JP2003305624A - サイクルタイム算出方法、及び装置 - Google Patents

サイクルタイム算出方法、及び装置

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JP2003305624A
JP2003305624A JP2002109401A JP2002109401A JP2003305624A JP 2003305624 A JP2003305624 A JP 2003305624A JP 2002109401 A JP2002109401 A JP 2002109401A JP 2002109401 A JP2002109401 A JP 2002109401A JP 2003305624 A JP2003305624 A JP 2003305624A
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JP
Japan
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cycle time
time
machining
processing
program
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JP2002109401A
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Yoshihiro O
喜宏 王
Kenichi Kurotani
憲一 黒谷
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Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生産設備がワークを加工するのに要すると予
測される時間(サイクルタイム)を高精度に求めるため
の技術を提供する。 【解決手段】 ラインサーバ108は、例えば生産ライ
ン120を構成する生産設備121の制御を行う制御装
置が実行するプログラムやパラメータは、工場ローカル
LAN102、アクセスポイント109、110、及び
123を介してその制御装置から自動的に収集する。そ
れにより、実際に設定されているパラメータを用いて、
生産設備121がワークの加工に要すると予測される時
間をサイクルタイムとして算出する。その算出は、端末
装置104のユーザからの要求に応じて行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ワークの加工のた
めに生産設備を制御する制御装置が実行するプログラム
から、そのワークを生産設備が加工するうえで要すると
予測される時間(サイクルタイム)を求めるための技術
に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】近
年、人々の価値観は多様化し、その変化も速くなってい
る。それにより、製品生産のための生産設備は、多品種
の生産に使用される傾向にある。生産コストの低減の面
からは、自動化(無人化)が求められている。これらの
ことから、生産設備の多くは、プログラムを実行する制
御装置の制御下で工作機械を動作させる構成となってい
る。その制御装置としては、プログラムロジックコント
ローラ(以下、PLC)やNC(Numerical Control )
装置(数値制御装置)、モーションコントローラ(以
下、MC)などがある。なお、現在では、NC装置の多
くはCNC(Computerized Numerical Control )装置
となっているが、特に断らない限り、以降NC装置とは
CNC装置を含む意味で用いる。
【0003】生産ラインは、複数の生産設備を有機的に
結合させることにより構築される。加工には、変形加工
(鍛造、粉末加工、プラスチック成形加工など)や除去
加工(切削加工、砥粒加工、或いは光学的加工など)、
接合加工(溶接加工、接着加工、結合加工、組立加工な
ど)、及び処理加工(表面処理、熱処理など)といった
様々なものがある。生産ラインを構成させる生産設備
は、ワーク(加工物)の種類やそれに対して行うべき加
工内容に応じて決定される。
【0004】NC装置が実行するプログラム(NCプロ
グラム)は、作業者が自動プログラミング装置を用いて
対話形式で作成(ここでは変更を含む)するのが普通で
ある。ワークの設計は、CAD/CAM(Computer Aid
ed Design and Manufacturing )システムを用いて行わ
れるのが殆どである。このことから、自動プログラミン
グ装置は、NC装置と接続される操作盤に搭載されるだ
けでなく、CAD(Computer Aided Design )システム
にも標準的に搭載されている。
【0005】そのCADシステムには、作成、或いは変
更したNCプログラムをNC装置に実行させた場合のシ
ミュレーションを行う機能も標準的に搭載されている。
それにより、作成、或いは変更したNCプログラムをN
C装置に実際に実行させた場合に、ワークの加工に要す
ると予測される時間をサイクルタイムとして作業者が確
認できるようにさせている。
【0006】従来のシミュレーションでは、NCプログ
ラムを模擬的に実行し、その実行にかかる時間を計時す
るすることでサイクルタイムを求めていた。生産設備の
仕様を決めるパラメータとしては、予め基準として設定
したもの(例えばメーカー側が推奨している値)を用い
ていた。
【0007】しかし、そのパラメータは、NCプログラ
ムと同様に、操作盤から変更できるようになっているの
が普通である。実際に変更することも多いのが実情であ
る。ツールが取り付けられる主軸の移動は、そのツール
で加工を行わない場合、パラメータで設定された速度で
行われる。その速度の変更に伴い、実際のサイクルタイ
ムは変化する。このようなことから、予め基準として設
定されたパラメータを用いてサイクルタイムを求める
と、実際のサイクルタイムとの間に大きな誤差が生じ
て、それを高精度に求められないことがあるという問題
点があった。
【0008】現在では、工程計画や設備計画などの生産
活動に求められる精度は非常に高くなってきている。そ
れに伴い、生産設備がワークの加工に要すると予測され
るサイクルタイムもより高精度に求めることが必要とな
ってきている。
【0009】本発明は、生産設備がワークを加工するの
に要すると予測される時間(サイクルタイム)をより高
精度に求めるための技術を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明のサイクルタイム
算出方法は、ワークの加工のために生産設備を制御する
制御装置に実行させるプログラムを基に、該ワークを該
生産設備が加工するうえで要すると予測される時間をサ
イクルタイムとして算出するための方法であって、制御
装置に実行させるプログラム、及び生産設備の仕様を決
めるために実際に設定されたパラメータを取得し、該取
得したパラメータを用いて、該取得したプログラムを制
御装置が実行する生産設備がワークの加工に要すると予
測される時間をサイクルタイムとして算出する。
【0011】なお、上記の方法では、取得したプログラ
ムを参照して、予め定められた規則に従い、生産設備が
ワークを加工する加工工程を分割し、サイクルタイムと
して、該分割した加工工程単位で該加工工程の加工に要
すると予測される時間を算出する、ことが望ましい。ま
た、分割した加工工程を単位として、該加工工程の加工
を行ううえでの加工条件をプログラムから抽出する、こ
とが望ましい。
【0012】本発明のサイクルタイム算出装置は、ワー
クの加工のために生産設備を制御する制御装置に実行さ
せるプログラムを基に、該ワークを該生産設備が加工す
るうえで要すると予測される時間をサイクルタイムとし
て算出することを前提とし、制御装置に実行させるプロ
グラム、及び生産設備の仕様を決めるために実際に設定
されたパラメータを取得する取得手段と、取得手段が取
得したパラメータを用いて、該取得手段が取得したプロ
グラムを制御装置が実行する生産設備がワークの加工に
要すると予測される時間をサイクルタイムとして算出す
るサイクルタイム算出手段と、を具備する。
【0013】本発明では、ワークの加工のために生産設
備を制御する制御装置に実行させるプログラム、及びそ
の生産設備の仕様を決めるために実際に設定されたパラ
メータを取得し、取得したパラメータを用いて、取得し
たプログラムを制御装置が実行する生産設備がワークの
加工に要すると予測される時間をサイクルタイムとして
算出する。
【0014】実際に設定されたパラメータを用いてサイ
クルタイムを算出すると、その算出に用いるパラメータ
が実際に設定されたパラメータと異なることによって生
じる実際のサイクルタイムとの間の誤差の発生が確実に
回避される。それにより、常により高精度にサイクルタ
イムを算出することが可能となる。
【0015】取得したプログラムを参照して、予め定め
られた規則に従い、生産設備がワークを加工する加工工
程を分割し、上記サイクルタイムとして、分割した(細
分化した)加工工程単位でその加工工程の加工に要する
と予測される時間を算出するようにした場合には、分割
した加工工程単位でそのサイクルタイムを常により高精
度に算出できることになる。分割した加工工程を単位と
して、その加工工程の加工を行ううえでの加工条件をプ
ログラムから抽出するようにした場合には、作業者は分
割した加工工程毎にその加工条件を把握できるようにな
る。分割した加工工程単位で算出したサイクルタイム、
その加工条件は、共に、分割(細分化した)加工工程を
行わせる順序などを検討するうえでの貴重な情報とな
る。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本実
施の形態によるサイクルタイム算出装置が適用されたネ
ットワークシステムの構成を示す図である。
【0017】そのネットワークシステムは、例えば製品
の製造を行う工場を所有する企業に構築されたクライア
ント/サーバ型のシステムである。図1に示すように、
構内LAN101と工場ローカルLAN102をルータ
103により結んでいる。構内LAN101には、例え
ばパーソナルコンピュータである端末装置104が接続
され、その端末装置104のユーザが業務を行うのを支
援するサーバとして、工具情報システムが構築されたア
プリケーションサーバ105、シミュレーションシステ
ムが構築されたアプリケーションサーバ106、及びデ
ータベース(DB)サーバ107が接続されている。
【0018】一方の工場ローカルLAN(以降、ローカ
ルLANと略記)102には、ラインサーバ108や複
数のアクセスポイント(以降、AP)109が接続され
ている。各AP109は、その子機に当たるAP110
と通信を行う。
【0019】そのローカルLAN102は、生産ライン
120、130が設置された工場に敷設されている。生
産ライン120、130は、それぞれ9台、22台の生
産設備から構成されている。
【0020】それらの生産設備は、NC制御装置、PL
C、或いはMCの制御下でワークを加工するか、或いは
それを搬送するものである。例えばマシンニングセン
タ、打ち抜き装置、バリ取り装置、或いは洗浄装置など
を備えたものである。その構成は、周知のものであるこ
とから、特に詳細な説明は省略するが、例えば以下のよ
うになっている。
【0021】生産ライン120を構成する1台の生産設
備121は、例えばPLC内蔵のNC制御装置の制御下
でワークの加工を行うものである。そのNC制御装置
に、操作盤122、及びAP123が接続されている。
そのAP123によって、NC制御装置はローカルLA
N102と接続させている。作業員は、操作盤122を
操作してNC制御装置が実行するNCプログラムやパラ
メータ(仕様を決めるために設定されたデータ)を変更
することができる。
【0022】生産ライン130を構成する1台の生産設
備131は、例えばNC制御装置の制御下でワークの加
工を行う部分(以降、部分設備と記す)131aと、P
LC内蔵のNC制御装置の制御下でワークの加工を行う
部分設備131bと、から構成されている。それらの制
御装置は接続され、部分設備131bのNC制御装置は
ハブ132と接続されている。そのハブ132には、他
に、操作盤133、及びAP134が接続されている。
そのAP134によって、各部分設備131a、131
bのNC制御装置はローカルLAN102と接続させて
いる。作業員は、操作盤133を操作して各NC制御装
置が実行するNCプログラムやパラメータを変更するこ
とができる。
【0023】上記ラインサーバ108は、各生産設備の
制御装置から所定のデータを収集することにより、各生
産設備の動作状態の監視を行う。また、各生産設備の制
御装置が実行するプログラムやパラメータを自動的に収
集し、例えば端末装置104のユーザからの要求に応じ
て、生産設備がワークの加工に要すると予測される時間
をサイクルタイムとして算出するシミュレーションを行
う。それにより、本実施の形態によるサイクルタイム算
出装置は、ラインサーバ108に搭載させた形で適用さ
れている。
【0024】生産設備を制御する制御装置が実行するプ
ログラムは、その制御装置の種類によって普通は異な
る。同じ種類の制御装置にも複種類のプログラム言語が
開発されている。このことから、混乱を避けて理解を容
易とするために、以降、図2に示すプログラムを例にと
って、本実施の形態におけるサイクルタイムの算出方法
について詳細に説明することとする。また、サイクルタ
イムについては、特に断らない限り、算出の対象である
予測されるサイクルタイムを指すこととし、説明はその
サイクルタイムを算出することを前提として行うことに
する。
【0025】図2に示すプログラム例は、NC制御装置
が実行するNCプログラムである。図2中の各ブロック
は、NCプログラムを構成する1命令文に当たる。NC
プログラムは、基本的に、そのブロックを実行順に並べ
た形で構成されている。
【0026】1ブロックは、シンボル“N”に続く数値
で表されたシーケンス番号を先頭に、機能の種類を表す
シンボル、及びそれに続くコード化された数値からなる
データ(コード)が1つ以上、続く構成となっている。
シーケンス番号は、NCプログラムの先頭に近づくほど
小さな値となる昇順で記述される。以降、プログラムは
PGと略記することにする。
【0027】図2中の“G”“M”“S”及び“T”
は、それぞれ異なる機能の種類を表すシンボルであり、
それに続くコード化された数値が機能の命令(指令)を
表すようになっている。
【0028】シンボル“G”は準備機能を表し、補間の
種類や座標系の選択、固定サイクル、ねじ切り、準備機
能、或いはその他のことは、それに続く数値(Gコー
ド)で指定する。シンボル“X”、“Y”は、それに続
く数値で座標位置などを指定するために用いられる。
【0029】シンボル“M”は補助機能を表し、主軸の
回転や停止、その回転方向、工具交換などは、それに続
く数値(Mコード)で指定することができる。シンボル
“S”は主軸機能を表し、主軸の回転速度は、それに続
く数値(Sコード)で指定することができる。シンボル
“T”は工具機能を表し、それに続く数値(Tコード)
で使用する工具(ツール)を指定することができる。
【0030】上述したような機能が用意されていること
から明らかなように、生産設備でのワークへの加工は、
随時、ツールを交換しながら、そのツールを用いてワー
クの複数の箇所を加工することがある。このことから、
本実施の形態では、加工に使用するツールの種類、及び
そのツールでワークを加工する動作を一時的に中断する
ときの動作に着目してプログラムの解析を行うことによ
り、プログラムを実行する制御装置の制御下で生産設備
がワークを加工する加工工程を基本的な加工工程に分割
し、そのサイクルタイムを算出するようにしている。例
えば同じツールを用いてワークに穴を空ける加工を複
数、行わせるようなPGの場合には、そのツールに動力
を伝える主軸を一時的に回転停止させる動作に着目し
て、加工工程を分割する。これは、ツールを単に移動さ
せるときには主軸の回転を停止させるのが普通であるた
めである。それにより、各穴はそれぞれ1加工工程の加
工によって空けられるものと見なし、1個の穴を空ける
のに要する時間をサイクルタイムとして算出するように
している。
【0031】ツールの位置を随時、移動させつつ、ワー
クの加工を複数回、行うような場合、その加工に要する
全体の加工時間は、その加工を行っている間にツールを
移動させる距離によって変化してくる。その距離は、加
工を行う位置の順序によって変化するのが普通である。
当然のことながら、その距離を短くするほど、全体の時
間が短くなる。生産設備がワークを加工する加工工程を
基本的な加工工程に分割してサイクルタイムを算出する
のは、このためである。各加工工程での加工条件(ここ
ではツールの種類や加工位置、加工方法(ツールの使い
方やその移動方向など)など)もPGから抽出して作業
者に提示できるようにさせている。
【0032】そのように分割した加工工程の順序を変化
させると、それに伴い、各加工工程のサイクルタイム、
更には全体の加工時間が変化する。このため、そのサイ
クルタイムを提示することにより、作業者(端末装置1
04のユーザ)は、問題のある加工工程を正確に把握で
きるようになる。それにより、ツールの調整や加工工程
の見直しも容易に行えるようになる。この結果、加工工
程の最適化、例えば全体の加工時間を最も短くさせる
か、或いは目標とする時間と一致させるといったことも
容易となる。
【0033】サイクルタイムと合わせて、加工工程の加
工条件を提示するようにした場合には、サイクルタイム
の変化に影響を及ぼす要因の特定が更に容易となる。こ
のため、加工工程の最適化も更に容易に行えるようにな
る。加工条件からツールの寿命を容易、且つ正確に把握
できるようにもなる。
【0034】図3は、加工工程の分割方法を説明する図
である。主軸を回転させてワークを加工する生産設備を
例にとって、その制御を行う制御装置が実行するプログ
ラムから、その生産設備がワークを加工する加工工程を
基本的な加工工程に分割する方法を説明するものであ
る。
【0035】図3に示すように、先ず、ツール(工具)
交換を指令するブロックを検出し、そのブロックでPG
を分ける。それにより、同一のツールで加工を行わせる
ためのブロック群を特定する。以降、基本的な加工工程
と区別するために、同一のツールを用いて行われる加工
工程全体を指してツール工程と呼び、それを分割して得
られる基本的な加工工程は基本加工工程と呼ぶことにす
る。そのツール工程は、1つ以上の基本加工工程から構
成される。
【0036】図2に示すようなPGでは、工具交換指令
は1個、或いは2個のブロックで行われる。図3中の
「ケース1」「ケース3」は、共に1ブロック(命令
文)で工具交換指令を実現させたケースである。「ケー
ス3」はマクロとして用意されたサブPGを呼び出すこ
とで工具交換指令を実現させていることが「ケース1」
とは異なっている。「ケース2」は、工具の準備を指令
するブロック、及び準備を指令した工具への交換を指令
するブロックの2個のブロックで工具交換指令を実現さ
せたケースである。何れのケースでも、実際に工具を交
換させることになる指令のブロックでPGを分けてい
る。
【0037】工具(ツール)交換に着目してPGを1つ
以上のブロック群に分割すると、次に各ブロック群(ツ
ール)毎に、そのブロック群を、主軸停止を指令するブ
ロックに着目して更に分割する。より具体的には、その
ブロックとして、ここでは一時的に主軸停止を指令する
ことになるブロック、即ち主軸の回転を指令するブロッ
クが後に配置されている主軸停止を指令するブロックに
着目している。そのブロックとして、一時的に主軸停止
を指令することになるブロックに着目したのは、主軸を
回転させてワークを加工する生産設備では、主軸を停止
させたままワークを加工することはありえないためであ
る。それにより、1ツールで1回の加工を行う場合に
は、そのツールのツール工程は分割せず、ツール工程は
1基本加工工程から構成されているとしている。
【0038】そのようにして各加工工程毎にPGを更に
細かく分割すると、次に各ブロック群毎に、加工条件
(ここでは切削条件)を抽出する。ここで抽出している
切削条件とは、主にサイクルタイムを算出するうえで必
要な条件であり、本実施の形態では、その切削条件とし
て、F、E、S、D値を状況に応じて抽出している。そ
れらの値は、何れもブロック(図2参照)に機能のコー
ドとして記述することが可能な値である。F値(Fコー
ド)は、主軸の移動速度を表現し、E値(Eコード)は
主軸、1回転当たりの移動量を表現し、D値(Dコー
ド)はツールの周速を表現している。
【0039】主軸は、ツールで加工を行わない場合、パ
ラメータで設定された速度で移動させる。予め定められ
た原点に主軸を戻すのが早戻しであり、それ以外の移動
が早送りである。ワークに穴を空ける場合、Z軸上の位
置を減少させることで行われる。ワークにツールを接触
させた状態で主軸をXY平面上に移動させると、ワーク
に溝を形成させたり、その表面を削ることができる。こ
れらのことから、本実施の形態では、図4に示すよう
に、切削、早送り、及び早戻しの識別を行うようにして
いる。図4中のGコード「G01」は直線補間、Gコー
ド「G00」は位置決めを表している。
【0040】図5は、加工工程の分割例を説明する図で
ある。上述したようにして実際のPGを解析することで
加工工程毎にPGをブロック群に分け、各ブロック群か
ら切削条件を抽出する様子を示したものである。その図
5に示すPGでは、Tコードを持つブロックを実行する
ことで呼び出されるサブPGはマクロとして用意されて
いる。図中の「工程1」「工程2」は、それぞれツール
工程を表している。
【0041】図6は、1生産設備により加工されたワー
クを示す図である。そのワークには、図6に示すよう
に、形状が異なる4種類の穴#1〜4が空けられてい
る。それらの穴#1〜4は、それぞれ異なるツールを用
いて空けられている。形状が同じ穴#2は2個、空けら
れている。穴#3は、円形ではなく、細長い形状に空け
られている。
【0042】そのような穴#1〜4を空ける加工を行わ
せるためのPGでは、それを4つのツール工程のブロッ
ク群に分けることになる。図中の工程1〜4は、ブロッ
ク群に分けられたツール工程、それに付された番号は、
そのツール工程が行われる順序を表している。穴#2は
2個あることから、工程2に対応するブロック群は更に
2つのブロック群に分けられる。
【0043】穴#3は、他とは異なり、ワークの表面の
形状が細長くなっている。そのような形状の穴#3は、
例えばツール(例えばドリル)でZ軸に沿った穴を空け
た後、そのツール(主軸)をXY平面上に移動させるこ
とで形成される。それにより、図3を参照して説明の加
工条件(ここでは切削条件)が変化する。穴#3を空け
るのに要するサイクルタイムを算出する場合、Z軸に沿
った穴を空けるのに要する時間と、ツールをXY平面上
に移動させた時間とは、別々に計算しなければならな
い。このことから、そのような加工条件を抽出するよう
にしている。
【0044】図7は、サイクルタイムの定義と計算方法
を説明する図である。図8は、そのサイクルタイム計算
用データの取得方法を説明する図である。次に、図7、
及び図8を参照して、計算の対象とするサイクルタイ
ム、その計算方法、及びその計算に用いるデータの取得
方法について詳細に説明する。それら図7、及び図8
は、切削加工を行う生産設備を例にとった場合のもので
ある。
【0045】図7において、「T工程サイクル1」「T
工程サイクルN」は、それぞれ、同じツールを用いてワ
ークを加工する基本加工工程に対応する。図6に示すワ
ークでは、2つの穴#2を空けるためのそれぞれの加工
工程に対応する。そのサイクルタイムTRKは、その基本
加工工程の加工を行うために生産設備を稼働させている
稼働時間である。
【0046】「ツールサイクル」は、上記ツール工程に
対応し、そのツール工程で行われる全基本加工工程から
構成される。従って、そのサイクルタイムTj は、図7
に示すように、各基本加工工程のサイクルタイムTRK
積算して計算される時間となる。「設備サイクル」は、
生産設備でワークを加工する工程全体に対応し、全ツー
ル工程はその一部として行われる。このため、そのサイ
クルタイムTは、各ツール工程のサイクルタイムTR
積算して計算される時間に、生産設備固有のワークの加
工に必要な時間を加算して得られる時間となる。加工す
るワークを作業員がセットして安全用の扉を閉め、その
扉を開けて加工が終わったワークを取り出すのであれ
ば、図7に示すように、固有の時間として、ワークをセ
ットして扉を閉めるのに要する時間TBS、及び扉を開け
てワークを取り出すのに要する時間TBEを加算すること
になる。
【0047】「ラインサイクル」は、1生産ラインでワ
ークを加工する工程全体に対応し、全設備サイクル(工
程)はその一部として行われる。このため、そのサイク
ルタイムTLは、各設備サイクルのサイクルタイムTを
積算して計算される時間に、生産ライン固有のワークの
加工に必要な時間を加算して得られる時間となる。生産
設備間でのワークの受け渡しを作業員が運搬して行うの
であれば、固有の時間として、生産設備間の運搬時間を
それぞれ加算することになる。
【0048】基本加工工程のサイクルタイムTRKは、図
7に示すように、その添字で示す基本加工工程RKにお
ける早送り時間(主軸を早送りするのに要する時間)T
qf_ RK 、位置決め時間Tld_RK 、ATC時間(ツール
の自動交換に要する時間)T atc_RK、テーブル割出時
間(ワークをセットするテーブルの割出角度を変化させ
るために要する時間)Ttac_RK、ドウエル時間T
d_RK、主軸加速度タップロス時間(主軸の回転速度が
目標値に達するまでに要する時間)Tal_RK 、総切削
(加工)時間Tts_RK 、早戻し時間(主軸を原点に向
けて早戻しするのに要する時間)Tqr_RK 、及び工具
検知時間Ttcc_RKを加算することで計算される。
【0049】上記総切削(加工)時間Tts_RK は、上
述したように、PG中から抽出した加工条件別に加工に
要する時間を算出し、算出した時間を積算することで求
められる時間である。例えば図6に示すような穴#3で
は、Z軸に沿って穴を空けるのに要する時間と、主軸を
XY平面上に移動させるのに要する時間と、を加算した
時間となる。
【0050】上記各時間では、上述したようにツール工
程を基本加工工程に分割することから、切削加工では、
早送り時間Tqf_RK 、位置決め時間Tld_RK 、主軸加
速度タップロス時間Tal_RK 、及び総切削時間Tts_
RK 以外の時間は0であることがあり得る。例えばAT
C時間Tatc_RKは、最初の基本加工工程以外では0と
なり、早戻し時間Tqr_RK は最後の基本加工工程以外
では0となる。工具検知時間Ttcc_RKは、生産設備に
よっては主軸に別の動きを行わせている間に工具の検知
を行うようにしていることから、0ということもある。
このことから、工具検知時間Ttcc_RKは、ファイルに
保存した固定値を使用するようにしている。それ以外に
は、位置決め時間Tld_RK 、ATC時間Tatc_RK、更
には時間T BS、TBEもファイルに保存した固定値を使用
するようにしている(図8参照)。以降、そのファイル
については、サイクルタイム算出用に用意したものであ
ることから、算出用ファイルと呼ぶことにする。
【0051】上記早送り時間Tqf_RK 及び早戻し時間
qr_RK は、主軸の移動上の制約を考慮して算出され
る。例えば主軸を同時には1軸上にしか移動できなけれ
ば、各軸毎の移動距離の積算値が主軸の移動距離とな
る。その移動距離の移動にかかる時間は、各軸毎に、そ
の移動距離をその軸の早送り速度で割って得られる時間
を積算したものとなる。複数軸上に移動できるのであれ
ば、各軸上の移動距離をその軸の早送り速度で割って得
られる時間の最大時間が移動にかかる時間となる。この
ことから、主軸の移動上の制約を考慮して時間を算出し
ている。各軸上を含め、移動距離は、PGから取得し、
早送り速度は、各軸毎に、生産設備の制御装置から収集
したパラメータ中から取得している。
【0052】テーブル割出時間Ttac_RKを算出するた
めの割出角度θは、PG中から取得する。その算出は、
90度のテーブル回転に要する基準時間αに、割出角度
θを90で割った値を掛けることで行っている。基準時
間αは、上記算出用ファイル内に用意するか、或いはサ
イクルタイム算出用にラインサーバ108が実行するプ
ログラム内で定義されている。
【0053】ドウエル時間Td_RKは、PG中から取得
する。それが複数、存在していれば、その累計値が時間
d_RKとなる。主軸加速度タップロス時間Tal_RK
は、Sコードで指令される回転速度に主軸が達するのに
要する時間である。その時間は、例えば算出用ファイル
にテーブル形式、或いはそれを算出するための方程式の
形で格納されている。図8に示す例は、Sコードで指令
される回転速度が1500rpmまでは固定値a、その
回転速度が1500〜3000rpmの間は固定値b、
その回転速度が3000rpm以上であれば固定値cを
時間Tal_RK とすることを表している。
【0054】加工では、同じ、或いは同じと見なせる加
工を繰り返し行うことがある。例えばフライス加工で
は、フライス面を加工するのにツールを複数回、場所や
方向を変えつつ、移動させることがある。ここでは、ツ
ールを1回、移動させる加工を1パスと呼んでいる。そ
れにより、総切削時間Tts_RK は、1パス当たりの切
削(加工)時間に、パス数PN_RKを掛けて算出して
いる。1パス当たりの切削時間は、そのパスでの切削距
離を送り速度で割ることで求めている。切削距離、送り
速度、及びパス数PN_RKは、共にPGから取得して
いる。
【0055】このようにして、本実施の形態では、生産
設備の制御装置から収集したパラメータを必要に応じて
使用して、基本加工工程のサイクルタイムTRKを算出し
ている。このため、実際のサイクルタイムと高精度に一
致するサイクルタイムTRKを算出することができる。他
のサイクルタイムTR 、T、及びTLにおいても同様で
ある。それにより、作業者にとっては、算出されたサイ
クルタイムを検討するだけで、加工工程の最適化を高精
度に行えるようになる。
【0056】図9は、1ラインのサイクルタイム算出処
理のフローチャートである。上述した各種サイクルタイ
ムを算出するために、ラインサーバ108が実行する処
理の流れを示したものである。次に、図9を参照して、
各種サイクルタイムを算出するためのラインサーバ10
8が実行する処理について詳細に説明する。
【0057】その図9に示す算出処理は、例えば端末装
置104のユーザからの要求を受け付けて実行される。
それは、ラインサーバ108に搭載されたCPUが、例
えばハードディスクに格納されたサイクルタイム算出用
のアプリケーションプログラムを実行することで実現さ
れる。サイクルタイムを算出する対象とするPG、その
実行の際に参照されるパラメータは、特に詳細な説明は
省略するが、例えば生産ライン120、或いは130を
構成する各生産設備の制御装置から自動的に収集する
か、或いはその要求を受け付けて収集している。
【0058】先ず、ステップS1では、1生産ラインを
構成する生産設備の制御装置が実行するPG(プログラ
ム)、及びその実行に必要なパラメータ等を取得する。
続くステップS2では、取得したPG、パラメータ等の
中から1組のPG、パラメータ等を選択する。その後に
移行するステップS3では、ステップS2で選択したP
Gの言語の種類やそれを実行する制御装置の種類、その
制御装置が制御する生産設備の仕様などに応じて、基本
加工工程のサイクルタイムを算出するためのサイクルタ
イム算出処理を実行する。その実行後はステップS4に
移行する。
【0059】ステップS4では、全対象PGを対象にサ
イクルタイムを算出したか否か判定する。ステップS1
で取得したPGのなかにサイクルタイムを算出していな
いものが残っていた場合、判定はNOとなって上記ステ
ップS2に戻り、残ったPG、パラメータ等のなかから
1組のPG、パラメータ等を選択し、それ以降のステッ
プの処理を同様に実行する。そうでない場合には、判定
はYESとなり、ステップS5に移行して、PG単位で
算出したサイクルタイムを用いて1ラインのサイクルタ
イムTLを算出した後、一連の処理を終了する。
【0060】図10は、主軸を回転させて切削加工を行
う生産設備を対象にしたサイクルタイム算出処理のフロ
ーチャートである。それは、上記ステップS3として実
行されるサイクルタイム算出処理のサブルーチン処理と
して、必要に応じて実行される。次に図10を参照し
て、主軸を回転させて切削加工を行う生産設備を制御す
る制御装置のPGを対象に、上記ステップS3で実行さ
れるサブルーチン処理について詳細に説明する。
【0061】先ず、ステップS11では、PGファイル
の先頭から、工具(ツール)交換指令が記述されたブロ
ック(図3、及び図5参照)を検索する。そのブロック
とは、上述したように、それを実行することで実際に工
具が交換されるブロックである(図3参照)。次のステ
ップS12では、その検索の結果、その指令が記述され
たブロックが抽出できたか否か判定する。そのブロック
を抽出できた場合、判定はYESとなってステップS1
3に移行する。そうでない場合には、判定はNOとなっ
てステップS19に移行する。
【0062】ステップS13では、次の工具交換指令が
記述されたブロック、或いはPGの最後までの間に、主
軸停止指令が記述されたブロック、及びその主軸の再正
転指令が記述されたブロックがその順序で配置されてい
るか否か確認するための検索を行う。その後に移行する
ステップS14では、その検索の結果、そのような配置
で2つのブロックが見つかったか否か判定する。そのよ
うな配置で2つのブロックが1組以上、存在していた場
合、判定はYESとなり、ステップS15に移行して、
次の工具交換指令が記述されたブロック、或いはPGの
最後までの間を、主軸停止指定が記述されたブロックで
分割した後、ステップS17に移行する。そうでない場
合には、判定はNOとなり、ステップS16に移行し
て、次の工具交換指令が記述されたブロック、或いはP
Gの最後までの間を1工程(基本加工工程)のブロック
群とさせた後、そのステップS17に移行する。
【0063】ステップS17では、上述したようにして
基本加工工程でPGを分割して得たブロック群毎に、座
標位置、F、E、S、Dの各値、ドウエル時間、テーブ
ル割出角度、パス数などをサイクルタイム算出用の加工
条件として抽出し、パラメータを必要に応じて用いつ
つ、その基本加工工程のサイクルタイムTRKを算出し
て、それらを格納する。それら以外には、ツール工程の
サイクルタイムTR を算出し、それをサイクルタイムD
Bに格納する。そのようなことも行った後にステップS
18に移行する。
【0064】抽出した加工条件や算出した各種サイクル
タイムTRK、TR は、例えば予め用意したファイル、或
いはデータベースに保存する形で格納する。加工条件と
サイクルタイムTRKとはリンクさせ、ツール工程別、生
産設備(制御装置)別に格納する。ここでは、便宜的
に、それらの格納場所をサイクルタイムDBとする。
【0065】ステップS18では、PGの全ブロックを
対象にした検索が完了したか否か判定する。上記2つの
ブロックの検索を行っている間にPGの最後まで検索が
進まなかった場合、判定はNOとなって上記ステップS
13に戻り、着目するツールを変更して、それ以降の処
理を同様に実行する。反対にそうでない場合には、即ち
PGの最後まで検索が終了した場合には、判定はYES
となり、設備サイクルのサイクルタイムTを算出し、そ
れをサイクルタイムDBに格納した後、一連の処理を終
了する。
【0066】図5に示すメインPGを図9のステップS
2で選択した場合、シーケンス番号35(図中では「N
35」と表記)を検索することでステップS12の判定
がYESとなり、ステップS13に移行する。その後
は、ステップS13〜S18で形成される処理ループ
を、ステップS18の判定がYESとなるまで繰り返し
実行することになる。それにより、1基本加工工程から
なるツール工程として、「工程1」及び「工程2」が順
次、特定され、そのサイクルタイムTR (=TRK)が算
出されることになる。
【0067】ステップS19では、PGの検索が全て完
了したか否か判定する。次の工具交換指令が記述された
ブロックの検索を行っている間にPGの最後まで検索が
進んだ場合、判定はYESとなってステップS20に移
行する。そうでない場合には、判定はNOとなって上記
ステップS11に戻り、検索が終了しているブロックか
ら先に検索を進める。
【0068】図9のステップS2で選択したPGに工具
交換指令が記述されたブロックが存在していない場合、
ステップS11、S12、及びS19で形成される処理
ループはステップS19の判定がYESとなるまで繰り
返し実行されることになる。それにより、ステップS2
0以降では、PGに工具交換指令が記述されたブロック
が存在していないことを前提にした処理が行われる。
【0069】先ず、ステップS20では、検索を開始す
る位置をPGファイルの先頭に戻し、番号でツールの種
類を表現するTコードを「T00」とする。次のステッ
プS21では、上記2つのブロックを対象にした検索を
行う。その後に移行するステップS22では、検索の結
果、その2つのブロックが見つかったか否か判定する。
その2つのブロックが1組以上、存在していた場合、判
定はYESとなり、ステップS23に移行して、PGの
最後までの間を、主軸停止指定が記述されたブロックで
分割した後、ステップS25に移行する。そうでない場
合には、判定はNOとなり、ステップS24に移行し
て、PGの最後までの間を1工程(基本加工工程)のブ
ロック群とさせた後、そのステップS25に移行する。
【0070】ステップS25では、上述したようにして
基本加工工程でPGを分割して得たブロック群毎に、座
標位置、F、E、S、Dの各値、ドウエル時間、テーブ
ル割出角度、パス数などをサイクルタイム算出用の加工
条件として抽出し、パラメータを必要に応じて用いつ
つ、その基本加工工程のサイクルタイムTRKを算出し
て、それらを格納する。それら以外には、ツール工程の
サイクルタイムTR を算出し、それをサイクルタイムD
Bに格納する。そのようなことも行った後にステップS
26に移行する。
【0071】ステップS26では、PGの全ブロックを
対象にした検索が完了したか否か判定する。PGの最後
まで検索が進んでいない場合、判定はNOとなって上記
ステップS21に戻り、それ以降の処理を同様に実行す
る。反対にそうでない場合には、即ちPGの最後まで検
索が終了した場合には、判定はYESとなり、設備サイ
クル(設備工程)のサイクルタイムTを算出し、それを
サイクルタイムDBに格納した後、一連の処理を終了す
る。
【0072】図9のステップS3として実行されるサイ
クルタイム算出処理では、上述したようなサイクルタイ
ム算出処理が、制御装置が実行するプログラムの言語毎
に、複種類、実行できるようになっている。それによ
り、プログラムの言語だけでなく、制御装置が制御する
生産設備で行われる加工の内容にも対応できるようにし
ている。
【0073】なお、本実施の形態では、混乱を避けるた
めに、NC制御装置が実行するNCプログラムを例にと
って説明を行ったが、他の制御装置が実行するプログラ
ムでもサイクルタイム算出の対象とすることができる。
加工工程の分割については、本実施の形態では、ツール
を交換する動作(1ブロック(命令)の実行で実現)、
及び主軸を一時的に回転停止させる動作(2ブロック
(命令)の実行で実現)に着目して行っているが、着目
する動作は、生産設備がワークに対して行う加工の内容
に応じて適宜、選択することが望ましい。
【0074】NCプログラムは、生産設備のNC制御装
置から収集するようにしているが、それはCADシステ
ムなどに搭載された自動プログラミング装置から収集し
ても良い。そのようにした場合には、サイクルタイム算
出装置を工程計画や設備計画などの立案用に利用できる
ようになる。
【0075】上述したようなサイクルタイム算出装置、
或いはその変形例の動作を実現させるようなプログラム
は、CD−ROM、DVD、或いは光磁気ディスク等の
記録媒体に記録させて配布しても良い。或いは、公衆網
等で用いられる伝送媒体を介して、そのプログラムの一
部、若しくは全部を配信するようにしても良い。そのよ
うにした場合には、ユーザはプログラムを取得してコン
ピュータなどのデータ処理装置にロードすることによ
り、その処理装置に本発明によるサイクルタイム算出装
置を搭載させることができる。このことから、記録媒体
は、プログラムを配信する装置がアクセスできるもので
あっても良い。
【0076】
【発明の効果】以上、説明したように本発明は、ワーク
の加工のために生産設備を制御する制御装置に実行させ
るプログラム、及びその生産設備の仕様を決めるために
実際に設定されたパラメータを取得し、取得したパラメ
ータを用いて、取得したプログラムを制御装置が実行す
る生産設備がワークの加工に要すると予測される時間を
サイクルタイムとして算出する。
【0077】実際に設定されたパラメータを用いてサイ
クルタイムを算出すると、その算出に用いるパラメータ
が実際に設定されたパラメータと異なることによって生
じる実際のサイクルタイムとの間の誤差の発生が確実に
回避される。このため、常により高精度にサイクルタイ
ムを算出することができる。
【0078】取得したプログラムを参照して、予め定め
られた規則に従い、生産設備がワークを加工する加工工
程を分割し、上記サイクルタイムとして、分割した(細
分化した)加工工程単位でその加工工程の加工に要する
と予測される時間を算出するようにした場合には、分割
した加工工程単位でそのサイクルタイムを常により高精
度に算出することができる。分割した加工工程を単位と
して、その加工工程の加工を行ううえでの加工条件をプ
ログラムから抽出するようにした場合には、作業者は分
割した加工工程毎にその加工条件を容易に把握できるよ
うになる。分割した加工工程単位で算出したサイクルタ
イム、その加工条件は、共に、分割(細分化した)加工
工程を行わせる順序などを検討するうえでの貴重な情報
として用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態によるサイクルタイム算出装置が
適用されたネットワークシステムの構成を示す図であ
る。
【図2】プログラムの構成を説明する図である。
【図3】加工工程の分割方法を説明する図である。
【図4】切削、早送り、早戻しの識別方法を説明する図
である。
【図5】加工工程の分割例を説明する図である。
【図6】1生産設備により加工されたワークを示す図で
ある。
【図7】サイクルタイムの定義と計算方法を説明する図
である。
【図8】サイクルタイム計算用データの取得方法を説明
する図である。
【図9】1ラインのサイクルタイム算出処理のフローチ
ャートである。
【図10】主軸を回転させて切削加工を行う生産設備を
対象にしたサイクルタイム算出処理のフローチャートで
ある。
【符号の説明】
101 構内LAN 102 工場ローカルLAN 104 端末装置 108 ラインサーバ 109、110、123、134 アクセスポイント 120、130 生産ライン 121、131 生産設備 122、133 操作盤

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワークの加工のために生産設備を制御す
    る制御装置に実行させるプログラムを基に、該ワークを
    該生産設備が加工するうえで要すると予測される時間を
    サイクルタイムとして算出するための方法であって、 前記制御装置に実行させるプログラム、及び前記生産設
    備の仕様を決めるために実際に設定されたパラメータを
    取得し、 該取得したパラメータを用いて、該取得したプログラム
    を前記制御装置が実行する前記生産設備が前記ワークの
    加工に要すると予測される時間をサイクルタイムとして
    算出する、 ことを特徴とするサイクルタイム算出方法。
  2. 【請求項2】 前記取得したプログラムを参照して、予
    め定められた規則に従い、前記生産設備が前記ワークを
    加工する加工工程を分割し、 前記サイクルタイムとして、該分割した加工工程単位で
    該加工工程の加工に要すると予測される時間を算出す
    る、 ことを特徴とする請求項1記載のサイクルタイム算出方
    法。
  3. 【請求項3】 前記分割した加工工程を単位として、該
    加工工程の加工を行ううえでの加工条件を前記プログラ
    ムから抽出する、 ことを特徴とする請求項1、または2記載のサイクルタ
    イム算出方法。
  4. 【請求項4】 ワークの加工のために生産設備を制御す
    る制御装置に実行させるプログラムを基に、該ワークを
    該生産設備が加工するうえで要すると予測される時間を
    サイクルタイムとして算出する装置であって、 前記制御装置に実行させるプログラム、及び前記生産設
    備の仕様を決めるために実際に設定されたパラメータを
    取得する取得手段と、 前記取得手段が取得したパラメータを用いて、該取得手
    段が取得したプログラムを前記制御装置が実行する前記
    生産設備が前記ワークの加工に要すると予測される時間
    をサイクルタイムとして算出するサイクルタイム算出手
    段と、 を具備することを特徴とするサイクルタイム算出装置。
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