JP2003292344A - 薄膜を備えたガラス基板およびその製造方法 - Google Patents

薄膜を備えたガラス基板およびその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】パッシベーション機能が高く、かつ、表面凹凸
の大きさが適当な窒化ケイ素を主成分とする薄膜を備え
るガラス基板を提供する。さらには、この窒化ケイ素を
主成分とする薄膜を、簡便に、かつ、高い成膜速度でガ
ラス基板の表面に成形する方法を提供する。 【解決手段】表面平均粗さ(Ra)が10〜25nmの
窒化ケイ素を主成分とする薄膜を備えるガラス基板。な
らびに、シラン系化合物に対するアンモニアのモル比が
5〜75である原料ガスを用いて、化学蒸着法(CVD
法)により窒化ケイ素を主成分とする薄膜を成形するガ
ラス基板の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、窒化ケイ素を主
成分とする薄膜を備えるガラス基板に関する。さらに
は、このガラス基板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】二酸化ケイ素または窒化ケイ素からなる
薄膜を備えるガラス板が知られている。二酸化ケイ素か
らなる薄膜は、化学的安定性が高く、かつ、その骨格構
造が緻密であることから、ガラス板の表面に形成された
場合、アルカリ成分などの溶出を防止するパッシベーシ
ョン機能を発揮する。一方、窒化ケイ素からなる薄膜
は、二酸化ケイ素からなる薄膜よりもパッシベーション
機能が高く、また親水性が低いという特徴がある。ま
た、二酸化ケイ素からなる薄膜の表面を凹凸化すること
により、その親水性を高めたり、その薄膜およびその上
に形成される薄膜とガラス板との接着性を高める技術も
知られている(特開昭62−44573号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、二酸化ケイ
素からなる薄膜は、アルカリ成分に対するパッシベーシ
ョン機能は高いものの、アルカリ成分以外たとえば水ま
たは銀などに対するそれは余り高くなかった。そのた
め、この薄膜を備えるガラス板を高湿環境下に長期間置
いた場合、ガラス板が白濁するなどいわゆる「やけ」の
問題があった。また、この薄膜を備えるガラス板を液晶
パネル用基板に利用する場合、この薄膜上に電極として
銀の薄膜が形成される。この銀の薄膜は、二酸化ケイ素
からなる薄膜上に銀ペーストを塗布し、それを加熱焼成
することにより形成されるので、二酸化ケイ素からなる
薄膜が薄い場合、銀がこの薄膜を透過し、ガラス板中の
成分と反応して黄色く変色する問題があった。また、こ
の薄膜を備えるガラス基板を有機エレクトロルミネッセ
ンス(有機EL)ディスプレイ用基板に利用する場合、
このガラス基板の透湿性が要求特性を満足できるほど低
くなかったため、有機発光成分が劣化する問題があっ
た。
【0004】一方、特開昭62−44573号公報に記
載の技術は、化学蒸着法(CVD法)によりガラス板の
表面に二酸化ケイ素からなる薄膜を成形する際に、原料
ガスを供給途中で予備的に一部反応させて二酸化ケイ素
からなる微粒子を発生させ、これを薄膜中に取り込むこ
とにより、その表面を凹凸化するものである。この技術
では、微粒子が成膜装置内とくに原料ガスの吹き出し部
に堆積して、原料ガスの供給が不安定となり、表面凹凸
の形状を制御することが困難になる問題があった。二酸
化ケイ素からなる薄膜の表面凹凸が大きすぎる場合、そ
の上に形成される銀の薄膜などの形成が阻害され、銀の
薄膜などの表面に傷が発生する問題があった。一方、そ
の表面凹凸が小さすぎる場合は、上述のガラス板に対す
る付着力の向上がみられなくなり、銀の薄膜などが剥離
し易くなる問題があった。
【0005】この発明は、以上のような問題点に着目し
て完成されたものである。その目的とするところは、パ
ッシベーション機能が高く、かつ、表面凹凸の大きさが
適当な窒化ケイ素を主成分とする薄膜を備えるガラス基
板を提供することにある。さらには、この窒化ケイ素を
主成分とする薄膜を、簡便に、かつ、高い成膜速度でガ
ラス基板の表面に成形する方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の発明のガラス基板は、表面平均
粗さ(Ra)が10〜25nmの窒化ケイ素を主成分と
する薄膜を備えるものである。
【0007】請求項2に記載の発明のガラス基板は、請
求項1に記載の発明において、窒化ケイ素を主成分とす
る薄膜上に、二酸化ケイ素を主成分とする薄膜を備える
ものである。
【0008】請求項3に記載の発明のガラス基板は、請
求項1または2に記載の発明において、窒化ケイ素を主
成分とする薄膜の平均厚さが20〜300nmのもので
ある。
【0009】請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の
いずれか1項に記載のガラス基板の製造方法であって、
シラン系化合物に対するアンモニアのモル比が5〜75
である原料ガスを用いて、化学蒸着法(CVD法)によ
り上記窒化ケイ素を主成分とする薄膜を成形するもので
ある。
【0010】請求項5に記載の発明のガラス基板の製造
方法は、請求項4に記載の発明に関し、フロート法によ
るガラス板の製造工程において、化学蒸着法がフロート
バス内のガラスリボン表面に原料ガスを吹き付けるもの
である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて、詳細に説明する。このガラス基板は、表面平均粗
さ(Ra)が10〜25nmの窒化ケイ素を主成分とす
る薄膜をその表面に備えるものである。窒化ケイ素を主
成分とする薄膜は、上述の通り二酸化ケイ素を主成分と
する薄膜よりも高いパッシベーション機能を発揮するこ
とから、このガラス基板であれば、上述の「やけ」の問
題および銀の透過による着色の問題を回避することがで
きる。また、その薄膜のRaが適当な範囲にあることか
ら、その上に銀の薄膜などを成形した場合でも、銀の薄
膜などがガラス板に対して強固に付着するので、上述の
傷および剥離の問題を回避することができる。ここで、
この発明における「主成分」とは、慣用に従い組成成分
含有率で50重量%以上であることをいう。また、表面
平均粗さ(Ra)は、JIS B 0601(199
4)に定義されている算術平均粗さ(Ra)である。
【0012】窒化ケイ素を主成分とする薄膜のRaが1
0nm未満の場合は、凹凸化によって増加する表面積が
小さいため、親水性の向上が期待できない。また、この
薄膜が銀の薄膜などの内部に喰い込む深さが浅くなり、
これらの接着性の向上(以下、これを「アンカー効果」
と称する)も現れなくなる。一方、このRaが25nm
を超えると、銀の薄膜などの表面に傷が発生し、たとえ
ばこのガラス基板を液晶ディスプレイ用基板として利用
する場合は、前記傷が原因となって通電不良が生じる。
また、この薄膜の上にCVD法により酸化スズなどの結
晶性の金属酸化物を主成分とする薄膜を成形する場合に
は、その結晶成長速度が低下する問題も生じる。
【0013】窒化ケイ素を主成分とする薄膜は、窒化ケ
イ素の他に酸素、水素または炭素などを20重量%以下
の範囲で含有してもよい。
【0014】また、窒化ケイ素を主成分とする薄膜の平
均厚さは、20〜300nmであることが好ましい。2
0nm未満の場合は、ピンホール(膜抜け)が発生する
おそれが高く、またパッシベーション機能が不足し易
い。一方、300nmを超えると、この薄膜による可視
光の吸収量が無視できなくなるばかりか、この薄膜のガ
ラス基板に対する付着力が低下するなどの問題も生じ易
い。
【0015】このガラス基板は、上記の建築物用もしく
は車両用窓ガラスまたは液晶ディスプレイもしくは有機
ELディスプレイ用基板など公知の用途に利用できる。
窒化ケイ素を主成分とする薄膜は、二酸化ケイ素を主成
分とする薄膜よりも親水性が低いので、このガラス基板
の利用用途によっては、この薄膜の上に二酸化ケイ素を
主成分とする薄膜をさらに設けることが好ましい。この
二酸化ケイ素を主成分とする薄膜をさらに設けることに
より、ガラス基板に一定の親水性を付与しつつ、窒化ケ
イ素を主成分とする薄膜の高いパッシベーション機能に
由来して上記「やけ」などの問題を回避できる。薄膜の
親水性を評価する基準として、水の接触角がある。この
角度が10°以下であれば、一般に濡れ易い=親水性が
十分といわれる。よって、この発明のガラス基板は、二
酸化ケイ素を主成分とする薄膜を備える場合、その接触
角が10°以下であることが好ましい。
【0016】また、窒化ケイ素を主成分とする薄膜また
は二酸化ケイ素を主成分とする薄膜の上に、さらに機能
性薄膜を成形してもよい。機能性薄膜としては、たとえ
ば、酸化スズ(SnO2)、ケイ酸化スズ(SnSiO)、酸炭化ケ
イ素(SiOC)、炭化ケイ素(SiC)または二酸化チタン(Ti
O2)を主成分とする薄膜が挙げられる。酸化スズを主成
分とする薄膜は透明導電膜として、二酸化ケイ素および
ケイ酸化スズを主成分とする薄膜はパッシベーション膜
や絶縁性膜として、炭化ケイ素を成分とする薄膜はパッ
シベーション膜や絶縁性膜さらに茶色系の着色膜とし
て、あるいは二酸化チタンは熱線反射膜や光触媒機能を
有する膜として機能する。
【0017】この窒化ケイ素を主成分とする薄膜の成形
方法は、とくに限定されるものではないが、つぎの方法
が好ましい。すなわち、CVD法において、シラン系化
合物およびアンモニアを含有し、かつ、シラン系化合物
に対するアンモニアのモル比(アンモニアのモル数/シ
ラン系化合物のモル数)を5〜75に調整した原料ガス
を使用する方法である。この方法であれば、特開昭62
−44573号公報に記載の技術と異なり、原料ガスが
供給途中ではほとんど反応しないので、上記原料ガスの
供給が不安定になる問題を回避することができる。な
お、CVD法は、ガラス板の近傍に設置した触媒体と原
料ガスとの接触分解反応を利用する触媒CVD法であっ
てもよい。
【0018】上記シラン系化合物としては、モノシラン
(SiH4)、ジシラン(Si2H6)、四塩化ケイ素(SiCl4)、ジク
ロルシラン(SiH2Cl2)、三塩化シラン(SiHCl3)、テトラ
メチルシラン((CH3)4Si)または四フッ化ケイ素(SiF4)な
どが挙げられる。これらの中でも、とくにモノシランが
好ましい。モノシランとアンモニアとを組み合わせて使
用した場合は、副生成物が少なく、より純度の高い窒化
ケイ素を主成分とする薄膜を成形できるからである。ま
た、CVD法において、窒素原料としてアンモニアを使
用するのは、アンモニアの社会的な供給体制が整ってお
り、工業的な大量消費に適したものであること、ならび
にアンモニアがアミンやヒドラジンなどの窒素原料より
も毒性が低いことなど、その利点が多いからである。
【0019】原料ガス中におけるシラン系化合物に対す
るアンモニアのモル比は、5〜75であることが好まし
い。この比が5より小さい場合は、窒化ケイ素を主成分
とする薄膜の表面に非常に多くの比較的大きな凹凸が形
成され、そのRaが25nmを超え易い。一方、この比
が75より大きくなると、形成される凹凸が少なくな
り、十分なアンカー効果が奏され難くなる。さらに好ま
しいモル比は、10〜50である。
【0020】また、原料ガス中におけるシラン系化合物
の濃度は、0.2〜1.4mol%が好ましい。0.2mol
%未満の場合は、成膜速度が低くなりすぎて、後述する
オンラインCVD法を利用した実生産が困難になる。一
方、1.4mol%を超えると、特開昭62−44573
号公報に記載の技術と同様に、原料ガスの供給途中での
反応が無視できなくなり、原料ガスの供給が不安定にな
ったり、さらに高濃度になると、シランが爆発するおそ
れも生じる。
【0021】CVD法において、シラン系化合物および
アンモニアを含有する原料ガスを用いることにより、上
記の表面凹凸が形成される技術的な理由は、シラン系化
合物とアンモニアとの分解特性の違いに基づくと考えら
れる。成膜温度が成膜可能な下限近傍においては、シラ
ン系化合物とアンモニアとの分解速度の差が大きいた
め、成膜速度が不均一となり、この場所による成膜速度
の差に基づいて前記表面凹凸が形成されるものと考えら
れる。この点に鑑みると、成膜温度は700〜830℃
が好ましい。この温度域は成膜可能な下限近傍であり、
原料ガス中におけるシラン系化合物に対するアンモニア
のモル比を調節することにより、表面凹凸の大きさすな
わち窒化ケイ素を主成分とする薄膜のRaを調節するこ
とができる。
【0022】CVD法では、所定の大きさに切断し、加
熱したガラス板に原料ガスを吹き付けることにより成膜
を行う。たとえば、ガラス板をメッシュベルトに載せて
加熱炉を通過させる間に原料ガスを供給し、所定温度に
まで加熱したガラス板の表面で原料を反応させる。しか
し、このガラス基板を工業的に大量生産する場合は、つ
ぎのオンラインCVD法を利用することが好ましい。す
なわち、フロート法によるガラス板の製造工程におい
て、熔融状態のガラスリボンを板状に成形するフロート
バス内で、そのガラスリボンの表面に前記原料ガスを吹
き付ける方法である。この方法によれば、原料ガスの熱
分解に必要なエネルギーをガラスリボンから得られるの
で、このガラス基板の製造に必要なトータルエネルギー
コストを抑えることができる。また、オンラインCVD
法においては、連続的に生産されるガラス板の表面に薄
膜成形がなされるので、この窒化ケイ素を主成分とする
薄膜を短時間で大面積に成形できる。さらに、フロート
バス内でのガラスリボンの温度はおよそ上記の700〜
830℃の範囲にあるから、前記薄膜のRaを10〜2
5nmに調整することが容易であるとともに、ガラスリ
ボンの寸法自由度が大きく、前記薄膜特有の膜中張力が
低減されて、前記薄膜とガラス板との付着力が向上する
などの利点もある。
【0023】なお、窒化ケイ素を主成分とする薄膜の親
水性を改善するために、この薄膜を備えたガラス基板を
大気中で焼成処理してもよい。たとえば、このガラス基
板を600℃で数時間焼成処理することにより、薄膜全
体の特性を変化させることなく、その表面近傍のみを酸
化させ、その親水性を高めることができる。
【0024】窒化ケイ素を主成分とする薄膜の上に二酸
化ケイ素を主成分とする薄膜を積層する場合は、CVD
法を利用することが好ましい。CVD法であれば、原料
ガスを供給するコータの数を増やすことにより、連続的
に薄膜を成形できるので、その成膜コストを抑えること
ができる。
【0025】CVD法により二酸化ケイ素を主成分とす
る薄膜を成形する場合、ケイ素原料としては、モノシラ
ン、ジシラン、四塩化ケイ素、ジクロルシラン、三塩化
シラン、テトラメチルシラン、テトラメチルオルソシリ
ケートまたはテトラエチルオルソシリケートなどを用い
ることができる。この場合の酸化原料としては、酸素、
水蒸気、乾燥空気、二酸化炭素、一酸化炭素、二酸化窒
素またはオゾンなどが挙げられる。また、モノシランな
ど反応性の極めて高いケイ素原料を使用する場合は、エ
チレン、アセチレンまたはトルエンなどの不飽和炭化水
素ガスを添加して、その反応性を制御することが好まし
い。
【0026】フロート法において、ガラスリボン上にC
VD法で窒化ケイ素を主成分とする薄膜および二酸化ケ
イ素を主成分とする薄膜を成形するための装置の一形態
を図1に示す。図1に示したように、この装置では、熔
融炉(フロート窯)11からフロートバス12内に流れ
出し、熔融スズ15上を帯状に移動するガラスリボン1
0の表面から所定距離を隔て、所定個数のコータ16
(図示した形態では3つのコータ16a,16b,16
c)がフロートバス内に配置されている。これらのコー
タからは、原料ガスが供給され、ガラスリボン10上に
連続的に薄膜が形成されていく。また、複数のコータを
利用すれば、ガラスリボン10上に、薄膜を積層するこ
とができる。ガラスリボンの温度は、コータ16の直前
で所定温度となるように、フロートバス内に配置された
ヒータおよびクーラ(図示省略)により調整される。各
薄膜が形成されたガラスリボン10は、ローラ17によ
り引き上げられて徐冷炉13へと送り込まれる。なお、
徐冷炉13で徐冷されたガラス板は、図示を省略するフ
ロート法汎用の切断装置により、所定の大きさのガラス
板へと切断される。
【0027】
【実施例】以下、この発明を実施例により、さらに具体
的に説明する。なお、以下の実施例に限定するものでは
ない。
【0028】(実施例1)予め一辺が10cmの正方形
となるように切断した厚さ1.1mmの無アルカリガラ
ス(コーニング社製7059)を洗浄し、乾燥させた。
このガラス板上に常圧CVD法により、窒化ケイ素を主
成分とする薄膜を成形した。成膜は、約830℃の炉内
をガラス板が1.5m/minの速度で搬送される条件下で
行った。炉内に設置したコータから、モノシランに対す
るアンモニアのモル比が10で、モノシラン濃度が0.
5mol%の原料ガスを供給し、ガラス板上に平均厚さが
40nmの窒化ケイ素を主成分とする薄膜を成形した。
この薄膜の表面を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて
写真撮影した。このSEM写真を図2に示す。つぎに、
この薄膜のRaを原子間力顕微鏡(AFM)を用いて測
定したところ15nmであった。また、接触角計(CA
−DT 協和界面科学製)を用いて、水滴重量2mgと
して初期の接触角を測定したところ26度であった。つ
づいて、電子線ビーム蒸着装置を使用して、この薄膜上
に約150nmの銀の薄膜を蒸着した。この銀の薄膜の
表面を紙で擦った後、目視でその表面状態を観察したと
ころ、銀の薄膜に傷や剥離はみられなかった。これら成
膜条件および各薄膜の特性について、下記「表1」にま
とめて示す。
【0029】(実施例2)オンラインCVD法を利用し
て、ガラスリボンの表面に窒化ケイ素を主成分とする薄
膜を成形した。フロートバス内には、1,500〜1,
600℃のソーダライムシリカガラス組成からなる熔融
ガラスを流し込んだ。フロートバス内におけるガラスリ
ボンの温度は700〜850℃程度であり、窒化ケイ素
を主成分とする薄膜を成形する直前におけるガラスリボ
ンの表面温度は約800〜830℃であった。フロート
バス内において、最上流側に位置する第1のコータ(図
1中16a)から、モノシランに対するアンモニアのモ
ル比が50で、モノシラン濃度が0.4mol%の原料ガ
スを供給し、厚さ2.8mmのガラスリボン表面に、平
均厚さが45nmの窒化ケイ素を主成分とする薄膜を成
形した。その後、徐冷炉で徐冷され、搬送下流側に配置
した切断機により所定寸法に切断したガラス基板を適宜
サンプリングした。サンプリングしたガラス基板の窒化
ケイ素を主成分とする薄膜の表面をSEMを用いて写真
撮影した。このSEM写真を図3に示す。また、実施例
1と同様にして、その薄膜の特性を測定したところ、R
aが19nmで、接触角が30度であった。さらに、実
施例1と同様にして銀の薄膜を蒸着し、その表面を紙で
擦ったが銀の薄膜に傷および剥離はみられなかった。こ
の成膜条件および各薄膜の特性について、下記「表1」
に併せて示す。
【0030】(実施例3)実施例2において、原料ガス
中のモノシランに対するアンモニアのモル比を10と
し、窒化ケイ素を主成分とする薄膜の平均厚さを40n
mとした以外は同様にして前記薄膜を成形した。さら
に、第2のコータ(図1中16b)から、モノシラン、
エチレン、酸素および窒素からなる原料ガスを供給し
て、平均膜厚が約30nmの二酸化ケイ素を主成分とす
る薄膜を積層成形した。この二酸化ケイ素を主成分とす
る薄膜のRaをAFMを用いて測定したところ14nm
であった。また、その接触角は6度であり、親水性が良
好であることが判った。この成膜条件および各薄膜の特
性について、下記「表1」に併せて示す。
【0031】(比較例1)実施例1において、モノシラ
ンに対するアンモニアのモル比が1で、モノシラン濃度
が0.6mol%の原料ガスを使用し、窒化ケイ素を主成
分とする薄膜の平均厚さを35nmに変えた以外は同様
にして、前記薄膜を成形し、特性を測定した。この薄膜
のSEM写真を図4に示す。また、そのRaは28nm
で、接触角が20度であった。さらに、実施例1と同様
にして銀の薄膜を成形し、その表面を紙で擦ったとこ
ろ、肉眼でみても明らかな傷が多数発生し、一部で剥離
も確認された。この成膜条件および各薄膜の特性につい
て、下記「表1」に併せて示す。
【0032】(比較例2)実施例2において、モノシラ
ンに対するアンモニアのモル比が100で、モノシラン
濃度が0.3mol%の原料ガスを使用し、窒化ケイ素を
主成分とする薄膜の平均厚さを35nmに変えた以外は
同様にして、前記薄膜を成形し、その特性を測定した。
この薄膜のSEM写真を図5に示す。また、そのRaは
8nmで、接触角が32度であった。さらに、実施例1
と同様にして銀の薄膜を成形し、その表面を紙で擦った
ところ、肉眼でみても明らかな剥離が生じていた。この
成膜条件および各薄膜の特性について、下記「表1」に
併せて示す。
【0033】(比較例3)実施例3において、窒化ケイ
素を主成分とする薄膜の原料ガス中のモノシランに対す
るアンモニアのモル比を100に変えた以外は同様にし
て、前記薄膜および二酸化ケイ素を主成分とする薄膜を
成形し、その特性を測定した。この二酸化ケイ素を主成
分とする薄膜は、そのRaが7nmであり、また接触角
が18度で親水性が不十分であることが判った。この成
膜条件および各薄膜の特性について、下記「表1」に併
せて示す。
【0034】
【表1】
【0035】
【発明の効果】この発明は、以上のように構成されてい
ることから、つぎの効果を奏する。この発明によれば、
窒化ケイ素を主成分とする薄膜特有の高いパッシベーシ
ョン機能に加えて、そのRaが10〜25nmと適当な
大きさであるため、アンカー効果によって、その薄膜上
に形成される二酸化ケイ素などを薄膜がガラス基板に対
して強固に付着することができる。また、二酸化ケイ素
を主成分とする薄膜は親水性が良好であることから、窒
化ケイ素を主成分とする薄膜の上に二酸化ケイ素を主成
分とする薄膜を成形すれば、そのガラス基板の利用用途
を一層拡げることができる。さらに、窒化ケイ素を主成
分とする薄膜が適当な厚さであれば、その高いパッシベ
ーション機能が確実に発揮され、上述の「やけ」の問題
および銀の透過による着色の問題を回避しつつ、透過光
の吸収を抑えることができる。
【0036】また、CVD法とくにオンラインCVD法
において、原料ガス中のシラン系化合物に対するアンモ
ニアのモル比を適当な範囲に調整することにより、簡便
に、かつ、高い成膜速度で適度なRaを有する窒化ケイ
素を主成分とする薄膜を確実に成形することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】オンラインCVD法に用いる装置の一例の構成
を示す模式図である。
【図2】実施例1のガラス基板を撮影したSEM写真で
ある。
【図3】実施例2のガラス基板を撮影したSEM写真で
ある。
【図4】比較例1のガラス基板を撮影したSEM写真で
ある。
【図5】比較例2のガラス基板を撮影したSEM写真で
ある。
【符号の説明】
10 ガラスリボン 11 熔融炉 12 フロートバス 13 徐冷炉 15 熔融スズ 16 コータ 17 ローラ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面平均粗さ(Ra)が10〜25nmの
    窒化ケイ素を主成分とする薄膜を備えるガラス基板。
  2. 【請求項2】上記窒化ケイ素を主成分とする薄膜上に、
    二酸化ケイ素を主成分とする薄膜を備える請求項1に記
    載のガラス基板。
  3. 【請求項3】上記窒化ケイ素を主成分とする薄膜の平均
    厚さが20〜300nmである請求項1または2に記載
    のガラス基板。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれか1項に記載のガラ
    ス基板の製造方法であって、シラン系化合物に対するア
    ンモニアのモル比が5〜75である原料ガスを用いて、
    化学蒸着法(CVD法)により上記窒化ケイ素を主成分
    とする薄膜を成形するガラス基板の製造方法。
  5. 【請求項5】上記化学蒸着法は、フロート法によるガラ
    ス板の製造工程において、フロートバス内のガラスリボ
    ン表面に上記原料ガスを吹き付けるものである請求項4
    に記載のガラス基板の製造方法。
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