JP2003286431A - 印刷インキ組成物 - Google Patents

印刷インキ組成物

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JP2003286431A
JP2003286431A JP2002347607A JP2002347607A JP2003286431A JP 2003286431 A JP2003286431 A JP 2003286431A JP 2002347607 A JP2002347607 A JP 2002347607A JP 2002347607 A JP2002347607 A JP 2002347607A JP 2003286431 A JP2003286431 A JP 2003286431A
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plasticizer
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ink
printing
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Hideoki Iwanami
秀興 岩波
Eriko Denpo
江里子 傳法
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 印刷機のゴムローラーやブランケット等、印
刷インキと接触するゴム材料の変質や劣化を起こしにく
い印刷インキを提供する。 【解決手段】 印刷インキ中に可塑剤を含有させること
により、本発明のインキを用いる印刷機において、該印
刷機のローラーやブランケット等のゴム材料を変質、劣
化させにくくする。可塑剤としては、アジピン酸系可塑
剤、ポリエステル系可塑剤、セバシン酸系可塑剤、フタ
ル酸系可塑剤、トリメリット酸系可塑剤、極性ゴム用可
塑剤またはエポキシ系可塑剤を用いることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は印刷インキに関する
ものであり、特に印刷機等のゴム材料(ローラー、ブラ
ンケット等)を変質または劣化させにくい印刷インキに
関する。
【0002】
【従来の技術】印刷インキは色料、ビヒクルおよび助剤
から成り、ビヒクルは油、樹脂、溶剤などから成る。印
刷機に供給されたインキはローラー間を転移して版面に
付着し、さらにブランケットから紙へと転写されて印刷
物が出来上がる。
【0003】印刷機のローラーやブランケット等は一般
にゴム材料が用いられており、これらのゴムには適度の
弾力性や硬度を付与するために可塑剤が配合されてい
る。これら可塑剤の中には印刷インキのビヒクルや溶剤
に溶け出しやすいものがある。可塑剤がゴムから溶け出
して失われると、ゴムが硬くなったり、収縮して寸法が
変わる等の不具合が発生する。
【0004】近年地球環境や労働衛生への配慮から、印
刷インキで用いられる溶剤中の芳香族成分をできるだけ
減らすことが行われている。芳香族成分をほとんど含ま
ない溶剤はアロマフリー溶剤とも呼ばれるが、芳香族系
の溶剤をアロマフリー溶剤に置換することが進展してい
る。
【0005】この溶剤の置換によりインキ中のアロマフ
リー溶剤の割合が増加しているが、この溶剤は従来のも
のに比べてゴム材質中の可塑剤を溶け出させる能力が高
いようであり、ゴム材質の変質や劣化が促進されること
が業界において経験的に観察されている。即ちアロマフ
リー溶剤主体のインキを使用するとゴムローラーやブラ
ンケットの劣化が早く、これらを交換しなければならな
くなる頻度が高まることが知られている。
【0006】また石油系の溶剤を大豆油等の植物油に置
換することも進展しているが、この植物油を多用したイ
ンキはアロマフリー溶剤と同様にゴムローラーやブラン
ケットを劣化させる傾向があることが知られている。
【0007】アロマフリー溶剤や植物油を多く配合した
インキが印刷機材のゴム等の劣化を早める原因を推測す
るならば、前記したようにこれらの溶剤や油はゴム中の
可塑剤を溶け出させる能力が大きく、そのためにゴムの
硬化や質量減少によるやせほそりが起きているためと考
えられる。
【0008】特許文献1には大豆油等の植物油を主成分
とする平版印刷用インキ材料の発明が記載されている。
特許文献2には再生処理した植物油およびアロマフリー
型溶剤を用いた印刷インキおよび印刷物の発明が記載さ
れている。
【0009】
【特許文献1】特開平8−253723号公報
【特許文献2】特開2001−311029号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】印刷機のゴム材料等、
印刷インキと接触するゴム材料の変質や劣化を起こしに
くい印刷インキを提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】発明者らは印刷インキが
それと接触するゴム材料に与える影響を調べる中で、イ
ンキ中に可塑剤を含有させることによりゴム材料の変質
を大きく減少させられるという事実を見出し、本発明を
完成した。
【0012】本発明では印刷インキ中に可塑剤を含有さ
せることにより、本発明のインキを用いる印刷機におい
て、該印刷機のローラーやブランケット等のゴム材料を
変質、劣化させにくくしている。
【0013】可塑剤をインキに添加するには、ワニス等
のビヒクルに直接添加しておき、通常のインキの製造と
同様に顔料等の色料と共に練肉または撹拌してインキ中
に均一に混合する。または可塑剤をインキの溶剤に溶解
しておき、それをインキに添加して、練肉または撹拌す
る。さらには可塑剤を出来上がったインキに直接添加し
て撹拌や混合してもよい。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明で用いられる可塑剤につい
て以下に説明する。アジピン酸系可塑剤としては、アジ
ピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アジピン酸ジイソノニ
ル、アジピン酸ジイソデシルなどを用いることができ
る。
【0015】ポリエステル系可塑剤はアジピン酸、セバ
シン酸、フタル酸などの二塩基酸とグリコールの重縮合
体を基本構造として、その両端末を一価アルコールまた
は一塩基酸で停止した分子量800〜8000のポリエ
ステルである。例として、大日本インキ化学工業株式会
社製のW−230−Sなどが挙げられる。
【0016】セバシン酸系可塑剤としては、セバシン酸
ジブチル、セバシン酸ジオクチルなどを用いることがで
きる。
【0017】フタル酸系可塑剤としては、フタル酸ジメ
チル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸
ジオクチル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデ
シル、フタル酸ジトリデシル、フタル酸ブチルベンゼ
ン、フタル酸ジシクロヘキシル、テトラヒドロフタル酸
エステルなどを用いることができる。
【0018】トリメリット酸系可塑剤としてはトリメリ
ット酸−トリ−2−エチルヘキシルなどを用いることが
できる。
【0019】極性ゴム用可塑剤としては、大日本インキ
化学工業株式会社製のモノサイザー(アジピン酸エーテ
ルエステルやポリエーテルエステル)を用いることがで
きる。
【0020】エポキシ系可塑剤としては、大豆油やアマ
ニ油のエポキシ化油脂や、脂肪酸のエポキシ化エステル
を用いることができる。
【0021】印刷インキ中に可塑剤を添加するには、ワ
ニスや溶剤などに予め可塑剤を添加してよく撹拌してか
ら、該ワニスや助剤を顔料や他のビヒクル成分と混合
し、通常のインキの製造方法により練肉または分散して
インキ製品として仕上げる方法を用いることができる。
前記の撹拌や混合、分散には分散撹拌機や練肉機等を用
いる。
【0022】前記したように、アロマフリー溶剤や大豆
油等の植物油を含有する印刷インキはそれ以外のインキ
に比べて印刷機のゴム材質の劣化を早める傾向にある。
可塑剤の添加は、特にそれらアロマフリー溶剤や大豆油
等の植物油を含有する印刷インキにおいて、ゴム材質劣
化を低減する効果を示す。
【0023】
【実施例】まず印刷インキに一般的に使用されている溶
剤や油が印刷機のローラーやブランケット等のゴム部材
に与える影響を調査した結果を参考例として示す。
【0024】次にゴム部材を劣化させる度合いの大きい
アロマフリー溶剤に本発明で用いられる可塑剤を添加し
たときの、ゴム部材の劣化を調査した結果を実験1に示
す。
【0025】さらにアロマフリー溶剤及び大豆油を含有
する印刷インキに本発明で用いられる可塑剤を添加した
ときの、ゴム部材の劣化を調査した結果を実験2に示
す。
【0026】[参考例]インキ溶剤、油の種類によるゴ
ム部材への影響度を調査した結果を表1に示す。試験方
法は、大きさ3cm×3cm、厚み約2mmのゴムシー
トを50ccの溶剤や油に浸し、21日後における該ゴ
ム部材の質量の減少率(単位%)を測定する。
【0027】
【表1】
【0028】表1の5種類のゴム材質は、金陽社製印刷
機用ゴムローラーのゴム材質の型番である。表1より、
アロマフリー溶剤及び大豆油がゴム材質中の成分を溶出
させてその質量を減少させる効果が大きいことがわか
る。
【0029】[実験1]前記の参考例においてゴム材質
の質量減少効果の大きいアロマフリー溶剤(新日本石油
化学製)に、本発明の可塑剤を3%添加し、該溶剤に5
種類のゴムシートを浸して6日後の質量減少率(単位
%)を測定した結果を表2に示す。
【0030】
【表2】
【0031】表2において、質量減少率がマイナスとは
質量が増加したことを意味する。また表2において添加
した可塑剤は次の通りで、すべて大日本インキ化学工業
株式会社の製品である。 W−242・・・アジピン酸系可塑剤。 W−230−S・・・低分子量アジピン酸系ポリエステ
ル。 W−280・・・セバシン酸系可塑剤。 DBP(フタル酸ジブチル)、DOP(フタル酸ジオク
チル)、DINP(フタル酸ジイソニトリル)・・・フ
タル酸系可塑剤。 W−705・・・トリメリット酸系可塑剤。 W−260、W−262・・・極性ゴム用可塑剤。 W−100−EL・・・エポキシ化大豆油 尚表2の最後の行の大豆油(可塑剤無し)は、W−10
0−ELとの比較のために試験を行なった。
【0032】表2に示す可塑剤の中では、フタル酸系可
塑剤、極性ゴム用可塑剤およびエポキシ化大豆油はゴム
材質の質量減少を抑制する効果が大きいことがわかる。
但しフタル酸系可塑剤では置換基の種類により抑制効果
には違いがある。大豆油は表1、表2からゴム材質の質
量を減少させる効果が大きいことがわかるが、エポキシ
化大豆油は質量減少の抑制効果が大きい。
【0033】[実験2]アロマフリー溶剤および大豆油
を含有する新聞用の平版オフセット印刷インキに可塑剤
を添加し、実験2と同様に該インキにゴムシートを浸
し、4日後の質量の減少率(単位%)を測定した結果を
表4に示す。ゴム材質は32S30Aである。本実験で
用いる印刷インキの配合を次の表3に示す。
【0034】
【表3】
【0035】表3において、ワニスは220℃で1時間
クッキングして作る。
【0036】
【表4】
【0037】表4より、ゴム材質の質量を減少させる効
果の大きなアロマフリー溶剤を用いたインキにおいて、
可塑剤を添加することにより前記質量減少を抑制できる
ことがわかる。
【0038】
【発明の効果】本発明のインキを使用することにより、
印刷機のゴム材料等、印刷インキと接触するゴム材料の
変質や劣化を減らすことができる。その結果、より長時
間安定した印刷を行うことができ、ローラーやブランケ
ット等を交換する手間と費用を削減できる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】可塑剤を含有する印刷インキ組成物。
  2. 【請求項2】芳香族系溶剤を実質的に含有しない請求項
    1に記載の印刷インキ組成物。
  3. 【請求項3】植物油及び又は植物油脂肪酸エステルを含
    有する請求項1または請求項2のいずれかに記載の印刷
    インキ組成物。
  4. 【請求項4】可塑剤がアジピン酸系可塑剤、ポリエステ
    ル系可塑剤、セバシン酸系可塑剤、フタル酸系可塑剤、
    トリメリット酸系可塑剤、極性ゴム用可塑剤またはエポ
    キシ系可塑剤である請求項1に記載の印刷インキ組成
    物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006249385A (ja) * 2005-03-14 2006-09-21 The Inctec Inc 印刷インキ
JP2008501044A (ja) * 2004-03-12 2008-01-17 サン・ケミカル・コーポレーション 低マイグレーション低臭気オフセットインキまたはワニス

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