JP2003304062A - 配線基板 - Google Patents

配線基板

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JP2003304062A
JP2003304062A JP2002110235A JP2002110235A JP2003304062A JP 2003304062 A JP2003304062 A JP 2003304062A JP 2002110235 A JP2002110235 A JP 2002110235A JP 2002110235 A JP2002110235 A JP 2002110235A JP 2003304062 A JP2003304062 A JP 2003304062A
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hole
resin
via conductor
conductor
insulating layer
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Application number
JP2002110235A
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English (en)
Inventor
Yasuhiro Sugimoto
康宏 杉本
Kazuhiro Suzuki
一広 鈴木
Satoshi Hirano
訓 平野
Norihiko Igai
憲彦 猪飼
Toshiya Asano
俊哉 浅野
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Niterra Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ビアホールとスルーホールとの中心軸を一致
させ、スルーホールの内径を小さくしても、ビア導体本
体とビア導体周縁部との境界部においてクラックが生じ
ない配線基板を提供する。 【解決手段】 本発明の配線基板100は、スルーホー
ル111と第1ビアホール121及び第2ビアホール1
31との中心軸が一致し、スルーホール111の内径D
1が200μm以下で、第1樹脂絶縁層120及び第2
樹脂絶縁層130の熱膨張率が60ppm以下の配線基
板である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は配線基板に関し、特
に、ビア導体本体及びビア導体周縁部を有するビア導体
を備える配線基板に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の配線基板として、図5に示すよう
な配線基板200が挙げられる。この配線基板200
は、図5に示すように、ガラス−エポキシ樹脂複合材料
からなるコア基板210(内側絶縁層)の外側(図中上
方)にエポキシ樹脂からなる第1樹脂絶縁層220、第
2樹脂絶縁層230(外側絶縁層)、及びソルダーレジ
スト層240が積層されている。コア基板210には、
これを貫通するスルーホール211が形成され、このス
ルーホール211の内壁面には筒状のスルーホール導体
212が形成されている。さらに、スルーホール導体2
12内には樹脂充填体213が形成され、さらにコア基
板210と第1樹脂絶縁層220との層間には、樹脂充
填体213を覆うように蓋状導体層215が形成されて
いる。
【0003】第1樹脂絶縁層220には、これを貫通す
る第1ビアホール221が形成され、この第1ビアホー
ル221内には蓋状導体層215と接続する第1ビア導
体本体222bが充填されている。さらに、第1樹脂絶
縁層220の主面220b上のうち、第1ビア導体本体
222bの周縁には第1ビア導体周縁部222cが形成
され、これが第1ビア導体本体222bと一体となって
第1ビア導体222を形成している。同様に、第2樹脂
絶縁層230には、これを貫通する第2ビアホール23
1が形成され、この第2ビアホール231内には第1ビ
ア導体222と接続する第2ビア導体本体232bが充
填されている。さらに、第2樹脂絶縁層230の主面2
30b上のうち、第2ビア導体本体232bの周縁には
第2ビア導体周縁部232cが形成され、これが第2ビ
ア導体本体232bと一体となって第2ビア導体232
を形成している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一般に、樹脂の熱膨張
率は金属のそれよりも大きいため、配線基板では、樹脂
部分である内側絶縁層及び樹脂絶縁層の熱膨張率が、金
属部分であるスルーホール導体及びビア導体の熱膨張率
より大きい。このため、配線基板の温度が上下すると、
内側絶縁層及び樹脂絶縁層が、スルーホール導体及びビ
ア導体に比べて、基板厚さ方向(図5の上下方向)に大
きく伸縮する。このとき、従来の配線基板200では、
基板厚さ方向(図中の上下方向)の伸縮の差によって第
2ビア導体232のうち、第2ビア導体本体232bと
第2ビア導体周縁部232cとの境界部である第2境界
部232dに応力が集中し、図5に示すように、この第
2境界部232dにクラックが生じることがあった。さ
らに、第1ビア導体222のうち、第1ビア導体本体2
22bと第1ビア導体周縁部222cとの境界部である
第1境界部222dにもクラックが生じることがあっ
た。
【0005】この現象は、近年の配線基板の小型化に伴
うスルーホールの小径化によって、特に、配線基板20
0のように、スルーホールとビアホールとが同軸に形成
されている場合で、スルーホールの内径が200μm以
下のときに顕著に現れるようになった。これは、以下の
理由によるものと考えられる。第2樹脂絶縁層230と
第2ビア導体本体232bとの基板厚さ方向(図中の上
下方向)の伸縮の差によって生じる応力が、両者の境界
の直上に位置する第2境界部232dに集中する。同様
にして、第1境界部222dにも応力が集中する。さら
に、コア基板210とスルーホール導体212との基板
厚さ方向の伸縮の差によって生じる応力は、スルーホー
ル導体212を基板厚さ方向に延ばした筒状の領域E内
で最も高くなると考えられる。従って、スルーホール2
11の内径の差が小さくなるほど、筒状の領域Eが第1
境界部222d及び第2境界部232dに近づくので、
第1境界部222d及び第2境界部232dでの応力の
集中が顕著となり、クラックが生じ易くなると考えられ
る。
【0006】本発明は、かかる現状に鑑みてなされたも
のであって、ビアホールとスルーホールとの中心軸を一
致させ、スルーホールの内径を小さくしても、ビア導体
本体とビア導体周縁部との境界部においてクラックが生
じない配線基板を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】その解決
手段は、樹脂複合材からなる1または複数の内側絶縁層
と、上記内側絶縁層を厚さ方向に貫通するスルーホール
と、上記スルーホールの内壁面に形成された筒状のスル
ーホール導体と、上記スルーホール導体の内側に形成さ
れた樹脂充填体と、上記内側絶縁層の外側に積層され、
樹脂からなる第1樹脂絶縁層と、上記内側絶縁層と上記
第1樹脂絶縁層との層間に形成され、上記樹脂充填体を
覆うと共に、上記スルーホール導体と接続する蓋状導体
層と、上記第1樹脂絶縁層を厚さ方向に貫通し、上記ス
ルーホールよりも小径の第1ビアホールと、上記第1ビ
アホール内に形成され上記蓋状導体層と接続する第1ビ
ア導体本体、及び上記第1樹脂絶縁層の外側の面のうち
上記第1ビア導体本体の周縁に形成されてなる第1ビア
導体周縁部を有する第1ビア導体と、を備える配線基板
であって、上記スルーホールと上記第1ビアホールとは
中心軸が一致し、上記スルーホールの内径は200μm
以下であり、上記第1樹脂絶縁層の熱膨張率は60pp
m以下である配線基板である。
【0008】本発明の配線基板では、第1ビアホールと
スルーホールとの中心軸を一致させ、スルーホールの内
径を200μm以下としつつも、第1樹脂絶縁層の熱膨
張率を60ppm以下とすることにした。このようにし
て、第1樹脂絶縁層と第1ビア導体との熱膨張率の差を
小さくすることで、第1樹脂絶縁層と第1ビア導体本体
との基板厚さ方向の伸縮の差を小さくでき、その分、第
1ビア導体本体と第1ビア導体周縁部との境界部の応力
を緩和できるので、上記境界部においてクラックが生じ
ないようにできる。
【0009】さらに、上記配線基板であって、前記第1
樹脂絶縁層の熱膨張率は55ppm以下である配線基板
とすると好ましい。第1樹脂絶縁層の熱膨張率を55p
pm以下とすれば、さらに上記境界部の応力を緩和でき
るので、より一層、上記境界部でクラックが生じないよ
うにできる。
【0010】さらに、上記いずれかに記載の配線基板で
あって、前記第1ビア導体本体は、前記第1ビアホール
内に充填されてなり、前記第1樹脂絶縁層の外側に積層
され、樹脂からなる1または複数の外側樹脂絶縁層と、
上記1または複数の外側樹脂絶縁層のそれぞれを厚さ方
向に貫通し、前記第1ビアホールと中心軸が一致する1
または複数の外側ビアホールと、外側ビア導体本体及び
外側ビア導体周縁部をそれぞれ有する1または複数の外
側ビア導体であって、上記外側ビア導体本体は、1また
は複数の外側ビアホール内に充填され、上記第1ビア導
体本体に直接または下位の外側ビア導体を介して間接に
積み重なって導通し、上記外側ビア導体周縁部は、1ま
たは複数の外側樹脂絶縁層のそれぞれの外側の面のう
ち、上記外側ビア導体本体の周縁に形成されてなる外側
ビア導体と、を備え、上記1または複数の外側樹脂絶縁
層の熱膨張率は60ppm以下である配線基板とすると
良い。
【0011】本発明の配線基板は、内側絶縁層の外側に
第1樹脂絶縁層が、さらにその外側に1または複数の外
側樹脂絶縁層が積層された両面または片面積層配線基板
である。このうち、第1樹脂絶縁層の第1ビアホールの
ほか、それぞれの外側樹脂絶縁層を厚さ方向に貫通する
外側ビアホールは中心軸が一致するように形成され、第
1ビアホール及び外側ビアホール内に充填された第1ビ
ア導体及び外側ビア導体(これらを単にビア導体とも言
う)は、基板厚さ方向に積み重なった、いわゆるスタッ
クドビアの形態をなす。
【0012】ここで、第1樹脂絶縁層より外側の外側樹
脂絶縁層に形成されている外側ビア導体の外側ビア導体
本体と外側ビア導体周縁部との境界部について考える。
この境界部の径方向内側の部分について、その厚さ方向
に見ると、金属からなる第1ビア導体本体及び1または
複数の外側ビア導体本体(これらを単にビア導体本体と
も言う)が積み重なっている。このため、この境界部の
径方向内側では、基板厚さ方向の伸縮の累積が最も小さ
くなっている。一方、この境界部の径方向外側につい
て、その厚さ方向に見ると、樹脂からなる第1樹脂絶縁
層及び1または複数の外側樹脂絶縁層(これらを単に樹
脂絶縁層とも言う)が積み重なっているので、この境界
部の径方向外側の部分で、基板厚さ方向の伸縮の累積が
最も大きくなっている。
【0013】従って、この境界部は、基板厚さ方向の伸
縮の累積が最も小さくなっている部分と基板厚さ方向の
伸縮の累積が最も大きくなっている部分との間に介在す
ることになるので、この境界部にクラックが生じる危険
性が極めて高くなる。これに対し、本発明の配線基板で
は、第1樹脂絶縁層及び1または複数の外側樹脂絶縁層
の熱膨張率を60ppm以下としているので、上記のよ
うな境界部においてもクラックが生じないようにでき
る。
【0014】さらに、上記配線基板であって、前記1ま
たは複数の外側樹脂絶縁層の熱膨張率は55ppm以下
である配線基板とすると好ましい。1または複数の外側
樹脂絶縁層の熱膨張率を55ppm以下とすれば、さら
に上記境界部の径方向外側の部分での基板厚さ方向の伸
縮の累積を小さくできるので、上記境界部の応力を緩和
でき、より一層、上記境界部でクラックが生じないよう
にできる。
【0015】さらに、上記いずれかに記載の配線基板で
あって、前記スルーホール導体、前記第1ビア導体、及
び前記1または複数の外側ビア導体は、銅からなる配線
基板としても良い。
【0016】本発明の配線基板の金属部分は銅からな
り、この熱膨張率は約17ppmである。一方、樹脂絶
縁層の熱膨張率を60ppm以下としているので、両者
の熱膨張率の差を比較的小さくすることができる。この
ため、ビア導体のビア導体本体とビア導体周縁部との境
界部の応力の緩和を図ることができ、上記境界部におい
てクラックが生じないようにできる。
【0017】
【発明の実施の形態】(比較例)本発明の実施の形態に
ついて説明する前に、図5に示した従来の配線基板20
0について、熱応力解析及び熱衝撃試験の結果を参照し
つつ詳細に説明する。まず、第1ビアホール221及び
第2ビアホール231の内径D2を50μmとし、スル
ーホール211の内径D1を300,200,150,
100μmとした4種類の配線基板200について熱応
力解析を行った。この熱応力解析では、室温(25℃)
で応力フリーの状態から125℃にまで温度を上昇させ
たときの第2境界部232dの応力をシュミレーション
し、図2のグラフに示すような結果となった。
【0018】この熱応力解析によって、スルーホール2
11の内径D1を小さくするほど、第2境界部232d
の応力が高くなることがわかった。スルーホール211
の内径D1が小さくなるほど、筒状の領域Eが第2境界
部232dに近づくので、第2境界部232dでの応力
の集中が顕著となるからであると考えられる。なお、従
来の配線基板200では、コア基板210の厚さ方向の
熱膨張率が約40ppm、第1樹脂絶縁層220及び第
2樹脂絶縁層230の熱膨張率が約66ppm、スルー
ホール導体212、第1ビア導体222、及び第2ビア
導体232の熱膨張率が約17ppmであった。さら
に、コア基板210の厚さは800μm、第1樹脂絶縁
層220及び第2樹脂絶縁層230の厚さは30μmで
あった。
【0019】また、配線基板200のうち、熱膨張率の
最も大きい第1樹脂絶縁層220及び第2樹脂絶縁層2
30に着目し、この部分の熱膨張率を変化させて第2境
界部232dの応力をシュミレーションした。具体的に
は、スルーホール211の内径D1を200μm、第1
ビアホール221及び第2ビアホール231の内径D2
を50μmとした配線基板200について、第1樹脂絶
縁層及び第2樹脂絶縁層の熱膨張率を49,55,6
0,66,または68ppmとした5種類の配線基板に
ついて熱応力解析を行い、図3のグラフに示すような結
果となった。この熱応力解析によって、第1樹脂絶縁層
及び第2樹脂絶縁層の熱膨張率を低下させるほど、第2
境界部の応力を緩和できることがわかった。
【0020】次に、配線基板200について、スルーホ
ール211の内径D1を300,200,150,12
0,または100μmの5種類とし、それぞれについて
第1ビアホール221及び第2ビアホール231の内径
D2を50または30μmの2種類とした計10種類の
配線基板200を用意した。このように、配線基板20
0について、スルーホール211の内径D1と第1ビア
ホール221及び第2ビアホール231の内径D2とを
様々な値に設定することで、第1境界部222d及び第
2境界部232dと筒状の領域Eとの距離を様々な値に
設定し、第1境界部222d及び第2境界部232dに
かかる応力を変化させることにした。
【0021】このような10種類の配線基板200につ
いて、熱衝撃試験を行った。この熱衝撃試験は、−55
℃と125℃の2種類の異なる温度の液槽のそれぞれ
に、配線基板200を5分ずつ浸漬させた10分の浸漬
を1サイクルとし、これを1000サイクル繰り返し行
った。次いで、熱衝撃試験後の10種類の配線基板20
0について、第1境界部222d及び第2境界部232
dのクラック発生について調査をしたところ、図4の
に示すような結果となった。このクラック発生の調査
は、第1境界部222d及び第2境界部232dを介し
た導通経路について、熱衝撃試験前後の電気抵抗を測定
し、その変化率によってクラックの存否を判断した。
【0022】この熱衝撃試験によって、従来の配線基板
200では、スルーホール211の内径D1を200μ
m以下とすると、配線基板200の温度が上下したとき
に、第1境界部222dまたは第2境界部232dにク
ラックが生じることがわかった。前述したように、第1
境界部222d及び第2境界部232dのクラックは、
配線基板200の樹脂部分と金属部分との熱膨張率の差
によって生じると考えられる。そこで、配線基板200
のうち、熱膨張率の最も大きい第1樹脂絶縁層220及
び第2樹脂絶縁層230に着目し、この部分の熱膨張率
を下げることで、第1境界部及び第2境界部の応力の緩
和を図ることにした。
【0023】(実施形態)本発明の実施の形態を、図面
を参照しつつ説明する。図1に示す配線基板100は、
コア基板110(内側絶縁層)、コア主面110b側に
積層された第1樹脂絶縁層120、第2樹脂絶縁層13
0(外側絶縁層)、及びソルダーレジスト層140を有
する。さらに、図示しないが、コア裏面側にも同様に、
第1樹脂絶縁層、第2樹脂絶縁層、及びソルダーレジス
ト層が積層されている。コア基板110は、厚さ800
μmのガラス−エポキシ樹脂複合材料からなり、この厚
さ方向を貫通するスルーホール111が多数形成されて
いる。さらに、スルーホール111内には、円筒状のス
ルーホール導体112が形成されている。さらに、スル
ーホール導体112の貫通孔112b内には樹脂充填体
113が充填されている。
【0024】コア基板110と第1樹脂絶縁層120と
の層間には、樹脂充填体113を覆いつつスルーホール
導体112と接続する蓋状導体層115が形成されてい
る。第1樹脂絶縁層120は、厚さ30μmのエポキシ
樹脂からなり、多数の第1ビアホール121が形成され
ている。さらに、第1ビアホール121内には、蓋状導
体層115と接続する第1ビア導体本体122bが充填
されている。さらに、第1樹脂絶縁層120の主面12
0b上のうち第1ビア導体本体122bの周縁には、外
径100μmの第1ビア導体周縁部122cが形成さ
れ、これがビア導体本体122bと一体となって第1ビ
ア導体122を形成している。
【0025】同様に、第2樹脂絶縁層130には、第2
ビアホール131が形成され、この第2ビアホール13
1内には第1ビア導体122と接続する第2ビア導体本
体132bが充填されている。さらに、第2樹脂絶縁層
130の主面130b上のうち第2ビア導体本体132
bの周縁には、外径100μmの第2ビア導体周縁部1
32cが形成され、これが第2ビア導体本体132bと
一体となって第2ビア導体132を形成している。さら
に、図示していないが、ソルダーレジスト層140には
貫通孔が形成されており、第2ビア導体周縁部132c
と接続する配線層の一部を露出させてパッドを形成して
いる。配線基板100には、このパッドを利用して、図
示しないICチップ等の電子部品が搭載される。
【0026】なお、この配線基板100は、スルーホー
ル111、第1ビアホール121、及び第2ビアホール
131の中心軸が一致するように形成され、第1ビアホ
ール121及び第2ビアホール131内に充填された第
1ビア導体122及び第2ビア導体132が基板厚さ方
向に積み重なった、いわゆるスタックドビアの形態をな
している。
【0027】ここで、第2ビア導体本体132bと第2
ビア導体周縁部132cとの境界部である第2境界部1
32dについて考える。この第2境界部132dの径方
向内側(図1の中央部)の部分について、その厚さ方向
(図中上下方向)に見ると、金属(具体的には銅)から
なる第1ビア導体本体122b及び第2ビア導体本体1
32bが積み重なっている。このため、この第2境界部
132dの径方向内側では、基板厚さ方向の伸縮の累積
が最も小さくなっている。一方、この第2境界部132
dの径方向外側(図1の両端部)について、その厚さ方
向に見ると、樹脂(具体的にはエポキシ樹脂)からなる
第1樹脂絶縁層120及び第2樹脂絶縁層130が積み
重なっているので、この第2境界部132dの径方向外
側の部分で、基板厚さ方向の伸縮の累積が最も大きくな
っている。
【0028】従って、この第2境界部132dは、基板
厚さ方向の伸縮の累積が最も小さくなっている部分と基
板厚さ方向の伸縮の累積が最も大きくなっている部分と
の間に介在することになるので、この第2境界部132
dにクラックが生じる危険性が極めて高くなっている。
なお、第1ビア導体本体122bと第1ビア導体周縁部
122cとの境界部である第1境界部122dは、第2
ビア導体本体132bと第2樹脂絶縁層130との伸縮
差が累積しない分、第2境界部132dに比してクラッ
クが生じる危険性が低いと考えられる。
【0029】これに対し、本実施形態の配線基板100
では、第1樹脂絶縁層120及び第2樹脂絶縁層130
の熱膨張率を約60ppmとし、従来の配線基板200
に比して、この部分の熱膨張率を低下させている。その
他の部分については、従来の配線基板200と同様に、
コア基板110の厚さ方向の熱膨張率を約40ppm、
スルーホール導体112、第1ビア導体122、及び第
2ビア導体132の熱膨張率を約17ppmとしてい
る。
【0030】このような配線基板100について、スル
ーホール111の内径D1を200,150,120,
または100μmの4種類とし、それぞれについて第1
ビアホール121及び第2ビアホール131の内径D2
を50または30μmの2種類とした計8種類の配線基
板100を用意した。このように、配線基板100につ
いて、スルーホール111の内径D1と第1ビアホール
121及び第2ビアホール131の内径D2とを様々な
値に設定することで、第1境界部122d及び第2境界
部132dと筒状の領域Eとの距離を様々な値に設定
し、第1境界部122d及び第2境界部132dにかか
る応力を変化させることにした。
【0031】このような8種類の配線基板100につい
て、前述した、従来の配線基板200と同様にして、1
000サイクルの熱衝撃試験を行った。その後、同様に
して、第1境界部122d及び第2境界部132dのク
ラック発生について調査をしたところ、図4のに示す
ような結果となった。図4のに示すように、熱衝撃試
験後の8種類の配線基板100のいずれについても、第
1境界部122d及び第2境界部132dにクラックが
生じていないことが判明した。
【0032】この熱衝撃試験によって、本実施形態の配
線基板100では、スルーホール111の内径D1を2
00μm以下としても、配線基板100の温度が上下し
たときに、第1境界部122d及び第2境界部132d
にクラックが生じないことがわかった。すなわち、この
配線基板100では、スルーホール111、第1ビアホ
ール121、及び第2ビアホール131の中心軸を一致
させ、スルーホール111の内径D1を200μm以下
としつつも、第1樹脂絶縁層120及び第2樹脂絶縁層
130の熱膨張率を60ppmとすることで、第1境界
部122d及び第2境界部132dの応力を緩和するこ
とができた。このため、第1境界部122d及び第2境
界部132dにおいてクラックが生じなかった。
【0033】従って、本実施形態の配線基板100のよ
うに、第1樹脂絶縁層及び第2樹脂絶縁層の熱膨張率を
60ppm以下とすれば、スルーホール、第1ビアホー
ル、及び第2ビアホールの中心軸を一致させ、スルーホ
ールの内径を200μm以下としても、温度変化による
第1境界部及び第2境界部でのクラック発生を防止でき
ると言える。なお、この配線基板100のうち、第1樹
脂絶縁層120及び第2樹脂絶縁層130の熱膨張率を
55ppm以下とし、その他の部分については同様とし
た配線基板について同様な熱衝撃試験を行ったところ、
図4に示す配線基板100と同様に、第1境界部及び
第2境界部においてクラックは発生しなかった。
【0034】このような配線基板100のうち、例え
ば、スルーホール111の内径D1が200μm、第1
ビアホール121及び第2ビアホール131の内径D2
が50μmの配線基板100は、次のようにして製造す
る。なお、ここではコア裏面側についての説明を省略す
るが、コア裏面側についてもコア主面110b側と同時
に形成するものとする。
【0035】まず、ガラス−エポキシ樹脂複合材料から
なり、両面に銅箔を張り付けた、厚さ約800μmのコ
ア基板110を用意する。そして、コア基板100の所
定の位置に、ドリルまたはレーザによって、これを貫通
する内径200μmのスルーホール111を穿孔する。
その後、公知の無電解Cuメッキ、及び電解Cuメッキ
によって、スルーホール111内にスルーホール導体1
12を形成する。次いで、スルーホール導体112の貫
通孔112b内に樹脂ペーストを印刷充填して熱硬化さ
せ、コア主面110bを研磨して樹脂充填体113を形
成する。次に、例えば、公知の無電解Cuメッキ、電解
Cuメッキ、及びエッチング手法によって、コア主面1
10b上に、樹脂充填体113を覆いつつスルーホール
導体112と接続するような、直径300μm、厚さ8
μmの蓋状導体層115を形成する。
【0036】次いで、コア主面110b上に、第1ビア
ホール121を有する第1樹脂絶縁層120を形成す
る。具体的には、熱膨張率が60ppmの熱硬化性樹脂
をコア主面110b上に貼り付け、CO2レーザ加工に
より第1ビアホール121を形成し、これを加熱するこ
とによって硬化させ、第1ビアホール121を有する第
1樹脂絶縁層120を形成する。なお、第1ビアホール
121はスルーホール111と同軸に形成し、その内径
を50μmとした。その後、例えば、公知の無電解Cu
メッキ、電解Cuメッキ及びエッチング手法によって、
第1ビアホール121内に第1ビア導体本体122bを
充填すると共に、第1樹脂絶縁層120の主面120b
のうち第1ビア導体本体122bの周縁に外径100μ
mの第1ビア導体周縁部122cを形成して、第1ビア
導体122を形成した。
【0037】次いで、第1樹脂絶縁層120と同様にし
て、第1樹脂絶縁層120の主面120b上に、第2ビ
アホール131を有する第2樹脂絶縁層130を形成す
る。なお、第2ビアホール131もスルーホール111
と同軸に形成し、その内径を50μmとした。さらに、
第1ビア導体122と同様にして、第2ビアホール13
1内に第2ビア導体本体132bを充填すると共に、第
2樹脂絶縁層130の主面130bのうち第2ビア導体
本体132bの周縁に外径100μmの第2ビア導体周
縁部132cを形成して、第2ビア導体132を形成し
た。このとき、第2樹脂絶縁層130の主面130b上
には、図示しない配線層も形成される。次いで、ソルダ
ーレジスト層140を積層し、露光・現像して所定の位
置に図示しない貫通孔を形成する。このとき、上記配線
層の一部がこの貫通孔から露出し、ICチップ等の電子
部品を実装するための図示しないパッドが形成される。
このようにして、配線基板100が完成する。
【0038】以上において、本発明を実施形態に即して
説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるもので
はなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適
用できることはいうまでもない。例えば、実施形態で
は、第1樹脂絶縁層120及び第2樹脂絶縁層130の
熱膨張率を60ppmとしたが、熱膨張率は60ppm
以下であれば良く、好ましくは55ppm以下とすると
良い。熱膨張率が低いほど、第1境界部122d及び第
2境界部132dにかかる応力を緩和できるので好まし
い。
【0039】また、実施形態では、内側絶縁層を1層の
コア基板110として、これを貫通するスルーホール1
11を形成したが、内側絶縁層を複数の絶縁層として、
この複数の絶縁層を貫通するスルーホールを形成しても
良い。また、実施形態では、コア基板110の両面に樹
脂絶縁層120,130、ビア導体122,222等を
形成したが、コア基板110の主面110b側のみに形
成しても良い。
【0040】また、実施形態では、樹脂絶縁層として、
内側絶縁層110の外側に第1樹脂絶縁層120を積層
し、さらにその外側に第2樹脂絶縁層130(外側樹脂
絶縁層)を積層した。しかし、外側樹脂絶縁層を積層し
ないで、第1樹脂絶縁層120のみを樹脂絶縁層として
も良い。この場合において、第1ビア導体122は、実
施形態のように、第1ビアホール121を導体により完
全に充填する充填ビア導体としないで、第1ビアホール
121を充填しない非充填ビア導体としても良い。これ
とは反対に、第2樹脂絶縁層130の外側に、さらに、
1または複数の外側樹脂絶縁層を積層するようにし、こ
れらに、第1ビア導体122と同軸のビア導体を形成す
るようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1にかかる配線基板100の要部を示
す断面図である。
【図2】従来の配線基板200について行った熱応力解
析の結果を示すグラフである。
【図3】第1樹脂絶縁層及び第2樹脂絶縁層の熱膨張率
を変化させた5種類の配線基板について行った熱応力解
析の結果を示すグラフである。
【図4】実施形態1にかかる配線基板100と従来の配
線基板200の熱衝撃試験結果を比較する表である。
【図5】従来の配線基板200の要部を示す断面図であ
る。
【符号の説明】 100,200 配線基板 110,210 コア基板(内側絶縁層) 111,211 スルーホール 112,212 スルーホール導体 113,213 樹脂充填体 115,215 蓋状導体層 120,220 第1樹脂絶縁層 130,230 第2樹脂絶縁層(外側樹脂絶縁層) 121,221 第1ビアホール 131,231 第2ビアホール(外側ビアホール) 122,222 第1ビア導体 122b,222b 第1ビア導体本体 122c,222c 第1ビア導体周縁部 122d,222d 第1境界部 132,232 第2ビア導体(外側ビア導体) 132b,232b 第2ビア導体本体(外側ビア導体
本体) 132c,232c 第2ビア導体周縁部(外側ビア導
体周縁部) 132d,232d 第2境界部 E スルーホール導体112を基板厚さ方向に延ばした
筒状の領域 D1 スルーホール111,211の内径 D2 第1ビアホール121,221及び第2ビアホー
ル131,231の内径
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平野 訓 愛知県名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日 本特殊陶業株式会社内 (72)発明者 猪飼 憲彦 愛知県名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日 本特殊陶業株式会社内 (72)発明者 浅野 俊哉 愛知県名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日 本特殊陶業株式会社内 Fターム(参考) 5E317 AA24 BB02 BB12 CC25 CC32 CC33 CD32 GG05

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】樹脂複合材からなる1または複数の内側絶
    縁層と、 上記内側絶縁層を厚さ方向に貫通するスルーホールと、 上記スルーホールの内壁面に形成された筒状のスルーホ
    ール導体と、 上記スルーホール導体の内側に形成された樹脂充填体
    と、 上記内側絶縁層の外側に積層され、樹脂からなる第1樹
    脂絶縁層と、 上記内側絶縁層と上記第1樹脂絶縁層との層間に形成さ
    れ、上記樹脂充填体を覆うと共に、上記スルーホール導
    体と接続する蓋状導体層と、 上記第1樹脂絶縁層を厚さ方向に貫通し、上記スルーホ
    ールよりも小径の第1ビアホールと、 上記第1ビアホール内に形成され上記蓋状導体層と接続
    する第1ビア導体本体、及び上記第1樹脂絶縁層の外側
    の面のうち上記第1ビア導体本体の周縁に形成されてな
    る第1ビア導体周縁部を有する第1ビア導体と、 を備える配線基板であって、 上記スルーホールと上記第1ビアホールとは中心軸が一
    致し、 上記スルーホールの内径は200μm以下であり、 上記第1樹脂絶縁層の熱膨張率は60ppm以下である
    配線基板。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の配線基板であって、 前記第1ビア導体本体は、前記第1ビアホール内に充填
    されてなり、 前記第1樹脂絶縁層の外側に積層され、樹脂からなる1
    または複数の外側樹脂絶縁層と、 上記1または複数の外側樹脂絶縁層のそれぞれを厚さ方
    向に貫通し、前記第1ビアホールと中心軸が一致する1
    または複数の外側ビアホールと、 外側ビア導体本体及び外側ビア導体周縁部をそれぞれ有
    する1または複数の外側ビア導体であって、 上記外側ビア導体本体は、1または複数の外側ビアホー
    ル内に充填され、上記第1ビア導体本体に直接または下
    位の外側ビア導体を介して間接に積み重なって導通し、 上記外側ビア導体周縁部は、1または複数の外側樹脂絶
    縁層のそれぞれの外側の面のうち、上記外側ビア導体本
    体の周縁に形成されてなる外側ビア導体と、 を備え、 上記1または複数の外側樹脂絶縁層の熱膨張率は60p
    pm以下である配線基板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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