JP2003307416A - 電波望遠鏡受信機の変位測定方法、電波望遠鏡受信機の位置測定方法及び電波望遠鏡の受信機駆動機構 - Google Patents

電波望遠鏡受信機の変位測定方法、電波望遠鏡受信機の位置測定方法及び電波望遠鏡の受信機駆動機構

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JP2003307416A
JP2003307416A JP2002111121A JP2002111121A JP2003307416A JP 2003307416 A JP2003307416 A JP 2003307416A JP 2002111121 A JP2002111121 A JP 2002111121A JP 2002111121 A JP2002111121 A JP 2002111121A JP 2003307416 A JP2003307416 A JP 2003307416A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 望遠鏡の姿勢変化あるいは受信機の移動によ
る受信機の変位を高精度、短時間で求める電波望遠鏡受
信機の変位測定方法を提供する。 【解決手段】 受信機を取り付ける受信機台2が測定基
準面1上に駆動ジャッキ4を介して取り付けられた受信
機駆動機構を有するとともに、測定基準面1を駆動する
電波望遠鏡における受信機の変位測定方法であって、測
定基準面1上に取り付けられた2次元センサ16により
受信機台2に設けられた被測定部を非接触で測定し、測
定基準面1に対する受信機の2次元変位を求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電波望遠鏡受信機
の変位測定方法、電波望遠鏡受信機の位置測定方法及び
電波望遠鏡の受信機駆動機構に係り、さらに詳しくは、
望遠鏡の姿勢変化や受信機駆動機構内で受信機の移動が
行われる電波望遠鏡において受信機の変位、位置を測定
するための測定方法および当該測定を行うことができる
電波望遠鏡の受信機駆動機構に関する。
【0002】
【従来の技術】図4は、従来の電波望遠鏡の受信機駆動
機構の概略構成を示した斜視図である。図中の1は測定
基準面、2は受信機台、3は受信機取付部、4は駆動ジ
ャッキ、5は測定系回転方向、6は望遠鏡回転方向、7
は測定機器取付部、8は測定機器取付ベース、9は測定
機器取付サポート、10は被測定物、11は測定距離、
12a〜12c及び13a〜13cは受信機台2の移動
方向、17は3次元カメラ測定システムである。
【0003】電波望遠鏡の受信機は、受信機台2の受信
機取付部3に取り付けられており、受信機の位置は受信
機台2の位置によって決まる。また、受信機台2は、測
定基準面1に設置された6本の駆動ジャッキ4により支
持されている。このため、測定基準面1に対する受信機
の位置は、6本の駆動ジャッキ4により12a〜12c
の方向に平行移動させることができ(自由度3)、13
a〜13cの方向に回転させることができる(自由度
3)。すなわち、受信機台2は指令値に応じて合計6自
由度で駆動され受信機駆動機構内で移動、回転する。
【0004】図示された受信機駆動機構は、環状の測定
基準面1上に構成されている。つまり、受信機駆動機構
は、環状面を有する支持基体上に支持されており、受信
機駆動機構の基準となる当該支持基体の取付面が測定基
準面1である。支持基体は、更に他の系に取り付けられ
ており、望遠鏡の姿勢に応じて測定系回転方向5及び望
遠鏡回転方向6に回転駆動される。従って、これに伴っ
て受信機駆動機構全体が回転駆動されることになる。こ
こで、測定系回転方向5は、環状の測定基準面1の中心
軸に関する回転方向であり、望遠鏡回転方向6は、測定
基準面に平行な軸に関する回転方向である。
【0005】3次元カメラ測定システム17は、受信機
取付部3に取り付けられた測定用のターゲットを様々な
角度から撮影し、測定基準面1に対する受信機台2の3
次元座標を求めるためのものである。この3次元カメラ
測定システム17を用いれば、受信機の位置を絶対3次
元座標として測定することができる。
【0006】また、測定機器取付部7には、接触式の変
位計(ダイヤルゲージなど)が取り付けられ、受信機台
2に取り付けられた被測定物10との距離11の変位を
測定している。また、測定機器取付部7は、測定機器取
付ベース8に取り付けられ、測定機器取付ベース8は、
6本の測定機器取付サポート9を介して測定基準面1上
で支持されている。
【0007】変位計を用いて距離11を測定することに
より、方向12aに関する受信機台2の変位を測定する
ことができる。また、被測定物10の形状や取付位置、
変位計取付位置などを異ならせることによって、残る2
つの方向12b,12cに関する受信機台2の変位も測
定することができる。このため、当該変位計を用いて測
定基準面1に対する受信機台2の変位を測定することが
でき、受信機駆動機構内の受信機台2の移動や、受信機
駆動機構の方向5,6への回転により生ずる変形を測定
することができる。
【0008】3次元カメラ測定システム17による3次
元座標の測定は、人により多数の角度から撮影を行う必
要から時間がかかり、望遠鏡機器室の内部にある受信機
について望遠鏡の姿勢が変わるごとに、その位置、変位
の測定を行うことは非常に困難である。このため、3次
元カメラ測定システム17により受信機の3次元座標を
予め測定するとともに、その後は、この3次元座標に変
位計の測定結果を加えることにより、受信機台2の3次
元座標が決定される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来の受信機駆動機構
は、上述したとおり、測定基準面1に対する受信機の位
置を測定するための3次元カメラ測定システム17及び
変位計を備えた測定系として構成されているため、次の
様な種々の問題が生じていた。
【0010】まず、変位計により被測定物10との距離
11を測定し、受信機台2の変位を測定しているため、
駆動ジャッキ4により受信機台2を移動させた場合、被
測定物10の形状や取付位置、変位計の種類や取付位置
などを変更する必要があるという問題があった。また、
受信機台2を移動できる範囲は、受信機台2や被測定物
10が測定機器取付部7と干渉しない範囲に限定される
という問題があった。また、変位計により同時に測定で
きるのは、方向12a,12b,12cのいずれかのみ
であるという問題があった。
【0011】また、測定機器取付部7、測定機器取付ベ
ース8、測定機器取付サポート9などが変形することに
より生ずる誤差が大きいという問題があった。特に、望
遠鏡の姿勢変化により測定系が方向5,6に回転駆動さ
れ、重力で変形することによる誤差や温度などの環境変
化による誤差が、要求精度に対して無視できないという
問題があった。
【0012】また、3次元カメラ測定システム17は、
任意の形状からなる測定対象の任意の位置を測定できる
方法が採用され、1つの測定には相当の時間を要する。
また、測定対象である受信機が姿勢変化する望遠鏡機器
室内にあり、3次元カメラ測定システム17を適用する
のは非常に困難であった。このため、3次元カメラ測定
システム17により望遠鏡の姿勢変化に伴う受信機の位
置、変位を測定することはできないという問題があっ
た。
【0013】本発明は、上記の事情に鑑みてなされたも
のであり、望遠鏡の姿勢変化による受信機駆動系の変形
を高精度かつ短時間で測定することができる電波望遠鏡
受信機の位置測定方法を提供することを目的とする。ま
た、望遠鏡の姿勢変化後における受信機の3次元位置を
精度よく求めることができる電波望遠鏡受信機の位置測
定方法を提供することを目的とする。
【0014】また、望遠鏡の姿勢変化による受信機駆動
系の変形を高精度かつ短時間で測定することができる電
波望遠鏡の受信機駆動機構を提供することを目的とす
る。また、望遠鏡の姿勢変化後における受信機の3次元
位置を精度よく求めることができる電波望遠鏡の受信機
駆動機構を提供することを目的とする。さらに、測定基
準面の変形による2次元センサの測定誤差を低減するこ
とができる電波望遠鏡の受信機駆動機構を提供すること
を目的とする。また、2次元センサのレンズの微小な変
形やレンズ構造のガタにより生ずる測定誤差を抑制する
ことができる2次元センサを備えた電波望遠鏡の受信機
駆動機構を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
による電波望遠鏡受信機の変位測定方法は、受信機を取
り付ける受信機台が測定基準面上に駆動ジャッキを介し
て取り付けられた受信機駆動機構を有するとともに、測
定基準面を駆動する電波望遠鏡における受信機の変位測
定方法であって、測定基準面上に取り付けられた2次元
センサにより受信機台に設けられた被測定部を非接触で
測定し、測定基準面に対する受信機の2次元変位を求め
る。
【0016】請求項2に記載の本発明による電波望遠鏡
受信機の変位測定方法は、2次元センサを用いて受信機
台に設けられた2以上の被測定物の変位を測定し、測定
基準面に対する受信機の回転量を求める。
【0017】請求項3に記載の本発明による電波望遠鏡
受信機の位置測定方法は、受信機を取り付ける受信機台
が測定基準面上に駆動ジャッキを介して取り付けられた
受信機駆動機構を有するとともに、測定基準面を駆動す
る電波望遠鏡における受信機の位置測定方法であって、
受信機の位置を3次元座標として測定する3次元測定ス
テップと、3次元測定ステップにおける測定後の受信機
の変位を非接触のセンサにより2次元変位として測定す
る2次元測定ステップと、3次元測定ステップの測定結
果及び2次元測定ステップの測定結果に基づいて、受信
機の位置を求めるステップからなる。
【0018】請求項4に記載の本発明による電波望遠鏡
受信機の位置測定方法は、2次元測定ステップが、測定
基準面に取り付けられた2次元センサを用いて受信機台
に設けられた被測定物の変位を非接触で測定する。
【0019】請求項5に記載の本発明による電波望遠鏡
受信機の位置測定方法は、2次元測定ステップが、2次
元センサを用いて受信機台に設けられた2以上の被測定
物の変位を測定し、受信機の回転量を求める。
【0020】請求項6に記載の本発明による電波望遠鏡
の受信機駆動機構は、測定基準面上に駆動ジャッキを介
して取り付けられた受信機台と、受信機台に取り付けら
れた受信機と、受信機台に設けられた被測定部と、測定
基準面上に取り付けられ、測定基準面に対する被測定部
の2次元変位を非接触で測定する2次元センサとを備
え、測定基準面に対する受信機の2次元変位を測定する
ように構成される。
【0021】請求項7に記載の本発明による電波望遠鏡
の受信機駆動機構は、測定基準面上に駆動ジャッキを介
して取り付けられた受信機台と、受信機台に取り付けら
れた受信機と、カメラ撮影により受信機の位置を3次元
座標として測定する3次元測定用カメラと、測定基準面
に対する受信機の2次元変位を測定する2次元センサと
を備えて構成される。
【0022】請求項8に記載の本発明による電波望遠鏡
の受信機駆動機構は、受信機台には、2次元センサの被
測定物が設けられ、2次元センサが、センサ取付部材を
介して測定基準面上に取り付けられ、被測定物の変位を
非接触で測定するように構成される。
【0023】請求項9に記載の本発明による電波望遠鏡
の受信機駆動機構は、センサ取付部材が、測定基準面上
に支持されたサポートリングと、サポートリングに取り
付けられサポートリングを横断するリング連結アーム
と、サポートリングに接触することなく一端がリング連
結アームの中央部に取り付けられたセンサ支持アームか
らなり、2次元センサが、センサ支持アームの他端側に
取り付けられる。
【0024】請求項10に記載の本発明による電波望遠
鏡の受信機駆動機構は、サポートリングが、2以上のセ
ンサ取付サポートを介して測定基準面上に支持される。
【0025】請求項11に記載の本発明による電波望遠
鏡の受信機駆動機構は、2次元センサが、円筒形状のレ
ンズ支持構造体内にレンズ鏡筒とともに収納され、レン
ズ鏡筒は、2次元センサに取り付けられるとともに、レ
ンズ支持構造体の円形断面上で支持ネジにより支持され
る。
【0026】
【発明の実施の形態】図1は、本発明による電波望遠鏡
の受信機駆動機構の概略構成を示した斜視図である。図
中の1は測定基準面、2は受信機台、3は受信機取付
部、4は駆動ジャッキ、5は測定系回転方向、6は望遠
鏡回転方向、12a〜12c及び13a〜13cは受信
機台2の移動方向、14はセンサ取付サポート、16は
2次元センサ、17は3次元カメラ測定システムであ
る。
【0027】電波望遠鏡の受信機は、受信機台2の受信
機取付部3に取り付けられ、受信機台2は、環状の測定
基準面1に設置された6本の駆動ジャッキ4により支持
されている。このため、測定基準面1に対する受信機の
位置は、指令値に応じて駆動ジャッキ4により12a〜
12cの方向に平行移動させることができ、13a〜1
3cの方向に回転させることができる。
【0028】また、図示された受信機駆動機構は、環状
面を有する支持基体上に支持されており、受信機駆動機
構の基準となる当該支持基体の取付面が測定基準面1で
ある。支持基体は、更に他の系に取り付けられており、
望遠鏡の姿勢に応じて測定系回転方向5及び望遠鏡回転
方向6に回転駆動される。従って、これに伴って受信機
駆動機構全体が回転駆動されることになる。
【0029】3次元カメラ測定システム17は、従来の
装置と同様、受信機取付部3に取り付けられたターゲッ
トを様々な角度から撮影し、測定基準面1に対する受信
機台2の3次元座標を求めるためのものである。この3
次元カメラ測定システム17を用いれば、受信機の位置
を絶対3次元座標として測定することができる。
【0030】2次元センサ16は、センサ取付部材(セ
ンサ取付サポート14など)を介して測定基準面1に取
り付けられ、受信機台2の下方(測定基準面1側)に設
置されている。また、受信機台2の裏面(下面)には、
発光体(例えばLED)などを用いた2次元センサの被
測定物(不図示)が取り付けられている。2次元センサ
16は、被測定物の平面内における変位(2次元変位)
を非接触で測定している。受信機台2が測定基準面1に
対し変位すれば、それにともなって被測定物も変位する
ため、被測定物の変位を測定することにより、測定基準
面に対する受信機の変位を測定することができる。
【0031】ここで、2次元センサ16が、受信機台2
に設けられた被測定物を非接触で測定することによっ
て、従来の受信機駆動機構のように、受信機台2の近く
に接触式の変位計を取り付けるための測定機器取付部7
を必要とせず、受信機台2の移動範囲を制限することが
ない。また、接触式の変位計を用いる場合のように、受
信機台の移動によって、被測定物の形状や取付位置、変
位計の種類や取付位置などを変更する必要がなくなる。
【0032】図2は、図1の受信機駆動機構から受信機
台2及び駆動ジャッキ4を除外して示した図である。図
中の1は測定基準面、16は2次元センサ、14はセン
サ取付サポート、24はセンサ支持アーム、25はサポ
ートリング、26はリング連結アームである。なお、セ
ンサ取付部材は、センサ取付サポート14、センサ支持
アーム24、サポートリング25及びリング連結アーム
26により構成される。
【0033】4本のセンサ取付サポート14は、測定基
準面1上に概ね等間隔となるように設置されている。こ
れら4本のセンサ取付サポート14により、1つのサポ
ートリング25が支持され、サポートリング25が受信
機台2の下方に設置される。このサポートリング25は
環状形状、例えば8角形の環状形状として構成されてい
る。
【0034】サポートリング25には、サポートリング
25の中心部を通ってサポートリング25を横断させる
ようにリング連結アーム26が取り付けられており、リ
ング連結アーム26の両端をサポートリング25が支持
している。
【0035】リング連結アーム26の中央部には、リン
グ連結アーム26に直交するように2本のセンサ支持ア
ーム24が取り付けられ、センサ支持アーム24の一端
をリング連結アーム26が支持している。センサ支持ア
ーム24は、サポートリングに接触しないように隙間を
あけて設置され、他端側(リング連結アーム26とは反
対側)に2次元センサ16が取り付けられている。
【0036】この様にして、受信機台2を測定基準面1
に取り付ける際、2以上(望ましくは3以上)のセンサ
取付サポート14を介して取り付けて、センサ取付部材
を多足構造とすることにより、測定系回転方向5へ回転
する際に測定基準面1に生ずる微小な変形が2次元セン
サ16による測定に与える影響を小さくし、2次元セン
サ16の測定精度を向上させることができる。
【0037】また、センサ支持アーム24が、サポート
リング25に接触しないよう離れて配置されることによ
り、測定基準面1が変形してもその影響をセンサ支持ア
ーム24が直接受けることがなく、2次元センサ16に
よる測定に与える影響を小さくし、2次元センサ16の
測定精度を向上させることができる。
【0038】また、サポートリング25を横断するよう
にリング連結アーム26を取り付け、その中央部にセン
サ支持アーム24を取り付けているため、測定基準面1
の変形がセンサ支持アーム24に与える影響を小さくす
ることができ、2次元センサ16による測定に与える影
響を小さくし、2次元センサ16の測定精度を向上させ
ることができる。
【0039】図3は、図1の2次元センサの詳細構成を
示した図である。図中の16は2次元センサ、18はレ
ンズ鏡筒、19はレンズ支持構造体、20は支持ネジ、
21はアーム取付部、22はアイリス調整窓、23はア
イリス調整部である。
【0040】レンズ支持構造体19は、円筒形状からな
り、その内部にレンズ鏡筒18及び2次元センサ16が
収められている。2次元センサ16はレンズ支持構造体
19に取り付けられ、2次元センサ16にレンズ鏡筒1
8が取り付けられている。また、レンズ支持構造体19
には4本の支持ネジ20が設けられており、支持ネジ2
0はレンズ支持構造体19内部において中心側へ向けて
螺入され、レンズ鏡筒18に締結力を加えながら支持し
ている。
【0041】また、レンズ鏡筒18には、アイリス調整
部23が設けられており、レンズ支持構造体19の外部
からアイリス調整部23にアクセスできるように、レン
ズ支持構造体19には、アイリス調整部23に相当する
部分にアイリス調整窓22が設けてある。
【0042】レンズ鏡筒18は、2次元センサ16を介
してレンズ支持構造体19に取り付けられるだけでな
く、支持ネジ20によってレンズ支持構造体の円形断面
上で支持されている。このため、レンズ支持構造体19
の分だけ剛性が増して変形しにくくなる。また、締め付
けにより、レンズ鏡筒18のガタも抑制することができ
る。このため、レンズの微小な変形やレンズ構造のガタ
によって生ずる誤差を抑制し、2次元センサ16の測定
精度を向上させることができる。
【0043】次に、本発明による電波望遠鏡受信機の位
置測定方法について説明する。まず、受信機台2の受信
機取付部3には3次元位置測定用のターゲットが取り付
けられる。そして、ある指令値に従って、受信機駆動機
構内で駆動ジャッキ4により受信機台2が移動し、受信
機台2が指令値に応じた所定の位置にある状態とする。
この状態において、3次元カメラ測定システム17を用
いて、ターゲットをカメラ撮影してターゲットの3次元
座標を求めて、指令値に対応する受信機台2の位置、姿
勢を決定する。
【0044】ついで、指令値を異ならせて、受信機台2
を受信機駆動機構内で移動させ、受信機台2を異なる位
置に移動させた状態で、3次元カメラ測定システム17
を用いてターゲットの3次元座標を求め、当該指令値に
対応する受信機台2の位置、姿勢を決定する。この作業
を必要回数分だけ行って、受信機台2の各指令値に対応
する位置を決定する。
【0045】その後、指令値を一定にして、受信機駆動
機構を測定系回転方向5及び望遠鏡回転方向6に回転さ
せる。このときの受信機台2の変位を2次元センサ16
を用いて測定する。すなわち、駆動ジャッキ4による受
信機台2の移動を行うことなく、受信機駆動機構全体を
回転駆動させ、回転駆動にともなって生ずる変位を測定
する。
【0046】このとき、図1の受信機駆動機構の場合で
あれば、2次元センサ16が12a,12c方向の変位
を測定することができる。また、2以上の被測定物を同
一の受信機台2の下面の異なる位置に取り付け、各被測
定物の変位を測定すれば、これらの変位量に基づいて、
2次元センサ16により測定可能な平面上の回転量(1
3b方向の回転量)を測定することができる。なお、受
信機駆動機構は、測定しようとする2次元平面に垂直な
方向12bには、測定物がほとんど変形しないような構
造となっている。
【0047】測定系回転方向5及び望遠鏡回転方向6へ
の回転駆動後における受信機台2の測定基準面1に対す
る3次元座標は、3次元カメラ測定システム17により
回転駆動前の状態における受信機台2の3次元座標を測
定しておけば、この3次元座標に2次元センサによる回
転駆動後の変位量を加算することによって求められる。
【0048】つまり、所定の受信機の位置(参照点)の
測定基準面に対する3次元座標を測定するとともに、測
定基準面に対する当該参照点からの変位を2次元測定す
ることにより、望遠鏡の姿勢変化後における受信機の3
次元位置を高精度かつ短時間で測定することができる。
また、短時間で測定できることにより、温度などの環境
変化による測定誤差を抑制できるので、さらに高精度で
測定することができる。
【0049】なお、受信機台2に取付けた被測定物15
を他の構造物に取付けることにより、その構造物の2次
元センサー16に対する変位が測定可能になる。また、
二次元センサー12を測定基準面1から別の位置に設置
することで別の軸の変位も測定することが可能となる。
【0050】
【発明の効果】本発明による電波望遠鏡受信機の位置測
定方法は、2次元センサにより受信機台に設けられた被
測定部を非接触で測定し、測定基準面に対する受信機の
2次元変位を求めている。このため、望遠鏡の姿勢変化
あるいは受信機の移動による受信機の変位を高精度で求
めることができる。また、短時間で求めることができ
る。また、受信機台の移動範囲の制限を緩和し、受信機
台の移動により被測定物の取付位置などを変更する必要
がない。
【0051】本発明による電波望遠鏡受信機の位置測定
方法は、受信機の位置を3次元座標として測定した後、
受信機の変位を2次元変位として測定し、これらの測定
結果に基づいて受信機の位置を求めている。このため、
望遠鏡の姿勢変化後あるいは受信機の移動後でも高精度
で受信機の位置を求めることができる。また、短時間で
求めることができる。
【0052】また、本発明による電波望遠鏡の受信機駆
動機構は、受信機台に設けられた被測定部と、測定基準
面上に取り付けられ、被測定部の2次元変位を非接触で
測定する2次元センサとを備え、望遠鏡の姿勢変化ある
いは受信機の移動による測定基準面に対する受信機の2
次元変位を測定している。このため、受信機の変位を高
精度で求めることができる。また、短時間で求めること
ができる。また、受信機台の移動範囲の制限を緩和し、
受信機台の移動により被測定物の取付位置などを変更す
る必要がない。
【0053】また、本発明による電波望遠鏡の受信機駆
動機構は、カメラ撮影により受信機の位置を3次元座標
として測定する3次元測定用カメラと、測定基準面に対
する受信機の2次元変位を測定する2次元センサとを備
えている。このため、3次元座標及び2次元変位に基づ
いて受信機の3次元座標を求めることができ、望遠鏡の
姿勢変化後あるいは受信機の移動後でも高精度で受信機
の位置を求めることができる。また、短時間で求めるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による電波望遠鏡の受信機駆動機構の
概略構成を示した斜視図である。
【図2】 図1の受信機駆動機構から受信機台2及び駆
動ジャッキ4を除外して示した図である。
【図3】 図1の2次元センサの詳細構成を示した図で
ある。
【図4】 従来の電波望遠鏡の受信機駆動機構の概略構
成を示した斜視図である。
【符号の説明】
1 測定基準面、2 受信機台、3 受信機取付部、3
受信機取付部、4 駆動ジャッキ、5 測定系回転方
向、6 望遠鏡回転方向、12a〜12c 移動方向、
13a〜13c 回転方向、14 センサ取付サポー
ト、16 2次元センサ、17 3次元カメラ測定シス
テム、18 レンズ鏡筒、19 レンズ支持構造体、2
0 支持ネジ、22 アイリス調整窓、23 アイリス
調整部、24 センサ支持アーム、25 サポートリン
グ、26 リング連結アーム

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 受信機を取り付ける受信機台が測定基準
    面上に駆動ジャッキを介して取り付けられた受信機駆動
    機構を有するとともに、測定基準面を駆動する電波望遠
    鏡における受信機の変位測定方法であって、測定基準面
    上に取り付けられた2次元センサにより受信機台に設け
    られた被測定部を非接触で測定し、測定基準面に対する
    受信機の2次元変位を求める電波望遠鏡受信機の変位測
    定方法。
  2. 【請求項2】 2次元センサを用いて受信機台に設けら
    れた2以上の被測定物の変位を測定し、測定基準面に対
    する受信機の回転量を求めることを特徴とする請求項1
    に記載の電波望遠鏡受信機の変位測定方法。
  3. 【請求項3】 受信機を取り付ける受信機台が測定基準
    面上に駆動ジャッキを介して取り付けられた受信機駆動
    機構を有するとともに、測定基準面を駆動する電波望遠
    鏡における受信機の位置測定方法であって、受信機の位
    置を3次元座標として測定する3次元測定ステップと、
    3次元測定ステップにおける測定後の受信機の変位を非
    接触のセンサにより2次元変位として測定する2次元測
    定ステップと、3次元測定ステップの測定結果及び2次
    元測定ステップの測定結果に基づいて、受信機の位置を
    求めるステップからなる電波望遠鏡受信機の位置測定方
    法。
  4. 【請求項4】 上記2次元測定ステップは、測定基準面
    に取り付けられた2次元センサを用いて受信機台に設け
    られた被測定物の変位を測定することを特徴とする請求
    項3に記載の電波望遠鏡受信機の位置測定方法。
  5. 【請求項5】 上記2次元測定ステップは、2次元セン
    サを用いて受信機台に設けられた2以上の被測定物の変
    位を測定し、受信機の回転量を求めることを特徴とする
    請求項4に記載の電波望遠鏡受信機の位置測定方法。
  6. 【請求項6】 測定基準面上に駆動ジャッキを介して取
    り付けられた受信機台と、受信機台に取り付けられた受
    信機と、受信機台に設けられた被測定部と、測定基準面
    上に取り付けられ、測定基準面に対する被測定部の2次
    元変位を非接触で測定する2次元センサとを備え、測定
    基準面に対する受信機の2次元変位を測定することを特
    徴とする電波望遠鏡の受信機駆動機構。
  7. 【請求項7】 測定基準面上に駆動ジャッキを介して取
    り付けられた受信機台と、受信機台に取り付けられた受
    信機と、カメラ撮影により受信機の位置を3次元座標と
    して測定する3次元測定用カメラと、測定基準面に対す
    る受信機の2次元変位を測定する2次元センサとを備え
    たことを特徴とする電波望遠鏡の受信機駆動機構。
  8. 【請求項8】 上記受信機台には、2次元センサの被測
    定物が設けられ、上記2次元センサは、センサ取付部材
    を介して測定基準面上に取り付けられ、被測定物の変位
    を非接触で測定することを特徴とする請求項7に記載の
    電波望遠鏡の受信機駆動機構。
  9. 【請求項9】 上記センサ取付部材は、測定基準面上に
    支持されたサポートリングと、サポートリングに取り付
    けられサポートリングを横断するリング連結アームと、
    サポートリングに接触することなく一端がリング連結ア
    ームの中央部に取り付けられたセンサ支持アームからな
    り、上記2次元センサが、センサ支持アームの他端側に
    取り付けられることを特徴とする請求項6、7又は8に
    記載の電波望遠鏡の受信機駆動機構。
  10. 【請求項10】 上記サポートリングが、2以上のセン
    サ取付サポートを介して測定基準面上に支持されること
    を特徴とする請求項9に記載の電波望遠鏡の受信機駆動
    機構。
  11. 【請求項11】 上記2次元センサは、円筒形状のレン
    ズ支持構造体内にレンズ鏡筒とともに収納され、レンズ
    鏡筒は、2次元センサに取り付けられるとともに、レン
    ズ支持構造体の円形断面上で支持ネジにより支持される
    ことを特徴とする請求項10に記載の電波望遠鏡の受信
    機駆動機構。
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