JP2003277407A - 発煙の少ないオレフィン重合体の製造方法。 - Google Patents

発煙の少ないオレフィン重合体の製造方法。

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JP2003277407A
JP2003277407A JP2002088567A JP2002088567A JP2003277407A JP 2003277407 A JP2003277407 A JP 2003277407A JP 2002088567 A JP2002088567 A JP 2002088567A JP 2002088567 A JP2002088567 A JP 2002088567A JP 2003277407 A JP2003277407 A JP 2003277407A
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olefin polymer
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lubricating oil
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Takashi Tominaga
崇 冨永
Yoshinori Sada
宜規 佐田
Yoshiyuki Harada
嘉幸 原田
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形加工時に発煙が少ないオレフィン重合体
を製造することができるオレフィン重合体の製造方法を
提供する。 【解決手段】 高圧法プロセスを用いるオレフィン重合
体の製造方法において、分子量が300〜1000であ
る成分の含有量が55重量%以下である油をコンプレッ
サーの潤滑油として用い、前記潤滑油のコンプレッサー
への注入量がオレフィン重合体の0.02〜0.7重量
%であるオレフィン重合体の製造方法。また、上記記載
の高圧法プロセスが高圧イオン重合法である上記記載の
オレフィン重合体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オレフィン重合体
の製造方法に関するものである。さらに詳しくは、成形
加工時に発煙が少ないオレフィン重合体を製造すること
ができるオレフィン重合体の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】高圧法プロセスを用いてオレフィン重合
体を製造において、一般に、少なくとも一つのコンプレ
ッサーを用いて、圧力を常圧から300MPaGへ上昇
させる。そして、コンプレッサーの磨耗、焼き付きを防
止するために、通常はコンプレッサーのシリンダーへ潤
滑油が注入されている。しかし、この潤滑油は、高圧法
プロセスへ混入することがあり、製造されたオレフィン
重合体を成形加工する時に、白煙が製品表面から立ち上
る現象(「発煙」と呼ばれる。)を引き起こすことがあ
り、この発煙が起こると、加工現場の環境が悪化した
り、ロールが汚れたりすることもある。
【0003】上記の発煙を低減する方法として、例え
ば、特開平8−100021号公報には、ゲルパーミエ
ーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した分子
量分布曲線の低分子領域を対数正規分布に近似した際に
得られるMW/MN(L)値とメルトフローレート(MF
R)とが特定の関係を満足する低発煙ポリエチレンが記
載されている。
【0004】また、特開平8−231781号公報に
は、発煙、目やに発生等の成形上の問題を抑制したエチ
レン系樹脂組成物として、MFRが50ないし100g
/10minであり、特定の複素粘性率の比が2.2を
越えないエチレン系重合体と、HLMFRが1.0ない
し5.0g/10minであり、特定の複素粘性率の比
が3.0を下回らないエチレン系重合体からなるエチレ
ン系樹脂組成物が記載されている。
【0005】また、特許第3005194号公報には、
加工時の発煙量を抑えることができるポリエチレン樹脂
組成物として、クロロホルム抽出した際の炭素数18及
び20の各成分の合計値が500ppm以下である高密
度ポリエチレンと、異なる2種の高圧法低密度ポリエチ
レンと、脂肪酸金属塩の量が500ppm以下である樹
脂被覆紙用ポリエチレン樹脂組成物が記載されている。
しかし、上記公報に記載のポリエチレンやポリエチレン
樹脂組成物においても、発煙の低減について、さらなる
改良が望まれていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、成形
加工時に発煙が少ないオレフィン重合体を製造すること
ができるオレフィン重合体の製造方法を提供することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる実
情に鑑み、鋭意検討の結果、本発明が上記課題を解決で
きることを見出し、本発明を完成させるに至った。すな
わち、本発明は、高圧法プロセスを用いるオレフィン重
合体の製造方法において、分子量が300〜1000で
ある成分の含有量が55重量%以下である油をコンプレ
ッサーの潤滑油として用い、前記潤滑油のコンプレッサ
ーへの注入量がオレフィン重合体の0.02〜0.7重
量%であるオレフィン重合体の製造方法に係るものであ
る。以下、本発明を詳細に説明する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明で用いられる高圧法プロセ
スとは、無溶媒で、高温高圧下で超臨界流体状態のオレ
フィンに、生成したオレフィン重合体が溶融した状態
で、オレフィンを重合させる重合法である。好ましく
は、高圧イオン重合法である。
【0009】本発明で用いられるオレフィンとしては、
炭素原子数2〜20個からなるオレフィン類が挙げら
れ、特にエチレン、炭素原子数3〜20のα−オレフィ
ン、炭素原子数4〜20のジオレフィン類等が挙げら
れ、これらを単独で用いてもよく、少なくとも2種を併
用してもよい。オレフィンとして、具体的には、エチレ
ン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン
−1、ヘプテン−1、オクテン−1、ノネン−1、デセ
ン−1等の直鎖状オレフィン類、3−メチルブテン−
1、3−メチルペンテン−1、4−メチルペンテン−
1、5−メチルヘキセン−1等の分岐オレフィン類、ビ
ニルシクロヘキサン等が挙げられる。共重合を行う時の
オレフィンの組み合わせとしては、具体的には、エチレ
ンとプロピレン、エチレンとブテン−1、エチレンとヘ
キセン−1、エチレンとオクテン−1、プロピレンとブ
テン−1等の組み合わせが挙げられる。
【0010】好ましくはエチレンとα−オレフィンの組
み合わせであり、例えば、エチレンと、プロピレン、ブ
テン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、オ
クテン−1等のα−オレフィンとの組み合わせである。
【0011】重合温度は、通常、0〜350℃であり、
好ましくは50〜300℃であり、より好ましくは13
0〜300℃である。
【0012】重合圧力は、通常、常圧〜350MPaで
あり、好ましくは30〜300MPaであり、より好ま
しくは50〜200MPaである。
【0013】反応器には、通常、攪拌式槽型反応器また
は管型反応器が使用できる。重合を単一反応域で行うこ
ともでき、1つの反応器を複数の反応帯域に区切って行
うこともでき、また、複数個の反応器を直列もしくは並
列に連結して行うこともできる。複数個の反応器を使用
する場合には、槽型−槽型または槽型−管型のいずれの
組み合わせでもよい。複数反応帯域または複数反応器で
重合させる方法では、反応帯域ごとに温度、圧力、ガス
組成を変えることにより、特性の異なるオレフィン重合
体を生産することができる。
【0014】重合時間は、一般的に、目的とするポリマ
ーの種類や反応装置により適宜決定され、通常、20秒
〜20時間の範囲で決めることができる。
【0015】コンプレッサーは圧力を常圧から350M
Paへ上昇させるため、コンプレッサーのシリンダーの
磨耗や焼き付きを防止するために、通常は潤滑油が注入
される。本発明で用いられる潤滑油は、分子量が300
〜1000である成分の含有量が55重量%以下である
油である。分子量が300〜1000である成分の含有
量として、好ましくは0〜45重量%であり、より好ま
しくは0〜30重量%である。分子量が300〜100
0である成分の含有量が、55重量%を超えた場合、得
られたオレフィン重合体を成形加工する時に、発煙が多
いことがある。
【0016】本発明で用いられる潤滑油のコンプレッサ
ーへの注入量は、オレフィン重合体の0.02〜0.7
重量%である。好ましくは0.07〜0.6重量%であ
り、より好ましくは0.07〜0.45重量%である。
潤滑油のコンプレッサーへの注入量がオレフィン重合体
の0.02重量%未満の場合、コンプレッサーのシリン
ダー寿命が低下したり、場合によってはシリンダーが焼
き付きプラントを停止せざるを得ないことがある。0.
7重量%を超えた場合、得られたオレフィン重合体を成
形加工する時に発煙が多いことがある。
【0017】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例に基づい
て説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもの
ではない。得られた重合体の評価は、以下の方法に従っ
て行った。 1.メルトフローレート(MFR、単位:g/10分) JIS−K7210に従い、温度190℃、荷重2.1
6kgで測定した。
【0018】2.密度(単位:kg/m3) 150℃でプレス成形して得られた厚さ1mmのシート
を用い、JIS−K6760に従って測定した。ただ
し、アニールせずに測定した。
【0019】3.スウェル比(SR) JIS K7210に従ってメルトフローレートを測定
するに際して(温度=190℃、荷重=2.16kg、
オリフィスの内径=2.1mm)、オリフィスから押出
される樹脂ストランドを冷却した後、ストランドの外径
とオリフィスの内径を測定し、ストランドの外径とオリ
フィスの内径との比(ストランドの外径/オリフィスの
内径)をスウェル比とした。
【0020】4.分子量が300〜1000である成分
の割合(単位:重量%) 下記装置を用いて下記条件で測定した分子量分布から求
めた。 装置:Waters Model 150C 条件 移動相:THF 流速:1ml/分 温度:40℃ 測定濃度:サンプル0.1g/THF100ml 注入量:100μl 検出器:示差屈折計 カラム:TOSOH TSKgel G6000+G5000+G4000+G3000HXL
【0021】5.発煙強度(単位:カウント/分) ユニオンプラスチック(株)製 30mmφシート加工
機(ダイス幅200mm,ダイリップ0.6mm)を使
用し、シリンダー先端温度290℃、押出量9kg/h
rの条件で、溶融樹脂を押し出し、発煙強度をカノマッ
クス製 デジタル粉塵計(モデル3411)によって測
定した。
【0022】6.押出ラミネート加工時の発煙性 厚み15μmの2軸延伸ナイロンフィルム基材上に、シ
リンダー先端温度310℃の条件で溶融混練した樹脂を
厚みが25μmになるように押出ラミネート加工を行な
い、発煙性を評価した。発煙の多いものを×、発煙の少
ないものを○とした。押出ラミネート加工は、住友重機
械工業(株)製マルチスロット方式Tダイスを有する65
mmφ共押出ラミネーターを使用し、冷却ロールにマッ
トロール(25℃)を装備し、加工速度80m/分の条
件で行なった。
【0023】実施例1 エチレンとヘキセン−1を連続的にコンプレッサーにて
昇圧し、内容積736リットルの攪拌翼付オートクレー
ブ型反応器へ供給、重合圧力を80MPa、重合温度を
240℃として重合を行った。コンプレッサーの潤滑油
として、分子量が300〜1000である成分の割合が
29重量%である出光興産(株)製 ダフニーホワイト
ハイパーS320を使用し、潤滑油の注入量がポリマー
の0.43重量%になるように注入した。オレフィン重
合体と未反応モノマーを連続的に分離し、未反応モノマ
ーは循環ラインを経て再度コンプレッサーにより昇圧し
反応器に投入した。MFRが15g/10分、密度が8
95kg/m3であるエチレン−ヘキセン−1共重合体
を製造した。評価結果を表1に示した。
【0024】実施例2 実施例1で得られたエチレン−ヘキセン−1共重合体7
0重量部と高圧ラジカル重合法低密度ポリエチレン(M
FR:5g/10分、SR:1.86)30重量部とを
単軸押出機で190℃にて溶融混合し、樹脂組成物を得
た。評価結果を表1に示した。
【0025】比較例1 コンプレッサーの潤滑油として、分子量が300〜10
00である成分の割合が66重量%である出光石油化学
(株)製 出光ポリブテンPB−10HSを使用し、潤
滑油の注入量がポリマーの0.85重量%となるように
注入した以外は実施例1と同様にしてエチレン−ヘキセ
ン−1共重合体を製造した。得られたエチレン−ヘキセ
ン−1共重合体のMFRは17g/10分であり、密度
は898kg/m3であった。評価結果を表1に示し
た。
【0026】比較例2 比較例1で得られたエチレン−ヘキセン−1共重合体7
0重量部と実施例2で使用した高圧ラジカル重合法低密
度ポリエチレン30重量部とを単軸押出機で190℃に
て溶融混合し、樹脂組成物を得た。評価結果を表1に示
した。
【0027】
【表1】
【0028】
【発明の効果】以上、詳述したとおり、本発明のオレフ
ィン重合体の製造方法によって、成形加工時に発煙が少
ないオレフィン重合体を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】高圧オレフィン重合法のプロセスフロー図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原田 嘉幸 千葉県市原市姉崎海岸5の1 住友化学工 業株式会社内 Fターム(参考) 4J011 AA05 AA10 AB04 DA02 DB32 DB35

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高圧法プロセスを用いるオレフィン重合体
    の製造方法において、分子量が300〜1000である
    成分の含有量が55重量%以下である油をコンプレッサ
    ーの潤滑油として用い、前記潤滑油のコンプレッサーへ
    の注入量がオレフィン重合体の0.02〜0.7重量%
    であることを特徴とするオレフィン重合体の製造方法。
  2. 【請求項2】高圧法プロセスが高圧イオン重合法である
    ことを特徴とする請求項1記載のオレフィン重合体の製
    造方法。
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