項8又は9に記載の磁気特性の測定方法。
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