JP2003275208A - 骨密度測定装置 - Google Patents

骨密度測定装置

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JP2003275208A
JP2003275208A JP2002080396A JP2002080396A JP2003275208A JP 2003275208 A JP2003275208 A JP 2003275208A JP 2002080396 A JP2002080396 A JP 2002080396A JP 2002080396 A JP2002080396 A JP 2002080396A JP 2003275208 A JP2003275208 A JP 2003275208A
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Japan
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sensor
bone
ultrasonic sensor
sound
bone density
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JP2002080396A
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English (en)
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Takeki Matsuzaki
雄樹 松崎
Kenji Furuhata
建治 降旗
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RAKKEN KK
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RAKKEN KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】骨部内のみの音速を的確に検出して実用面での
骨密度を正確に測定するとともに、一般の人でも容易か
つ手軽に測定できるようにする。 【解決手段】腕部Aの長手方向における所定位置Kaの
骨部B及び肉部Fが存在する部位の音の伝搬時間taを
検出する第一超音波センサ2と、所定位置Kbにおける
肉部Fのみが存在する部位の音の伝搬時間tbを検出す
る第二超音波センサ3と、所定位置Kcにおける皮膚部
Sと骨部B間の音の伝搬時間tfを検出する第三超音波
センサ4と、所定位置Xdにおける腕部Aの太さLmを
検出する測距センサ5と、各センサ2,3,4,5の検
出値を演算処理して骨部B内の音速を求める演算処理部
6を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超音波センサによ
り骨部内の音速を検出し、検出した音速に基づいて骨密
度を測定する骨密度測定装置に関する。
【0002】
【従来技術及び課題】一般に、人体の骨部の診断には、
X線,音響振動,超音波などが用いられており、特に、
現在では、照射による障害の無い超音波を用いた測定方
法が注目されている.超音波を用いた骨部の評価方法と
しては、踵骨部内の音速と減衰率から骨部を評価するSp
eed of Sound and Broadband Attenuation法や音響イン
ピーダンスを測定するインピーダンス法などが提案され
ている。
【0003】しかし、骨部は肉部の内部に存在するた
め、皮膚部の上から測定する場合には、肉部の影響を排
除できず、結局、従来の測定方法では、測定原理として
は有効であっても、実用に供するためには、解決すべき
課題も残されており、従来より、骨部内のみの音速を的
確に検出して骨密度を正確に測定でき、かつ一般の人で
あっても容易かつ手軽に測定することができる骨密度測
定装置の実用化が要請されていた。
【0004】本発明は、このような従来の要請に応えた
ものであり、骨部内のみの音速を的確に検出して実用面
での骨密度を正確に測定できるとともに、一般の人でも
容易かつ手軽に測定することができる骨密度測定装置の
提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段及び実施の形態】本発明
は、超音波センサ2…により骨部B内の音速を検出し、
検出した音速に基づいて骨密度を測定する骨密度測定装
置1を構成するに際して、腕部Aの長手方向における所
定位置Kaの骨部B及び肉部Fが存在する部位の音の伝
搬時間taを検出する第一超音波センサ2と、所定位置
Kbにおける肉部Fのみが存在する部位の音の伝搬時間
tbを検出する第二超音波センサ3と、所定位置Kcに
おける皮膚部Sと骨部B間の音の伝搬時間tfを検出す
る第三超音波センサ4と、所定位置Xdにおける腕部A
の太さLmを検出する測距センサ5と、各センサ2,
3,4,5の検出値を演算処理して骨部B内の音速を求
める演算処理部6を備えることを特徴とする。
【0006】この場合、好適な実施の形態により、骨密
度測定装置1は、相対向する一対のセンサ支持部11,
12を備え、少なくとも一方のセンサ支持部11を他方
のセンサ支持部12に対して進退変位可能に構成し、か
つ一対のセンサ支持部11と12間に、手のひらがセン
サ支持部11,12に対して平行状態となる腕部Aを収
容可能に構成するとともに、一方のセンサ支持部11
に、少なくとも第一超音波センサ2及び第二超音波セン
サ3の発信部2t,3tを取付け、かつ他方のセンサ支
持部12に、少なくとも第一超音波センサ2及び第二超
音波センサ3の受信部2r,3rを取付けて構成でき
る。また、測距センサ5を、空間における音の伝搬時間
toを検出する第四超音波センサ5sにより構成し、一
方のセンサ支持部11に、第四超音波センサ5sの発信
部5stを取付け、かつ他方のセンサ支持部12に、第
四超音波センサ5sの受信部5srを取付けて構成でき
る。さらに、第三超音波センサ4は、発信部4tを腕部
Aの横方であって骨部Bに対して斜め上方(又は斜め下
方)に配し、かつ受信部4rを腕部Aの横方であって骨
部Bに対して斜め下方(又は斜め上方)に配して構成で
きる。
【0007】
【実施例】次に、本発明に係る好適な実施例を挙げ、図
面に基づき詳細に説明する。
【0008】まず、本実施例に係る骨密度測定装置1の
構成について、図1及び図2、さらには図8を参照して
説明する。
【0009】図1は、骨密度測定装置1におけるセンシ
ング部10を示す。センシング部10は、上下に相対向
する一対のセンサ支持部11,12を備え、下側のセン
サ支持部12は固定盤(基盤)になるとともに、上側の
センサ支持部11は可動盤となる。この場合、センサ支
持部12の上面における一端寄りには、リフト機構13
を設置し、このリフト機構13から上方に突出して昇降
する昇降部14の上端に、センサ支持部11の一端寄り
を固定する。これにより、リフト機構13を駆動制御す
れば、センサ支持部11を昇降させることができる。し
たがって、一方のセンサ支持部11は、他方のセンサ支
持部12に対して進退変位可能に支持されることにな
る。なお、15はセンサ支持部11をガイドするリニア
ガイドレールである。
【0010】また、上側のセンサ支持部11の下面に
は、第一超音波センサ2,第二超音波センサ3及び第四
超音波センサ5s(測距センサ5)の発信部2t,3t
及び5stを配設するとともに、下側のセンサ支持部1
2の上面には、各発信部2t,3t及び5stに対向す
る第一超音波センサ2,第二超音波センサ3及び第四超
音波センサ5sの受信部2r,3r及び5srを配設す
る。これにより、各超音波センサ2,3,5sは、透過
型センサとして機能する。この場合、各センサ支持部1
1,12には、被測定者の腕部Aを位置決めするガイド
部16,17をそれぞれ取付け、このガイド部16,1
7に、各発信部2t,3t及び5stと各受信部2r,
3r及び5srを埋込むことができる。このような構成
により、手のひらがセンサ支持部11,12に対して平
行状態となる腕部Aを、当該センサ支持部11と12間
に収容できる。なお、手のひらの向きや腕部Aの位置
は、必要により案内表示することが望ましい。一方、リ
フト機構13の側面には、第三超音波センサ4の発信部
4t及び受信部4rを配設する。この第三超音波センサ
4は、反射型センサとして機能する。
【0011】各超音波センサ2,3,4及び5sの位置
関係は次のようになる。各超音波センサ2,3,4及び
5sは、腕部Aの長手方向における所定位置Ka,K
b,Kc及びKdにそれぞれ配設する。所定位置Ka,
Kb,Kc及びKdは、長手方向において一致すること
が望ましいが、必ずしも一致しなければならないもので
はない。また、腕部Aの幅方向における位置は、次のよ
うになる。まず、第一超音波センサ2は、図1に示すよ
うに、ガイド部16,17により位置決めされた腕部A
における橈骨部Baの略中央、即ち、骨部B及び肉部F
が存在する部位における音(超音波)の伝搬時間taを
検出できる位置を選定する。第二超音波センサ3は、肉
部Fのみが存在する部位における音(超音波)の伝搬時
間tbを検出できる位置を選定する。第三超音波センサ
4は、皮膚部Sと骨部B(橈骨部Ba)間の音(超音
波)の伝搬時間tfを検出するものであり、発信部4t
から45°斜め下方に出射した超音波が、橈骨部Baに
当たった後、45°斜め下方に反射して受信部4rによ
り受信されるように、発信部4tを腕部Aの横方であっ
て橈骨部Baに対して斜め上方に配設するとともに、受
信部4rを腕部Aの横方であって橈骨部Baに対して斜
め下方に配設する。また、第四超音波センサ5sは、図
1に示すように、腕部Aの存在しない空間における音
(超音波)の伝搬時間toを検出できる位置を選定す
る。
【0012】検出に用いる各超音波センサ2…は、小型
で、皮膚部Sと空気に整合がとれるものが必要であり、
実施例は、空中超音波用のトランスデューサである
(株)村田製作所製の「MA400A1(商品名)」を
使用した。なお、インピーダンスアナライザにより、こ
のトランスデューサの検知面に空気が接した状態でのイ
ンピーダンス特性を測定した結果、共振周波数は401
〔kHz〕、共振の鋭さはQ=46であった。
【0013】他方、図2は、本実施例に係る骨密度測定
装置1の全体を示すブロック系統図(ハードウェア)で
ある。同図には、上述した第一超音波センサ2のみを示
すが、他の超音波センサ3,4及び5sも同様に接続さ
れる。20は、演算処理部6として機能するコンピュー
タシステムであり、コンピュータ処理部21を備えると
ともに、プログラムを格納したメモリ部22及びデータ
ベースを記憶したメモリ部23等を備える。また、コン
ピュータ処理部21には、不図示のインタフェースを介
してディスプレイ40(図8参照)をはじめ、プリンタ
及び通信部等が接続される。一方、24は、パルス幅
1.25〔μs〕のパルス波(超音波)を発信するパル
スゼネレータであり、このパルス波は、第一超音波セン
サ2の発信部2tに付与されるとともに、トリガとして
コンピュータ処理部21に付与される。そして、受信部
2rのアナログ出力信号は、アンプ25,A/D変換器
26を介して、コンピュータ処理部21に取り込まれ
る。
【0014】このような本実施例に係る骨密度測定装置
1は、図8に示す健診装置Mの一部として利用できる。
この健診装置Mは、骨密度の他、疲労度,血圧,脈波,
体脂肪,体重等を集中的に測定できるものであり、測定
用イス30を備える。この測定用イス30は、被測定者
が着座できる着座部31を備えるとともに、この着座部
31の後側に背凭れ部32を、前側にフットレスト33
を、左側にアームレスト34を、右側にアームレスト3
5をそれぞれ備える。以上により、イス本体部36を構
成し、このイス本体部36は、ベース部37の上面に設
置する。一方、左側のアームレスト34の上面には、セ
ンシングユニット38を付設し、このセンシングユニッ
ト38に前述したセンシング部10を配設する。センシ
ングユニット38は、背凭れ部32に対向する面に、開
口部を有し、着座部31に座った被測定者の腕部Aを挿
入できる。他方、右側のアームレスト35には、タッチ
パネル39を付設したディスプレイ40を配設するとと
もに、このアームレスト35の前面パネルを利用して、
上からコイン投入口41,コイン返却口42,記録シー
トPを排出する記録シート排出口43を配設する。さら
に、背凭れ部32の上端には、ヘッドレスト形に構成し
た疲労度を測定するための疲労度用検出部44を配設す
る。
【0015】次に、本実施例に係る骨密度測定装置1の
使用方法(測定方法)及び動作について、図1〜図7を
参照して説明する。
【0016】まず、センサ支持部11は、図1に仮想線
で示すリリース位置まで上昇させておく。この状態で、
被測定者は、腕部Aをセンサ支持部11と12の間に収
容し、ガイド部17の上にセットする。この際、腕部A
は、手のひらがセンサ支持部11…に対して平行状態と
なるように留意する。そして、リフト機構13を駆動制
御してセンサ支持部11を下降させ、ガイド部16と1
7により腕部Aを挟む。なお、ガイド部16には、腕部
Aに当接したことを検知してリフト機構13の下降を停
止させる不図示のタッチスイッチが付設されている。
【0017】この場合、測定部位は、手首付近において
骨密度測定に用いられる橈骨部Baとなる。橈骨部Ba
の測定では、一般に、橈骨部中央部,橈骨部遠位1/3
部,橈骨部遠位l/6部,橈骨部遠位1/10部などが
用いられている。遠位1/3部は90%以上、遠位1/
10部は75%以上が皮質骨部であり、遠位にいくほど
海綿骨部が占める割合が高くなる。したがって、より海
綿骨部を多く含むと考えられる橈骨部遠位端付近となる
手首付近を測定部位とした。
【0018】この後、スタートスイッチをオンすれば、
パルスゼネレータ24からパルス幅1.25〔μs〕の
パルス波が各超音波センサ2,3,4及び5sの発信部
2t,3t,4t及び5stに付与される。図2に示す
第一超音波センサ2の場合を説明すれば、発信部2tか
ら出射した超音波は、肉部F及び骨部B内を透過し、受
信部2rで受信される。受信部2rのアナログ出力信号
は、アンプ25により増幅され、さらに、A/D変換器
26によりディジタル信号に変換された後、コンピュー
タ処理部21に読み込まれる。これにより、発信部2t
から出射した超音波が受信部2rで受信されるまでの音
の伝搬時間taが検出される。
【0019】この場合、音の伝搬時間taを正確に検出
する必要があるため、次の検出方法を採用する。図5
は、受信部2rから得られるアナログ出力信号の波形P
を示す。ここで、波形Pの最初の立ち上がりのピーク値
に注目すれば、このピーク値は対数関数に従って増加し
ている。そこで、Ys=exp(Y)とすることで、X
対Ysの平面上では、YsはXの1次関数、即ち、Ys
=a・X+bとみなすことができるため、最小自乗法を
用いて回帰直線の式を求めれば、Y=0、すなわちYs
=1となるときのXを得る。このときのXの値をXaと
する。発信部2tと受信部2r間の距離を0とし、何も
挟まない状態の波形を得ても遅延が生じる。これはセン
サ表面に接着されている音響整合層による影響である。
よって、発信部2tと受信部2r間の距離が0のときの
波形Pにおいて、Y=0となる点をXoとすれば、ta
=Xa−Xoから音の伝搬時間taが得られる。なお、
第一超音波センサ2の場合を説明したが、他の超音波セ
ンサ3,4及び5sの場合にも第一超音波センサ2の場
合と同様に音の伝搬時間tb,2tf及びtoを検出で
きる。
【0020】次に、骨部B内のみの音速Csを求める測
定原理について説明する。図3及び図4は、測定部位の
モデルを示している。まず、骨部B内のみの音速Cs
は、骨部Bの太さをLs、骨部B内の音の伝搬時間をt
sとすると、次の(l)式で与えられる。
【0021】Cs=Ls/ts …(1)
【0022】ここで、Lsは、腕部Aの太さLmと肉部
Fの厚さLfを用いて、次の(2)式から得られる。
【0023】Ls=Lm−2・Lf …(2)
【0024】肉部Fの厚さLfは、図4に示す第三超音
波センサ4により検出可能な伝搬距離Lrを用いて、次
の(3)式から得られる。
【0025】 Lf=Lr・cos45°=(Cf・tf)/(√2) …(3)
【0026】反射彼の伝搬距離Lrを求めるには、肉部
F内の音速値Cfが必要であり、Cfは、Cf=Lm/
tbから得られる。tbは、肉部Fの音の伝搬時間であ
り、第二超音波センサ3から得られるとともに、Lmは
腕部の太さであり、Lm=to・Coで求められる。t
oは空中における音の伝搬時間であり、第四超音波セン
サ5sから得られるとともに、Coは空中の音速Coで
あり、Co=331.5+0.61T〔m/s〕(T:
空気の温度〔℃〕)により得られる。
【0027】一方、骨部B内の音の伝搬時間tsは、第
一超音波センサ2から得られる音の伝搬時間taを用い
て、次の(4)式から与えられる。
【0028】ts=ta−2tf …(4)
【0029】ここで、肉部F内の音の伝搬時間tfは、
次の(5)式から求められる。
【0030】tf=Lf/Cf …(5)
【0031】よって、第一超音波センサ2〜第四超音波
センサ5sの検出結果に基づいて、骨部B内の音速Cs
を演算処理により求めることができる。そして、この音
速Csと骨密度は、所定の相関関係を有するため、得ら
れる音速Csと予め設定したデータテーブルから骨密度
を求めることができる。
【0032】なお、測定部位の違いによる音速値の比較
及び年代による音速値の比較を行った。
【0033】まず、測定部位の違いによる音速値を比較
した。図6は、第一超音波センサ2と第二超音波センサ
3の測定部位を示し、所定位置Ka(Kas)が第一超
音波センサ2の測定部位となり、所定位置Kbが第二超
音波センサ3の測定部位となる。なお、第三超音波セン
サ4は、第一超音波センサ2の測定部位の側面位置を測
定部位とした。測定は22歳の健全な被測定者1人に対
して、所定位置KaとKasの異なる二か所における橈
骨部Ba内の音速を、それぞれ8回ずつ検出した。
【0034】検出結果を図7(a)及び(b)に示す。
図7(a)は所定位置Kaにおけるデータを示すととも
に、図7(b)は所定位置Kasにおけるデータを示
す。橈骨部Ba内の音速の平均値を比較すると、所定位
置Kaよりも所定位置Kasの方が約100〔m/s〕
程度遅いことが解る。骨部B内は外側の硬い皮質骨部と
内側の比較的軟らかな海綿骨部に分かれている。また、
海綿骨部の編目の間と骨部Bの中心部の空洞には骨髄が
詰まっている。このため、音速値は皮質骨部内よりも海
綿骨部内のほうが小さいと考えられる。さらに、所定位
置KaはKasよりも遠位にあり、海綿骨部の割合が多
いと考えられる。したがって、骨部B内の音速値の差
は、これらの原因によるものと思われ、測定値は妥当な
ものと考えられる。骨部B内の音速値の標準偏差は、所
定位置Kaにおいて105〔m/s〕、Kasにおいて
74〔m/s〕であった。所定位置KasよりもKaの
バラつきが大きいのは、海綿骨部の構造が編目状である
ため、伝達経路に差が生じることに基づくものと考えら
れる。所定位置KaとKas付近の腕部Aにおける肉部
Fを摘まみ、ノギスによりその厚さを測定したところ、
それぞれ約3〔mm〕と6〔mm〕程度であった。肉部
Fの厚さについても妥当な値が得られた。なお、ノギス
で直接測定した伝搬距離と、第四超音波センサ5sから
求めた伝搬距離とは一致し、こちらも妥当な値が得られ
た。したがって、第四超音波センサ5sの代わりに電子
式のリニアスケール等を用いてもよい。
【0035】また、年代による音速値の比較を行った。
測定は8歳から41歳までの健全な被測定者18人に対
して、所定位置Kaにおける橈骨部Ba内の音速の測定
を行った。この結果、被測定者18人の橈骨部Ba内の
音速値の分布において、平均値は1890〔m/s〕、
標準偏差は219〔m/s〕であった。橈骨部Baの骨
密度の加齢変化は、20歳代から40歳代までは有意の
変化はなく、50歳代で閉経による減少が始まると言わ
れている。結果をみれば、10歳代の被測定者も含まれ
ているが、橈骨部Ba内の音速の変化はほとんどない。
【0036】一方、海綿骨部の割合が多い所定位置Ka
での測定結果のほうが、データのバラつきが大きかっ
た。このため、比較的安定したデータが得られる所定位
置Kas付近を測定部位にしたほうがよい。しかし、遠
位端よりも遠ざかるほど骨粗鬆症の骨量減少の影響を受
けやすい海綿骨部の割合が少なくなってしまうため、測
定部位の選定に関しては、更なる詳細な検討が必要であ
る。骨部B内の音速と年齢の間には負の相関があると言
われている。骨部Bを評価するためにはより多くの被験
者のデータはもちろんであるが、健常者の他に骨粗鬆症
患者のデータも必要である。
【0037】なお、橈骨部Ba内の音速と骨密度を対応
させることが重要であり、これに対しては、骨部Bにお
ける音の透過率と骨部Bの音響インビーダンスの利用が
考えられる。測定された肉部Fの厚さとBMI(Body M
ass Index)の相関係数を求めたところ、0.49であ
った。また、肉部F内の音速とBMIとの相関係数は、
0.62であり、共に相関関係がある。したがって、B
MIから肉部Fの音速及び肉部Fの厚さが予測できれ
ば、測定の簡単化も実現可能である。以上、実施例につ
いて説明したが、本発明はこのような実施例に限定され
るものてはなく、細部の構成,形状,部品,材料,手法
等において、本発明の要旨を逸脱しない範囲で任意に変
更,追加,削除することができる。
【0038】
【発明の効果】このように、本発明に係る骨密度測定装
置は、腕部の長手方向における所定位置の骨部及び肉部
が存在する部位の音の伝搬時間を検出する第一超音波セ
ンサと、所定位置における肉部のみが存在する部位の音
の伝搬時間を検出する第二超音波センサと、所定位置に
おける皮膚部と骨部間の音の伝搬時間を検出する第三超
音波センサと、所定位置における腕部の太さを検出する
測距センサと、各センサの検出値を演算処理して骨部内
の音速を求める演算処理部を備えるため、骨部内のみの
音速を的確に検出して実用面での骨密度を正確に測定で
き、しかも、一般の人でも容易かつ手軽に測定すること
ができるという顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な実施例に係る骨密度測定装置の
模式的構成図、
【図2】同骨密度測定装置の全体を示すブロック系統
図、
【図3】同骨密度測定装置における透過型センサによる
測定原理説明図、
【図4】同骨密度測定装置における反射型センサによる
測定原理説明図、
【図5】同骨密度測定装置による音の伝搬時間の測定原
理説明図、
【図6】同骨密度測定装置により検出する腕部の測定部
位(所定位置)説明図、
【図7】同骨密度測定装置により検出したデータ表、
【図8】同骨密度測定装置を備える測定用イスの外観斜
視図、
【符号の説明】
1 骨密度測定装置 2 第一超音波センサ 2t 発信部 2r 受信部 3 第二超音波センサ 3t 発信部 3r 受信部 4 第三超音波センサ 4t 発信部 4r 受信部 5 測距センサ 5s 第四超音波センサ 5st 発信部 5sr 受信部 6 演算処理部 11 センサ支持部 12 センサ支持部 A 腕部 B 骨部 F 肉部 S 皮膚部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C301 AA06 DD12 DD30 EE11 EE13 GA01 GA03 JB02 JB25 JB29 4C601 DD30 DE17 EE09 EE11 GA01 GA03 JB34 JB35 JB38 JB45

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超音波センサにより骨部内の音速を検出
    し、検出した音速に基づいて骨密度を測定する骨密度測
    定装置において、腕部の長手方向における所定位置の骨
    部及び肉部が存在する部位の音の伝搬時間を検出する第
    一超音波センサと、前記所定位置における肉部のみが存
    在する部位の音の伝搬時間を検出する第二超音波センサ
    と、前記所定位置における皮膚部と骨部間の音の伝搬時
    間を検出する第三超音波センサと、前記所定位置におけ
    る腕部の太さを検出する測距センサと、各センサの検出
    値を演算処理して骨部内の音速を求める演算処理部を備
    えることを特徴とする骨密度測定装置。
  2. 【請求項2】 相対向する一対のセンサ支持部を備え、
    少なくとも一方のセンサ支持部を他方のセンサ支持部に
    対して進退変位可能に構成し、かつ一対のセンサ支持部
    間に、手のひらがセンサ支持部に対して平行状態となる
    腕部を収容可能に構成するとともに、一方のセンサ支持
    部に、少なくとも前記第一超音波センサ及び前記第二超
    音波センサの発信部を取付け、かつ他方のセンサ支持部
    に、少なくとも前記第一超音波センサ及び前記第二超音
    波センサの受信部を取付けたことを特徴とする請求項1
    記載の骨密度測定装置。
  3. 【請求項3】 前記測距センサを、空間における音の伝
    搬時間を検出する第四超音波センサにより構成し、一方
    のセンサ支持部に、前記第四超音波センサの発信部を取
    付け、かつ他方のセンサ支持部に、前記第四超音波セン
    サの受信部を取付けたことを特徴とする請求項2記載の
    骨密度測定装置。
  4. 【請求項4】 前記第三超音波センサは、発信部を腕部
    の横方であって骨部に対して斜め上方(又は斜め下方)
    に配し、かつ受信部を腕部の横方であって骨部に対して
    斜め下方(又は斜め上方)に配したことを特徴とする請
    求項1記載の骨密度測定装置。
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