JP2003305986A - 塗布具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 インキを攪拌する必要がない、主として誤記
等を白色のインキで隠蔽することで修正可能とするボー
ルペン式塗布具の改良に関する。 【構成】 先端にボールペンのチップと後方にインキ収
容管を備え、インキ収容管には剪断減粘性を有するイン
キとそのインキの後端にインキの消耗に伴って追随する
フォロアが設けられてなる塗布具に於いて、当該塗布具
は、チップの内孔部に、チップと一体に設けられた軸部
の前端部所要箇所に適宜深さに溝部が設けられ、その溝
部後方の略中央部に弁室が形成され、また弁室の後端に
テーパー状又は球面状の弁体受け座とその中心に後方に
連通する導孔が形成されると共に、弁室内に球状の弁体
が前後動可能に挿入されたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】 【０００１】 【産業上の利用分野】本発明は、インキに種々のフィラ
ーが混入されたボールペン、紙面に筆記した筆跡が消し
ゴムでの擦過により容易に消去できるインキが充填され
たボールペン、誤記等を白色のインキで隠蔽することで
修正可能とするボールペンに関する。 【０００２】 【従来の技術】従来、誤記等を修正するために白色顔料
を用いた液体塗布具が知られている。又、白色顔料と溶
剤が分離しやすい為にこの種の液体塗布具は可撓性のあ
る容器にインキとボール等が封入されており、使用に際
して振って攪拌する必要がある。又、インキを吐出する
為に容器の側面を押圧して行うが、インキ残量が少なく
なった時には容器の側壁を強く押してもインキが吐出さ
れないという苛立たしさがある。 【０００３】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、インキに種
々のフィラーが混入されたボールペン、紙面に筆記した
筆跡が消しゴムでの擦過により容易に消去できるインキ
が充填されたボールペン、主として、攪拌する必要が無
く、容器の側面を押圧する煩わしさの無い誤記等を白色
のインキで隠蔽することで修正可能とするボールペンな
ど、容易な手段でインキの逆流を防止して提供可能とす
る。 【０００４】 【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を達
成する為に以下の構成を有する。請求項１に記載の発明
に係る塗布具は、先端にボールペンのチップと後方にイ
ンキ収容管を備え、インキ収容管には剪断減粘性を有す
るインキとそのインキの後端にインキの消耗に伴って追
随するフォロアが設けられてなる塗布具に於いて、チッ
プの内孔部に、チップと一体に設けられた軸部の前端部
所要箇所に適宜深さに溝部が設けられ、その溝部後方の
略中央部に弁室が形成され、また弁室の後端にテーパー
状又は球面状の弁体受け座とその中心に後方に連通する
導孔が形成されると共に、弁室内に球状の弁体が前後動
可能に挿入されてなる。 【０００５】 【実施例】図１及び図２は本発明の一実施例を示してい
る 先ず、図１に示すように塗布具１のインキ収容管４内に
は白色顔料インキ７が充填され、そのインキの後端にイ
ンキの消耗と共にインキと追随するグリース状やゲル状
のフォロア８が充填されている。又、フォロア８はイン
キと相溶性が無く且つインキの蒸発を防止する性能を有
している。又、必要に応じてフォロア内にフォロアと略
同等の比重を有する樹脂製のフォロア棒９が浸漬され
る。又、フォロアは例えばシリコンゴム等の追従体とす
ることも可能である。 【０００６】又、白色顔料インキ７は、少なくとも酸化
チタン、高分子中空微粒子等の白色顔料とゲル化剤を含
み、顔料の沈降が防止されると共に流動性が極力損なわ
れないように配合された白色顔料インキである。又、イ
ンキは剪断減粘性を有しているので先端ボールの回転で
粘度が低下するのと相まって隠蔽性の高い塗布が可能で
ある。 【０００７】塗布具１は、インキ収容管４の前方に軸部
５が一体に形成され、その軸部５の内孔略中央部に弁室
５ｃが形成されている。また弁室５ｃは、後端にテーパ
ー状又は球面状の弁体受け座５ｄとその中心に後方のイ
ンキ収容部に連通する導孔５ｅが形成されている。また
軸部５の前端には、所要箇所で適宜深さに溝部５ｂが設
けられている。 【０００８】また、弁室５ｃ内に球状の弁体６が挿入さ
れると共に、軸部５がチップ２の内孔部に固着される。
そのとき、先端ボール３は、その外面とチップ２のボー
ル抱持部２ａの内面との間に大きな顔料粒子やインキに
介在されるフィラーが挿通する十分な隙間が形成される
ように保持されている。なお、弁体６は先端ボールの背
面と弁体受け座５ｄとの間で前後動可能に遊嵌されてい
る。また、弁体は弁体受け座に密接するテーパー面を有
した軸状など、球状でなくともよい。また、軸部５とチ
ップ２との固着は、圧入、接着や相互間に係止手段を設
けることで達成できる。 【０００９】チップ２が下向きの状態では、ボール抱持
部２ａの内縁に先端ボール３が液密状に密接する。ま
た、塗布作業に伴う先端ボール３の回転でインキの粘度
が低下して流出する。 【００１０】ところで、先端ボール３がボール抱持部２
ａの内面に密接することはインキが高粘度であっても筆
記先端の乾燥、インキの直流防止に対し極めて重要であ
る。従って、特に金属チップの場合には先端ボール３を
抱持するチップ内面の表面粗さ、カシメによる密接精度
を改善する為に内面の研削仕上げ、カシメ精度を上げる
為の二次的な塑性加工が配慮される。又、必要によって
は先端ボールとの密接面に表面処理などが配慮される。 【００１１】 【作用】次に、実施例の作用を以下に説明する。先端ボ
ール３に塗布の為の押圧がかからない状態では、先端ボ
ール３がチップのボール抱持部２ａの内縁に液密状に密
接するのでインキの直流が防止される。又、チップ２が
上向きのときには、弁体６が弁体受け座５ｅに密接して
導孔５ｆを密閉するので、上向き塗布されてチップの先
端ボール３背面のインキがなくなっても、インキにヘッ
ドが掛かり逆流することがない。従って、チップ２を下
向きにした時にインキが即流出可能となる。特に、誤記
等を修正するために白色顔料を用いたボールペン塗布具
の場合には、インキの流量を多くすることや乾燥による
目詰まり排除などの理由で、筆記用のボールペンに比較
して先端ボールの後退する寸法が大きく設定されるの
で、弁体を有しない構造では、上向き塗布をするとイン
キが逆流する。 【００１２】またフォロア棒９は、インキ収容管が大径
である場合に使用される。即ち、グリース状やゲル状の
フォロア８は、インキ収容管が大径の場合に衝撃などの
影響で変形を受け破壊されやすいという問題がある。フ
ォロア内にフォロアと略同等の比重を有する樹脂製のフ
ォロア棒を浸漬させることにより剛性を上げることが可
能となる。フォロア棒は、インキ収容管が大径で逆流し
やすい場合や、上向き塗布を繰り返した時や衝撃がかか
った時に性能を発揮するものであって、構成要素として
必ずしも必須のものではない。 【００１３】 【発明の効果】本発明は以上の通りであり、白色顔料と
ゲル化剤を含み、顔料の沈降が防止されると共に、流動
性が損なわれないように配合されたインキを使用して白
色顔料と溶剤とが分離するような問題がなく、従ってイ
ンキを攪拌する必要がない使い勝手の良い誤記修正用の
ボールペン式塗布具が簡単な構造で安価に提供可能とな
る。

【図面の簡単な説明】 【図１】実施例であるボールペン式塗布具の縦断面図
で、チップを上向きにした状態を示している。 【図２】実施例であるボールペン式塗布具の縦断面図
で、チップを下向きにした状態を示している。 【符号の説明】 １ 塗布具 ２ チップ ２ａ ボール抱持部 ３ 先端ボール ４ インキ収容管 ５ 軸部 ５ａ ボール座部 ５ｂ 溝部 ５ｃ 弁室 ５ｄ 弁体受け座 ５ｅ 導孔 ６ 弁体 ７ インキ ８ フォロア ９ フォロア棒

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 【請求項１】 先端にボールペンのチップと後方にイン
   キ収容管を備え、インキ収容管には剪断減粘性を有する
   インキとそのインキの後端にインキの消耗に伴って追随
   するフォロアが設けられてなる塗布具に於いて、 当該塗布具は、チップの内孔部に、チップと一体に設け
   られた軸部の前端部所要箇所に適宜深さに溝部が設けら
   れ、その溝部後方の略中央部に弁室が形成され、また弁
   室の後端にテーパー状又は球面状の弁体受け座とその中
   心に後方に連通する導孔が形成されると共に、弁室内に
   球状の弁体が前後動可能に挿入されたことを特徴とする
   塗布具。