JP2003288848A - プラズマ表示装置 - Google Patents

プラズマ表示装置

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JP2003288848A
JP2003288848A JP2002091531A JP2002091531A JP2003288848A JP 2003288848 A JP2003288848 A JP 2003288848A JP 2002091531 A JP2002091531 A JP 2002091531A JP 2002091531 A JP2002091531 A JP 2002091531A JP 2003288848 A JP2003288848 A JP 2003288848A
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coil
plasma display
electrode
plasma
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JP2002091531A
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English (en)
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Kazuo Kikuchi
一夫 菊地
Shinji Kubota
紳治 久保田
Koichi Fujita
幸一 藤田
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高密度プラズマを効率よく発生させ、高効率
で放電を行うことを可能とするプラズマ表示装置を提供
する。 【解決手段】 基板11,21に平面コイル13,23
が設けられている。平面コイル13に誘導される磁界H
t は、個々の巻線の周囲に生じる部分磁界Hp の総体で
あり、ほぼ均等な強さで疎密なく面状に分布する。個々
の部分磁界Hp のトンネル内部に放電空間中の電子が閉
じ込められ、放電が発生する。生じるプラズマPm は平
面状に広がる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、交流プラズマ放電
を利用して表示を行うプラズマ表示装置、特に、誘導結
合プラズマを励起させるプラズマ表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、薄型・大画面化の流れを受け、種
々のフラットパネルディスプレイが開発、実用化されて
いる。プラズマディスプレイ(PDP:Plasma Display
Panel) もまた、そうした表示デバイスの一つであり、
既に40インチ以上の大画面を有するテレビジョン受像
機として製品化されている。プラズマディスプレイは、
AC型とDC型に大別されるが、発光効率や寿命で優る
AC型が主流となりつつある。
【0003】図9は、従来のAC型プラズマ表示装置の
構成を表している。このプラズマ表示装置100は、表
示面側の前面ガラス基板101と背面ガラス基板102
とを貼り合わせた構造をしており、基板101,102
は、周縁部において気密封止されて、内部の放電空間が
放電ガスで満たされている。前面ガラス基板101の上
には、維持放電を行うための電極対107(維持電極1
07X,走査電極107Y)が並列するように設けられ
ている。なお、維持電極107X,走査電極107Y
は、表示面側に設けられることからITO等の透明電極
材料で構成され、さらに、電気抵抗を低減するためのバ
ス電極110X,110Yがその側縁部に付設されてい
る。これら電極対107の上には、誘電体層108,保
護層109が順に設けられている。
【0004】背面ガラス基板102の上には、互いに平
行に配列された複数のアドレス電極103が設けられて
いる。アドレス電極103は、電極対107と直交する
ように配置されており、両者の交点が画素に対応する。
アドレス電極103の上には誘電体層104が設けら
れ、更にその上に、各アドレス電極103毎に空間を仕
切るための隔壁105がストライプ状に設けられてい
る。隔壁105の間には、蛍光体106が周期的に設け
られている。
【0005】このプラズマ表示装置100は、維持電極
107X,走査電極107Yおよびアドレス電極103
の3電極で駆動される。具体的には、画素選択動作を走
査電極107Y,アドレス電極103によって行い、発
光表示動作を維持電極107X,走査電極107Yによ
って行う。従って、いずれの動作においても平行平板と
なる2電極に電圧印加を行い、電極間の電位差から生ず
る電界によりプラズマ放電を発生させるようになってい
る。このときの放電はAC放電であり、極性の反転に伴
って保護層109の表面のイオンや電子が反復移動する
ことで持続的にプラズマが発生し、放電状態が維持され
る。放電の際、放電ガスが放つ紫外線が照射されて蛍光
体106が発光することで、画素の表示が行われる。こ
のように、プラズマ表示装置100は、放電させる2電
極が容量を形成する容量結合型である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この場合、電界が作用
する範囲は2電極間に限られ、その領域内の表面に存在
するイオンや電子しか利用できない。そのため、従来の
容量結合型PDPでは、放電に寄与する荷電粒子量が自
ずと制限され、放電効率がそれほど高くならないという
問題があった。
【0007】これに対し、特開平11−25868号公
報では、磁界を利用してプラズマ放電を発生させる誘導
結合型PDPが開示されている。これは、図10のよう
に、画素位置に環状のループ部202を有するループ電
極201を備えている。
【0008】誘導結合の駆動原理は、次のようになる。
まず、環状の導体からなるコイルに交流を印加すると、
コイルに垂直方向に磁界が誘導される。この磁界は、空
間中の分子等に作用するが、印加電流の極性反転に伴っ
て磁界の向きも反転し、イオンや電子を発生させると同
時に反復移動させる。これによって、プラズマ放電が発
生する。このとき、磁界はコイルを中心として拡がり、
その作用範囲は、特に制限されることがない。従って、
放電に寄与する荷電粒子量は、容量結合型よりも多く、
放電の効率も高くなる。
【0009】しかしながら、ループ電極201はΩ形状
であり、閉じた環状、それも巻数が2以上のコイルに比
べ、発生する磁界は弱い。そのため、プラズマ発生のた
めに十分な強さの磁界が得られないおそれがあった。上
記文献では、磁界の強さ、すなわち磁束密度を改善する
ために、磁心としてフェライト等の軟磁性層をループ電
極201に付設することが示唆されている。従って、こ
うした単円状のコイルでは、前記のような誘導結合の利
点を有効に引き出すことができるとはいえなかった。
【0010】また、ループ電極201に誘導される磁界
においては、図11のように、環状の電極の中心付近に
磁束が集中する。その際、プラズマは、放電空間内に広
がるというよりはむしろ、同図の点線で示した領域に生
じるものと考えられる。これでは、放電空間内の一部の
分子しか利用されない。このように、従来の誘導結合型
PDPには、各画素に割り当てられた放電空間を、さら
に有効に利用する余地があった。
【0011】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、その目的は、高密度プラズマを効率よく発生さ
せ、高効率で放電を行うことを可能とするプラズマ表示
装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明のプラズマ表示装
置は、放電空間を介して対向配置される第1および第2
の基板と、第1および第2の基板の少なくとも一方に画
素単位に設けられ、誘導される磁界が平面状のプラズマ
を発生させるように配置された導体からなるコイルとを
備えたものである。
【0013】本発明のプラズマ表示装置では、コイルを
用いて誘導結合によりプラズマを発生させ、放電を行
う。その際に生じる磁界は、十分な強さを有し、コイル
面に平行な面状に分布する。この磁界により、コイル近
傍に、コイル面と平行な面状のプラズマが発生する。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。
【0015】図1は、本発明の一実施の形態に係るプラ
ズマ表示装置の構成を示しており、図2は、そのI−I
線断面図である。このプラズマ表示装置は、具備したコ
イルが磁界を誘導し、この磁界により発生させるプラズ
マ放電を用いて発光表示を行うものである。
【0016】前面ガラス基板11と背面ガラス基板21
は、放電ガスが封入される放電空間を介して対向配置さ
れている。これら基板11,基板21のそれぞれに、平
面コイル13,平面コイル23が設けられている。例え
ば、平面コイル13は、これのみでも放電が可能であ
り、主に画素の発光表示を行うために用いられるように
なっている。また、平面コイル23は、平面コイル13
と共に発光させる画素を選択するために用いられるよう
になっている。
【0017】平面コイル13,23は、対をなすように
各画素領域ごとに形成され、例えば、正対する位置に配
される。また、平面コイル13,23には、それぞれ交
流を印加するための走査電極12,アドレス電極22が
電極マトリクスを構成するように接続されている。ここ
では、走査電極12は、水平方向の画素列ごとに設けら
れ、前面ガラス基板11の上に並列するようになってい
る。アドレス電極22は、垂直方向の画素列ごとに設け
られ、背面ガラス基板21の上に並列するようになって
いる。
【0018】さらに、前面ガラス基板11側では、走査
電極12および平面コイル13の上に誘電体層14,保
護層15が設けられている。これらの層14,15は、
プラズマ発生時のイオン衝撃等から走査電極12や平面
コイル13を保護したり、電荷を供給する機能を有して
おり、従来と同様に設けられることが好ましい。
【0019】ここで、平面コイル13は、図3に示した
ように、2重になった巻線が渦巻状に巻き回された「2
重渦巻状」となっている。なお、その隣接する巻線同士
の間隔は一定である。この場合、巻き数は2程度だが、
2重巻きになっているために、単一の巻線で巻き数2の
コイルが2つ連結したものとみなされ、コイルに発生す
る磁界強度は、単一巻線に比べて高くなるという利点が
ある。また、図4(A)は、平面コイルに流れる電流の
方向、同図(B)は(A)のII−II線断面における
電流の向きを示している。このように、平面コイル13
では、隣り合う巻線における電流の向きは、互いに逆向
きとなる。
【0020】よって、平面コイル13により誘導される
磁界は、図5に示したように分布する。磁界Ht は、個
々の巻線の周囲に生じる部分磁界Hp の総体であり、ほ
ぼ均等な強さで疎密なく面状に分布するようになってい
る。ここでは、隣り合う部分磁界Hp 同士が逆向きに周
回する結果、隣接する巻線の間では、その向きが一致
し、部分磁界Hp は互いに強め合うようになっている。
【0021】こうした部分磁界Hp は、基板11の表面
から放電空間側にトンネル状に現れるようになってい
る。個々の部分磁界Hp のトンネル内部には、放電空間
中の電子が閉じ込められ、電子は、その磁界の向きが平
面コイル13と平行となる領域に多数集中する。トンネ
ル内の電子は空間中の放電ガス分子と衝突し、これを電
離するが、電子密度が高い領域では、その頻度が非常に
大きく、マグネトロン型放電のような放電が生起する。
【0022】これにより、従来の容量結合型よりも格段
に高密度の誘導結合プラズマが発生する。ちなみに、誘
導結合プラズマは、密度が1013/cm3 程度であり、
容量結合によるプラズマの密度(1010/cm3 程度)
に対し、およそ103 倍であることが実験的に知られて
いる。よって、表示装置として実用に供する場合にも、
高いプラズマ密度が得られることが期待される。
【0023】このプラズマは、部分磁界Hp ごとに周期
的に発生するが(図5に斜線で示した領域)、個々のプ
ラズマが空間に均等に広がり、全体として平面状のプラ
ズマPm となる。よって、各画素に割り当てられた放電
空間をなるべく広く使ってプラズマ放電を起こすことが
でき、発光効率がさらに向上する。とりわけ、プラズマ
を生成する電子が、放電空間にトンネル状に形成される
部分磁界Hp に閉じ込められることで、高密度に存在す
る領域が巻線に沿って局所的に作り出される。そのた
め、プラズマが効率的に発生することとなり、これも発
光効率に寄与するようになっている。
【0024】また、ここでは、電子は磁界Ht に閉じ込
められるため、平面コイル13によるプラズマ発生中に
蛍光体26がイオン衝撃を受けることが防止されるが、
プラズマPm の発生位置を基板11近傍に設定すること
によって、その効果をより確実なものとすることができ
る。
【0025】こうしたプラズマ制御は、平面コイル13
の形状や印加する電流値等の条件を調整することにより
行われる。すなわち、平面コイル13の形状によって、
発生させる部分磁界Hp ひいては磁界Ht の強さ,形
状,方向が制御され、さらにはプラズマPm の密度,位
置,形状が制御されるのである。従って、平面コイル1
3の設計は、発生させるべきプラズマの位置や大きさを
基に磁場解析等によって帰納的に行われ、コイル形状、
巻線の幅,間隔,巻き数が最適化される。平面コイル1
3の寸法は、画素の大きさにより異なるが、概ね直径3
0〜300μmである。
【0026】一方、背面ガラス基板21側では、アドレ
ス電極22,平面コイル23の上に誘電体層24が設け
られ、誘電体層24の上に、放電空間を画素領域の列毎
に区画し、隣接画素間のクロストークを防止するための
隔壁25が設けられている。さらに、隔壁25の間の画
素領域各々には、例えば赤(R),緑(G)および青
(B)の3原色の蛍光体26が周期的に塗布形成されて
いる。
【0027】平面コイル23は、例えば平面コイル13
と同一形状となっている。平面コイル23は、画素のア
ドレッシングを放電により行うために平面コイル13と
共に用いられるようになっており、例えば、誘導結合プ
ラズマを生起させるように設定されたり、平面コイル1
3の磁界Htの強さを制御するための磁界を発生するよ
うに設定されたりする。よって、平面コイル23の設計
も磁場解析等によって行われる。なお、本実施の形態で
は、走査電極12,平面コイル13が、本発明の「第1
の電極」,「第1のコイル」に対応し、H電極23,平
面コイル23が、本発明の「第2の電極」,「第2のコ
イル」に対応している。
【0028】このプラズマ表示装置は、平面コイル1
3,23を除く構成要素については、従来同様の材料を
用い、従来どおりの方法で製造することができる。ただ
し、平面コイル13,23についても、それぞれ走査電
極12,アドレス電極22と接続される電極として取り
扱えばよく、従来の製造方法から大きく変更されるもの
ではない。
【0029】前面ガラス基板11は、表示面側に位置す
るために透明性の高い材料からなり、一般的には高歪点
ガラスやソーダライムガラスが用いられる。その上に
は、走査電極12,平面コイル13が形成される。
【0030】走査電極12,平面コイル13は、例え
ば、ITO,NESA等の透明電極材料をスパッタリン
グあるいは真空蒸着によって成膜し、一体的にパターン
形成を行うことにより同時に形成される。なお、走査電
極12と平面コイル13は、それぞれ異なる材料で形成
されてもよく、これらにバス電極が付設されていてもよ
い。バス電極は、良導性の金属材料を単体もしくは積層
させて成膜することにより形成され、例えば走査電極1
2,平面コイル13の上に部分的に積層するように設け
られる。その成膜方法としては、スクリーン印刷法のほ
か、スパッタリング法、真空蒸着法またはCVD法等を
用いることができる。
【0031】誘電体層14は、SiO2 (二酸化ケイ
素)を用い、スパッタリング法,蒸着法等の真空成膜,
SOG(Spin On Glass )またはスクリーン印刷法によ
り形成される。また、保護層15は、MgO(酸化マグ
ネシウム)を用い、電子ビーム蒸着法により形成され
る。
【0032】背面ガラス基板21は、例えば前面ガラス
基板11と同様のものとすることができる。また、アド
レス電極22,平面コイル23としては、例えばAl,
Cu,Ag,Ti,Mo,Mn,CrおよびWのうちの
1種以上からなる電極材料が用いられ、スクリーン印刷
法、メッキ法、スパッタリング法、真空蒸着法またはC
VD法等により成膜されたのち一体的にパターン形成す
ることで同時に形成される。アドレス電極22,平面コ
イル23は、異なる材料で形成されていてもよく、それ
ぞれは、Ag等の単層であっても、Cu/Cr/Cuも
しくはCu/Agのような積層体として構成されていて
もよい。
【0033】誘電体層24は、誘電体層14と同様にし
て形成することができる。隔壁25は、例えば、誘電体
層24の上の所定の領域にペースト状の低融点ガラスを
スクリーン印刷法により塗布形成した後、サンドブラス
ト法によりストライプ状に整形し、焼成することにより
形成される。蛍光体26には、紫外線によって発光する
公知の蛍光体材料を任意に用いることができ、例えば、
誘電体層24の上から隣り合う隔壁25の側面にかけて
蛍光体スラリーを印刷することにより形成される。
【0034】なお、基板11,21の表面には、電磁波
によるノイズや干渉を防止するために、電磁シールド層
(図示せず)を付設することが好ましい。電磁シールド
層は、例えば、AgやITOなどの透明電極膜、もしく
は、Cuなどの金属や導電性繊維によるメッシュとして
形成される。なお、その材質や形状は、電磁シールド性
や開口率との兼ね合いによって適宜選択される。電磁シ
ールド層を設けると、平面コイル13(23)が誘導す
る磁界Ht は、より放電空間側に押しやられることにな
る。よって、電磁シールド層によって磁界Ht の形状を
制御することが可能である。
【0035】そのほか、蛍光体26が発光する際に集光
し、画素の光取り出し効率を高めるために、反射膜を設
けるようにしてもよい。
【0036】以上の各構成要素が形成された基板11,
21は、位置合わせの後、例えば低融点ガラスからなる
シール層を硬化させることにより、その周縁部が封じ切
られる。その際、基板11,21の間には隔壁25によ
って仕切られた放電空間があるが、ここに排気と放電ガ
スの封入が行われる。放電ガスとしては、例えばHe,
Ne,Ar,XeおよびKrのうちの1種以上からなる
ガスが用いられる。
【0037】このプラズマ表示装置では、平面コイル1
3によって放電・発光表示が行われる。まず、走査電極
12より平面コイル13に交流を印加し、部分磁界Hp
の総体としてコイル形状に倣って平面化した磁界Ht を
発生させる。磁界Ht は、放電空間にしかるべき強さで
存在し、その部分磁界Hp の各々に閉じ込められた電子
が放電ガス分子のイオン化を促進することにより、高効
率でプラズマ放電が生じる。
【0038】プラズマは、部分磁界Hp が平面コイル1
3と平行となる領域に生じるが、全体として、平面コイ
ル13に近傍で対向する平面形状に広がり、プラズマP
m を形成する。プラズマPm は面状に紫外線を放出し、
この紫外線が照射されることにより蛍光体26が発光し
て画素が表示される。よって、単に誘導結合プラズマを
利用する場合よりに比べ、発光効率は一層高くなる。な
お、ここでは、従来のように走査電極12,アドレス電
極22に信号を印加し、対となった平面コイル13,2
3を用いて放電を発生させ、アドレッシングを行う。
【0039】このように本実施の形態においては、基板
11,21に平面コイル13,23を設け、磁界Ht に
よりプラズマPm を発生させるようにしたので、高密度
のプラズマを発生させ、高い放電効率を得ることができ
る。
【0040】また、平面コイル13,23を二重渦巻状
としたので、それぞれが誘導する磁界Ht が平面状とさ
れ、生じるプラズマPm の形状が平面状に制御される。
よって、元々放電効率の高い誘導結合プラズマを、効率
よく利用することが可能となる。また、ここでは、放電
空間にトンネル状に形成される部分磁界Hp に閉じ込め
られることで、電子が高密度に存在する領域が局所的に
作り出されるので、効率的にプラズマを発生させること
ができる。以上により、非常に高い発光効率を実現する
ことができ、高輝度化、および、放電開始電圧の低減を
図ることができる。
【0041】また、プラズマPm は誘導結合プラズマで
あることから、従来の容量結合型の場合のように、隣接
画素間の電極による放電干渉により誤点灯や誤消灯を起
こすおそれがなくなる。そのほか、放電に際しては平面
コイル13に接続されているH電極12のみに信号を印
加すればよく、駆動制御を従来より簡素化することが可
能となる。
【0042】(変形例)上記実施の形態の平面コイル1
3,23は、平面状のプラズマPm を生じるように実効
的に2以上の巻き数を有する他の形状のコイルで置き換
えることができる。
【0043】図6は、そのような平面コイルの一変形例
を示す構成図である。この平面コイル33は、複数の弧
を重なり合わせた多重円弧形状をしている。ここでは、
一本の巻線が半円を描いて折り重なったものが左右対称
に配置され、全体として円形をなしている。なお、この
場合においても、隣接する巻線には、互いに逆向きに電
流が流れるようになっている。よって、上記の実施の形
態と同様に、隣接する部分磁界Hp は、互いに逆巻きの
方向に誘導され強め合うので、平面コイル33の近傍で
の磁界Ht の密度は高まる。その結果、電子を効率よく
閉じ込めることができる。
【0044】図7は、平面コイルのさらに別の変形例を
示す構成図である。この平面コイル43は、一重の巻線
からなる単純な渦巻き形状をしている。この場合には、
隣接する巻線には同方向に電流が流れるが、そのような
電極配置であっても平面状のプラズマを発生することが
できる。
【0045】(応用例)図8は、上記実施の形態の応用
例に係るプラズマ表示装置の構成を示している。本応用
例では、対をなす平面コイル53,63が共に基板11
側に設けられている。ここでは、平面コイル63は、平
面コイル53の上に形成された第1の誘電体層14aの
上面に形成され、さらにその上を第2の誘電体層14b
が覆っている。この場合には、プラズマ放電を専ら基板
11側で行い、蛍光体26の損傷を防止することができ
る。
【0046】なお、本発明は、上記実施の形態に限定さ
れず種々の変形実施が可能である。例えば、実施の形態
においては、各画素領域に対をなす平面コイル13,2
3を設けるようにしたが、平面コイルは単一でも放電を
発生させることができるので、これらのどちらか一方の
みが設けられた構成であってもよい。また、1つの平面
コイルを、複数のコイルを直列あるいは並列に接続させ
て形成するようにしてもよい。例えば、画素領域は通常
長方形であるから、平面コイル13,23のそれぞれ
を、画素の長辺方向に並ぶ円形状のコイルとして形成し
てもよい。
【0047】さらに、上記実施の形態および変形例,応
用例では、円形状のコイルについて説明したが、本発明
におけるコイルは、楕円や矩形であってもよい。また、
変形例に示したように、必ずしも渦巻き状でなくともよ
い。また、上記実施の形態では、同一平面上に形成され
たコイルについて説明したが、例えば、同一平面上に形
成された導体部を積層させた構造の積層コイルなどであ
ってもよい。
【0048】またさらに、上記実施の形態および変形
例,応用例では、巻線の間隔が一定で、巻線の密度が均
等に分布するようなコイルについて説明したが、本発明
におけるコイルは、平面状のプラズマを発生することが
できるものであればよいので、場合によっては隣接する
導体の間隔が一定ではない、あるいは導体の密度が均等
ではない形状であってもよい。このように、本発明は、
コイル形状、および導体の幅,間隔等を特に限定するこ
となく広く適用することが可能である。
【0049】また、本発明におけるコイルは、用途を上
記実施の形態に限定されるものではなく、駆動方法に従
って任意に用いることができる。例えば、平面コイル1
3,23もしくは平面コイル53,63に供給される電
位やタイミングを変化させて磁界強度を変調し、プラズ
マ密度を制御することが可能であり、これにより階調表
示を行うこともできる。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係るプラズ
マ表示装置によれば、第1および第2の基板の少なくと
も一方に画素単位に設けられ、誘導される磁界が平面状
のプラズマを発生させるように配置された導体からなる
コイルを備えるようにしたので、形状が平面状に制御さ
れた誘導結合プラズマが発生し、発光表示に効率よく利
用される。従って、一段と高い発光効率が得られ、高輝
度化を図ることが可能となる。また、放電開始電圧の低
減、ひいては消費電力の低減を図ることが可能となる。
【0051】特に、請求項3に記載のプラズマ表示装置
によれば、コイルは、設けられている基板の表面から放
電空間側に導体ごとにトンネル状の閉じた磁界を形成す
るものとしたので、このトンネル磁界に放電空間中の電
子を閉じ込めることにより、コイル近傍に電子密度が高
い領域が局所的に形成され、効率よく高密度のプラズマ
を発生させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るプラズマ表示装置
の構成を示す斜視図である。
【図2】図1に示したプラズマ表示装置のI−I線にお
ける断面構成図である。
【図3】図1に示した表示パネルにおける平面コイルの
形状を示す平面図である。
【図4】図3に示した平面コイルに流れる電流の方向を
示す図であり、(A)は平面図、(B)は(A)のII
−II線断面図である。
【図5】図3に示した平面コイルによって誘導される磁
界を示す説明図である。
【図6】図3に示した平面コイルの変形例を示す平面図
である。
【図7】図3に示した平面コイルの変形例を示す平面図
である。
【図8】図1に示したプラズマ表示装置の応用例に係る
プラズマ表示装置の構成を示す断面図である。
【図9】従来の容量結合型プラズマ表示装置の構成を示
す斜視図である。
【図10】従来の誘導結合型プラズマ表示装置に用いら
れるコイルを示す平面図である。
【図11】図10に示したコイルに誘導される磁界、お
よび発生するプラズマの形状を示す説明図である。
【符号の説明】
11…前面ガラス基板、12…走査電極、13,53…
平面コイル、14,14a,14b…誘電体層、15…
保護層、21…背面ガラス基板、22…アドレス電極、
23,63…平面コイル、24…誘電体層、25…隔
壁、26…蛍光体、33,43…平面コイル、Ht …磁
界、Hp …部分磁界、Pm …プラズマ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤田 幸一 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 5C040 FA01 FA04 FA10 GB06 GC04 GC05 GC06 GC20 GD01 GE01 GG03 GH09 GJ02 LA18 MA03 MA12

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放電空間を介して対向配置される第1お
    よび第2の基板と、前記第1および第2の基板の少なく
    とも一方に画素単位に設けられ、誘導される磁界が平面
    状のプラズマを発生させるように配置された導体からな
    るコイルとを備えたことを特徴とするプラズマ表示装
    置。
  2. 【請求項2】 前記コイルは、誘導される磁界が導体の
    各部に発生する部分磁界の総体として平面状に形成され
    るように構成されていることを特徴とする請求項1記載
    のプラズマ表示装置。
  3. 【請求項3】 前記コイルは、設けられている基板の表
    面から放電空間側に、導体ごとにトンネル状の閉じた磁
    界を形成することを特徴とする請求項2記載のプラズマ
    表示装置。
  4. 【請求項4】 前記コイルは、実効的な巻き数を2以上
    とすることを特徴とする請求項1記載のプラズマ表示装
    置。
  5. 【請求項5】 前記コイルは、隣接する導体の間隔が一
    定であることを特徴とする請求項1記載のプラズマ表示
    装置。
  6. 【請求項6】 前記コイルは、導体が均等な密度で配置
    されて構成されていることを特徴とする請求項1記載の
    プラズマ表示装置。
  7. 【請求項7】 前記コイルは、一重または多重の導体か
    らなることを特徴とする請求項1記載のプラズマ表示装
    置。
  8. 【請求項8】 前記コイルは、渦巻状であることを特徴
    とする請求項7記載のプラズマ表示装置。
  9. 【請求項9】 前記コイルは、2重渦巻状であることを
    特徴とする請求項7記載のプラズマ表示装置。
  10. 【請求項10】 前記コイルは、多重円弧状であること
    を特徴とする請求項7記載のプラズマ表示装置。
  11. 【請求項11】 前記コイルは、導体同士が隣接する部
    分では互いに逆向きに電流が流れるように構成されてい
    ることを特徴とする請求項1記載のプラズマ表示装置。
  12. 【請求項12】 前記第1または第2の基板に、互いに
    並列する第1の電極、および、前記第1の電極との交差
    方向に並列し、その交差位置に画素が構成される第2の
    電極がそれぞれ設けられ、 前記コイルが、前記第1の電極および第2の電極の少な
    くとも一方に電気的に接続されていることを特徴とする
    請求項1記載のプラズマ表示装置。
  13. 【請求項13】 前記第1の基板に前記第1の電極およ
    びこれに接続される第1のコイルが設けられ、前記第2
    の基板に前記第2の電極およびこれに接続される第2の
    コイルが設けられていることを特徴とする請求項12記
    載のプラズマ表示装置。
  14. 【請求項14】 前記第1の基板に、前記第1の電極お
    よびこれに接続される第1のコイルと、前記第2の電極
    およびこれに接続される第2のコイルとが共に設けられ
    ていることを特徴とする請求項12記載のプラズマ表示
    装置。
  15. 【請求項15】 前記第1または第2の基板に蛍光体が
    設けられていることを特徴とする請求項12記載のプラ
    ズマ表示装置。
  16. 【請求項16】 前記蛍光体は、前記第1および第2の
    基板のうち、発光表示のための放電を行うコイルに対向
    する側の基板に設けられていることを特徴とする請求項
    15記載のプラズマ表示装置。
  17. 【請求項17】 前記コイルの上に誘電体層が設けられ
    ていることを特徴とする請求項12記載のプラズマ表示
    装置。
  18. 【請求項18】 前記コイルの上に保護層が設けられて
    いることを特徴とする請求項12記載のプラズマ表示装
    置。
  19. 【請求項19】 前記コイルは、Al,Cu,Ag,T
    i,Mo,Mn,CrおよびWのうちの1種以上を含ん
    で構成されていることを特徴とする請求項1記載のプラ
    ズマ表示装置。
  20. 【請求項20】 前記第1および第2の基板のうち、表
    示面側に配置される基板に設けられたコイルは、透明電
    極材料からなる層を含んで構成されていることを特徴と
    する請求項1記載のプラズマ表示装置。
  21. 【請求項21】 前記透明電極材料は、インジウムスズ
    酸化物(ITO),酸化スズ(NESA)の少なくとも
    一方からなることを特徴とする請求項20記載のプラズ
    マ表示装置。
  22. 【請求項22】 前記コイルは、透明電極材料からなる
    層と金属材料からなる層とが積層されて構成されている
    ことを特徴とする請求項20記載のプラズマ表示装置。
  23. 【請求項23】 前記第1および第2の基板の少なくと
    も一方に、反射膜が設けられていることを特徴とする請
    求項1記載のプラズマ表示装置。
  24. 【請求項24】 前記第1および第2の基板の少なくと
    も一方に、電磁シールド層が設けられていることを特徴
    とする請求項1記載のプラズマ表示装置。
  25. 【請求項25】 前記放電空間には放電ガスが封入さ
    れ、前記放電ガスは、He,Ne,Ar,XeおよびK
    rのうちの1種以上からなることを特徴とする請求項1
    記載のプラズマ表示装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2006077809A1 (ja) * 2005-01-18 2006-07-27 Pioneer Corporation プラズマディスプレイパネルおよびその隔壁の製造方法
CN111261052A (zh) * 2018-11-30 2020-06-09 三星显示有限公司 显示装置

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