JP2003281779A - 光学的情報記録媒体およびそれを用いる光学的情報記録再生装置 - Google Patents

光学的情報記録媒体およびそれを用いる光学的情報記録再生装置

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JP2003281779A
JP2003281779A JP2002079927A JP2002079927A JP2003281779A JP 2003281779 A JP2003281779 A JP 2003281779A JP 2002079927 A JP2002079927 A JP 2002079927A JP 2002079927 A JP2002079927 A JP 2002079927A JP 2003281779 A JP2003281779 A JP 2003281779A
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laser light
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JP2002079927A
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Takeshi Nakao
武司 仲尾
Masayuki Inoue
雅之 井上
Motoyasu Terao
元康 寺尾
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 信号品質の劣化を抑制するとともに、低コス
ト化が可能な高密度2層光ディスクおよびそれを用いた
光学的情報記録再生装置を提供すること。 【解決手段】 2層光ディスクにおいて、情報の記録再
生に使用するレーザ光が入射する面からL0層までの距
離を、集光に使用する対物レンズを設計する際に想定し
たディスク基板厚と一致させる。これによって、例え
ば、前記ディスク基板厚を、記録層が1層のみの光ディ
スクにおけるディスク基板厚と一致させることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスク等の光
学的情報記録媒体(以後「光ディスク」と表記)に情報
を記録または再生する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光ディスク装置は、非接触、大容量、高
速アクセス、低コスト等を特徴とする情報記録再生装置
であり、これらの特徴を生かしてディジタルオーディオ
信号の記録再生装置として、あるいはコンピュータの外
部記憶装置として利用されている。応用分野の拡大に伴
ない光ディスク装置の高性能化が進められている。
【0003】光ディスク装置の記録密度を向上させるた
めには、光源波長を短波長化するとともに対物レンズの
開口数を大きくすることが有効である。例えば、ジョイ
ントインターナショナル・シンポジウム・オン・オプテ
ィカル・メモリー アンドオプティカル・データ・スト
レージ 1999講演予稿集(Technical Digest of
Joint International Symposium on Optical Me
mory and Optical Data Storage 1999)p.2
88 講演番号WC−1に記載の光ディスク装置は上記
の考え方に基づいており、光源としてGaN系半導体レ
ーザ(波長約400nm)を用いるとともに開口数0.
85の2枚組対物レンズを使用することによって、20
GB以上の記録容量が可能なことが報告されている。
【0004】さらに、インターナショナル・シンポジウ
ム・オン・オプティカル・メモリー2001講演予稿集
(Technical Digest of International Symposium
on Optical Memory 2001)p.312 講演番
号Pd−33に記載のように、記録容量をさらに増大さ
せるため、記録面を2層設けた光ディスクも提案されて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】2層光ディスクの場
合、レーザ光入射面に対して手前に配置される記録層
(以後「L0層」と表記)は、自層における信号の記録
再生の観点から十分な反射率が必要になると同時に、よ
り奥に配置される記録層(以後「L1層」と表記)におけ
る信号の記録再生の観点からは十分な透過率が要求され
る。このため、L0層はL1層に比べて再生信号品質が
劣化しやすいという問題がある。
【0006】一方、2層光ディスクでは、情報記録時あ
るいは再生時における層間での信号クロストークの観点
から2層の間隔を10数μmから数10μmに設定する
必要がある。これは、光学的には異なる厚さのディスク
が2枚存在することと等価である。一般に、記録層に集
光されたスポットに発生する球面収差は、集光に使用す
る対物レンズ開口数の4乗および同対物レンズを設計す
る際に想定したディスク基板厚さからのずれ量に比例し
て増大するため、従来技術において記載した開口数0.
85の2枚組対物レンズを使用した系においては10μ
m程度の厚さずれでも大きな球面収差が発生し、再生信
号が劣化するという問題がある。
【0007】加えて、記録層が1層の光ディスクと2層
の光ディスクが共存した場合、光ディスクを製造する上
で、製造プロセスの簡略化による低コスト化も重要な課
題である。
【0008】本発明の目的は、上記の問題および課題を
解決し、信号品質の劣化を抑制すること、または、低コ
スト化が可能な2層光ディスクおよびそれを用いた光学
的情報記録再生装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明では、2層光ディスクにおいて、情報の記
録再生に使用するレーザ光が入射する面からL0層まで
の距離を、集光に使用する対物レンズを設計する際に想
定したディスク基板厚と一致させる。これによって、例
えば、前記ディスク基板厚を、記録層が1層のみの光デ
ィスクにおけるディスク基板厚と一致させることができ
る。
【0010】また、本発明に係わる光学的情報記録再生
装置において、L0層の記録または再生を行なう対物レ
ンズが想定する設計上のディスク基板厚は、レーザ光が
入射する面からL0層までの距離と一致させるものとす
る。
【0011】一方、L1層を記録または再生する際に
は、レーザ光入射面から絞り込みスポットが形成される
L1層までの距離が、集光に使用する対物レンズを設計
する際に想定したディスク基板厚からずれているため、
絞り込みスポットに球面収差が発生する。この球面収差
は、球面収差補償手段を用いることによって低減するも
のとする。
【0012】上記手段によって、L0層における信号品
質の劣化を抑制すること、または、低コスト化が可能な
2層光ディスクおよびそれを用いた光学的情報記録再生
装置を提供することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1の実施例であ
る光ディスク101の概略構成について、図1を用いて
説明する。同図(a)は記録層を2層有する光ディス
ク、同図(b)は記録層が1層のみの光ディスクであ
る。厚さtの基板1上に第1の記録層(L0層)2を形
成し、厚さdのスペーサ層3を挟んで、第2の記録層
(L1層)4が形成されている。さらに、光ディスク全
体を保持するため、L1層4の上に支持部材5を配置す
る。情報の記録再生に使用するレーザ光は、対物レンズ
110によって基板1側から各記録層に絞り込まれ、絞
り込みスポット111を形成する。基板1の厚さtは2
層光ディスクと1層光ディスクともに同じ約100μm
とし、対物レンズ110を設計する際に使用した想定基
板厚と一致させている。
【0014】対物レンズ110の開口数は0.85、使
用波長は400nm以上420nm以下である。また、
L0層とL1層の間隔dは、両層間の信号クロストーク
およびディスク基板厚が異なることによって絞り込みス
ポット111に発生する球面収差を考慮して、10μm
以上30μm以下に設定する。
【0015】本実施例の構成によれば、2層光ディスク
のレーザ光入射面からL0層2までの距離は1層光ディ
スクにおけるそれと同じであるので、L0層に集光され
る絞り込みスポット111は、1層光ディスクの記録層
に絞り込まれる場合と同等の光学的品質を得ることがで
きる。後述するように、各種の制約から2層光ディスク
におけるL0層は信号品質が劣化する可能性があるた
め、絞り込みスポット111の光学的品質が1層光ディ
スクと同等であることは信号品質劣化抑制の観点から有
効である。
【0016】2層光ディスクのL1層4に集光させる場
合、対物レンズ110の設計時点で想定された最適基板
厚からのずれが生じるため、絞り込みスポット111に
球面収差が発生する。これに対しては、いわゆるビーム
エキスパンダー光学系あるいは液晶を用いた回折光学素
子等によって球面収差の補償を行なうことも出来る。
【0017】光ディスクを製造する観点からは、1層光
ディスクと2層光ディスクの基板厚を同じにすることに
よって、基板形成プロセスの共通化を図ることができ
る。現在流通している再生専用型DVD(DVD−RO
M)では規格上2層ディスクも規定されているが、第1
層と第2層の中間の位置が1層ディスクの基板厚と一致
するように規定されている。このような構成の場合、
「1層ディスクの基板作製」「2層ディスクの基板作
製」「2層ディスクの層間スペーサ形成」以上3プロセ
スが必要になる。
【0018】これに対して、本実施例の構成によれば、
「ディスク基板作製(1層・2層共通)」「2層ディス
クの層間スペーサ形成」以上2プロセスですむので、媒
体製造のコスト低減に有効であるといえる。
【0019】本実施例においては単板の光ディスクを示
したが、光ディスクの構成は、張り合わせ型等、本実施
例と異なる構成であっても良い。また、支持部材5は、
使用するレーザ光源の波長に対して必ずしも光学的に透
明である必要はない。また、図1において支持部材5
は、2層光ディスクと1層光ディスクで同一記載で図示
しているが、これに限定されるものではなく、2層光デ
ィスクと1層光ディスクで厚さまたは材質などが異なる
ものであってもよい。
【0020】次に図2により、本発明における光ディス
クの詳細構造を説明する。本実施例の光ディスクでは、
L0層2は、ZnS/SiO保護層201、Al
の熱拡散層202、ZnS/SiO保護層203、
Ge−Sb−Te記録層204、ZnS/SiO光入
射側保護層205という積層とした。スペーサ層3はU
V樹脂からなり、表面にL0層用のグルーブなどの凹凸
パターン(図示せず)を転写形成する。
【0021】L1層4は、Ag−Pd−Cuの反射層4
01、Ag−Pd−Cu層401とZnS/SiO
403の相互拡散を防ぐSiOのバリア層402、Z
nS/SiO反射層側保護層403、Ge−Sb−T
e記録層404、ZnS/SiO光入射側保護層40
5という積層とした。
【0022】本実施例の2層光ディスクは、相対的に光
入射側から見て手前に位置付けられるL0層2の方が、
奥のL1層4より再生信号品質が悪くなりやすい。これ
は、2層それぞれの反射率を、1層ディスクと大きくは
違わないようにできるだけ高くするという装置設計上の
要請から、L0層2の記録膜に、特に透過率を高くでき
るSbとGeの含有量が多いGe−Sb−Te系材料を
用いていることが影響している。
【0023】この記録膜は、記録パワーで融解後の冷却
中に再結晶化しやすい特性を有している。また、L0層
2では透過率を高く設定する必要があるため、いわゆる
急冷効果のある金属反射層を使うことができない。
【0024】以上の制約から、L0層2では記録マーク
形状歪みによって再生信号ジッターが高くなる。基板1
の厚さを85μmとし、スペーサ層3の厚さの1/2を
足して100μmとなるようにして、対物レンズ110
の球面収差が出ない最適基板厚さ100μmに対して両
方の層が同じ15μmだけズレるように設定した2層光
ディスクでは、L0層2の再生信号ジッタは11%、L
1層4のジッターは9%となった。
【0025】このような状況下にあってもL0層2とL
1層4のジッタレベルを同程度とするため、本実施例で
はL0層2を記録再生ときには基板1の厚さを1層光デ
ィスクの場合(100μm)と同じにして光スポットに
球面収差の影響が出ないようにし、L1層4を読む時に
はスペーサ層形成プロセスが容易な30μmのスペーサ
層厚さを足して130μmの基板が有るのと同様な状況
にした。
【0026】その結果、L0層2、L1層4ともに再生
信号ジッタとして9%が得られた。反射率はL0層2、
L1層4(L0層を透して評価した値)いずれも約15
%である。
【0027】L0層2、L1層4ともに反射率の低下を
許容した記録膜組成を選択すると、上記の場合とは逆に
L1層4の再生信号ジッターが12%、L0層2が10
%となった。L1層4のジッタ劣化は、L0層2を通し
て記録再生することの影響と考えられる。従って、この
場合は基板厚を70μmとして、スペーサ層3の厚さ
(30μm)を含めてレーザ光入射面からL1層4まで
の距離が100μmとなるような光ディスク構造とする
のが良い。しかしながら、反射率は10%以下に低下す
る。サーボの安定性などを含む記録再生装置全体の性能
からは、記録媒体の反射率が高い本実施例の構造が実用
上有効であるといえる。
【0028】以上、本発明の第1の実施例について、記
録層を2層有する光ディスクの場合を説明したが、記録
層が3層以上の光ディスクであっても、本発明は適用可
能である。
【0029】次に図3により、本発明の第2の実施例と
して、本発明による光ディスクを用いた光学的情報記録
再生装置における光ヘッドについて説明する。
【0030】レーザ光源102から出射した光はコリメ
ートレンズ103によって平行光束となり、ビーム強度
整形光学系104によって略円形の発光強度分布を有す
る光束に変換される。その後、偏光ビームスプリッタ1
05、光束変換手段106を透過する。光束変換手段1
06は、光軸を一致させて配置された複数のレンズから
なるいわゆるビームエキスパンダ光学系、あるいは回折
光学素子等から構成されており、ビーム強度整形光学系
104から出射した光束を収束または発散状態に変化さ
せること、あるいは光束の位相を部分的に変化させるこ
とによって、絞り込みスポット111に発生する球面収
差を補償する機能を有している。
【0031】光束変換手段106を出射した光束は、立
ち上げミラー107によって光軸方向を略90度折り曲
げた後、偏光性回折格子108、波長板109を順次通
過し、対物レンズ110によってディスク101に絞り
込みスポット111を形成する。偏光性回折格子108
は、半導体レーザ光源側から偏光性回折格子108へ入
射する光(直線偏光)に対しては格子として作用しない
ように設定されている。偏光性回折格子108を通過し
た光束は、波長板109に入射する。波長板109は、
1/4波長板であり、その出射光は略円偏光となる。
【0032】偏光性回折格子108、波長板109、対
物レンズ110はアクチュエータ112に搭載され一体
駆動される。なお、偏光ビームスプリッタ106に入射
した光の一部は反射されてモニタ光検出器113に入射
する。同モニタ光検出器113の出力を用いて、レーザ
光源102の発光出力制御等を行なう。
【0033】本実施例においてはビーム強度整形光学系
104を用いているが、これは本発明における必須の構
成要素ではなく、使用しなくてもかまわない。また、コ
リメートレンズ103から対物レンズ110に至る光束
は立ち上げミラー107によって折り曲げられている
が、直進した構成をとってもかまわない。また、偏光性
回折格子108は、ディスク101からの反射光を分割
して光点制御信号検出系に入射させる機能を有している
が、偏光性回折格子108を使用しない光点制御信号検
出方式を用いてもかまわない。偏光性回折格子108を
アクチュエータ112に搭載して使用しない場合、波長
板109は必ずしもアクチュエータ112に搭載する必
要はない。
【0034】さらに、本実施例では、対物レンズ110
として、従来公知の2枚組対物レンズを使用した場合に
ついて説明しているが、対物レンズの構成としてはこれ
に限定されることはなく、1枚あるいは3枚以上の構成
であっても、本発明は適用可能である。
【0035】ディスク101からの反射光(略円偏光)
は再び対物レンズ110、波長板109を通過後直線偏
光となる。ただし、1/4波長板を2回通過することに
なるので、復路における直線偏光の偏光方向は、往路の
偏光方向に対して直交する。この直線偏光に対しては偏
光性回折格子108が格子として作用するので、光束変
換手段106を通過した光束は偏光ビームスプリッタ1
05で全反射する。偏光ビームスプリッタ105を出射
した光束は、ビームスプリッタ114によって、フォー
カスエラーおよびトラックエラーといった光点制御信号
を検出する光学系115に導かれる光束と、レンズ11
6によって光検出器117に集光されてディスク101
上に記録されている情報信号を検出・再生する光束とに
分割される。
【0036】なお、光点制御信号検出光学系115とし
ては、従来公知の各種検出方式を使用可能であり、本実
施例においては特定していない。また、偏光性回折格子
108における格子パターンも光点制御信号検出方式に
よって異なるため、また、特定のパターンに限定される
ものではない。
【0037】上記の各種光学系および光学部品等は筐体
に搭載されて光ヘッド118を構成しており、例えばリ
ニアモータ、ステップモータ等の移動機構119によっ
てディスク101の半径方向に移動可能となっている。
半導体レーザ光源102の光出力はレーザ光源駆動回路
120によって制御される。また、光束変換手段106
は光束変換手段駆動回路121によって制御される。さ
らに、上記光ヘッド全体は制御回路122によって制御
される。
【0038】図4に、本発明による第3の実施例とし
て、本発明による光ディスクを用いた光学的情報記録再
生装置200の斜視図を示す。本実施例では、光ヘッド
118は、光ヘッド移動機構119によって光ディスク
101の半径方向に移動させる。光ヘッド118には、
レーザ光源102、コリメートレンズ103、ビーム強
度整形光学系104、偏光ビームスプリッタ105、光
束変換手段106、立ち上げミラー107、偏光性回折
格子108、波長板109、対物レンズ110、アクチ
ュエータ112、モニタ光検出器113、ビームスプリ
ッタ114、光点制御信号検出光学系115、レンズ1
16、光検出器117等が搭載されている。
【0039】光ディスク101は開閉可能なシャッタ1
24および防塵機能を有するカートリッジ125に挿入
されており、装置200の開口部126より装置内に挿
入され、スピンドルモータ127によって回転する。装
置全体は防塵ケース128によって覆われている。
【0040】光ヘッド移動機構119としては、ギア、
スクリューねじ、ステップモータ、リニアモータ等従来
公知の各種方式いずれを使用してもかまわない。また、
光ディスク101としてカートリッジ125を用いた場
合を説明したが、同カートリッジ125は使用しなくて
もかまわない。さらに、光ディスク101挿入のための
機構は図示していないが、光ディスク101をトレイに
載せて挿入する方式、光ディスク101あるいはカート
リッジ125それ自体を自動あるいは手動によって挿入
する方式等、従来公知の各種方式を用いることができ
る。
【0041】図5により、上記光学的情報記録再生装置
200における各種信号の流れを説明する。光ヘッド1
18で検出された各種検出信号は、制御回路122内の
サーボ信号生成回路2201および情報信号記録再生回
路2202に送られる。サーボ信号生成回路2201で
は、これら検出信号からフォーカスエラー信号やトラッ
クエラー信号などの光点制御信号が生成され、これをも
とにアクチュエータ駆動回路2203を経て光ヘッド1
18内のアクチュエータ112(図3に図示)を駆動し
て、対物レンズ110(図3に図示)の位置制御を行な
う。
【0042】また、情報信号記録再生回路2202で
は、再生時には、前記検出信号から光ディスク101に
記録された情報信号が再生処理され、再生信号出力端子
を介して出力される。一方、記録時には、記録信号入力
端子を介して入力された記録用の信号は、情報信号記録
再生回路2202で、記録処理された後に、光ヘッド1
18によって、光ディスク101に記録される。前記サ
ーボ信号生成回路2201および情報信号再生回路22
02で得られた信号の一部は装置制御部2204に送ら
れる。装置制御部2204は、前記各種信号等にもとづ
いて、光学的情報記録再生装置200全体の動作を制御
する。
【0043】なお、前記装置制御部2204にはアクセ
ス制御回路2205、スピンドルモータ駆動回路220
6、レーザ光源駆動回路120および光束変換手段駆動
回路121が接続されており、それぞれ光ヘッド118
のアクセス方向(ディスク101の半径方向)位置制
御、スピンドルモータ127の回転制御、情報の記録お
よび再生に応じたレーザ光源発光出力制御、および光束
変換手段の駆動制御が行なわれる。
【0044】また、上記光学的情報記録再生装置の構成
を図5を用いて説明したが、図5の構成に限定されるも
のではない。例えば、サーボ信号生成回路2201、情
報信号再生回路2202、アクチュエータ駆動回路22
03、装置制御部2204、アクセス制御回路220
5、スピンドルモータ駆動回路2206の処理を図5に
おいては、制御回路122内にて行なうものとしている
が、必ずしも、制御回路122内にて実施される必要も
なく、上記処理の内の何れかを制御回路122の外部で
処理するものであっても良い。
【0045】上記実施例の説明の繰り返しとなるが、上
記実施例の光学的情報記録再生装置において、L0層の
記録または再生を行なう対物レンズが想定する設計上の
ディスク基板厚は、レーザ光が入射する面からL0層ま
での距離と一致させるものとする。
【0046】一方、L1層を記録または再生する際に
は、レーザ光入射面から絞り込みスポットが形成される
L1層までの距離が、集光に使用する対物レンズを設計
する際に想定したディスク基板厚からずれているため、
絞り込みスポットに球面収差が発生する。この球面収差
は、球面収差補償手段を用いることによって低減するも
のとするものである。
【0047】こうすることによって、L0層、L1層と
もに情報の記録または再生を可能とする光学的情報記録
再生装置を提供することができるものとなる。上述で
は、詳細に触れなかったが、1層の光ディスクも情報の
記録または再生を可能とする光学的情報記録再生装置を
提供することができるのは勿論である。
【0048】なお、以上の説明においては、集光に使用
する対物レンズを設計する際に想定するディスク基板厚
として、レーザ光入射面からL0層までの距離を採用し
た場合について説明したが、その反対であってもかまわ
ない。すなわち、集光に使用する対物レンズを設計する
際に想定するディスク基板厚として、レーザ光入射面か
らL1層までの距離を採用してもかまわない。その場
合、L0層を記録または再生する際に、レーザ光入射面
から絞り込みスポットが形成されるL0層までの距離
が、集光に使用する対物レンズを設計する際に想定した
ディスク基板厚からずれているため、絞り込みスポット
に発生する球面収差は、球面収差補償手段を用いること
によって低減するものとする。
【0049】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、信
号品質の劣化を抑制すること、または、低コスト化が可
能な2層光ディスクおよびそれを用いる光学的情報記録
再生装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例である光学的情報記録媒
体(光ディスク)の構成を説明する図
【図2】本発明の第1の実施例である光学的情報記録媒
体(光ディスク)の詳細構造を説明する図
【図3】本発明の第2の実施例である光ヘッドの構成を
説明する図
【図4】本発明の第3の実施例である光学的情報記録再
生装置の構成を示す図
【図5】本発明の第3の実施例である光学的情報記録再
生装置における各種信号の流れを説明する図
【符号の説明】
1…基板、2…第1の記録層(L0層)、201…Zn
S/SiO保護層、202…Al 熱拡散層、2
03…ZnS/SiO保護層、204…Ge−Sb−
Te記録層、205…ZnS/SiO保護層、3…ス
ペーサ層、4…第2の記録層(L1層)、401…Ag
−Pd−Cu反射層、402…SiOバリア層、40
3…ZnS/SiO保護層、404…Ge−Sb−T
e記録層、405…ZnS/SiO保護層、5…支持
部材、101…光ディスク、102…レーザ光源、10
3…コリメートレンズ、104…ビーム強度整形光学
系、105…偏光ビームスプリッタ、106…光束変換
手段、107…立ち上げミラー、108…偏光性回折格
子、109…波長板、110…対物レンズ、111…絞
り込みスポット、112…アクチュエータ、113…モ
ニタ光検出器、114…ビームスプリッタ、115…光
点制御信号検出光学系、116…レンズ、117…光検
出器、118…光ヘッド、119…光ヘッド移動機構、
120…レーザ光源駆動回路、121…光束変換手段駆
動回路、122…制御回路、2201…サーボ信号生成
回路、2202…情報信号再生回路、2203…アクチ
ュエータ駆動回路、2204…装置制御部、2205…
アクセス制御回路、2206…スピンドルモータ駆動回
路、123…信号検出光学系、200…光学的情報記録
再生装置、124…シャッタ、125…カートリッジ、
126…開口部、127…スピンドルモータ、128…
防塵ケース。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 雅之 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所デジタルメディア開発本 部内 (72)発明者 寺尾 元康 東京都国分寺市東恋ヶ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 Fターム(参考) 5D029 JB13 JB46 JB47 KB14 5D090 AA01 BB12 CC14 DD02 5D119 AA09 AA13 AA21 BA01 DA01 DA05 JA43 JB02 5D789 AA09 AA13 AA21 BA01 DA01 DA05 JA43 JB02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】レーザ光を集光することによって情報の記
    録および再生を行なう光学的情報記録媒体であって、情
    報記録層を2層以上有するとともに、前記レーザ光の入
    射する面から前記いずれかの情報記録層までの距離が、
    情報記録層を1層のみ有する光学的情報記録媒体におけ
    るレーザ光入射面から情報記録層までの距離と等しいこ
    とを特徴とする光学的情報記録媒体。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の光学的情報記録媒体であ
    って、前記レーザ光の入射する面に対してもっとも近接
    した情報記録層までの距離が、前記情報記録層を1層の
    み有する光学的情報記録媒体におけるレーザ光入射面か
    ら情報記録層までの距離と等しいことを特徴とする光学
    的情報記録媒体。
  3. 【請求項3】請求項1、2に記載の光学的情報記録媒体
    であって、情報の記録再生に使用する前記レーザ光の波
    長が400nm以上420nm以下であるとともに、前
    記レーザ光を集光する対物レンズの開口数が0.8以上
    であり、レーザ光入射面から前記レーザ光入射面に対し
    てもっとも近接した情報記録層までの距離が70μm以
    上130μm以下であることを特徴とする光学的情報記
    録媒体。
  4. 【請求項4】レーザ光源と、前記レーザ光源から出射し
    たレーザ光を光学的情報記録媒体に集光する集光光学系
    と、前記光学的情報記録媒体からの反射光を検出する検
    出手段とを少なくとも備え、請求項1から3に記載の光
    学的情報記録媒体に対して情報の記録再生を行なう光学
    的情報記録再生装置において、前記集光光学系における
    対物レンズにおいて発生する球面収差が、前記光学的情
    報記録媒体におけるいずれかの情報記録層にレーザ光を
    集光したときに最小となることを特徴とする光学的情報
    記録再生装置。
  5. 【請求項5】請求項4に記載の光学的情報記録再生装置
    であって、情報の記録再生に使用する前記レーザ光の波
    長が400nm以上420nm以下であるとともに前記
    レーザ光を集光する対物レンズの開口数が0.8以上で
    あり、レーザ光入射面から前記レーザ光入射面に対して
    もっとも近接した情報記録層までの距離が70μm以上
    130μm以下であることを特徴とする光学的情報記録
    再生装置。
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