JP2003279470A - 結晶化探索プレート - Google Patents

結晶化探索プレート

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JP2003279470A JP2002081467A JP2002081467A JP2003279470A JP 2003279470 A JP2003279470 A JP 2003279470A JP 2002081467 A JP2002081467 A JP 2002081467A JP 2002081467 A JP2002081467 A JP 2002081467A JP 2003279470 A JP2003279470 A JP 2003279470A
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信夫 神谷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 混合ドロップを精度良く観察することができ
て結晶の生成を確実に検出することができ、且つ複数の
ドロップ形成方式に共用できるようにした結晶化探索プ
レートを提供する。 【解決手段】 プレート本体2に複数備えられるウェル
3が、外壁6と、外壁6の内側に備えられて外壁6より
高さが低く且つ内側に観察用照明穴10を有する内壁8
と、外壁6下端と内壁8下端の間を閉塞する底壁7とに
より環状溶液室9を形成しており、更に、外壁6の上端
6aを密閉するアッパーガラス12と、内壁8の上端8
aを密閉するロワーガラス13とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、構造ゲノム科学等
において結晶化条件を探索するのに用いられる結晶化探
索プレートに関し、特にウェル内に形成した混合ドロッ
プが精度良く観察できて結晶の生成を確実に検出でき、
且つ複数のドロップ形成方式に共用できるようにした結
晶化探索プレートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、構造生物学、特にタンパク質の立
体構造を明らかにして物理化学的に生体の全機能を解明
しようとする構造ゲノム科学が盛んに進められている。
【0003】タンパク質の立体構造を明らかにするに
は、まずタンパク質を結晶化させる試験を実施し、その
後、得られたタンパク質結晶をX線構造解析することに
よってその立体構造を測定する。
【0004】従って、タンパク質の立体構造を明らかに
するには、まずそのタンパク質の結晶を造る必要があ
る。タンパク質を結晶化させる方法としては、良質な結
晶が得られ易い蒸気拡散法が知られており、この蒸気拡
散法には図6に示すハンギングドロップ蒸気拡散方式、
図7に示すシッティングドロップ蒸気拡散方式、図8に
示すサンドイッチドロップ蒸気拡散方式等が知られてい
る。
【0005】ハンギングドロップ蒸気拡散方式は、図6
に示すように、結晶化探索のための容器50(以下ウェ
ルと言う)に所定量の結晶化剤溶液51を収容し、ウェ
ル50の上部にはグリース59を介してウェル50を密
閉するアッパーガラス52を備える。アッパーガラス5
2の下面には、タンパク質溶液のサンプルと結晶化剤溶
液51とを混合した混合ドロップ53をぶら下げる。こ
れにより、気相で隔てられた混合ドロップ53と結晶化
剤溶液51との間の結晶化剤濃度の平衡化が進められ、
緩やかに混合ドロップ53内でタンパク質の過飽和状態
がつくり出されて結晶化が実現される。
【0006】シッティングドロップ蒸気拡散方式は、図
7に示すように、ウェル50に結晶化剤溶液51を収容
し、ウェル50の上部にはグリース59を介してウェル
50を密閉するアッパーガラス52を備える。タンパク
質溶液のサンプルと結晶化剤溶液51を混合した混合ド
ロップ53は、ウェル50内に備えたガラス製等の透光
性のドロップ台54上に形成する。これにより、気相で
隔てられた混合ドロップ53と結晶化剤溶液51との間
の結晶化剤濃度の平衡化が進められ、緩やかに混合ドロ
ップ53内でタンパク質の過飽和状態がつくり出されて
結晶化が実現される。
【0007】又、サンドイッチドロップ蒸気拡散方式
は、図8に示すように、ウェル50に結晶化剤溶液51
を収容し、ウェル50の上部にはグリース59を介して
ウェル50を密閉するアッパーガラス52を備える。タ
ンパク質溶液のサンプルと結晶化剤溶液51を混合した
混合ドロップ53は、ウェル50の内部に備えたインナ
ーガラス55と前記アッパーガラス52との間に挾持さ
れるように形成する。これにより、気相で隔てられた混
合ドロップ53と結晶化剤溶液51との間の結晶化剤濃
度の平衡化が進められ、緩やかに混合ドロップ53内で
タンパク質の過飽和状態がつくり出されて結晶化が実現
される。
【0008】上記した蒸気拡散法では、タンパク質溶液
のサンプルと結晶化剤溶液51(pHを合わせ、適当な
濃度の沈殿剤や添加剤等を含んだ溶液)を混合すること
により混合ドロップ53を形成し、この混合ドロップ5
3を結晶化剤溶液51が収容されて密閉したウェル50
内に設置することにより、混合ドロップ53を結晶化剤
溶液51に対して蒸気平衡させる。最初は、混合ドロッ
プ53中の沈殿剤濃度のほうが低いので混合ドロップ5
3から結晶化剤溶液51へ水が少しずつ蒸発して移動す
る。その結果、混合ドロップ53中のタンパク質と沈殿
剤の濃度が徐々に上昇してタンパク質の過飽和溶液がで
きる。この時、pHや沈殿剤の種類・濃度等が適切であ
れば、混合ドロップ53に結晶が析出する。
【0009】蒸気拡散法によりタンパク質が結晶化する
条件を探索するためには、pHや沈殿剤の種類・濃度等
の条件を細かく変え、更にその条件を組合わせた非常に
多くの試験を実施する必要がある。従って、この結晶化
条件の探索作業を単独の容器を用いて行っていたのでは
膨大な時間と手間を要してしまう。
【0010】このため、結晶化条件の探索作業の能率を
高める方法として、図9に示すようにプレート本体56
に対して図6、図7、図8に示したようなハンギングド
ロップ、或いはシッティングドロップ、或いはサンドイ
ッチドロップを形成するためのウェル50を縦横に多数
形成した透光性を有する合成樹脂製の結晶化探索プレー
ト57(結晶化条件探索用キット)が用いられている。
この結晶化探索プレート57によれば、多数備えられて
いる各ウェル50におけるpHや沈殿剤の種類・濃度等
の条件を少しずつ変えることにより、多数の結晶化条件
の探索試験を一つの結晶化探索プレート57で効率的に
行える。
【0011】一方、上記したようなタンパク質の結晶化
条件を探索する試験においては、混合ドロップ53にい
つ結晶が析出するかは分からないために、各ウェル50
の混合ドロップ53に対して長い時間に亘って結晶生成
の有無を観察する必要があり、又、結晶が生成した場合
にもその結晶の成長を観察する必要がある。又、タンパ
ク質によっては一旦生成した結晶が消失してしまうこと
があるため、こうした動向も観察する必要がある。
【0012】混合ドロップ53に結晶が生成したか否か
を観察したり或いは生成した結晶の成長等を観察する手
法としては、結晶化探索プレート57の各ウェル50に
対して上下方向から透過照明を当てることにより、透過
光が結晶の存在によって偏光することを利用して、結晶
の生成の有無や結晶の大きさ等を検出する方法がある。
【0013】一般には図6、図7、図8に矢印で示すよ
うに、ウェル50の下方から透過照明58を当てること
によりウェル50の樹脂底壁と結晶化剤溶液51を通し
て透過照明58を混合ドロップ53に当て、ウェル50
の上部においてその透過光を観察することにより、結晶
の生成を検出するようにしている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の結
晶化探索プレート57に備えられるウェル50は、混合
ドロップ53に当てる透過照明58の観察光路上にウェ
ル50の樹脂底壁と結晶化剤溶液51とがあるために、
ウェル50の樹脂底壁で偏光し、且つ結晶化剤溶液51
で揺れや干渉を起こすことにより光学的な外乱を生じ、
このために混合ドロップ53における変化を精度良く観
察することが困難であり、よって混合ドロップ53にお
ける結晶生成の有無を確実に検出することが困難であっ
た。
【0015】又、特に図8のサンドイッチドロップ蒸気
拡散方式の場合には、アッパーガラス52とインナーガ
ラス55との間隔が小さいために混合ドロップ53から
の蒸気拡散が行われ難く、このために、蒸気拡散が行わ
れ易い形状を有する図6のハンギングドロップ蒸気拡散
方式及び図7のシッティングドロップ蒸気拡散方式に比
して問題があった。
【0016】又、図6のハンギングドロップ蒸気拡散方
式と図7のシッティングドロップ蒸気拡散方式におい
て、同一のタンパク質溶液のサンプルを用いた試験を行
っても、結晶の生成が異なる場合があり、このためにハ
ンギングドロップ蒸気拡散方式とシッティングドロップ
蒸気拡散方式による両方の試験が要求される場合があ
る。しかし従来の結晶化探索プレート57は、各々のド
ロップ形成方式のための専用の構造を有しており、ハン
ギングドロップ蒸気拡散方式とシッティングドロップ蒸
気拡散方式の両方の作業に一つの結晶化探索プレート5
7を共用することはできなかった。
【0017】本発明は、かかる従来方式のもつ問題点を
解決すべくなしたもので、混合ドロップが精度良く観察
できて結晶の生成を確実に検出することができ、且つ複
数のドロップ形成方式に共用でき、蒸気拡散が等方的・
効率的に行われる結晶化探索プレートを提供することを
目的としている。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は、プレート本体
に複数備えられるウェルが、外壁と、該外壁の内側に備
えられて外壁より高さが低く且つ内側が観察用照明穴を
形成する内壁と、外壁下端と内壁下端の間を閉塞する底
壁とにより環状溶液室を形成しており、更に、前記外壁
の上端を密閉するアッパーガラスと、内壁の上端を密閉
するロワーガラスとを備えたことを特徴とする結晶化探
索プレート、に係るものである。
【0019】上記手段において、前記アッパーガラスと
ロワーガラスの間隔が、環状溶液室の半径方向幅と同等
或いはそれ以上の大きさを有することが好ましく、又、
前記環状溶液室が円筒形溶液室であることが好ましい。
【0020】上記手段によれば、以下のように作用す
る。
【0021】プレート本体に複数備えるウェルが、外壁
と、該外壁の内側に備えられて外壁より高さが低く且つ
内側が観察用照明穴を形成する内壁と、外壁と内壁の下
端を閉塞する底壁とにより環状溶液室を形成しており、
更に、前記外壁の上端を密閉するアッパーガラスと、内
壁の上端を密閉するロワーガラスとを備えた構成を有し
ているので、上記ウェルを備えた結晶化探索プレート
は、アッパーガラスとロワーガラスを用いて、ハンギン
グドロップ蒸気拡散方式とシッティングドロップ蒸気拡
散方式の両方に共用することができる。
【0022】更に、内壁内部の観察用照明穴を通して混
合ドロップに照明を当てて混合ドロップを観察できるた
め、観察光路上に光学的な外乱が殆ど無いアッパーガラ
ス及びロワーガラスと混合ドロップしか存在しておら
ず、よって従来のように観察光路上にウェルの樹脂底壁
と結晶化剤溶液が存在することによって光学的な外乱を
生じる問題がない。従って、理想的な観察状態を可能に
して混合ドロップの変化を高精度に観察することがで
き、混合ドロップにおける結晶の生成を確実に検出でき
る。
【0023】混合ドロップを取り囲むように環状溶液室
が形成され、更にアッパーガラスとロワーガラスの間隔
が、環状溶液室の半径方向幅に対し同等或いはそれ以上
の大きさとしてあることにより、混合ドロップから環状
溶液室への蒸気拡散が等方的・効率的に行われるように
なる。
【0024】環状溶液室の形状が円筒形溶液室であるこ
とにより、混合ドロップから円筒形溶液室への蒸気拡散
が周方向で均一に行われるようになる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を図面に基づいて説明する。
【0026】図1は本発明の結晶化探索プレートの一例
を示す切断側面図、図2は図1の平面図、図3は図1の
結晶化探索プレートにおける一つのウェルを拡大して示
した切断側面図、図4は図3のウェルの平面図である。
【0027】図1、図2に示すように、結晶化探索プレ
ート1は、合成樹脂により矩形に形成されたプレート本
体2の面内に、上部が開口したウェル3を縦横に複数整
列した状態に形成している。又、前記プレート本体2の
外周端部には周壁部4が形成されており、該周壁部4の
上端には周外側に突出する張出部5が形成されている。
前記結晶化探索プレート1は、ウェル3の開口が上側に
向くようにして張出部5を図示しない作業台等の支持部
材上に載置することにより略水平に支持される。
【0028】結晶化探索プレート1に形成される各ウェ
ル3は、図3、図4に詳細を示すように、上端6aがプ
レート本体2の上面から突出し下端がプレート本体2の
下側に延長された環状の外壁6と、該外壁6の内側に所
要の間隔を有して配置され下端が環状の底壁7により前
記外壁6の下端に固定された環状の内壁8とを備えて環
状溶液室9を形成している。
【0029】図3に示すように、内壁8の上端8aは外
壁6の上端6aよりも低い高さに形成されており、又、
内壁8の内部空間は観察用照明穴10となっている。前
記環状溶液室9は、外壁6と内壁8の平面形状が三角形
や四角形等の多角形状を有する多角筒形溶液室としても
よく、又、図4に示すように外壁6と内壁8が円筒形状
を有する円筒形溶液室9’としてもよい。尚、周方向へ
の均一な蒸気拡散を行わせるためには円筒形溶液室9’
とするのが好ましい。
【0030】更に、前記外壁6の上端6aは、グリース
11を介してアッパーガラス12により密閉できるよう
になっており、又、内壁8の上端8aはグリース11を
介してロワーガラス13により密閉できるようになって
いる。このアッパーガラス12及びロワーガラス13は
シリコナイズされていてもよい。
【0031】前記ウェル3は、アッパーガラス12とロ
ワーガラス13の間隔L1が、環状溶液室9の半径方向
幅L2と同等或いはそれ以上の大きさになるよう構成し
ている。
【0032】以下に、上記結晶化探索プレート1を用い
て、ハンギングドロップ蒸気拡散方式によりタンパク質
の結晶化条件を探索する手順の一例を説明する。
【0033】結晶化探索プレート1のウェル3の開口が
上側に向くようにして張出部5を図示しない支持部材に
載置して略水平に支持させた結晶化探索プレート1の各
ウェル3の環状溶液室9に、所要量の結晶化剤溶液14
を注入する。又、この時内壁8の上端8aをグリース1
1を介してロワーガラス13により密閉しておく。
【0034】アッパーガラス12上でタンパク質溶液の
サンプルと結晶化剤溶液14(pHを合わせ、適当な濃
度の沈殿剤や添加剤を含む溶液)を混合することにより
混合ドロップ15を形成し、混合ドロップ15が形成さ
れたアッパーガラス12を上下反転し、グリース11を
介して外壁6の上端6aに設置してウェル3を密閉す
る。これにより混合ドロップ15はウェル3内において
アッパーガラス12に吊り下げられるようになる。
【0035】上記によれば、アッパーガラス12に吊り
下げられた混合ドロップ15と気相で隔てられた結晶化
剤溶液14との間の結晶化剤濃度の平衡化が進められ、
混合ドロップ15中のタンパク質と沈殿剤の濃度が徐々
に上昇し、緩やかに混合ドロップ15内でタンパク質の
過飽和状態がつくり出され、pHや沈殿剤の種類・濃度
或いは温度条件等が適切であると、混合ドロップ15内
に結晶15aが析出する。
【0036】次に、上記結晶化探索プレート1を用い
て、シッティングドロップ蒸気拡散方式によりタンパク
質の結晶化条件を探索する手順の一例を説明する。
【0037】ウェル3の開口が上側に向くように略水平
に支持した結晶化探索プレート1の各ウェル3の環状溶
液室9に、所要量の結晶化剤溶液14を注入する。
【0038】内壁8の上端8aにグリース11を介して
ロワーガラス13を載置することにより内壁8を密閉し
た後、ロワーガラス13上でタンパク質のサンプルと結
晶化剤溶液14(pHを合わせ、適当な濃度の沈殿剤や
添加剤を含む溶液)を混合することにより混合ドロップ
15を形成する。この時、上面に混合ドロップ15を予
め形成したロワーガラス13を、グリース11を介し内
壁8の上端8aに載置することにより密閉してもよい。
【0039】続いて、外壁6の上端6aに、グリース1
1を介してアッパーガラス12を設置しウェル3を密閉
する。
【0040】上記によれば、ロワーガラス13上に形成
した混合ドロップ15と気相で隔てられた結晶化剤溶液
14との間の結晶化剤濃度の平衡化が進められ、混合ド
ロップ15中のタンパク質と沈殿剤の濃度が徐々に上昇
し、緩やかに混合ドロップ15内でタンパク質の過飽和
状態がつくり出され、pHや沈殿剤の種類・濃度或いは
温度条件等が適切であると、混合ドロップ15内に結晶
15aが析出する。
【0041】上記したように結晶化探索プレート1は、
プレート本体2に、高い高さを有する外壁6と低い高さ
を有する内壁8を備えて環状溶液室9を構成し、且つ外
壁6の上端6aをアッパーガラス12で密閉し内壁8の
上端8aをロワーガラス13で密閉するようにしたウェ
ル3を複数備えた構成を有するので、アッパーガラス1
2とロワーガラス13を用いて、一つの結晶化探索プレ
ート1により、ハンギングドロップ蒸気拡散方式とシッ
ティングドロップ蒸気拡散方式の両方に共用することが
できる。
【0042】更に、図3に示すように混合ドロップ15
を取り囲むように環状溶液室9が形成されていること
と、アッパーガラス12とロワーガラス13との間隔L
1が、環状溶液室9の半径方向幅L2に対して同等或い
はそれ以上の大きさになるように形成していることによ
り、混合ドロップ15から環状溶液室9の結晶化剤溶液
14への蒸気拡散が等方的・効率的に行われるようにな
る。
【0043】又、前記環状溶液室9の形状を円筒形溶液
室9’としたことにより、混合ドロップ15から円筒形
溶液室9’の結晶化剤溶液14への蒸気拡散が周方向で
均一に行われるようになる。
【0044】一方、前記結晶化探索プレート1を用いた
探索試験では、結晶が安定して生成する条件、更には大
きな結晶が得られる条件を探索するために、前記混合ド
ロップ15の変化を規定時間ごとに或いは常時観察する
必要がある。
【0045】この観察を行う時、前記ウェル3を備えた
結晶化探索プレート1によれば、例えば図5に示すよう
に、ウェル3の上下一側に備えた照明装置16により内
壁8内部の観察用照明穴10を通して混合ドロップ15
に透過照明等の照明17を当てて、他側に備えた撮影装
置18により透過光を観察することができる。
【0046】このため、混合ドロップ15の観察光路に
は、光学的な外乱が殆ど無いアッパーガラス12とロワ
ーガラス13しか存在しないため、混合ドロップ15に
殆ど直接的に照明17を当てることができ、よって従来
のように観察光路上にウェル3の樹脂底壁と結晶化剤溶
液14が存在することによる光学的な外乱を生じること
がなく、理想的な観察状態を得ることができる。前記混
合ドロップ15に当てる照明17は、上下いずれの方向
から当ててもよく、又、照明の17の方法は任意に選定
できる。
【0047】このように観察用照明穴10を備えたウェ
ル3の形状により、光学的外乱を生じることなく混合ド
ロップ15の変化を高精度に観察することができ、よっ
て混合ドロップ53における結晶の生成を確実に検出で
きるようになる。
【0048】尚、本発明は上記形態例にのみ限定される
ものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内におい
て種々変更を加え得ることは勿論である。
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、プレート本体に複数備
えるウェルが、外壁と、該外壁の内側に備えられて外壁
より高さが低く且つ内側が観察用照明穴を形成する内壁
と、外壁と内壁の下端を閉塞する底壁とにより環状溶液
室を形成しており、更に、前記外壁の上端を密閉するア
ッパーガラスと、内壁の上端を密閉するロワーガラスと
を備えた構成を有しているので、上記ウェルを備えた結
晶化探索プレートは、アッパーガラスとロワーガラスを
用いて、ハンギングドロップ蒸気拡散方式とシッティン
グドロップ蒸気拡散方式の両方に共用できる効果があ
る。
【0050】更に、内壁内部の観察用照明穴を通して混
合ドロップに照明を当てて混合ドロップを観察できるた
め、観察光路上に光学的な外乱が殆ど無いアッパーガラ
ス及びロワーガラスと混合ドロップしか存在しておら
ず、よって従来のように観察光路上にウェルの樹脂底壁
と結晶化剤溶液が存在することによって光学的な外乱を
生じる問題がなく、よって理想的な観察状態を可能にし
て混合ドロップの変化を高精度に観察することができ、
混合ドロップにおける結晶の生成を確実に検出できる効
果がある。
【0051】混合ドロップを取り囲むように環状溶液室
が形成され、更にアッパーガラスとロワーガラスの間隔
が、環状溶液室の半径方向幅に対し同等或いはそれ以上
の大きさとしてあることにより、混合ドロップから環状
溶液室への蒸気拡散が等方的・効率的に行われる効果が
ある。
【0052】環状溶液室の形状が円筒形溶液室であるこ
とにより、混合ドロップから円筒形溶液室への蒸気拡散
が周方向で均一になる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の結晶化探索プレートの一例を示す切断
側面図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】図1の結晶化探索プレートにおける一つのウェ
ルを拡大して示した切断側面図である。
【図4】図3のウェルの平面図である。
【図5】本発明の結晶化探索プレートにおいて、混合ド
ロップの変化を観察する方法の一例を示す切断側面図で
ある。
【図6】従来のハンギングドロップ蒸気拡散方式を説明
するためのウェルの切断側面図である。
【図7】従来のシッティングドロップ蒸気拡散方式を説
明するためのウェルの切断側面図である。
【図8】従来のサンドイッチドロップ蒸気拡散方式を説
明するためのウェルの切断側面図である。
【図9】図6、図7、図8に示すウェルを備えるように
した従来の結晶化探索プレートの一例を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 結晶化探索プレート 2 プレート本体 3 ウェル 6 外壁 6a 上端 7 底壁 8 内壁 8a 上端 9 環状溶液室 9’ 円筒形溶液室 10 観察用照明穴 12 アッパーガラス 13 ロワーガラス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 利昭 茨城県稲敷郡東町釜井1720 石川島検査計 測株式会社霞ヶ浦事業所内 (72)発明者 神谷 信夫 兵庫県佐用郡三日月町光都1−1−1 理 化学研究所 播磨研究所内 (72)発明者 引間 孝明 兵庫県佐用郡三日月町光都1−1−1 理 化学研究所 播磨研究所内 Fターム(参考) 2G045 DA36 FA13 FA19 HA02 2G057 AA01 AB01 AB06 AC01 BA01 BB01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プレート本体に複数備えられるウェル
    が、外壁と、該外壁の内側に備えられて外壁より高さが
    低く且つ内側が観察用照明穴を形成する内壁と、外壁下
    端と内壁下端の間を閉塞する底壁とにより環状溶液室を
    形成しており、更に、前記外壁の上端を密閉するアッパ
    ーガラスと、内壁の上端を密閉するロワーガラスとを備
    えたことを特徴とする結晶化探索プレート。
  2. 【請求項2】 前記アッパーガラスとロワーガラスの間
    隔が、環状溶液室の半径方向幅と同等或いはそれ以上の
    大きさを有することを特徴とする請求項1記載の結晶化
    探索プレート。
  3. 【請求項3】 前記環状溶液室が円筒形溶液室であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の結晶化探索プレート。
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WO2016132625A1 (ja) * 2015-02-18 2016-08-25 シャープ株式会社 試料容器、計測方法、および試料容器の製造方法

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