JP2003269491A - 機械プレスのクラッチ・ブレーキ装置 - Google Patents

機械プレスのクラッチ・ブレーキ装置

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JP2003269491A
JP2003269491A JP2002074442A JP2002074442A JP2003269491A JP 2003269491 A JP2003269491 A JP 2003269491A JP 2002074442 A JP2002074442 A JP 2002074442A JP 2002074442 A JP2002074442 A JP 2002074442A JP 2003269491 A JP2003269491 A JP 2003269491A
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clutch
disc
flywheel
pin
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Kouriyuu Ro
興龍 呂
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クラッチ・ブレーキ装置の耐久性を向上させ
ること、ライニングの磨耗量を減らすこと、クラッチデ
ィスクに生じる振動を抑えること。 【解決手段】 クラッチディスク30を周方向に複数に
分割された複数のディスク分割体35と、複数のディス
ク分割体35の周方向に隣接する端部同士を連結する複
数の連結部材36であって周方向とディスク分割体35
の板厚方向に弾性変形可能な複数の連結部材36などで
構成し、フライホイール4の回転駆動力をディスク分割
体35に伝達する複数のピン部材39を、対応するディ
スク分割体35のピン穴38aに摺動自在に嵌合し、ピ
ン穴38aとピン部材39との間に無潤滑軸受け43を
組み込んだ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、機械プレスのク
ラッチ・ブレーキに関し、特に、高速加工用機械プレス
のクラッチ・ブレーキ装置であって耐久性を向上させた
ものに関する。
【0002】
【従来の技術】 機械プレスのクラッチ・ブレーキ装置
は、フライホイールの回転駆動力を出力軸に伝達するク
ラッチ機構と、出力軸の回転を制動するブレーキ機構と
を備えている。例えば、実施形態に係る図2に示すよう
に、クラッチ機構11は、フライホイール4と一体的に
回転する環状のクラッチディスク30と、このクラッチ
ディスク30の両面に装着された複数のライニング3
3,34と、ライニング33,34に密着してクラッチ
ディスク30の回転を出力軸5に伝達するクラッチプレ
ート31及びサポートプレート32などを有する。クラ
ッチ機構11の締結状態では、ライニング33,34を
介してクラッチディスク30がクラッチプレート31と
サポートプレート32との間に挟持され、フライホイー
ル4の回転駆動力は、クラッチディスク30を介して出
力軸5に伝達される。一方、クラッチ機構11の締結解
除状態では、クラッチプレート31とサポートプレート
32からライニング33,34が離隔し、フライホイー
ル4の回転駆動力は出力軸5に伝達されない。
【0003】クラッチディスク30は、フライホイール
4と複数のピン部材39を介して連結されており、クラ
ッチ機構11を締結状態と締結解除状態とに亙って切換
える際に、クラッチディスク30が前後方向(出力軸5
の軸心方向)に移動することができるように、複数のピ
ン部材39はクラッチディスク30に形成されたピン穴
に摺動自在に嵌合されている。
【0004】ところで、機械プレスの運転中には、クラ
ッチ機構11は締結状態と締結解除状態とに亙って頻繁
に切換えられ、クラッチプレート31及びサポートプレ
ート32とライニング33,34との間で摩擦熱が発生
する。特に、高速回転(例えば、600〜1200rp
m)する機械プレスにおいては、前記の摩擦熱が大きく
なるため、摩擦熱によるクラッチディスク30の熱膨脹
も大きくなる。
【0005】従来より、クラッチディスクとしては、図
6に示すように、環状の板部材からなり、両面に複数の
ライニング101,102が装着された一体型のクラッ
チディスク100が用いられることが多いが、この場
合、前記の摩擦熱によりクラッチディスク100が周方
向に膨張して、ピン部材39がクラッチディスク100
に対して摺動不能にならないように、ピン穴103の径
はピン部材39の外径と比較してやや大きめに形成され
ている。しかしながら、必然的に、ピン穴103とピン
部材39との間の隙間が大きくなるため(例えば、0.
3mm〜0.5mm)、特に、高速回転する機械プレス
においては、ピン穴103の内部でピン部材39にクラ
ッチディスク100の周方向及び径方向に高頻度の衝撃
が作用し、ピン部材39に腐食(微動さび、あるいはフ
ローティングコロージョンともいう)が発生して、クラ
ッチ・ブレーキ装置の耐久性が低下する問題が生じてい
た。
【0006】一方、周方向に複数に分割された複数のデ
ィスク分割体で構成された分割型のクラッチディスクが
用いられることもある。この分割型クラッチディスクに
おいては、複数のディスク分割体の周方向に隣接する端
部同士間には隙間が形成されており、クラッチディスク
に熱膨張が生じても、これら隙間により熱膨張を吸収す
ることができるため、ピン部材39がピン穴に対して相
対的に摺動できる範囲内で、ピン穴とピン部材39との
間の隙間を極力小さく(例えば、0.1mm以下)する
ことができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】 前述の分割型のクラ
ッチディスクにおいては、クラッチディスクの回転時
に、個々のディスク分割体に周方向の振動及び板厚方向
の振動(面振れ)が生じやすくなるし、ディスク分割体
に装着されたライニングとクラッチプレート及びサポー
トプレートとの密着性が悪くなり、前述の振動や面振れ
及びライニングの密着性低下から生じる騒音も大きくな
る虞がある。また、ライニングの磨耗量が大きくなった
り、ライニングに偏磨耗が生じ、それに伴ってクラッチ
機構の切換時のクラッチプレートの移動ストロークも大
きくなって、特に、高速加工用機械プレスにおいて、著
しくレスポンスが低下する。さらに、クラッチ機構の締
結時には回転駆動力の伝達効率も低下する。
【0008】さらには、クラッチディスクをフライホイ
ールに対して相対移動可能にする必要がある以上、ピン
穴とピン部材との間の隙間を小さくするには限界があ
り、ピン部材39に作用する高頻度の衝撃によるピン部
材の腐食を完全に防止することは困難である。本発明の
目的は、クラッチ・ブレーキ装置の耐久性を向上させる
こと、ライニングの磨耗量を減らすこと、クラッチディ
スクに生じる振動を抑えること、等である。
【0009】
【課題を解決するための手段】 請求項1の機械プレス
のクラッチ・ブレーキ装置は、フライホイールの回転駆
動力を出力軸に伝達するクラッチ機構と、出力軸の回転
を制動するブレーキ機構とを備えた機械プレスのクラッ
チ・ブレーキ装置において、前記クラッチ機構は、フラ
イホイールと一体的に回転する環状のクラッチディスク
を備え、前記クラッチディスクは、周方向に複数に分割
された複数のディスク分割体と、複数のディスク分割体
の周方向に隣接する端部同士を連結する1又は複数の連
結部材であって周方向とディスク分割体の板厚方向に弾
性変形可能な1又は複数の連結部材を備えたことを特徴
とするものである。
【0010】クラッチ機構の環状のクラッチディスクの
両面には、複数のライニングが装着されており、クラッ
チ機構を締結状態に切換えると、出力軸と一体回転する
クラッチプレートがエアシリンダ等の駆動手段によりラ
イニングに押圧される。そして、クラッチディスクはク
ラッチプレートと同じく出力軸と一体回転するサポート
プレートに押圧され、クラッチディスクがライニングを
介してクラッチプレートとサポートプレートの間に挟持
されて、フライホイールの回転駆動力が出力軸に伝達さ
れる。逆に、クラッチ機構を締結解除状態に切換える
と、駆動手段によりクラッチプレートがライニングから
離隔する方向に駆動され、ライニングがクラッチプレー
ト及びサポートプレートから離隔して、フライホイール
の回転駆動力が出力軸に伝達されなくなる。
【0011】クラッチディスクは、周方向に複数に分割
されたディスク分割体と、複数のディスク分割体の周方
向に隣接する端部同士を連結する1又は複数の連結部材
であって周方向とディスク分割体の板厚方向に弾性変形
可能な1又は複数の連結部材を備えている。連結部材と
しては種々のものを用いることができるが、例えば、合
成ゴム又は合成樹脂、又はそれらと強化繊維の複合材料
で構成したものなどを用いることができる。また、複数
の連結部材の各々により、周方向に隣接する2つのディ
スク分割体を連結する場合には、例えば、クラッチディ
スクの片面又は両面において、各連結部材を2つのディ
スク分割体の周方向に隣接する端部付近に亙って装着し
たり、前記端部の間に介装したりすればよい。さらに、
クラッチディスクの片面又は両面に装着された合成樹脂
等からなる環状の連結部材により、全てのディスク分割
体を周方向に一体的に連結することもできる。
【0012】特に、高速の機械プレスにおいては、クラ
ッチ機構の締結時にライニングとクラッチプレート及び
サポートプレートとの間に大きな摩擦熱が発生し、この
摩擦熱によりクラッチディスクに大きな熱膨張が生じ
る。しかし、クラッチディスクは複数のディスク分割体
に周方向に分割されて、これら複数のディスク分割体は
周方向に弾性変形可能な連結部材により連結されている
ので、連結部材の周方向の弾性変形により、クラッチデ
ィスクの熱膨張を吸収することができる。さらに、連結
部材はディスク分割体の板厚方向にも弾性変形可能であ
るため、クラッチプレート及びサポートプレートとライ
ニングの密着性が向上するし、クラッチプレートの周方
向の振動及び面振れを吸収することができる。
【0013】請求項2の機械プレスのクラッチ・ブレー
キ装置は、請求項1の発明において、前記連結部材は、
合成ゴム又は合成樹脂と強化繊維の複合材料で構成され
たことを特徴とするものである。従って、連結部材は周
方向とディスク分割体の板厚方向に弾性変形可能であ
り、クラッチディスクの熱膨張を吸収するとともに、ク
ラッチプレートとライニングの密着性を向上させること
ができる。
【0014】請求項3の機械プレスのクラッチ・ブレー
キ装置は、請求項1又は2の発明において、前記クラッ
チ機構は、複数のディスク分割体に固定されピン穴を形
成する筒状部材と、フライホイールに固定されディスク
分割体の前記ピン穴に摺動自在に嵌合してそのディスク
分割体にフライホイールの回転駆動力を伝達するピン部
材とを備えたことを特徴とするものである。
【0015】クラッチ機構を締結状態に切換える際に
は、クラッチプレートがエアシリンダ等の駆動手段によ
りライニングに押圧されるが、このとき、ライニングが
クラッチプレートと密着した状態で、クラッチディスク
もクラッチプレートと共に出力軸の軸心方向に移動す
る。つまり、クラッチディスクは、フライホイールに対
して、出力軸の軸心方向に相対移動可能である必要があ
る。そのため、フライホイールに固定されたピン部材
は、ディスク分割体に固定された筒状部材のピン穴に摺
動自在に嵌合されている。
【0016】前述のように、クラッチディスクは周方向
に分割されて、これら複数のディスク分割体は周方向に
弾性変形可能な連結部材により連結されているので、連
結部材の弾性変形により、ライニングに生じる摩擦熱に
起因するクラッチディスクの熱膨張を吸収することがで
きる。従って、この熱膨張を吸収するためにピン穴をピ
ン部材の外径に対して大きめに形成する必要はなく、ピ
ン穴とピン部材との隙間を極力小さくして、その隙間に
よりピン部材に高頻度で作用するクラッチディスク周方
向及び径方向の衝撃を抑えることができる。
【0017】請求項4の機械プレスのクラッチ・ブレー
キ装置は、請求項3の発明において、前記筒状部材のピ
ン穴とピン部材との間に、無潤滑軸受けを組み込んだこ
とを特徴とするものである。前述のように、クラッチデ
ィスクの熱膨張を連結部材の周方向の弾性変形により吸
収できるため、ピン穴とピン部材との隙間を極力小さく
できるが、クラッチプレートがフライホイールに対して
相対移動可能である必要があるため、ピン穴とピン部材
との隙間を小さくするにも限界がある。そのため、その
微小な隙間によりピン部材に作用する衝撃を完全に抑え
ることは殆ど不可能であるが、ピン穴とピン部材との間
に緩衝性の無潤滑軸受けを組み込むことにより、前記の
衝撃を大幅に緩和してピン部材の腐食を抑えることがで
きる。
【0018】請求項5の機械プレスのクラッチ・ブレー
キ装置は、フライホイールの回転駆動力を出力軸に伝達
するクラッチ機構と、出力軸の回転を制動するブレーキ
機構とを備えた機械プレスのクラッチ・ブレーキ装置に
おいて、前記クラッチ機構は、フライホイールと一体的
に回転する環状のクラッチディスクであって周方向に複
数に分割された複数のディスク分割体からなるクラッチ
ディスクと、複数のディスク分割体に固定されピン穴を
形成する筒状部材と、フライホイールに固定されディス
ク分割体の前記ピン穴に摺動自在に嵌合してそのディス
ク分割体にフライホイールの回転駆動力を伝達するピン
部材とを備え、前記筒状部材のピン穴とピン部材との間
に、無潤滑軸受けを組み込んだこと特徴とするものであ
る。
【0019】クラッチディスクの両面には複数のライニ
ングが装着され、クラッチ機構の締結状態では、出力軸
側のクラッチプレートがエアシリンダ等の駆動手段によ
り駆動されてライニングに密着し、ライニングを介して
クラッチディスクがクラッチプレートとサポートプレー
トとの間に挟持されて、フライホイールの回転駆動力が
出力軸に伝達される。このとき、クラッチディスクもク
ラッチプレートと共に出力軸の軸心方向に移動する必要
があるため、フライホイールに固定されたピン部材は、
ディスク分割体に固定された筒状部材のピン穴に摺動自
在に嵌合されている。
【0020】ここで、ライニングに生じた摩擦熱により
クラッチディスクは熱膨張するが、クラッチディスクは
周方向の複数のディスク分割体に分割されているため、
周方向に隣接するディスク分割体間の隙間により、クラ
ッチディスクの熱膨張を吸収することができ、熱膨張を
吸収するためにピン穴をピン部材の外径に対して大きめ
に形成する必要がなく、ピン穴内において高頻度に作用
する衝撃を抑えることができる。
【0021】但し、ピン部材をピン穴に対して摺動自在
に構成する必要がある以上、ピン部材に作用する衝撃を
完全に抑えることができないが、ピン穴とピン部材との
間に無潤滑軸受けが組み込まれているため、前記の衝撃
を大幅に緩和してピン部材の腐食を抑えることができ
る。
【0022】請求項6の機械プレスのクラッチ・ブレー
キ装置は、請求項5の発明において、前記クラッチディ
スクにおける、複数のディスク分割体の周方向に隣接す
る端部同士間に、その端部同士の接触を防止する為の隙
間を形成したことを特徴とするものである。従って、ク
ラッチディスクの回転時に、隣接するディスク分割体が
互いに接触することがないため、その接触による騒音の
発生を抑えることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】 本発明の実施の形態について図
面を参照して説明する。本実施形態は、高速加工用の機
械プレスに設けられる乾式のクラッチ・ブレーキ装置に
本発明を適用したものである。
【0024】先ず、機械プレス1について、図1を参照
して簡単に説明する。機械プレス1のプレス本体2の内
部には、プレス駆動用のモータ3と、このモータ3によ
り回転駆動されて高速回転(例えば、600〜1200
rpm)するフライホイール4と、フライホイール4の
回転駆動力を出力軸5に伝達したり出力軸5の回転を制
動したりするクラッチ・ブレーキ装置6等が配設されて
いる。出力軸5はクランク軸7と連結されており、クラ
ッチ・ブレーキ装置6により回転駆動力が出力軸5に伝
達され、それに伴ってクランク軸7が回転すると、クラ
ンク軸7に連結されたスライト8が上下動して、被加工
物にプレス加工が施される。
【0025】次に、クラッチ・ブレーキ装置6について
説明する。図2に示すように、クラッチ・ブレーキ装置
6は、出力軸5に固定された本体部材10と、フライホ
イール4の回転駆動力を出力軸5に伝達するクラッチ機
構11と、出力軸5の回転を制動するブレーキ機構12
と、クラッチ機構11とブレーキ機構12とを連動して
切換える切換機構13とを備えている。
【0026】本体部材10は、出力軸5に外嵌固定され
た環状本体部20と、この環状本体部20の前端にボル
ト23で連結された環状端壁部材21と、環状本体部2
0の後端にボルト24で連結された軸端カバー板22な
どで構成されている。環状本体部20と環状端壁部材2
1は出力軸5に外嵌され、この出力軸5の軸端は軸端カ
バー板22により覆われている。出力軸5と軸端カバー
板22とは複数(例えば、4本)のボルト25で固定さ
れており、本体部材10は出力軸5に固定されて出力軸
5と一体的に回転する。環状本体部20の内周側部分に
は、本体部材10の出力軸5に対する着脱を容易にする
為のテーパーリング26も装着されている。
【0027】図2に示すように、クラッチ機構11は、
フライホイール4と一体的に回転する環状のクラッチデ
ィスク30と、このクラッチディスク30をライニング
33を介して後方へ押圧する環状のクラッチプレート3
1と、クラッチディスク30をライニング34を介して
受け止める環状のサポートプレート32とを備えてい
る。クラッチプレート31は後述のピストン部材63に
一体的に設けられており、サポートプレート32は、環
状本体部20の外側部分に設けられている。クラッチ機
構11は、後述の切換機構13により、フライホイール
4の回転駆動力を出力軸5に伝達する締結状態と、伝達
しない締結解除状態とに切換えられる。
【0028】図3、図4に示すように、クラッチディス
ク30は、周方向に分割された8つのディスク分割体3
5と、8つのディスク分割体35の周方向に隣接する端
部同士を連結する8つの連結部材36であって周方向と
ディスク分割体35の板厚方向に弾性変形可能な8つの
連結部材36を備えている。
【0029】8つのディスク分割体35は夫々同様の構
造を有するため、1つのディスク分割体35について夫
々説明する。ディスク分割体35の前後両面において、
その内周側部分にはライニング33,34が装着されて
いる。ディスク分割体35の外周側部分には、周方向両
端側部分に後述の筒状部材38が固定され、周方向中央
部には、ライニング33,34とクラッチプレート31
及びサポートプレート32との間で発生する摩擦熱によ
るクラッチディスク30の熱膨張を吸収する為の穴部3
5aも形成されている。8つの連結部材36は合成ゴム
と強化繊維の複合材料で構成され、図5に示すように、
前後2つの連結部材36は、周方向に隣接する2つのデ
ィスク分割体35の前後両面において、それらディスク
分割体35の端部に亙って4本のボルト36aで固定さ
れている。
【0030】さらに、クラッチ機構11は、8つのディ
スク分割体35に固定されピン穴38aを形成する筒状
部材38と、フライホイールに固定されディスク分割体
35の前記ピン穴38aに摺動自在に嵌合してそのディ
スク分割体35にフライホイール4の回転駆動力を伝達
するピン部材39とを備えている。
【0031】図3、図4に示すように、各ディスク分割
体35の周方向両端側部分には夫々2つの筒状部材38
が固定され、これら筒状部材38に形成されたピン穴3
8aに2本のピン部材39が夫々摺動自在に嵌合し、こ
れらピン部材39はフライホイール4に固定的に設けら
れた取付リング37にボルト41で固定されている。従
って、クラッチディスク30(8つのディスク分割体3
5)は、フライホイール4に対して前後に相対移動可能
である。ピン穴38aとピン部材39との間には、緩衝
性を有する合成樹脂製(例えば、四フッ化エチレン樹脂
製)の無潤滑軸受け43が組み込まれている。
【0032】クラッチプレート30がフライホイール4
に対して相対移動可能、つまり、ピン部材39がピン穴
38aに対して相対的に摺動自在であるためには、ピン
部材39とピン穴38aとの間には微小な隙間が必要で
ある。この隙間のために、クラッチディスク30の高速
回転時には、ピン部材39にはクラッチディスク30の
周方向及び径方向の衝撃が高頻度で作用するが、その衝
撃を最小限に抑えるために、前記の隙間は、クラッチデ
ィスク30がフライホイールに対して相対的に移動でき
る範囲内で極力小さく形成されている(例えば、0.1
mm以下)。尚、クラッチディスク30は高速で回転す
るため、その高速回転によるクラッチディスク30の面
振れを抑制するために、ピン部材39の数は多いことが
望ましい。
【0033】クラッチ機構11の締結時には、後述のエ
アシリンダ60によりクラッチプレート31が後方へ駆
動され、クラッチプレート31はライニング33に密着
してクラッチディスク30を後方へ押圧する。このと
き、ピン部材39がピン穴38aに無潤滑軸受け43を
介して摺動自在に嵌合されているので、クラッチディス
ク30はクラッチプレート31と共にフライホイール4
に対して後方へ移動し、クラッチディスク30はクラッ
チプレート31とサポートプレート32の間でライニン
グ33,34を介して挟持される。従って、ライニング
33,34とクラッチプレート31及びサポートプレー
ト32との間の摩擦力により、本体部材10とクラッチ
ディスク30が接続されてクラッチ機構11が締結状態
となり、フライホイール4の回転駆動力がクラッチディ
スク30を介して出力軸5に伝達される。
【0034】クラッチ機構11の締結解除時には、後述
のスプリング61によりクラッチプレート31がフライ
ホイール4に対して前方へ駆動され、クラッチディスク
30のライニング33,34がクラッチプレート31及
びサポートプレート32から離隔して、本体部材10と
クラッチディスク30が分断されてクラッチ機構11が
締結解除状態となり、フライホイール4の回転駆動力は
出力軸5に伝達されなくなる。
【0035】図2に示すように、ブレーキ機構12は、
プレス本体2に固定的に設けられた支持部材55に連結
された環状のブレーキディスク50と、このブレーキデ
ィスク50をライニング53を介して前方へ押圧する環
状のブレーキプレート51と、ブレーキディスク50を
ライニング54を介して受け止める環状のサポートプレ
ート52などを備えている。ブレーキ機構12は、後述
の切換機構13により、クラッチ機構11と連動しつ
つ、出力軸5の回転を制動する制動状態と、出力軸5の
回転を制動しない非制動状態とに切換えられる。
【0036】ブレーキディスク50の前後両面には周方
向に複数に分割されたライニング53,54が夫々装着
されている。ブレーキディスク50の外周側部分におい
て、上下2つの固定用連結部材56が2本のピン部材5
7により夫々連結され、2つの固定用連結部材56は連
結ピン58により夫々支持部材55に固定され、ブレー
キディスク50はプレス本体2に回転不能に固定されて
いることになる。ピン部材57はクラッチ機構11のピ
ン部材39と同様にブレーキディスク50側のピン穴
(図示略)に対して摺動自在に嵌合されており、ブレー
キディスク50は8つの固定用連結部材56に対して前
後に相対移動可能である。
【0037】ブレーキプレート51は、環状本体部20
の後端側部分に形成された環状部20aに摺動自在に外
嵌し、ブレーキプレート51の本体部材10に対する相
対的な前後方向の移動は許容されている。一方、ブレー
キプレート51の本体部材10に対する相対的な回転
は、キー部材59により規制されており、ブレーキプレ
ート51は本体部材10と一体的に回転する。サポート
プレート52は、サポートプレート32の後側で環状本
体部20の外周側に一体的に設けられている。
【0038】後述するように、ブレーキプレート51が
クラッチプレート31と連動して前方へ駆動されると、
ブレーキプレート51はライニング53に密着してブレ
ーキディスク50を前方へ押圧し、ブレーキディスク5
0はブレーキプレート51とサポートプレート52との
間でライニング53,54を介して挟持される。従っ
て、ライニングとブレーキプレート51及びサポートプ
レート52との間の摩擦力により、本体部材10とブレ
ーキディスク50が接続されてブレーキ機構12が制動
状態となり、出力軸5の回転が制動される。逆に、ブレ
ーキプレート51がクラッチプレート31と連動して後
方へ駆動されると、ライニング53,54がブレーキプ
レート51及びサポートプレート52から離隔して、本
体部材10とブレーキディスク50とが分断されてブレ
ーキ機構12が非制動状態となり、出力軸5の回転が制
動される。
【0039】図2に示すように、切換機構13は、加圧
エアの供給を受けてクラッチ機構11を締結側へ作動さ
せるエアシリンダ60と、クラッチ機構11を締結解除
側へ作動させる複数(例えば、12個)のスプリング6
1と、クラッチ機構11とブレーキ機構12とを連動さ
せる為の複数(例えば、8本)の連結ピン62などを備
えている。エアシリンダ60は、環状本体部20の前半
部に摺動可能に外嵌した環状のピストン部材63と、加
圧エアが供給されてピストン部材63を後方へ駆動する
エア作動室64と、エア作動室64の前端側を塞ぐ環状
端壁部材21などを備えている。
【0040】軸端カバー板22にはエアポート65が形
成され、このエアポート65はロータリジョイント66
を介して加圧エア供給源(図示略)と接続されている。
さらに、エアポート65は、環状本体部20と軸端カバ
ー板22に夫々形成されたエア通路67,68によりエ
ア作動室64と接続されている。
【0041】環状本体部20の前側部分とピストン部材
63の後側部分の間に、複数のスプリング室69が周方
向に等間隔に形成され、各スプリング室69に夫々スプ
リング61が配設されている。環状本体部20の外周側
部分において、サポートディスク32,52よりもやや
軸心側には、環状本体部20を前後に貫通する複数のピ
ン穴70が周方向等間隔おきに形成され、各ピン穴70
には連結ピン71が円筒状のスリーブ部材72を介して
挿通され、連結ピン71によりピストン部材63とブレ
ーキプレート51が連結されている。
【0042】エア作動室64にエアポート65、エア通
路67,68を介して加圧エアが供給されると、スプリ
ング61の付勢力に抗してピストン部材63が後方へ駆
動される。前述のように、ピストン部材63の後端部に
クラッチプレート31が一体的に設けられているため、
このクラッチプレート31も後方へ駆動されて、クラッ
チ機構11が締結状態となる。このとき、連結ピン71
によりピストン部材63と連結されたブレーキプレート
51も連動して後方へ駆動され、ブレーキ機構12は非
制動状態となる。
【0043】一方、エア作動室64から加圧エアが排出
されると、スプリング61によりピストン部材63が前
方へ駆動され、クラッチプレート31も前方へ駆動され
るため、クラッチ機構11が締結解除状態となる。この
とき、ブレーキプレート51も連動して前方へ駆動さ
れ、ブレーキ機構12は制動状態となる。
【0044】次に、クラッチ・ブレーキ装置6の作用に
ついて説明する。フライホイール4の回転駆動力を出力
軸5に伝達する際には、まず、外部のエア供給源からエ
アポート65、エア通路67,68を介してエア作動室
64に加圧エアを供給する。エア作動室64に加圧エア
が供給されると、スプリング61の付勢力に抗してピス
トン部材63が後方へ駆動され、クラッチプレート31
がライニング33に密着してクラッチディスク30を押
圧し、クラッチディスク30はライニング33,34を
介してクラッチプレート31とサポートディスク32と
の間で挟持される。
【0045】従って、ライニング33,34とクラッチ
プレート31及びサポートプレート32との間の摩擦力
により、クラッチディスク30は本体部材10と接続さ
れ、クラッチ機構11は締結状態となって、回転駆動力
がクラッチディスク30を介して出力軸5に伝達され
る。このとき、切換機構13により、クラッチ機構11
の締結作動と連動してブレーキ機構12は非制動状態と
なり、ブレーキディスク50と本体部材10とは分断さ
れた状態であるため、出力軸5の回転は制動されない。
【0046】ここで、回転するクラッチディスク30の
ライニング33,34と、クラッチプレート31及びサ
ポートプレート32との間で摩擦熱が発生し、この摩擦
熱によりクラッチディスク30は熱膨張するが、この熱
膨張は8つのディスク分割体35を連結する連結部材3
6の周方向の弾性変形により吸収することができる。従
って、クラッチディスク30が径方向に殆ど膨張しない
ため、クラッチプレート30がピン部材39に対して相
対移動できる程度に、ピン穴38aを十分小さくしてピ
ン部材39に作用する衝撃を極力抑えることができる。
【0047】クラッチ機構11の締結状態では、ライニ
ング33,34がクラッチプレート31とサポートプレ
ート32に密着して、フライホイール4の回転駆動力が
本体部材10に伝達されるが、クラッチディスク30の
8つのディスク分割体35を連結する連結部材36は周
方向及びディスク分割体35の板厚方向に弾性変形可能
であるため、各ディスク分割体35に装着されたライニ
ング33,34とクラッチプレート31及びサポートプ
レート32とは略均等に密着することになる。
【0048】フライホイール4の回転駆動力を出力軸5
に伝達しない場合には、エア作動室64の加圧エアを排
出すると、ピストン部材63がスプリング61により前
方へ駆動され、クラッチディスク30と本体部材10と
が分断されて、クラッチ機構11が締結解除状態とな
る。このとき、切換機構13により、ピストン部材63
と共にブレーキプレート51も前方へ駆動されて、ブレ
ーキプレート51がブレーキディスク50を前方へ押圧
するので、ブレーキディスク50のライニング53,5
4とブレーキプレート51及びサポートプレート52と
の間の摩擦力により、ブレーキディスク50と本体部材
10とが接続されてブレーキ機構12は制動状態とな
り、出力軸5の回転が制動される。
【0049】クラッチ機構11の締結解除状態において
は、クラッチディスク30はクラッチプレート31及び
サポートプレート32から離隔した状態で、フライホイ
ール4と一体的に回転するが、8つのディスク分割体3
5の周方向の振動及び面振れは、連結部材36の周方向
及びディスク分割体35の板厚方向の弾性変形により吸
収され、それらの振動及び面振れによる騒音が抑制され
る。
【0050】以上のクラッチ・ブレーキ装置6によれ
ば、次のような効果が得られる。 1)連結部材36の周方向の弾性変形により、摩擦熱に
起因するクラッチディスク30の熱膨張を吸収すること
ができるので、この熱膨張を吸収するためにピン穴38
aをピン部材39の外径に対して大きめに形成する必要
がなく、ピン穴38aとピン部材39との隙間を極力小
さくして、その隙間によりピン部材39に作用する、ク
ラッチディスク30の周方向及び径方向の衝撃を抑える
ことができる。
【0051】さらに、筒状部材38のピン穴38aとピ
ン部材39との間に、無潤滑軸受け43が組み込まれた
ので、クラッチプレート30がフライホイール4に対し
て相対移動可能であるために、ピン穴38aとピン部材
39との間には微小な隙間を確保する必要があるが、こ
の場合でも、無潤滑軸受け43によりピン部材に作用す
る衝撃を緩和して腐食が発生するのを防止することがで
きる。従って、クラッチ・ブレーキ装置6の耐久性を格
段に向上させることができる。
【0052】2)連結部材36は周方向とディスク分割
体35の板厚方向に弾性変形可能であるため、クラッチ
機構11の締結解除状態におけるディスク分割体35の
周方向の振動と面振れを吸収することができるので、そ
れらの振動や面振れによる騒音を抑制することができ
る。さらに、クラッチ機構11の締結状態において、ラ
イニング33,34とクラッチプレート31及びサポー
トプレート32との密着性も向上してライニング33,
34の磨耗量が少なくなるし、ライニング33,34の
偏磨耗も生じにくくなる。また、クラッチ機構11の締
結時の回転駆動力の伝達効率も向上する。 3)ライニング33,34の磨耗を抑制することで、ク
ラッチ機構11のクラッチプレート31の移動ストロー
クが小さい状態を保持して、クラッチ機構11の良好な
レスポンスを保つことができる。
【0053】次に、前記実施形態に種々の変更を加えた
変更形態について説明する。尚、前記実施形態と同じ構
造のものについては、同じ符号を付して適宜その説明を
省略する。 1〕連結部材36としては、合成樹脂や合成ゴムからな
るもの、さらに、合成ゴムと強化繊維の複合材料からな
るものも使用できる。また、連結部材36を周方向に隣
接するディスク分割体35の端部に夫々接着するなどし
て、連結部材36を端部間に介装してこれらディスク分
割体35を周方向に連結するように構成してもよい。さ
らに、クラッチディスク30の片面又は両面に装着され
た合成樹脂等からなる環状の連結部材により、全てのデ
ィスク分割体35を一体的に連結することもできる。
【0054】2〕図5に示すように、クラッチディスク
30Aを周方向に分割された8つのディスク分割体35
Aで構成してもよい。この場合、8つのディスク分割体
35Aの周方向に隣接する端部同士間に、その端部同士
間の接触を防止する為の隙間80を形成することが望ま
しい。このようにクラッチディスク30Aを構成するこ
とで、周方向に隣接するディスク分割体35A間の隙間
により、クラッチディスク30Aの熱膨張を吸収するこ
とができ、熱膨張を吸収するためにピン穴38aをピン
部材39に対して大きめに形成する必要がなく、ピン穴
38aにおいてピン部材39に作用する衝撃を小さくす
ることができる。
【0055】但し、ピン部材39をピン穴38aに対し
て摺動自在に構成する必要がある以上、ピン部材39に
作用する衝撃を完全に抑えることができないが、前記実
施形態と同様に、ピン穴38aとピン部材39との間に
無潤滑軸受け43を設けることにより、ピン部材39に
作用する衝撃を大幅に緩和してピン部材39の腐食を防
止することができる。また、クラッチ機構11の締結解
除状態においては、隙間80により隣接するディスク分
割体35Aの端部同士が接触することがないため、その
接触による騒音の発生を抑えることができる。 3〕クラッチディスク30の分割数は8つに限るもので
はなく、クラッチディスク30の径や回転数等を考慮し
て種々の分割数を採用できる。また、
【0056】
【発明の効果】 請求項1の発明によれば、クラッチデ
ィスクは複数のディスク分割体に周方向に分割されて、
これら複数のディスク分割体は周方向に弾性変形可能な
連結部材により連結されているので、以下のような効果
が得られる。 1)連結部材の周方向の弾性変形により、摩擦熱による
クラッチディスクの熱膨張を吸収することができる。
【0057】2)連結部材は周方向とディスク分割体の
板厚方向に弾性変形可能であるため、ディスク分割体の
周方向の振動と面振れを抑えることができ、これらの振
動及び面振れによる騒音を抑制できる。さらに、クラッ
チ機構の締結状態における、ライニングとクラッチプレ
ート及びサポートプレートとの密着性も向上してライニ
ングの磨耗量が少なくなるし、ライニングの偏磨耗も生
じにくくなる。従って、総合的にクラッチ・ブレーキ装
置の耐久性が向上する。さらには、クラッチ機構の締結
時の回転駆動力の伝達効率も向上する。 3)ライニングの磨耗を抑制することで、クラッチプレ
ートの移動ストロークが小さい状態を保持してクラッチ
機構の良好なレスポンスを保つことができる。
【0058】請求項2の発明によれば、連結部材は、合
成ゴム又は合成樹脂と強化繊維の複合材料で構成された
ので、この連結部材の周方向とディスク分割体の板厚方
向の弾性変形により、クラッチディスクの熱膨張を吸収
するとともに、クラッチ機構の締結状態において、クラ
ッチプレートとライニングの密着性も向上させることが
できる。その他、請求項1と同様の効果が得られる。
【0059】請求項3の発明によれば、フライホイール
に固定されたピン部材は、ディスク分割体に固定された
筒状部材のピン穴に摺動自在に嵌合されているので、ク
ラッチ機構の切換時に、クラッチディスクはフライホイ
ールに対して出力軸の軸心方向に相対移動することがで
きる。
【0060】ここで、連結部材の周方向の弾性変形によ
り、ライニングの摩擦熱によるクラッチディスクの熱膨
張を吸収することができるので、この熱膨張を吸収する
ためにピン穴をピン部材の外径に対して大きめに形成す
る必要がなく、ピン穴とピン部材との隙間を極力小さく
して、ピン部材にクラッチディスク周方向及び径方向に
作用する衝撃を抑えることができる。従って、この衝撃
に起因するピン部材の腐食を抑えることができ、クラッ
チ・ブレーキ装置の耐久性を向上させることができる。
その他、請求項1又は2と同様の効果が得られる。
【0061】請求項4の発明によれば、筒状部材のピン
穴とピン部材との間に、無潤滑軸受けが組み込まれたの
で以下のような効果が得られる。即ち、クラッチプレー
トがフライホイールに対して相対的に移動できるように
するために、ピン穴とピン部材との間には必然的に隙間
が必要になるが、この隙間によりピン部材に高頻度に衝
撃が作用しても、無潤滑軸受けによりこの衝撃を大幅に
緩和してピン部材の腐食を防止することができる。その
他、請求項3と同様の効果が得られる。
【0062】請求項5の発明によれば、クラッチディス
クが複数のディスク分割体に周方向に分割され、さら
に、筒状部材のピン穴とピン部材との間に、無潤滑軸受
けが組み込まれたので、以下の効果が得られる。周方向
に隣接するディスク分割体間の隙間により、クラッチデ
ィスクの熱膨張を吸収することができるので、この熱膨
張を吸収するためにピン穴をピン部材に対して大きめに
形成する必要がなく、ピン穴内におけるピン部材に作用
する高頻度の衝撃をかなり抑えることができる。
【0063】但し、クラッチプレートをピン部材に対し
て相対移動可能に構成する必要がある以上、ピン部材に
作用する前記の衝撃を完全に抑えることができないが、
ピン穴とピン部材との間の無潤滑軸受けにより、この衝
撃を大幅に緩和することができる。
【0064】請求項6の発明によれば、複数のディスク
分割体の周方向に隣接する端部同士間に、その端部同士
の接触を防止する為の隙間を形成したので、クラッチデ
ィスクの回転時に、隣接するディスク分割体が互いに接
触することがなく、その接触による騒音の発生を抑える
ことができる。その他、請求項5と同様の効果が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る機械プレスの概略構成
図である。
【図2】クラッチ・ブレーキ装置の縦断面図である。
【図3】クラッチディスクの正面図である。
【図4】図3のV-V 線断面図である。
【図5】変更形態の図3相当図である。
【図6】従来のクラッチディスクの正面図である。
【符号の説明】
1 機械プレス 4 フライホイール 5 出力軸 6 クラッチ・ブレーキ装置 11 クラッチ機構 12 ブレーキ機構 30,30A クラッチディスク 35,35A ディスク分割体 36 連結部材 38 筒状部材 38a ピン穴 39 ピン部材 43 無潤滑軸受け 80 隙間

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フライホイールの回転駆動力を出力軸に
    伝達するクラッチ機構と、出力軸の回転を制動するブレ
    ーキ機構とを備えた機械プレスのクラッチ・ブレーキ装
    置において、 前記クラッチ機構は、フライホイールと一体的に回転す
    る環状のクラッチディスクを備え、 前記クラッチディスクは、周方向に複数に分割された複
    数のディスク分割体と、複数のディスク分割体の周方向
    に隣接する端部同士を連結する1又は複数の連結部材で
    あって周方向とディスク分割体の板厚方向に弾性変形可
    能な1又は複数の連結部材を備えた、 ことを特徴とする機械プレスのクラッチ・ブレーキ装
    置。
  2. 【請求項2】 前記連結部材は、合成ゴム又は合成樹脂
    と強化繊維の複合材料で構成されたことを特徴とする請
    求項1に記載の機械プレスのクラッチ・ブレーキ装置。
  3. 【請求項3】 前記クラッチ機構は、複数のディスク分
    割体に固定されピン穴を形成する筒状部材と、フライホ
    イールに固定されディスク分割体の前記ピン穴に摺動自
    在に嵌合してそのディスク分割体にフライホイールの回
    転駆動力を伝達するピン部材とを備えたことを特徴とす
    る請求項1又は2に記載の機械プレスのクラッチ・ブレ
    ーキ装置。
  4. 【請求項4】 前記筒状部材のピン穴とピン部材との間
    に、無潤滑軸受けを組み込んだことを特徴とする請求項
    3に記載の機械プレスのクラッチ・ブレーキ装置。
  5. 【請求項5】 フライホイールの回転駆動力を出力軸に
    伝達するクラッチ機構と、出力軸の回転を制動するブレ
    ーキ機構とを備えた機械プレスのクラッチ・ブレーキ装
    置において、 前記クラッチ機構は、フライホイールと一体的に回転す
    る環状のクラッチディスクであって周方向に複数に分割
    された複数のディスク分割体からなるクラッチディスク
    と、複数のディスク分割体に固定されピン穴を形成する
    筒状部材と、フライホイールに固定されディスク分割体
    の前記ピン穴に摺動自在に嵌合してそのディスク分割体
    にフライホイールの回転駆動力を伝達するピン部材とを
    備え、 前記筒状部材のピン穴とピン部材との間に、無潤滑軸受
    けを組み込んだことを特徴とする機械プレスのクラッチ
    ・ブレーキ装置。
  6. 【請求項6】 前記クラッチディスクにおける、複数の
    ディスク分割体の周方向に隣接する端部同士間に、その
    端部同士の接触を防止する為の隙間を形成したことを特
    徴とする請求項5に記載の機械プレスのクラッチ・ブレ
    ーキ装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008018892A (ja) * 2006-07-14 2008-01-31 Japan Climate Systems Corp 車両用空調装置及びインストルメントパネルモジュールの製造方法
CN106584911A (zh) * 2016-12-14 2017-04-26 安徽海拓志永智能装备股份有限公司 一种压力机用制动器
CN106671476A (zh) * 2016-12-14 2017-05-17 安徽海拓志永智能装备股份有限公司 一种用于压力机的高效制动器
CN113714915A (zh) * 2021-09-06 2021-11-30 徐州方隆工程机械有限公司 一种机械零件除锈装置

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