JP2003278538A - 触媒コンバータ、触媒コンバータの製造方法及び金属シェル - Google Patents

触媒コンバータ、触媒コンバータの製造方法及び金属シェル

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JP2003278538A
JP2003278538A JP2002077233A JP2002077233A JP2003278538A JP 2003278538 A JP2003278538 A JP 2003278538A JP 2002077233 A JP2002077233 A JP 2002077233A JP 2002077233 A JP2002077233 A JP 2002077233A JP 2003278538 A JP2003278538 A JP 2003278538A
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catalyst carrier
metal shell
sealing material
holding sealing
catalytic converter
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JP2002077233A
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Hirotake Matsuoka
宏威 松岡
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Ibiden Co Ltd
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Ibiden Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期間繰り返し使用しても保持シール材が排
気ガスにより容易に風蝕されることがなく、触媒担持体
を確実に保持することができ、触媒担持体の保持安定性
に優れるとともに、触媒担持体の外周に保持シール材を
被覆した状態で金属シェルにスムーズに配設することが
できる触媒コンバータを提供すること。 【解決手段】 排気ガスを流通させるための開孔及び/
又は貫通孔の内部に触媒が担持された柱状の触媒担持体
と、上記触媒担持体の外方を覆う金属シェルと、上記触
媒担持体と上記金属シェルとの間に配置され、上記触媒
担持体の周囲を被覆する保持シール材とから構成される
触媒コンバータであって、上記触媒担持体の排気ガス流
入側における上記触媒担持体の端面から、上記保持シー
ル材の端面までの距離が0.5〜10mmの範囲内とな
るように設定されていることを特徴とする触媒コンバー
タ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、触媒コンバータ、
触媒コンバータの製造方法及び金属シェルに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車等の車両や建設機械等の内
燃機関から排出される排気ガス中に含有される一酸化炭
素(CO)、炭化水素(HC)及び窒素酸化物(NO
x)等の有害物質を、無害な二酸化炭素(CO)、水
(HO)及び窒素(N)に変換する触媒コンバータ
が開発され、実用化されている。
【0003】触媒コンバータは、通常、図5に示した触
媒コンバータ80のように、主に、コージェライト等か
らなる柱状体に触媒が担持された触媒担持体81、触媒
担持体81の外方を覆う金属シェル83、及び、触媒担
持体81と金属シェル83との間に配置された保持シー
ル材82から構成されている。そして、金属シェル83
の排気ガスが導入される側の端部には、導入管84が接
続されており、この導入管84は、エンジン等の内燃機
関に設けられた配管に接続されている。また、金属シェ
ル83の他端部には、排気ガスを排出する排出管85が
接続されている。なお、図5中、矢印は排気ガスの流れ
を示している。
【0004】触媒担持体81は、その内部に多数の貫通
孔86が隔壁を隔てて長手方向に並設されたハニカム構
造体であり、貫通孔86内に、排気ガスに含有されるC
O、HC及びNOx等を浄化するための白金等の触媒成
分が担持されている。即ち、エンジン等の内燃機関から
排出され導入管84を通って触媒担持体81の貫通孔8
6内に流入された排気ガスは、上記白金等の触媒成分と
接触することで、該排気ガスに含有されるCO及びHC
が、CO及びHOに酸化され、また、上記排気ガス
に含有されるNOxがNに還元されて浄化された後、
排出管85を通って外部や、他の排気ガス処理装置へ排
出されるようになっている。
【0005】また、保持シール材82は触媒担持体81
の外周に被覆された無機繊維マット状物であり、この保
持シール材82は、触媒担持体81と金属シェル83と
の間から排気ガスが洩れ出ることを防止するとともに、
触媒担持体81が金属シェル83内でズレたり、金属シ
ェル83と接触して損傷することを防止している。さら
に、保持シール材82は、触媒担持体81から金属シェ
ル83へ熱が拡散し、触媒担持体81の温度が低下する
ことを防止する断熱材としても機能するものであった。
【0006】このような構成からなる従来の触媒コンバ
ータにおいて、金属シェル83の形状は、図6に示した
ように、その壁面がまっすぐな円筒状であり、その内径
は、内部に配設される触媒担持体81にズレや排気ガス
の洩れ出しが発生することを防止するために、触媒担持
体81の外周に被覆された状態の保持シール材82の外
径よりも小さくなるように調整されており、このような
形状及び内径の金属シェル83の内部に、その外周に保
持シール材82が被覆された状態で触媒担持体81を配
設し、触媒コンバータ80を製造するには、金属シェル
の一方の端部から、その外周に保持シール材82が被覆
された状態の触媒担持体81をねじ込むように圧入して
いた。
【0007】このようにして製造した触媒コンバータに
おいて、金属シェルの内部に配設された触媒担持体にズ
レが発生することを防止するためには、触媒コンバータ
を製造する際に、その外周に保持シール材が被覆された
状態の触媒担持体を、金属シェルの内部に大きな力を加
えながら圧入する必要があった。
【0008】ところが、このようにして触媒コンバータ
を製造すると、触媒担持体を圧入する際に、保持シール
材に大きな剪断応力が作用することとなる。また、金属
シェルの内部に保持シール材が被覆された触媒担持体を
まっすぐ圧入することが困難であったため、金属シェル
の内部で、上記触媒担持体の外周に被覆した保持シール
材、特に、保持シール材のつなぎ目にズレが発生するこ
とがあった。
【0009】このように、金属シェルの内部で、触媒担
持体の外周に被覆した保持シール材にズレが発生する
と、触媒担持体の端面から保持シール材がはみ出ること
があった。特に、排気ガスが流入する側の触媒担持体の
端面から保持シール材がはみ出ると、この触媒担持体の
端面からはみ出た保持シール材は、触媒担持体と金属シ
ェルとによって挟持されていないため、排気ガスに直接
晒されることとなる。すると、保持シール材を構成する
無機繊維がほぐれて離脱し、容易に保持シール材が風蝕
されることとなる。その結果、上記離脱した無機繊維
が、触媒担持体の貫通孔内に浸入して触媒毒となった
り、エンジン等の内燃機関に浸入して、ピストンシリン
ダ等を痛めたりすることがあった。また、金属シェルの
内部で保持シール材にズレが発生することにより、触媒
担持体を均一な圧力で保持することができなくなり、触
媒担持体の保持安定性に劣ることとなっていた。
【0010】さらに、金属シェルの内部に、保持シール
材が被覆された触媒担持体を圧入する際に、金属シェル
の端面に保持シール材が引っ掛かり、保持シール材の一
部が削り取られて保持シール材に損傷が発生したり、こ
の削り取られた保持シール材の一部が、上記した触媒毒
やエンジン等のピストンシリンダを痛める原因となった
りしていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これらの問
題を解決するためになされたもので、長期間繰り返し使
用しても保持シール材が排気ガスにより容易に風蝕され
ることがなく、触媒担持体を確実に保持することがで
き、触媒担持体の保持安定性に優れる触媒コンバータ、
長期間繰り返し使用しても保持シール材が排気ガスによ
り容易に風蝕されることがなく、触媒担持体を確実に保
持することができ、触媒担持体の保持安定性に優れると
ともに、触媒担持体の外周に保持シール材を被覆した状
態で金属シェルにスムーズに配設することができる触媒
コンバータ、触媒コンバータの製造方法、及び、上記触
媒コンバータに使用する金属シェルを提供することを目
的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】第一の本発明の触媒コン
バータは、排気ガスを流通させるための開孔及び/又は
貫通孔の内部に触媒が担持された柱状の触媒担持体と、
上記触媒担持体の外方を覆う金属シェルと、上記触媒担
持体と上記金属シェルとの間に配置され、上記触媒担持
体の周囲を被覆する保持シール材とから構成される触媒
コンバータであって、上記触媒担持体の排気ガス流入側
における上記触媒担持体の端面から、上記保持シール材
の端面までの距離が0.5〜10mmの範囲内となるよ
うに設定されていることを特徴とするものである。な
お、上記保持シール材非被覆領域とは、保持シール材が
被覆されていない触媒担持体の外周部分のことをいう。
【0013】第二の本発明の触媒コンバータは、排気ガ
スを流通させるための開孔及び/又は貫通孔の内部に触
媒が担持された柱状の触媒担持体と、上記触媒担持体の
外方を覆う金属シェルと、上記触媒担持体と上記金属シ
ェルとの間に配置され、上記触媒担持体の周囲を被覆す
る保持シール材とから構成される触媒コンバータであっ
て、少なくとも上記金属シェルの一方の端面の内側の角
が面取りされていることを特徴とするものである。
【0014】第三の本発明の触媒コンバータは、排気ガ
スを流通させるための開孔及び/又は貫通孔の内部に触
媒が担持された柱状の触媒担持体と、上記触媒担持体の
外方を覆う金属シェルと、上記触媒担持体と上記金属シ
ェルとの間に配置され、上記触媒担持体の周囲を被覆す
る保持シール材とから構成される触媒コンバータであっ
て、上記金属シェルの一部に、当該金属シェルの内径が
徐々に広がるテーパ部が設けられていることを特徴とす
るものである。
【0015】第四の本発明の触媒コンバータは、排気ガ
スを流通させるための開孔及び/又は貫通孔の内部に触
媒が担持された柱状の触媒担持体と、上記触媒担持体の
外方を覆う金属シェルと、上記触媒担持体と上記金属シ
ェルとの間に配置され、上記触媒担持体の周囲を被覆す
る保持シール材とから構成される触媒コンバータであっ
て、上記金属シェルは、内径が徐々に広がるテーパ部を
介して、内径の異なる2つの管が結合された形状となっ
ていることを特徴とするものである。
【0016】また、本発明の触媒コンバータの製造方法
は、排気ガスを流通させるための開孔及び/又は貫通孔
の内部に触媒が担持された柱状の触媒担持体と、上記触
媒担持体の外方を覆う金属シェルと、上記触媒担持体と
上記金属シェルとの間に配置され、上記触媒担持体の周
囲を被覆する保持シール材とから構成される触媒コンバ
ータの製造方法であって、上記保持シール材を上記触媒
担持体の外周に被覆し、上記金属シェルの内部に、上記
触媒担持体及び上記保持シール材を配設した後、上記金
属シェルの、少なくとも一部の管径を小さくする処理を
施すことを特徴とするものである。
【0017】第一の本発明の金属シェルは、排気ガス浄
化用触媒コンバータに用いられる金属シェルであって、
少なくとも一方の端面の内側の角が面取りされているこ
とを特徴とするものである。
【0018】第二の本発明の金属シェルは、排気ガス浄
化用触媒コンバータに用いられる金属シェルであって、
その一部に、内径が徐々に広がるテーパ部が設けられて
いることを特徴とするものである。
【0019】第三の本発明の金属シェルは、排気ガス浄
化用触媒コンバータに用いられる金属シェルであって、
内径が徐々に広がるテーパ部を介して、内径の異なる2
つの管が結合された形状となっていることを特徴とする
ものである。
【0020】
【発明の実施の形態】まず、第一の本発明の触媒コンバ
ータを、図面を参照しながら説明する。第一の本発明の
触媒コンバータは、排気ガスを流通させるための開孔及
び/又は貫通孔の内部に触媒が担持された柱状の触媒担
持体と、上記触媒担持体の外方を覆う金属シェルと、上
記触媒担持体と上記金属シェルとの間に配置され、上記
触媒担持体の周囲を被覆する保持シール材とから構成さ
れる触媒コンバータであって、上記触媒担持体の排気ガ
ス流入側における上記触媒担持体の端面から、上記保持
シール材の端面までの距離が0.5〜10mmの範囲内
となるように設定されていることを特徴とする。
【0021】図1は、第一の本発明の触媒コンバータの
一例を模式的に示した断面図であり、図2(a)は、図
1に示した触媒コンバータを構成する触媒担持体を模式
的に示した斜視図であり、(b)は、他の触媒担持体の
一例を模式的に示した斜視図である。図1に示したよう
に、第一の本発明の触媒コンバータ10の構造は、主
に、セラミックからなる柱状の触媒担持体11、触媒担
持体11の外方を覆う金属シェル13、及び、触媒担持
体11と金属シェル13との間に配置された保持シール
材12から構成されており、金属シェル13の排気ガス
が導入される側の端部には、エンジン等の内燃機関に連
結された導入管14が接続されており、金属シェル13
の他端部には、外部に連結された排出管15が接続され
ている。なお、図1中、矢印は排気ガスの流れを示して
いる。
【0022】触媒担持体11は、その内部に多数の貫通
孔16が隔壁を隔てて長手方向に並設されたハニカム構
造体の貫通孔16内に、排気ガスに含有されるCO、H
C及びNOx等を浄化するための触媒成分が担持された
ものである(図示せず)。また、上述した従来の触媒コ
ンバータ80の場合と同様に、本発明の触媒コンバータ
10では、エンジン等の内燃機関から排出され導入管1
4を通って触媒担持体11の貫通孔16内に流入された
排気ガスは、上記触媒成分と接触することで、上記排気
ガスに含有されているCO及びHCが、CO及びH
Oに酸化され、また、上記排気ガスに含有されるNOx
がNに還元されて浄化された後、排出管15を通って
外部へ排出されるようになっている。
【0023】第一の本発明の触媒コンバータ10におい
ては、触媒担持体11の排気ガス流入側における触媒担
持体11の端面から、保持シール材12の端面までの距
離が0.5〜10mmの範囲内となるように設定されて
いる。そのため、触媒コンバータ10内に流入してくる
高温の排気ガスが保持シール材11に直接接触すること
が殆どないため、第一の本発明の触媒コンバータ10
は、長期間使用しても保持シール材12が排気ガスによ
り容易に風蝕することがなく、触媒担持体11を確実に
保持することができ、触媒担持体11の保持安定性に優
れたものとなる。触媒担持体11の排気ガス流入側にお
ける触媒担持体11の端面から、保持シール材12の端
面までの距離が10mmを超えると、触媒コンバータ1
0に流入してくる排気ガスによって、保持シール材13
が風蝕されることは殆どないが、触媒担持体11の端面
付近が保持シール材13によって保持されていないこと
となり、触媒担持体11の保持安定性が劣ることとな
る。一方、触媒担持体11の排気ガス流入側における触
媒担持体11の端面から、保持シール材12の端面まで
の距離が0.5mm未満であると、保持シール材12の
端面が、金属シェル13内に流入してくる排気ガスによ
って風蝕されやすくなってしまう。
【0024】また、触媒担持体11の排気ガス流入側の
端面近傍の外周には、SUS製金属線のロープ状成形品
であるカレットリング(図示せず)が巻き付けられてい
てもよい。このカレットリングを触媒担持体11の排気
ガス流入側の端面近傍の外周に巻き付けることにより、
保持シール材12の端面に排気ガスが接触することを略
確実に防止することができる。
【0025】上記カレットリングの大きさとしては特に
限定されず、触媒担持体11を金属シェル13の内部に
配設した際、形成される隙間を埋めることができる大き
さとなるように適宜調整される。
【0026】また、触媒担持体11の排気ガス排出側
(上記排気ガス流入側に対向する側)における触媒担持
体11の端面から、保持シール材12の端面までの距離
が0.5〜10mmの範囲内となるように設定されてい
る必要はないが、上記排気ガス流入側における触媒担持
体11の端面から保持シール材12の端面までの距離と
同じであることが望ましい。触媒担持体11の保持安定
性に優れるからである。
【0027】本発明の触媒コンバータ10において、触
媒担持体11はセラミックからなるものである。上記セ
ラミックとしては特に限定されず、例えば、コージェラ
イト、アルミナ、シリカ、ムライト等の酸化物セラミッ
ク、炭化ケイ素、炭化ジルコニウム、炭化チタン、炭化
タンタル、炭化タングステン等の炭化物セラミック、及
び、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化
チタン等の窒化物セラミックを挙げることができるが、
通常、コージェライト等の酸化物セラミックが使用され
る。安価に製造することができるとともに、比較的熱膨
張係数が小さく、使用中に酸化されることがないからで
ある。
【0028】また、図1及び図2(a)に示したよう
に、触媒担持体11には、排気ガスを流通させるための
多数の貫通孔16が隔壁を隔てて長手方向に並設されて
おり、この貫通孔16の内部に触媒成分(図示せず)が
担持されている。上記触媒成分としては特に限定され
ず、例えば、白金、パラジウム、ロジウム等の貴金属を
挙げることができる。これらの貴金属は、単独で用いて
もよく、2種以上を併用してもよい。また、場合によっ
ては、酸化セリウム等の助触媒成分を併用してもよい。
【0029】また、図1及び図2(a)に示した触媒担
持体11は、その内部に多数の貫通孔16が隔壁を隔て
て並設されており、その全体が一の焼結体から構成され
たハニカム構造に触媒を担持させた構造であるが、本発
明の触媒コンバータにおける触媒担持体は、例えば、図
2(b)に示した触媒担持体110のように、柱状で、
その内部に多数の連通した開孔を有し、この開孔内に上
述したような触媒成分が担持された多孔質体であっても
よい。
【0030】さらに、本発明の触媒コンバータを構成す
る触媒担持体は、排気ガスを流通させるための開孔及び
貫通孔に触媒が担持された構造であってもよい。即ち、
触媒担持体は、図2(a)に示したような多数の貫通孔
が長手方向に隔壁を隔てて並設されたハニカム構造であ
るとともに、上記隔壁部分が、連通した多数の開孔を有
する多孔質体であり、この貫通孔及び開孔に触媒が担持
された構造でもよい。
【0031】触媒担持体11の大きさとしては特に限定
されず、目的とする触媒コンバータ10の大きさ等に合
わせて適宜決定される。また、その形状としては、柱状
であれば特に限定されず、例えば、円柱状、楕円柱状、
角柱状等任意の形状を挙げることができるが、通常、図
2(a)及び(b)に示したように円柱状のものがよく
用いられる。
【0032】保持シール材12を構成する材料としては
特に限定されず、例えば、結晶質アルミナ繊維、アルミ
ナ−シリカ繊維、シリカ繊維等の無機繊維や、これらの
無機繊維を一種以上含む繊維等を挙げることができる。
また、保持シール材12には、アルミナ及び/又はシリ
カが含有されていることが望ましい。保持シール材12
の耐熱性及び耐久性が優れたものとなるからである。特
に、保持シール材12は、50重量%以上のアルミナが
含有されていることが望ましい。900〜950℃程度
の高温下であっても、弾性力が衰えることなく、触媒担
持体11を保持することができる。
【0033】また、保持シール材12には、ニードルパ
ンチ処理が施されていることが望ましい。保持シール材
12を構成する繊維同士が絡み合い、弾性力が高くな
り、触媒担持体11を保持する力が向上するからであ
る。
【0034】このような保持シール材12は、触媒担持
体11の外周に被覆されており、特に、排気ガス流入側
における触媒担持体の端面から保持シール材の端面まで
の距離が0.5〜10mmの範囲内となるように設定さ
れている。
【0035】保持シール材12の形状としては、触媒担
持体11の外周に被覆することができる形状であれば特
に限定されず、任意の形状を挙げることができるが、図
3に示したような形状であることが望ましい。図3は、
保持シール材の一例を模式的に示した平面図である。図
3に示したように、保持シール材12は、平面視長方形
の基材部121と、基材部121の一方の短辺に形成さ
れた凸部122と、基材部121の他の短辺に形成され
た凹部123とから構成されている。
【0036】保持シール材12の大きさとしては特に限
定されず、触媒担持体11の大きさに合わせて適宜調整
されるが、基材部121の長辺の長さは、触媒担持体1
1の外周の長さと同じであることが望ましい。触媒担持
体11の外周に被覆された状態で保持シール材12に隙
間が形成されないようにするためである。また、基材部
121の短辺の長さは、触媒担持体11の全長よりも1
〜20mm短いことが望ましい。基材部121の短辺方
向の中心と、触媒担持体11の全長方向の中心とを揃え
た状態で保持シール材12を触媒担持体11の外周に被
覆すると、触媒担持体11の排気ガス流入側の端面から
保持シール材12の端面までの距離と、触媒担持体11
の排気ガス流出側の端面から保持シール材12の端面ま
での距離とを0.5〜10mmの範囲内で、同じ距離と
なるように設定することができ、触媒担持体11の保持
安定性が優れたものとなるからである。
【0037】また、凸部122と凹部123とは、保持
シール材12を触媒担持体の外周に被覆された状態で、
丁度嵌合される大きさ及び位置に形成されている。保持
シール材12をこのような形状とすることで、触媒担持
体の外径公差や、保持シール材12の巻き方による差を
調整することができるとともに、触媒担持体の外周で保
持シール材12にズレが発生することを防止することが
できる。
【0038】なお、本発明の触媒コンバータにおける保
持シール材の形状は、図3に示した保持シール材12の
ような形状に限定されることはなく、例えば、平面視板
状や、平面視長方形の基材部の両端に、複数の凸部及び
複数の凹部が形成された形状等任意の形状を挙げること
ができる。
【0039】また、保持シール材12の嵩密度は、後述
する金属シェル13の内部に配設される前の状態で、
0.05〜0.2g/cmであることが望ましい。嵩
密度が0.05g/cm未満であると、保持シール材
12により触媒担持体11を被覆することが困難となる
場合があり、嵩密度が0.2g/cmを超えると、金
属シェル13に組付ける際の圧縮力が充分に得られない
場合がある。
【0040】また、保持シール材12を、後述する金属
シェル13の内部に配置した後の充填密度は、0.2〜
0.6g/cmであることが望ましい。充填密度が
0.2g/cmであると、触媒担持体11の保持力が
低下する場合があり、充填密度が0.6g/cmを超
えると、繊維が折れて反発力が低下し、触媒担持体11
を保持する力が低下する場合がある。
【0041】また、金属シェル13の内部に配設する前
の保持シール材12の厚さに対する、金属シェル13の
内部に配設した後の保持シール材12の厚さの比は、1
/10〜1/2であることが望ましい。触媒担持体11
を保持するのに適切な力を確保することができるからで
ある。
【0042】また、保持シール材12は、その長辺方向
に垂直な方向の断面が平行四辺形状になるように切断処
理が施されていてもよい。これは、以下に挙げる理由に
よる。即ち、保持シール材を触媒担持体の外周に被覆し
た後、これらを金属シェルの内部へ圧入して触媒コンバ
ータを製造すると、圧入時の保持シール材に作用する剪
断応力に起因して、保持シール材の長辺方向に垂直な方
向の断面が平行四辺形状に変形し、触媒担持体の排気ガ
ス流入側の端面から保持シール材の端面までの距離が
0.5〜10mmの範囲内にならないことや、触媒担持
体の端面から保持シール材の一部がはみ出すことがあ
る。
【0043】そこで、予め、保持シール材の長辺方向に
垂直な方向の断面形状を、上記変形する向きと逆向きの
平行四辺形状となるように切断処理を施しておき、金属
シェル内へ圧入時の保持シール材に作用する剪断応力を
利用して、製造後の触媒コンバータにおける保持シール
材の長辺方向に垂直な方向の断面形状が長方形となるよ
うにする。その結果、触媒担持体の排気ガス流入側にお
ける端面から保持シール材の端面までの距離を、確実に
0.5〜10mmの範囲内とすることができる。
【0044】なお、予め、保持シール材の長辺方向に垂
直な方向の断面形状を平行四辺形状とせずに、触媒担持
体の外周に被覆した状態で金属シェルの内部に圧入した
後、上述したような変形が生じた場合に、保持シール材
の排気ガス流入側における、触媒担持体の端面から保持
シール材の端面までの距離が0.5〜10mmの範囲内
にならない部分や、触媒担持体の端面からはみ出した部
分等に切断処理を施すことで、触媒担持体の排気ガス流
入側における端面から保持シール材の端面までの距離を
0.5〜10mmの範囲内としてもよい。
【0045】金属シェル13の材質としては特に限定さ
れず、例えば、ステンレス等を挙げることができる。ま
た、その形状は特に限定されず、上記従来の技術におい
て図6を用いて説明したような円筒状であってもよい。
但し、金属シェル13の形状がこのような場合、触媒担
持体11を内部に配設する前の金属シェルの内径は、触
媒担持体11の外周に被覆された状態の保持シール材1
2の外径と同じか、それよりも小さいことが望ましい。
金属シェル13の内部に保持シール材12を介して配設
した触媒担持体11の保持安定性に優れるからである。
なお、保持シール材12を触媒担持体11の外周に被覆
した状態で、金属シェルの内部の所定の位置に配設した
後、上記金属シェルの外周にプレス処理等を施して上記
金属シェルの内径を小さくするのであれば、上記金属シ
ェルの内径は、触媒担持体11の外周に被覆された状態
の保持シール材12の外径と同じか、それよりも大きく
てもよい。この場合、保持シール材12を触媒担持体1
1の外周に被覆した状態で、金属シェル内の所定の位置
に配設する際、保持シール材が金属シェルの端部に引っ
掛かることがなく、保持シール材に損傷が発生すること
を確実に防止することができる。
【0046】また、金属シェル13は、後述する第二〜
第四の本発明の触媒コンバータにおける金属シェルと同
様の形状であることが望ましい。触媒担持体11の外周
に保持シール材12を被覆した状態で金属シェルの内部
にスムーズ配設することができるからである。なお、こ
れらの金属シェルについては、後述する第二〜第四の本
発明の触媒コンバータにおいて詳しく説明する。
【0047】また、第一の本発明の触媒コンバータにお
いて、金属シェルは、その一部の管径が小さくなってい
てもよい。具体的には、金属シェルの排気ガス流入側の
端面付近であって、その内部に触媒担持体が保持シール
材を介して配設されされている状態で、触媒担持体の端
面からはみ出している部分の金属シェルの管径が、その
他の部分の管径よりも、少なくとも保持シール材の厚さ
の分だけ小さくなっていることが望ましい。このような
金属シェルを用いた触媒コンバータは、その断面を排気
ガスが流入してくる側から見ると、金属シェルの管径が
小さくなっている部分によって、保持シール材の端面が
隠されたような構造となっているため、排気ガス流入側
の保持シール材の端面と排気ガスとが接触することをよ
り効果的に防止することができる。
【0048】また、図1に示したように、金属シェル1
3の一端面には、排気ガスを導入させる導入管14が接
続され、他端面には、排気ガスを排出させる排出管15
が接続されるようになっている。なお、これら導入管1
4及び排出管15は、通常、金属シェル13に溶接する
ことで接続されている。
【0049】このように、第一の本発明の触媒コンバー
タは、触媒担持体の排気ガス流入側の端面から、保持シ
ール材の端面までの距離が0.5〜10mmの範囲内と
なるように設定されている。そのため、触媒コンバータ
内に流入してくる高温の排気ガスが上記保持シール材に
直接接触することが殆どない。従って、第一の本発明の
触媒コンバータは、長期間使用しても保持シール材が排
気ガスにより容易に風蝕することがなく、触媒担持体を
確実に保持することができ、触媒担持体の保持安定性に
優れたものとなる。
【0050】次に、第二〜第四の本発明の触媒コンバー
タ、及び、第一〜第三の本発明の金属シェルについて図
面を用いて説明するが、第二の本発明の触媒コンバータ
は、金属シェルとして第一の本発明の金属シェルを用い
た触媒コンバータであり、第三の本発明の触媒コンバー
タは、金属シェルとして第二の本発明の金属シェルを用
いた触媒コンバータであり、第四の本発明の触媒コンバ
ータは、金属シェルとして第三の本発明の金属シェルを
用いた触媒コンバータである。即ち、第二〜第四の本発
明の触媒コンバータについて説明をすれば、併せて第一
〜第三の本発明の金属シェルについて説明したこととな
る。従って、以下の説明では、第一〜第三の本発明の金
属シェルについては、特に説明をせず、第二〜第四の本
発明の触媒コンバータについてのみ説明することとす
る。
【0051】第二の本発明の触媒コンバータは、排気ガ
スを流通させるための開孔及び/又は貫通孔の内部に触
媒が担持された柱状の触媒担持体と、上記触媒担持体の
外方を覆う金属シェルと、上記触媒担持体と上記金属シ
ェルとの間に配置され、上記触媒担持体の周囲を被覆す
る保持シール材とから構成される触媒コンバータであっ
て、少なくとも上記金属シェルの一方の端面の内側の角
が面取りされていることを特徴とする。
【0052】第二の本発明の触媒コンバータを構成する
金属シェル以外の触媒担持体、保持シール材等の部材に
ついては、上述した第一の本発明の触媒コンバータと同
様のものを挙げることができるため、ここでは、その説
明を省略することとする。
【0053】図4(a)は、第二の本発明の触媒コンバ
ータを構成する金属シェルの一例を模式的に示した断面
図である。第二の本発明の触媒コンバータを構成する金
属シェル41は、筒状の管43の一方の端面の内側の角
に面取り部42が形成さている。このような第二の本発
明の触媒コンバータ41では、保持シール材が外周に被
覆された触媒担持体は、面取り部42が形成された側か
ら圧入されて管43の内部に配設されることとなる。ま
た、第二の本発明の触媒コンバータを構成する金属シェ
ルは、例えば、鋼板のプレスだれを外側にして造管した
ものであってもよい。この場合、上記プレスだれ部分
が、面取り部となる。
【0054】面取り部42は、管43の一方の端面の内
側の角にC面取りされることで形成さているが、第二の
本発明の触媒コンバータにおいては、面取り部の形状は
これに限定されることはなく、例えば、R面取りされた
形状であってもよい。また、第二の本発明の触媒コンバ
ータにおいて、面取り部42の傾斜面と、管43の内壁
とが、図4(a)に示したような金属シェル41の断面
において形成する角度としては、面取り部42及び管4
3の厚さや、面取り部42の幅等により適宜決定される
が、面取り部42側から保持シール材を外周に被覆した
触媒担持体をその内部に圧入させる際、保持シール材に
損傷を発生させることなく、スムーズに圧入させること
ができる角度に調整されていることが望ましい。
【0055】また、面取り部42の幅としては特に限定
されないが、例えば、1〜20mmであることが望まし
い。面取り部42の管43に対する角度を、金属シェル
41の長さ方向に緩やかな傾斜とすることができ、保持
シール材を外周に被覆した触媒担持体をスムーズにその
内部に圧入させることができるからである。また、金属
シェル41(面取り部42及び管43)を構成する材料
としては、上述した第一の本発明の触媒コンバータを構
成する金属シェルと同様の材料を挙げることができる。
【0056】管43の形状としては、筒状であれば特に
限定されず、例えば、円筒、楕円筒、角筒等任意の形状
のものを挙げることができるが、通常、その内部に配設
される触媒担持体が円柱状であるため、円筒のものがよ
く用いられる。また、管43が円筒である場合、その内
径は、触媒担持体の外周に被覆された状態の保持シール
材の外径よりも小さいことが望ましい。管43の内部に
保持シール材を介して触媒担持体を配設した際、保持シ
ール材にズレが発生することを防止するとともに、保持
シール材から排気ガスが洩れ出すことを防止するためで
ある。
【0057】また、第二の本発明の触媒コンバータにお
いて、触媒担持体の排気ガス流入側における触媒担持体
の端面から、保持シール材の端面までの距離は、上記第
一の本発明の触媒コンバータと同様の0.5〜10mm
であることが望ましい。保持シール材が排気ガスによっ
て風蝕されることを防止することができるからである。
【0058】また、上記第一の本発明の触媒コンバータ
の場合と同様に、触媒担持体の排気ガス流入側の端面近
傍の外周には、SUS製金属線のロープ状成形品である
カレットリング(図示せず)が巻き付けられていてもよ
い。このカレットリングを触媒担持体の排気ガス流入側
の端面近傍の外周に巻き付けることにより、保持シール
材の端面に排気ガスが接触することを略確実に防止する
ことができる。
【0059】このような面取り部42を有する金属シェ
ル41は、筒状の管43の端面付近に研削処理や研磨処
理を施すことで製造することができる。
【0060】このように、第二の本発明の触媒コンバー
タでは、金属シェルを構成する筒状の管の一方の端面の
内側の角に面取り部が形成されており、保持シール材が
引っ掛かるような角が存在しないため、保持シール材が
被覆された触媒担持体を、金属シェルの上記面取り部が
形成された側から圧入すると、保持シール材に損傷を発
生させることなく、保持シール材が被覆された触媒担持
体をまっすぐ、かつ、スムーズに金属シェルの内部に配
設することができ、また、保持シール材にズレが発生す
ることもない。従って、第二の本発明の触媒コンバータ
は、長期間繰り返し使用しても保持シール材が排気ガス
により容易に風蝕されることがなく、触媒担持体を確実
に保持することができ、触媒担持体の保持安定性に優れ
るとともに、触媒担持体の外周に保持シール材を被覆し
た状態で金属シェルにスムーズに配設することができ
る。
【0061】また、第一の本発明の金属シェルは、上述
した第二の本発明の触媒コンバータにおける金属シェル
と同様のものであるため、第一の本発明の金属シェルを
用いた触媒コンバータも上記第二の本発明の触媒コンバ
ータと同様の効果を得ることができる。
【0062】第三の本発明の触媒コンバータは、排気ガ
スを流通させるための開孔及び/又は貫通孔の内部に触
媒が担持された柱状の触媒担持体と、上記触媒担持体の
外方を覆う金属シェルと、上記触媒担持体と上記金属シ
ェルとの間に配置され、上記触媒担持体の周囲を被覆す
る保持シール材とから構成される触媒コンバータであっ
て、上記金属シェルの一部に、当該金属シェルの内径が
徐々に広がるテーパ部が設けられていることを特徴とす
る。
【0063】第三の本発明の触媒コンバータを構成する
触媒担持体、保持シール材等の金属シェル以外の部材に
ついては、上述した第一の本発明の触媒コンバータと同
様のものを挙げることができるため、ここでは、その説
明を省略することとする。
【0064】図4(b)は、第三の本発明の触媒コンバ
ータを構成する金属シェルの断面図である。第三の本発
明の触媒コンバータを構成する金属シェル51は、筒状
の管53の一部に、その内径が徐々に広がるテーパ部5
2が設けられている。このような第三の本発明の触媒コ
ンバータ51では、保持シール材が外周に被覆された触
媒担持体は、テーパ部52が設けられた側から圧入され
て管53の内部に配設されることとなる。
【0065】第三の本発明の触媒コンバータにおいて、
テーパ部52傾斜面と、管53の内壁とが、図4(b)
に示したような金属シェル51の断面においてなす角度
としては特に限定されず、上述した第二の本発明の触媒
コンバータの金属シェル41の断面における面取り部4
2の傾斜面と、管43の内壁とがなす角度と同じである
ことが望ましい。保持シール材を外周に被覆した触媒担
持体をスムーズにその内部に圧入させることができるよ
うにするためである。また、テーパ部52の幅としては
特に限定されないが、1〜20mmであることが望まし
く、テーパ部52の最も直径の大きな部分は、管53の
直径より1〜6mm大きいことが望ましい。テーパ部5
2の傾斜面と、管53の内壁とがなす角度を、金属シェ
ル51の長さ方向に緩やかな傾斜とすることができ、保
持シール材を外周に被覆した触媒担持体をスムーズにそ
の内部に圧入させることができるからである。さらに、
金属シェル51を構成する材料としては、上述した第一
の本発明の触媒コンバータを構成する金属シェルと同様
の材料を挙げることができる。
【0066】管53の形状としては、筒状であれば特に
限定されず、例えば、円筒、楕円筒、角筒等任意の形状
のものを挙げることができるが、通常、その内部に配設
される触媒担持体が円柱状であるため、円筒のものがよ
く用いられる。また、管53が円筒である場合、その内
径は、触媒担持体の外周に被覆された状態の保持シール
材の外径よりも小さいことが望ましい。金属シェル51
の内部に配設した触媒担持体を、保持シール材を介して
しっかりと保持することができるからである。
【0067】また、第三の本発明の触媒コンバータにお
いて、触媒担持体の排気ガス流入側における触媒担持体
の端面から、保持シール材の端面までの距離は、上記第
一の本発明の触媒コンバータと同様に0.5〜10mm
であることが望ましい。保持シール材が排気ガスによっ
て風蝕されることを防止することができるからである。
【0068】また、上記第一の本発明の触媒コンバータ
の場合と同様に、触媒担持体の排気ガス流入側の端面近
傍の外周には、SUS製金属線のロープ状成形品である
カレットリング(図示せず)が巻き付けられていてもよ
い。このカレットリングを触媒担持体の排気ガス流入側
の端面近傍の外周に巻き付けることにより、保持シール
材12の端面に排気ガスが接触することを略確実に防止
することができる。
【0069】また、このようなテーパ部52を有する金
属シェル51は、予め、金属シェル51の内壁が形成す
る形状と同様の形状の型を用いて、この型に合わせて成
型することにより一体的に製造してもよく、始めに管5
3を製造した後、テーパ部52を管53の一方の端面に
溶接等により接合することで製造してもよい。
【0070】このように、第三の本発明の触媒コンバー
タでは、金属シェルの一部に、当該金属シェルの内径が
徐々に広がるテーパ部が設けられているため、保持シー
ル材が被覆された触媒担持体を、金属シェルのテーパ部
が形成された側から圧入すると、金属シェルの端面に保
持シール材が引っ掛かることで、保持シール材に損傷が
発生することがなく、また、保持シール材が被覆された
触媒担持体をまっすぐ、かつ、スムーズに金属シェルの
内部に配設することができ、保持シール材にズレが発生
することがない。従って、第三の本発明の触媒コンバー
タは、長期間繰り返し使用しても保持シール材が排気ガ
スにより容易に風蝕されることがなく、触媒担持体を確
実に保持することができ、触媒担持体の保持安定性に優
れるとともに、触媒担持体の外周に保持シール材を被覆
した状態で金属シェルにスムーズに配設することができ
る。
【0071】また、第二の本発明の金属シェルは、上述
した第三の本発明の触媒コンバータにおける金属シェル
と同様のものであるため、第二の本発明の金属シェルを
用いた触媒コンバータも上記第三の本発明の触媒コンバ
ータと同様の効果を得ることができる。
【0072】第四の本発明の触媒コンバータは、排気ガ
スを流通させるための開孔及び/又は貫通孔の内部に触
媒が担持された柱状の触媒担持体と、上記触媒担持体の
外方を覆う金属シェルと、上記触媒担持体と上記金属シ
ェルとの間に配置され、上記触媒担持体の周囲を被覆す
る保持シール材とから構成される触媒コンバータであっ
て、上記金属シェルは、内径が徐々に広がるテーパ部を
介して、内径の異なる2つの管が結合された形状となっ
ていることを特徴とする。
【0073】第四の本発明の触媒コンバータを構成する
触媒担持体、保持シール材等の金属シェル以外の部材に
ついては、上述した第一の本発明の触媒コンバータと同
様のものを挙げることができるため、ここでは、その説
明を省略することとする。
【0074】図4(c)は、第四の本発明の触媒コンバ
ータを構成する金属シェルの断面図である。第四の本発
明の触媒コンバータを構成する金属シェル61は、その
内径が徐々に広がるテーパ部62を介して、内径の異な
る2つの管63及び64が設けられている。このような
第四の本発明の触媒コンバータ61では、保持シール材
が外周に被覆された触媒担持体は、管64及びテーパ部
62が設けられた側から圧入されて管63の内部に配設
されることとなる。
【0075】第四の本発明の触媒コンバータにおいて、
テーパ部62の傾斜面と、管63及び64の内壁とが、
図4(c)に示したような金属シェル61の断面におい
てなす角度としては特に限定されず、上述した第二の本
発明の触媒コンバータの金属シェル41の断面における
面取り部42の傾斜面と、管43の内壁とがなす角度と
同じであることが望ましい。保持シール材を外周に被覆
した触媒担持体をスムーズにその内部に圧入させること
ができるようにするためである。また、テーパ部62及
び管64を合わせた幅としては特に限定されないが、1
〜20mmが望ましく、直径の大きい管64の直径は、
管63よりも1〜6mm大きいことが望ましい。テーパ
部62の傾斜面と、管63及び64の内壁とがなす角度
を、金属シェル61の長さ方向に緩やかな傾斜とするこ
とができ、保持シール材を外周に被覆した触媒担持体を
スムーズにその内部に圧入させることができるからであ
る。さらに、金属シェル61を構成する材料としては、
上述した第一の本発明の触媒コンバータを構成する金属
シェルと同様の材料を挙げることができる。
【0076】管63の形状としては、筒状であれば特に
限定されず、例えば、円筒、楕円筒、角筒等任意の形状
のものを挙げることができるが、通常、その内部に配設
される触媒担持体が円柱状であるため、円筒のものがよ
く用いられる。また、管63が円筒である場合、管63
の内径は、触媒担持体の外周に被覆された状態の保持シ
ール材の外径よりも小さいことが望ましい。金属シェル
61の管63の内部に配設した触媒担持体を、保持シー
ル材を介してしっかりと保持することができるからであ
る。なお、管64の形状は、管63と同様であることが
望ましい。
【0077】また、第四の本発明の触媒コンバータにお
いて、触媒担持体の排気ガス流入側における触媒担持体
の端面から、保持シール材の端面までの距離は、上記第
一の本発明の触媒コンバータと同様に0.5〜10mm
であることが望ましい。保持シール材が排気ガスによっ
て風蝕されることを防止することができるからである。
【0078】また、上記第一の本発明の触媒コンバータ
の場合と同様に、触媒担持体の排気ガス流入側の端面近
傍の外周には、SUS製金属線のロープ状成形品である
カレットリング(図示せず)が巻き付けられていてもよ
い。このカレットリングを触媒担持体の排気ガス流入側
の端面近傍の外周に巻き付けることにより、保持シール
材12の端面に排気ガスが接触することを略確実に防止
することができる。
【0079】また、このような形状の金属シェル61
は、予め、金属シェル61の内壁が形成する形状と同様
の形状の型を用いて、この型に合わせて成型することで
一体的製造してもよく、始めに管63及び64を製造し
た後、テーパ部62を管63及び64に溶接することで
製造してもよい。
【0080】このように、第四の本発明の触媒コンバー
タでは、金属シェルが、内径が徐々異なるテーパ部を介
して、内径の異なる2つの管が結合された形状となって
いるため、保持シール材が被覆された触媒担持体を、金
属シェルの内径の大きな方の管からテーパ部を通って、
金属シェル内に圧入すると、金属シェルの端面に保持シ
ール材が引っ掛かることで、保持シール材に損傷が発生
することがなく、また、保持シール材が被覆された触媒
担持体をまっすぐ、かつ、スムーズに金属シェルの内部
に配設することができ、保持シール材にズレが発生する
ことがない。従って、第四の本発明の触媒コンバータ
は、長期間繰り返し使用しても保持シール材が排気ガス
により容易に風蝕されることがなく、触媒担持体を確実
に保持することができ、触媒担持体の保持安定性に優れ
るとともに、触媒担持体の外周に保持シール材を被覆し
た状態で金属シェルにスムーズに配設することができ
る。
【0081】また、第三の本発明の金属シェルは、上述
した第四の本発明の触媒コンバータにおける金属シェル
と同様のものであるため、第三の本発明の金属シェルを
用いた触媒コンバータも上記第四の本発明の触媒コンバ
ータと同様の効果を得ることができる。
【0082】次に、本発明の触媒コンバータの製造方法
について説明する。本発明の触媒コンバータの製造方法
は、排気ガスを流通させるための開孔及び/又は貫通孔
の内部に触媒が担持された柱状の触媒担持体と、上記触
媒担持体の外方を覆う金属シェルと、上記触媒担持体と
上記金属シェルとの間に配置され、上記触媒担持体の周
囲を被覆する保持シール材とから構成される触媒コンバ
ータの製造方法であって、上記保持シール材を上記触媒
担持体の外周に被覆し、上記金属シェルの内部に、上記
触媒担持体及び上記保持シール材を配設した後、上記金
属シェルの、少なくとも一部の管径を小さくする処理を
施すことを特徴とする。
【0083】初めに触媒担持体及び保持シール材の製造
方法について説明する。まず、上述したセラミックを主
成分とする原料ペーストを用いて押出成形を行ってセラ
ミック成形体を作製した後、所定の条件で脱脂、焼成を
行うことにより、セラミック構造体を製造する。そし
て、このセラミック構造体に上述した触媒成分を担持さ
せて触媒担持体を製造する。なお、上記原料ペーストの
組成、セラミック成形体の脱脂及び焼成、並びに、セラ
ミック構造体に触媒成分を担持させる条件等は、従来か
らセラミック製の触媒担持体を製造する際に用いられて
いる条件を適用することができる。
【0084】このようにして製造した触媒担持体は柱状
であり、その構造は、内部に多数の貫通孔が隔壁を隔て
て並設されたハニカム構造であってもよく、内部に多数
の連通した開孔を有する多孔質構造であってもよく、こ
れらを合わせた構造であってもよい。なお、触媒担持体
の構造については、上記本発明の触媒コンバータにおい
て説明した通りであるので、ここではその詳しい説明を
省略する。
【0085】次に、保持シール材を作製するには、ま
ず、結晶質アルミナ繊維、アルミナ−シリカ繊維、シリ
カ繊維等の無機繊維や、これらの無機繊維を一種以上含
む繊維等を用いて無機質マット状物(ウェッブ)を形成
する。なお、上記無機質マット状物の詳しい組成等につ
いては、上述した通りであるので、ここではその説明を
省略する。また、上記無機質マット状物を形成する方法
としては特に限定されず、例えば、上述した繊維等を、
接着剤を含んだ溶液中に分散させ、紙を作る抄紙機等を
利用して無機質マット状物を形成する方法等を挙げるこ
とができる。
【0086】また、上記無機質マット状物にニードルパ
ンチ処理を施すことが望ましい。ニードルパンチ処理を
施すことにより、繊維同士を絡み合わせることができ、
弾性力が高く、触媒担持体を保持する力に優れる保持シ
ール材を作製することができるからである。
【0087】その後、上記無機質マット状物に切断加工
を施して、例えば、図3に示したような形状の保持シー
ル材を作製する。なお、上記保持シール材の形状等につ
いては、上述した通りであるので、ここでは、その詳し
い説明を省略する。
【0088】次に、上記触媒担持体の外周に上記保持シ
ール材を被覆する。このとき、上記触媒担持体の排気ガ
ス流入側における上記触媒担持体の端面から、上記保持
シール材の端面までの距離が0.5〜10mmの範囲内
となるように保持シール材を触媒担持体の外周に被覆す
ることが望ましい。上記第一の本発明の触媒コンバータ
においては説明した通り、触媒担持体の排気ガス流入側
における触媒担持体の端面から、保持シール材の端面ま
での距離が上述した範囲内であると、触媒担持体の保持
安定性に優れるとともに、保持シール材の端面が排気ガ
スによって、風蝕されることがないからである。
【0089】保持シール材を触媒担持体の外周に被覆
し、固定する手段としては特に限定されず、例えば、接
着剤で貼着したり、紐状体で縛る手段等を挙げることが
できる。また、特別な手段で固定をせず、触媒担持体に
被覆しただけの状態で、次の工程に移行しても差し支え
ない。なお、上記紐状体は、熱で分解する材料であって
もよい。金属シェル内に触媒担持体を設置した後であれ
ば、紐状体が熱により分解しても触媒担持体は金属シェ
ル内に設置されているので、保持シール材が剥がれてし
まうことはないからである。
【0090】次に、上記工程を経た触媒担持体を金属シ
ェル内に設置する。なお、上記金属シェルの材料、形状
及び構成等としては、上述した第二〜第三の本発明の触
媒コンバータにおける金属シェルと同様であることが望
ましい。第二〜第三の本発明の触媒コンバータにおいて
説明した効果を得ることができるからである。
【0091】触媒担持体を、金属シェル内に配設する方
法としては、上記金属シェルの一方の端面から保持シー
ル材が被覆された触媒担持体を圧入すればよい。ここ
で、上記金属シェルの形状が、上述した第二〜第三の本
発明の触媒コンバータにおける金属シェルと同様である
場合、上記第二〜第三の本発明の触媒コンバータにおい
て説明した方向から保持シール材が被覆された触媒担持
体を圧入する。この際、固定した触媒担持体が容易に移
動しないように、かなりの力を加えた状態で、ようやく
押し込むことができる程度に、保持シール材の厚さ、触
媒担持体の大きさ、金属シェルの大きさ等を調整する必
要がある。
【0092】次に、上記金属シェルの、少なくとも一部
の管径を小さくする処理を施す。具体的には、金属シェ
ルの排気ガス流入側となる端面付近であって、その内部
に配設した触媒担持体の端面からはみ出している部分の
金属シェルの管径を、その他の部分の管径よりも、少な
くとも保持シール材の厚さの分だけ小さくなるような処
理であることが望ましい。このような処理を施した金属
シェルを用いた触媒コンバータは、その断面を排気ガス
が流入してくる側から見ると、金属シェルの管径が小さ
くなっている部分によって、保持シール材の端面が隠さ
れたような構造となっているため、排気ガス流入側の保
持シール材の端面と排気ガスとが接触することをより効
果的に防止することができる。
【0093】なお、上記金属シェルの、少なくとも一部
の管径を小さくする処理は、上述したような処理に限定
されることはなく、例えば、金属シェルの形状が、上述
した第三及び第四の本発明の触媒コンバータを構成する
金属シェルのように、外側に広がるテーパ部を有するも
のである場合、このテーパ部の内径が、触媒担持体を保
持する管と同じ内径となるような処理であってもよい。
このような処理を施した金属シェルを用いた触媒コンバ
ータは、エンジン等の内燃機関等に設けられた配管に接
続するための導入管等の取り付けが容易になる。
【0094】上記金属シェルの管径を小さくする処理と
しては特に限定されず、例えば、金属シェルの外周に均
等な圧力を印加することが可能なプレス機を用いてプレ
スするプレス処理、金属シェルの外周に点状の窪みを形
成するプレス処理、金属シェルの外周にわたって溝状の
窪みを形成するプレス処理等を挙げることができる。
【0095】以上、説明した工程を行うことにより、長
期間繰り返し使用しても保持シール材が排気ガスにより
容易に風蝕されることがなく、触媒担持体を確実に保持
することができ、触媒担持体の保持安定性に優れる触媒
コンバータを確実に製造することができる。
【0096】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0097】実施例1 まず、コージェライトからなり、その内部に触媒成分と
して白金が担持された触媒担持体を用意した。この触媒
担持体は、図2(a)に示したようなハニカム構造であ
り、その直径が85mmであり、長さが150mmの円
柱形状であった。
【0098】次に、70重量%のアルミナ成分と、30
重量%のシリカ成分とからなるアルミナファイバーの無
機繊維マット状物(ウェッブ)を形成し、この無機繊維
マット状物にニードルパンチ処理を施した。この無機繊
維マット状物の厚さは8mmであり、嵩密度は0.15
g/cmであった。
【0099】次に、上記無機繊維マット状物に切断加工
を施して、図3に示すような形状の保持シール材を作製
した。この保持シール材は、基材部の長辺の長さが26
7mm、短辺の長さが140mmであり、凸部及び凹部
の縦幅は30mm、横幅は45mmであった。
【0100】次に、上記保持シール材の凸部と凹部とが
嵌合するように、上記保持シール材を触媒担持体の外周
に被覆した。このとき、触媒担持体の両端部から、保持
シール材の端面までの距離はそれぞれ5mmであった。
【0101】次に、その内径が101mmで、円筒状の
ステンレス製の金属シェル内に設置した後、この金属シ
ェルの外周から均等な圧力でプレス処理を施してその内
径を88mmとし、上記触媒担持体が保持シール材を介
して金属シェル内にしっかりと保持されるようにして図
1に示したような触媒コンバータを製造した。
【0102】実施例2 触媒担持体の材料をムライトとし、触媒担持体の両端部
から、保持シール材の端面までの距離をそれぞれ3mm
としたほかは、実施例1と同様にして触媒担持体の外周
に保持シール材を被覆した。
【0103】次に、ステンレス製の金属シェルであっ
て、その形状が図4(a)に示したような形状の金属シ
ェルの内部に上記保持シール材を被覆した触媒担持体を
圧入して、触媒コンバータを製造した。なお、上記金属
シェルの壁の厚さは1mmであり、面取り部の幅は10
mmであり、金属シェルの断面において、面取り部の傾
斜面と、金属シェルの管の内壁とがなす角度は約174
°であった。
【0104】実施例3 触媒担持体の材料をアルミナとし、触媒担持体の両端部
から、保持シール材の端面までの距離をそれぞれ10m
mとしたほかは、実施例1と同様にして触媒担持体の外
周に保持シール材を被覆した。
【0105】次に、ステンレス製の金属シェルであっ
て、その形状が図4(b)に示したような形状の金属シ
ェルの内部に上記保持シール材を被覆した触媒担持体を
圧入して、触媒コンバータを製造した。なお、上記金属
シェルのテーパ部の幅は10mmであり、テーパ部の大
きい方の端部の内径は90mmであり、小さい方及び円
筒状の管の内径は88mmであり、金属シェルの断面に
おいて、テーパ部の傾斜面と、管の内壁とがなす角度は
約174°であった。
【0106】実施例4 触媒担持体の材料をコージェライトとし、触媒担持体の
両端部から、保持シール材の端面までの距離をそれぞれ
10mmとしたほかは、実施例1と同様にして触媒担持
体の外周に保持シール材を被覆した。
【0107】次に、ステンレス製の金属シェルであっ
て、その形状が図4(c)に示したような形状の金属シ
ェルの内部に上記保持シール材を被覆した触媒担持体を
圧入して、触媒コンバータを製造した。なお、上記金属
シェルのテーパ部の幅は10mmであり、大きな方の管
の内径は90mmであり、小さな方の内径は88mmで
あり、金属シェルの断面において、テーパ部の傾斜面
と、上記2つの管の内壁とがなす角度は約174°であ
った。
【0108】実施例5 触媒担持体の排気ガス流入側となる端面の外周に、SU
Sメッシュのロープ状のカレットリングを巻き付けたほ
かは、実施例1と同様にして触媒コンバータを製造し
た。
【0109】実施例6 実施例1と同様にして触媒担持体の外周に保持シール材
を被覆し、その内径が88mm、円筒状のステンレス製
の金属シェル内に、保持シール材を被覆した状態の触媒
担持体を圧入した後、変形した保持シール材であって、
触媒担持体の端面からの距離が0.5mm未満の部分
(触媒担持体の端面からはみ出した部分を含む)をカッ
ターにより切断する切断処理を施し、触媒コンバータを
製造した。
【0110】比較例1 触媒担持体の両端部から、保持シール材の端面までの距
離をそれぞれ20mmとなるように保持シール材を作製
し、触媒担持体の外周に被覆したほかは実施例1と同様
にして触媒コンバータを製造した。
【0111】比較例2 保持シール材に切断処理を施さなかったほかは、実施例
6と同様にして触媒コンバータを製造した。この触媒コ
ンバータでは、触媒担持体の排気ガス流入側となる端面
から保持シール材が最大で10mmはみ出している部分
があった。
【0112】実施例1〜6及び比較例1、2に係る触媒
コンバータに、20〜600℃までの加熱及び冷却を繰
り返すヒートサイクル試験を施した後、各触媒コンバー
タの触媒担持体の一方の端面に圧力(1MPa(10k
gf/cm))を加える触媒担持体の押し抜き試験を
行い、触媒担持体にズレが発生するか否かを観察した。
【0113】実施例1〜6及び比較例1、2に係る触媒
コンバータを、エンジンの排気ガス排出口に接続し、上
記エンジンを無負荷状態で、最高の回転数にして100
時間運転し、上記触媒コンバータを常温に戻した後、再
度、エンジンを無負荷状態で、最高の回転数にして10
0時間運転する試験を10回繰り返し、各保持シール材
を取り出して、試験前と後との重量変化を測定した。
【0114】また、実施例1〜6及び比較例1、2に係
る触媒コンバータを製造した後、すぐに分解し、保持シ
ール材に損傷の有無を目視により確認した。その結果を
下記表1に示す。
【0115】
【表1】
【0116】表1に示した通り、実施例1〜6に係る触
媒コンバータにおいては、ヒートサイクル試験後の押し
抜き試験において、触媒担持体にズレは発生せず、ま
た、保持シール材の重量変化率は1〜3%と非常に小さ
く、保持シール材は、殆ど風蝕されていなかった。ま
た、各触媒コンバータを製造した後の保持シール材に
は、損傷は全く確認することができなかった。一方、比
較例1に係る触媒コンバータにおいては、保持シール材
の重量変化率は3%と小さく、保持シール材は殆ど風蝕
されておらず、また、保持シール材には、損傷は全く確
認することができなかったが、ヒートサイクル試験後の
押し抜き試験において触媒担持体にズレが発生し、さら
に、保持シール材の重量変化を測定する試験中の触媒担
持体に、流入してくる排気ガスの圧力に起因して徐々に
ズレが発生してしまい、触媒担持体の保持安定性に劣る
ものであった。また、比較例2に係る触媒コンバータに
おいては、ヒートサイクル試験後の押し抜き試験におい
て、触媒担持体にズレは発生しなかったが、保持シール
材の重量変化率が10%と非常に大きく、保持シール材
が大きく風蝕されていた。さらに、触媒コンバータを製
造した後の保持シール材には、多数の損傷が確認され
た。
【0117】
【発明の効果】第一の本発明の触媒コンバータは、上述
の通りであるので、長期間繰り返し使用しても保持シー
ル材が排気ガスにより容易に風蝕されることがなく、触
媒担持体を確実に保持することができ、触媒担持体の保
持安定性に優れたものとなる。
【0118】また、第二〜第四の本発明の触媒コンバー
タは、上述の通りであるので、長期間繰り返し使用して
も保持シール材が排気ガスにより容易に風蝕されること
がなく、触媒担持体を確実に保持することができ、触媒
担持体の保持安定性に優れるとともに、触媒担持体の外
周に保持シール材を被覆した状態で金属シェルにスムー
ズに配設することができる。
【0119】また、本発明の触媒コンバータの製造方法
によると、長期間繰り返し使用しても保持シール材が排
気ガスにより容易に風蝕されることがなく、触媒担持体
を確実に保持することができ、触媒担持体の保持安定性
に優れる触媒コンバータを確実に製造することができ
る。
【0120】また、第一〜第三の本発明の金属シェルを
用いた触媒コンバータは、長期間繰り返し使用しても保
持シール材が排気ガスにより容易に風蝕されることがな
く、触媒担持体を確実に保持することができ、触媒担持
体の保持安定性に優れるとともに、触媒担持体の外周に
保持シール材を被覆した状態で金属シェルにスムーズに
配設することができる触媒コンバータとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の触媒コンバータの一例を模式的に示し
た断面図である。
【図2】(a)は、図1に示した触媒コンバータの触媒
担持体を模式的に示した斜視図であり、(b)は、他の
触媒担持体の一例を模式的に示した斜視図である。
【図3】保持シール材の一例を模式的に示した平面図で
ある。
【図4】(a)は、第二の本発明の触媒コンバータを構
成する金属シェル及び第一の本発明の金属シェルを模式
的に示した断面図であり、(b)は、第三の本発明の触
媒コンバータを構成する金属シェル及び第二の本発明の
金属シェルを模式的に示した断面図であり、(c)は、
第四の本発明の触媒コンバータを構成する金属シェル及
び第三の本発明の金属シェルを模式的に示した断面図で
あり、
【図5】従来の触媒コンバータの一例を模式的に示した
断面図である。
【図6】従来の触媒コンバータに用いられている金属シ
ェルを模式的に示した断面図である。
【符号の説明】
10 触媒コンバータ 11 触媒担持体 12 保持シール材 13 金属シェル 14 導入管 15 排出管 16 貫通孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01J 33/00 B01D 53/36 C Fターム(参考) 3G091 AA02 AA05 AB01 AB02 AB04 BA09 BA10 BA11 BA14 BA15 BA19 GA06 GA11 GB04W GB05W GB06W GB07W GB10X GB13X GB15X GB17X HA27 HA28 4D048 AA06 AA13 AA18 BA10X BB02 BB18 CA01 CA07 CA08 CC02 CC04 4G069 AA01 BA13A BA13B CA02 CA03 CA07 CA08 CA13 CA14 CA15 EA18 EA19 EA27 ED06

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排気ガスを流通させるための開孔及び/
    又は貫通孔の内部に触媒が担持された柱状の触媒担持体
    と、前記触媒担持体の外方を覆う金属シェルと、前記触
    媒担持体と前記金属シェルとの間に配置され、前記触媒
    担持体の周囲を被覆する保持シール材とから構成される
    触媒コンバータであって、前記触媒担持体の排気ガス流
    入側における前記触媒担持体の端面から、前記保持シー
    ル材の端面までの距離が0.5〜10mmの範囲内とな
    るように設定されていることを特徴とする触媒コンバー
    タ。
  2. 【請求項2】 排気ガスを流通させるための開孔及び/
    又は貫通孔の内部に触媒が担持された柱状の触媒担持体
    と、前記触媒担持体の外方を覆う金属シェルと、前記触
    媒担持体と前記金属シェルとの間に配置され、前記触媒
    担持体の周囲を被覆する保持シール材とから構成される
    触媒コンバータであって、少なくとも前記金属シェルの
    一方の端面の内側の角が面取りされていることを特徴と
    する触媒コンバータ。
  3. 【請求項3】 排気ガスを流通させるための開孔及び/
    又は貫通孔の内部に触媒が担持された柱状の触媒担持体
    と、前記触媒担持体の外方を覆う金属シェルと、前記触
    媒担持体と前記金属シェルとの間に配置され、前記触媒
    担持体の周囲を被覆する保持シール材とから構成される
    触媒コンバータであって、前記金属シェルの一部に、当
    該金属シェルの内径が徐々に広がるテーパ部が設けられ
    ていることを特徴とする触媒コンバータ。
  4. 【請求項4】 排気ガスを流通させるための開孔及び/
    又は貫通孔の内部に触媒が担持された柱状の触媒担持体
    と、前記触媒担持体の外方を覆う金属シェルと、前記触
    媒担持体と前記金属シェルとの間に配置され、前記触媒
    担持体の周囲を被覆する保持シール材とから構成される
    触媒コンバータであって、前記金属シェルは、内径が徐
    々に広がるテーパ部を介して、内径の異なる2つの管が
    結合された形状となっていることを特徴とする触媒コン
    バータ。
  5. 【請求項5】 排気ガスを流通させるための開孔及び/
    又は貫通孔の内部に触媒が担持された柱状の触媒担持体
    と、前記触媒担持体の外方を覆う金属シェルと、前記触
    媒担持体と前記金属シェルとの間に配置され、前記触媒
    担持体の周囲を被覆する保持シール材とから構成される
    触媒コンバータの製造方法であって、前記保持シール材
    を前記触媒担持体の外周に被覆し、前記金属シェルの内
    部に、前記触媒担持体及び前記保持シール材を配設した
    後、前記金属シェルの、少なくとも一部の管径を小さく
    する処理を施すことを特徴とする触媒コンバータの製造
    方法。
  6. 【請求項6】 排気ガス浄化用触媒コンバータに用いら
    れる金属シェルであって、少なくとも一方の端面の内側
    の角が面取りされていることを特徴とする金属シェル。
  7. 【請求項7】 排気ガス浄化用触媒コンバータに用いら
    れる金属シェルであって、その一部に、内径が徐々に広
    がるテーパ部が設けられていることを特徴とする金属シ
    ェル。
  8. 【請求項8】 排気ガス浄化用触媒コンバータに用いら
    れる金属シェルであって、内径が徐々に広がるテーパ部
    を介して、内径の異なる2つの管が結合された形状とな
    っていることを特徴とする金属シェル。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005040797A1 (ja) * 2003-10-27 2005-05-06 Sony Corporation 給電用配線が延設されたバイオアッセイ用基板

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