JP2003275615A - シュレッダダストの選別方法及び選別装置 - Google Patents

シュレッダダストの選別方法及び選別装置

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JP2003275615A
JP2003275615A JP2002082738A JP2002082738A JP2003275615A JP 2003275615 A JP2003275615 A JP 2003275615A JP 2002082738 A JP2002082738 A JP 2002082738A JP 2002082738 A JP2002082738 A JP 2002082738A JP 2003275615 A JP2003275615 A JP 2003275615A
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bulk magnet
dust
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JP2002082738A
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Hiroshi Nakazawa
廣 中澤
Yasuo Kudo
靖夫 工藤
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Japan Science and Technology Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シュレッダダストの選別性に優れ、また摩耗
部分を有せず耐久性に優れたシュレッダダストの選別方
法及び選別装置を提供する。 【解決手段】 磁石の前を通過する非金属又は非磁着金
属からなる被選別体であるシュレッダダスト(11,1
2)に発生する渦電流で発生する磁界と、磁石との間で
発生する磁力により、被選別体の移動方向に対する垂直
方向の力を作用させて偏向させることにより、被選別体
を、異なる位置に移動させて選別するもので、磁石を超
電導バルク磁石(10)で構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はシュレッダダストの
選別方法及び選別装置に係り、特に、磁石の前を通過す
る非金属又は非磁着金属(磁石に吸着しない金属をい
う)とからなる被選別体であるシュレッダダストに発生
する渦電流で発生する磁界と、磁石との間で発生する磁
力により、被選別体の移動方向に対する垂直方向の力を
作用させて偏向させることにより、被選別体を、その材
質によって異なる位置に移動させて選別するシュレッダ
ダストの選別方法及び選別装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、車両等の廃物を所定の大きさに裁
断して廃材とし、この廃材中から電磁石などで鉄,ニッ
ケル等の磁着材を取り除いた非金属,非磁着金属からな
る板状のシュレッダダストを非金属と各種金属とに分別
するため、渦電流式の選別装置が用いられている。
【0003】この渦電流式選別装置として、例えば、図
9に示すものがある。この渦電流式選別装置100は、
例えば0.2〜0.3テスラ(T)の永久磁石111,
112を、その磁極が交互になるよう円筒状に組み合わ
せた永久磁石円筒110の周囲にベルトコンベア120
のベルト121を巻きかけ配置して構成したものであ
る。
【0004】この渦電流式選別装置100では、永久磁
石円筒110を高速に回転させ、ベルトコンベア120
のベルト121を永久磁石円筒110の周速度より遅い
速度で移動させ、シュレッダダストが永久磁石円筒11
0上を通過するものとしている。このような渦電流式選
別装置100では、ベルト121に載せられたシュレッ
ダダストのうち導電体のダスト102には永久磁石円筒
110の回転による交番磁界中を通過するため渦電流が
発生し、この渦電流によってダスト102中に生じる磁
力による反発力で永久磁石円筒110に対して離れる方
向に加速される。このため、ダスト102は、ベルト1
21の反転位置から離れて落下する。
【0005】これに対して、非導電体のダスト103に
は渦電流は発生しないため、ダスト103はベルトの反
転位置からそのまま下方に落下する。
【0006】そして、この選別装置100では、仕切板
130で2種類のダスト102,103を選別するよう
にしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
渦電流式シュレッダダストの選別装置は、通常の永久磁
石を使用しているため、磁力が小さく、渦電流の発生も
少なく反発力が弱いため、小さなダストに対応できず、
また、永久磁石を使用した円筒は高速で回転しているた
め、反発方向が安定せず、安定した分別を行なえないと
いう問題がある。
【0008】さらに、永久磁石円筒を高速回転駆動させ
ているため、ベルトコンベアと永久磁石円筒との間で摩
耗が生じ耐久性に劣るという問題がある。
【0009】本発明は、このような実情に鑑みなされた
ものであって、被選別体の選別性に優れ、また摩耗部分
を有せず耐久性に優れたシュレッダダストの選別方法及
び選別装置を提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】そこで本発明は強力な超
電導バルク磁石を用い、被選別体の選別性に優れるよう
にするとともに、磁石を移動させないようにして装置の
消耗を減少させることができるシュレッダダストの選別
方法及び選別装置を実現した。
【0011】即ち、本発明に係るシュレッダダストの選
別方法は、磁石の前を通過する非金属又は非磁着金属か
らなる被選別体であるシュレッダダストに発生する渦電
流で発生する磁界と、前記磁石との間で発生する磁力に
より、該被選別体の移動方向に対する垂直方向の力を作
用させて偏向させることにより、被選別体を、異なる位
置に移動させて選別するシュレッダダストの選別方法に
おいて、磁石を超電導バルク磁石としたことを特徴とす
る。
【0012】また、本発明に係るシュレッダダストの選
別方法は、シュレッダダストはその移動された位置に基
づいて、非金属及び非磁着金属の種類を選別されること
を特徴とする。
【0013】さらに、本発明に係るシュレッダダストの
選別方法は、シュレッダダストは超電導バルク磁石の近
傍を順次自由落下させられることを特徴とする。
【0014】またさらに、本発明に係るシュレッダダス
トの選別方法は、シュレッダダストが傾斜面を滑り落
ち、超電導バルク磁石の磁界範囲に所定速度で進入する
ことを特徴とする。
【0015】さらに、本発明に係るシュレッダダストの
選別方法は、超電導バルク磁石の磁界範囲で所定の速度
を有するよう調整されることを特徴とする。
【0016】またさらに、本発明に係るシュレッダダス
トの選別方法は、シュレッダダストは、超電導バルク磁
石の磁界範囲に選択した任意の速度で入射されることを
特徴とする。
【0017】そして、本発明に係るシュレッダダストの
選別方法は、超電導バルク磁石の磁力が1テスラ(T)
以上であることを特徴とする。
【0018】また、本発明に係るシュレッダダストの選
別装置は、磁石の前を通過する非金属又は非磁着金属か
らなる被選別体であるシュレッダダストに発生する渦電
流で発生する磁界と、前記磁石との間で発生する磁力に
より、該被選別体の移動方向に対する垂直方向の力を作
用させて偏向させることにより、被選別体を、異なる位
置に移動させて選別するシュレッダダストの選別装置に
おいて、磁石を超電導バルク磁石としたことを特徴とす
る。
【0019】また、本発明に係るシュレッダダストの選
別装置は、シュレッダダストをその移動された位置に基
づいて、非金属及び非磁着金属の種類毎に仕切る仕切板
を備えたことを特徴とする。
【0020】さらに、本発明に係るシュレッダダストの
選別装置は、シュレッダダストを超電導バルク磁石の近
傍を自由落下させる落下手段を備えたことを特徴とす
る。
【0021】またさらに、本発明に係るシュレッダダス
トの選別装置は、シュレッダダストを滑落させる傾斜面
を備え、超電導バルク磁石の磁界範囲に所定速度でシュ
レッダダストを進入させることを特徴とする。
【0022】さらにまた、本発明に係るシュレッダダス
トの選別装置は、超電導バルク磁石の磁界範囲で所定の
速度を有するよう調整する速度調整手段を備えたことを
特徴とする。
【0023】また、本発明に係るシュレッダダストの選
別装置は、シュレッダダストを、超電導バルク磁石の磁
界範囲に選択した任意の速度で入射させる入射手段を備
えたことを特徴とする。
【0024】そして、シュレッダダストの選別装置は、
その超電導バルク磁石の磁力が1テスラ(T)以上であ
ることを特徴とする。
【0025】本発明に係るシュレッダダストの選別方法
及び選別装置は、磁石を超電導バルク磁石としたから、
強力な磁場の作用により、図1(1)に示すように、導
電体であるダスト11には超電導バルク磁石10による
直流磁界中を通過するため渦電流が発生し、該渦電流に
よってダスト11中に生じる磁力による反発力で超電導
バルク磁石に対して離れる方向に加速される。このた
め、ダスト11は図1(1)に示すように超電導バルク
磁石10から離れて落下する。
【0026】この際、同じ大きさ(例えば同じ幅×長さ
×厚さ)のダスト11が受ける反発力F(図1(1))
は、渦電流の強さに比例する。即ち、前記反発力Fは超
電導バルク磁石10の磁力の大きさ,ダストの通過速度
及びその物質の電気伝導率σに比例する。ダスト11の
質量はダスト11の密度ρに比例する。従って、理論的
には、同じ大きさのダスト11の偏向距離d(図1
(1))は値(σ/ρ)に比例することになる。
【0027】これにより、ダストの偏向距離dを区別す
ることにより、各種の被選別体を分別できることができ
る。表1に、被選別体としての金属であるアルミニウム
(Al),銅(Cu)及び亜鉛(Zn)のそれぞれの電
気伝導率σ,密度ρ及び値(σ/ρ)を示す。
【0028】
【表1】
【0029】表1によれば、値(σ/ρ)はAl(1
3)>Cu(6.6)>Zn(2.4)であるから、同
じ大きさのダストの偏向距離dはAl>Cu>Znとな
る。
【0030】これに対して、図1(2)に示すように、
非導電体のダスト12には渦電流は発生しないため、ダ
スト12の反転位置からそのまま下方に落下する。これ
により上記各金属の偏向距離dの違いで金属を区別で
き、また、非導電体例えばプラスチックとを選別でき
る。
【0031】そして、仕切板を設けた本発明によれば前
記偏向距離dによって、各種材質のダストを容易に選別
できる。
【0032】また、超電導バルク磁石の磁力は1テスラ
(T)以上であれば、金属及び非導電体の選別が確実に
できることが、本願発明者の実験で明らかとなった。
【0033】また、シュレッダダストを自由落下により
超電導バルク磁石近傍を通過させる本発明によれば、大
がかりな装置を必要とせず、シュレッダダストをして超
電導バルク磁石近傍を通過させシュレッダダストを選別
できる。また、シュレッダダストの超電導バルク磁石近
傍の通過速度もシュレッダダストの落下開始位置を調整
するだけで容易に行なえる。
【0034】さらに、傾斜面上でシュレッダダストを滑
落させる本発明にあっては、傾斜面に沿ってシュレッダ
ダストを進入させることができるのでシュレッダダスト
の超電導バルク磁石に対する姿勢を一定のものとでき
る。
【0035】また、速度調整手段を設けた本発明にあっ
ては、シュレッダダストの超電導バルク磁石近傍の通過
速度を自由に選定でき、最適な選別を行なうことができ
る。速度調整手段としてシュレッダダスト落下開始位置
を変化させる落下高さ変更装置を使用することが有効で
ある。
【0036】そして、シュレッダダストの入射手段を備
えた本発明によれば、シュレッダダストの超電導バルク
磁石近傍の通過速度を自由に選定でき、最適な選別を行
なうことができる。入射手段としてシュレッダダストを
空気圧射出し、または機械的に射出する装置を使用する
ことができる。本発明によれば、水平方向からシュレッ
ダダストを超電導バルク磁石近傍に通過させることがで
き、装置設計の自由度が増す。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態に係る
シュレッダダストの選別方法及び選別装置を添付図面に
基づいて説明する。実施の形態に係る選別方法は、実施
の形態に係る選別装置によって実現されるので、選別装
置の作用において説明する。
【0038】図2は本発明に係るシュレッダダストの選
別装置を実施する形態の一例を示す側面図である。本装
置は、非金属,非磁着体である板状のシュレッダダスト
を連続して各種別に選別するものである。このシュレッ
ダダストの選別装置20は、基台21上に立設された支
持台22に超電導バルク磁石装置40を配置し、超電導
バルク磁石装置40の上方に、シュレッダダストを連続
的に超電導バルク磁石装置40の近傍に落下させるフィ
ーダーであるベルトコンベア30を配置してなるもので
ある。
【0039】また、シュレッダダストの選別装置20の
基台21には仕切板50として第1乃至第3の板51,
52,53がそれぞれ超電導バルク磁石装置40の端面
41から距離d1,d2,d3(d1<d2<d3)だ
け離間して配置されている。このようにして、支持台2
2及びこれらの板51,52,53の間に第1乃至第4
の蓄留室61,62,63,64が形成される。尚、仕
切板の枚数は3枚に限られず適宜変更することができ
る。また、本例では、支持台22を調整することによ
り、ベルトコンベア30と超電導バルク磁石装置40と
の高さh1及び超電導バルク磁石装置40と仕切板50
の頂点との距離h2を可変としている。
【0040】また、本例ではベルトコンベア30の転向
地点、すなわちシュレッダダストの落下開始位置31付
近から超電導バルク磁石装置40の配置された個所まで
はシュレッダダストの落下姿勢を超電導バルク磁石装置
40に対面保持させるように、支持台22との間を幅狭
に、また、その下方は仕切板50を囲うカバー部材60
を設けている。
【0041】本例では、超電導バルク磁石装置40は真
空容器43を備え、その端面41に超電導バルク磁石4
2が配置され、この超電導バルク磁石42を低温(60
K)に保つ図示外の冷却装置が設けられている。
【0042】また、本例では超電導バルク磁石42はY
SAgO45で形成され、直径50mm、1.7Tのも
のを用いている。尚、この超電導バルク磁石42は、こ
の例に限られず、他の材質を用いたものであってもよい
し、その磁力もより強力なものとすることができる。
【0043】また、本例では、前記高さh1,距離h
2、距離d1,d2,d3の値は、選別の目的により実
験の結果により設定すればよい。
【0044】従って、本例に係るシュレッダダストの選
別装置20によれば、ベルトコンベア30から落下した
各種のシュレッダダストは、超電導バルク磁石42の強
力な磁場の作用を受ける。このため上述したように、導
電体であるダスト11には超電導バルク磁石42による
直流磁界中を通過するため渦電流が発生し、この渦電流
によってダスト11中に生じる磁力による反発力で超電
導バルク磁石に対して離れる方向に加速される。このた
め、ダスト11は図1(1)に示すように超電導バルク
磁石10から離れて落下する。
【0045】この際、偏向距離d(図1(1))は材質
により異なることとなり、シュレッダダストが仕切板5
0により仕切られて選別される。
【0046】これにより、プラスチック等の非金属及び
各種の金属を分別することができる。例えば、プラスチ
ック,アルミニウム(Al),銅(Cu)及び亜鉛(Z
n)を選別しようとすると、同じ大きさのシュレッダダ
ストの偏向距離dはプラスチック<Zn<Cu<Alと
なる。
【0047】このため、プラスチックは第1の蓄留室6
1に、亜鉛は第2の蓄留室62に、銅は第3の蓄留室6
3に、アルミニウムは第4の蓄留室64に入り込んで選
別される。
【0048】従って、本例によれば、金属の種類による
選別性に優れ、また摩耗部分を有せず耐久性に優れる
他、大がかりな装置を必要とせず、シュレッダダストを
選別できる。また、シュレッダダストの超電導バルク磁
石近傍の通過速度もシュレッダダストの落下開始位置を
調整するだけで容易に行なえる。
【0049】尚、本発明のシュレッダダストの選別装置
は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本
発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え
得ることは勿論である。
【0050】すなわち、上述したシュレッダダストの選
別装置ではシュレッダダストは自由落下させるようにし
たが、シュレッダダストを傾斜面上で滑落させ、超電導
バルク磁石近傍を通過させることができる。この例にあ
っては、傾斜面に沿ってシュレッダダストを進入させる
ことができるのでシュレッダダストの超電導バルク磁石
に対する姿勢を一定にすることができ、選別の確実性を
向上させることができる。
【0051】また、シュレッダダストを空気圧や、機械
的に射出する装置を使用することができる。本発明によ
れば、水平方向からシュレッダダストを超電導バルク磁
石近傍に通過させることができ、装置設計の自由度が増
す。
【0052】
【実施例】以下、本発明に係るシュレッダダストの選別
方法の実施例を説明する。本実施例は、前述したシュレ
ッダダストの選別装置を用い、シュレッダダスト試料と
して、20×20×1mmの銅,亜鉛,アルミニウム,
プラスチックの板、10×10×1mmの各材質の板を
用いた。超電導バルク磁石の磁場強度は1.7Tであ
る。
【0053】そして、下記の実験を行なった。各実験で
は、ベルトコンベア30と超電導バルク磁石装置40と
の高さh1(フィーダー高さ)を適宜定め、超電導バル
ク磁石装置40と仕切板50の頂点との距離h2(落下
距離)を適宜定め、各場合で、それぞれ50枚落下さ
せ、その偏向距離dを測定し解析した。
【0054】(実験例1)図3は、板形20×20×1
mmの銅,亜鉛,アルミニウム,プラスチックについて
行なった実験の落下頻度と偏向距離との関係を示すグラ
フであり、h1=13cm,h2=10cmの場合を示
すものである。
【0055】この結果によれば、h1が小さくても、非
金属と金属とを容易に選別することができることがわか
る。
【0056】(実験例2)図4は、板形20×20×1
mmの銅,亜鉛,アルミニウムについて行なった実験の
落下頻度と偏向距離との関係を示すグラフであり、h1
=50cm,h2=60cmの場合を示すものである。
【0057】この結果によれば、この条件では、銅とア
ルミニウムとの重複が多少認められるものの、銅,亜
鉛,アルミニウムとをある程度選別できることがわか
る。特に、亜鉛と他の金属とを明瞭に選別することがで
きることがわかる。
【0058】(実験例3)図5は、板形20×20×1
mmの銅,亜鉛,アルミニウムについて行なった実験の
落下頻度と偏向距離との関係を示すグラフであり、h1
=100cm,h2=60cmの場合を示すものであ
る。
【0059】この結果によれば、この条件では、かなり
明瞭に亜鉛,銅及びアルミニウムを選別することができ
ることがわかる。
【0060】(実験例4)図6は、板形10×10×1
mmの銅,亜鉛,アルミニウムについて行なった実験の
落下頻度と偏向距離との関係を示すグラフであり、h1
=13cm,h2=60cmの場合を示すものである。
【0061】この結果によれば、h1が小さくても、非
金属と金属とを容易に選別することができることがわか
る。
【0062】(実験例5)図7は、板形10×10×1
mmの銅,亜鉛,アルミニウムについて行なった実験の
落下頻度と偏向距離との関係を示すグラフであり、h1
=50cm,h2=60cmの場合を示すものである。
【0063】この結果によれば、この条件では、亜鉛と
他の金属とを選別することができるが、アルミニウムの
ばらつきがやや大きく、選別精度が低いことがわかる。
アルミニウムは比重が小さく空気抵抗の影響を受けたも
のと考えられる。
【0064】(実験例6)図8は、板形10×10×1
mmの銅,亜鉛,アルミニウムについて行なった実験の
落下頻度と偏向距離との関係を示すグラフであり、h1
=100cm,h2=60cmの場合を示すものであ
る。
【0065】この結果によれば、この条件では、銅とア
ルミニウムとの重複が多少認められるものの、銅,亜
鉛,アルミニウムとをある程度選別できることがわか
る。特に、亜鉛と他の金属とを明瞭に選別することがで
きることがわかる。
【0066】上記各実験を総合すると、非金属であるプ
ラスチックと金属とは容易に選別でき、さらに金属を精
度よく選別するためには、超電導バルク磁石近傍の通過
速度を速くし(h1を大きくする)、偏向後の落下距離
(h2)を大きくすればよいことがわかる。また、シュ
レッダダストをあまり小さくすると選別精度は低下傾向
にあるが、上記の通過速度や偏向後の落下距離の調整、
あるいは、超電導バルク磁石の磁場強度を更に上げるこ
と等、条件設定により、選別精度を向上させることは容
易である。
【0067】
【発明の効果】以上、説明したように本発明に係るシュ
レッダダストの選別方法及び選別装置によれば以下の効
果を奏する。
【0068】本発明に係るシュレッダダストの選別方法
及び選別装置は、磁石を超電導バルク磁石としたから、
強力な磁場の作用により、非導電体例えばプラスチック
及び非磁着金属の種類を良好に選別できる。
【0069】また、シュレッダダストを自由落下により
超電導バルク磁石近傍を通過させる本発明によれば、大
がかりな装置を必要とせず、シュレッダダストをして超
電導バルク磁石近傍を通過させシュレッダダストを選別
できる。また、シュレッダダストの超電導バルク磁石近
傍の通過速度もシュレッダダストの落下開始位置を調整
するだけで容易に行なえる。
【0070】さらに、傾斜面上でシュレッダダストを滑
落させる本発明にあっては、傾斜面に沿ってシュレッダ
ダストを進入させることができるのでシュレッダダスト
の超電導バルク磁石に対する姿勢を一定のものとでき
る。
【0071】また、速度調整手段を設けた本発明にあっ
ては、シュレッダダストの超電導バルク磁石近傍の通過
速度を自由に選定でき、最適な選別を行なうことができ
る。
【0072】さらに、シュレッダダストの入射手段を備
えた本発明によれば、シュレッダダストの超電導バルク
磁石近傍の通過速度を自由に選定でき、最適な選別を行
なうことができる。
【0073】そして、超電導バルク磁石の磁力が1テス
ラ(T)以上ある本発明によれば、金属及び非導電体の
選別が精度よく行なえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るシュレッダダストの選別方法及び
選別装置の作動原理を示す図であり、(1)は導電体、
(2)は非導電体の場合を示す図である。
【図2】本発明に係るシュレッダダストの選別装置の構
成を示す図である。
【図3】図2に示した選別装置による板形20×20×
1mmの銅,亜鉛,アルミニウム,プラスチックについ
て行なった実験の落下頻度と偏向距離との関係を示すグ
ラフであり、フィーダーの高さ13cm,落下距離10
cmの場合を示すものである。
【図4】図2に示した選別装置による板形20×20×
1mmの銅,亜鉛,アルミニウムについて行なった実験
の落下頻度と偏向距離との関係を示すグラフであり、フ
ィーダーの高さ50cm,落下距離60cmの場合を示
すものである。
【図5】図2に示した選別装置による板形20×20×
1mmの銅,亜鉛,アルミニウムについて行なった実験
の落下頻度と偏向距離との関係を示すグラフであり、フ
ィーダーの高さ100cm,落下距離60cmの場合を
示すものである。
【図6】図2に示した選別装置による板形10×10×
1mmの銅,亜鉛,アルミニウム,プラスチックについ
て行なった実験の落下頻度と偏向距離との関係を示すグ
ラフであり、フィーダーの高さ13cm,落下距離60
cmの場合を示すものである。
【図7】図2に示した選別装置による板形10×10×
1mmの銅,亜鉛,アルミニウムについて行なった実験
の落下頻度と偏向距離との関係を示すグラフであり、フ
ィーダーの高さ50cm,落下距離60cmの場合を示
すものである。
【図8】図2に示した選別装置による板形10×10×
1mmの銅,亜鉛,アルミニウムについて行なった実験
の落下頻度と偏向距離との関係を示すグラフであり、フ
ィーダーの高さ100cm,落下距離60cmの場合を
示すものである。
【図9】従来のシュレッダダストの選別装置を示す図で
ある。
【符号の説明】
10 超電導バルク磁石 11 ダスト 12 ダスト 20 選別装置 21 基台 22 支持台 30 ベルトコンベア 31 落下開始位置 40 超電導バルク磁石装置 41 端面 42 超電導バルク磁石 43 真空容器 50 仕切板 51 板 52 板 53 板 60 カバー部材 61 蓄留室 62 蓄留室 63 蓄留室 64 蓄留室

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁石の前を通過する非金属又は非磁着金
    属からなる被選別体であるシュレッダダストに発生する
    渦電流で発生する磁界と、前記磁石との間で発生する磁
    力により、該被選別体の移動方向に対する垂直方向の力
    を作用させて偏向させることにより、被選別体を、異な
    る位置に移動させて選別するシュレッダダストの選別方
    法において、 磁石を超電導バルク磁石としたことを特徴とするシュレ
    ッダダストの選別方法。
  2. 【請求項2】 シュレッダダストはその移動された位置
    に基づいて、非金属及び非磁着金属の種類を選別される
    ことを特徴とする請求項1記載のシュレッダダストの選
    別方法。
  3. 【請求項3】 シュレッダダストは超電導バルク磁石の
    近傍を順次自由落下させられることを特徴とする請求項
    1又は請求項2記載のシュレッダダストの選別方法。
  4. 【請求項4】 シュレッダダストは、傾斜面を滑り落
    ち、超電導バルク磁石の磁界範囲に所定速度で進入する
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のシュレッ
    ダダストの選別方法。
  5. 【請求項5】 超電導バルク磁石の磁界範囲で所定の速
    度を有するよう調整されることを特徴とする請求項1,
    請求項2又は請求項3記載のシュレッダダストの選別方
    法。
  6. 【請求項6】 シュレッダダストは、超電導バルク磁石
    の磁界範囲に選択した任意の速度で入射されることを特
    徴とする請求項1,請求項2,請求項3,請求項4又は
    請求項5記載のシュレッダダストの選別方法。
  7. 【請求項7】 超電導バルク磁石の磁力は1テスラ
    (T)以上であることを特徴とする請求項1,請求項
    2,請求項3,請求項4,請求項5又は請求項6記載の
    シュレッダダストの選別方法。
  8. 【請求項8】 磁石の前を通過する非金属又は非磁着金
    属からなる被選別体であるシュレッダダストに発生する
    渦電流で発生する磁界と、前記磁石との間で発生する磁
    力により、該被選別体の移動方向に対する垂直方向の力
    を作用させて偏向させることにより、被選別体を、異な
    る位置に移動させて選別するシュレッダダストの選別装
    置において、 磁石を超電導バルク磁石としたことを特徴とするシュレ
    ッダダストの選別装置。
  9. 【請求項9】 シュレッダダストをその移動された位置
    に基づいて、非金属及び非磁着金属の種類毎に仕切る仕
    切板を備えたことを特徴とする請求項8記載のシュレッ
    ダダストの選別装置。
  10. 【請求項10】 シュレッダダストを超電導バルク磁石
    の近傍を順次自由落下させる落下手段を備えたことを特
    徴とする請求項8又は請求項9記載のシュレッダダスト
    の選別装置。
  11. 【請求項11】 シュレッダダストを滑落させる傾斜面
    を備え、超電導バルク磁石の磁界範囲に所定速度でシュ
    レッダダストを進入させることを特徴とする請求項8又
    は請求項9記載の選別装置。
  12. 【請求項12】 超電導バルク磁石の磁界範囲で所定の
    速度を有するよう調整する速度調整手段を備えたことを
    特徴とする請求項8,請求項9又は請求項10記載のシ
    ュレッダダストの選別装置。
  13. 【請求項13】 シュレッダダストを超電導バルク磁石
    の磁界範囲に選択した任意の速度で入射させる入射手段
    を備えたことを特徴とする請求項8,請求項9,請求項
    10,請求項11又は請求項12記載のシュレッダダス
    トの選別装置。
  14. 【請求項14】 超電導バルク磁石の磁力は1テスラ
    (T)以上であることを特徴とする請求項8,請求項
    9,請求項10,請求項11,請求項12又は請求項1
    3記載のシュレッダダストの選別装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109013053A (zh) * 2018-09-03 2018-12-18 张家港市智周工业技术有限公司 一种汽车涂装厂前处理线电泳吸铁粉磁棒

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