JP2003289082A - 通信機器用半導体装置及び通信システム用機器 - Google Patents

通信機器用半導体装置及び通信システム用機器

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JP2003289082A
JP2003289082A JP2002091734A JP2002091734A JP2003289082A JP 2003289082 A JP2003289082 A JP 2003289082A JP 2002091734 A JP2002091734 A JP 2002091734A JP 2002091734 A JP2002091734 A JP 2002091734A JP 2003289082 A JP2003289082 A JP 2003289082A
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JP
Japan
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semiconductor layer
layer
semiconductor
potential
conduction band
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Application number
JP2002091734A
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English (en)
Inventor
Chiyoujitsuriyo Suzuki
朝実良 鈴木
Toshiya Yokogawa
俊哉 横川
Masahiro Deguchi
正洋 出口
Shigeo Yoshii
重雄 吉井
Hiroyuki Furuya
博之 古屋
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 チャネル層における衝突イオン化及びキャリ
アの高い量子準位への遷移を抑制することにより、優れ
た高周波特性を有し、且つ耐圧性及び電気的特性の安定
性を向上させた通信機器用半導体装置を提供する。 【解決手段】 通信機器用半導体装置は、InP基板2
51の上に順に設けられたInAlAsからなるバッフ
ァ層252,InGaAlAsからなるチャネル内挿入
層254が埋め込まれたInGaAsからなる第2チャ
ネル層253,InGaAsNからなる第1チャネル層
255,InAlAsからなるスペーサ層256,不純
物添加層257,バリア層258,ゲート電極263
と、ゲート電極263の両側方に設けられたソース電極
262及びドレイン電極261とを備えている。これに
より、第2チャネル層における量子準位が調節されるの
で、衝突イオン化及びキャリアの高い量子準位への遷移
が抑制される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、通信機器用半導体
装置及びこれを用いた通信システム用機器に関し、特に
ヘテロ接合電界効果型トランジスタ及びこれを用いた通
信システム用機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、高周波特性,発光特性,耐圧特性
など特定の優れた機能を有する半導体デバイスを実現す
るために、新しい半導体材料や半絶縁材料の開発が活発
に行われている。半導体材料の中でもインジウム燐(I
nP)系半導体は、代表的な半導体材料である珪素(S
i)に比べて電子移動度や飽和電子速度が大きい半導体
であることから、次世代の高周波デバイス、高温デバイ
スなどへの応用が期待される材料である。そして、携帯
電話や携帯情報端末(PDA)の他、家庭やオフィスの
機器などをネットワーク化する、高周波を用いた通信用
システムへの応用は、InP材料の用途として非常に有
望である。
【0003】InPを用いたデバイスの1つとして、I
nP基板に格子整合するInAlAs(インジウム・ア
ルミニウム・ヒ素)/InGaAs(インジウム・ガリ
ウム・ヒ素)へテロ接合を用いたヘテロ接合電界効果型
トランジスタ(以下、HFETと称す)がある。このH
FETの高性能化は従来より進められており、集積回路
に応用するための研究も盛んに行われている。
【0004】図15は、従来の代表的なHFET(以
下、「従来のHFET」と称す)の構造を示す断面図で
ある。同図に示すように、従来のHFETは、半絶縁性
のInP基板901と、InP基板901上に設けられ
たアンドープのInAlAsからなる厚さ200nmの
バッファ層902と、バッファ層902上に設けられた
アンドープのInGaAsからなる厚さ15nmのチャ
ネル層903と、チャネル層903の上に設けられたア
ンドープのInAlAsからなる厚さ2nmのスペーサ
層904と、スペーサ層904の上に例えば共蒸着によ
り設けられた面密度5×1012cm-2のSiを含む原子
層ドーピング面からなる不純物添加層905と、不純物
添加層905の上に設けられたアンドープのInAlA
sからなる厚さ15nmのバリア層906と、バリア層
906の上に設けられたゲート電極911と、バリア層
906の上のゲート電極911の両側方に設けられた1
×1019cm-3のSiを含むn型InGaAsからなる
キャップ層907と、チャネル層903,スペーサ層9
04,不純物添加層905,バリア層906及びキャッ
プ層907の一部にSiをイオン注入することにより設
けられたソース領域912及びドレイン領域913と、
ソース領域912上に設けられたソース電極910と、
ドレイン領域913の上に設けられたドレイン電極90
9とを備えている。また、バッファ層902,チャネル
層903,スペーサ層904,バリア層906及びキャ
ップ層907はそれぞれ分子線エピタキシー(MBE)
法や化学気相成長(CVD)法などにより堆積された層
であり、InP基板901に格子整合している。なお、
ドレイン電極909及びソース電極910は共にAuG
e/Ni等からなっており、ドレイン領域913とソー
ス領域912とそれぞれオーミック接触している。
【0005】次に、図2(a)は、図15に示すIIa−I
Ia線における従来のHFETのエネルギーバンド図であ
る。同図は、HFETの駆動時におけるエネルギーバン
ド図である。ここでは、図の簡略化のために、バリア層
906からチャネル層903までの伝導帯のエネルギー
バンドのみを示す。
【0006】図2(a)に示すように、従来のHFET
において、スペーサ層904の伝導帯端のポテンシャル
はチャネル層903の伝導帯のポテンシャルよりも高く
なっており、スペーサ層904とチャネル層903の伝
導帯側にはエネルギー障壁(バンド不連続)が存在す
る。ここで示す従来のHFETの場合、このバンド不連
続量は、0.55eVである。
【0007】従来のHFETにおいては、上述のような
構造をとるために、キャリアとなる電子をチャネル領域
中の狭い領域に閉じこめることができる。すなわち、キ
ャリアがチャネル層903とスペーサ層904との界面
に蓄積し、散乱が抑制された状態でチャネル層903中
を高速で移動する。こうして、バルク結晶中を走行する
電子よりも移動度の大きい二次元電子ガス908が生じ
るため、従来のHFETでは、高速動作が可能になって
いる。
【0008】また、チャネル層903を形成するInG
aAsにおいては、InAlAsなどと比較して電子の
有効質量が小さいことによって、キャリアの移動度はよ
り大きくなっている。
【0009】なお、従来のHFETにおいては、ゲート
電極911に印加する電圧を調節することでチャネル層
のバンド曲がりを調節できるので、二次元電子ガス90
8の濃度を変化させ、ソース電極−ドレイン電極間を流
れる電流を制御することも可能になっている。
【0010】このように、従来のHFETは、キャリア
電子の移動度が大きく、高周波を利用した通信機器に要
求される優れた高周波特性を有している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
HFETは、高速動作時に耐圧性や電気的特性の安定性
が低下することがあり、通信システム用機器に利用する
には改善の余地が残されていた。
【0012】そこで、本願発明者らがHFETの耐圧性
及び電気的特性を低下させる原因について検討した結
果、以下のことが分かった。
【0013】HFETを高速動作させると、そのチャネ
ル内で衝突イオン化が起こり、電子・ホール対が生成さ
れる。このうち電子は他のキャリア電子と同様にドレイ
ン電極へと流れる。これに対し、生成したホールは、電
子に比べて非常に速度が遅く、電子の動作には追随でき
ない。このため、HFETの動作中にホールが滞留しや
すく、雑音の発生要因となり易い。また、チャネル層9
03とバッファ層902との間には価電子帯においても
エネルギー障壁が存在するため、衝突イオン化によって
生成されたホールはバッファ層902の方向に流れるこ
とができず、チャネル層903内に蓄積したままとな
る。
【0014】衝突イオン化の頻度がさらに高くなると、
チャネル層903内のホール濃度が増大し、一部のホー
ルがゲート電極に流れ込んでゲートリーク電流を生じさ
せる。また、チャネル層903内に蓄積したホールはト
ランジスタ内のポテンシャル分布を変化させ、トランジ
スタのソース抵抗やしきい値電圧を変化させる。その結
果、トランジスタの出力特性が不安定となる。すなわ
ち、衝突イオン化の頻度が増加することによりホールの
蓄積が生じやすくなり、その結果、トランジスタの耐圧
は著しく低下する。
【0015】また、衝突イオン化が起こるまでのエネル
ギーを持っていないとしても、走行中のキャリアがある
程度の運動エネルギーを持ったときに、より上の準位へ
遷移すると、キャリアの閉じこめが弱くなり、移動度が
低下する。
【0016】以上の検討結果から、チャネル層における
衝突イオン化を抑制するとともに、キャリアが高い量子
準位に遷移しにくくすることにより、上述の不具合を改
善できることが分かった。
【0017】本発明の目的は、衝突イオン化の発生とキ
ャリアの高い量子準位への遷移とを抑制することによ
り、優れた高周波特性を示し、且つ耐圧性及び電気的特
性の安定性を向上させた通信機器用半導体装置及びこれ
を用いた通信システム用機器を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の通信機器用半導
体装置は、第1の半導体層と、上記第1の半導体層の上
に設けられ、上記第1の半導体層よりも伝導帯端のポテ
ンシャルが低い第2の半導体層と、上記第2の半導体層
の上に設けられ、伝導帯端のポテンシャルが上記第2の
半導体層の伝導帯端のポテンシャル及び上記第2の量子
準位よりも高い第4の半導体層と、上記第2の半導体層
の内部に設けられ、上記第2の半導体層のうち上記第4
の半導体層との界面付近の伝導帯側量子井戸構造におけ
る基底レベルの第1の量子準位とその直上レベルの第2
の量子準位との間隔を調節するための第3の半導体層と
を備え、上記第2の半導体層のうち少なくとも一部は、
InGaAsから構成されている。
【0019】この構成により、第3の半導体層の伝導帯
端のポテンシャル及び第4の半導体層と第3の半導体層
との距離を調節して第1の量子準位と第2の量子準位と
の間隔を調節することが可能になる。例えば、第1の量
子準位と第2の量子準位との間隔を広げるように第3の
半導体層を設けることで、第2の半導体層において生じ
る衝突イオン化が抑制されるので、InGaAs層をチ
ャネルとする従来のHFETに比べて、ホールの発生及
び蓄積が起こりにくくすることができる。その結果、耐
圧性及び電気的特性の安定性を向上させることができ
る。また、キャリアを第2の量子準位に遷移しにくくす
ることができるため、キャリア移動度の低下を防ぐこと
ができる。その一方で第1の量子準位はより強く閉じこ
められた状態となっているため、キャリア移動度とキャ
リア濃度は高められ、優れた高周波特性を安定して発揮
する通信機器用半導体装置が実現できる。
【0020】上記第3の半導体層の伝導帯端のポテンシ
ャルは、上記第2の半導体層のうち上記第3の半導体層
を除く部分の伝導帯端のポテンシャルよりも高く、上記
第3の半導体層は、少なくとも上記第2の量子準位の高
さを調節するために設けられることにより、例えば、第
1の量子準位と第2の量子準位との間隔を広げることが
でき、第2の半導体層において生じる衝突イオン化を抑
制することができる。また、本発明の通信機器用半導体
装置の動作時には、キャリアが第2の量子準位に遷移し
にくくなるため、二次元電子ガスの移動度を向上させる
ことができる。
【0021】上記第2の量子準位は、上記第2の半導体
層のうち上記第4の半導体層と上記第3の半導体層とに
挟まれた領域の、上記第3の半導体層との界面における
伝導帯端のポテンシャルよりも高く、上記第1の量子準
位は、上記第2の半導体層のうち上記第4の半導体層と
上記第3の半導体層とに挟まれた領域の、上記第3の半
導体層との界面における伝導帯端のポテンシャルよりも
低いことにより、第3の半導体層と第4の半導体層との
距離を調節することで、第2の量子準位の高さを選択的
に調節することができる。この構成に従えば、例えば第
3の半導体層と第4の半導体層との距離が小さくなるよ
うに第3の半導体層を設けることによって第1の量子準
位と第2の量子準位との間隔を広げることができるの
で、キャリアが第1の量子準位から第2の量子準位へ遷
移しにくくし、動作時に生じる二次元電子ガスの移動度
を高めることができる。
【0022】上記第3の半導体層は、In,Ga,Al
のうちから選ばれた少なくとも1つのIII属元素とN,
As,P,Sbのうちから選ばれた少なくとも1つのV
属元素との化合物から構成されることにより、高速動作
が可能で、且つ高速動作時における耐圧性及び電気的特
性の安定性が向上された通信機器用半導体装置を実現す
ることができる。
【0023】上記第3の半導体層は、InP,InGa
As,InGaAsP,InGaAsPN,InGaA
lAs及びAlGaAsSbのうちから選ばれたいずれ
か1つの材料から構成されることにより、本発明の通信
機器用半導体装置は特に容易に実現される。
【0024】上記第2の半導体層のうち上記第4の半導
体層と上記第3の半導体層とに挟まれた領域には第5の
半導体層がさらに設けられており、第5の半導体層の伝
導帯端のポテンシャルは、上記第5の半導体層を除く上
記第2の半導体層のうち上記第3の半導体層と上記第4
の半導体層とに挟まれた領域の伝導帯端のポテンシャル
よりも低いことにより、第2の量子準位だけでなく第1
の量子準位の高さをも調節することができる。例えば、
第2の量子準位高さが高く、第1の量子準位の高さが低
くなるように第3の半導体層及び第5の半導体層を設け
た場合には、第1の量子準位と第2の量子準位との間隔
をより効果的に広げることができ、第2の半導体層にお
いて生じる衝突イオン化が抑制されるので、InGaA
s層をチャネルとする従来のHFETに比べて、ホール
の発生及び蓄積を起こりにくくすることができる。その
結果、耐圧性及び電気的特性の安定性を向上させること
ができる。また、キャリアを第2の量子準位に遷移しに
くくすることができるため、キャリア移動度の低下を防
ぐことができる。その一方で第1の量子準位はより強く
閉じこめられた状態となっているため、キャリア移動度
とキャリア濃度は高められ、優れた高周波特性を安定し
て発揮する通信機器用半導体装置が実現できる。
【0025】上記第1の量子準位は、上記第5の半導体
層の伝導帯端のポテンシャルのうち最大のものよりも低
いことにより、第5の半導体層の厚みを調節すること
で、第1の量子準位の高さを調節することが可能にな
る。例えば、第5の半導体層の厚みを広げることで、第
1の量子準位をより低くすることができ、第1の量子準
位と第2の量子準位との間隔を広げることができる。
【0026】上記第5の半導体層は、InGaAs,I
nGaAsN及びInGaAsPNのうちから選ばれた
いずれか1つの材料から構成されることにより、本発明
の通信機器用半導体装置は容易に実現される。
【0027】また、上記第3の半導体層の伝導帯端のポ
テンシャルは、上記第2の半導体層のうち上記第3の半
導体層を除く部分の伝導帯端のポテンシャルよりも低
く、上記第3の半導体層は、少なくとも上記第1の量子
準位の高さを調節するために設けられることにより、例
えば、第1の量子準位と第2の量子準位との間隔を広げ
ることができ、第2の半導体層において生じる衝突イオ
ン化を抑制することができる。また、本発明の通信機器
用半導体装置の動作時には、キャリアが第2の量子準位
に遷移しにくくなるため、二次元電子ガスの移動度を向
上させることができる。
【0028】上記第1の量子準位は、上記第3の半導体
層のうち上記第2の半導体層との界面における伝導帯端
のポテンシャルよりも低いことにより、第1の量子準位
の高さを選択的に調節することが可能になる。例えば、
第1の量子準位の高さが低くなるように第3の半導体層
を設けた場合には、第1の量子準位と第2の量子準位と
の間隔を広くすることができ、第2の半導体層において
生じる衝突イオン化を抑制することができる。すなわ
ち、InGaAs層をチャネルとする従来のHFETに
比べて、ホールの発生及び蓄積が起こりにくくすること
ができ、その結果、耐圧性及び電気的特性の安定性を向
上させることができる。また、この場合にはキャリアを
第2の量子準位に遷移しにくくすることができるので、
キャリア移動度を向上させることができる。
【0029】上記第3の半導体層は、In,Ga,Al
のうちから選ばれた少なくとも1つのIII属元素とN,
As,P,Sbのうちから選ばれた少なくとも1つのV
属元素との化合物から構成されることが好ましい。
【0030】上記第3の半導体層は、InGaAs,I
nGaAsN及びInGaAsPNのうちから選ばれた
いずれか1つの材料から構成されることが特に好まし
い。
【0031】本発明の通信システム用機器は、高周波信
号を扱う通信システムに配置され、能動素子を有する通
信システム用機器であって、第1の半導体層と、上記第
1の半導体層の上に設けられ、上記第1の半導体層より
も伝導帯端のポテンシャルが低い第2の半導体層と、上
記第2の半導体層の上に設けられ、伝導帯端のポテンシ
ャルが上記第2の半導体層の伝導帯端のポテンシャル及
び上記第2の量子準位よりも高い第4の半導体層と、上
記第2の半導体層の内部に設けられ、上記第2の半導体
層のうち上記第4の半導体層との界面付近の伝導帯側量
子井戸構造における基底レベルの第1の量子準位とその
直上レベルの第2の量子準位との間隔を調節するための
第3の半導体層とを備え、上記第2の半導体層のうち少
なくとも一部は、InGaAsから構成されている。
【0032】これにより、第2の半導体層において生じ
る衝突イオン化が抑制されるので、InGaAs層をチ
ャネルとする従来の通信システム用機器に用いられるH
FETに比べて、動作時にホールの発生及び蓄積が起こ
りにくくなり、能動素子の耐圧性及び電気的特性の安定
性を向上させることができる。また、キャリアが第2の
量子状態に遷移しにくくなっているため、キャリア移動
度の低下を防ぐことができ、能動素子は優れた高周波特
性を安定して発揮することができる。その結果、能動素
子を有する本発明の通信システム用機器の電気的特性の
安定性の向上と高周波特性の改善とを図ることができ
る。
【0033】上記第3の半導体層の伝導帯端のポテンシ
ャルは、上記第2の半導体層のうち上記第3の半導体層
を除く部分の伝導帯端のポテンシャルよりも高く、上記
第3の半導体層は、少なくとも上記第2の量子準位の高
さを調節するために設けられることにより、例えば、第
1の量子準位と第2の量子準位との間隔を広げることが
でき、第2の半導体層において生じる衝突イオン化を抑
制することができる。また、能動素子の動作時には、キ
ャリアが第2の量子準位に遷移しにくくなるため、二次
元電子ガスの移動度を向上させることができる。その結
果、能動素子を有する本発明の通信システム用機器の電
気的特性の安定性の向上と高周波特性の改善とを図るこ
とができる。
【0034】上記第2の量子準位は、上記第2の半導体
層のうち上記第4の半導体層と上記第3の半導体層とに
挟まれた領域の、上記第3の半導体層との界面における
伝導帯端のポテンシャルよりも高く、上記第1の量子準
位は、上記第2の半導体層のうち上記第4の半導体層と
上記第3の半導体層とに挟まれた領域の、上記第3の半
導体層との界面における伝導帯端のポテンシャルよりも
低いことにより、第2の量子準位の高さを選択的に調節
することが可能になるので、優れた高周波特性を安定し
て発揮する能動素子を実現することができ、ひいては本
発明の通信システム用機器の電気的特性の安定性の向上
と高周波特性の改善とを図ることができる。
【0035】上記第3の半導体層は、InP,InGa
As,InGaAsP,InGaAsPN,InGaA
lAs及びAlGaAsSbのうちから選ばれたいずれ
か1つの材料から構成されることが好ましい。
【0036】上記第2の半導体層のうち上記第4の半導
体層と上記第3の半導体層とに挟まれた領域には第5の
半導体層がさらに設けられており、第5の半導体層の伝
導帯端のポテンシャルは、上記第5の半導体層を除く上
記第2の半導体層のうち上記第3の半導体層と上記第4
の半導体層とに挟まれた領域の伝導帯端のポテンシャル
よりも低いことにより、さらに効果的に第1の量子準位
と第2の量子準位との間隔を広くすることができる。
【0037】上記第5の半導体層は、InGaAs,I
nGaAsN及びInGaAsPNのうちから選ばれた
いずれか1つの材料から構成されることが好ましい。
【0038】上記第3の半導体層の伝導帯端のポテンシ
ャルは、上記第2の半導体層のうち上記第3の半導体層
を除く部分の伝導帯端のポテンシャルよりも低く、上記
第3の半導体層は、少なくとも上記第1の量子準位の高
さを調節するために設けられることにより、例えば第1
の量子準位の高さを低くするように調節することで第1
の量子準位と第2の量子準位との間隔を広くすることが
できる。この結果、能動素子の電気的特性の安定化及び
高周波特性の向上を図ることができ、ひいては該能動素
子を有する本発明の通信システム用機器の電気的特性の
安定化及び高周波特性の向上を図ることができる。
【0039】上記第1の量子準位は、上記第3の半導体
層のうち上記第2の半導体層との界面における伝導帯端
のポテンシャルよりも低いことにより、第1の量子準位
の高さを選択的に調節することが可能になる。
【0040】上記第3の半導体層は、InGaAs,I
nGaAsN及びInGaAsPNのうちから選ばれた
いずれか1つの材料から構成されることが好ましい。
【0041】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)本発明の第1
の実施形態に係る通信機器用半導体装置について、図を
用いて以下に説明する。
【0042】図1は、HFETである本実施形態の通信
機器用半導体装置を示す断面図である。同図に示すよう
に本実施形態の通信機器用半導体装置は、半絶縁性のI
nP基板101と、InP基板101上に設けられたア
ンドープのInAlAsからなる厚さ200nmのバッ
ファ層102と、バッファ層102上に設けられ、アン
ドープのInGaAsからなるチャネル層103と、チ
ャネル層103の上に設けられたアンドープのInAl
Asからなる厚さ2nmのスペーサ層105と、スペー
サ層105の上に例えば共蒸着により設けられた面密度
5×1012cm -2のSiを含む原子層ドーピング面から
なる不純物添加層106と、不純物添加層106の上に
設けられたアンドープのInAlAsからなる厚さ15
nmのバリア層107と、バリア層107の上に設けら
れたゲート電極112と、バリア層107の上のゲート
電極112の両側方に設けられた1×1019cm-3のS
iを含むn型InGaAsからなるコンタクト層108
と、チャネル層103,スペーサ層105,不純物添加
層106,バリア層107及びコンタクト層108の一
部にSiをイオン注入することにより設けられたソース
領域114及びドレイン領域115と、ソース領域11
4上に設けられたソース電極111と、ドレイン領域1
15の上に設けられたドレイン電極110とを備えてい
る。なお、ドレイン電極110及びソース電極111は
共にAuGe/Ni等からなっており、ドレイン領域1
15とソース領域114とそれぞれオーミック接触して
いる。
【0043】また、本実施形態の通信機器用半導体装置
においては、駆動時にチャネル層103のうちスペーサ
層105との界面付近にキャリアが蓄積し、二次元電子
ガス109を生じる。このとき、電流はドレイン電極1
10から順にドレイン領域115,二次元電子ガス10
9,ソース領域114,ソース電極111の経路を流れ
る。
【0044】本実施形態の通信機器用半導体装置が従来
と異なる点は、チャネル層103が、その内部に厚さ1
nm以上10nm以下のInGaAlAsからなるチャ
ネル内挿入層104を有していることである。そして、
駆動時には、チャネル層103のうちチャネル内挿入層
104の上方に二次元電子ガス109が生じる。ここ
で、チャネル内挿入層104を含むチャネル層103の
厚さは約15nmであって、チャネル内挿入層104と
スペーサ層105との距離d1は、例えば2nm以上1
4nm以下である。また、バッファ層102,チャネル
内挿入層104及びチャネル層103,スペーサ層10
5,バリア層107及びコンタクト層108はそれぞれ
分子線エピタキシー(MBE)法や化学気相成長(CV
D)法などにより堆積された層であり、InP基板10
1に格子整合している。
【0045】次に、本実施形態の通信機器用半導体装置
において、チャネル内挿入層104を設けたことによる
効果について、図を用いて説明する。
【0046】図2(a),(b)は、それぞれ図15の
IIa−IIa線断面における従来のHFETのエネルギーバ
ンド図、及び図1のIIb−IIb線断面における本実施形態
の通信機器用半導体装置のエネルギーバンド図である。
図を簡略化するために、ここではバリア層からチャネル
層までの伝導帯のみのエネルギーバンドを示している。
【0047】図2(a),(b)に示すように、本実施
形態の通信機器用半導体装置においては、従来のHFE
Tと同様に、スペーサ層105の伝導帯端のポテンシャ
ルはチャネル層103の伝導帯のポテンシャルよりも高
くなっており、スペーサ層105とチャネル層103の
伝導帯側にはエネルギー障壁(バンド不連続)が存在す
る。本実施形態の通信機器用半導体装置の場合、このバ
ンド不連続量は、従来のHFETとほぼ同じ0.55e
Vである。
【0048】また、本実施形態の通信機器用半導体装置
においては、チャネル内挿入層104の組成がInGa
AlAsであるために、チャネル層103を構成するI
nGaAsよりも伝導帯端のポテンシャルが高くなって
おり、チャネル層103とチャネル内挿入層104との
間にも伝導帯側に約0.03eV以上のバンド不連続が
存在する。このため、チャネル層103のうち、スペー
サ層105とチャネル内挿入層104との間の厚さd1
の狭い領域にキャリアが閉じこめられることになり、キ
ャリアの移動度を従来よりも向上させることができるよ
うになる。これに加えて、本実施形態の通信機器用半導
体装置においては、キャリアが蓄積する層の厚みを薄く
しているため、チャネル層103のうちスペーサ層10
5−チャネル内挿入層104間に形成される下位の量子
準位E1’(基底レベルの量子準位)と上位の量子準位
E2’との差が従来のHFETにおける下位の量子準位
E1と上位の量子準位E2との差よりも大きくなってい
る。そのため、キャリアが上位の量子準位E2’に遷移
する確率が従来のHFETよりも低くすることができ、
キャリアを従来よりも強く量子準位E1’に閉じこめる
ことができる。また、チャネル内挿入層104の伝導帯
端のポテンシャルを上位の量子準位E2’よりも高く設
計することにより、キャリアを確実にチャネル層103
のうちスペーサ層105−チャネル内挿入層104間に
閉じこめることができる。これらにより、ソース−ドレ
イン間電圧が高くなっている状態でのFET動作におい
てもスペーサ層105−チャネル内挿入層104間のチ
ャネル層103に生じる二次元電子ガス109の濃度及
び移動度を高めることができる。また、チャネル層10
3のバンドギャップ幅を変えることなく衝突イオン化を
抑制することができる。ここで、下位の量子準位E1’
は、チャネル層における基底レベルの量子準位であり、
上位の量子準位E2’は、基底レベルの直上レベルの量
子準位である。なお、本実施形態におけるチャネル内挿
入層104のバンドギャップ幅は0.8eV以上であ
る。
【0049】ここで、チャネル内挿入層104とスペー
サ層105との距離d1を調節することによって、下位
の量子準位E1’及び上位の量子準位E2’の高さを調
節することができる。特に、チャネル内挿入層104の
伝導帯端がE1’に重ならないよう低くなっていること
を前提とすると、チャネル内挿入層104とスペーサ層
105との距離d1が小さくなるほど上位の量子準位E
2’は高くなる。この際の下位の量子準位は距離d1の
変動により大きく変動しないので、下位の量子準位E
1’と上位の量子準位E2’との差を大きくすることが
できる。このときの上位の量子準位E2’と下位の量子
準位E1’との間隔は、チャネル内挿入層104を設け
ない場合のチャネル層103における上位と下位の量子
準位の間隔よりも広くなっている。
【0050】また、上位の量子準位E2’がチャネル層
103の伝導帯端ポテンシャルよりも高く、チャネル内
挿入層104のうち少なくとも一部の伝導帯端よりも低
くなるようにチャネル内挿入層104を設けることによ
り、量子準位E2’をより大きく変動させることができ
る。
【0051】ただし、チャネル内挿入層104とスペー
サ層105との距離d1は、あまりに小さすぎると下位
の量子準位E1’が発現できなくなるので、下位の量子
準位E1’が発現でき、且つ上位の量子準位E2’がチ
ャネル内挿入層104の伝導帯端よりも低くなるような
値であればよい。すなわち、d1は2nm以上14nm
以下であることが好ましい。
【0052】また、チャネル内挿入層の厚さd2は任意
でよいが、本実施形態の場合には5nm程度が適してい
る。
【0053】以上のように、本実施形態の通信機器用半
導体装置によれば、チャネル内挿入層104を設けるこ
とで、駆動時にキャリアの遷移及び衝突イオン化を抑制
し、二次元電子ガスの移動度を向上させることができる
ので、InP基板を用いた半導体装置本来の優れた高周
波特性を引き出すことができる。これに加えて、本実施
形態の通信機器用半導体装置は、従来のHFETよりも
耐圧が大きく、且つ特性が安定している。そのため、本
実施形態の通信機器用半導体装置は、高周波を用いた通
信システムに好ましく用いられる。
【0054】また、本実施形態の通信機器用半導体装置
において、InP基板101上の各層はCVD法やMB
E法により形成される。すなわち、Inの原料としてト
リメチルインジウムまたはInメタルを、Al原料とし
てトリメチルアルミまたはAlメタルを、Ga原料とし
てトリメチルガリウムまたはGaメタルを、As原料と
してAsH3またはAsメタルを、P原料としてPH3
たはPメタルをそれぞれ用いて各層を成長させる。この
ように、従来のHFETとほぼ同様の公知技術により容
易に製造できることも利点の1つである。
【0055】なお、本実施形態の通信機器用半導体装置
においては、チャネル層103内にチャネル内挿入層1
04が埋め込まれていたが、チャネル層103の下部全
体をチャネル内挿入層104としても、以上で説明した
効果が得られる。
【0056】なお、本実施形態においては、バッファ層
102,チャネル層103及びチャネル内挿入層104
がInP基板101に格子整合する例を説明したが、必
ずしも格子整合していなくてもよい。この場合にも、衝
突イオン化を抑制するためには、チャネル層内挿入層1
04のバンドギャップ幅は0.77eV以上とし、下位
の量子準位E1’と上位の量子準位E2’との間隔を広
げるようにすればよい。InP基板に格子整合する場合
の方が信頼性は高くなるが、格子整合させずにチャネル
層103に歪みを加える方がキャリアの移動度を大きく
できる場合がある。
【0057】また、本実施形態の通信機器用半導体装置
においては、チャネル層103にキャリアを供給するた
めの層として原子層ドーピング面からなる不純物添加層
106を設けたが、これに代えて、厚さ2nm程度のア
ンドープInAlAs層と高濃度でSiなどのn型不純
物を含む厚さ2nm程度のn型InAlAs層とを交互
に繰り返し積層することにより形成されたInAlAs
積層部を設けても効果に変わりはない。
【0058】なお、チャネル内挿入層104がInP基
板101に格子整合する場合には、InGaAlAsの
組成中、Inの組成が0.5以上0.55以下であるの
が好ましい。
【0059】また、チャネル内挿入層104は、伝導帯
端のポテンシャルが上位の量子準位E2’以上であれ
ば、In,Ga,Al等のIII族元素とN,As,P,
Sb等のV族元素との任意の組み合わせによる化合物か
ら構成されていてもよい。特に、チャネル内挿入層10
4は、InP,InGaAs,InGaAsP,InG
aAsPN,InGaAlAs及びAlGaAsSbの
うちから選ばれたいずれか1つの材料から構成されるこ
とが好ましい。チャネル内挿入層104の伝導帯ポテン
シャルを変えることによっても下位の量子準位E1’と
上位の量子準位E2’との間隔を調節することができ
る。
【0060】なお、本実施形態においては、動作時にゲ
ートバイアスを印加する通信機器用半導体装置について
説明したが、ゲートバイアスを印加しない状態において
も、チャネル層内にチャネル内挿入層を設けることによ
り、チャネル層における上位の量子準位E2’の高さを
主に調節することができ、下位の量子準位E1’と上位
の量子準位E2’との間隔を調節することができる。ま
た、このような量子井戸構造は、例えば半導体レーザー
などにも応用することが可能である。
【0061】(第2の実施形態)本発明の第2の実施形
態として、下位の量子準位E1’と上位の量子準位E
2’とを第1の実施形態とは異なる構成で制御する通信
機器用半導体装置について以下説明する。
【0062】図3は、本発明の第2の実施形態に係る通
信機器用半導体装置を示す断面図である。同図に示すよ
うに、本実施形態の通信機器用半導体装置は、InP基
板151と、InP基板151上に設けられたアンドー
プのInAlAsからなる厚さ200nmのバッファ層
152と、バッファ層152上に設けられ、アンドープ
のInGaAsからなる厚さ10nm以上15nm以下
の第2チャネル層153と、第2チャネル層153の上
に設けられ、アンドープのInGaAsNからなる厚さ
7.5nmの第1チャネル層154と、第1チャネル層
154の上に設けられたアンドープのInAlAsから
なる厚さ2nmのスペーサ層155と、スペーサ層15
5の上に例えば共蒸着により設けられた面密度5×10
12cm-2のSiを含む原子層ドーピング面からなる不純
物添加層156と、不純物添加層156の上に設けられ
たアンドープのInAlAsからなる厚さ15nmのバ
リア層157と、バリア層157の上に設けられたゲー
ト電極162と、ゲート電極162の両側方に設けられ
た1×1019cm-3のSiを含むn型InGaAsから
なるコンタクト層158と、第1チャネル層154,ス
ペーサ層155,不純物添加層156,バリア層157
及びコンタクト層158の一部にSiをイオン注入する
ことにより設けられたソース領域164及びドレイン領
域165と、ソース領域164上に設けられたソース電
極161と、ドレイン領域165の上に設けられたドレ
イン電極160とを備えている。そして、ドレイン電極
160及びソース電極161は共にAuGe/Ni等か
らなっており、ドレイン領域165及びソース領域16
4とそれぞれオーミック接触している。
【0063】また、本実施形態の通信機器用半導体装置
においては、駆動時に主に第1チャネル層154のうち
スペーサ層155との界面付近にキャリアが蓄積し、二
次元電子ガス159を生じる。このとき、電流はドレイ
ン電極160から順にドレイン領域165,二次元電子
ガス159,ソース領域164,ソース電極161の経
路を流れる。
【0064】また、バッファ層152,第2チャネル層
153及び第1チャネル層154,スペーサ層155,
バリア層157及びコンタクト層158はそれぞれ分子
線エピタキシー(MBE)法や化学気相成長(CVD)
法などにより堆積された層であり、InP基板151に
格子整合している。
【0065】本実施形態の通信機器用半導体装置が従来
のHFETと異なる点は、従来のチャネル層に相当する
InGaAsからなる第2チャネル層153とスペーサ
層155との間にInGaAsNからなる第1チャネル
層154が挿入されていることである。この第1チャネ
ル層154を設けたことによる効果を図を用いて以下で
説明する。
【0066】図4(a),(b)は、それぞれ図15の
IIa−IIa線断面における従来のHFETのエネルギーバ
ンド図(図2(a)と同じ図)、及び図3のIVb−IVb線
断面における本実施形態の通信機器用半導体装置のエネ
ルギーバンド図である。
【0067】図4(a),(b)に示すように、本実施
形態の通信機器用半導体装置においては、スペーサ層1
55の伝導帯端のポテンシャルは第1チャネル層154
の伝導帯のポテンシャルよりも高くなっており、スペー
サ層155と第1チャネル層154の伝導帯側にはエネ
ルギー障壁が存在する。また、第1チャネル層154を
構成するInGaAsNは、InGaAsよりも伝導帯
端のポテンシャルが低いため、第1チャネル層154と
第2チャネル層153との間にもエネルギー障壁が存在
し、伝導帯端のエネルギーバンドは第1チャネル層15
4の部分が下向きにへこんだ形になっている。このた
め、第1チャネル層154内にキャリア電子が蓄積し、
装置の駆動時には二次元電子ガス159が生じる。
【0068】また、本実施形態の通信機器用半導体装置
においては、第1の実施形態と同様、従来のHFETの
チャネル層に比べて薄い第1チャネル層154内にキャ
リアを閉じこめているため、二次元電子ガス159の移
動度と濃度とを従来よりも向上させることができる。加
えて、第1チャネル層154の厚みd3を厚くすること
で、第1チャネル層154を設けない場合と比べ主とし
て第1チャネル層154における下位の量子準位E1’
が低くなっている。そのため、第1チャネル層154に
おける下位の量子準位E1’と上位の量子準位E2’と
の間隔を従来のHFETよりも広げることができるの
で、下位の量子準位E1’の状態にあるキャリアの存在
確率を大きくすることができる。この結果、量子準位E
1’の状態にある電子が上位の量子準位E2’の状態に
遷移しにくくなって二次元電子ガス159の移動度が向
上する。加えて、衝突イオン化が抑制され、耐圧性と動
作の安定性も向上する。このように、本実施形態の通信
機器用半導体装置は、InP基板を用いた半導体装置本
来の優れた高周波特性を安定して発揮することができる
ので、高周波を用いる通信システム機器に好ましく用い
られる。
【0069】ここで、第1チャネル層154の厚みd3
(本実施形態では7.5nm以下)は、バイアス印加時
に下位の量子準位E1’が第1チャネル層154内に取
り込まれている厚さであれば任意でよい。こうすること
で、第1チャネル層154の厚みd3を調節することに
よって下位の量子準位E1’を調節することが可能にな
る。
【0070】また、第1チャネル層154の厚みd3
は、第1チャネル層154における上位の量子準位E
2’が第1チャネル層154の伝導帯端を越えて第2チ
ャネル層153の伝導帯端にかかるか、または、スペー
サ層155と第2チャネル層153とで構成される量子
井戸内にとりこまれるような値に調節すればよい。この
際には、第1チャネル層154の厚みd3を変化させた
ときの、上位の量子準位E2’の変動を下位の量子準位
E1’の変動よりも小さくすることができる。本実施形
態においては、第1チャネル層154の厚みd3を厚く
しているので、第1チャネル層154を設けない場合に
比べて下位の量子準位E1’を選択的に低くすることが
でき、下位の量子準位E1’と上位の量子準位E2’と
の間隔を広げることが可能になっている。そのため、上
位の量子準位E2’と下位の量子準位E1’との間隔
は、少なくともInGaAs単独における上位と下位の
量子準位の間隔よりも広くなっている。
【0071】また、第1チャネル層154を構成するI
nGaAsNの組成は、バンドギャップ幅が0.77e
V以下になるようにする。このとき、伝導帯における第
1チャネル層154とスペーサ層155との間のバンド
不連続量は、0.55eV以上になっている。
【0072】なお、本実施形態においては、バッファ層
152,第1チャネル層154及び第2チャネル層15
3がInP基板151に格子整合する例を説明したが、
必ずしも格子整合していなくてもよい。
【0073】また、第1チャネル層154は、InGa
AsNに代えて、In,Ga,Al等のIII族元素と
N,As,P,Sb等のV族元素との組み合わせで構成
される化合物からなっていてもよい。特に、第1チャネ
ル層154は、InGaAs,InGaAsN及びIn
GaAsPNのうちから選ばれたいずれか1つの材料か
ら構成されることが好ましい。第1チャネル層154を
先に挙げた化合物と異なる材料から構成することによっ
ても第1チャネル層154と第2チャネル層153との
間の伝導帯側のバンド不連続量を変えることができるの
で、下位の量子準位E1’と上位の量子準位E2’の間
隔を調節することができる。
【0074】なお、本実施形態においては、動作時にゲ
ートバイアスを印加する通信機器用半導体装置について
説明したが、ゲートバイアスを印加しない状態において
も、第2チャネル層153よりも伝導帯のポテンシャル
が低い第1チャネル層154を設けることにより、第1
チャネル層154における下位の量子準位E1’の高さ
を選択的に調節することができ、下位の量子準位E1’
と上位の量子準位E2’との間隔を調節することができ
る。また、このような量子井戸構造は、例えば半導体レ
ーザーなどにも応用することが可能である。
【0075】また、本実施形態の通信機器用半導体装置
においても第1の実施形態と同様に、第1チャネル層1
54にキャリアを供給するための層として不純物添加層
156に代えてδドープ構造を有するInAlAs積層
部を設けてよい。
【0076】(第3の実施形態)本発明の第3の実施形
態として、第1の実施形態と第2の実施形態とを組み合
わせた通信機器用半導体装置を以下説明する。
【0077】図5は、本発明の第3の実施形態に係る通
信機器用半導体装置を示す断面図である。同図に示すよ
うに、本実施形態の通信機器用半導体装置は、InP基
板251と、InP基板251上に設けられたアンドー
プのInAlAsからなる厚さ200nmのバッファ層
252と、バッファ層252上に設けられ、アンドープ
のInGaAsからなる厚さ10〜15nmの第2チャ
ネル層253と、第2チャネル層253の上に設けら
れ、アンドープのInGaAsNからなる厚さ7.5n
m以下の第1チャネル層255と、第1チャネル層25
5の上に設けられたアンドープのInAlAsからなる
厚さ2nmのスペーサ層256、スペーサ層256の上
に例えば共蒸着により設けられた面密度5×1012cm
-2のSiを含む原子層ドーピング面からなる不純物添加
層257と、不純物添加層257の上に設けられたアン
ドープのInAlAsからなる厚さ15nmのバリア層
258と、バリア層258の上に設けられたゲート電極
263と、ゲート電極263の両側方に設けられた1×
1019cm-3のSiを含むn型InGaAsからなるコ
ンタクト層259と、第1チャネル層255,スペーサ
層256,不純物添加層257,バリア層258及びコ
ンタクト層259の一部にSiをイオン注入することに
より設けられたソース領域264及びドレイン領域26
5と、ソース領域264上に設けられたソース電極26
2と、ドレイン領域265の上に設けられたドレイン電
極261とを備えている。そして、本実施形態の通信機
器用半導体装置においては、第1の実施形態と同様に、
第2チャネル層253の内部にアンドープのInGaA
lAsからなる厚さ1〜10nmのチャネル内挿入層2
54が埋め込まれている。また、ドレイン電極261及
びソース電極262は共にAuGe/Ni等からなって
おり、ドレイン領域265及びソース領域264とそれ
ぞれオーミック接触している。
【0078】本実施形態の通信機器用半導体装置の駆動
時には第1チャネル層255内に二次元電子ガス260
が生じる。この二次元電子ガス260はソース領域26
4を介してソース電極262と、ドレイン領域265を
介してドレイン電極261と、それぞれ電気的に接続さ
れている。
【0079】また、InP基板251上に設けられた各
層は、第1及び第2の実施形態と同様に、それぞれIn
P基板251に格子整合している。
【0080】以上のように、本実施形態の通信機器用半
導体装置は、第1の実施形態で説明したチャネル内挿入
層と、第2の実施形態で説明した第1及び第2のチャネ
ル層とを併せて備えたものである。以下、上記の構成の
効果について図を用いて説明する。
【0081】図6(a),(b)は、それぞれ図15の
IIa−IIa線断面における従来のHFETのエネルギーバ
ンド図(図2(a),図4(a)と同じ図)、及び図5
のVIb−VIb線断面における本実施形態の通信機器用半導
体装置のエネルギーバンド図である。ここで、同図
(b)においては、第1チャネル層255の膜厚はd1
で、第1チャネル層255とチャネル内挿入層254と
の間隔はd2で、チャネル内挿入層254の膜厚はd3
で、それぞれ示されている。
【0082】図6(a),(b)に示すように、本実施
形態の通信機器用半導体装置においては、第1チャネル
層255の伝導帯端とスペーサ層256の伝導帯端との
間には0.55eV以上のエネルギー障壁が存在する。
また、第1チャネル層255が第2チャネル層253よ
りも伝導帯端のポテンシャルが低いInGaAsNから
構成されているため、第1チャネル層255と第2チャ
ネル層253との間にも0.2eV以上のエネルギー障
壁が存在している。この結果、第1チャネル層255内
ではキャリア電子が蓄積し、移動度が大きい二次元電子
ガス260が生じる。特に、第2の実施形態と同様に、
キャリアが膜厚の薄い第1チャネル層255内に閉じこ
められるので、二次元電子ガス260の移動度及び濃度
は従来のHFETにおけるよりも大きくなる。加えて、
第1チャネル層255の厚みd1を厚くすることで、第
1チャネル層255における量子準位E1’と上位の量
子準位E2’との間隔を従来のチャネル層における量子
準位の差よりも広くすることができるので、量子準位E
1’の状態にある電子を上位の量子準位E2’に遷移し
にくくすることができる。また、第1チャネル層255
内での衝突イオン化も抑制されるので、本実施形態の通
信機器用半導体装置では、耐圧性と動作の安定性が向上
する。ここで、第1チャネル層255の厚みd1は、下
位の量子準位E1’が第1チャネル層255内に取り込
まれている厚さが好ましい。下位の量子準位E1’が少
なくとも第1チャネル層255と第2チャネル層との界
面における第2のチャネル層の伝導帯におけるポテンシ
ャルよりも低くなっており、第1チャネル層255の伝
導帯ポテンシャルが下位の量子準位E1’にかかってい
れば第1チャネル層255内にキャリアを閉じこめるこ
とができる。
【0083】なお、本実施形態では、第1チャネル層2
55のバンドギャップ幅は0.77eV以下とし、チャ
ネル内挿入層254のバンドギャップ幅は0.77eV
以上である。
【0084】上記の効果に加え、本実施形態の通信機器
用半導体装置は、InGaAlAsからなるチャネル内
挿入層254を備えているので、第1及び第2の実施形
態と比べても下位の量子準位E1’と上位の量子準位E
2’との間隔を広くすることができる。この結果、本実
施形態の通信機器用半導体装置では、第1及び第2の実
施形態に比べて二次元電子ガス260の移動度及び濃度
を高くすることができる。また、第1のチャネル層内で
の衝突イオン化の発生を抑制されると共に、キャリアが
上位の量子状態に遷移することも抑制されている。
【0085】なおこの際、上位の量子準位E2’は第1
チャネル層255を越えて第2チャネル層253のうち
チャネル内挿入層254の上の領域にかかってもよい。
【0086】このように、本実施形態の通信機器用半導
体装置は、InP基板を用いた半導体装置本来の優れた
高周波特性を安定して発揮することができるので、高周
波を用いる通信システム機器に好ましく用いられる。
【0087】(第4の実施形態) −通信システムの基本的な構成− 本発明の第4の実施形態として、第1〜第3の実施形態
に係る通信機器用半導体装置を用いた情報通信システム
の一例を説明する。
【0088】図7は、本発明の各実施形態におけるミリ
波を利用した通信システム(ネットワークシステム)の
全体概念の一例を示す斜視図である。同図に示すよう
に、基幹光ファイバーライン(Trunk Line O-Fiber)か
ら分岐する多数の光ファイバーラインの先端にそれぞれ
基地局が設けられている。また、各基地局から各家庭
(又はオフィス)にミリ波による通信を行なうための無
線通信網が形成されている。そして、各家庭又はオフィ
スの無線端末(移動局)では、ミリ波を用いて、基地局
から各家庭又はオフィスの機器に対する各種メディアの
供給や、インターネット通信や、移動局間の通信などを
することが可能になっている。つまり、ミリ波は光に近
い波長を有することから物体による電波妨害を受けやす
いので、基地局までは光ファイバー網を介して光通信に
よるデータの送受信が行なわれ、基地局で光信号と電気
信号との間で変換が行われ、家庭又はオフィスと基地局
との間ではミリ波を利用したワイヤレスアクセスが可能
な構成となっている。システムの一部においては、基幹
光ファイバーラインに直接接続される基地局と携帯情報
端末や企業内の端末との間で、アンテナを介してワイヤ
レスアクセスが可能に構成されている。
【0089】図8は、図7に示す基地局と各家庭やオフ
ィス内の無線端末との間における通信システムの構成を
概略的に示すブロック図である。同図に示すように、本
実施形態の通信システムは、光ファイバー網(ネットワ
ーク)300を介して互いに接続される多数の無線基地
局301と、各無線基地局301を介して互いに通信を
行なうための無線端末302とを備えている。各無線基
地局301は、電波の受信,送信を行なうためのアンテ
ナ装置311と、アンテナ装置311で受信した電波信
号を増幅するなどの機能を有する受信増幅部312と、
アンテナ装置311に増幅した高周波信号を送り込むた
めの送信増幅部313と、受信増幅部312や送信増幅
部313に接続される無線送受信部314と、各デバイ
スの動作を制御するための制御部315と、無線基地局
301と光ファイバー網300との間の信号を接続する
ための有線接続部316とを備えている。また、無線端
末302は、電波の受信,送信を行なうためのアンテナ
装置321と、アンテナ装置321で受信した電波信号
を増幅するなどの機能を有する受信増幅部322と、ア
ンテナ装置321に増幅した高周波信号を送り込むため
の送信増幅部323と、各デバイスの動作を制御するた
めの制御部325とを備えている。
【0090】図9は、無線基地局301の内部構成をよ
り詳細に示すブロック回路図である。同図に示すよう
に、アンテナ装置311は、アンテナ本体311aと、
アンテナ本体311aの送受信を切り換えるためのアン
テナスイッチ311bとによって構成されている。ま
た、受信増幅部312は、フィルタ331と、低雑音ア
ンプ(LNA)332とを直列に2段ずつ配置して構成
されている。無線送受信部314には局所増幅器と高周
波発信器との出力を混合して高周波信号を生成するため
のミクサ334が配置されている。送信増幅部313に
は、ドライバアンプ335と、フィルタ336と、ミド
ルアンプ337と、メインアンプ338とが配置されて
いる。有線接続部316は、音声信号を処理するための
ベースバンド信号処理部317と、インターフェース部
318と、光ファイバー網(ネットワーク)300に接
続される交換制御部319とによって構成されている。
なお、図示しないが、光信号と電気信号との間で変換を
行う信号変換装置がインターフェース部318に設けら
れている。
【0091】図10は、図9に示す送信増幅部313に
配置されているメインアンプ338の構造例を示す電気
回路図である。同図に示すように、メインアンプ338
は、ゲートに入力信号Pinを受けて、ドレインから出力
信号Pout を出力するHFETを配置して構成されてい
る。このHFETとして、第1〜第3の実施形態の通信
機器用半導体装置が用いられる。
【0092】また、HFETのゲートには抵抗Rgを介
してゲートバイアスVgが印加され、HFETのドレイ
ンにはチョークインダクタを介して電源電圧Vdが印加
されており、HFETのソースは接地に接続されてい
る。また、入力側回路には、HFETに入力側回路を介
して入力信号Pinを供給するための入力端子Tinと、信
号源抵抗RS を介して入力端子Tinに電力を供給するた
めの信号源と、入力側インピーダンス整合回路を構成す
るキャパシタC1 ,Cin及びマイクロストリップ線路と
が設けられている。出力側回路には、外部に出力側回路
を介して出力信号を送るための出力端子Tout と、出力
側インピーダンス整合回路を構成するキャパシタC2 ,
Cout 及びマイクロストリップ線路と、出力端子Tout
と接地との間に介在する負荷抵抗RL とが設けられてい
る。なお、HFETの代わりにバイポーラトランジスタ
を設けた場合には、バイポーラトランジスタのエミッタ
と接地との間には、破線で示されるダイオードが配置さ
れることがある。
【0093】移動体通信に用いられるパワーアンプには
高効率、低ひずみといった特性が要求される。一般に高
周波用パワーデバイスでは効率とひずみはトレードオフ
の関係にある。パワーアンプでは低ひずみを確保したう
えでいかに効率を上げるかが重要となる。図10に示す
ように、入力側インピーダンス整合回路では入力端子P
inからHFET側を見た反射係数ができるだけ小さくな
るように、並列接続されたキャパシタCinの容量値
と、マイクロストリップ線路の長さLinの長さとが調
整されている。ここで、キャパシタC1 ,C2 は電流阻
止用のコンデンサであり、高周波領域では十分に低いイ
ンピーダンスとなっている。ゲートバイアス供給用の抵
抗Rgは、高周波電力の漏れがないようゲート入力イン
ピーダンスに比べて高い値に設定されている。ドレイン
バイアス供給用のチョークインダクタLのインダクタン
スや、キャパシタC1 ,C2 の容量値,抵抗Rgの抵抗
値は高周波領域のインピーダンスには影響を与えない。
【0094】本実施形態の通信システムにおいては、優
れた高周波特性を安定して示す第1〜第3の実施形態で
示した通信機器用半導体装置をメインアンプ等の通信機
器に有しているので、従来のHFETを用いた場合に比
べて信頼性が向上している。
【0095】−半導体集積回路装置の例− 次に、基地局,携帯情報端末(PDA),送受信モジュ
ール(家電機器内に配置されるものや、通信カードな
ど)などの通信システム用機器に配置されるトランジス
タ,ダイオードなどの能動素子と、キャパシタ,インダ
クタなどの受動素子とを集積してなる半導体集積回路装
置の例について説明する。ここでは、半導体集積回路装
置としてMMICの構成を有するものについて説明する
が、本発明の半導体集積回路装置は、MMICのごとく
モジュール化されたものに限定されることはない。
【0096】図11は、本発明の実施形態におけるIn
P基板上にショットキーダイオード,HFET,MES
FET,キャパシタ及びインダクタを集積してなる半導
体集積回路装置(MMIC)の断面図である。
【0097】高濃度の鉄(Fe)がドープされた厚み約
100μmの半絶縁性のInP基板410には、アンド
ープで厚み約200nmの第1の活性領域であるInA
lAs層415と、厚み約70nmの第2の活性領域で
ある多重δドープInGaAs層412と、アンドープ
で厚み約10nmのInAlAs層416と、アンドー
プで厚み約15nmのInGaAs層417と、InG
aAs層417内に埋め込まれた厚みが1〜10nmの
埋め込みチャネル層と、厚みが約65nmの多重δドー
プInAlAs層413と、エッチング阻止層である厚
み約5nmのInP層418とが設けられている。
【0098】ここで、図11の下方に拡大して示すよう
に、多重δドープInGaAs層412は、高濃度(例
えば1×1020atoms ・cm-3)のSi(シリコン)を
含む厚みが約1nmのInGaAs単結晶からなるn型
ドープ層412aの5層と、InGaAs単結晶からな
る厚み約10nmのアンドープ層412bの6層とを積
層して構成されている。一方、多重δドープInAlA
s層413は、高濃度(例えば1×1020atoms ・cm
-3)のSiを含む厚みが約1nmのn型ドープ層413
aの5層と、アンドープのInAlAs単結晶からなる
厚み約5nmのアンドープ層413bの6層とを積層し
て構成されている。そして、n型ドープ層412aは、
量子効果によるアンドープ層412bへのキャリアの浸
みだしが可能な程度に薄く形成されている。n型ドープ
層412a,413aはいわゆるδドープ層であり、急
峻な濃度勾配を示す複数の高濃度ドープ層(δドープ
層)を低濃度ドープ層(アンドープ層)と交互に積層し
た構造は多重δドープ層と称される。
【0099】また、InP基板410上のうち多重δド
ープInGaAs層412が露出している部分の上に
は、ショットキーダイオード420(整流素子)と、M
ESFET430(パワーアンプ)とが設けられ、In
P基板410のうち多重δドープInAlAs層413
が最上部に存在する部分の上には、HFET440(パ
ワーアンプ)と、キャパシタ450(容量素子)と、イ
ンダクタ460(誘導素子)とが設けられている。すな
わち、図10に示す送信増幅部313のメインアンプ3
38を構成しているHFET,ダイオード(破線部),
キャパシタ,インダクタや、周波数領域がミリ波よりも
低い高周波信号(10GHz以下)を増幅する回路に配
置されるMESFETが1つのInP基板に設けられて
いる。
【0100】ここで示す例では、メインアンプ338を
構成するHFET440のチャネル層となるInGaA
s層417に第1の実施形態で説明したチャネル内挿入
層419が埋め込まれているため、n型ドープ層413
aから供給されたキャリアがInGaAs層417のう
ち多重δドープInAlAs層413とチャネル内挿入
層419との間の領域に良好に閉じこめられることにな
る。その上、衝突イオン化の発生が抑制されるとともに
キャリアが上位の量子準位に遷移しにくくなっているの
で、本実施形態で示すメインアンプ338等の通信機器
は優れた高周波特性を安定して発揮することができるよ
うになっている。
【0101】−通信システムの各部の構成− 次に、第1〜第3の通信機器用半導体装置が用いられる
通信システムの各部について説明する。
【0102】図12は、図8に示す通信システム中の無
線端末(移動局)302の一例を概略的に示す図であ
る。ここでは、PDC方式を採用している。図12に示
す高周波無線部は、図8に示す受信増幅部322と送信
増幅部323とを含んでいる。図8に示す移動局である
無線端末302の制御部は、図12に示すCPUと、暗
号TDMA−CCTと、SP−CODECと、ROM/
RAMと、TERM−ADPと、DPSK−MODと、
HiSpeedSYNTHと、IF−ICと、CPSK
−DEMOD(EQL)とによって構成されている。
【0103】図12に示す高周波無線部内のリニアPA
(パワーアンプ)は、例えば第1の実施形態の通信機器
用半導体装置であるHFETを有する回路により構成す
ることができる。その際、制御部用の各回路中のHFE
Tとしても本発明の通信機器用半導体装置は利用され
る。
【0104】図13は、図9に示すミクサ334又は図
12に示すミクサの回路構成例を示す電気回路図であ
る。ここでは、ローカルアンプ付きミクサの例を示して
いる。つまり、ローカル信号Sloをゲートに受け、これ
を増幅した信号Sout1をドレインから出力するローカル
信号増幅用のHFET1と、2つの信号Smix1,Smix2
をゲートに受け、これを混合して増幅した信号Sout2を
ドレインから出力するミクサ信号増幅用のHFET2と
が配置されている。この回路中のHFET,ダイオー
ド,キャパシタを、例えば図11に示すように、1つの
InP基板上に形成して、1つのMMICを構成するこ
とができる。なお、図11には示されていないが、抵抗
素子は、インダクタの導体膜の一部と見なせるので、抵
抗素子をInP基板上に形成することは極めて容易であ
る。
【0105】図14は、図12に示すSPDTスイッチ
を含む高出力スイッチ回路、又は図9に示すアンテナス
イッチに配置される高出力スイッチ回路の例を示す電気
回路図である。この例では、入力信号Sin1 ,Sin2 を
受けて、いずれかの入力信号Sin1 ,Sin2 を増幅した
信号Sout を出力するように構成されている。ここで、
出力信号HFET1−HFET4、キャパシタC1−C
6、ダイオードD1−D2、及び抵抗素子R1−R6を
1つのInP基板に形成して、MMICを構成すること
ができる。
【0106】以上に示すように、移動局や基地局中の種
々の通信システム用機器に本発明の通信機器用半導体装
置が用いられる。本発明の通信機器用半導体装置は、従
来のものに比べて優れた高周波特性を有し、且つ電気的
特性も安定しているので、これを通信システム用機器に
使用することで、通信システム用機器の性能向上を図る
ことができる。
【0107】
【発明の効果】本発明の通信機器用半導体装置によれ
ば、HFETにおいて、チャネル層中にチャネル内挿入
層を埋め込むこと等によりバンド構造を最適化すること
で、キャリアのチャネル層内への閉じこめを強め、高い
移動度を有する二次元電子ガスを高濃度で生じさせるこ
とができる。また、電離衝突によるイオン化が抑制され
ると共にキャリアが上位の量子準位へ遷移しにくくなっ
ているので、電気特性の安定化をも図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る通信機器用半導
体装置を示す断面図である。
【図2】(a),(b)は、それぞれ図15に示すIIa
−IIa線断面における従来のHFETのエネルギーバン
ド図、及び図1に示すIIb−IIb線断面における第1の実
施形態に係る通信機器用半導体装置のエネルギーバンド
図である。
【図3】本発明の第2の実施形態に係る通信機器用半導
体装置を示す断面図である。
【図4】(a),(b)は、それぞれ図15に示すIIa
−IIa線断面における従来のHFETのエネルギーバン
ド図、及び図3のIVb−IVb線断面における第2の実施形
態に係る通信機器用半導体装置のエネルギーバンド図で
ある。
【図5】本発明の第3の実施形態に係る通信機器用半導
体装置を示す断面図である。
【図6】(a),(b)は、それぞれ図15に示すIIa
−IIa線断面における従来のHFETのエネルギーバン
ド図、及び図5に示すVIb−VIb線断面における第3の実
施形態に係る通信機器用半導体装置のエネルギーバンド
図である。
【図7】本発明の第4の実施形態に係るミリ波を利用し
た通信システムの全体概念の一例を示す斜視図である。
【図8】図7に示す基地局と各家庭やオフィス内の無線
端末との間における通信システムの構成を概略的に示す
ブロック図である。
【図9】図8に示す基地局の内部構成をより詳細に示す
ブロック回路図である。
【図10】図9に示す送信増幅部に配置されているメイ
ンアンプの構造例を示す電気回路図である。
【図11】第4の実施形態に係る通信システムで用いら
れる半導体集積回路装置(MMIC)の断面図である。
【図12】図8に示す通信システム中の無線端末(移動
局)の一例を概略的に示す図である。
【図13】図9または図12に示すミクサの回路構成例
を示す電気回路図である。
【図14】図12に示すSPDTスイッチを含む高出力
スイッチ回路、または図9に示すアンテナスイッチに配
置される高出力スイッチ回路の例を示す電気回路図であ
る。
【図15】従来のHFETの構造を示す断面図である。
【符号の説明】
101,151,251,410 InP基板 102,152,252 バッファ層 103 チャネル層 104,254,419 チャネル内挿入層 105,155,256 スペーサ層 106,156,257 不純物添加層 107,157,258 バリア層 108,158,258 コンタクト層 109,159,260 二次元電子ガス 110,160,261 ドレイン電極 111,161,262 ソース電極 112,162,263,442 ゲート電極 114,164,264 ソース領域 115,165,265 ドレイン領域 153,253 第2チャネル層 154,255 第1チャネル層 300 光ファイバー網 301 無線基地局 302 無線端末 311 アンテナ装置 311a アンテナ本体 311b アンテナスイッチ 312,322 受信増幅部 313,323 送信増幅部 314 無線送受信部 315,325 制御部 316 有線接続部 317 ベースバンド信号処
理部 318 インタフェース部 319 交換制御部 320 電源部 321 アンテナ装置 331,336,339 フィルタ 332 低雑音アンプ 334 ミクサ 335 ドライバアンプ 338 メインアンプ 411 素子分離用絶縁膜 412 多重δドープInG
aAs層 412a,413a n型ドープ層 412b,413b アンドープ層 417 InGaAs層 418 InP層 420 ショットキーダイオ
ード 430 MESFET 440 HFET 450 キャパシタ 460 インダクタ E1’ 下位の量子準位 E2’ 上位の量子準位
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 27/095 29/778 29/812 (72)発明者 出口 正洋 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 吉井 重雄 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 古屋 博之 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5F038 AC02 AZ04 DF02 EZ01 EZ02 EZ20 5F102 FA01 GA14 GA15 GA16 GA17 GB01 GC01 GD01 GJ06 GK04 GL04 GL07 GL08 GL14 GL16 GL20 GM04 GM07 GM08 GN04 GQ01 GR04 GR10 GT03 HC01 HC04

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の半導体層と、 上記第1の半導体層の上に設けられ、上記第1の半導体
    層よりも伝導帯端のポテンシャルが低い第2の半導体層
    と、 上記第2の半導体層の上に設けられ、伝導帯端のポテン
    シャルが上記第2の半導体層の伝導帯端のポテンシャル
    及び上記第2の量子準位よりも高い第4の半導体層と、 上記第2の半導体層の内部に設けられ、上記第2の半導
    体層のうち上記第4の半導体層との界面付近の伝導帯側
    量子井戸構造における基底レベルの第1の量子準位とそ
    の直上レベルの第2の量子準位との間隔を調節するため
    の第3の半導体層とを備え、 上記第2の半導体層のうち少なくとも一部は、InGa
    Asから構成されることを特徴とする通信機器用半導体
    装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の通信機器用半導体装置
    において、 上記第3の半導体層の伝導帯端のポテンシャルは、上記
    第2の半導体層のうち上記第3の半導体層を除く部分の
    伝導帯端のポテンシャルよりも高く、 上記第3の半導体層は、少なくとも上記第2の量子準位
    の高さを調節するために設けられることを特徴とする通
    信機器用半導体装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の通信機器用半
    導体装置において、 上記第2の量子準位は、上記第2の半導体層のうち上記
    第4の半導体層と上記第3の半導体層とに挟まれた領域
    の、上記第3の半導体層との界面における伝導帯端のポ
    テンシャルよりも高く、 上記第1の量子準位は、上記第2の半導体層のうち上記
    第4の半導体層と上記第3の半導体層とに挟まれた領域
    の、上記第3の半導体層との界面における伝導帯端のポ
    テンシャルよりも低いことを特徴とする通信機器用半導
    体装置。
  4. 【請求項4】 請求項2または3のうちいずれか1つに
    記載の通信機器用半導体装置において、 上記第3の半導体層は、In,Ga,Alのうちから選
    ばれた少なくとも1つのIII属元素とN,As,P,S
    bのうちから選ばれた少なくとも1つのV属元素との化
    合物から構成されることを特徴とする通信機器用半導体
    装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の通信機器用半導体装置
    において、 上記第3の半導体層は、InP,InGaAs,InG
    aAsP,InGaAsPN,InGaAlAs及びA
    lGaAsSbのうちから選ばれたいずれか1つの材料
    から構成されることを特徴とする通信機器用半導体装
    置。
  6. 【請求項6】 請求項2〜5のうちいずれか1つに記載
    の通信機器用半導体装置において、 上記第2の半導体層のうち上記第4の半導体層と上記第
    3の半導体層とに挟まれた領域には第5の半導体層がさ
    らに設けられており、 第5の半導体層の伝導帯端のポテンシャルは、上記第5
    の半導体層を除く上記第2の半導体層のうち上記第3の
    半導体層と上記第4の半導体層とに挟まれた領域の伝導
    帯端のポテンシャルよりも低いことを特徴とする通信機
    器用半導体装置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の通信機器用半導体装置
    において、 上記第1の量子準位は、上記第5の半導体層の伝導帯端
    のポテンシャルのうち最大のものよりも低いことを特徴
    とする通信機器用半導体装置。
  8. 【請求項8】 請求項6または7に記載の通信機器用半
    導体装置において、 上記第5の半導体層は、InGaAs,InGaAsN
    及びInGaAsPNのうちから選ばれたいずれか1つ
    の材料から構成されることを特徴とする通信システム用
    半導体装置。
  9. 【請求項9】 請求項1に記載の通信機器用半導体装置
    において、 上記第3の半導体層の伝導帯端のポテンシャルは、上記
    第2の半導体層のうち上記第3の半導体層を除く部分の
    伝導帯端のポテンシャルよりも低く、 上記第3の半導体層は、少なくとも上記第1の量子準位
    の高さを調節するために設けられることを特徴とする通
    信機器用半導体装置。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の通信機器用半導体装
    置において、 上記第1の量子準位は、上記第3の半導体層のうち上記
    第2の半導体層との界面における伝導帯端のポテンシャ
    ルよりも低いことを特徴とする通信機器用半導体装置。
  11. 【請求項11】 請求項9または10に記載の通信機器
    用半導体装置において、 上記第3の半導体層は、In,Ga,Alのうちから選
    ばれた少なくとも1つのIII属元素とN,As,P,S
    bのうちから選ばれた少なくとも1つのV属元素との化
    合物から構成されることを特徴とする通信機器用半導体
    装置。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載の通信機器用半導体
    装置において、 上記第3の半導体層は、InGaAs,InGaAsN
    及びInGaAsPNのうちから選ばれたいずれか1つ
    の材料から構成されることを特徴とする通信システム用
    半導体装置。
  13. 【請求項13】 高周波信号を扱う通信システムに配置
    され、能動素子を有する通信システム用機器であって、 第1の半導体層と、 上記第1の半導体層の上に設けられ、上記第1の半導体
    層よりも伝導帯端のポテンシャルが低い第2の半導体層
    と、 上記第2の半導体層の上に設けられ、伝導帯端のポテン
    シャルが上記第2の半導体層の伝導帯端のポテンシャル
    及び上記第2の量子準位よりも高い第4の半導体層と、 上記第2の半導体層の内部に設けられ、上記第2の半導
    体層のうち上記第4の半導体層との界面付近の伝導帯側
    量子井戸構造における基底レベルの第1の量子準位とそ
    の直上レベルの第2の量子準位との間隔を調節するため
    の第3の半導体層とを備え、 上記第2の半導体層のうち少なくとも一部は、InGa
    Asから構成されることを特徴とする通信システム用機
    器。
  14. 【請求項14】 請求項13に記載の通信システム用機
    器において、 上記第3の半導体層の伝導帯端のポテンシャルは、上記
    第2の半導体層のうち上記第3の半導体層を除く部分の
    伝導帯端のポテンシャルよりも高く、 上記第3の半導体層は、少なくとも上記第2の量子準位
    の高さを調節するために設けられることを特徴とする通
    信システム用機器。
  15. 【請求項15】 請求項13または14に記載の通信シ
    ステム用機器において、 上記第2の量子準位は、上記第2の半導体層のうち上記
    第4の半導体層と上記第3の半導体層とに挟まれた領域
    の、上記第3の半導体層との界面における伝導帯端のポ
    テンシャルよりも高く、 上記第1の量子準位は、上記第2の半導体層のうち上記
    第4の半導体層と上記第3の半導体層とに挟まれた領域
    の、上記第3の半導体層との界面における伝導帯端のポ
    テンシャルよりも低いことを特徴とする通信システム用
    機器。
  16. 【請求項16】 請求項14または15に記載の通信シ
    ステム用機器において、 上記第3の半導体層は、InP,InGaAs,InG
    aAsP,InGaAsPN,InGaAlAs及びA
    lGaAsSbのうちから選ばれたいずれか1つの材料
    から構成されることを特徴とする通信システム用機器。
  17. 【請求項17】 請求項13〜16のうちいずれか1つ
    に記載の通信システム用機器において、 上記第2の半導体層のうち上記第4の半導体層と上記第
    3の半導体層とに挟まれた領域には第5の半導体層がさ
    らに設けられており、 第5の半導体層の伝導帯端のポテンシャルは、上記第5
    の半導体層を除く上記第2の半導体層のうち上記第3の
    半導体層と上記第4の半導体層とに挟まれた領域の伝導
    帯端のポテンシャルよりも低いことを特徴とする通信シ
    ステム用機器。
  18. 【請求項18】 請求項17に記載の通信システム用機
    器において、 上記第1の量子準位は、上記第5の半導体層の伝導帯端
    のポテンシャルのうち最大のものよりも低いことを特徴
    とする通信システム用機器。
  19. 【請求項19】 請求項17または18に記載の通信シ
    ステム用機器において、 上記第5の半導体層は、InGaAs,InGaAsN
    及びInGaAsPNのうちから選ばれたいずれか1つ
    の材料から構成されることを特徴とする通信システム用
    機器。
  20. 【請求項20】 請求項13に記載の通信システム用機
    器において、 上記第3の半導体層の伝導帯端のポテンシャルは、上記
    第2の半導体層のうち上記第3の半導体層を除く部分の
    伝導帯端のポテンシャルよりも低く、 上記第3の半導体層は、少なくとも上記第1の量子準位
    の高さを調節するために設けられることを特徴とする通
    信システム用機器。
  21. 【請求項21】 請求項20に記載の通信システム用機
    器において、 上記第1の量子準位は、上記第3の半導体層のうち上記
    第2の半導体層との界面における伝導帯端のポテンシャ
    ルよりも低いことを特徴とする通信システム用機器。
  22. 【請求項22】 請求項20または21に記載の通信シ
    ステム用機器において、 上記第3の半導体層は、InGaAs,InGaAsN
    及びInGaAsPNのうちから選ばれたいずれか1つ
    の材料から構成されることを特徴とする
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