JP2003283217A - 高周波回路装置 - Google Patents

高周波回路装置

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JP2003283217A
JP2003283217A JP2002083689A JP2002083689A JP2003283217A JP 2003283217 A JP2003283217 A JP 2003283217A JP 2002083689 A JP2002083689 A JP 2002083689A JP 2002083689 A JP2002083689 A JP 2002083689A JP 2003283217 A JP2003283217 A JP 2003283217A
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layer
transmission line
dielectric substrate
layers
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JP2002083689A
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Akira Tsumura
顯 津村
Hiroyuki Sato
裕之 佐藤
Satoru Owada
哲 大和田
Hidemasa Ohashi
英征 大橋
Yukihiro Tawara
志浩 田原
Moriyasu Miyazaki
守泰 宮崎
Satoshi Yanagiura
聡 柳浦
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Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多層誘電体基板に設けた高周波回路装置にお
いて、実装密度を高くしようとすると給電損失が大きく
なりやすいという問題を解決すると共にアンテナサブシ
ステム全体の価格を下げる。 【解決手段】 1層あたり0.1mm厚の3層積層基板
(BTレジン)12の上下にBT0.1mm厚のビルドア
ップ層13を2層ずつ重ねて計7層(すなわち8層の導
電層2)からなる多層誘電体基板3を形成した。多層誘
電体基板3の実測厚さは1.0mmであった。この多層誘
電体基板3では図1の領域A(図中4)にのみ多層(8
層)から成る導電層2を設け、領域B(図中5)には基
板内の中間層に導電層が無いようにした。この領域Aの
最上層にストリップ線路1、その下の第2層に地導体パ
ターンを設け、伝送線路とする。また、その他の導電層
2を用いて分配回路、及び制御線が高密度で配置され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は多層誘電体基板に
形成したストリップ線路と地導体パターンとからなる、
ミリ波帯またはマイクロ波帯の高周波回路装置、特にア
レーアンテナ等の給電回路に適した高周波回路装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】一般的にアンテナには大きく分けて線状
アンテナ、開口面アンテナ、及びアレーアンテナの3種
類がある。このうち開口面アンテナとアレーアンテナは
アンテナの開口面積を広げることによってビーム幅を小
さくし、高利得にすることができる特徴があり、その性
能が衛星通信やレーダー等に適している。
【0003】アレーアンテナは平面上に素子アンテナを
4角または3角に配置してそれぞれの素子アンテナの放
射パターンを合成し、開口面アンテナと同様の開口効率
が得られるようにしたアンテナである。この時、各素子
アンテナから放射されるビームの位相を制御することに
よって開口面を傾けることなく、放射ビームの向きを変
えることが可能である(フェーズドアレーアンテナ)。
このため、最近、移動体通信や3次元レーダーに用いら
れることが多い。それと併行して、このようなアレーア
ンテナに適した高周波回路装置の開発が強く望まれてい
る。
【0004】アレーアンテナの開発や設計において重要
な点は素子アンテナの種類と配置である。これはアレー
アンテナの放射パターンが素子アンテナの放射パターン
と素子アンテナの配置によって決まるためである。
【0005】このうち、特に素子アンテナの配置が重要
であり、素子アンテナ間の距離が広くなるとグレーティ
ングローブが現れ、アンテナとして不適となる。これを
避けるため、ビームの天頂からの角度をθとすると、素
子アンテナの間隔を[波長/(1+Sinθ)]よりも小さく
する必要がある。従ってミリ波やマイクロ波のアレーア
ンテナでは素子間隔を大変狭くするする必要がある。
【0006】一方、RFモジュールで増幅したRF信号
を如何にして少ない損失で素子アンテナに給電するかと
いう点についても十分に考慮しなければならない。言う
までも無く、この損失はRFモジュールと素子アンテナ
間の損失がEIRPやG/Tに大きく影響するからである。従
って損失の少ない高周波回路(あるいは給電回路)が必
要である。しかしながら、損失が少ない導波管や同軸ケ
ーブルからなる高周波回路はサイズが大きくなりやす
く、RFモジュール等の高周波能動素子と素子アンテナ
間の接続に比較的大きなスペースを必要とするため、素
子アンテナ間隔が狭いアレーアンテナには適用が難し
い。
【0007】上記の素子間隔を狭くする(あるいは実装
密度を高くする)点と、給電損失を減らす必要がある点
の2つを両立させる事はアレーアンテナに適した高周波
回路の開発・設計にとってきわめて重要である。従来、
これら2点を満たす方策の先行例としては、特開2001-7
628に示されるように、誘電体基板上の放射素子(ある
いは素子アンテナ)に同じ誘電体から成る多層基板に設
けたマイクロストリップ線路を用いてRFモジュールを
接続するアレーアンテナが知られている。
【0008】また、誘電体基板上に設ける放射素子とし
ては、マイクロストリップアンテナ(またはパッチアン
テナ)がある。これは、例えば、安達三郎著「電磁波工
学」(1983年、コロナ社発行)の91頁に示されてい
る。このパッチアンテナにはマイクロストリップ線路ま
たは誘電体基板と導体基板を貫いて同軸給電線で給電さ
れる。先行例の特開2001-7628で述べられている放射素
子はこのようなパッチアンテナに無給電で励振できる電
極を取りつけたものと考えられる。
【0009】パッチアンテナとマイクロストリップ線路
からなるアレーアンテナは薄型軽量であるという特長が
ある反面、線路損失が導波管や同軸ケーブルと比べて大
きいという問題があった。これは損失が導体損失だけで
なく、大きな誘電損失を含むためである。また、素子ア
ンテナのインピーダンスとマイクロストリップ線路のイ
ンピーダンスの整合を取るために、誘電体基板の厚さに
応じてマイクロストリップ線路の幅を調整する必要があ
ったからである。
【0010】すなわち、素子アンテナは一般にその入力
インピーダンスが特定のインピーダンス値、例えば50Ω
になるように設計するが、これに対応させて給電回路の
インピーダンスを設定するためには誘電体基板の誘電率
と厚さに応じてマイクロストリップ線路の幅を調整する
必要があり、これが導体損失を増やす原因となっていた
ためである。以上のことについて次にやや詳しく説明す
る。
【0011】マイクロストリップ線路の給電損失α(あ
るいは伝送損失)は導体損失αcと誘電体損失αdの和
であり、α=αc+αdで表される。これについては、
例えば、小西良弘著「マイクロ波回路の基礎とその応
用」(1992年、総合電子出版社発行)に示されてい
る。このうち、αcはマイクロストリップ線路の幅を
W、マイクロストリップ線路の導体の表皮抵抗をRs、
マイクロストリップ線路のインピーダンスをZcとする
と、 αc=8.68×Rs/(ZcW)[dB/cm]・・・(1) となる。従って導体損失を少なくするためには、なるべ
く表皮抵抗Rsの小さな金属を線路の材料として用い、
インピーダンスまたは線路幅を大きくする必要がある。
【0012】一方、αdは主に絶縁体として用いられる
誘電体基板のtanδに決まる。誘電体は一般に比較的
tanδが大きいため、これができるだけ小さな誘電体
基板を用いなければ誘電体損失が増加する。
【0013】一方、マイクロストリップ線路のインピー
ダンスZcは誘電体基板の厚さhを小さくすればするほ
ど低くなる。このことは前述の「マイクロ波回路の基礎
とその応用」の56頁に記述されている。誘電体基板を薄
くしてもインピーダンスを下げないためにはマイクロス
トリップ線路の幅を細くしなければならない。しかし、
上記式(1)から明らかなように、その時はマイクロス
トリップ線路の導体損失αc、ひいては給電損失αが大
きくなる。
【0014】前述したように、アレーアンテナに対して
は、素子アンテナの間隔が狭いことから高周波給電回路
の実装密度を高める必要があり、積層板やビルドアップ
基板による多層基板を適用することが望ましい。このよ
うな多層基板をさらに高密度にするためには、誘電体基
板の厚さをますます薄くして層数を増やす必要がある。
しかしながら、特に薄い誘電体基板、例えば0.1mm
以下の厚さの誘電体基板である場合にはインピーダンス
整合のためにマイクロストリップ線路の幅を極めて細く
しなければならない。従って上記式(1)から給電損失
が増えてしまうことになる。またこの時、細い線路を得
るためのエッチングによるパターンニング精度の限界か
ら製造が難しくなり、線路幅がばらつきやすくなること
からも給電回路の損失が増えてしまう。次に従来例を用
いてより具体的に説明する。
【0015】図7は従来の技術を用いて構成した給電回
路の例である。RFモジュール7につながる分配器や制
御線を配置する誘電体基板3の領域A(図中4)、及び
RFモジュール7からの出力を伝送する領域B(図中
5)の両領域ともに多層からなる導電層2が形成され
る。すなわち、分配器等の給電回路や制御信号などを高
密度で実装させるため、3層からなる積層基板12の上
下に2層ずつビルドアップ基板13を重ねている。
【0016】また、RFモジュール7はソケット8で誘
電体基板3に搭載され、その出力をVIA14と貫通孔
6を介して裏面のストリップ線路1に接続している。積
層基板12には貫通孔しか設けられないが、ビルドアッ
プの部分ではレーザー穴あけでVIA14を形成し、ラ
ンド15とトリプレート線路16を設けて接続する。こ
れらの下の層には地導体パターンが形成される。この結
果、最上層と最下層の接続長が実質的に増えて損失が増
加する。
【0017】また、領域B(図中5)ではストリップ線
路1の1層下に地導体となる導電層があるため、薄い誘
電体基板の表裏を用いたマイクロストリップ線路と同じ
であり、インピーダンスを高くするためにストリップ線
路1の幅を細くする必要がある。従って損失が増加す
る。図8は図7の給電回路に給電ピン9を介してパッチ
アンテナ10からなる素子アンテナを接続した状態を示
しており、同じ理由で線路の損失が大きくなる。
【0018】このように従来技術を用いてアレーアンテ
ナ用の高周波回路を構成すると損失が大きくなる。損失
が大きい場合、高いEIRPや良好なG/Tを得るためには、
高効率の高周波能動素子(RFモジュール)を開発し、
備え付ける必要がある。このため、アンテナサブシステ
ム全体の価格が高くなる傾向があった。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、以上のよ
うに多層誘電体基板に設けた高周波回路装置において、
実装密度を高くしようとすると給電損失が大きくなりや
すいという問題を解決すると共にアンテナサブシステム
全体の価格を下げることを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】この発明による高周波回
路装置は、複数の誘電体層を有する多層誘電体基板の第
一の領域において、上記多層誘電体基板の最上層、最下
層または中間層に設けられ、第1の伝送線路を構成する
第1のストリップ導体パターンと第1の地導体パターン
と、上記多層誘電体基板の第一の領域に隣接する第二の
領域において、上記多層誘電体基板の最上層、最下層ま
たは中間層に設けられ、上記第1の伝送線路と電気的に
接続される第2の伝送線路を構成する第2のストリップ
導体パターンと第2の地導体パターンとを備え、上記第
1の伝送線路における上記第1のストリップ導体パター
ンと上記第1の地導体パターンの間に挟まれる上記誘電
体層の数と、上記第2の伝送線路における上記第2のス
トリップ導体パターンと上記第2の地導体パターンの間
に挟まれる上記誘電体層の数が異なるように構成した。
【0021】また、この発明による高周波回路装置は、
上記第1の地導体パターンと上記第2の地導体パターン
を接続する接続導体を備えている。
【0022】また、この発明による高周波回路装置は、
上記第1の導体パターンと上記第2の導体パターンを接
続する接続導体として貫通孔を備えている。
【0023】さらに、この発明による高周波回路装置に
おいて、上記第2の伝送線路における上記第2のストリ
ップ導体パターンと上記第2の地導体パターンの間に挟
まれる上記誘電体層の数が、上記第1の伝送線路におけ
る上記第1のストリップ導体パターンと上記第1の地導
体パターンの間に挟まれる上記誘電体層の数より多くな
るように構成すると共に、上記第1の伝送線路を高周波
能動素子に接続し、上記第2の伝送線路を放射素子に接
続している。
【0024】また、上記高周波能動素子と放射素子とが
接続された高周波回路装置において、上記第2の伝送線
路における上記第2のストリップ導体パターン及び上記
第2の地導体パターンをそれぞれ上記多層誘電体基板の
最上層及び最下層に設けている。
【0025】また、上記高周波能動素子と放射素子とが
接続された高周波回路装置において、上記第1の伝送線
路はボールグリッドアレイ(BGA)を介して上記高周
波能動素子に接続されている。
【0026】
【発明の実施の形態】実施の形態1.この発明の実施の
形態1による高周波回路装置は、図1の複数の誘電体層
からなる多層誘電体基板3において領域A(図中4)で
示すように、導電層2が複数からなり、例えばその最上
層にストリップ導体パターンがあり、そのすぐ1層下に
地導体パターンがあって両者でストリップ伝送線路1を
構成し、このストリップ線路1の延長部の領域B(図中
5)においては複数層下にこれとは異なる導電層がある
ようにして伝送線路を構成した。
【0027】もしも領域Bでこれらの伝送線路を形成す
る層間に別の導電層が含まれると、ストリップ線路の下
に来る誘電体の厚さが実質的に薄くなった場合と同じに
なり、インピーダンスを高くするためには線路を細くす
る必要がある。これに対して数層離して別の導電層を設
けると、この範囲では電気的に一枚の厚い誘電体基板上
のマイクロストリップ線路と同じになって線路幅を太く
設計できるため、上記式(1)からわかるように線路損
失が低減できる。
【0028】更に、詳しく説明すると、図1の構成例に
示すように、1層あたり0.1mm厚の3層積層基板(B
Tレジン)12の上下にBT0.1mm厚のビルドアップ
層13を2層ずつ重ねて計7層(すなわち8層の導電層
2)からなる多層誘電体基板3を形成した。多層誘電体
基板3の実測厚さは1.0mmであった。この多層誘電体
基板3では図1の領域A(図中4)にのみ多層(8層)
から成る導電層2を設け、領域B(図中5)には基板内
の中間層に導電層が無いようにした。この領域Aの最上
層にストリップ線路1、その下の第二層に地導体パター
ンを設け、伝送線路とする。また、その他の導電層2を
用いて分配回路、及び制御線が高密度で配置される。
【0029】一方、多層誘電体基板3の領域Bでは最上
層にはストリップ線路1を設け、最下層には地板となる
導電層2を設け、これらの最上層と最下層以外には導電
層を設けないようにした。すなわち、最上層と最下層だ
けで伝送線路を形成した。具体的には多層誘電体基板3
の最上下層表面を銅で約120μmの厚さにメッキし、
その後のパターニング及びエッチングによって最上層に
厚さ約90μm、幅1.5mmのマイクロストリップ線路
1を形成した。最下層は全面に導電層2を設けている。
この結果、領域Bでは多層誘電体基板全体で一つの誘電
体基板と同様の電気特性が得られるようになった。
【0030】最上層に設けた線路のすぐ下の層に導体層
がある場合には、同じインピーダンスを得るためにマイ
クロストリップ線路の幅を0.1mm程度にする必要があ
るのに対し、この実施の形態1の場合は約15倍の幅に設
定しても良く、かつ損失は3分の1程度に減らすことが
できた。
【0031】上記のように、実施の形態1では図1の複
数の誘電体層からなる多層誘電体基板3において領域A
(図中4)で示すように、導電層2が複数からなり、例
えばその最上層にストリップ導体パターン1があり、そ
のすぐ1層下に地導体パターンがあって両者で伝送線路
を構成し、同ストリップ線路1の延長部の領域B(図中
5)においては複数層下にこれとは異なる導電層がある
ようにして伝送線路を構成したので、もしも領域Bでこ
れらの伝送線路を形成する層間に別の導電層が含まれる
と、ストリップ線路の下に来る誘電体の厚さが実質的に
薄くなった場合と同じになり、インピーダンスを高くす
るためには線路を細くする必要がある。これに対して数
層離して別の導電層を設けると、この範囲では電気的に
一枚の厚い誘電体基板上のマイクロストリップ線路と同
じになって線路幅を太く設計できるため、式(1)から
わかるように線路損失が低減できる。
【0032】実施の形態2.図2は実施の形態2の構成
例を示すもので、1層あたり0.1mm厚の3層積層基板
(BTレジン)12の上下にBT0.1mm厚のビルドア
ップ層13を2層ずつ重ねて計7層(すなわち8層の導
電層2)からなる多層誘電体基板3を形成した。多層誘
電体基板3の実測厚さは1.0mmであった。この多層誘
電体基板3では図1の領域A(図中4)にのみ多層(8
層)から成る導電層2を設け、領域B(図中5)には基
板内の中間層に導電層が無いようにした。この領域Aの
最上層にストリップ線路1、その下の第2層に地導体パ
ターンを設け、伝送線路とする。また、この他の導電層
2を用いて分配回路、及び制御線が高密度で配置され
る。
【0033】一方、多層誘電体基板3の領域Bでは最上
層にはストリップ線路1を設け、最下層には地板となる
導電層2を設け、これらの最上層と最下層以外には導電
層を設けないようにした。また、第二層と最下層の地導
体パターンは、VIA14及び貫通孔6を介して電気的
に接続した。この結果、多層誘電体基板3の領域Aと領
域Bのストリップ導体パターンを直接つないだ伝送線路
を形成でき、両者の接続部での損失を減らすことができ
た。
【0034】実施の形態3.図3に実施の形態3の構成
例を示すもので、1層あたり0.1mm厚の3層積層基板
(BTレジン)12の上下にBT0.1mm厚のビルドア
ップ層13を2層ずつ重ねて計7層(すなわち8層の導
電層2)からなる多層誘電体基板3を形成した。多層誘
電体基板3の実測厚さは1.0mmであった。この多層誘
電体基板3では図2の領域A(図中4)にのみ多層(8
層)から成る導電層2を設け、領域B(図中5)には基
板内の中間層に導電層が無いようにした。この領域Aの
多層から成る導電層2を用いて分配回路、及び制御線が
高密度で配置される。また、最上層に設けたストリップ
線路1と第二層の地導体パターンによって伝送線路が形
成される。
【0035】一方、多層誘電体基板3の領域B、すなわ
ち最上層と最下層以外には導電層を設けない領域に直径
0.3mmの貫通孔を最上層から最下層までドリルで通
し、貫通孔17を開けた。次にこの貫通孔17の内部と
多層誘電体基板3の最上下層表面を銅で約120μm厚
にメッキした。さらにパターニングとエッチングによっ
て最下層に厚さ約90μm、幅1.5mmのマイクロスト
リップ線路1を形成した。領域Bでの地導体は最上層に
形成し、これを領域Aの第二層にある地導体に接続導体
18を介して電気的に接続した。この結果、領域Bでは
多層誘電体基板全体で一つの誘電体基板と同様の電気特
性が得られるようになった。
【0036】最上層に設けた線路のすぐ下の層に導体層
がある場合には、同じインピーダンスを得るためにマイ
クロストリップ線路の幅を0.1mm程度にする必要があ
るのに対し、この実施の形態3の場合は約15倍の幅に設
定しても良く、かつ損失は3分の1程度に減らすことが
できた。また、貫通孔17による損失は図7におけるV
IA14、ランド15、トリプレート線路16を介して
最上層の導電層と最下層のストリップ線路を接続する場
合と比べて約5分の4程度となった。
【0037】このように実施の形態3では、多層誘電体
基板3の領域Bの最上層と最下層の導電層の間を接続導
体として貫通孔17で接続するようにしたため、ストリ
ップ線路1,1間を最短距離で接続でき、損失を低減す
ることができる。また、この貫通孔17の周辺には導電
層がなく、一枚の厚い誘電体にあけられた穴と同じであ
ることからもインピーダンスの変化が少なく、損失が小
さくなる利点もある。すなわち、従来はVIAやランド
を介してジグザグに接続することによってインピーダン
スの変化が起こりやすく、反射による損失が増加する場
合があったが、このような問題がなくなる。
【0038】実施の形態4.図4には実施の形態4の構
成例を示す。図に示すように、実施の形態2で作製した
多層誘電体基板3にソケット8を介してRFモジュール
7を搭載した。また、この多層誘電体基板3からなる給
電回路のマイクロストリップ線路1に給電ピン9を介し
てパッチアンテナ10を接続した。給電ピン9はパッチ
アンテナ10を貫く際、電気的に同軸線路となる。多層
誘電体基板3上にRFモジュール7を搭載、あるいは実
装したため、パッチアンテナ10とRFモジュール7の
距離を小さくすることができ、RFモジュールを実装し
ない場合よりも損失を大幅に低減することが可能になっ
た。また、基板の最上層と最下層以外に導電層が含まれ
ないため、低損失のマイクロストリップ線路でRFモジ
ュールとパッチアンテナを接続することができるように
なった。
【0039】このようにこの実施の形態4は、多層誘電
体基板3の少なくとも一方の面に高周波能動素子として
のRFモジュール7を搭載し、マイクロストリップ線路
1を介してこのRFモジュール7と素子アンテナとして
のパッチアンテナ10を接続するようにしたので、RF
モジュールとパッチアンテナとの距離を短くすることに
よって損失を低減することができる。すなわち、RFモ
ジュールと素子アンテナの給電点との距離は損失に比例
するため、できるだけ小さいことが望ましい。従ってこ
の実施の形態4による給電回路はパッチアンテナへの給
電という意味で理想的な給電回路となる。
【0040】実施の形態5.図5に実施の形態5の構成
例を示す。図に示すように、実施の形態3で作製した多
層誘電体基板3にソケット8を介してRFモジュール7
を搭載した。このRFモジュール7の出力はソケット8
及び貫通孔17を介して多層誘電体基板3の最下層にあ
るマイクロストリップ線路1に接続される。また、この
マイクロストリップ線路1は給電ピン9を介してパッチ
アンテナ10に接続されている。給電ピン9はパッチア
ンテナ10を貫く際、電気的に同軸線路となる。貫通孔
17をもちいているため、図7に示す従来例のマイクロ
ストリップ線路周辺の基板内に導電層がある場合に比べ
てパッチアンテナとRFモジュールの距離を短く(約1
0%)することができ、かつ基板内の層に導電層のない
領域の貫通孔でインピーダンスの変化が少なく、VIA
やランドを経由しないため、RFモジュールとパッチア
ンテナ間の損失をさらに低減することが可能になった。
【0041】実施の形態6.図6に実施の形態6の構成
例を示す。図に示すように、実施の形態3で作製した多
層誘電体基板3に半田からなるボールグリッドアレー
(BGA)11を介してRFモジュール7を搭載、実装
した。このRFモジュール7の出力は貫通孔17を介し
て多層誘電体基板3の最下層にあるマイクロストリップ
線路1に接続される。また、このマイクロストリップ線
路1は給電ピン9を介してパッチアンテナ10に接続さ
れている。給電ピン9はパッチアンテナ10を貫く際、
電気的に同軸線路となる。BGA11を用いてRFモジ
ュール7を実装しているため、ソケットによる損失がな
くなる。また、貫通孔17をもちいているため、図7に
示す従来例のマイクロストリップ線路周辺の基板内に導
電層がある場合に比べてパッチアンテナとRFモジュー
ルの距離を小さく(約10%)することができ、かつV
IAやランドを経由しないため、RFモジュールとパッ
チアンテナ間の損失をさらに低減することが可能になっ
た。このように実施の形態6は、実施の形態5におい
て、RFモジュールとマイクロストリップ線路の接続を
半田からなるボールグリッドアレイで行い、RFモジュ
ールを多層誘電体基板に搭載するようにした結果、ソケ
ットを用いる場合よりも接続部における反射を減らして
損失を低減することができる。
【0042】
【発明の効果】以上のように、この発明による高周波回
路装置は、複数の誘電体層を有する多層誘電体基板の第
一の領域において、上記多層誘電体基板の最上層、最下
層または中間層に設けられ、第1の伝送線路を構成する
第1のストリップ導体パターンと第1の地導体パターン
と、上記多層誘電体基板の第一の領域に隣接する第二の
領域において、上記多層誘電体基板の最上層、最下層ま
たは中間層に設けられ、上記第1の伝送線路と電気的に
接続される第2の伝送線路を構成する第2のストリップ
導体パターンと第2の地導体パターンとを備え、上記第
1の伝送線路における上記第1のストリップ導体パター
ンと上記第1の地導体パターンの間に挟まれる上記誘電
体層の数と、上記第2の伝送線路における上記第2のス
トリップ導体パターンと上記第2の地導体パターンの間
に挟まれる上記誘電体層の数が異なるように構成されて
いるので、アレーアンテナ等に適した、多層基板からな
る、給電損失を低減した高周波回路装置を実現すること
ができると共に、アンテナサブシステムをより安価に構
成できる高周波回路装置を提供できる。
【0043】また、第一の地導体パターンと第二の地導
体パターンとの間を接続導体で接続するようにしたた
め、第一の伝送線路と、第二の伝送線路を容易に電気的
に接続できる。
【0044】また、第一の導体パターンと第二の導体パ
ターンとの間を接続導体として貫通孔で接続するように
したため、ストリップ線路間を最短距離で接続でき、損
失を低減することができる。また、この貫通孔の周辺に
は導電層がなく、一枚の厚い誘電体にあけられた穴と同
じであることからもインピーダンスの変化が少なく、損
失が小さくなる利点もある。すなわち、従来はVIAや
ランドを介してジグザグに接続することによってインピ
ーダンスの変化が起こりやすく、反射による損失が増加
する場合があったが、このような問題がなくなる。
【0045】さらに、この発明による高周波回路装置に
おいて、上記第2の伝送線路における上記第2のストリ
ップ導体パターンと上記第2の地導体パターンの間に挟
まれる上記誘電体層の数が、上記第1の伝送線路におけ
る上記第1のストリップ導体パターンと上記第1の地導
体パターンの間に挟まれる上記誘電体層の数より多くな
るように構成すると共に、上記第1の伝送線路を高周波
能動素子に接続し、上記第2の伝送線路を放射素子に接
続しているので、低損失のマイクロストリップ線路で高
周波能動素子と放射素子とを接続することができると共
に、高周波能動素子と放射素子の給電点との距離を小さ
くできるため、パッチアンテナ等に対して理想的な給電
回路を実現できる。
【0046】また、上記高周波能動素子と放射素子とが
接続された高周波回路装置において、上記第2の伝送線
路における上記第2のストリップ導体パターン及び上記
第2の地導体パターンをそれぞれ上記多層誘電体基板の
最上層及び最下層に設けているので、高周波能動素子と
放射素子との接続をより低損失で行うことができる。
【0047】また、上記高周波能動素子と放射素子とが
接続された高周波回路装置において、上記第1の伝送線
路はボールグリッドアレイ(BGA)を介して上記高周
波能動素子に接続されているので、ソケットを用いる場
合よりも接続部における反射を減らして損失を低減する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による給電回路の構
成を示す概略断面図である。
【図2】 この発明の実施の形態2による給電回路の構
成を示す概略断面図である。
【図3】 この発明の実施の形態3による給電回路の構
成を示す概略断面図である。
【図4】 この発明の実施の形態4によるRFモジュー
ルを搭載した給電回路の構成を示す概略断面図である。
【図5】 この発明の実施の形態5によるRFモジュー
ルを搭載した給電回路の別の構成を示す概略断面図であ
る。
【図6】 この発明の実施の形態3によるRFモジュー
ルを搭載した給電回路の構成を示す概略断面図である。
【図7】 従来の給電回路の構成を示す概略断面図であ
る。
【図8】 従来のパッチアンテナ付き給電回路の構成を
示す概略断面図である。
【符号の説明】
1:マイクロストリップ線路、2:導電層、3:多層誘
電体基板、4:領域A、5:領域B、6:貫通孔、7:
RFモジュール、8:ソケット、9:給電ピン、10:
パッチアンテナ、11:ボールグリッドアレー(BG
A)、14:VIA、17:貫通孔、18:接続導体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大和田 哲 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 大橋 英征 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 田原 志浩 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 宮崎 守泰 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 柳浦 聡 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 5J014 CA56

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の誘電体層を有する多層誘電体基板
    の第一の領域において、上記多層誘電体基板の最上層、
    最下層または中間層に設けられ、第1の伝送線路を構成
    する第1のストリップ導体パターン及び第1の地導体パ
    ターンと、上記多層誘電体基板の第一の領域に隣接する
    第二の領域において、上記多層誘電体基板の最上層、最
    下層または中間層に設けられ、上記第1の伝送線路と電
    気的に接続される第2の伝送線路を構成する第2のスト
    リップ導体パターン及び第2の地導体パターンとを備
    え、上記第1の伝送線路における上記第1のストリップ
    導体パターンと上記第1の地導体パターンの間に挟まれ
    る上記誘電体層の数と、上記第2の伝送線路における上
    記第2のストリップ導体パターンと上記第2の地導体パ
    ターンの間に挟まれる上記誘電体層の数が異なるように
    構成したことを特徴とする高周波回路装置。
  2. 【請求項2】 上記第1の地導体パターンと上記第2の
    地導体パターンを接続する接続導体を備えたことを特徴
    とする請求項1記載の高周波回路。
  3. 【請求項3】 上記第1の導体パターンと上記第2の導
    体パターンを接続する接続導体として貫通孔を備えたこ
    とを特徴とする請求項2記載の高周波回路装置。
  4. 【請求項4】 上記第2の伝送線路における上記第2の
    ストリップ導体パターンと上記第2の地導体パターンの
    間に挟まれる上記誘電体層の数が、上記第1の伝送線路
    における上記第1のストリップ導体パターンと上記第1
    の地導体パターンの間に挟まれる上記誘電体層の数より
    多くなるように構成すると共に、上記第1の伝送線路を
    高周波能動素子に接続し、上記第2の伝送線路を放射素
    子に接続したことを特徴とする請求項1乃至3記載の高
    周波回路装置。
  5. 【請求項5】 上記第2の伝送線路における上記第2の
    ストリップ導体パターン及び上記第2の地導体パターン
    をそれぞれ上記多層誘電体基板の最上層及び最下層に設
    けたことを特徴とする請求項1乃至4記載の高周波回路
    装置。
  6. 【請求項6】 上記第1の伝送線路はボールグリッドア
    レイ(BGA)を介して上記高周波能動素子に接続され
    たことを特徴とする請求項4または5記載の高周波回路
    装置。
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WO2019124737A1 (ko) * 2017-12-19 2019-06-27 삼성전자 주식회사 수직편파 방사를 지원하는 안테나 모듈 및 이를 포함하는 전자장치
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