JP2003272676A - 燃料電池及びその制御方法 - Google Patents

燃料電池及びその制御方法

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JP2003272676A
JP2003272676A JP2002078490A JP2002078490A JP2003272676A JP 2003272676 A JP2003272676 A JP 2003272676A JP 2002078490 A JP2002078490 A JP 2002078490A JP 2002078490 A JP2002078490 A JP 2002078490A JP 2003272676 A JP2003272676 A JP 2003272676A
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Japan
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gas
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fuel cell
operating temperature
small
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JP2002078490A
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Seiji Sano
誠治 佐野
Harumichi Nakanishi
治通 中西
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フラッディングやドライアップに適切に対処
できる。 【解決手段】 冷媒温度が低温域のときには、すべての
排出分岐管421〜424を開状態とする。すると、長
孔701〜704から各凹部715〜718に酸化ガス
が供給され、長孔705〜708から各凹部715〜7
18の酸化ガスが排出される。したがって、フラッディ
ングのおそれがある低温域では、各凹部715〜718
の水滴は酸化ガスにより容易に持ち出されて排出され
る。一方、冷媒温度が高温域のときには、第1排出分岐
管421のみ開状態とする。すると、長孔701〜70
4から各凹部715〜718に酸化ガスが供給される
が、長孔705のみ開状態のため凹部716〜718内
の水滴はそのまま保持される。したがって、ドライアッ
プのおそれがある高温域では、凹部716〜718内の
水滴は容易に排出されず乾燥しにくい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料電池及びその
制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、燃料電池としては、膜電極接合体
(Membrane Electrode Assem
bly、以下MEAという)を2つのセパレータで挟み
込んで構成された単セルを複数積層したものが知られて
いる。MEAは、両面に触媒電極としての白金が塗布さ
れた電解質膜と、この電解質膜を挟み込むアノード及び
カソードとから構成されている。そして、アノードに面
するセパレータには、燃料ガスとしての水素ガスを単セ
ル内に行き渡らせるための燃料ガス通路が形成され、カ
ソードに面するセパレータには、酸化ガスとしてのエア
を単セル内に行き渡らせるための酸化ガス通路が形成さ
れている。また、電解質膜は通常湿潤状態で良好なプロ
トン伝導性電解質として機能するため、燃料ガスや酸化
ガスを予め加湿したうえで供給することにより電解質膜
の湿潤状態を維持している。
【0003】ところで、このような燃料電池において、
特開平5−94831号公報では、単セル内を複数に区
分して各区分ごとに燃料ガスや酸化ガスの供給量を可変
制御できるようにし、反応生成水の分布が単セル内で均
一化するようにこれらのガスの供給量を制御することが
提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、燃料電
池ではその運転状況によって燃料ガスや酸化ガスが通過
する単セル内ガス通路に水滴が発生してガス拡散が悪化
する現象(フラッディング)が発生しやすい状況や単セ
ルを構成する電解質膜が乾燥しすぎて性能が悪化する現
象(ドライアップ)が発生しやすい状況が生じるが、前
記公報ではこのような状況に適切に対処することは難し
かった。また、ガスの供給量は要求出力によって変化す
るため、ガスの供給量の可変制御により単セル内の水分
制御と出力制御とを両立させることも難しかった。
【0005】本発明は、このような課題に鑑みなされた
ものであり、フラッディングやドライアップに適切に対
処できる燃料電池を提供することを目的の一つとする。
また、単セル内の水分制御と出力制御とを容易に両立で
きる燃料電池を提供することを目的の一つとする。
【0006】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】本
発明は、上述の目的の少なくとも一つを達成するために
以下の手段を採った。
【0007】すなわち、本発明の第1の燃料電池は、反
応ガスの電気化学反応により発電する単セルと、前記単
セル内に設けられ前記反応ガスが通過する単セル内ガス
通路と、前記単セル内ガス通路を通過する前記反応ガス
の時間当りの移動量を変更するガス移動量変更手段と、
運転状態に応じて前記ガス移動量変更手段により前記単
セル内ガス通路を通過する前記反応ガスの時間当りの移
動量を制御するガス移動量制御手段とを備えたものであ
る。
【0008】この燃料電池では、単セル内ガス通路を通
過する反応ガスの時間当りの移動量を運転状態に応じて
制御するため、例えばこの反応ガスの時間当りの移動量
を大きくすることで反応ガスによる水分の持ち出しを多
くして単セル内の水分を排除したり、反応ガスの時間当
りの移動量を小さくすることで反応ガスによる水分の持
ち出しを防ぎ単セル内の水分を保持したりすることがで
きる。したがって、水滴が発生してガス拡散が悪化する
フラッディングや単セルを構成する電解質膜が乾燥しす
ぎて性能が悪化するドライアップに適切に対処できる。
また、水分制御と出力制御との両方を反応ガスの供給量
の増減によって行う場合に比べて、水分制御は反応ガス
の移動量の増減によって行い、出力制御は反応ガスの供
給量の増減によって行うようにすれば、両方の制御を適
切かつ容易に行うことができる。
【0009】本発明の第1の燃料電池において、前記ガ
ス移動量制御手段は、前記運転状態がフラッディング状
態のときには前記運転状態がドライアップ状態のときよ
りも前記反応ガスの時間当りの移動量が大きくなるよう
制御してもよい。また、本発明の第1の燃料電池におい
て、前記ガス移動量制御手段は、前記運転状態がフラッ
ディング状態のときには前記運転状態が適正状態のとき
よりも前記反応ガスの時間当りの移動量が大きくなるよ
う制御し、前記運転状態がドライアップ状態のときには
前記運転状態が適正状態のときよりも前記反応ガスの時
間当りの移動量が小さくなるよう制御してもよい。こう
すれば、フラッディング状態においては水分が過剰であ
るため反応ガスの時間当りの移動量を大きくすることで
反応ガスによる水分の持ち出しを多くして単セル内の水
分を効率よく排除でき、ドライアップ状態においては水
分が不足しているため反応ガスの時間当りの移動量を小
さくすることで反応ガスによる水分の持ち出しを防ぎ単
セル内の水分を保持できる。
【0010】ここで、「フラッディング状態のとき」と
は、フラッディングが現に発生しているときのほかフラ
ッディングが発生するおそれのあるときも含む意であ
り、「ドライアップ状態のとき」とは、ドライアップが
現に発生しているときのほかドライアップが発生するお
それのあるときも含む意である(以下同じ)。
【0011】本発明の第1の燃料電池は、運転温度を検
出する運転温度検出手段を備え、前記ガス移動量制御手
段は、前記運転温度が予め定められた低温域のときには
前記運転温度が予め定められた高温域のときよりも前記
反応ガスの時間当りの移動量が大きくなるよう制御して
もよい。あるいは、本発明の第1の燃料電池は、運転温
度を検出する運転温度検出手段を備え、前記ガス移動量
制御手段は、前記運転温度が予め定められた低温域のと
きには前記運転温度が予め定められた適温域のときより
も前記反応ガスの時間当りの移動量が大きくなるよう制
御し、前記運転温度が予め定められた高温域のときには
前記運転温度が予め定められた適温域のときよりも前記
反応ガスの時間当りの移動量が小さくなるよう制御して
もよい。この場合、運転温度が低温域のときには飽和水
蒸気圧が低く蒸発速度が小さいためフラッディングが発
生しやすいことから反応ガスの時間当りの移動量を大き
くして排水性を向上させる。一方、運転温度が高温域の
ときには飽和水蒸気圧が高く蒸発速度が大きいためドラ
イアップが発生しやすいことから反応ガスの時間当りの
移動量を小さくして保水性を向上させる。
【0012】本発明の第2の燃料電池は、反応ガスの電
気化学反応により発電する単セルと、前記単セル内に設
けられ前記反応ガスが通過する単セル内ガス通路と、前
記単セル内ガス通路を分割して形成した複数のガス小経
路と、前記複数のガス小経路の排出口の開閉を切り替え
る開閉切替手段と、運転状態に応じて前記開閉切替手段
により前記複数のガス小経路の排出口の開閉を制御する
開閉制御手段とを備えたものである。
【0013】この燃料電池では、単セル内ガス通路を分
割して形成した複数のガス小経路の排出口の開閉を運転
状態に応じて制御するため、例えば複数のガス小経路の
排出口のうち開状態のものを多くすることで反応ガスに
よる水分の持ち出しを多くして単セル内の水分を排除し
たり、複数のガス小経路の排出口のうち開状態のものを
少なくすることで反応ガスによる水分の持ち出しを防ぎ
単セル内の水分を保持したりすることができる。したが
って、水滴が発生してガス拡散が悪化するフラッディン
グや単セルを構成する電解質膜が乾燥しすぎて性能が悪
化するドライアップに適切に対処できる。また、水分制
御と出力制御との両方を反応ガスの供給量の増減によっ
て行う場合に比べて、水分制御はガス小経路の排出口の
開閉によって行い、出力制御は反応ガスの供給量の増減
によって行うようにすれば、両方の制御を適切かつ容易
に行うことができる。
【0014】本発明の第2の燃料電池において、前記開
閉制御手段は、前記運転状態がフラッディング状態のと
きには前記運転状態がドライアップ状態のときよりも前
記複数のガス小経路のうち開状態の排出口の数が多くな
るよう制御してもよい。あるいは、前記開閉制御手段
は、前記運転状態がフラッディング状態のときには前記
運転状態が適正状態のときよりも前記複数のガス小経路
のうち開状態の排出口の数が多くなるよう制御し、前記
運転状態がドライアップ状態のときには前記運転状態が
適正状態のときよりも前記複数のガス小経路のうち開状
態の排出口の数が少なくなるよう制御してもよい。こう
すれば、フラッディング状態においては水分が過剰であ
るため複数のガス小経路のうち開状態の排出口の数を多
くすることで反応ガスによる水分の持ち出しを多くして
単セル内の水分を効率よく排除でき、ドライアップ状態
においては水分が不足しているため複数のガス小経路の
うち開状態の排出口の数を少なくすることで反応ガスに
よる水分の持ち出しを防ぎ単セル内の水分を保持でき
る。
【0015】本発明の第2の燃料電池は、運転温度を検
出する運転温度検出手段を備え、前記開閉制御手段は、
前記運転温度が予め定められた低温域のときには前記運
転温度が予め定められた高温域のときよりも前記複数の
ガス小経路のうち開状態の排出口の数が多くなるよう制
御してもよい。あるいは、運転温度を検出する運転温度
検出手段を備え、前記開閉制御手段は、前記運転温度が
予め定められた低温域のときには前記運転温度が予め定
められた適温域のときよりも前記複数のガス小経路のう
ち開状態の排出口の数が多くなるよう制御し、前記運転
温度が予め定められた高温域のときには前記運転温度が
予め定められた適温域のときよりも前記複数のガス小経
路のうち開状態の排出口の数が少なくなるよう制御して
もよい。この場合、運転温度が低温域のときには飽和水
蒸気圧が低く蒸発速度が小さいためフラッディングが発
生しやすいことから複数のガス小経路のうち開状態の排
出口の数を多くして排水性を向上させる。一方、運転温
度が高温域のときには飽和水蒸気圧が高く蒸発速度が大
きいためドライアップが発生しやすいことから複数のガ
ス小経路のうち開状態の排出口の数を少なくして保水性
を向上させる。
【0016】本発明の第2の燃料電池において、前記開
閉制御手段は、前記運転状態がフラッディング状態のと
きには前記複数のガス小経路の排出口がすべて開状態と
なるよう制御し、前記運転状態がドライアップ状態のと
きには前記複数のガス小経路の排出口の一部が開状態で
残りが閉状態となるよう制御してもよい。あるいは、本
発明の第2の燃料電池は、運転温度を検出する運転温度
検出手段を備え、前記ガス移動量制御手段は、前記運転
温度が予め定められた低温域のときには前記複数のガス
小経路の排出口がすべて開状態となるよう制御し、前記
運転温度が予め定められた高温域のときには前記複数の
ガス小経路の排出口の一部が開状態で残りが閉状態とな
るよう制御してもよい。こうすれば、フラッディング状
態のとき又は運転温度が低温域のときには、水分が過剰
であるため複数のガス排出口をすべて開状態とすること
で反応ガスによる水分の持ち出しを多くして単セル内の
水分を効率よく排除でき、一方、ドライアップ状態のと
き又は運転温度が高温域のときには、水分が不足してい
るため複数のガス排出口のうち一部のみ開状態とするこ
とで反応ガスによる水分の持ち出しを防ぎ単セル内の水
分を保持できる。なお、運転温度が高温域のときには、
複数のガス排出口のうち一つのみ開状態とすれば水分を
より保持しやすくなり、そのときの一つを一番端のガス
排出口とすれば水分をより一層保持しやすくなる。
【0017】本発明の第2の燃料電池において、前記複
数のガス小経路は、隣接するもの同士が互いに気体の流
通が可能で液体の流通が困難に形成されていてもよい。
この場合、ガス排出口が閉鎖されたガス小経路に存在す
る水などの液体は、そのガス小経路から移動することが
困難なためそのまま保持され、ガス排出口が開放された
ガス小経路に存在する水などの液体は、そのガス排出口
から排出される。一方、ガス排出口が閉鎖されたガス小
経路に存在する反応ガスや水蒸気などの気体は、ガス排
出口が開放されているガス小経路へ移動したのちそのガ
ス排出口から排出され、ガス排出口が開放されたガス小
経路に存在する反応ガスや水蒸気などの気体は、そのガ
ス排出口から排出される。このため、複数のガス小経路
のうち開状態の排出口が少ないほど保水性が向上する。
また、複数のガス小経路のうち開状態の排出口が少なく
ても、反応ガスは各ガス小経路に拡散可能なため、電気
化学反応に支障が生じることはない。
【0018】このとき、前記単セルは電解質膜を一対の
ガス拡散電極で挟み込んで構成され、前記複数のガス小
経路のうち隣接するもの同士は前記ガス拡散電極を介し
て互いに気体の流通が可能で液体の流通が困難に形成さ
れていてもよい。一般にガス拡散電極は気体の流通を許
容し液体の流通をほぼ禁止する構造(例えば多孔質構
造)のため、これを利用することが好ましい。特に、前
記ガス拡散電極のうち前記複数のガス小経路の境界に当
たる部分の撥水性を高めておけば、液体の流通がより困
難となる。前記境界に当たる部分の撥水性を高めるに
は、例えばその部分をポリテトラフルオロエチレンでコ
ートしたり多孔質構造の孔径を小さくしたりすることが
挙げられる。
【0019】本発明の第3の燃料電池の制御方法は、反
応ガスの電気化学反応により発電する単セル内に設けら
れた単セル内ガス通路に反応ガスを通過させるとき、該
単セル内ガス通路を通過する反応ガスの時間当りの移動
量を運転状態に応じて制御するものである。この燃料電
池の制御方法では、単セル内ガス通路を通過する反応ガ
スの時間当りの移動量を運転状態に応じて制御するた
め、例えばこの反応ガスの時間当りの移動量を大きくす
ることで反応ガスによる水分の持ち出しを多くして単セ
ル内の水分を排除したり、反応ガスの時間当りの移動量
を小さくすることで反応ガスによる水分の持ち出しを防
ぎ単セル内の水分を保持したりすることができる。した
がって、水滴が発生してガス拡散が悪化するフラッディ
ングや単セルを構成する電解質膜が乾燥しすぎて性能が
悪化するドライアップに適切に対処できる。また、水分
制御と出力制御との両方を反応ガスの供給量の増減によ
って行う場合に比べて、水分制御は反応ガスの移動量の
増減によって行い、出力制御は反応ガスの供給量の増減
によって行うようにすれば、両方の制御を適切かつ容易
に行うことができる。
【0020】本発明の第4の燃料電池の制御方法は、反
応ガスの電気化学反応により発電する単セル内に設けら
れた単セル内ガス通路を分割して形成した複数のガス小
経路に反応ガスを通過させるとき、前記複数のガス小経
路の排出口の開閉を運転状態に応じて制御するものであ
る。燃料電池の制御方法では、単セル内ガス通路を分割
して形成した複数のガス小経路の排出口の開閉を運転状
態に応じて制御するため、例えば複数のガス小経路の排
出口のうち開状態のものを多くすることで反応ガスによ
る水分の持ち出しを多くして単セル内の水分を排除した
り、複数のガス小経路の排出口のうち開状態のものを少
なくすることで反応ガスによる水分の持ち出しを防ぎ単
セル内の水分を保持したりすることができる。したがっ
て、水滴が発生してガス拡散が悪化するフラッディング
や単セルを構成する電解質膜が乾燥しすぎて性能が悪化
するドライアップに適切に対処できる。また、水分制御
と出力制御との両方を反応ガスの供給量の増減によって
行う場合に比べて、水分制御はガス小経路の排出口の開
閉によって行い、出力制御は反応ガスの供給量の増減に
よって行うようにすれば、両方の制御を適切かつ容易に
行うことができる。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明を一層明らかにするため
に、本発明の好適な実施形態について図面を参照しなが
ら以下に説明する。図1は、本実施形態の燃料電池10
の概略構成を表す斜視図、図2は、燃料電池10の部分
断面図、図3及び図4は、本実施形態のセルモジュール
20の分解図、図5は本実施形態の電気的な接続を表す
概略ブロック図である。なお、図4は図3を紙面裏側か
らみたときの分解図である。
【0022】本実施形態の燃料電池10は、固体高分子
型燃料電池であって、主として、セルモジュール20
と、このセルモジュール20が複数積層されたスタック
40と、このスタック40に酸化ガスを給排するための
酸化ガス供給管41、酸化ガス排出管42及び酸化ガス
給排装置410(図5参照)と、スタック40に燃料ガ
スを給排するための燃料ガス供給管43、燃料ガス排出
管44及び燃料ガス給排装置430(図5参照)と、ス
タック40に冷媒を給排するための冷媒導入管45、冷
媒導出管46及び冷媒給排装置450(図5参照)と、
酸化ガス排出口の開閉の切替制御などを行う制御装置5
0(図5参照)とを備えている。
【0023】セルモジュール20は、図2に示すよう
に、冷却セパレータ60、MEA30、中央セパレータ
70、MEA30、端部セパレータ80がこの順で積層
されたものである。このうち、冷却セパレータ60,M
EA30,中央セパレータ70が単セル21を構成し、
中央セパレータ70,MEA30,端部セパレータ80
が単セル22を構成する。そして、スタック40はセル
モジュール20が複数積層されたものであり、セルモジ
ュール20は単セル21,22が中央セパレータ70を
共通部材として積層されたものであるため、結局、スタ
ック40は単セル21,22が複数積層されたものとい
える。
【0024】MEA30は、電解質膜31をアノード3
2とカソード33とで挟みこんだ膜電極接合体である。
ここで、電解質膜31は、固体高分子材料、例えばフッ
素系樹脂により形成されたプロトン伝導性のイオン交替
膜(例えばデュポン社製のナフィオン膜)であり、湿潤
状態で良好な電気伝導性を示す。電解質膜31の両面に
は、白金または白金と他の金属から成る合金を塗布する
ことにより触媒電極34,35が形成され、更にその外
側には、炭素繊維からなる糸で織成したカーボンクロス
により形成されたガス拡散電極36,37が配置されて
いる。そして、触媒電極34とガス拡散電極36とがア
ノード32、触媒電極35とガス拡散電極37とがカソ
ード33を構成する。なお、ガス拡散電極36,37は
カーボンクロスのほか、炭素繊維からなるカーボンペー
パーまたはカーボンフェルトによって形成してもよく、
十分なガス拡散性および導電性を有していればよい。
【0025】各セパレータ60,70,80は、ガス不
透過の導電性部材、例えば、カーボンを圧縮してガス不
透過とした成形カーボンにより形成されている。冷却セ
パレータ60は、単セル21のMEA30のアノード3
2と対向する面に、燃料ガスを通過させる単セル内燃料
ガス通路62が形成され、もう一方の面に、冷媒を通過
させる冷媒通路63が形成されている。中央セパレータ
70は、単セル21のMEA30のカソード33と対向
する面に、酸化ガスを通過させる単セル内酸化ガス通路
71が形成され、単セル22のMEA32のアノード3
2と対向する面に、燃料ガスを通過させる単セル内燃料
ガス通路72が形成されている。端部セパレータ80
は、単セル22のMEA30のカソード33と対向する
面に、酸化ガスを通過させる単セル内酸化ガス通路81
が形成されている。
【0026】冷却セパレータ60と中央セパレータ70
との間の空隙にはシール部材38が配置され、中央セパ
レータ70と端部セパレータ80との間の空隙にはシー
ル部材39が配置されている。これらのシール部材3
8,39は、この部分で燃料ガスと酸化ガスとが混合す
るのを防止したり、これらのガスが外部に漏れ出すのを
防止したりする役割を果たす。なお、各シール部材3
8,39は略四角形の枠状に形成され、後述する長孔6
01〜612の位置に合わせて貫通孔が設けられてい
る。
【0027】図3及び図4に示すように、冷却セパレー
タ60には、右辺と左辺に沿ってそれぞれ長孔601〜
604と長孔605〜608が面を貫通して設けられて
おり、上辺と下辺に沿ってそれぞれ長孔609,612
と長孔610,611が面を貫通して設けられている。
この冷却セパレータ60のうち単セル21のMEA30
のアノード32に対向する面には、外周が略四角形状の
凹部619が設けられ、この凹部619は長孔609,
610に連通されている。長孔609からは燃料ガスが
供給されて単セル21の凹部619即ち単セル内燃料ガ
ス通路62を通過して長孔610から排出される。ま
た、冷却セパレータ60のもう一方の面にも、外周が略
四角形状の凹部615が設けられ、この凹部615は長
孔611,612に連通されている。長孔611からは
冷媒が供給されてこの凹部615即ち冷媒通路63を通
過して長孔612から排出される。
【0028】中央セパレータ70には、右辺と左辺に沿
ってそれぞれ長孔701〜704と長孔705〜708
が面を貫通して設けられており、上辺と下辺に沿ってそ
れぞれ長孔709,712と長孔710,711が面を
貫通して設けられている。この中央セパレータ70のう
ち単セル21のMEA30のカソード33に対向する面
には、外周が略四角形状の4つの凹部715〜718が
設けられ、凹部715は長孔701及び長孔705に連
通され、凹部716は長孔702及び長孔706に連通
され、凹部717は長孔703及び長孔707に連通さ
れ、凹部718は長孔704及び長孔708に連通され
ている。酸化ガスは、長孔701〜704から単セル2
1に供給されて単セル内酸化ガス通路71内の凹部71
5〜718を通過して長孔705〜708のうち第1〜
第4電磁弁B1〜B4が開放されているものから排出さ
れる。また、隣り合う凹部715と凹部716、凹部7
16と凹部717、凹部717と凹部718の各境界部
分には連続するリブ721,722,723が設けられ
ているため、気体や液体はこのリブ721,722,7
23を介して流通することはできないが、気体は単セル
21のMEA30のカソード33を構成するガス拡散電
極37を介して隣り合う凹部同士を流通可能である。な
お、各凹部715〜718と単セル21のカソード33
のガス拡散電極37とで囲まれた空間が各ガス小経路を
形成する。また、中央セパレータ70のうち単セル22
のMEA30のアノード32に対向する面には、外周が
略四角形状の凹部719が設けられ、この凹部719は
長孔709,710に連通されている。長孔709から
は燃料ガスが単セル22に供給されて凹部719即ち単
セル内燃料ガス通路72を通過して長孔710から排出
される。なお、第1〜第2電磁弁B1〜B4が本発明の
ガス移動量変更手段又は開閉切替手段に相当する。
【0029】端部セパレータ80には、右辺と左辺に沿
ってそれぞれ長孔801〜804と長孔805〜808
が面を貫通して設けられており、上辺と下辺に沿ってそ
れぞれ長孔809,812と長孔810,811が面を
貫通して設けられている。この端部セパレータ80のう
ち単セル22のMEA30のカソード33に対向する面
には、外周が略四角形状の4つの凹部815〜818が
設けられ、この凹部815は長孔801及び長孔805
に連通され、凹部816は長孔802及び長孔806に
連通され、凹部817は長孔803及び長孔807に連
通され、凹部818は長孔804及び長孔809に連通
されている。酸化ガスは、長孔801〜804から単セ
ル22に供給されて単セル内酸化ガス通路81内の凹部
815〜818を通過して長孔805〜808のうち第
1〜第4電磁弁B1〜B4が開放されているものから排
出される。また、隣り合う凹部815と凹部816、凹
部816と凹部817、凹部817と凹部818の各境
界部分には連続するリブ821,822,823が設け
られているため、気体や液体はこのリブ821,82
2,823を介して流通することはできないが、気体は
単セル22のMEA30のカソード33を構成するガス
拡散電極37を介して隣り合う凹部同士を流通可能であ
る。なお、各凹部815〜818と単セル22のカソー
ド33のガス拡散電極37とで囲まれた空間が各ガス小
経路を形成する。また、端部セパレータ80のもう一方
の面はフラットに形成されている。
【0030】各凹部619,619,715〜719,
815〜818には、複数の小突起が形成されている。
例えば、中央セパレータ70の凹部715には、図7に
示すように、略直方体状の小突起720が長孔701と
長孔705とを結んだ線に沿って長辺が並ぶように形成
されている。この小突起720は、先端部分が単セル2
1のMEA30のカソード33と接するように形成さ
れ、この接する領域によって導電性が確保される。ま
た、この凹部715を通過する酸化ガスは、小突起72
0の側面に衝突することにより凹部715で拡散され
る。更に、小突起720が格子状に並んでいることか
ら、長孔701から長孔705に向かって流れることも
できるし、これと略直交する方向に流れることもでき
る。なお、小突起720の形状は略直方体状に限られる
ものではなく、ガスの流れ等を考慮したうえで適当な形
状を採用すればよい。
【0031】スタック40は、セルモジュール20を複
数積層し、図1に示すようにその両端に集電板11,1
2、絶縁板13,14、エンドプレート15,16を順
次配置して完成される。集電板11,12は緻密質カー
ボンや銅板などガス不透過な導電性部材によって形成さ
れ、絶縁板13,14はゴムや樹脂等の絶縁性部材によ
って形成され、エンドプレート15,16は剛性を備え
た鋼等の金属によって形成されている。また、集電板1
1,12にはそれぞれ出力端子11a,12aが設けら
れており、燃料電池10で生じた起電力を出力可能とな
っている。また、エンドプレート15,16は、図示し
ない加圧装置によってスタック40を積層方向に加圧し
て保持している。
【0032】このスタック40においては、長孔60
1,701,801、長孔602,702,802、長
孔603,703,803、長孔604,704,80
4が積層方向に連なることにより酸化ガス供給マニホル
ドM1,M2,M3,M4が形成され、長孔605,7
05,805、長孔606,706,806、長孔60
7,707,807、長孔608,708,808が積
層方向に連なることにより酸化ガス排出マニホルドM
5,M6,M7,M8が形成されている。そして、酸化
ガス供給マニホルドM1〜M4に供給された酸化ガス
は、単セル内酸化ガス通路71,81を通過したあと、
酸化ガス排出マニホルドM5〜M8のうち第1〜第4電
磁弁B1〜B4が開放されているものから排出される。
また、長孔609,709,809が積層方向に連なる
ことにより燃料ガス供給マニホルドM9が形成され、長
孔610,710,810が積層方向に連なることによ
り燃料ガス排出マニホルドM10が形成されている。そ
して、燃料ガス供給マニホルドM9に供給された燃料ガ
スは、単セル内燃料ガス通路62,72を通過したあ
と、燃料ガス排出マニホルドM10に集められ排出され
る。更に、長孔611,711,811が積層方向に連
なることにより冷媒供給マニホルドM11が形成され、
長孔612,712,812が積層方向に連なることに
より冷媒排出マニホルドM12が形成されている。そし
て、冷媒供給マニホルドM11に供給された冷媒は、冷
媒通路63を通過したあと、冷媒排出マニホルドM12
に集められ排出される。
【0033】酸化ガス供給管41は、酸化ガス(ここで
は圧縮空気)の供給・排出を行う酸化ガス給排装置41
0から第1〜第4供給分岐管411〜414に分岐して
酸化ガス供給マニホルドM1〜M4に接続されている。
各供給分岐管411〜414は常時開状態である。一
方、酸化ガス排出管42は、酸化ガス排出マニホルドM
5〜M8からそれぞれ延び出した第1〜第4排出分岐管
421〜424が集合され酸化ガス給排装置410に接
続されている。このうち酸化ガス排出マニホルドM5か
ら延び出した第1排出分岐管421には第1電磁弁B1
が設置され、酸化ガス排出マニホルドM5から延び出し
た第2排出分岐管422には第2電磁弁B2が設置さ
れ、酸化ガス排出マニホルドM7から延び出した第3排
出分岐管423には第3電磁弁B3が設置され、酸化ガ
ス排出マニホルドM8から延び出した第4排出分岐管4
24には第4電磁弁B4が設置され、ている。
【0034】燃料ガス供給管43は、燃料ガス(ここで
は水素ガス)の供給・排出を行う燃料ガス給排装置43
0から燃料ガス供給マニホルドM9に接続され、燃料ガ
ス排気管44は、燃料ガス排出マニホルドM10から燃
料ガス給排装置430に接続されている。
【0035】冷媒導入管45は、冷媒(ここでは冷却
水)の供給・排出を行う冷媒給排装置450から冷媒供
給マニホルドM11に接続され、冷媒導出管46は、冷
媒排出マニホルドM12から冷媒給排装置450に接続
されている。この冷媒導出管46には、温度センサ49
が取り付けられている。この温度センサ49は、本発明
の運転温度検出手段に相当し、燃料電池10から熱を奪
った後の冷媒温度を検出するため、その検出温度を燃料
電池10の運転温度とみなす。
【0036】制御装置50は、周知のCPU、ROM、
RAM等を備えたマイクロコンピュータにより構成さ
れ、図5に示すように、スタック40の運転温度を検出
する温度センサ49からの検出信号を入力し、酸化ガス
排出管42の各排出分岐管421〜424に設置された
第1電磁弁B1〜第4電磁弁B4に制御信号を出力する
ように接続されている。なお、制御装置50が本発明の
ガス移動量制御手段又は開閉制御手段に相当する。
【0037】次に、本実施形態の制御装置50により所
定タイミング(例えば数msec)ごとに実行される酸
化ガス流れパターンの切替制御について、図6のフロー
チャートに基づいて説明する。制御装置50は、この切
替制御が開始されると、まず、温度センサ49で検出さ
れた冷媒温度を読み込み(ステップS100)、この冷
媒温度が属する温度領域を判定する(ステップS11
0)。ここで、温度領域としては、予め経験的に低温
域、中温域、高温域が定められており、低温域は飽和水
蒸気圧が低く蒸発速度が小さいためフラッディングが発
生するおそれのある状態として定められ、高温域は飽和
水蒸気圧が高く蒸発速度が大きいためドライアップが発
生するおそれのある状態として定められ、中温域は低温
域と高温域との中間の適正領域つまり適温域として定め
られている。例えば、低温域は60℃以下の領域、高温
域は80℃以上の領域、中温域は60℃〜80℃の領域
としてもよい。
【0038】ステップS110で今回の冷媒温度が低温
域のときには、第1〜第4電磁弁B1〜B4のソレノイ
ドを励磁してすべての排出分岐管421〜424を開状
態とする(ステップS120)。ここで、単セル内酸化
ガス通路71の様子を図7に基づいて説明する。ガス供
給口である長孔701〜704はすべて開状態でガス排
出口である長孔705〜708もすべて開状態であるた
め、長孔701からガス小経路である凹部715に供給
された酸化ガスは長孔705から排出され、長孔702
からガス小経路である凹部716に供給された酸化ガス
は長孔706から排出され、長孔703からガス小経路
である凹部717に供給された酸化ガスは長孔707か
ら排出され、長孔704からガス小経路である凹部71
8に供給された酸化ガスは長孔708から排出される。
したがって、フラッディングのおそれがある低温域で
は、各凹部715〜718内に水滴が発生したとしても
その水滴は各凹部715〜718を通過する酸化ガスに
より容易に持ち出されるため排水性に優れている。
【0039】ステップS110で今回の冷媒温度が高温
域のときには、第1電磁弁B1のソレノイドを励磁し第
2〜第4電磁弁B2〜B4のソレノイドを消磁して第1
排出分岐管421のみ開状態とし第2〜第4排出分岐管
422〜424を閉状態とする(ステップS130)。
ここで、単セル内酸化ガス通路71の様子を図8に基づ
いて説明する。ガス供給口である長孔701〜704は
すべて開状態でガス排出口である長孔705〜708は
一番端の長孔705のみ開状態であるため、凹部718
に供給された酸化ガスはガス拡散電極37を介して凹部
717,716を経て凹部715に至り、凹部717に
供給された酸化ガスはガス拡散電極37を介して凹部7
16を経て凹部715に至り、凹部716に供給された
酸化ガスはガス拡散電極37を介して凹部715に至
り、凹部715に供給された酸化ガスや他の凹部716
〜718から凹部715に至った酸化ガスは長孔705
から排出される。一方、凹部715内に水滴が発生して
いたときその水滴は長孔705から排出されるが、凹部
716〜718内に水滴が発生していたときにはそれら
の水滴は凹部715へ移動することが困難なためそのま
ま保持される。したがって、ドライアップのおそれがあ
る高温域では、凹部716〜718に発生した水滴が容
易に排出されないため保水性(耐乾燥性)に優れてい
る。
【0040】ステップS110で今回の冷媒温度が中温
域のときには、第1及び第3電磁弁B1,B3のソレノ
イドを励磁し第2及び第4電磁弁B2,B4のソレノイ
ドを消磁して第1及び第3排出分岐管421,423を
開状態とし第2及び第4排出分岐管422,424を閉
状態とする(ステップS140)。ここで、単セル内酸
化ガス通路71の様子を図9に基づいて説明する。ガス
供給口である長孔701〜704はすべて開状態でガス
排出口である長孔705〜708は一つおきに開状態で
あるため、凹部718に供給された酸化ガスはガス拡散
電極37を介して凹部717に至り、凹部716に供給
された酸化ガスはガス拡散電極37を介して凹部71
5,717に至り、凹部717に供給された酸化ガスや
凹部716,718から凹部717に至った酸化ガスは
長孔707から排出され、凹部715に供給された酸化
ガスや凹部716から凹部715に至った酸化ガスは長
孔705から排出される。一方、凹部715,717内
に水滴が発生していたときその水滴は長孔705,70
7から排出されるが、凹部716,718内に水滴が発
生してたときにはそれらの水滴は凹部715,717へ
移動することが困難なためそのまま保持される。したが
って、適切な温度である中温域では、凹部715,71
7内の水滴は排出され、凹部716,718に発生した
水滴は排出されため、排水性と保水性とがバランスよく
保たれる。
【0041】このように、冷媒温度が高温域又は中温域
のときには、酸化ガスの供給圧が一定のもとで長孔70
5〜708の開口数を減らす(つまり排気マニホルドM
5〜M8を絞る)ことで流路圧損が大きくなり、酸化ガ
スの体積流量が減り、酸化ガスにより単セル外に持ち去
られる水分量が減る。また、排気マニホルドM5〜M8
を選択的に絞ることで単セル内のうち閉じている排気マ
ニホルドの近傍から開いている排気マニホルドまで水分
が流出しにくくなり、単セル外への水分量が減る。
【0042】以上詳述した本実施形態の燃料電池10に
よれば、運転状態が低温域のときには、排出分岐管42
1〜424の電磁弁B1〜B4をすべて開状態とし4つ
のガス小経路つまり凹部715〜718,815〜81
8のガス排出口をすべて開状態とすることにより、中温
域のときに比べて単セル内酸化ガス通路71,81を通
過する酸化ガスの時間当りの移動量を大きくすることで
酸化ガスによる水分の持ち出しを多くして単セル内の水
分を効率よく排除することができ、一方、運転状態が高
温域のときには、排出分岐管421の電磁弁B1のみを
開状態とし1つのガス小経路つまり凹部715,815
のガス排出口のみ開状態とすることにより、中温域のと
きに比べて単セル内酸化ガス通路71,81を通過する
酸化ガスの時間当りの移動量を小さくすることで酸化ガ
スによる水分の持ち出しを防ぎ単セル内の水分を効率よ
く保持することができる。したがって、フラッディング
やドライアップに適切に対処できる。
【0043】また、水分制御と出力制御との両方を酸化
ガスの供給量の増減によって行う場合に比べて、水分制
御は時間当りのガス移動量の増減によって行い、出力制
御はガス供給量の増減によって行うこともできる。その
場合には両方の制御を適切かつ容易に行うことができ
る。
【0044】更に、リブ721〜723によって仕切ら
れたガス小経路つまり凹部715〜718やリブ821
〜823によって仕切られたガス小経路つまり凹部81
5〜818につき、隣接する凹部同士は多孔質構造のガ
ス拡散電極33,33を介して互いに気体の流通が可能
であるが液体の流通が困難なため、ガス排出口が閉鎖さ
れたガス小経路に存在する水はそのガス小経路から移動
することが困難でそのまま保持され、ガス排出口が開放
されたガス小経路に存在する水はそのガス排出口から排
出される。一方、ガス排出口が閉鎖されたガス小経路に
存在する酸化ガスや水蒸気はガス排出口が開放されたガ
ス小経路に移動したのちそのガス排出口から排出され、
ガス排出口が開放されたガス小経路に存在する酸化ガス
や水蒸気はそのガス排出口から排出される。このため、
複数のガス小経路のうち開状態の排出口が少ないものほ
ど保水性が向上する。また、複数のガス小経路のうち開
状態の排出口が少なくても、酸化ガスはリブ721〜7
23,821〜823を越えて拡散可能なため、電気化
学反応に支障が生じることはない。
【0045】なお、本発明は上述した実施形態に何ら限
定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り
種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
【0046】例えば、上述した実施形態では酸化ガスに
ついて本発明を適用した形態を説明したが、酸化ガスに
代えて燃料ガスについて本発明を適用してもよい。例え
ば、上述した実施形態において酸化ガスの給排経路の構
成と燃料ガスの給排経路の構成とを入れ替えてもよい。
あるいは、酸化ガス、燃料ガスの両方について本発明を
適用してもよい。
【0047】また、上述した実施形態では排出分岐管4
21〜424のすべてに電磁弁を取り付けたが、常時開
状態の排出分岐管421については電磁弁を取り付けな
くてもよい。また、上述した実施形態ではガス小経路と
して中央セパレータ70や端部セパレータ80にそれぞ
れ4つの凹部を設けたが、ガス小経路は4つである必要
はなく、2つ以上であればよい。
【0048】更に、上述した実施形態のガス拡散電極3
7のうちガス小経路である凹部同士の境界(例えばリブ
721〜723)に接触する部分はポリテトラフルオロ
エチレンでコートしたり多孔質の孔径を小さくしたりし
て撥水性を高めることにより隣り合う凹部同士を水滴な
どの液体が一層移動しにくい構成としてもよい。
【0049】更にまた、第1〜第4電磁弁B1〜B4を
流量制御弁として各マニホルドからのガス排出量(流
量)を制御してもよく、フラッディング状態のときには
流量制御弁により各排出分岐管を流れる流量を大きく
し、ドライアップ状態のときには流量制御弁により各排
出分岐管を流れる流量を小さくしてもよい。
【0050】そしてまた、上述した実施形態では運転状
態を表すパラメータとして燃料電池の運転温度(具体的
には冷媒温度を燃料電池の運転温度とみなした)を用
い、この運転温度に応じて第1〜第4排出分岐管421
〜424の開閉パターンを切り替えたが、そのほかの運
転状態を表すパラメータに応じてガス流れパターンを切
り替えてもよい。例えば、スタック40のインピーダン
ス値と予め定めた所定インピーダンス値との比較結果に
基づいてフラッディングか否かあるいはドライアップか
否かを判定してもよい。また、燃料電池10の出力電圧
あるいは単セルごとの出力電圧に基づいてフラッディン
グか否かあるいはドライアップか否かを判定してもよ
い。具体的には、経験上、フラッディングが発生してい
る場合には出力電圧の変動が所定の変動範囲を越えるこ
とがあることから、出力電圧の変動が所定の変動範囲を
超えたときにフラッディングであると判定してもよい。
更に、反応ガスの湿度や温度や供給量に応じて開閉パタ
ーンを切り替えてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】燃料電池の概略構成を表す斜視図である。
【図2】燃料電池のスタックの部分断面図である。
【図3】セルモジュールの分解図である。
【図4】セルモジュールの分解図である。
【図5】燃料電池の電気的接続を表す概略ブロック図で
ある。
【図6】酸化ガス流れパターンの切替制御のフローチャ
ートである。
【図7】排出分岐管をすべて開放したときの酸化ガス流
れパターンの説明図である。
【図8】排出分岐管を1つだけ開放したときの酸化ガス
流れパターンの説明図である。
【図9】排出分岐管を交互に開放したときの酸化ガス流
れパターンの説明図である。
【符号の説明】
10…燃料電池、20…セルモジュール、21,22…
単セル、31…電解質膜、32…アノード、33…カソ
ード、34,35…触媒電極、36,37…ガス拡散電
極、38,39…シール部材、40…スタック、41…
酸化ガス供給管、42…酸化ガス排出管、43…燃料ガ
ス供給管、44…燃料ガス排気管、45…冷媒導入管、
46…冷媒導出管、49…温度センサ、50…制御装
置、60…冷却セパレータ、62,72…単セル内燃料
ガス通路、63…冷媒通路、70…中央セパレータ、7
1,81…単セル内酸化ガス通路、80…端部セパレー
タ、410…酸化ガス給排装置、411〜414…第1
〜第4供給分岐管、421〜424…第1〜第4排出分
岐管、430…燃料ガス給排装置、450…冷媒給排装
置、601〜612…長孔、615,619…凹部、7
01〜712…長孔、715〜719…凹部、720…
小突起、721〜723…リブ、801〜812…長
孔、815〜818…凹部、821〜823…リブ、B
1〜B4…第1〜第4電磁弁、M1〜M4…酸化ガス供
給マニホルド、M5〜M8…酸化ガス排出マニホルド、
M9…燃料ガス供給マニホルド、M10…燃料ガス排出
マニホルド、M11…冷媒供給マニホルド、M12…冷
媒排出マニホルド、

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反応ガスの電気化学反応により発電する
    単セルと、 前記単セル内に設けられ前記反応ガスが通過する単セル
    内ガス通路と、 前記単セル内ガス通路を通過する前記反応ガスの時間当
    りの移動量を変更するガス移動量変更手段と、 運転状態に応じて前記ガス移動量変更手段により前記単
    セル内ガス通路を通過する前記反応ガスの時間当りの移
    動量を制御するガス移動量制御手段とを備える燃料電
    池。
  2. 【請求項2】 前記ガス移動量制御手段は、前記運転状
    態がフラッディング状態のときには前記運転状態がドラ
    イアップ状態のときよりも前記反応ガスの時間当りの移
    動量が大きくなるよう制御する請求項1記載の燃料電
    池。
  3. 【請求項3】 前記ガス移動量制御手段は、前記運転状
    態がフラッディング状態のときには前記運転状態が適正
    状態のときよりも前記反応ガスの時間当りの移動量が大
    きくなるよう制御し、前記運転状態がドライアップ状態
    のときには前記運転状態が適正状態のときよりも前記反
    応ガスの時間当りの移動量が小さくなるよう制御する請
    求項1又は2記載の燃料電池。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の燃料電
    池であって、 運転温度を検出する運転温度検出手段を備え、 前記ガス移動量制御手段は、前記運転温度が予め定めら
    れた低温域のときには前記運転温度が予め定められた高
    温域のときよりも前記反応ガスの時間当りの移動量が大
    きくなるよう制御する燃料電池。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のいずれかに記載の燃料電
    池であって、 運転温度を検出する運転温度検出手段を備え、 前記ガス移動量制御手段は、前記運転温度が予め定めら
    れた低温域のときには前記運転温度が予め定められた適
    温域のときよりも前記反応ガスの時間当りの移動量が大
    きくなるよう制御し、前記運転温度が予め定められた高
    温域のときには前記運転温度が予め定められた適温域の
    ときよりも前記反応ガスの時間当りの移動量が小さくな
    るよう制御する燃料電池。
  6. 【請求項6】 反応ガスの電気化学反応により発電する
    単セルと、 前記単セル内に設けられ前記反応ガスが通過する単セル
    内ガス通路と、 前記単セル内ガス通路を分割して形成した複数のガス小
    経路と、 前記複数のガス小経路の排出口の開閉を切り替える開閉
    切替手段と、 運転状態に応じて前記開閉切替手段により前記複数のガ
    ス小経路の排出口の開閉を制御する開閉制御手段とを備
    える燃料電池。
  7. 【請求項7】 前記開閉制御手段は、前記運転状態がフ
    ラッディング状態のときには前記運転状態がドライアッ
    プ状態のときよりも前記複数のガス小経路のうち開状態
    の排出口の数が多くなるよう制御する請求項6記載の燃
    料電池。
  8. 【請求項8】 前記開閉制御手段は、前記運転状態がフ
    ラッディング状態のときには前記運転状態が適正状態の
    ときよりも前記複数のガス小経路のうち開状態の排出口
    の数が多くなるよう制御し、前記運転状態がドライアッ
    プ状態のときには前記運転状態が適正状態のときよりも
    前記複数のガス小経路のうち開状態の排出口の数が少な
    くなるよう制御する請求項6又は7記載の燃料電池。
  9. 【請求項9】 前記開閉制御手段は、前記運転状態がフ
    ラッディング状態のときには前記複数のガス小経路の排
    出口がすべて開状態となるよう制御し、前記運転状態が
    ドライアップ状態のときには前記複数のガス小経路の排
    出口の一部が開状態で残りが閉状態となるよう制御する
    請求項6〜8のいずれかに記載の燃料電池。
  10. 【請求項10】 請求項6〜9のいずれかに記載の燃料
    電池であって、 運転温度を検出する運転温度検出手段を備え、 前記開閉制御手段は、前記運転温度が予め定められた低
    温域のときには前記運転温度が予め定められた高温域の
    ときよりも前記複数のガス小経路のうち開状態の排出口
    の数が多くなるよう制御する燃料電池。
  11. 【請求項11】 請求項6〜9のいずれかに記載の燃料
    電池であって、 運転温度を検出する運転温度検出手段を備え、 前記開閉制御手段は、前記運転温度が予め定められた低
    温域のときには前記運転温度が予め定められた適温域の
    ときよりも前記複数のガス小経路のうち開状態の排出口
    の数が多くなるよう制御し、前記運転温度が予め定めら
    れた高温域のときには前記運転温度が予め定められた適
    温域のときよりも前記複数のガス小経路のうち開状態の
    排出口の数が少なくなるよう制御する燃料電池。
  12. 【請求項12】 請求項6〜9のいずれかに記載の燃料
    電池であって、 運転温度を検出する運転温度検出手段を備え、 前記ガス移動量制御手段は、前記運転温度が予め定めら
    れた低温域のときには前記複数のガス小経路の排出口が
    すべて開状態となるよう制御し、前記運転温度が予め定
    められた高温域のときには前記複数のガス小経路の排出
    口の一部が開状態で残りが閉状態となるよう制御する燃
    料電池。
  13. 【請求項13】 前記複数のガス小経路は、隣接するも
    の同士が互いに気体の流通が可能で液体の流通が困難に
    形成されている請求項6〜12のいずれかに記載の燃料
    電池。
  14. 【請求項14】 前記単セルは電解質膜を一対のガス拡
    散電極で挟み込んで構成されており、 前記複数のガス小経路のうち隣接するもの同士は前記ガ
    ス拡散電極を介して互いに気体の流通が可能で液体の流
    通が困難に形成されている請求項13記載の燃料電池。
  15. 【請求項15】 前記ガス拡散電極のうち前記複数のガ
    ス小経路の境界に当たる部分は撥水性が高められている
    請求項14記載の燃料電池。
  16. 【請求項16】 反応ガスの電気化学反応により発電す
    る単セル内に設けられた単セル内ガス通路に反応ガスを
    通過させるとき、該単セル内ガス通路を通過する反応ガ
    スの時間当りの移動量を運転状態に応じて制御する燃料
    電池の制御方法。
  17. 【請求項17】 反応ガスの電気化学反応により発電す
    る単セル内に設けられた単セル内ガス通路を分割して形
    成した複数のガス小経路に反応ガスを通過させるとき、
    前記複数のガス小経路の排出口の開閉を運転状態に応じ
    て制御する燃料電池の制御方法。
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