JP2003292454A - 組み換えコロニー刺激因子−1の使用 - Google Patents

組み換えコロニー刺激因子−1の使用

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JP2003292454A
JP2003292454A JP2003092896A JP2003092896A JP2003292454A JP 2003292454 A JP2003292454 A JP 2003292454A JP 2003092896 A JP2003092896 A JP 2003092896A JP 2003092896 A JP2003092896 A JP 2003092896A JP 2003292454 A JP2003292454 A JP 2003292454A
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ラルフ ピーター
Kong T Chong
ティー. チョン コン
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Sharon Lea Aukerman
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ビー. リング デビッド
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Abstract

(57)【要約】 【課題】真菌感染を治療するための組成物を提供するこ
と。 【解決手段】コロニー刺激因子CSF−1は細菌性、ウ
イルス性又は真菌性感染、新生物、白血球減少症、創傷
の予防及び治療において、並びに化学療法により誘導さ
れるか又は他の原因による免疫抑制の克服において有用
なリンフォカインである。CSF−1は、この蛋白質を
コードするネズミ及びヒトDNA配列のクローニング及
び発現を含む組換法により使用可能な量で得られる。ま
た、本発明は、組み換えCSF−1を1種または2種以
上の抗真菌剤とともに含んで成る医薬組成物を提供す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、組み換え的に生
産されたヒトコロニー刺激因子−1(CSF−1)の種
々の治療的使用に関する。
【0002】
【従来の技術】 マクロファージおよび/または顆粒球
への骨髄の先祖細胞の成長および発育を刺激する種々の
組織の中で非常に低い濃度で生産される特定の因子の能
力は、ほぼ15年間知られてきている。多数の種からの
血清、尿の試料、および組織の抽出物の中のこのような
因子の存在は、半固体の培養培地の中でプレートした骨
髄細胞によりコロニー形成の刺激を測定するin vi
troのアッセイを使用して証明することができる。許
容されうるin vivoのアッセイは存在しない。こ
れらの因子はこのようなコロニーの形成を誘発するの
で、集合的にコロニー刺激因子(CSF)と呼ばれてき
ている。
【0003】より最近、生ずるコロニーの中に見いださ
れる細胞の型に従い定義できるヒトCSFのタンパク質
の少なくとも4つのサブクラスが存在することが示され
た。1つのサブクラスのCSF−1は、主としてマクロ
ファージを含有するコロニーを生ずる。他のサブクラス
は、好中球の顆粒球およびマクロファージの両者を含有
するコロニー(GM−CSF);主として好中球の顆粒
球を含有するコロニー(G−CSF);並びに好中球お
よび好酸球の顆粒球、マクロファージ、および他の骨髄
様細胞の型(好塩基球、赤血球および巨核球)を含有す
る(IL−3)コロニーを生産する。
【0004】GM−CSFはGoughら、Natur
e(1984)309:763−767に記載されてい
る。このタンパク質はさらに、WO87/02060,
1987年4月9日公開に、伝統的癌の処置後に癌患者
を処置して白血球を再生し、及び免疫無防備化個体、例
えば、後天性免疫欠損症候群(エイズ)を有する個体に
おけるウイルス、細菌、真菌および寄生生物の感染の可
能性を減少するために有用であると記載されている。ヒ
トIL−3は、Yank,Y.C,ら、Cell(19
86)47:3によりクローニングされた。
【0005】前述のヒトCSFに類似するネズミ因子が
存在し、このような因子はすべてのこれらの細胞の型+
巨核球、赤血球およびマスト細胞を種々の組合せで含有
するネズミ骨髄細胞からのコロニーを誘発する、IL−
3と呼ぶネズミ因子を包含する。ネズミIL−3は、F
ung,M.C.ら、Nature(1984)30
7:233によりクローニングされた。参照、Yoko
ta,T.ら、Proc.Natl.Acad.Sc
i.(USA)(1984)81:1070−107
4;Wong,G.G.ら、Science(198
5)228:810−815;Lee,F.ら、Pro
c.Natl.Acad.Sci.(USA)(198
5)82:4360−4364;およびCantrel
l,M.A.ら、Proc.Natl Acad.Sc
i.(USA)(1985)82:6250−625
4。これらのCSFおよび他のものは、Decter,
T.M.Nature(1984)309:746およ
びVadasら、J.Immunol.(1983)1
30:793,Clark,S.C.,Science
(1978)236:1229、およびSachs,
L.,Science(1978)238:1374、
に概観されている。
【0006】G−CSFのクローニングおよび発現は米
国特許第4,810,643号に記載されており、そし
てヒトの口の癌組織からのG−CSFを精製する方法は
米国特許第4,833,127号に記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】 本発明は、これらの
サブクラスの第1のCSF−1の構成員であるタンパク
質の組み換え生産に関する。このサブクラスは、さら
に、他のサブクラスの生物学的活性に影響を与えない
で、CSF−1の活性を特別に抑制するための特定のラ
ジオイムノアッセイおよびラジオレセプタアッセイによ
り特性決定および描写され、そしてマクロファージ細胞
系J774はCSF−1に特異的に結合するレセプタを
含有する。これらのアッセイの説明は、Das,S.
K,ら、Blood(1981)58:630に発表さ
れた。
【0008】一般にCSF タンパク質、とくにCSF
−1を任意の有用な機能にすることがかなり困難である
ことは、それらの治療的使用を実際的にするまたは可能
とするためにさえ十分な量で、個々のかつ特性決定可能
な形態で入手不可能なことであった。本発明は、組み換
え技術により有用な量で、精製されたヒトおよびネズミ
のCSF−1を提供することによって、これらの困難を
除去し、そしてその種々の治療的使用を開示する。
【0009】エイズに悩む患者をCSF−1単独でまた
はエリスロポイエチンおよび/または抗ウイルス剤およ
び/またはIL−2との組み合わせで処置することは、
WO87/03204,1987年6月4日公開、に報
告された。米国特許第4,482,485号、1984
年11月13日発行は、ヒトの尿から単離されたCSF
は癌の処置における支持的役割のために使用できること
を述べている。さらに、欧州特許(EP)第118,9
15号、1984年9月19日発行は、癌の治療を受け
ている患者における顆粒球血症およびマクロファージ血
症の予防および治療のために、感染の予防のために、そ
して骨髄を移植された患者の処置のためにCSFを生産
することを報告している。
【0010】さらに、CSF−1は非特異的殺腫瘍活性
を刺激すると報告された(Ralphら、Immuno
biol.(1986)172:194−204)。R
alphら、Cell Immunol.(1983)
76:10−21は、線維肉腫l023、リンパ腫18
−8およびL.トロピカ(L.tropica)無鞭毛
型に対する殺腫瘍および殺微生物活性のための、マクロ
ファージの活性化において直ちの直接の役割をもたない
と報告した。Ralphら、Cell Immuno
l.(1987)105:270−279は、ネズミ肉
腫TU5標的へのCSF−1単独の遅延した殺腫瘍作用
およびCSF−1とリンフォカインとの組み合わせの付
加された殺腫瘍作用を報告している。継続中の米国出願
第126,221号、1988年2月18日出願、は、
免疫系を刺激するためのCSF−1およびG−CSFの
相乗作用を開示している。
【0011】さらに、Warrenら、J.of Im
munol.(1986)137:2281−2285
は、CSF−1がインターフェロンの単球生産、TNF
およびコロニー刺激活性を刺激することを開示してい
る。Leeら、J.of Immunol.(198
7)138:3019−3022は、ネズミのマクロフ
ァージにおけるウイルスの感染に対するCSF−1誘発
耐性を開示している。
【0012】本発明の1つの面において、バクテリア、
ウイルスまたは真菌により引き起こされるものを包含す
る、哺乳動物において多数の感染症に対する耐性を誘発
するCSF−1の能力に基づく治療的処置を開示する。
なおさらに他の面は、創傷の治癒において使用するため
の組織の損傷の修復を促進するCSF−1の能力に関す
る。最後に、本発明は、腫瘍の悩みを処置するために有
効量のCSF−1を使用することによって、哺乳類にお
ける腫瘍細胞を処置する方法を提供する。本発明の1つ
の面において、本発明は、すべてが2官能性抗体により
仲介される、腫瘍細胞に対してヒトエフェクター細胞、
例えば、骨髄由来細胞、組織マクロファージ、または末
梢血液単核細胞を使用して、抗体依存性ターゲテッド細
胞の細胞障害性の刺激を増大する方法に関する。さら
に、本発明は、CSF−1またはそれとサイトカイン、
リンフォカインとの混合物、または前述の種々の応用に
おいて使用するための賦形剤との混合物を含んでなる医
薬組成物に関する。
【0013】
【課題を解決するための手段】(1)本発明の医薬組成
物は、コロニー刺激因子−1(CSF−1)を含んでな
る、ヒトにおける真菌の感染を治療するための医薬組成
物を包含する。 (2)1つの実施態様において、本発明は、上記感染
が、カンジダ属(Candida)、アスペルギルス属
(Aspergillus)、クリプトコックス属(C
ryptococcus)、ヒストプラスマ属(His
toplasma)、コクシジオイデス属(Cocci
dioides)、パラコシジオイデス属(Parac
occidioides)、ケカビ属(Mucor)、
ロドトルラ属(Rhodotorula)、スポロロト
リクス属(Sporothrix)およびブラストミセ
ス(Blastomyces)から本質的に成る群より
選択される少なくとも1種の真菌により生ずる医薬組成
物を提供する。 (3)1つの実施態様において、本発明は、上記真菌が
カンジダ属(Candida)の種である医薬組成物を
提供する。 (4)1つの実施態様において、本発明は、組み換えC
SF−1を1種または2種以上の抗真菌剤とともに含ん
で成る医薬組成物を提供する。 (5)1つの実施態様において、本発明は、上記1種ま
たは2種以上の抗真菌剤がアンフォテリシン(Amph
otericin)B、フルコナゾール(Flucon
azole)、5フルオロ−サイトシン、ケトコナゾー
ル(Ketoconazole)、ミコナゾール(Mi
conazole)およびイントラコナゾール(Int
raconazole)から本質的に成る群より選択さ
れる、医薬組成物を提供する。 (6)1つの実施態様において、本発明は、非経口的に
投与するための医薬組成物を提供する。 (7)1つの実施態様において、本発明は、CSF−1
をボーラスの注射により、i.v.ボーラスにより、一
定の注入によるか、あるいは連続的注入により皮下投与
するための医薬組成物を提供する。 (8)1つの実施態様において、本発明は、真菌の感染
を処置するのに有効である1日のCSF−1の投与量が
0.5〜10mg/mである医薬組成物を提供する。 (9)1つの実施態様において、本発明は、真菌の感染
を処置するのに有効である上記1日のCSF−1の投与
量が0.5〜5mg/mである医薬組成物を提供す
る。 (10)1つの実施態様において、本発明は、上記CS
F−1を少なくとも14日間投与するための医薬組成物
を提供する。 (11)1つの実施態様において、本発明は、上記CS
F−1を少なくとも21日間投与するための医薬組成物
を提供する。 (12)1つの実施態様において、本発明は、上記CS
F−1を免疫抑制した個体に投与するための医薬組成物
を提供する。 (13)1つの実施態様において、本発明は、エイズま
たは他の感染のために、骨髄移植とともにまたは癌の化
学療法において与えられる化学薬物のために、あるいは
熱傷または他の主要な外傷のために、免疫抑制された個
体に上記CSF−1を投与するための医薬組成物を提供
する。 (14)1つの実施態様において、本発明は、上記CS
F−1がポリエチレングリコールに共有結合により連結
されている医薬組成物を提供する。 (15)1つの実施態様において、本発明は、上記CS
F−1が短い形のCSF又は長い形のCSFである医薬
組成物を提供する。 (16)1つの実施態様において、本発明は、日用量
0.01〜10mg/kgのCSF−1を含む医薬組成
物を提供する。
【0014】
【発明の実施の形態】 「コロニー刺激因子−1(CS
F−1またはM−CSF)」は、CSF−1についてこ
の分野において理解されている活性スペクトルを示すタ
ンパク質、すなわち、Metcalf,D.,J.Ce
ll.Pysiol.(1970)76:89の標準的
in vitroコロニー刺激アッセイに適用したと
き、一次的マクロファージのコロニーの形成を刺激する
ことができるタンパク質を意味する。天然CSF−1は
グリコシル化された二量体であり、モノマーはMetc
alfのコロニー刺激アッセイ(前掲)または種々の他
のin vitro生物活性のアッセイにおいて活性で
はないので、二量化は活性のために必要であると報告さ
れている(Ralph,P.ら、Blood(198
6)68:633;Stanley,E.R.,J.B
iol.Chem.(1977)25 2:430
5)。ここで使用するとき、CSF−1単位はタイトレ
ーション可能な範囲におけるマウス骨髄コロニーのアッ
セイにおけるコロニーの数に相当する(Ralphら、
Blood、前掲、に記載されている)。本発明の範囲
内およびCSF−1の定義内に、二量体およびモノマー
の両者の形態が包含される。モノマーの形態は、同時係
属出願のPCT WO88/08003,1988年1
0月20日公開、および米国特許第4,929,700
号、1990年5月29日発行、に記載されているよう
な適当なリフォルディング条件をin vitroで準
備することによって二量体の形態に転化することがで
き、そしてモノマーそれ自体は抗CSF−1抗体の生産
のための抗原として有用である。
【0015】いくらかの種特異性が存在するように思わ
れる:ヒトCSF−1はヒトおよびネズミの両者の骨髄
細胞で作用可能である;ネズミCSF−1はヒト細胞で
活性を示さない。したがって、「ヒト」CSF−1は、
Das,1981、前掲、の特異的ネズミラジオリセプ
ターアッセイにおいて陽性であるが、必然的に完全な相
関関係があるわけではない。タンパク質の生物学的活性
は、一般に、またヒト尿CSF−1に対する中和抗血清
によって阻害されるであろう(Das,1981、前
掲)。しかしながら、ある種の特別の場合(例えば、特
定の抗体調製物は生物学的機能に必須ではないCSF−
1のエピトープを認識することができ、そして前記エピ
トープは試験する特定のCSF−1のムテインの中に存
在しない)において、この基準は満足されないことがあ
る。
【0016】CSF−1のある種の他の性質は、より最
近認識されてきており、ネズミのマクロファージからの
系列Eのプロスタグランジン類、インターリューキン−
1およびインターフェロンの分泌を刺激するこのタンパ
ク質の能力を包含する(Moore,R.ら、Scie
nce(1984)223:178)。これらの後者の
活性についてのメカニズムは現在理解されておらず、そ
してここにおいて定義する目的で、定義を満足する基準
は、出発物質として適当な種からの骨髄細胞を使用し
て、単球/マクロファージのコロニーの形成を刺激する
能力にあり、そしてほとんどの環境(上を参照)下で、
精製されたヒト尿CSF−1に対する中和抗血清によっ
てこの活性の阻害を示し、そして、種の型について適当
ならば、ラジオリセプターアッセイにおいて陽性の応答
を示す。(CSF−1の増殖作用は単核食細胞の系統の
細胞に制限されること(Stanley,E.R.,T
heLymphokines(1981),Stewa
rt,W.E.,II、ら、編、Humana Pre
ss、ニュージャージイ州クリフトン)、pp..10
2−132)およびCSF−1のためのリセプターはこ
の系統の細胞(Byrnc,P.V.ら、Cell.B
iol.(1981)91:848)、胎盤のトロホブ
ラストおよびいくつかの他の細胞の上に見いだされるこ
とが知られている)。
【0017】「有効量」は、特定した機能を実行する、
例えば、腫瘍細胞を殺すか、あるいは腫瘍負荷を減少
か、あるいは感染症を予防または治癒するために有効な
量を意味する。
【0018】「治療的処置」は、病気にかかった後の被
検体を処置することを示し、そして予防的治療を包含す
る。
【0019】「哺乳動物」は、任意の哺乳動物の種を示
し、そしてウサギ、マウス、イヌ、ネコ、霊長類および
ヒト、好ましくはヒトを包含する。
【0020】「免疫抑制」は、感染、化学的物質、熱
傷、主要な外傷、または照射による、免疫応答の予防ま
たは減少を意味する。
【0021】「発現系」は、所望のコード配列および調
節配列を作用可能な連鎖で含有するDNA配列を呼び、
こうしてこれらの配列で形質転換された宿主はコードさ
れたタンパク質を発現することができる。形質転換を実
施するために、発現系をベクターの中に含めることもで
きるが、次いで関係するDNAを宿主の染色体の中に組
み込むことができる。
【0022】ここで使用するとき、「細胞」、「細胞
系」および「細胞培養物」は互換的に使用し、そしてす
べてのこのような表示は子孫を包含する。こうして「形
質転換体」または「形質転換された細胞」は、被検体の
一次的細胞および、継代の数に無関係に、その細胞から
誘導された培養物を包含する。また、すべての子孫は、
意図的なまたは不注意な突然変異のために、DNA含量
が正確な同一でないことがある。もとの形質転換された
細胞においてスクリーニングしたのと同一の機能を有す
る突然変異体子孫が含められる。別の表示を意図する場
合、文脈から明らかであろう。
【0023】ここにおいて述べる、すべての特許、特許
出願および刊行物は、前掲および後掲の両者を含めて、
ここに詳しく引用によって加える。
【0024】CSF−1は明らかに多数の形態で存在
し、それらのすべては本発明の態様の中に含められる。
3つの異なる長さ(256 アミノ酸:554 アミノ
酸:および438 アミノ酸)のCSF−1のpre−
pro−ポリペプチドをコードするヒトCSF−1のc
DNAのクローンは、単一のCSF−1遺伝子を発現す
る細胞から単離された(参照、米国特許第4,847,
201号、1989年7月11日発行および米国特許第
4,868,119号、1989年9月19日発行:W
ong,G.G.ら、Science(1987)23
5:1504,Kawasakiら、Science
(1985)230:291;Ladnerら、EMB
O J.(1987)6:2693;Cerrtti,
D.P.ら、Microbiol.Immunol.
(1988)25:761。ここにおいて開示する治療
において有用なCSF−1タンパク質は、また、例え
ば、長い形態の、238におけるLys残基、249に
おけるArg残基、および411におけるArg残基を
包含する、タンパク質分解によりプロセシングされるこ
とができる。CSF−1は1または2以上のC−末端が
欠失された形態で天然に存在する。さらに、最初の2ま
たは4アミノ酸を欠如するCSF−1タンパク質は、ヒ
ト細胞系AGR−ON(CEM−ONに等しい;ATC
C No.CRL−8199:Takahashi,
M.ら、Biochem.Biophys.Res.C
omm.(1988)152:1401および米国特許
第4,675,291号、1987年6月23日発行)
の上澄み液から活性な形態で単離された。アミノ酸14
5をコードするモノマーを含むCSF−1タンパク質は
in vitro生物学的活性を有することが報告され
た(欧州特許公開第261,592号、1988年3月
30日公開)。いくつかの生物学的活性は、アミノ酸1
32をコードするモノマーから構成された二量体のCS
F−1タンパク質について報告された(欧州特許(E
P)第328,061号、1989年8月16日公
開)。モノマーのCSF−1ポリペプチド(C−末端に
おいて切断されているか否かにかかわらず)を、また、
リフォルディングしてマルチマー、最も頻繁には二量体
を形成することができる。
【0025】天然ヒト尿CSF−1は、45〜90kD
の高度にグリコシル化された二量体として、源、測定法
および報告者の同一性に依存して単離された。Wong
ら(前掲)により報告された、組み換え的に生産された
未グリコシル化CSF−1は、ほぼ21kDの分子量を
有するように思われる。他方において、Kawasak
iら(前掲)(参照、米国特許第4,847,201号
(前掲)およびPCT公開第WO86/04607号、
1986年8月14日公開)によりCSF(SCSF)
の「短い」224アミノ酸について推定されたアミノ酸
配列に基づいて推定された分子量は、26kD程度であ
るが、「長い」アミノ酸の形態(LCSF)のそれは5
5kD程度である(Wongら(前掲);Ladner
ら(前掲);欧州特許(EP)第272,779号、1
988年6月29日公開;およびPCT公開第WO87
/06954号、1987年11月19日公開)。これ
らの遺伝子の欠失された構成体をE.coliの中で発
現する場合(グリコシル化が起こらない場合)、それら
はもちろんかなり低い分子量のタンパク質を生ずるであ
ろう。
【0026】本発明において有用なCSF−1タンパク
質の1の他の形態は、米国特許第4,847,325号
に記載されているポリマー接合CSF−1を包含する。
欧州特許(EP)第249,477号、1987年12
月16日公開に開示されているトランスメンブレイン領
域欠失突然変異体および欧州特許(EP)第272,7
79号、前掲、に開示されているグリコシル化部位欠失
突然変異体もまた、現在開示する治療に有用であると考
えられる。
【0027】種々の源からこれらの種々の形態のCSF
−1を生産する方法は、米国特許第4,879,227
号、1989年11月7日発行;WO86/04587
号、1986年8月14日公開;WO89/10407
号、1989年11月2日公開;WO88/08003
号:前掲および欧州特許(EP)第276,551号、
1988年8月3日公開、に報告されている。
【0028】ATG開始コドンが直ぐ前に存在するバク
テリアで生産された成熟タンパク質は、N−末端のメチ
オニンを含むか、あるいは含まないことができること
は、もちろん、知られており、そして欧州特許(EP)
第272,779号、前掲、に示されているように、残
基1および2(両者はグルタミン酸)または残基1〜3
(Glu−Glu−Val)の欠失はこのように役立
つ。欠失は▼および引き続くN−末端配列から欠失され
たアミノ酸数、あるいはアミノ酸がC−末端配列から欠
失されるとき、残りのアミノ酸の数で記載される。こう
して、最初の2および最初の3残基の欠失を有する前述
のN−末端の欠失は、それぞれ、N▼2およびN▼3と
表示される。例えば、長さ150,158,190およ
び221 アミノ酸のタンパク質を生ずるCSF−1の
C−末端の切頭は、それぞれ、C▼150,C▼15
8,C▼190およびC▼221と呼ばれる。3アミノ
酸のN−末端の欠失を有するLCSFから誘導された2
21 アミノ酸のCSF−1分子は、例えば、LCSF
/N▼3C▼221と記載される。アミノ酸の置換は、
置換されるアミノ酸の位置に言及して表示される。例え
ば、Ladnerら(前掲)の第4図の中の位置157
のシステイン残基のセリンによる置換はCSF−1Se
157と呼ばれる。
【0029】要約すると、N−末端およびC−末端の欠
失および集成に加えて、鎖の中の個々のアミノ酸残基は
酸化、還元、欠失または他の誘導体化により修飾するこ
とができ、そしてまたこれらのタンパク質は切断および
/または重合して、活性を保持する二量体生成物を得る
ことができる。活性を破壊しないこのような変更は定義
からタンパク質配列を除去せず、そして実質的な同等体
として特別に包含される。他の種から誘導されたCSF
−1は、「ヒトCSF−1」の活性を有するタンパク質
の定義に、ヒト基質に関する前述の要求される活性のパ
ターンのその表示のおかげで適合することができる。
【0030】すべてのタンパク質の場合におけるよう
に、正確な化学的構造は多数の因子に依存する。イオン
化可能なアミノおよびカルボキシル基が分子の中に存在
するので、特定のタンパク質は酸性または塩基性の塩と
して、あるいは中性の形態で得ることができる。適当な
環境的状態に置かれたとき、それらの活性を保持するす
べてのこのような調製物は、この定義の中に包含され
る。さらに、主なアミノ酸配列は、糖部分を使用して誘
導体化(グリコシル化)によるか、あるいは他の補助的
分子、例えば、脂質、ホスフェート、アセチル基などに
より、より普通には糖類、ポリエチレングリコール(P
EG)およびポリオキシエチレングリコール(POG)
との接合により米国特許第4,847,325号に示さ
れているように増大することができる。このような増大
のある種の面は、生産性宿主の翻訳後のプロセシング系
を通して達成される;他のこのような修飾はin vi
troで導入することができる。いずれの場合において
も、このような修飾は、上に定義した、二量体のタンパ
ク質の活性が破壊されないかぎり、定義の中に包含され
る。もちろん、このような修飾は、タンパク質の活性を
種々のアッセイにおいて増強または減少することによっ
て、量的または質的に活性に影響を与えることができ
る。
【0031】さらに、鎖の中で個々のアミノ酸残基は酸
化、還元または他の誘導化により修飾することができ、
そしてタンパク質を切断して活性を保持する断片を得る
ことができる。活性を破壊しないこのような変更は定義
からタンパク質配列を除去しない。
【0032】翻訳の間に配列の中に組み込まれたアミノ
酸の欠失、付加または変更による、一次構造それ自体の
修飾は、タンパク質の活性を破壊しないで、なすことが
できる。このような置換および他の変更は、「CSF−
1のそれに実質的に等しいアミノ酸配列を有する」タン
パク質の定義内に入るアミノ酸配列を有するタンパク質
を生ずる。事実、ヒトおよびネズミ由来のCSF−1タ
ンパク質は、高い相同性を表す、同一でないが、同様な
一次アミノ酸配列を有する。
【0033】本発明のCSF−1タンパク質は、先祖骨
髄細胞からの単球−前駆体/マクロファージの細胞の両
者の生産を刺激し、こうして免疫系の有効性を増強し、
そして成熟マクロファージの中のリンフォカインの分泌
のような分化する細胞の機能を刺激することができる。
【0034】1つの応用において、これらのタンパク質
は化学療法への付加物として有用である。化学療法の処
置は免疫系の抑制を生ずることが理解されるであろう。
しばしば、化学療法の処置は、腫瘍細胞の破壊において
有望であるが、骨髄細胞へのこれらの毒性剤の副作用の
ために、対象の死亡を生ずる。このような患者へのCS
F−1の投与は、骨髄由来の前駆体のマクロファージお
よび単球への成長および分化を仲介および増強しかつこ
れらの成熟細胞の機能を刺激するCSF−1の能力のた
めに、この副作用を防止し、こうして二次感染に屈する
患者の傾向を防止するために免疫系の再刺激をもたら
す。
【0035】CSF−1は、また、白血球減少症、すな
わち、白血球の合計数の減少を包含する疾患を治療する
ために使用することができる。好中球減少症は多形性の
白血球(好中球、顆粒球)に主として影響を与える欠陥
を反映し、そして種々の感染、ある種の薬物(例えば、
細胞障害性薬物)またはイオン化放射線に基づくであろ
う。こうして、CSF−1のin vivo投与を使用
して幹細胞を誘導して多形性白血球の生産を増加し、こ
うして白血球の計数を増加することができる。
【0036】このような処置により助けられる他の患者
は、骨髄移植により白血病を処置される患者を包含す
る;このような患者はしばしば拒絶反応を予防するため
に免疫抑制されている。これらの患者について、また、
免疫抑制はCSF−1の投与により逆転されることがあ
る。
【0037】一般に、化学療法、骨髄移植、または他の
形態の免疫抑制、例えば、疾患(例えば、後天性免疫欠
損症候群)のためかどうかにかかわらず、免疫抑制に悩
む対象は薬理学的使用のためのCSF−1入手可能性か
ら利益を受けるであろう。
【0038】日和見感染には免疫抑制の結果としてかか
ることがある。例えば、エイズに関係する日和見感染
は、Millsら、1990,Scientific
American 263:51−57、この開示をこ
こに引用によって加える、に記載されている。Mill
sらは、普通の一次感染は次の因子により引き起こされ
ることを示す:サイトメガロウイルス、ニューモシステ
ィス・アリニイイ(Pneumocystis car
inii)、カンジダ・アルビカンス(Candida
albicans)、水痘−帯状庖疹ウイルス、エス
パインバールウイルス、トキソプラズマ・ゴンジイ(T
oxoplasma gondii)、鳥型結核菌(M
ycobacterium avium)、クリプトコ
ッス・ネオフォルマンス(Cryptococcus
neoformans)など。著者らはまた、これらの
感染を処置するために使用される種々の薬物を記載して
いる。CSF−1をそれらの薬物の1種または2種以上
と組み合わせて、これらおよび日和見感染を処置するこ
とができると考えられる。
【0039】さらに、CSF−1をクリプトコッカル
(Crypococcal)、例えば、クリプトコッカ
ル・メニンギチス(cryptococcal men
ingitis)の感染の処置のために使用することが
思い浮かぶ。クリプトコッカル・メニンギチス(Cry
ptococcal meningitis)は米国に
おいて真菌の髄膜炎の最も普通の形態であり、そしてエ
イズの患者においてヒト免疫不全ウイルス(HIV)お
よびトキソプラズマ・ゴンジイ(Toxoplasma
gondii)後の神経学の疾患の第3の最も重要な
因子である。クリプトコックス症は米国においてエイズ
患者の5〜7%において病気の間のある時点において発
生するが、散在性クリプトコッカス症はアフリカのエイ
ズの患者の第3までにおいて発生することがある。
【0040】これらの日和見性の感染のための治療的処
置は、真菌の病気について下に記載するものと同様であ
ることができる。例えば、CSF−1は同様な投与レベ
ルかつ同一のスケジュールで投与することができる。
【0041】さらに、対象者に固有の系の量を補充する
ために前以て分化したマクロファージの増大量を投与す
ることができ、これらのマクロファージは骨髄のin
vitro培養によるか、あるいは血液の単球、または
他の適当な調製物および引き続くCSF−1の処理から
生産される。これらの調製物は、患者自身の血液の単球
または骨髄誘導細胞の調製物を包含し、これらはそのよ
うに培養し、そして局所的または全身的処置のために戻
すことができる。
【0042】CSF−1がマクロファージによるリンフ
ォカインの生産を刺激し、そして標的細胞を殺すマクロ
ファージの能力を増強する能力は、また、新形成および
感染の処置においてCSF−1を直接有用とする。その
うえ、CSF−1を使用する創傷の処置は組織の修復を
促進する。
【0043】CSF−1はネズミ由来マクロファージに
よりインターフェロンの生産を増強し(Fleit,I
I.B.ら、J.Cell.Pysiol.(198
1)108:347)、そしてMIAPaCa細胞から
のヒトの、部分的に精製されたCSF−1は、PCP
WO86/04607、前掲、に例示されているよう
に、ヒト単球からのインターフェロンおよびTNFのポ
リ(I):ポリ(C)誘発生産を刺激する。さらに、C
SF−1はヒト血液単球により骨髄様CSFの生産を刺
激する。
【0044】そのうえ、ここに記載する種々の使用のた
めに、CSF−1を他の効率よい因子と組み合わせて使
用することができ、このような因子は、例えば、IFN
−アルファ、IFN−べータ、IFN−ガンマ、IL−
2、TNF;または腫瘍を処置するためのネズミジペプ
チドおよびその類似体を包含する。
【0045】また、正常C3H/HeNマウス腹膜のマ
クロファージを刺激して、ネズミ肉腫TU5ターゲット
を殺すCSF−1(ネズミL−細胞−コンディションド
およびE.coli生産ヒト組み換えCSF−1から
の)の能力を下において証明する。CSF−1を予備処
置としておよびエフェクター相の間に使用するとき、こ
の活性は最も有効である。そのようにするCSF−1の
能力は、他のCSFが示すものより非常に大きい。
【0046】CSF−1はまた、リンフォカイン誘発の
抗体依存性細胞の細胞障害性(ADCC)またはターゲ
ッテッドADCCを腫瘍細胞に対するマクロファージま
たは天然キラー細胞により増大するために使用すること
ができる。この活性が特に効果的である場合、CSF−
1をIL−2、IFN−アルファ、IFN−べータまた
はIFN−ガンマとの組み合わせで使用される。
【0047】ターゲッテッドADCCの活性を増強する
CSF−1の能力は、抗体の種類、CSF−1の投与
量、およびエフェクター/ターゲットの比に依存すると
信じられる。ターゲッテッド細胞の細胞障害性は、細胞
障害性細胞、例えば、単球、マクロファージ、ナチュラ
ルキラー細胞などの上の細胞表面のリセプターに頼ると
考えられる。これらの細胞表面のリセプターCD16の
発現は、追加のリンフォカイン、例えば、IL−2の存
在または不存在下に、CSF−1の中のこれらのエフェ
クター細胞を培養することによって増強される。細胞障
害性細胞はターゲット細胞に対するまで上に位置付けさ
れる場合、2価の抗体は、その結合部位の1つを通して
ターゲット細胞に結合しかつその第2結合部位を通して
細胞障害性細胞上の溶菌促進リセプターに結合し、これ
により2つの細胞の型を接合しそして細胞障害性細胞が
殺しのシグナルを送り出すようにさせることによって、
このプロセスを促進することができる。「2価の抗体」
は、トリオーマ(trioma)またはハイブリッドの
ハイブリドーマ細胞系における抗体鎖のin vivo
組み換えにより生産された抗体、および2つの抗体また
は抗体断片のin vitro化学的接合により生産さ
れた抗体を包含する;後者の化学的に連鎖された抗体は
ヘテロ接合体と呼ぶ。
【0048】本発明において、このような2価の抗体は
白血球上のヒトリセプターIII(FcRIII)とし
て知られているCD16抗原をターゲットする、ハイブ
リッドのハイブリドーマ誘導二重特異性またはヘテロ接
合した抗体を包含する。3G8、ヒトFcRIIIに対
するIgGモノクローナル抗体を分泌するネズミハイ
ブリドーマは、Unkeless,J.B.ら、Ann
Rev Imm(1988)6:251に記載されて
いる。ハイブリッドのハイブリドーマ誘導二重特異性抗
体2B1を発生するために、この抗体およびモノクロー
ナル抗体520C9を使用することは、同時継続米国出
願第07/249,710号、1988年9月27日提
出、に記載されている。生ずる二重特異性抗体はCD1
6FcリセプターIII陽性細胞への結合、ならびに陽
性のプロト腫瘍遺伝子生産物crbB−2を表す肺癌細
胞への結合を示す。3G8はまた113F1抗体、肺癌
関連抗原に対するネズミモノクローナル抗体(米国特許
第4,753,894号)に化学的に交差結合され(例
えば、Karpovskyら、J.Exp.Med.
(1984)160:1686、に記載されているよう
に化学的クロスリンカーを使用して)、また、2価の特
異性を有する抗体が生成された。
【0049】このようなターゲッテッド細胞障害性のア
ッセイにおけるCSF−1のinvitro有効投与量
は10〜200ng/mlの範囲である。しかしなが
ら、そのin vivo投与量は、種々の因子、例え
ば、癌のひどさ、宿主の免疫の状態、体重、エフェクタ
ー/ターゲット細胞の比に依存し、それらの多くは場合
に応じて決定することができるだけである。CSF−1
は、全身の毒性反応を引き起こさないが、エフェクター
細胞上に強化の応答を誘発する投与量で投与すべきであ
る。
【0050】2価の抗体のin vitro有効投与量
は1ng/ml〜200ng/mlの範囲である。in
vivo投与量は、多数の因子、例えば、腫瘍の大き
さの臨床的推定、転移の程度、および活性薬物および活
性化された細胞の生物分布に依存する。有効なin v
itroエフェクター/細胞の比はほぼ10:1〜8
0:1である。実際のエフェクター/ターゲットの比i
n vivoは、エフェクター細胞および抗体への腫瘍
の接近可能性に依存する。
【0051】さらに、ウイルス、例えば、ヘルペスウイ
ルスの属、例えば、サイトメガロウイルスを包含する感
染性生物体;グラム陰性セプシスを引き起こすものを包
含するバクテリアの因子、および真菌を攻撃するネズミ
細胞の能力は、CSF−1により増強される。(ネズミ
CSF−1はネズミマクロファージがP815腫瘍細胞
に対して静細胞性であることを刺激する(Wing,
E.J.ら、J.Clin.Invest.(198
2)69:270)か、あるいは他の白血病のターゲッ
トを殺さない(Ralph,P.ら、Cell Imm
unol.(1983)76:10)と相反することが
報告された)。Nozawa,R.T.ら、Cell
Immunol.(1980)53:116、は、CS
F−1の調製物がマクロファージがカンジダ属(Can
dida)を摂取および殺すことを刺激することを報告
している。
【0052】さらに、CSF−1はヒトにおける真菌の
感染の処置において有効であることが発見された。これ
らの真菌の感染は、典型的には、免疫抑制された患者
(例えば、骨髄移植体、エイズを有する患者など)にお
いて発生するが、また、免疫抑制されていない個体にお
いて起こることがある。処置することができる真菌は、
次の属からのものである:カンジダ属(Candid
a)、アスペルギルス属(Aspergillus)、
クリプトコッカス属(Cryptococcus)、ヒ
ストプラスマ属(Histoplasma)、ブラスト
ミセス属(Blastomyces)、コシジオイデス
属(Coccidioides)、パラコシジオイデス
属(Paracoccidioides)、ケカビ属
(Mucor)、ロドトルラ属(Rhodotorul
a)、スポロロトリクス属(Sporothrix)、
ダーマトフィトシス属(Dermatophytosi
s)、シュードアレスケリア属(Pseudalles
cheria)、プロトセカ属(Protothec
a)、リノスポリジウム属(Rhinosporidi
um)、または菌腫またはクロモミコーシスを引き起こ
す真菌など(参照、Principles and P
ractice of Infectious Dis
eases、第3版、Madellら、Churcel
l Livigtone[1990]p.1942−2
016)。
【0053】好ましくは、CSF−1は、真菌の感染が
陰性の培養結果により決定して除去されるまで、非経口
的に投与する。CSF−1は、皮下的に、連続的注入に
より、ボーラス注射により、あるいは一定の注入により
投与することができる。「連続的注入」とは少なくとも
24時間の投与を意味し、そして「一定の注入」は24
時間以下の投与を意味する。CSF−1は好ましくは1
〜4時間持続する一定の注入を意味する。真菌の感染を
処置するために有効な1日のCSF−1の投与量は好ま
しくは0.0l〜50mg/m、より好ましくは0.
05〜10mg/m、最も好ましくは0.5〜5mg
/mである。好ましくは、CSF−1は少なくとも1
4日間、より好ましくは21〜59日間投与する。上の
処置が不都合な結果を引き起こす場合(しかしながら、
最小の効果はi.v.ボーラスにより30mg/m
日までの投与量で観測された)あるいはより効率よい結
果を示すことができる場合、他の投与のスケジュールを
また使用することができる。
【0054】好ましくは、前述したようにかつ下に詳し
く示すように、CSF−1はカンジダ属(Candid
a)およびアスペルギルス属(Aspergillu
s)の感染を処置するために使用することができる。ク
リプトコックス属(Cryptococcus)の感
染、例えば、クリプトコックスの髄膜炎は同様に処置す
ることができる。
【0055】こうして、免疫抑制それ自体を克服ことに
加えて、CSF−1はマクロファージの分泌および活性
の刺激により侵入性有機体または悪性細胞を破壊するた
めに使用できる。マクロファージの活性は抗微生物剤、
例えば、1種または2種以上の抗ウイルス、抗真菌剤ま
たは抗バクテリア剤と組み合わせたCSF−1の治療に
より増強することができる。
【0056】抗真菌剤の例は次のものを包含する:アン
フォテリシンB、フルコナゾール(Difluca
n)、5フルオロ−サイトシン(Flucytosin
e,5−FC)、ケトコナゾール、ミコナゾール、イト
ラコナゾールなど(参照、また、Madellら、前
掲、p.361−370またはMillsら、p.54
−55)。上の抗真菌剤の1つの臨床的スペクトルの例
として、典型的にはアンフォテリシンは次の真菌および
原生動物を阻害する:アスペルギルス・フミガツス(A
spergillus fumigatus)、パラコ
シジオイデス・ブラシリエンシス(Paracocci
dioides brasiliensis)、コシジ
オイデス・イミチス(Coccidioides im
mitis)、クリプトコッス・ネオフォルマンス(C
ryptococcus neoformans)、ヒ
ストプラスマ・カプスラツム(Histoplasma
capsulatum)、ムコル・ムセド(Muco
r mucedo)、ロドトルラ属(Rhodotor
ula)種、スポロロトリクス・デルマチチジス(Sp
orothrix dermatitidis)、カン
ジダ属(Candida)種、レイシュマニア属(Le
ishmania)種、およびアカンタメバ属(Aca
nthamoeba)種。抗真菌剤は、CSF−1の投
与の前に、間にまたは後に、投与することができる。こ
れらの剤の投与量は当業者に知られており、そして1日
量の範囲、例えば、アンフォテリシンBについて0.4
〜0.6mg/kg/日、フルコナゾールについて20
0mg/日〜400mg/日、5−フルオロ−サイトシ
ンについて約150mg/kg/日、そしてケトコナゾ
ールについて200mg/日〜400mg/日を包含す
る。これらの範囲は単に例示であり、そしていかなる方
法においても限定的として解釈すべきでない。また、C
SF−1は真菌の感染の処置に有効であるか、あるいは
有効であろう他の剤と組み合わせることができると考え
られる。抗真菌剤はポリマーに接合して、それらのin
vivo半減期および毒性を調節することができる、
参照、米国特許出願第365,914号、その開示の全
体をここに引用によって加える。
【0057】前述したように、CSF−1は他の抗微生
物剤、例えば、抗バクテリア剤と組み合わせることがで
きる。CSF−1と組み合わせることができる抗生物質
の例は、次のカテゴリーから選択されるものを包含す
る:β−ラクタム環(ペニシリン)、グリコシド結合に
あるアミノ糖(アミノグリコシド)、マクロサイクルの
ラクトン環(マクロリド)、ナフタセンカルボキシアミ
ドのポリサイクルの誘導体(テトラサイクリン)、ジク
ロロ酢酸のニトロベンゼン誘導体、ペプチド(バシトラ
シン、グラミシンおよびポリミキシン)、共役二重結合
系をもつ大きい環(ポリエン)、スルファニルアミドか
ら誘導されたスルファ薬物(スルホンアミド)、5−ニ
トロ−2−フラニルの群(ニトロフラン)、キノロンカ
ルボン酸(すなわち、ナリジキシン酸)、および多数の
他のもの。前述の抗生物質の群は好ましい抗生物質の例
であり、それらの群の範囲内の例は次の通りである:ペ
プチドの抗生物質、例えば、アンフォマイシン、バシト
ラシン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カプレオ
マイシン、コリスチン、ダクチノマイシン、エンヅラシ
ジン、グラミシジンA、グラミジジンJ(S)、ミカマ
イシン類、ポリミキシン類、ステンドマイシン、チオペ
プチン、チウトレプトン、チロシジン類、ビオマイシ
ン、ビルギニマイシン類、およびアクチノマイシン(参
照、化学技術の百科事典(Encyclopedia
of Chemical Technology)、第
3版、Kirk−Othmer編、Vol.2,p.9
91(1978);アミノグリコシド類、例えば、スト
レプトマイシン、ネオマイシン、パロモマイシン、ゲン
タマイシン、リボスタマイシン、トブラマイシン、アミ
カシン、およびリビドマイシン(参照、Kirk−Ot
hmer,Vol.2,p.8−19);β−ラクタム
類、例えば、ベジルペニシリン、metisilin、
オキサシリン、ヘタシリン、ピペラシリン、アモキシリ
ン、およびカルベニシリン(参照、Kirk−Othm
er,Vol.2,p.871);クロランフェニコー
ル(参照、Kirk−Othmer,Vol.2,P.
920);リンコサミニド類、例えば、クリンダマイシ
ン、リンコマイシンセレスセチン、デサリセチン(参
照、、Kirk−Othmer,Vol.2,p.93
0);マクロリド類、例えば、エリスオマイシンA−
E、ランカマイシン、ロイコマイシン、およびピクロマ
イシン(参照、Krrk−Othmer,Vol.2,
p.937);ヌクレオシド類、例えば、5−アザシチ
ジン、アミセチン、プロマイシン、およびセプタシジン
(参照、、Kirk−Othmer,Vol.2,p.
962);オリゴ糖類、例えば、クラマイシン、および
エベルニノミシンB(参照、、Kirk−Othme
r,Vol.2,p.986);フェナジン類、例え
ば、ミキシン、ロモフンギン、イオジニンなど(参照、
Kirk−Othmer,Vol.3,p.1);ポリ
エン類、例えば、アンフォテリシン類、カンジシジン、
ニスタチンなど(参照、Kirk−Othmer,Vo
l.3,p.21);ポリエーテル類(参照、Kirk
−Othmer,Vol.3,p.47);テトラサイ
クリン類、例えば、クロロテトラサイクリン、オキシテ
トラサイクリン、デメクロシクリン、メタサイクリン、
ドキシサイクリン、およびミノサイクリン(参照、、K
irk−Othmer,Vol.3,p.65);スル
ホンアミド類、例えば、スルファチアゾール、スルファ
ジアジン、スルファピラジン、およびスルファニルアミ
ド(参照、Kirk−Othmer,Vol.2,p.
795);ニトロフラン類、例えば、ニトロフラゾン、
フラゾリジン、ニトロフラトニン、フリウム、ニトロビ
ン、およびンミフロキシム(参照、Kirk−Othm
er,Vol.2,p.790);キノロンカルボン酸
類、例えば、ナリジキシ酸、ピロミド酸、ピペミド酸、
およびオキソリン酸(参照、Kirk−Othmer,
Vol.2,p.782)。
【0058】CSF−1は、また、抗ウイルス剤、例え
ば、次のものと組み合わせることができる:アマンタジ
ン、リマンタジナリルドン、リバビリン、アシクロビ
ル、9−[(1,3−ジヒドロキシ−2−プロポキシ)
メチル]グアニ(DHPG)、ビダラビン(ARA−
A)、ガンシクロビル、エンビロキシム、フォスカーネ
ト、インターフェロン(アルファ−、べータ−およびガ
ンマ−)、アンプリゲン、ポドフォルロトキシン、2,
3−ジドキシシトジン(DDC)、ヨードデオキシウリ
ジン(IDU)、トリフルオロチミジン(TFT)、ジ
デオキシイノシン:ddI)、ジデオキシサイトジン
(ddC)、ジドブジンおよび特定の抗ウイルス性免疫
グロブリン類(参照、Sanford,J,P.,Gu
ide toAntimicrobial Thera
py, West Bethesda: Antimi
crobia Therapy,Inc.,1989,
pp.88−93;およびHarrison’s Pr
inciples of Intornal Medi
cine、第11版、Braunwald,E.ら編、
ニューヨーク;McGraw Hill Book C
o.,1987,PP668−672)。
【0059】最後に、CSF−1は、局所的または全身
的に適用したとき、創傷の治癒のための組織の修復を促
進するために使用できる。CSF−1はマクロファージ
を補充し(Wang,J.M.ら、J.Immuno
l.(1988)141:575)ならびにマクロファ
ージを誘発して結合組織の成長因子、例えば、血小板誘
導成長因子(PDGF)、および活性因子、例えば、腫
瘍壊死因子(TFN)を、細胞増殖の刺激として、提供
することができる。創傷のマクロファージは、線維増
殖、コラーゲンの合成、および脈管形成をin viv
oで刺激する物質を解放すると報告された(Hunt
T.K.ら、Surgery(1984)96:4
8)。
【0060】本発明のCSF−1は、タンパク質物質の
投与する分野において標準の普通の方法で配合すること
ができる。注射による投与は1つの好ましいルートであ
る;そしてこのような配合物は、溶液または懸濁液、乳
濁液、または注射可能なまたはゲルの配合物に再構成す
るための固体の組成物を包含する。適当な賦形剤は、例
えば、リンゲル溶液、ハンク溶液、水、生理食塩水、グ
リセロール、デキストロースまたはマンニトール溶液な
どを包含する。CSF−1の液体の溶液は創傷の包帯の
上または下に直接使用することができるが、再構成され
た組成物は創傷の治癒のための軟膏、ゲル配合物、泡沫
剤などに有用である。再構成された配合物は、創傷部位
にCSF−1のためのコントロールされた供給系を提供
する。コントロールされた解放は、延長された期間、例
えば、24時間またはそれ以上、好ましくは24〜72
時間にわたって治療的レベルを維持するために十分な薬
物の解放を意味する。成長因子の接触時間の増加は、創
傷の治癒速度の有意な増加を達成するために必要である
ことがある。
【0061】さらに、本発明のCSF−1は細胞の調製
物と予備インキュベーションして適当な応答を刺激する
ことができ、そして全体の調製物またはそれからの上澄
み液を被検体に導入することができる。下に示すよう
に、種々の型の血球によりCSF−1の刺激に応答して
生産された物質は所望のターゲットに対して有効であ
り、そして侵入性有機体または新形成を攻撃する血球そ
れら自体の性質は増強されることができる。被検体自身
の細胞を抜き出しそしてこのようにして使用することが
できるか、あるいは、例えば、他の適合性の個体からの
単球またはリンパ球を包含するにおいて使用することが
できる。
【0062】前に、とくに米国特許第4,874,20
1号(前掲)に開示されている主題に関して前述したよ
うに、多数のヒトCSF−1タンパク質のための完全な
コード配列は今回入手可能であり、そして種々の宿主系
に適用可能な発現ベクターは構成され、そして解読配列
は発現された。米国特許第4,874,201号におい
て提供された発現系に加えて、バキュロウイルスにより
提供されたコントロール系を利用する昆虫の細胞を使用
して発現系は記載された(Miller,D.W.ら、
Genetic Engeneering(1986)
Setlow,J.K.ら編、Plenum Publ
ishing,Vol.8,pp.277−279、米
国特許第4,745,051号、1988年5月17日
発行、および同時継続米国出願第077,188号、1
987年7月27日提出。昆虫の細胞に基づく発現は、
スポドプテラ・フルギペイダ(Spodoptera
frugipeida)の中で実施することができる。
これらの系はまたCSF−1の生産に有望である。哺乳
動物の発現はCOS−7、CHO、マウス、およびCV
−1細胞、およびまたCV−A2、ハムスターおよびネ
ズミの細胞であることができる。
【0063】種々の利用可能な宿主、ならびにこのよう
な宿主のために適当な発現ベクターは、翻訳後のプロセ
シング合成の選択、およびこうして生産されたタンパク
質のコンフォメーションの調節を提供する環境的因子の
選択を可能とする。こうして、この情報の利用可能性は
ここに記載する種々の治療において使用するために十分
な量でCSF−1タンパク質を提供する。
【0064】前述の特許刊行物の中に開示されているベ
クターの中で、プラスミドpLCSF221A(これは
asp59LCSF/N▼3C▼221をコードする遺
伝子を含有する)およびpcCSF−17(これはSC
SFをコードする遺伝子を含有する)は、ヒトCSF−
1の、それぞれ、原核生物および真核生物の発現のため
に好ましい。E.coli株DGl16の中に形質転換
されたプラスミドpLCSF221A(以後E.col
i(221))は、ATCCCに1987年4月14日
に受け入れ番号67390で受託された。E.coli
MM294の中のpcCSF−17は、ATCCCに
1985年6月14日に受け入れ番号53149で受託
された。
【0065】また、SCSFおよびLCSFの最初の3
−150または4−150酢酸およびC−末端の欠失を
含有するアミノ酸配列、例えば、LCSF/▼221か
らなるCSF−1タンパク質が好ましい。
【0066】CSF−1の活性は、以下の実施例におい
て、部分的に精製されたMIAPaCaのCSF−1、
ネズミL細胞CSF−1、CV−1により生産された組
み換え物質またはE.coliにより生産されたヒトC
SF−1を使用して決定された。CSF−1は、誘発さ
れたヒト単球によるインターフェロン(IFN)および
腫瘍壊死因子(TNF)の生産を、10〜30倍まで増
強することが示された。CSF−1はまた、マクロファ
ージのin vitro抗腫瘍毒性を刺激し、in v
ivo腫瘍増殖を阻止し、マウスを致死的バクテリアの
感染から保護し、組織損傷のin vivo修復を促進
し、サイトメガロウイルスのin vivo増殖を阻止
し、そして酵母のin vivo増殖を阻止することが
証明された。次の実施例によって、特許請求した治療的
使用を説明する。これらの実施例は本発明を限定しな
い。
【0067】
【実施例】ヒト単球によるTNFの生産の刺激 MIAPaCaのCSF−1を上澄み液からリン酸カル
シウムゲル濾過およびレンチルレクチンクロマトグラフ
ィーにより精製した。リンフォカイン生産のアッセイの
ために、末梢血液−付着性細胞を各々10細胞を含有
する二重反復実験のフラスコの中でインキュベーション
した。1個のフラスコを1000U/mlの上のように
して精製されたCSF−1で処置した。3日後、細胞を
収獲し、洗浄し、そして5×10/mlの細胞濃度に
再懸濁し、そして24ウェルプレートの中に0.5ml
/ウェルでプレートした。ウェルを10μg/mlリポ
多糖(LPS)および20ng/mlのPMAで処理
し、そして上澄み液をTNFアッセイのために収獲し
た。CSFで処理した細胞は、未処理細胞よりほぼ9倍
高いTNFの分泌を示した(162U/mlに比較し
て、1500U/ml)。
【0068】ヒト単球によるインターフェロンの生産の
刺激 インターフェロンの生産に対するCSF−1の効果を決
定する類似する実験において、末梢血液−付着性細胞
を、前述したように、1000U/mlのCSF−1の
存在および不存在下に3日間インキュベーションし、収
獲し、5×10/mlで再懸濁させ、そして前述した
ように24ウェルのプレートの中にプレートした。イン
ターフェロンの生産のために、変化する量のポリ
(I):ポリ(C)の添加により細胞を誘発した。上澄
み液を、VSV感染したGM2504細胞への細胞変性
作用により、インターフェロンの生産についてアッセイ
した。CSF−1刺激した細胞は、50μg/mlのポ
リ(I):ポリ(C)で誘発したとき、100U/ml
の生産を示したが、同等に誘発された未処理細胞は3U
/mlより少なく生産した。
【0069】ヒト単球による骨髄様CSFの生産の刺激 単球を±CSF−1と3日間インキュベーションし、次
いで表1におけるように骨髄様CSFの生産について誘
発した。示した3つの代表的な実験において、異なるド
ナーからの血液を使用した。
【0070】
【表1】 したがって、CSF−1は骨髄様CSFまたはコロニー
刺激活性の生産を刺激する。
【0071】ネズミマクロファージによる腫瘍細胞の殺
しの刺激: 他のコロニー刺激因子に対する比較 マクロファージの刺激を測定するために、ネズミマクロ
ファージが肉腫ターゲットを殺す能力の刺激を示すアッ
セイにおいて、pcCSF−17から組み換え的に生産
されたCSF−1のためのモデルとして、L−細胞−コ
ンディショニング培地から得られたネズミCSF−1を
使用した。このアッセイにおいて、2時間の付着性C3
H/HeNマウスの腹膜のマクロファージを、CSF−
1の存在および不存在下に、1日間in vitroイ
ンキュベーションし、次いで20:1の比でH−チミ
ジン標識したマウス肉腫TU5細胞と10%(v/v)
のConAで誘発した(10μg/ml)脾臓リンフォ
カイン(LK)(これはガンマ−インターフェロンを含
有する)と一緒に混合した。このアッセイにおいてLK
調製物を精製されたガンマ−インターフェロンにより置
き換えることができる。次の48時間にわたる標識した
チミジンの解放を腫瘍細胞の殺しの測定値として使用し
た。1200U/mlのCSF−1を含有するネズミL
−細胞コンディショニング培地としてCSF−1を添加
する効果を表2に示す。
【0072】精製されたネズミCSF−1並びにCV−
1およびE.coli(221)からのrhCSF−1
もまた、このアッセイにおいて有効であった。
【0073】
【表2】 増殖の前1日または誘発期間の間にCSF−1を添加す
るかどうかにかかわらず、ターゲット細胞を殺す能力の
増加が認められた;しかしながら、最も劇的な効果は、
CSF−1がこれらの両者の期間の間に存在したときに
観察された。
【0074】単球およびマクロファージの刺激の原因と
しての汚染するバクテリアのLPSの可能性は排除され
た:適用したCSF−1のLPSの含量は低かった
(0.3ng/3000UのCSF−1、リムルス(L
imulus)の変形細胞のリゼイト(LAL)アッセ
イによる);活性を抗CSF−1カラムヘの適用により
除去した;ポリミキシンBを使用してLPSを中性し
た;C3H/HeJマウスからのマクロファージはCS
F−1に応答したが、LPSに応答しなかった。
【0075】他のミエロイドCSFの効果 5μgのLPSの静脈内(i.v.)投与後5時間に得
られた6匹のマウスの肺から、CSF−GMを調製し
た。肺を細かく切り、血清不含培地の中で3日間インキ
ュベーションしそして、WO86/04587、前掲、
に記載されているように、YYG106免疫アフィニテ
ィーカラムを使用して上澄み液からCSF−1を消耗し
た(CSF−1の含量は227U/mlから78U/m
lに減少した)。CSF−Gを同様に処理したLD1
(黒色腫細胞系)の血清不含培地から調製した。CSF
−GMおよびCSF−Gの両者の含量は、コロニー刺激
アッセイにより、2000U/mlにおいて測定した。
【0076】腹腔マクロファージを40%の前述の培地
または2000U/mlのCSF−1で測定したL−細
胞培地と1日間インキュベーションし、次いで追加の培
地またはLKと48時間インキュベーションし、そして
前述したようにTU5の殺しについて測定した。
【0077】結果を第1図に示す。CSF−1はTU5
に対する毒性の顕著な増強を示したが、CSF−Gおよ
びCSF−GMはいずれも効果をもたなかった。
【0078】ADCCの刺激因子としてのCSF−1の
in vitro試験 MIAPaCa細胞系から精製されたCSF−1(ほぼ
40%の純度、比活性ほぼ2×10U/mg)、ネズ
ミL−細胞コンディション培地(比活性ほぼ2.3×1
U/mg)、およびCV−1からの組み換えヒト
(rh)(>95%の純度、比活性ほぼ4×10
は、IL−2またはアルファ−、ベータ−またはガンマ
−IFNと組み合わせて、腫瘍ターゲットに対するマウ
スのマクロファージのADCCを刺激することが見出さ
れた。
【0079】ADCCのアッセイにおいて、雌のC3H
/HeNまたはC3H/HeJマウスに1.5mlのプ
ロテオースペプトン(Difc Laboratori
es、ミシガン州デトロイト)を腹腔内(i.p.)注
射した。3日後、腹膜の滲出細胞を3×10個のbi
g細胞/0.5mlアルファMEM培地+10%加熱不
活性化胎児仔ウシ血清において平行の組のレプリカ1m
lのウェルに付着させた。2時間後、ウェルをPBSで
3回よく洗浄し、そしてCSF−1またはリンフォカイ
ンを添加し、そして37℃において2日間インキュベー
ションした。細胞集団は形態的に>95%のマクロファ
ージであり、そして第2日に平行のウェルにおいて回収
された細胞数は異なる処理について同様であった。第2
日に、加熱不活性化抗血清(抗Thy、ウサギ抗マウス
脳、Accurate Chemicals、ニューヨ
ーク州ウェストバーリイ)を、種々の希釈で平行の組の
1つを添加した。ターゲット、Rl.1、T−リンパ腫
の細胞系をマクロファージのウェルおよびマクロファー
ジ±CSF−1、リンフォカインまたは抗血清を含まな
い平行のウェルに添加した。
【0080】高い濃度(1μg/ml)のバクテリアL
PSはマクロファージのADCCを刺激するので、ネズ
ミおよびヒトのCSF−1調製物をLALアッセイによ
り試験し、そして0.2mg/mlより少ないLPSを
有していた。
【0081】次いで、10のR1.1ターゲット±抗
血清を導入し、そして生きているターゲット細胞を9、
24、48および96時間に計数することによって、マ
クロファージを3:1のエフェクター:ターゲットの比
でADCCについて試験した。対照マクロファージ+抗
体を伴うR1.1の増殖は、抗体の不存在下に対照また
はサイトカイン処理したマクロファージの増殖、あるい
はRl.1単独±抗体±サイトカインを伴う増殖のそれ
と同一であった。結果を表3に示す。
【0082】
【表3】 IFN−アルファおよびIFN−べータは50U/ml
において5U/mlのIFN−ガンマと同一のADCC
−刺激作用を有した。IFN−アルファおよびIFN−
べータは50U/mlにおいてADCCに対する作用を
本質的にもたないが、CSF−1の存在下に腫瘍の殺し
を50U/mlの各々IFNの単独を使用して見られる
レベルに刺激した。同様な作用はrhIL−2で見られ
た:5U/ml単独でマクロファージを2日間処理する
と、マクロファージのADCCが有意に促進された。C
SF−1はこの強いIL−2誘発された活性を適度に増
強した。しかしながら、IL−2は1U/mlまたは
0.2U/mlのより低い無効の濃度で使用したとき、
CSF−1の添加は殺腫瘍活性について強い増強作用を
示した。
【0083】他のリンフォカインをADCCの一次的刺
激因子として試験した。1,10またはl00U/ml
のrhTNF単独と共に、あるいは1000U/mlの
CSF−1と共にマクロファージを2日間インキュベー
ションすると、ADCC活性は有意に誘発されなかっ
た。rhIL−1アルファまたはベータは0.2〜50
U/mlにおいて、そしてネズミrIL−4は1〜l0
0U/mlにおいて、やはりADCC単独でまたはCS
F−1とともに刺激しなかった。CSF−1の代わりに
使用することができる他のコファクターを発見すること
を試みた。ネズミrGM−CSFおよびrIL−3は、
10,100または1000U/mlにおいて試験した
とき、ADCC単独またはIFN−ガンマとともにマク
ロファージの標準的2日の予備処理において、CSF−
1と対照的に、促進しなかった。これらのサイトカイン
は、培地の中で2日間インキュベーションした後、マク
ロファージの不存在下にRl.1ターゲットの増殖につ
いて作用をもたなかった。
【0084】in vitroターゲッテッドADCC
アッセイ 末梢血液のマクロファージヘのCSF−1の作用を研究
して、CSF−1を使用する予備処理がターゲッテッド
ADCCを増強することができるかどうかを決定した。
【0085】ヒトエフェクター細胞をスタンフォード大
学の血液銀行(StanfordUniversity
Blood Bank)(カリフォルニア州パロアル
ト)から入手したドナーのバフィーコートから単離し
た。単核細胞をフィコール−ハイパーク(Ficoll
−Hypaque)分別遠心により分離した。付着性単
核細胞(AMC)を単離するために、全単核細胞を24
ウェルの組織培養プレートの中にプレートし、そして3
7℃,5%COにおいて30分間付着させた。付着し
ない細胞を加温したハンク均衡塩溶液および50μg/
mlのゲンタマイシンで洗浄除去した。すべてのエフェ
クター細胞の調製物の生存可能性はトリプタンブルー色
素の排除により>95%であった。付着性単核細胞をF
ITC抗LeuM3(Becton Dickinso
n、カリフォルニア州マウンテンビュー)で染色し、そ
してEPICS V細胞ソーターで>85%のLeuM
3陽性であると分析された。
【0086】抗体のヘテロ接合体113F1F(a
b’)−3G8F(ab’)、肺癌関連抗原および
ヒトFcRIII(CD16)の両者を認識する化学的
に連結した抗体、およびハイブリッドのハイブリドーマ
由来の二重特異性抗体2B1(これは抗CD16および
抗erbB−2の活性を有する)を次の実験において使
用した。これらの抗体の両者は、エフェクターとしてヒ
トの全体単核細胞を使用して、SK−Br−3−ターゲ
ット細胞のすぐれた特異的溶解を仲介する。
【0087】ADCCアッセイの1日前に、T75フラ
スコの中にターゲット細胞(50%のコンフルエント)
を25mlの培地の中で62.5μCiのHチミジン
(New England Nuclear,6.7μ
Ci/ミリモル)で標識した。30時間後、細胞をフラ
スコの中でトリプシン処理し、そして3回洗浄した。4
0,000/ウェルの標識したターゲット細胞をアッセ
イに使用した。
【0088】エフェクター細胞、抗体およびCSF−1
を希釈するためにアッセイを通じて使用した培地は、8
mMのグルタミンを含むAIM.V血清不含培地(Gi
bco)であった。最終の合計の体積は1ml/ウェル
であった。CSF−1の処理のために、CSF−1を含
むか、あるいは含まない培地をエフェクター細胞に添加
し、そして2〜3日間インキュベーションした。次い
で、抗体および標識したターゲット細胞を添加した。3
日後に、上澄み液の中のトリチウムの解放をシンチレー
ション流体としてのシトシント(Cytoscint)
(ICN)を用いて測定した。
【0089】各試料を各実験において4平行において試
験した。平行のウェル対ウェルの変動は通常平均値の±
20%より小さかった。平行の平均のトリチウムの解放
を使用して、式:(平均の試料の解放−自然的解放)
(最大の解放−自然的解放)により、特異的溶解%を計
算した。自然的解放を測定するために、標識したターゲ
ット細胞を培地単独の中でインキュベーションし、そし
て上澄み液を3日後に計数した。ターゲット細胞からの
トリチウムの自然的解放(エフェクター細胞の不存在
下)はすべての実験において平均して10%より小さか
った。ターゲット細胞単独とインキュベーションしたと
き、抗体およびCSF−1のいずれも自然的溶解を増加
しなかった。最大の解放を測定するために、標識したタ
ーゲット細胞を0.5%のSDSの最終濃度で溶解し
た。
【0090】ヘテロ接合体の113F1F(ab’)
−3G8F(ab’)が1μg/mlにおいて2つの
ドナーからのAMCで溶解を仲介する能力を、第2図に
示す。AMC+ヘテロ接合体をSK−Br−3に対して
20:1のE:T比で試験したとき、観測された平均の
抗体依存性溶解は28%であった。第2図に示すよう
に、エフェクター細胞を14ng/mlのCSF−1と
予備インキュベーションしたとき、ヘテロ接合体仲介の
溶解はほぼ110%だけ増強された。
【0091】合計の11ドナーからの付着性細胞を二重
特異性抗体2BlのF(ab’)断片を使用して試験
した。ヒトAMC上のFcRIおよびFcRIIの起こ
り得る参加を回避するために、2B1のFcRIIをこ
の研究において全2B1の代わりに使用した。(2B1
の2つの親の抗体;520C9および3G8のF(a
b’)断片は特異的溶解を仲介しないが、2B1のF
(ab’)がターゲット細胞のほとんど完全な溶解を
引き起こすことを示すために、さらに実験を実施し
た。)CSF−1の作用を10〜100ng/mlにお
いて研究して、CSF−1が2B1のF(ab’)
より仲介される溶解の増大において有効であるかどうか
を観察した。14〜100ng/mlのCSF−1と予
備インキュベーションしたAMCは、CSF−1を使用
しないAMCの予備インキュベーションより高い特異的
溶解を与えた(第3図)。得られたターゲット細胞の溶
解の合計量はドナー毎に変化したが、CSF−1処理を
使用する比溶解活性の増加はすべての単球調製物におい
て再現性があった。応答性が最小であるか、あるいは応
答しないドナーのAMCを刺激するためにはCSF−1
のより高いレベルが必要であるので、CSF−1の投与
量の応答の研究は100ng/mIの2B1のF(a
b’)を使用して実施し、そして結果を第4図に示
す。2B1のF(ab’)の導入前に、AMCを増加
する濃度のCSF−1と予備インキュベーションする
と、10ng/mlで開始して、より高い特異的溶解が
得られ、そしてすべてのドナーにおいて100ng/m
lにおいてなおプラトーとならなかった。
【0092】抗腫瘍効率についてのCSF−1のin
vivo試験 A.MethA 肉腫のモデル CV−1細胞系から組み換え的に生産されたCSF−1
(C158)(LALアッセイ;2ngのLPS/m
l,8ngのLPS/mgのCSF,2×10U/m
g)を、7日前にMethA 肉腫を皮下的に移植した
20gのマウス(3匹のマウス/群)の中に、50μg
/投与で1日2回5日間i.p.注射した。CSF−1
処置の開始後6日間、3匹の未処置および3匹の処置し
たマウスを体重および腫瘍の体積について評価した。体
重の変化により測定して、毒性の証拠は存在しなかっ
た。第7日に、各群からの1匹のマウスを比較組織病理
学的分析のために殺した(全体の徴候なし)。4匹の残
りのマウスをMethA のモデルにおいて通常14日
間評価した。結果を下表4に示す。
【0093】
【表4】 結果が示すように、CSF−1仲介の効力が、とくに第
6日の腫瘍体積の測定において、存在した。CSF−1
群と対照群との間の差は、処置の開始後最初の7日間お
よびその後7日間最大であり、その後腫瘍はその通常の
増殖速度に戻った。これらのデータが示唆するように、
多数回の毎日投与(より長い期間の間、この投与レベル
において効力を改良するための連続的注入)またはより
高い投与レベルおよび薬物なしの日を含むように変更し
たスケジュールは効力を増強するであろう。
【0094】同様な結果は、E.coliからのLCS
FC▼190、およびLCSF/c▼221を使用して
見られた。プロトコルは5匹のマウスの群を使用して実
施した;50μg/投与の各生産物を使用し、そして投
与(1日2回、5日間)は類似したが、ただしE.co
liのC▼150およびC▼190の物質を使用し、こ
こでスケジュールを10日に増加し、そして投与を7〜
8時間の間隔にした。各CSF−1誘導した物質につい
て、△TV処置/△TV対照の百分率として、結果を表
5に表す。
【0095】
【表5】 B.B16転移のモデル CSF−1をB16の実験的転移のモデルにおいて試験
して、肺の転移の予防への効果を評価した。
【0096】1×10腫瘍細胞を0.2mlのCa
+2およびMg+2不含のHBSSの中に懸濁させ、麻
酔しないマウスの横の尾の静脈に接種した。腫瘍の接種
後、肺および脳を取り出し、水の中にリンスし、そして
秤量した。ボウイン(Bouin)溶液の中で固定し、
そして表面の腫瘍の節の数/肺の対を解剖スコープの助
けにより決定した。
【0097】組み換えヒトCSF−1(N▼3C22
1)をすべての実験について使用した。CSF−1は各
実験の前に凍結ストックから新しく準備し、そして注射
直前に米国薬局方0.9%の生理食塩水の中で希釈し
た。CSF−1を1日1回(QD)×10日のスケジュ
ールで静脈内に供給した。使用する投与量のレベルは次
の表に記載されている。非特異的および非治療的タンパ
ク質から成る陰性の対照として、米国薬局方ヒト血清ア
ルブミン(HSA)または沸騰したCSF−1を使用し
た。CSF−1を30分間沸騰させてCSF−1活性を
不活性化した。
【0098】表6に示す効力のデータが証明するよう
に、1×10腫瘍細胞の静脈内接種3日前に開始し
た、QD×10で静脈内に与えたCSF−1は、肺の転
移のメジアン数の有意な減少を生成する。対照的に、C
SF−1の治療を腫瘍細胞接種後1日に開始した場合、
肺の転移のメジアン数の有意な減少は観察されなかっ
た。致死率により測定した、明白な毒性はこの投与量レ
ベル(2.5〜5.0)において観察されなかった。
【0099】
【表6】 第2の実験において、CSF−1をi.v.QD×5で
投与した。B16−W10腫瘍細胞を短時間の1分のト
リプシン処理により収穫し、遠心し、次いでCaおよび
Mg不含のHBSS中の単一の細胞懸濁液として調製し
た。第0日に、0.8×10細胞をマウス当たりに
0.2mlの合計の体積で横の尾の静脈に注射した。C
SF−1(E.coliN▼3C▼221)処理(0.
25〜5.0mg/kg/日)を、第−3日に開始し
て、QD×5,i.v.で投与した。第14日に、マウ
スを殺し、肺を取り出し、水の中でリンスし、次いでボ
ウイン固定液で固定した。表面の腫瘍の節を解剖スコー
ブの助けにより計数した。表7に下に示すように、CS
F−1は、1.0,2.5または5.0mg/kg/
日、QD×5でi.v.投与したとき、肺の転移のメジ
アン数を有意に減少した。
【0100】
【表7】 次の実験は、i.v.投与するときのCSF−1と等し
く有効である皮下(s.c.)または腹腔内(i.
p.)のルートによりCSF−1を投与できることを示
す。
【0101】腫瘍細胞は上に教示されるように調製し
た。第0日に、7.5×10細胞をマウス(5〜10
匹の雌のBDF−1マウス/群)当たりに0.2mlの
合計の体積で横の尾の静脈に注射した。CSF−1を5
mg/kg/日で、第−3日に開始して、QD×5、3
つの異なるルートで投与した。第18日にマウスを上に
教示するように調製した。結果を下表8に示す。
【0102】
【表8】 次の実験は、アルゼト(Alzet)浸透圧ポンプおよ
び皮下ボーラス投与を使用して皮下的に実施した連続的
注入により投与したCSF−1の効力を比較する。CS
F−1をs.c.ボーラスとして、あるいは0.9%の
NaCl中の連続的注入として投与した。連続的注入を
s.c.移植したアルゼトポンプ、1003D型および
2001型(これらはCSF−1を、それぞれ、第3日
または第14日に供給した)を使用して実施した。10
03D型ポンプは1μl/時の平均ポンピング速度およ
び87μlの平均充填体積を有する。ポンプの移植のた
めに、BDF−1雌(18〜20g)をメトファン(M
ethofane)で麻酔し、そして小さい背中の切開
を皮膚の中に作った。ポンプは皮膚の下に切開から離れ
た方向をさす流れモデレーターとともに移植した。切開
を創傷のリップで閉じた。すべての治療は第−3日に開
始した。
【0103】第0日に、7.5×10B16−W10
腫瘍細胞をマウス当たりに0.2mlの合計の体積で横
の尾の静脈に27ゲージの針を使用して注射した。第1
8日に、マウスを殺し、肺を取り拙し、水の中でリンス
し、次いでボウイン固定液で固定した。
【0104】表9に示すように、s.c.連続的注入に
より0.25mg/kg/日程度に低い投与量で投与し
たCSF−1は肺転移のメジアン数を減少するとき高度
に有効であった。
【0105】これらの研究が示唆するように、CSF−
1は、s.c.連続的注入により投与したとき、1日1
回s.c.ボーラスにより同一期間にわたって与えた同
一投与量より、少なくとも10倍以上効力がある。
【0106】
【表9】 CSF−1の単独およびIFN−γとの組み合わせの抗
腫瘍効力についてのin vitro試験 この実施例は、CSF−1およびIFN−γの外に、多
数のサイトカインを腫瘍細胞の細胞障害性の増強につい
て試験した。単核細胞(MNC)を、正常の健康なボラ
ンティアのヘパリン処理した静脈の血液またはバッフィ
コートから、リンパ球分離媒質上の密度勾配遠心(LS
M−Organon TeknikaCopr.、ノー
スカロライナ州ダーハム)により分離した。次いでMN
CをPBSで2回洗浄し、そして49.2%の等張パー
コル(Percoll)(Pharmacia)上に層
状にし、そして1500×gで25分間遠心した。界面
における単球(細胞遠心調製物の形態学的分析により≧
80%の純度の単球)を収穫し、そして37℃において
プラスチックの付着によりさらに精製した。付着を96
ウェルのプレートの中で1.2×10細胞/ウェルの
密度で実施した。11時間後、非付着性細胞を激しい洗
浄により除去して、ほぼ1×10細胞/ウェルを残し
た。
【0107】精製された単球を、csF−1(E.co
liN▼3C▼221)、IL−1,IL−3,IL−
4,GM−CSF(すべてGenzyme Corp.
から)、IL−2(Cetus Corp.)を含有す
る0.1%のFCS、または培地単独(1°誘発)の中
で3日間培養した。3日後、単球を洗浄し、次いで2°
誘発因子とさらに2日間インキュベーションした。CS
F−1の存在または不存在下の1°誘発をいくつかの実
験においてフラスコの中で実施した。単球を組織培養フ
ラスコの中で実施した。単球を直接組織培養フラスコの
中で付着させ、非付着性細胞を除去し、そして1°誘発
因子を添加した。1°誘発後、単球をトリプシン処理お
よびおだやかな引っ掻きにより収穫した;生存可能な細
胞の計数をトリパンブルーの排除により実施し、そして
1×10細胞/ウェルをプロトコルの残りの2日のた
めに96ウェルのプレートの中でプレートした。
【0108】WEHI164殺腫瘍アッセイ(Colo
ttaら、J.Immunol(1984)132;9
36)を使用して、サイトカインの細胞障害性を試験し
た。簡単に述べると、活性な対数期のWEHI164タ
ーゲット細胞をアクチノマイシンD(actD)で1μ
g/mlにおいて3時間処理し、洗浄し、そして200
μCiの51Crで標識するか、あるいはactDおよ
51Crで1時間37℃において5%のCOの中で
同時に処理した。単球から100μlの培養上澄み液を
除去した後、標識したターゲット細胞を100μlの体
積のエフェクター細胞に添加して、特記しない限り、1
0:1のエフェクター/ターゲットの比を達成した。細
胞を200μlの体積で5%のCOの中で37℃にお
いて6時間インキュベーションした。次いでプレートを
テーブルトップのスウィンギングバッケットの遠心機で
1200rpmにおいて5分間遠心した。100μlの
上澄み液を各ウェルから除去し、そしてガンマカウンタ
ーで計数した。
【0109】P815ターゲット細胞を同様に処理した
が、ただしアクチノマイシンDの予備処理を省略し、そ
してターゲット細胞およびエフェクター細胞を同時に1
8時間インキュベーションした。
【0110】誘発された細胞障害性%は、次の式を使用
して計算した: 〔(実験のcpm−自発的cpm)/(最大のcpm−
自発的cpm)〕×100 ここで、 実験のcpm=エフェクター細胞+ターゲット細胞+誘
発因子 自発的cpm=エフェクター細胞+ターゲット細胞+培
地 最大のcpm=1%のSDSで溶解したターゲット細胞
単独 結果を表10および11に示す:
【0111】
【表10】 CSF−1により誘発される活性のレベルは可変である
が、40のこのようなドナーのうちの16はCSF−1
単独で刺激したとき10%〜49%の増強された殺腫瘍
活性を示した。
【0112】表11,CSF−1を種々の2°誘発因子
の添加前に1°誘発因子として使用した。
【0113】
【表11】 2°誘発因子として試験しそしてCSF−1の存在また
は不存在下に効果をもたなかった他の因子は、500U
/mlまでにおいてIL−1,lL−3,IL−4およ
びGM−CSFを包含した。
【0114】ネズミ抗ウイルス活性のin vitro
刺激 付着性チオグリコレート誘発マクロファージをCSF−
1と3日間インキュベーションし、そしてVSVで一夜
感染させた(Lee,M.T.ら、J.Immunol
(1987)138:3019−3022)。表12
は、付着したままである細胞の550nmにおける吸収
により測定した、結晶の紫色の染色を示す。
【0115】
【表12】 したがって、CSF−1処理した細胞はVSVに対する
マクロファージの保護を示す。
【0116】CMVの感染のCSF−1によるin v
ivo処理 異型交配したCD−1マウスをCV−1細胞系から生産
されたCSF−1(C158)で400mg/kg、
i.p.の投与量で、1日1回5日間、致死投与量より
少ないサイトメガロウイルス(CMV)で感染2日前に
開始して、処置した。マウスを感染後第3日に殺し、そ
してターゲットの器官、例えば、脾臓におけるウイルス
の複製の程度をプラークアッセイにより評価した。結果
が示すように、CSF−1で処置したマウスは、生理食
塩水で処置した対照マウスと比較して、有意に低下した
(57.8%の減少)脾臓のウイルスの力価を有し、C
MVの感染はCSF−1処理したマウスにおいて厳しく
ない。
【0117】第2の実験において、20gのBalb/
Cマウス(5匹/群)を、最後のCSF−1の投与後4
時間に、致死量より少ない量のmCMV(2×10
fu/マウス、i.P.)で感染させた。CSF−1を
1日1回4日間、4つの投与量のレベル(3.6、0.
9、0.23および0.06mg/kg/日)でi.
p.投与した。この亜急性の感染のモデルにおいて、マ
ウスは、感染後7日で血液および器官(脾臓、肝臓およ
び腎臓)の中のウイルスの力価(マウスの胚細胞上のプ
ラーク形成単位)を測定することによって、感染のひど
さについて評価した。CSF−1で予備処置したマウス
は、脾臓、腎臓および肝臓の中のウイルスの力価を、生
理食塩水で処置した対照に比較して75〜97%の減少
を示した(P<0.01)。
【0118】CSF−1の作用は投与量依存性である:
3.6、0.9、0.23および0.06mg/kg/
日のCSF−1の投与量において、それぞれ、97.
8、95.3、80.9および63.1%の平均脾臓ウ
イルス力価の減少が表13に示すように観測された。
【0119】
【表13】 別々に、E.coli(N▼3C▼221)の中で生産
されたCSF−1を致死的mCMV感染のモデルにおい
て試験した(これはCMVの致死的投与量より少ないC
MVを使用する上の実験と対照的である)。50μg/
0.005mlのCSF−1を13.5〜14.5gの
Balb/Cマウスに第−1日または第−1,0,1,
2および3日に(与えた単一の投与量/マウス)ウイル
スの対抗前に(4×10pfu/マウス、0.2ml
i.p.)および7日後に投与i.p.したとき、表
14に示すように、生理食塩水で処置した対照と比較し
て、生存率の有意の増加が存在した。
【0120】
【表14】 急性の感染のモデルにおける予防的作用について、13
〜14gのBalb/Cマウスを致死的投与量のmCM
V(5×104〜2×105pfu/マウス、i.
p.)で最後のCSF−1投与量(0.9mg/kg/
日〜7.2mg/kg/日の投与量のレベルを使用す
る)後4時間に感染させ、そして生存を14日間監視し
た。この急性の感染のモデルにおいて、第5図に示すよ
うにCSF−1は50,000pfu/マウスで対抗し
たマウスにおいて生存率を有意に増加したが、CSF−
1のより低い投与量(0.9mg/kgおよび3.6m
g/kg)は100,000pfu/マウスにおけるm
CMVで対抗したマウスにおいて効果に劣るように思わ
れた。
【0121】これらのデータが証明するように、CSF
−1は臨床医学においてウイルスの感染に対する免疫予
防剤として使用することができる。CSF−1は単独で
または他のリンフォカインまたは抗ウイルス剤と組み合
わせて一般にウイルスの感染の処置において使用するこ
とができ、そしてとくに免疫抑制のウイルスの感染、例
えば、後天性免疫欠損症候群(エイズ)において利益で
ある。
【0122】好ましいi.p.投与量の範囲は約0.0
5〜8.0mg/kgのCSF−1/マウス/日であ
る。
【0123】CSF−1によるバクテリアの感染のin
vivo予防的処置 異型交配のCD−1マウスに、CV−1細胞系(短いク
ローンC▼158)から生産されたCSF−1を個々に
投与し、宿主の中に導入したときグラム陰性セプシスを
引き起こすの原因となるバクテリアのE.coli(S
M18)の臨床的分離物の致死的投与量(LD100
×10cfu)で対抗する1日前に、1回投与i.
P.した(10μ9/投与)。次いでマウスを感染後7
日間生存について監視した。
【0124】この実験は、また、LCSFN▼3C▼2
21のバクテリア的に生産されたCSF−1を使用して
実施した。CSF−1の各ロットを1×10〜1.7
×10単位/kg体重の合計の投与量範囲で4倍の希
釈で試験した。最小の保護的投与量をE.coli(6
×l0cfu/マウス)のi.p.感染前の単一の1
日量として定義し、この投与量、生理食塩水または沸騰
したCSF−1の対照マウスに比較して、処置したマウ
スの生存率の統計学的に有意の(0.05フィッシャー
の抽出物試験より小さいp値)増強を生成した。
【0125】
【表15】 宿主の耐性へのCSF−1の作用の誘発に対する投与の
スケジュールの効果を研究するために実験を実施した。
マウスの群(10匹)にCSF−1を0.9mg/kg
/投与/日で第1,2,3,4または5日に投与した。
次いで、マウスをE.coli(6×l0cfu/マ
ウス)i.p.で、最後のCSF−1注射後4時間に、
対抗した。
【0126】保護的作用を誘発するためには、表16の
データが示すように、バクテリアの感染の52〜100
時間前に開始するCSF−1の多数回の投与は有効であ
る。
【0127】
【表16】 感染の4,18,28,52または76時間前の単一の
ボーラスの注射(0.2〜9.0mg/kg)は、増強
された宿主の耐性を誘発するとき、有効ではなかった。
【0128】データが示すように、CSF−1を使用す
る予備処置は致死的投与量のE.coliで対抗したマ
ウスの生存率を有意に増大する。しかしながら、この効
果はCSF−1の投与量、タイミング、および投与のス
ケジュールに依存する。ほぼ0.7〜3.0mg/kg
/日のより高い投与量において、ほとんど完全な保護が
見られた。0.2mg/kgのより低い投与量におい
て、また、保護が存在したが、効果は小さかった。
【0129】白血球減少症のモデル CSF−1は、50mg/kgのシクロホスファミド
(CY)で予備処置したマウスにおけるE.coliの
感染に対する保護を誘発した。マウスについてのLD
50は約400mg/kgであり、より低いCYの投与
量はLD50の1/8を表す。この投与は、3日早く
i.p.注射したとき、合計の白血球および好中球の減
少を誘発し、そしてマウスをE.coliの感染に対し
ていっそう感受性とした(例えば、3×10cfu/
マウスを使用する感染は、CY処置したマウスの100
%を殺したが、このCYを投与しなかったマウスの20
%のみを殺した)。CY処置したマウスにCSF−1を
与えたとき(CSF−1、0.89mg/kg、1日1
回、4日間、i.p.)、100%の生存率であった
が、その代わり生理食塩水を与えたマウスの生存率は3
0%であった。
【0130】カンジダ・アルビカンス(Candida
albicans)へのCSF−1のin vivo
作用 CSF−1を異型交配のCD1マウス(27〜28g、
雌)に、致死的投与量のカンジダ・アルビカンス(C.
albicans)(1.5×10酵母菌細胞/マウ
ス、i.p.)で対抗する3〜4日前に、毎日投与し
た。この対抗は、処置しないマウスおよび生理食塩水で
処置したマウスにおいて、3.0日のメジアン生存時間
(MST)を生じた。CSF−1処置したマウスは、
1.9および0.lmg/kgの投与量において、それ
ぞれ、15および13日のMSTを示した。生存時間の
この4倍の増加はp=0.0l(対数範囲試験)におい
て有意である。内毒素からの妨害の可能性を最小とする
ために、内毒素を事実上含まない(<0.05ng/m
gのタンパク質)高度に精製したCSF−1を使用し
た。また、予防作用はCSF−1の試験物質の加熱不活
性化により除去されることが示された。この保護は、末
梢血液の循環する単球および好中球の数の増加および腹
膜のマクロファージの2〜3倍の増加に関連した。した
がって、CSF−1はカンジダ・アルビカンス(C.a
lbicans)の感染に対する宿主の耐性を増強し、
そしてこの作用は多分マクロファージおよび好中球の活
性化により仲介される。
【0131】CSF−1をまた追加のモデルにおいて試
験し、ここでカンジダ・アルビカンス(C.albic
ans)を全身的(i.v.)に供給した。CSF−1
は1.9mg/kg/日の投与量QD×4においてi.
p.またはi.v.投与した。CSF−1の最後の投与
後4時間に、2×l0cfu/マウスをi.v.注射
した。これらの投与のいずれも、生理食塩水を注射した
対照マウスと比較したとき、生存率の有意の増大を生じ
た。
【0132】CSF−1の処置後の真菌の感染のラット
の生存時間 抗ウイルス剤のフルコナゾールと組み合わせてCSF−
1を使用して、与えたCSF−1の毎日のボーラスの皮
下(SQ)注射は感染した動物のメジアン生存時間をラ
ットのカンジダ症のモデルにおいて5日(フルコナゾー
ル単独を与えた動物において)から30日以上(CSF
−1およびフルコナゾールの組み合わせを与えた動物に
おいて)治療的に改良した。
【0133】雄のフィッシャー(Fisher)−34
4ラット(体重200〜250g)をチャールズ・リバ
ーラボラトリーズ(Charles River La
boratories)から入手した。ラットを5匹/
ケージで収容し、そして水および実験室の餌を任意に与
えた。付随的ウイルスおよびマイコプラズマについての
血清学的試験は、これらの動物において日常的に陰性で
ある。
【0134】アメリカン・タイプ・カルチャー・コレク
ション(American Type Culture
Collection)(マリイランド州ベセスダ)
からのカンジダ・アルビカンス(Candida al
bicans)株ATCCNo18804を、37℃に
おいてトリプチカーゼ大豆ブロスの中で一夜増殖させ、
次いで遠心分離した。芽状胞子を再懸濁させ、そして9
5%の胎児子ウシ血清および5%のジメチルスルホキシ
ドの中にアリコートを取り、そして−80℃において凍
結した。各実験の日に、2つのアリコートをプールし、
次いで注射のためにリン酸塩緩衝液(PBS)の中で4
×l0芽状胞子/mlに希釈した。各実験の接種を酵
母エキスペプトン寒天上にプレートして。生存可能な有
機体の計数を確証した。
【0135】フィッシャー−344ラットを2×10
のカンジダ・アルビカンス(Candida albi
cans)の芽状胞子(0.5ml)で横の尾の静脈の
中へのi.v.注射により感染させた。CSF−1の作
用の研究において、単一の0.3mg/kgの投与量の
フルコナゾール(Diflucan,Pfizer,ニ
ューヨーク州ニューヨーク)を2時間後に皮下(SQ)
投与した。フルコナゾールの処置後直ちに、0.5ml
のSQ投与量のCSF−1を異なる部位に与えた。CS
F−1の処置は10回の合計の投与でさらに9日間続け
た。動物を30日間毎日死亡率について評価した。
【0136】未処置のフィッシャー−344ラットにお
いて100%の死亡率を生成するために必要なカンジダ
・アルビカンス(Candida albicans)
の投与量は、2×10芽状胞子であると決定された
(表17)。この投与量は3〜6日で死亡を生じ、メジ
アン生存時間は4日であった。
【0137】表18は、カンジダ・アルビカンス(Ca
ndida albicans)の感染後CSF−1の
治療的SQ投与とフルコナゾールを組み合わせた、4回
の実験の結果を表す。0.3および1.0mg/kg/
日のCSF−1の投与量は最も効力があるように思わ
れ、対照動物のメジアン生存時間(5日)より少なくと
も6倍の、<30日のメジアン生存時間を生ずる。
【0138】
【表17】
【0139】
【表18】 CSF−1を使用する真菌の感染の消散 18人の治療に対して抵抗力のある侵入性の真菌の感染
をもつ患者をCSF−1で処置した。骨髄移植(BM
T)センターと呼ぶ患者は研究に適格であったが、再発
性において悪性である患者は不適格であった。診断、年
令、移植片対宿主の病気(GVHD)の状態または患者
の全体の状態について排除を行わなかった。18人の患
者の臨床的特性を表19に示す。
【0140】侵入性真菌の感染の診断は、バイオプシー
の標本における有機体の証明、閉じた体液(すなわち、
大脳脊髄液)の培養物または陽性の血液培養物の存在下
の侵入性の病気について放射性学の証拠を必要とした。
気管支鏡検査の洗浄液、胃腸バイオプシーの標本または
単一の血液培養物の中に存在する真菌のみの証明は、侵
入性の病気の不十分の証拠であると考えた。感染性真菌
の有機体、関係する器官、および感染の追跡に使用した
診断の方法を表19に示す。
【0141】すべての患者を検査し、そして毎日日常的
血液培養物を取り、ならびに血液化学および完全な血球
の計数を毎日実施した。一般に、骨髄の吸引およびバイ
オプシーを治療の前に実施して悪性を除外した。周期的
基準でかつ剖検で初期の診断手順を使用して、真菌の感
染を再評価した。
【0142】この研究を相Iの投与量のエスカレーショ
ンと表示し、ここで患者を連続的に登録した。すべての
患者を最大の許容される投与量で最良の有効な抗真菌的
治療で維持した。CSF−1(比活性、ほぼ3〜10×
10U/mg)を0.05〜2.0mg/mの投与
量で与えた。CSF−1を100mlの0.5%のアル
ブミンを含む通常の生理食塩水で中央の静脈カテーテル
により、毎日2時間の静脈内注入で7日間投与した。7
日後、臨床的応答が存在しない場合、投与量をさらに7
日間2倍にした。3回の投与量のエスカレーションを単
一の患者に許した。抗真菌剤効力が認められた場合、真
菌の感染の消散が記録することができるまで、CSF−
1を続けた。2mg/mで処置した患者はその投与量
で維持した。
【0143】CSF−1はすべての投与量でよく許容さ
れた。それに帰することができる特定の症候または血液
化学の変化は存在しなかった。CSF−1の注入の過程
の間に、前以て存在するGVHDのひどさへの有意の悪
影響は存在しなかった。
【0144】11人の患者は侵入性のカンジダ症を有
し、4人はアスペルギルス症を有し、2人は酵母菌種を
もつと診断され、そして1人はロドトルラ属(Rhod
otorula)をもつと診断された(表19)。3人
の患者は、アンフォテリシンBに対して応答しなかった
進行性の真菌の疾患についてのBMTの前に、CSF−
1を与えられた。これらの患者のうちの1人は、アスペ
ルギルス症のために2つの腔(sinus cavit
ies)の切除を実施されていた。しかしながら、CT
スキャンは残留する腔の固まりを証明し、そして吸引の
培養物はアスペルギルスを証明し続けた。空洞化する多
葉の肺の節が発生しそして患者が1mg/mgのアンフ
ォテリシンで進行的に窒素過剰血症となったとき、CS
F−1を開始し、そしてアンフォテリシンの投与量を
0.5mg/kgに減少した。治療の35日後、CTス
キャンは腔の除去を示し、そしてアスペルギルスについ
て培養物は陰性となった。2つの最大の空洞の肺の節を
除外してすべては消散した。両者の節を引き続いて切除
し、そして真菌の要素の不存在を示した。患者は抗真菌
の治療なしに止まり、無関係のBMTを待っていた。第
2の処置された患者は、BMTの前に、臨床的または放
射線学的応答なしでカンジダ・アルビカンス(Cand
ida albicans)のために2gのアンフォテ
リシンを与えられた(肝臓および脾臓を含む)。CSF
−1の35回の投与後、改良の顕著な放射線学的証拠が
認められ、そして肝臓を再バイオプシーして、残留する
真菌の感染の証拠はなかった。第3の患者は進行性の肝
臓のカンジダ症を有した。彼女は、28回のCSF−1
の投与を受けた後、真菌の感染の臨床的および放射線学
的消散を有した。
【0145】18人の患者のうちの13人は、真菌の感
染において消散または臨床的改良を示した(表19)。
幾人かの患者は真菌の感染の完全な消散を有し、そして
病院から解放された。2人の患者は、感染が除去された
後、骨髄の移植を受けるために十分に良好であった。残
りの5人の患者のうちで、1人の患者は評価不可能であ
り、他の患者は侵入性真菌の感染をもっていなかったか
も知れないが、膵臓炎のために死亡し、そして残りの3
人の患者は応答を示さなかったが、CSF−1の処置を
8日間以下受けた。
【0146】
【表19】 白血球の計数のin vivo刺激 異型交配のCD−1マウスに、精製されたヒトCSF−
1を、2mg/kg/投与で1日3回、連続する5日間
投与した。合計の血球の計数は、生理食塩水で処置した
マウスにおける8,700/μlからCSF−1処置し
たマウスにおいて12,000〜13,000/μlに
増加した。さらに、好中球の計数は生理食塩水で処置し
たマウスにおける1,078/μlに比較してCSF−
1処置したマウスにおいて6,821/μlに増加し
た。
【0147】この作用はCSF−1の投与量および投与
のスケジュールに依存する。末梢血液の好中球の増加
は、単一の投与量のCSF−1を投与i.p.後、2〜
4時間において検出可能であった。これらの結果が示す
ように、CSF−1の投与は臨床的および獣医学的に穎
粒球の生産の刺激因子および白血球の計数の増大因子と
して有用である。
【0148】創傷の治癒におけるCSF−1 動物のモデルおよびプロトコル、例えば、Goodso
nおよびHunt(J.Surg.Res.,198
2,33:394)のゴレテックス(Goretex)
ミアチュア創傷治癒のモデルを使用して、CSF−1を
アッセイし、ここで移植されたゴレテックス管に侵入性
マクロファージ、線維芽および他の結合組織の細胞を充
填する。治癒を管の内容物を顕微鏡検査により評価す
る。第2のモデルはEisengcrら(1988,P
NAS(USA),85:1937)の切除の創傷治癒
のモデルであり、ここで創傷を視的に観察し、そしてパ
ンチバイオプシーを実施して毛の小胞から生ずる表皮細
胞層の数を監視する。第3のモデルは漿膜のモデル、例
えば、Fotivら(1987,J.Pathol.,
151:209)の熱損傷した睾丸の漿膜であり、ここ
で治癒を固定した区画において損傷した部位の中皮のリ
サーフェシング(resurfecing)の程度によ
り評価する。これらのモデルの各々の教示をここに引用
によって加える。
【0149】一般に、切除の創傷治癒のモデルの参考文
献に記載されているように、局所的創傷のための表皮細
胞誘導因子(EGF)を使用して、生理食塩水の中で1
〜10U/mlのCSF−1の中で非付着性包帯
をソーキングすることによって、CSF−1を創傷の部
位に適用する。あるいは、同様な量のCSF−1をゴレ
テックス管の中にGoodsonおよびHunt、前
掲、に記載されているように移植の時に導入するか、あ
るいはCSF−1をまた遅く解放性のマトリックスの中
に混入し、そして創傷の部位に(ゴレテックス管の中
で、または包帯の中で、遅い解放性のゼラチンまたはコ
ラーゲンに基づくマトリックスの中で、あるいは腹腔内
中の注射により)全身的処置により1日1〜3回(i.
v.、i.p.またはs.c.)10〜10,000μ
g/kg/日の投与量で適用することができる。
【0150】完全な厚さの皮膚の切除のモデルにおい
て、5匹の雌のBDF−1マウス(体重18〜20g)
の実験群をメトキシフルランの吸入(Mctofan
c,Pitman−Moore,Inc.,ニュージャ
ージイ州クロシング)により麻酔した。きれいな外科的
技術を使用して創傷をつくった。透明なテープのストリ
プを背中の上の仙骨と肩骨との間に適用した。皮膚をマ
ウスの長さに対して平行に持ち上げ、そして完全な厚さ
の切除の創傷を6mmの直径のポントを使用して作っ
た。テープを除去し、左および右の円形の両側の創傷の
間において無傷の皮膚の幅8〜10mmのストリプを露
出した。3成分の抗生物質の軟膏(ポリミキシンB−バ
シトラシン−ネオマイシン)を新しい創傷に綿の先端の
スパブ棒を使用して適用した。
【0151】創傷を手持ちのノギスで前後および横方向
の寸法で第0,1,2,3,4,7,9および10日
(第0日は創傷形成の日を表す)で測定した。創傷は最
初は円形であったが、楕円形に治癒する傾向があった。
この理由で、概算の創傷の面積は楕円の領域についての
式A=pi(B×C)/4を使用して計算し、ここでA
=領域(mm)、B=前後の軸の創傷の直径(m
m)、そしてC=横方向の軸の創傷の直径(mm)であ
る。各創傷について、任意の所定の時点における面積を
第0日における最初の創傷の面積で割ることによって創
傷の閉鎖%を計算した。
【0152】E.coliが生産した長いクローツCS
F−1N▼3C▼221(比活性>6.0×10単位
/mg)を0.9%の塩化ナトリウム(米国薬局方)の
中に希釈し、そして100μlの最終の注射体積で横の
尾の静脈の中で静脈内注射した。0.5mg/kg/日
(10μg/日)〜10.0mg/kg/日(200μ
g/日)の範囲の投与量のCSF−1を毎日合計7日間
投与し、最初の投与は創傷形成後ほぼ4時間に実施し
た。0.9%のNaClの中で希釈したヒト血清アルブ
ミン(HSA)を非特異的対照として選択し、そして
5.0mg/kg/日の投与量で対照動物に投与した。
【0153】各日に処置の群の間で個々のスチューゲン
ト式テストにより統計学的分析を実施した。すべての比
較について、p<0.05のとき、統計学的意味が認め
られた。
【0154】新しい創傷において出血はほとんどあるい
はまったく起こらなかった。薄い線維質の皮膜が12〜
24時間以内に明らかとなり、1〜2日以内に痂皮に進
行した。痂皮は乾燥すると、収縮し、下に横たわる造粒
化組織に付着する程度が徐々に低くなったが、創傷の面
積の測定を歪めなかった。各群および日について5匹の
マウスの右および左の創傷の測定値から、平均の創傷の
面積を計算した。初期の創傷の面積は処置群のいずれに
間においても異ならなかった。
【0155】第6図に示すように、創傷の閉鎖はHSA
処置した対照よりCSF−1処置したマウスにおいて急
速であり、ここで閉鎖は所定の日における初期の創傷の
面積の減少%として定義される。第6図に記載されてい
る値は各時点における5匹のマウスの平均を表す。CS
F−1処置した群はすべての時点において対照と異なっ
た(p<0.05)。「正方形」は対照を表す;「+」
はCSF−1を表す(10.0mg/kg/日);「三
角形」はCSF−1を表す(5.0mg/kg/日);
そして「×」はCSF−1を表す(0.5mg/kg/
日)。創傷の閉鎖の最大の増大は10.0mg/kg/
日を受け取ったマウスにおいて観察された。中間の
(5.0mg/kg/日)および低い(0.5mg/k
g/日)の投与量のCSF−1は、また、創傷の閉鎖速
度を有意に増加したが、これらの投与量において、2つ
の応答はほぼ等しかった。
【0156】CSF−1処置した創傷において見られた
創傷の閉鎖速度の増大は、最初の数日以内に起こったよ
り急速な初期相から生ずるように思われた。この期間の
間に、閉鎖は表18に示すようにCSF−1によりほぼ
40%増大した。その後、すべての群における閉鎖速度
はほぼ同一であり、そして創傷が完全に治癒されるま
で、一定して減少し始める。CSF−1処置したマウス
の創傷はHSA処置した対照より1〜2日速く50%の
閉鎖に到達し(第6図)、しかも100%の閉鎖に到達
するために要求される時間をすべての群についてほぼ1
0日であった。
【0157】
【表20】 CSF−1をマウスに5.0mg/kg/日の投与量で
合計7日間、創傷後4時間に開始して、静脈内投与し
た。 次の式で計算した閉鎖の増大:(閉鎖%(処置)−閉鎖
%(対照))/閉鎖%(対照) 第3日から第10日までの時点において実施した全体の
観察において、創傷の空間を取り囲む皮膚の脈管の含量
の変化は対照およびCSF−1形質転換された創傷にお
ける治癒の過程の間に起こることが示唆された。創傷後
3日程度に早く、脈管構造の増加(より大きいかつより
曲がりくねった血管)は、対照マウスにおける創傷部位
を取り囲む皮膚の領域において、肉眼により明らかであ
った。7日までに、対照の創傷を取り囲む皮膚の脈管の
含量は減少したが、CSF−1処置したマウスにおける
創傷を取り囲む皮膚は、創傷を取り囲む面積および創傷
の部位に隣接しない血管の両者において、対照のマウス
より有意に大きい脈管形成を示した。この応答はより大
きい数の血管およびより広範な分岐形成の両者を包含す
る。
【0158】CSF−1は、また、他の成長因子と組み
合わせて創傷の治癒を促進することができ、このような
成長因子の例は、表皮成長因子(EGF)、線維芽成長
因子(塩基性および酸性FGF)、血小板誘導成長因子
(PDGF)または形質転換体G−CSF(TGFアル
ファおよびベータ)、IL−1、IL−2、血小板誘導
創傷治癒因子(PDWHF)および他の物質、例えば、
ソマトメジンCおよびビタミンCである。
【0159】CSF−1の配合および投与 組み換え的に生産されたヒトCSF−1を、標準の製剤
学的手順を使用して、投与のために配合することができ
る。究極的適用に依存して、CSF−1は注射可能なま
たは局所的形態で調製し、そして唯一の活性成分とし
て、あるいは相補的または同様な活性を有する他のタン
パク質または化合物と組み合わせて使用することができ
る。このような他の化合物は、別の抗腫瘍剤、例えば、
化学療法剤、例えば、アドリアマイシンまたはリンフォ
カイン類、例えば、IL−1、−2、−3、−4および
−6、アルファ−、べータ−およびガンマ−インターフ
ェロン、CSF−GMおよびCSF−G、および腫瘍壊
死因子を包含することができる。CSF−1活性成分の
作用はこのような個々の化合物の存在により増強または
改良することができる。前述したように、CSF−1は
有益な方法で適当な血球と相互作用することができ、し
たがって、本発明の化合物はこのような細胞とCSF−
1との混合物を、必要に応じて追加のリンフォカイン類
またはサイトカイン類の存在下に、インキュベーション
することを包含する。このようなインキュベーション混
合物の上澄み液の分画、あるいは細胞を含有する全体の
混合物を同様によく使用することができる。食い違いの
タイミングはある組み合わせ、例えば、CSF−1およ
び1〜2日後にガンマーインターフェロンについて好ま
しいことがある。
【0160】ここに記載するCSF−1は、一般に、治
療的に0.01〜10mg/kg/日の量で、単一のボ
ーラスの投与または分別して24時間かけて、すべての
適用のために、例えば、感染症、創傷の治癒、骨髄造血
および免疫性の回復、および癌のために投与される。
【0161】本発明の範囲はここに記載する例示的実施
態様により限定されると解釈すべきでなく、特許請求の
範囲に従い決定されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、腫瘍細胞を殺すマクロファージの能力
の増強における、CSF−1および他のコロニー刺激因
子の活性の比較である。
【図2】図2は、CSF−1の存在および不存在下に付
着性血液単核細胞(AMC)による癌細胞の溶解を仲介
する、1μg/mlのヘテロ接合体113F1F(a
b’)−3G8F(ab’)の能力を示す。
【図3】図3は、抗体単独と比較した、14〜100n
g/mlのCSF−1と共に予備インキュベーションし
たAMCによる溶解を仲介する、二重特異性抗体2Bl
の能力を示す。
【図4】図4は、l00ng/mlの2B1を使用して
のAMCについてのCSF−1の投与量の範囲の研究の
結果を示す。
【図5】図5は、ネズミのサイトメガロウイルス(mC
MV)の致死的投与量に対するCSF−1の保護作用を
示す。
【図6】図6は、対照およびCSF−1処置したマウス
における創傷閉鎖のデータを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 47/48 A61P 7/00 A61P 7/00 31/10 31/10 35/00 35/00 37/04 37/04 43/00 121 43/00 121 C07D 233/60 103 // C07D 233/60 103 239/47 Z 239/47 C07H 17/08 K C07H 17/08 A61K 37/02 (72)発明者 コン ティー. チョン アメリカ合衆国,カリフォルニア 94587, ユニオン シティ,フェローズ ストリー ト 4343 (72)発明者 ジェイムズ デブリン アメリカ合衆国,カリフォルニア 94549, ラファイエット,アッパー ハッピー バ レー ロード 1146 (72)発明者 ロバート ジマーマン アメリカ合衆国,カリフォルニア 94563, オリンダ,ラ クレスタ ロード 64 (72)発明者 シャロン リー オーカーマン アメリカ合衆国,カリフォルニア 94620, オークランド,ピー.オー.ボックス 20852 (72)発明者 デビッド ビー. リング アメリカ合衆国,カリフォルニア 94061, レッドウッド シティ,トラマン ストリ ート 1248 (72)発明者 シルビア シー マ アメリカ合衆国,カリフォルニア 94555, フレモント,ステファノ コート 33535 Fターム(参考) 4C057 BB02 CC04 DD01 KK24 4C076 AA11 AA94 AA95 BB11 BB16 CC31 CC41 EE59 FF31 4C084 AA01 AA02 AA19 AA23 AA24 BA44 DA19 MA02 MA66 NA01 NA05 ZB261 ZB351 ZC752 4C086 AA01 AA02 BC38 BC42 EA15 MA01 MA02 MA03 MA04 MA66 NA01 NA05 ZB26 ZB35 ZC75

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コロニー刺激因子−1(CSF−1)を
    含んでなる、ヒトにおける真菌の感染を治療するための
    医薬組成物。
  2. 【請求項2】 前記感染が、カンジダ属(Candid
    a)、アスペルギルス属(Aspergillus)、
    クリプトコックス属(Cryptococcus)、ヒ
    ストプラスマ属(Histoplasma)、コクシジ
    オイデス属(Coccidioides)、パラコシジ
    オイデス属(Paracoccidioides)、ケ
    カビ属(Mucor)、ロドトルラ属(Rhodoto
    rula)、スポロロトリクス属(Sporothri
    x)およびブラストミセス(Blastomyces)
    から本質的に成る群より選択される少なくとも1種の真
    菌により生ずるものである請求項1に記載の医薬組成
    物。
  3. 【請求項3】 前記真菌がカンジダ属(Candid
    a)の種である、請求項2に記載の医薬組成物。
  4. 【請求項4】 組み換えCSF−1を1種または2種以
    上の抗真菌剤とともに含んで成る請求項1に記載の医薬
    組成物。
  5. 【請求項5】 前記1種または2種以上の抗真菌剤がア
    ンフォテリシン(Amphotericin)B、5フ
    ルオロ−サイトシン、およびミコナゾール(Micon
    azole)から本質的に成る群より選択される、請求
    項4に記載の医薬組成物。
  6. 【請求項6】 非経口的に投与するための請求項1に記
    載の医薬組成物。
  7. 【請求項7】 前記CSF−1をボーラスの注射によ
    り、i.v.ボーラスにより、一定の注入によるか、あ
    るいは連続的注入により皮下投与するための請求項6に
    記載の医薬組成物。
  8. 【請求項8】 真菌の感染を処置するのに有効である1
    日のCSF−1の投与量が0.5〜10mg/mであ
    る、請求項1に記載の医薬組成物。
  9. 【請求項9】 真菌の感染を処置するのに有効である前
    記1日のCSF−1の投与量が0.5〜5mg/m
    ある、請求項8に記載の医薬組成物。
  10. 【請求項10】 前記CSF−1を少なくとも14日間
    投与するための請求項6に記載の医薬組成物。
  11. 【請求項11】 前記CSF−1を少なくとも21日間
    投与するための請求項10に記載の医薬組成物。
  12. 【請求項12】 前記CSF−1を免疫抑制した個体に
    投与するための請求項1に記載の医薬組成物。
  13. 【請求項13】 エイズまたは他の感染のために、骨髄
    移植とともにまたは癌の化学療法において与えられる化
    学薬物のために、あるいは熱傷または他の主要な外傷の
    ために、免疫抑制された個体に前記CSF−1を投与す
    るための請求項12に記載の医薬組成物。
  14. 【請求項14】 前記CSF−1がポリエチレングリコ
    ールに共有結合により連結されている、請求項1〜4の
    いずれか1項に記載の医薬組成物。
  15. 【請求項15】 前記CSF−1が短い形のCSF又は
    長い形のCSFである、請求項1〜4のいずれか1項に
    記載の医薬組成物。
  16. 【請求項16】 日用量0.01〜10mg/kgのC
    SF−1を含む、請求項1に記載の医薬組成物。
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