JP2003293481A - 火災室温度の低減方法および火災室構造体 - Google Patents
火災室温度の低減方法および火災室構造体Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 火災を受ける可能性のある鉄骨構造による建
築物において火災時の火災室温度の上昇を抑制すること
によって、構造部材に対する熱負荷を軽減し、これらの
構造部材の高温強度に対する規制を緩和して、コスト低
減を可能にする火災室温度の低減方法および火災室構造
体を提供する。 【解決手段】 間仕切り壁などの火災室周壁を形成する
壁体を、吸熱性の良好な金属板、例えば厚みが1.5mm
超〜3.0mmの鋼板によって形成して、この吸熱壁体よ
る吸熱作用によって火災発生時の火災室の温度上昇を抑
制するようにしたもの。
築物において火災時の火災室温度の上昇を抑制すること
によって、構造部材に対する熱負荷を軽減し、これらの
構造部材の高温強度に対する規制を緩和して、コスト低
減を可能にする火災室温度の低減方法および火災室構造
体を提供する。 【解決手段】 間仕切り壁などの火災室周壁を形成する
壁体を、吸熱性の良好な金属板、例えば厚みが1.5mm
超〜3.0mmの鋼板によって形成して、この吸熱壁体よ
る吸熱作用によって火災発生時の火災室の温度上昇を抑
制するようにしたもの。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として、火災を
受ける可能性がある鉄骨構造の建築物における室構造体
に関し、より具体的には火災時の温度上昇を抑制する周
壁を有する火災室室構造体に関するものである。
受ける可能性がある鉄骨構造の建築物における室構造体
に関し、より具体的には火災時の温度上昇を抑制する周
壁を有する火災室室構造体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、例えばビルなどの大型の一般建築
物には、例えば、図4に示すような、角形鋼管柱1、H
形鋼梁4を主部材とし、この主部材をスプリットティ2
a、2b(接合金物)とボルト3、5を用いて接合した
鉄骨構造が採用され、間仕切り壁、床、天井、屋根を含
む各種の周壁によって各室が形成される。これらの周壁
を形成する壁体は、不燃ボード材、鉄筋コンクリート、
コンクリートブロック、デッキプレート合成床版などに
よって形成され、外表面には、通常、仕上げ材や化粧材
などが配設されることが多い。
物には、例えば、図4に示すような、角形鋼管柱1、H
形鋼梁4を主部材とし、この主部材をスプリットティ2
a、2b(接合金物)とボルト3、5を用いて接合した
鉄骨構造が採用され、間仕切り壁、床、天井、屋根を含
む各種の周壁によって各室が形成される。これらの周壁
を形成する壁体は、不燃ボード材、鉄筋コンクリート、
コンクリートブロック、デッキプレート合成床版などに
よって形成され、外表面には、通常、仕上げ材や化粧材
などが配設されることが多い。
【0003】このような鉄骨構造による一般建築物にお
いて、典型的な区画火災が発生した場合には、火災温度
は、例えば図5に示すように、700℃超の温度まで上
昇することが知られており、このような温度の火炎によ
って30分以上の加熱を受けた場合には、外表面に張設
の仕上げ材や化粧材の条件にもよるが、鉄骨構造物を形
成する構造部材が700〜800℃の高温に晒されるこ
とが知られている。この構造部材として、従来レベルの
高温強度(耐火温度600℃未満)の鋼部材を用いた場
合には、、高温強度が十分でないために、鉄骨構造とし
ての機能を失って倒壊する恐れがある。そのため、多く
の場合、構造部材に吹付けロックウール等の耐火被覆を
施して高熱から保護しており、施工費用および工程、環
境・美観上の問題があることから、このような耐火被覆
の必要がない高温強度に優れた耐火鋼による鋼部材が要
請されていた。
いて、典型的な区画火災が発生した場合には、火災温度
は、例えば図5に示すように、700℃超の温度まで上
昇することが知られており、このような温度の火炎によ
って30分以上の加熱を受けた場合には、外表面に張設
の仕上げ材や化粧材の条件にもよるが、鉄骨構造物を形
成する構造部材が700〜800℃の高温に晒されるこ
とが知られている。この構造部材として、従来レベルの
高温強度(耐火温度600℃未満)の鋼部材を用いた場
合には、、高温強度が十分でないために、鉄骨構造とし
ての機能を失って倒壊する恐れがある。そのため、多く
の場合、構造部材に吹付けロックウール等の耐火被覆を
施して高熱から保護しており、施工費用および工程、環
境・美観上の問題があることから、このような耐火被覆
の必要がない高温強度に優れた耐火鋼による鋼部材が要
請されていた。
【0004】近年、この要請に応えるために、短時間の
高温強度を高めた、いわゆる耐火鋼が多数開発されてお
り、例えば特開平2ー77523号公報に記載の発明を
はじめとして、600℃で高温強度に優れた鋼材(耐火
鋼)が多数開示されている。また、特開平9−2090
77号の発明では、700℃での高温強度に優れた鋼材
(耐火鋼)が開示されている。さらに、特願2000−
297338号、特願2000−297339号では本
発明者らにより800℃および850℃での高温強度に
優れた鋼材(耐火鋼)が開示されている。一方、鉄骨構
造の建築物を構築する場合には、ボルトが用いられる
が、このボルトとしては、特開平8−67943号の発
明に見られるように、600℃で高温強度に優れたボル
ト(耐火ボルト)が知られているが、現状では耐火鋼に
比べて高温強度が劣っており、さらに高温強度の高い耐
火ボルトも要請されている。このような要請に応える高
温強度に優れた耐火鋼の開発も重要であるが、開発には
時間と費用がかかることから、現状レベルの高温強度の
耐火鋼を用いて、簡易に低コストで実現可能な手段での
対応も要請される。
高温強度を高めた、いわゆる耐火鋼が多数開発されてお
り、例えば特開平2ー77523号公報に記載の発明を
はじめとして、600℃で高温強度に優れた鋼材(耐火
鋼)が多数開示されている。また、特開平9−2090
77号の発明では、700℃での高温強度に優れた鋼材
(耐火鋼)が開示されている。さらに、特願2000−
297338号、特願2000−297339号では本
発明者らにより800℃および850℃での高温強度に
優れた鋼材(耐火鋼)が開示されている。一方、鉄骨構
造の建築物を構築する場合には、ボルトが用いられる
が、このボルトとしては、特開平8−67943号の発
明に見られるように、600℃で高温強度に優れたボル
ト(耐火ボルト)が知られているが、現状では耐火鋼に
比べて高温強度が劣っており、さらに高温強度の高い耐
火ボルトも要請されている。このような要請に応える高
温強度に優れた耐火鋼の開発も重要であるが、開発には
時間と費用がかかることから、現状レベルの高温強度の
耐火鋼を用いて、簡易に低コストで実現可能な手段での
対応も要請される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、火災を受け
る可能性のある鉄骨構造の建築物において、火災時の火
災室温度の上昇を抑制し、柱・梁などの主部材や、接合
金物、ボルト・ナット、座金などの各構造部材に対する
熱負荷を軽減し、これらの構造部材の高温強度に対する
規制を緩和し、コスト低減を可能にする火災室温度の低
減方法および火災室構造体を提供するものである。
る可能性のある鉄骨構造の建築物において、火災時の火
災室温度の上昇を抑制し、柱・梁などの主部材や、接合
金物、ボルト・ナット、座金などの各構造部材に対する
熱負荷を軽減し、これらの構造部材の高温強度に対する
規制を緩和し、コスト低減を可能にする火災室温度の低
減方法および火災室構造体を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するために、以下の(1)〜(5)を要旨とするも
のである。 (1)火災を受ける可能性のある鉄骨構造の建築物にお
いて、火災室(本発明では、火災が発生する可能性のあ
る室のことで、以下「火災室」という。)の周壁を形成
する壁体を、吸熱性の良好な金属板で形成して、この金
属板による吸熱作用によって火災発生時の火災室の温度
上昇を抑制することを特徴とする火災室温度の低減方
法。 (2)火災を受ける鉄骨構造の室構造体であって、周壁
を吸熱性の良好な金属板による吸熱壁体によって形成し
たことを特徴とする火災室構造体。 (3)上記(2)において、金属板が、中空層を介して
複層に形成したものであることを特徴とする火災室構造
体。 (4)上記(2)または(3)において、中空層に金属
板より比熱、熱伝導率の大きい高熱吸収材を充填したこ
とを特徴とする火災室構造体。 (5)上記(2)〜(4)のいずれかにおいて、吸熱壁
体を形成する金属板が、厚みが1.5mm超〜3.0mmの
鋼板であることを特徴とする火災室構造体。
達成するために、以下の(1)〜(5)を要旨とするも
のである。 (1)火災を受ける可能性のある鉄骨構造の建築物にお
いて、火災室(本発明では、火災が発生する可能性のあ
る室のことで、以下「火災室」という。)の周壁を形成
する壁体を、吸熱性の良好な金属板で形成して、この金
属板による吸熱作用によって火災発生時の火災室の温度
上昇を抑制することを特徴とする火災室温度の低減方
法。 (2)火災を受ける鉄骨構造の室構造体であって、周壁
を吸熱性の良好な金属板による吸熱壁体によって形成し
たことを特徴とする火災室構造体。 (3)上記(2)において、金属板が、中空層を介して
複層に形成したものであることを特徴とする火災室構造
体。 (4)上記(2)または(3)において、中空層に金属
板より比熱、熱伝導率の大きい高熱吸収材を充填したこ
とを特徴とする火災室構造体。 (5)上記(2)〜(4)のいずれかにおいて、吸熱壁
体を形成する金属板が、厚みが1.5mm超〜3.0mmの
鋼板であることを特徴とする火災室構造体。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明は、基本的には、火災を受
ける可能性のある鉄骨構造の建築物において、火災室構
造体の周壁を形成する壁体を、吸熱性の良好な金属板
(例えば、鋼板の場合では厚み:1.5mm超〜3.0m
m、比熱:0.473kJ/kg・K以上で、熱伝導率:0.
0516kW/m・K以上のもの)で形成して、この吸熱壁
体による吸熱作用によって火災発生時の火災室の温度上
昇を抑制し、火災室温度を10%以上低減するものであ
る。これによって、柱・梁などの主部材や、スプリット
テイ、アングル材、エンドプレート、スプライスプレー
トなどの接合金物、ボルト・ナット、座金などの構造部
材に対する熱負荷を軽減し、これらの構造部材の高温強
度に対する規制を緩和し、コスト低減を可能にするもの
であり、また、室周壁自体の耐火性も高めることがで
き、建築物全体の火災による機能低下の防止を可能にす
るものである。
ける可能性のある鉄骨構造の建築物において、火災室構
造体の周壁を形成する壁体を、吸熱性の良好な金属板
(例えば、鋼板の場合では厚み:1.5mm超〜3.0m
m、比熱:0.473kJ/kg・K以上で、熱伝導率:0.
0516kW/m・K以上のもの)で形成して、この吸熱壁
体による吸熱作用によって火災発生時の火災室の温度上
昇を抑制し、火災室温度を10%以上低減するものであ
る。これによって、柱・梁などの主部材や、スプリット
テイ、アングル材、エンドプレート、スプライスプレー
トなどの接合金物、ボルト・ナット、座金などの構造部
材に対する熱負荷を軽減し、これらの構造部材の高温強
度に対する規制を緩和し、コスト低減を可能にするもの
であり、また、室周壁自体の耐火性も高めることがで
き、建築物全体の火災による機能低下の防止を可能にす
るものである。
【0008】火災発生時の温度上昇のメカニズムと火災
室構造については、耐火性能検証法(平成12年国土交
通省告示第1433号)により、火災室の周壁を形成す
る壁体の材料によって、火災室の温度推移が異なるとい
う知見がもたらされた。この知見について以下に説明す
る。火災発生時の室温Tfの平均的な推移は、火災温度
上昇係数αと火災継続時間tfの関数(式(1))で表
される。また、前者の火災温度上昇係数αは、可燃物の
1秒当たりの発熱量qb、火災室周壁への熱吸収を表す
因子ΣAc・Ih(ここでAcは火災室周壁の各表面
積、Ihは火災室周壁の各熱慣性)および有効開口因子
fop(側壁の全面積に占める開口部の面積の割合に相
当)の関数(式、(2))で表される。 Tf=F(α、tf1/6) (1) α=G(qb2/3、(ΣAc・Ih)-1/3、fop-1/3) (2) よって、火災温度Tfを減少させるためには、火災温度
上昇係数αを減少させること、すなわち、可燃物の1秒
当たりの発熱量qbを小さくするか、火災室周壁の熱慣
性Ihや有効開口因子fopを大きくすることが必要で
ある。可燃物の1秒当たりの発熱量qbは有効開口因子
fopに依存するため、有効開口因子fopを大きくす
れば、火災温度Tfを減少させることができるが、その
半面、有効開口因子fopは意匠設計者の判断に左右さ
れるという弱点を有する。
室構造については、耐火性能検証法(平成12年国土交
通省告示第1433号)により、火災室の周壁を形成す
る壁体の材料によって、火災室の温度推移が異なるとい
う知見がもたらされた。この知見について以下に説明す
る。火災発生時の室温Tfの平均的な推移は、火災温度
上昇係数αと火災継続時間tfの関数(式(1))で表
される。また、前者の火災温度上昇係数αは、可燃物の
1秒当たりの発熱量qb、火災室周壁への熱吸収を表す
因子ΣAc・Ih(ここでAcは火災室周壁の各表面
積、Ihは火災室周壁の各熱慣性)および有効開口因子
fop(側壁の全面積に占める開口部の面積の割合に相
当)の関数(式、(2))で表される。 Tf=F(α、tf1/6) (1) α=G(qb2/3、(ΣAc・Ih)-1/3、fop-1/3) (2) よって、火災温度Tfを減少させるためには、火災温度
上昇係数αを減少させること、すなわち、可燃物の1秒
当たりの発熱量qbを小さくするか、火災室周壁の熱慣
性Ihや有効開口因子fopを大きくすることが必要で
ある。可燃物の1秒当たりの発熱量qbは有効開口因子
fopに依存するため、有効開口因子fopを大きくす
れば、火災温度Tfを減少させることができるが、その
半面、有効開口因子fopは意匠設計者の判断に左右さ
れるという弱点を有する。
【0009】このため、材料特性から一義的に決定され
る火災室周壁の熱慣性Ihを増大させることにより、火
災温度Tfを減少させることが有効である。耐火性能検
証法(平成12年国土交通省告示第1433号)では、
壁、床、天井、屋根を含む火災室周壁の構成材料の熱慣
性Ih=√(kρc)[kW・s1/2/m 2・K]が例記されて
いる。ここに、kは熱伝導率[kW/m・K]、ρは密度[k
g/m2]、cは比熱[kJ/kg・K]を表す。ここでは、単層
壁体の熱慣性としては、図6に示すように、単層で主に
床に用いる鉄筋コンクリート、コンクリートブロック、
デッキプレート合成床版などでは1.75、軽微な間仕
切り壁や天井に通常用いる各種不燃ボード類では0.3
となっており、例えば軽微な間仕切り壁は、デッキプレ
ート合成床版に対して約1/6の熱慣性Ihを有してい
るにすぎないことが分かる。ここで、仮に間仕切り壁を
形成する壁体の熱慣性Ihが、通常の間仕切り壁(Ih
=0.3)の4.0倍であるとすれば、建物設計条件に
もよるが、教室用途の場合で、床面積が40〜170m
2、開口面数が1.0〜1.5面の場合、火災温度を1
0%以上下げることが可能である。このことから、間仕
切り壁を、デッキプレート合成床版で形成した壁体によ
って形成して間仕切り壁の熱慣性を通常の間仕切り壁
(Ih=0.3)の4.0倍以上にすることが考えられ
るが、コンクリートの場合には、重量が重くなってしま
うことに加え、加工性、鉄骨構造物に対する施工性に問
題があるなど、鉄骨構造物に用いる壁体としての適性に
乏しいものになる。
る火災室周壁の熱慣性Ihを増大させることにより、火
災温度Tfを減少させることが有効である。耐火性能検
証法(平成12年国土交通省告示第1433号)では、
壁、床、天井、屋根を含む火災室周壁の構成材料の熱慣
性Ih=√(kρc)[kW・s1/2/m 2・K]が例記されて
いる。ここに、kは熱伝導率[kW/m・K]、ρは密度[k
g/m2]、cは比熱[kJ/kg・K]を表す。ここでは、単層
壁体の熱慣性としては、図6に示すように、単層で主に
床に用いる鉄筋コンクリート、コンクリートブロック、
デッキプレート合成床版などでは1.75、軽微な間仕
切り壁や天井に通常用いる各種不燃ボード類では0.3
となっており、例えば軽微な間仕切り壁は、デッキプレ
ート合成床版に対して約1/6の熱慣性Ihを有してい
るにすぎないことが分かる。ここで、仮に間仕切り壁を
形成する壁体の熱慣性Ihが、通常の間仕切り壁(Ih
=0.3)の4.0倍であるとすれば、建物設計条件に
もよるが、教室用途の場合で、床面積が40〜170m
2、開口面数が1.0〜1.5面の場合、火災温度を1
0%以上下げることが可能である。このことから、間仕
切り壁を、デッキプレート合成床版で形成した壁体によ
って形成して間仕切り壁の熱慣性を通常の間仕切り壁
(Ih=0.3)の4.0倍以上にすることが考えられ
るが、コンクリートの場合には、重量が重くなってしま
うことに加え、加工性、鉄骨構造物に対する施工性に問
題があるなど、鉄骨構造物に用いる壁体としての適性に
乏しいものになる。
【0010】そこで、本発明者は、このような知見か
ら、火災室の周壁に熱慣性の大きい材料で形成した壁体
を使用することに着目し、高温強度、加工性、施工性、
コストなどを考慮して、火災を受ける室周壁を形成する
壁体に用いて適性の高い材料と使用形態(条件)につい
て検討した。その結果、金属板、例えば、簡易に得られ
る鋼板が適性の高いものであることを見い出した。本発
明では、火災室の周壁を形成する壁体に、金属板、例え
ば厚みが1.5mm超〜3.0mmの鋼板を使用して、熱慣
性Ihを通常の間仕切り壁(Ih=0.3)の4.0倍
以上、すなわち、1.2以上にして火災温度を10%以
上下げるものである。本発明において、各室の周壁を形
成する壁体に用いる金属板は、単層で用いてもよいが、
壁体として熱吸収性を高める機能以外の機能、例えば、
構造の安定性、遮音性、意匠性、加工性、施工性、コス
トなどを考慮した場合、その厚さには限界があるので、
複層(通常は2層で用い、各層間に空気層を介在させて
壁体の厚み(35〜100mm)を確保することが有効で
あることから、通常の場合、概念的には、図1に示すよ
うに、所定の形状、サイズに切断された、例えば鋼板7
a、7bをチャンネル材等による厚みが30〜80mmの
空気層8が形成されるように、スペーサー7を介して固
定してパネル状にして用いるものである。基本的には、
室間に配置して、鋼板6a、6bをそれぞれの側で吸熱
壁体として機能させるものである。金属板としては、普
通鋼板、表面処理鋼板(メッキ、塗装鋼板など)、ステ
ンレス鋼板のいずれでもよいが、高温強度(耐火性)、
吸熱性、意匠性、コストなどを考慮した場合、表面処理
鋼板が有利であるが、他の金属板、例えばアルミ板、銅
板、その他、吸熱性の良好な金属板を選択使用すること
もでき、その場合、鋼板より質量の大きい金属板を用い
る場合には、厚みを鋼板の場合より薄くすることができ
る。また、鋼板より質量の小さい金属板を用いる場合に
は、鋼板並の吸熱性を得るためには、厚みを鋼板の場合
より厚くすることになる。
ら、火災室の周壁に熱慣性の大きい材料で形成した壁体
を使用することに着目し、高温強度、加工性、施工性、
コストなどを考慮して、火災を受ける室周壁を形成する
壁体に用いて適性の高い材料と使用形態(条件)につい
て検討した。その結果、金属板、例えば、簡易に得られ
る鋼板が適性の高いものであることを見い出した。本発
明では、火災室の周壁を形成する壁体に、金属板、例え
ば厚みが1.5mm超〜3.0mmの鋼板を使用して、熱慣
性Ihを通常の間仕切り壁(Ih=0.3)の4.0倍
以上、すなわち、1.2以上にして火災温度を10%以
上下げるものである。本発明において、各室の周壁を形
成する壁体に用いる金属板は、単層で用いてもよいが、
壁体として熱吸収性を高める機能以外の機能、例えば、
構造の安定性、遮音性、意匠性、加工性、施工性、コス
トなどを考慮した場合、その厚さには限界があるので、
複層(通常は2層で用い、各層間に空気層を介在させて
壁体の厚み(35〜100mm)を確保することが有効で
あることから、通常の場合、概念的には、図1に示すよ
うに、所定の形状、サイズに切断された、例えば鋼板7
a、7bをチャンネル材等による厚みが30〜80mmの
空気層8が形成されるように、スペーサー7を介して固
定してパネル状にして用いるものである。基本的には、
室間に配置して、鋼板6a、6bをそれぞれの側で吸熱
壁体として機能させるものである。金属板としては、普
通鋼板、表面処理鋼板(メッキ、塗装鋼板など)、ステ
ンレス鋼板のいずれでもよいが、高温強度(耐火性)、
吸熱性、意匠性、コストなどを考慮した場合、表面処理
鋼板が有利であるが、他の金属板、例えばアルミ板、銅
板、その他、吸熱性の良好な金属板を選択使用すること
もでき、その場合、鋼板より質量の大きい金属板を用い
る場合には、厚みを鋼板の場合より薄くすることができ
る。また、鋼板より質量の小さい金属板を用いる場合に
は、鋼板並の吸熱性を得るためには、厚みを鋼板の場合
より厚くすることになる。
【0011】なお、従来、間仕切り壁として、図1に示
すような鋼板、中空層、鋼板の3層構造を有するものが
存在するが、専ら防火性(遮炎、遮熱性)や遮音性を高
める目的で用いられるものであり、使用される鋼板は、
厚みが最大でも0.6mmと薄く、熱慣性Ih=0.92
で、通常間仕切り壁の(Ih=0.3)の3.1倍程度
で、本発明の目的を達成するための高熱慣性体として、
十分に機能するものではない。また、防火戸(開口部に
設ける防火扉などの防火設備)においても、鋼板、中空
層、鋼板の3層構造を有するものが多用されており、特
定防火設備(60分の遮炎性を有するもの)と、特定防
火設備以外の防火設備(20分の遮炎性を有するもの)
の2種に区分される。これらについても、防火性(遮
炎、遮熱性)を目的としたものであり、使用される鋼板
は、厚みが最大で1.5mmで、熱慣性Ih=1.08
で、通常間仕切り壁の(Ih=0.3)の3.6倍程度
で、本発明の目的を達成するための高熱慣性体として、
十分に機能するものではない。本発明では、上記したよ
うに、火災室の周壁(窓、ドア、開口部を除く側壁が主
体)を形成する壁体に、吸熱性に優れた金属板を使用す
るものであり、火災が発生した場合に、壁体の吸熱作用
によって火災室の温度上昇を安定的に10%以上抑制す
るものであり、これによって、構造部材に対する熱負荷
を10%以上軽減できることから、使用する鋼材に対す
る高温強度の要求水準を下げることができ、鋼材コスト
を大幅に低減して、高温強度上問題のない鉄骨構造によ
る建築物を実現することができる。
すような鋼板、中空層、鋼板の3層構造を有するものが
存在するが、専ら防火性(遮炎、遮熱性)や遮音性を高
める目的で用いられるものであり、使用される鋼板は、
厚みが最大でも0.6mmと薄く、熱慣性Ih=0.92
で、通常間仕切り壁の(Ih=0.3)の3.1倍程度
で、本発明の目的を達成するための高熱慣性体として、
十分に機能するものではない。また、防火戸(開口部に
設ける防火扉などの防火設備)においても、鋼板、中空
層、鋼板の3層構造を有するものが多用されており、特
定防火設備(60分の遮炎性を有するもの)と、特定防
火設備以外の防火設備(20分の遮炎性を有するもの)
の2種に区分される。これらについても、防火性(遮
炎、遮熱性)を目的としたものであり、使用される鋼板
は、厚みが最大で1.5mmで、熱慣性Ih=1.08
で、通常間仕切り壁の(Ih=0.3)の3.6倍程度
で、本発明の目的を達成するための高熱慣性体として、
十分に機能するものではない。本発明では、上記したよ
うに、火災室の周壁(窓、ドア、開口部を除く側壁が主
体)を形成する壁体に、吸熱性に優れた金属板を使用す
るものであり、火災が発生した場合に、壁体の吸熱作用
によって火災室の温度上昇を安定的に10%以上抑制す
るものであり、これによって、構造部材に対する熱負荷
を10%以上軽減できることから、使用する鋼材に対す
る高温強度の要求水準を下げることができ、鋼材コスト
を大幅に低減して、高温強度上問題のない鉄骨構造によ
る建築物を実現することができる。
【0012】
【実験例1】以下に、本発明の実験例(理論計算)につ
いて、図2に基づいて説明する。この実験例は、鋼板の
熱慣性を確認するためのものであり、ここでは、図1に
示すような鋼板、中空層、鋼板の3層から構成される壁
体の熱慣性と鋼板の厚さの関係を示す。ただし、ここで
は、鋼板、中空層(空気層で厚さ50mm)、非加熱側空
気層に関する熱慣性の標準値をそれぞれ16.7、0.
189、0.82(kW・s1/2/m 2・K)、熱吸収に必要な
厚さを、それぞれ182.4mm、∞、∞とし、壁体の熱
慣性を式(3)、(4)により算定した。 Ih(i+1)=√kρc(i+1)+{√kρc(i)−√kρc(i+ 1)}×LLp(i) (3) LLp(i)=L(i)/Lp(i)+L(i+1)/Lp(i+1) (4) ここに、Ih(i)は加熱を受ける側から第i番目の層
まで合成した場合の壁体の熱慣性、LLp(i)は、同
じく壁体の無次元厚さ、√kρc(i)は加熱を受ける
側から第i番目の層の材料の熱慣性の標準値、Lp
(i)は同じく熱吸収に必要な厚さ、L(i)は同じく
材料の厚さとし、式(4)で表される壁体の無次元厚さ
が1以上になるまで合成を繰り返す。このようにして得
られた、鋼板の厚さ(L)と壁体の熱慣性(kW・s1/2/m
2・K)との関係は、図2に示した通りである。
いて、図2に基づいて説明する。この実験例は、鋼板の
熱慣性を確認するためのものであり、ここでは、図1に
示すような鋼板、中空層、鋼板の3層から構成される壁
体の熱慣性と鋼板の厚さの関係を示す。ただし、ここで
は、鋼板、中空層(空気層で厚さ50mm)、非加熱側空
気層に関する熱慣性の標準値をそれぞれ16.7、0.
189、0.82(kW・s1/2/m 2・K)、熱吸収に必要な
厚さを、それぞれ182.4mm、∞、∞とし、壁体の熱
慣性を式(3)、(4)により算定した。 Ih(i+1)=√kρc(i+1)+{√kρc(i)−√kρc(i+ 1)}×LLp(i) (3) LLp(i)=L(i)/Lp(i)+L(i+1)/Lp(i+1) (4) ここに、Ih(i)は加熱を受ける側から第i番目の層
まで合成した場合の壁体の熱慣性、LLp(i)は、同
じく壁体の無次元厚さ、√kρc(i)は加熱を受ける
側から第i番目の層の材料の熱慣性の標準値、Lp
(i)は同じく熱吸収に必要な厚さ、L(i)は同じく
材料の厚さとし、式(4)で表される壁体の無次元厚さ
が1以上になるまで合成を繰り返す。このようにして得
られた、鋼板の厚さ(L)と壁体の熱慣性(kW・s1/2/m
2・K)との関係は、図2に示した通りである。
【0013】図2に示すように、例えば上記の防火性
(遮炎、遮熱性)や遮音性を高める目的で用いられる厚
さが0.6mmの鋼板の場合は壁体の熱慣性Ih=0.9
2となり、通常間仕切り壁の(Ih=0.3)の3.1
倍を示す。また、防火戸(開口部に設ける防火扉などの
防火設備)における鋼板の厚さが1.5mmの場合は、壁
体の熱慣性Ih=1.08となり、通常間仕切り壁の
(Ih=0.3)の3.6倍を示す。本発明では、火災
室温度を10%以上安定的に下げるために、壁体の熱慣
性を通常間仕切り壁のIhの4.0倍、すなわち壁体の
熱慣性Ih=1.2以上にするものであるが、この条件
を満たす鋼板の厚さは、図2から、2.2mm以上である
ことが分かる。本発明における吸熱壁体を鋼板で形成す
る場合の鋼板の厚さについては、対象の建築物の用途、
室面積、窓やドアの開口部条件、火災時の温度レベル、
鉄骨構造を形成する構造部材条件などによって適性範囲
が異なるが、十分に評価できる効果を得るためには、
1.5mm超であることが好ましく、加工性、施工性、コ
ストなどを考慮した場合、上限は3.0mm程度までとす
ることが好ましい。
(遮炎、遮熱性)や遮音性を高める目的で用いられる厚
さが0.6mmの鋼板の場合は壁体の熱慣性Ih=0.9
2となり、通常間仕切り壁の(Ih=0.3)の3.1
倍を示す。また、防火戸(開口部に設ける防火扉などの
防火設備)における鋼板の厚さが1.5mmの場合は、壁
体の熱慣性Ih=1.08となり、通常間仕切り壁の
(Ih=0.3)の3.6倍を示す。本発明では、火災
室温度を10%以上安定的に下げるために、壁体の熱慣
性を通常間仕切り壁のIhの4.0倍、すなわち壁体の
熱慣性Ih=1.2以上にするものであるが、この条件
を満たす鋼板の厚さは、図2から、2.2mm以上である
ことが分かる。本発明における吸熱壁体を鋼板で形成す
る場合の鋼板の厚さについては、対象の建築物の用途、
室面積、窓やドアの開口部条件、火災時の温度レベル、
鉄骨構造を形成する構造部材条件などによって適性範囲
が異なるが、十分に評価できる効果を得るためには、
1.5mm超であることが好ましく、加工性、施工性、コ
ストなどを考慮した場合、上限は3.0mm程度までとす
ることが好ましい。
【0014】
【実験例2】この実験例では、図1に示すように鋼板に
よりパネル状に形成した壁体で形成した間仕切り壁を対
象として、火災室温度の低減効果を確認するために、教
室用途の場合で、床面積および天井面積が72m2、開
口面数が1面(面積31.5m2)の場合で、耐火性能
検証法に基づいて、図1に示したような火災温度推移を
する区画火災を模した数値実験を行い、鋼板の厚さと火
災室温度の変化を調査した。実験結果を、比較例による
場合とともに図3に示す。 [実験条件] 間仕切り壁の総面積:87.5m2 実験対象壁体の面積率(間仕切り壁の総面積/床面積と
天井面積の和):60% 床材:デッキプレート合成床版 天井仕上げ:岩綿吸音板(厚さ12.5mm) 床仕上げ:タイルカーペット(厚さ7mm)
よりパネル状に形成した壁体で形成した間仕切り壁を対
象として、火災室温度の低減効果を確認するために、教
室用途の場合で、床面積および天井面積が72m2、開
口面数が1面(面積31.5m2)の場合で、耐火性能
検証法に基づいて、図1に示したような火災温度推移を
する区画火災を模した数値実験を行い、鋼板の厚さと火
災室温度の変化を調査した。実験結果を、比較例による
場合とともに図3に示す。 [実験条件] 間仕切り壁の総面積:87.5m2 実験対象壁体の面積率(間仕切り壁の総面積/床面積と
天井面積の和):60% 床材:デッキプレート合成床版 天井仕上げ:岩綿吸音板(厚さ12.5mm) 床仕上げ:タイルカーペット(厚さ7mm)
【0015】(1)不燃ボード(Ih=0.3)による
パネル材で形成した壁体により間仕切り壁を形成した比
較例1の場合では、不燃ボードの厚さが6mm以上の場合
では、厚さに関係なく、火災室の最高温度は970℃に
達する。 (2)厚さ0.6mmの鋼板によるパネル材で形成した壁
体により間仕切り壁を形成した比較例2の場合では、火
災室の最高温度は比較例1の98%(約950℃であっ
た。 (3)厚さ1.5mmの鋼板によるパネル材で形成した壁
体により間仕切り壁を形成した比較例3の場合では、火
災室の最高温度は比較例1の93%(約900℃であっ
た。 (4)厚さ1.5mm超〜3.0mmの鋼板によるパネル材
で形成した壁体により間仕切り壁を形成した本発明の実
験例では、火災室の最高温度は比較例1の93〜86.
5%(約900〜840℃)であった。 これらの実験結果から、本発明の実験例による場合に
は、不燃ボード(Ih=0.3)による壁体を用いた比
較例1の場合に比較して火災室の最高温度を100℃程
度、厚さ0.6mmの鋼板による壁体を用いた比較例2の
場合に比較して火災室の最高温度を80℃程度、また、
厚さ1.5mmの鋼板による壁体を用いた比較例3に比較
して最大60℃程度、火災室の最高温度を下げられるこ
とが確認できる。
パネル材で形成した壁体により間仕切り壁を形成した比
較例1の場合では、不燃ボードの厚さが6mm以上の場合
では、厚さに関係なく、火災室の最高温度は970℃に
達する。 (2)厚さ0.6mmの鋼板によるパネル材で形成した壁
体により間仕切り壁を形成した比較例2の場合では、火
災室の最高温度は比較例1の98%(約950℃であっ
た。 (3)厚さ1.5mmの鋼板によるパネル材で形成した壁
体により間仕切り壁を形成した比較例3の場合では、火
災室の最高温度は比較例1の93%(約900℃であっ
た。 (4)厚さ1.5mm超〜3.0mmの鋼板によるパネル材
で形成した壁体により間仕切り壁を形成した本発明の実
験例では、火災室の最高温度は比較例1の93〜86.
5%(約900〜840℃)であった。 これらの実験結果から、本発明の実験例による場合に
は、不燃ボード(Ih=0.3)による壁体を用いた比
較例1の場合に比較して火災室の最高温度を100℃程
度、厚さ0.6mmの鋼板による壁体を用いた比較例2の
場合に比較して火災室の最高温度を80℃程度、また、
厚さ1.5mmの鋼板による壁体を用いた比較例3に比較
して最大60℃程度、火災室の最高温度を下げられるこ
とが確認できる。
【0016】
【発明の効果】本発明は、火災を受ける可能性のある鉄
骨構造の建築物において、火災室周壁を、吸熱特性に優
れた金属板、例えば厚み1.5〜3.0mmの鋼板で形成
することによって、火災時の火災室温度の上昇を10%
以上抑制することができ、構造部材に対する熱負荷を軽
減して、これらの構造部材の高温強度に対する規制を緩
和し、高温強度ランクを下げることにより構造部材コス
トの大幅低減を可能にする。また、室周壁自体の耐火性
も高めることができ、建築物全体の火災による機能低下
の防止を可能にする。
骨構造の建築物において、火災室周壁を、吸熱特性に優
れた金属板、例えば厚み1.5〜3.0mmの鋼板で形成
することによって、火災時の火災室温度の上昇を10%
以上抑制することができ、構造部材に対する熱負荷を軽
減して、これらの構造部材の高温強度に対する規制を緩
和し、高温強度ランクを下げることにより構造部材コス
トの大幅低減を可能にする。また、室周壁自体の耐火性
も高めることができ、建築物全体の火災による機能低下
の防止を可能にする。
【図1】本発明で用いる鋼板によるパネル状の壁体例を
示す立体説明図。
示す立体説明図。
【図2】本発明の実験例1の実験結果から得られた壁体
熱慣性と鋼板厚さとの関係を示す説明図。
熱慣性と鋼板厚さとの関係を示す説明図。
【図3】本発明の実験例2の実験結果から得られた鋼板
厚さと火災室温度の低減率の関係を示す説明図。
厚さと火災室温度の低減率の関係を示す説明図。
【図4】公知の角形鋼管柱とH形鋼梁のボルト接合構造
例を示す立体説明図。
例を示す立体説明図。
【図5】一般建築物における典型的な区画火災での火災
温度推移を示す説明図。
温度推移を示す説明図。
【図6】一般建築物で壁、天井で壁体に用いられている
不燃ボードや主として床に用いられている、デッキプレ
ート合成床版の厚さと熱慣性の実効値の関係を示す説明
図。
不燃ボードや主として床に用いられている、デッキプレ
ート合成床版の厚さと熱慣性の実効値の関係を示す説明
図。
1 角形鋼管柱 2a 上側スプリ
ットティ 2b 下側スプリットティ 3 ボルト 4 H形鋼梁 4a 上フランジ 4b 下フランジ 5 ボルト 6a、6b 鋼板 7 スペーサー 8 空気層
ットティ 2b 下側スプリットティ 3 ボルト 4 H形鋼梁 4a 上フランジ 4b 下フランジ 5 ボルト 6a、6b 鋼板 7 スペーサー 8 空気層
Claims (5)
- 【請求項1】 火災を受ける可能性のある鉄骨構造の建
築物において、火災室の周壁を形成する壁体を、吸熱性
の良好な金属板で形成して、この金属板による吸熱作用
によって火災発生時の火災室の温度上昇を抑制すること
を特徴とする火災室温度の低減方法。 - 【請求項2】 火災を受ける鉄骨構造の室構造体であっ
て、周壁を吸熱性の良好な金属板による吸熱壁体によっ
て形成したことを特徴とする火災室構造体。 - 【請求項3】 金属板が、中空層を介して複層に形成し
たものであることを特徴とする請求項2に記載の火災室
構造体。 - 【請求項4】 中空層に金属板より比熱、熱伝導率の大
きい高熱吸収材を充填したことを特徴とする請求項2ま
たは請求項3に記載の火災室構造体。 - 【請求項5】 吸熱壁体を形成する金属板が、厚みが
1.5mm超〜3.0mmの鋼板であることを特徴とする請
求項2〜請求項4のいずれかに記載の火災室構造体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002093851A JP2003293481A (ja) | 2002-03-29 | 2002-03-29 | 火災室温度の低減方法および火災室構造体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002093851A JP2003293481A (ja) | 2002-03-29 | 2002-03-29 | 火災室温度の低減方法および火災室構造体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003293481A true JP2003293481A (ja) | 2003-10-15 |
Family
ID=29238121
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002093851A Withdrawn JP2003293481A (ja) | 2002-03-29 | 2002-03-29 | 火災室温度の低減方法および火災室構造体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003293481A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20030033108A (ko) * | 2001-10-18 | 2003-04-30 | 요하네스 바게네더 | 화재 하중을 받고 있는 지지 시스템의 지지 안정성을입증하기 위한 방법 |
-
2002
- 2002-03-29 JP JP2002093851A patent/JP2003293481A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20030033108A (ko) * | 2001-10-18 | 2003-04-30 | 요하네스 바게네더 | 화재 하중을 받고 있는 지지 시스템의 지지 안정성을입증하기 위한 방법 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20050607 |