JP2003266338A - 脚式ロボットの姿勢制御装置及び姿勢制御方法 - Google Patents

脚式ロボットの姿勢制御装置及び姿勢制御方法

Info

Publication number
JP2003266338A
JP2003266338A JP2002073389A JP2002073389A JP2003266338A JP 2003266338 A JP2003266338 A JP 2003266338A JP 2002073389 A JP2002073389 A JP 2002073389A JP 2002073389 A JP2002073389 A JP 2002073389A JP 2003266338 A JP2003266338 A JP 2003266338A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
posture
basic
origin
walking
mobile robot
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002073389A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3813102B2 (ja
Inventor
Yuichi Hattori
裕一 服部
Jinichi Yamaguchi
仁一 山口
Kenichiro Nagasaka
憲一郎 長阪
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP2002073389A priority Critical patent/JP3813102B2/ja
Publication of JP2003266338A publication Critical patent/JP2003266338A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3813102B2 publication Critical patent/JP3813102B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 機体の安定性や、消費エネルギ、次の状態へ
の遷移を考慮して基本姿勢を設定して機体運動を好適に
制御する。 【解決手段】 脚式移動ロボットの基本仰向け姿勢でオ
ペレータが電源を投入すると、その姿勢のままハードウ
ェアの診断やソフトウェアの初期化、機体の原点チェッ
クなどの起動シーケンスを行なった後、所定の起き上が
りモーション・シーケンスに従って基本立ち姿勢に自動
的に遷移する。一旦基本立ち姿勢を形成すると、これを
姿勢遷移の基準にして、歩行やダンスなど、脚部を始め
全身の各部の自由度を活用した各種のパフォーマンスを
行なうことが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多数の関節自由度
を持つ脚式ロボットの姿勢制御装置及び姿勢制御方法に
係り、特に、複数の可動脚を備えた脚式移動脚式ロボッ
トの姿勢制御装置及び姿勢制御方法に関する。
【0002】さらに詳しくは、本発明は、エンターテイ
ンメント型のロボットのように、定型的な作業に限らず
多種多様な機体動作を行なう脚式ロボットの姿勢制御装
置及び姿勢制御方法に係り、特に、複数の基本姿勢をベ
ースにして機体動作を制御する脚式ロボットの姿勢制御
装置及び姿勢制御方法に関する。
【0003】
【従来の技術】電気的若しくは磁気的な作用を用いて人
間の動作に似せた運動を行う機械装置のことを「ロボッ
ト」という。ロボットの語源は、スラブ語の"ROBO
TA(奴隷機械)"に由来すると言われている。わが国で
は、ロボットが普及し始めたのは1960年代末からで
あるが、その多くは、工場における生産作業の自動化・
無人化などを目的としたマニピュレータや搬送ロボット
などの産業用ロボット(industrial robot)であった。
【0004】最近では、イヌやネコのように4足歩行の
動物の身体メカニズムやその動作を模したペット型ロボ
ット、あるいは、ヒトのような2足直立歩行を行う動物
の身体メカニズムや動作をモデルにしてデザインされた
「人間形」若しくは「人間型」と呼ばれるロボット(hu
manoid robot)など、脚式移動ロボットに関する研究開
発が進展し、実用化への期待も高まってきている。
【0005】ヒトの生体メカニズムや動作をエミュレー
トした脚式移動ロボットのことを、特に、「人間形」、
若しくは「人間型」のロボット(humanoid robot)と呼
ぶ。人間型ロボットは、例えば、生活支援、すなわち住
環境その他の日常生活上の様々な場面における人的活動
の支援などを行うことができる。
【0006】脚式移動ロボットの用途の1つとして、産
業活動・生産活動等における各種の難作業の代行が挙げ
られる。例えば、原子力発電プラントや火力発電プラン
ト、石油化学プラントにおけるメンテナンス作業、製造
工場における部品の搬送・組立作業、高層ビルにおける
清掃、火災現場その他における救助といったような危険
作業・難作業の代行などである。
【0007】また、脚式移動ロボットの他の用途とし
て、上述の作業支援というよりも、生活密着型、すなわ
ち人間との「共生」あるいは「エンターティンメント」
という用途が挙げられる。この種のロボットは、ヒトあ
るいはイヌ(ペット)、クマなどの比較的知性の高い脚
式歩行動物の動作メカニズムや四肢を利用した豊かな感
情表現を忠実に再現する。また、あらかじめ入力された
動作パターンを単に忠実に実行するだけではなく、ユー
ザ(あるいは他のロボット)から受ける言葉や態度
(「褒める」とか「叱る」、「叩く」など)に対して動
的に対応した、生き生きとした応答表現を実現すること
も要求される。
【0008】従来の玩具機械は、ユーザ操作と応答動作
との関係が固定的であり、玩具の動作をユーザの好みに
合わせて変更することはできない。この結果、ユーザは
同じ動作しか繰り返さない玩具をやがては飽きてしまう
ことになる。これに対し、インテリジェントなロボット
は、対話や機体動作などからなる行動を自律的に選択す
ることから、より高度な知的レベルでリアリスティック
なコミュニケーションを実現することが可能となる。こ
の結果、ユーザはロボットに対して深い愛着や親しみを
感じる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】自動機械は、一般に、
電源投入後、自己診断処理や初期化処理を経て通常の動
作状態となる。また、その動作や行動は、あらかじめ規
定されている状態遷移(ステートマシン)に従って制御
される。
【0010】ロボットにおいてステートマシンで規定さ
れている各状態は、基本姿勢としての性質を持つ。例え
ば、基本姿勢となるポーズすなわち機体上の各関節角を
あらかじめ定めておき、各基本姿勢間を繋ぐような各関
節角の軌道を計算して、アクションすなわち機体動作を
作成することができる。そして、複数のアクションを直
列的あるいは並列的に組み合わせることにより、インタ
ラクションなどの意味を備えたビヘイビアすなわち行動
を編集することができる。
【0011】ロボットを始めとする自動機械における基
本姿勢は、動作の開始点、分岐点、終了点など機械制御
において重要な意味を持つ。
【0012】従来の産業用途のロボットは、その動作は
比較的少数の定型的な動作の繰り返ししか行なわない。
したがって、機体設計を特定の目的に限定して最適化す
ることができるし、数少ない基本姿勢で済む。
【0013】これに対し、上述したエンターテインメン
ト型の脚式移動ロボットの場合、単なる歩行などの脚式
作業の他に、跳躍やダンスなど多岐にわたる動作を行な
う。また、脚だけでなく、胴体や上肢などを含めたさま
ざまな動作を行なう。このため、動作の開始点、分岐
点、終了点として、どのような姿勢を基本姿勢として位
置付けるかは、機体制御の効率化を考えても重要な問題
である。
【0014】2足直立姿勢や「休め」のポーズなど、見
た目でロボットの基本姿勢を定義することもできる。し
かしながら、機体の安定性や、消費エネルギ、次の状態
への遷移を考慮して基本姿勢を設定しなければ、制御に
は不利である。
【0015】安定性の低い姿勢を基本姿勢に設定した場
合、常に姿勢安定制御を実行しなければならず、計算機
への負荷は過大である。また、基本姿勢においても、常
に姿勢維持のために関節軸アクチュエータがトルクを発
生しなければならなくなり、消費電力の浪費になる。
【0016】本発明は上述したような技術的課題を鑑み
たものであり、その目的は、エンターテインメント型の
ロボットのように、定型的な作業に限らず多種多様な機
体動作を好適に行なうことができる、優れた脚式ロボッ
トの姿勢制御装置及び姿勢制御方法を提供することにあ
る。
【0017】本発明のさらなる目的は、複数の基本姿勢
をベースにして機体動作を効率的に制御することができ
る、優れた脚式ロボットの姿勢制御装置及び姿勢制御方
法を提供することにある。
【0018】本発明のさらなる目的は、機体の安定性
や、消費エネルギ、次の状態への遷移を考慮して基本姿
勢を設定して機体運動を好適に制御することができる、
優れた脚式ロボットの姿勢制御装置及び姿勢制御方法を
提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、上記
課題を参酌してなされたものであり、その第1の側面
は、複数の関節自由度を備えるとともに複数の基本姿勢
間の遷移により機体動作を制御する脚式ロボットの姿勢
制御装置又は方法であって、脱力した仰向け又はうつ伏
せ姿勢で静止状態を維持する基本床上姿勢にて駆動電源
を投入する電源投入手段又はステップと、前記基本床上
姿勢にて機体の初期化処理を行なう初期化手段又はステ
ップと、床上姿勢において機体の傾斜確認及び/又は各
関節自由度における原点探索を行なう原点探索手段又は
ステップと、を具備することを特徴とする脚式ロボット
の姿勢制御装置又は方法である。
【0020】ここで、前記原点探索手段又はステップ
は、前記基本床上姿勢において探索対象となる関節角を
原点探索方向に駆動させて原点を通過することによって
原点チェックを行なうことができる。
【0021】したがって、本発明の第1の側面に係る脚
式ロボットの姿勢制御装置又は方法によれば、脚式移動
ロボットの基本仰向け姿勢でオペレータが電源を投入す
ると、その姿勢のままハードウェアの診断やソフトウェ
アの初期化、機体の原点チェックなどの起動シーケンス
を行なった後、所定の起き上がりモーション・シーケン
スに従って基本立ち姿勢に自動的に遷移するので、起動
時の作業負担が軽減される。そして、一旦基本立ち姿勢
を形成すると、これを姿勢遷移の基準にして、歩行やダ
ンスなど、脚部を始め全身の各部の自由度を活用した各
種のパフォーマンスを行なうことが可能となる。
【0022】また、本発明の第1の側面に係る脚式ロボ
ットの姿勢制御装置又は方法によれば、基本仰向け姿勢
のまま前記原点探索手段により原点チェックを行なう
が、この時点で原点チェックに失敗したことに応答して
前記機体起き上がり手段の起動を停止することにより、
起き上がり動作時又は起き上がり後に機体が転倒すると
いう事態を未然に防止することができる。
【0023】起き上がり後の脚式移動ロボットは、機体
のZMPをZMP安定領域の中心付近に配置した基本的
な立脚姿勢をとる。基本立脚姿勢として、膝の曲げ角を
小さくしてエネルギ消費量を抑制した基本立ち姿勢と、
膝の曲げ角を比較的大きくして路面適応性並びに外力適
応性を高めた基本歩行姿勢を規定している。基本歩行姿
勢では膝の曲げ角を大きくした分だけエネルギ消費量が
増大するが、歩行やその他の脚式動作への移行を円滑且
つ効率的に行なうことができる。
【0024】また、本発明の第2の側面は、複数の基本
姿勢間の遷移により機体動作を制御する脚式ロボットの
姿勢制御装置又は方法であって、基本姿勢近傍の関節角
度に原点を設定する原点設定手段又はステップと、基本
姿勢から関節が変位して原点を通過するときに原点チェ
ックを行なう機体診断手段又はステップと、を具備する
ことを特徴とする脚式ロボットの姿勢制御装置又は方法
である。
【0025】そして、前記機体診断手段又はステップが
原点チェックに失敗したことに応答して、機体動作を停
止させるようにすることによって、その後の脚式動作に
おいて機体が転倒・落下するという事態を未然に防止す
ることができる。
【0026】本発明の第2の側面に係る脚式移動ロボッ
トは、機体の立脚時においてZMPをZMP安定領域の
中心付近に配置した基本姿勢として、膝の曲げ角を小さ
くしてエネルギ消費量を抑制した基本立ち姿勢と、膝の
曲げ角を比較的大きくして路面適応性並びに外力適応性
を高めた基本歩行姿勢を備えている。
【0027】また、脚式移動ロボットは脚部において、
足首ピッチ軸、足首ロール軸、膝ピッチ軸、股関節ロー
ル軸、股関節ピッチ軸の関節自由度を備えている。そし
て、前記原点設定手段又はステップは、前記足首ロール
軸及び股関節ロール軸の原点を前記基本歩行姿勢から単
脚支持期最前期の間に設定するとともに、前記足首ピッ
チ軸、膝ピッチ軸、股関節ピッチ軸の原点を前記基本立
ち姿勢と前記基本歩行姿勢の間に設定してもよい。
【0028】このような場合、前記機体診断手段又はス
テップは、立脚側への機体のZMPを移動させる歩行予
備動作期間中に前記足首ロール軸及び股関節ロール軸の
原点チェックを行なうことができるとともに、歩行停止
毎に前記足首ピッチ軸、膝ピッチ軸、股関節ピッチ軸の
原点チェックを行なうことができる。
【0029】また、脚式移動ロボットの胴体はさらに体
幹ピッチ軸及び体幹ロール軸の関節自由度を備えていて
もよい。そして、前記原点設定手段又はステップは、前
記体幹ロール軸の原点を前記基本歩行姿勢から単脚支持
期最前期の間に設定するとともに、前記体幹ピッチ軸の
原点を前記基本立ち姿勢と前記基本歩行姿勢の間に設定
してもよい。
【0030】このような場合、前記機体診断手段又はス
テップは、立脚側への機体のZMPを移動させる歩行予
備動作期間中に前記体幹ロール軸の原点チェックを行な
うことができるとともに、歩行停止毎に前記体幹ピッチ
軸の原点チェックを行なうことができる。
【0031】本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、
後述する本発明の実施形態や添付する図面に基づくより
詳細な説明によって明らかになるであろう。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施形態について詳解する。
【0033】A.脚式移動ロボットの物理的構成 図1及び図2には本発明の実施に供される「人間形」又
は「人間型」の脚式移動ロボットが直立している様子を
前方及び後方の各々から眺望した様子を示している。図
示の通り、脚式移動ロボットは、胴体部と、頭部と、左
右の上肢部と、脚式移動を行う左右2足の下肢部とで構
成され、例えば胴体に内蔵されている制御部(図示しな
い)により機体の動作を統括的にコントロールするよう
になっている。
【0034】左右各々の下肢は、大腿部と、膝関節と、
脛部と、足首と、足平とで構成され、股関節によって体
幹部の略最下端にて連結されている。また、左右各々の
上肢は、上腕と、肘関節と、前腕とで構成され、肩関節
によって体幹部の上方の左右各側縁にて連結されてい
る。また、頭部は、首関節によって体幹部の略最上端中
央に連結されている。
【0035】制御部は、この脚式移動ロボットを構成す
る各関節アクチュエータの駆動制御や各センサ(後述)
などからの外部入力を処理するコントローラ(主制御
部)や、電源回路その他の周辺機器類を搭載した筐体で
ある。制御部は、その他、遠隔操作用の通信インターフ
ェースや通信装置を含んでいてもよい。
【0036】このように構成された脚式移動ロボット
は、制御部による全身協調的な動作制御により、2足歩
行を実現することができる。かかる2足歩行は、一般
に、以下に示す各動作期間に分割される歩行周期を繰り
返すことによって行われる。すなわち、
【0037】(1)右脚を持ち上げた、左脚による単脚
支持期 (2)右足が接地した両脚支持期 (3)左脚を持ち上げた、右脚による単脚支持期 (4)左足が接地した両脚支持期
【0038】脚式移動ロボットにおける歩行制御は、あ
らかじめ下肢の目標軌道を計画し、上記の各期間におい
て計画軌道の修正を行うことによって実現される。すな
わち、両脚支持期では、下肢軌道の修正を停止して、計
画軌道に対する総修正量を用いて腰の高さを一定値で修
正する。また、単脚支持期では、修正を受けた脚の足首
と腰との相対位置関係を計画軌道に復帰させるように修
正軌道を生成する。
【0039】歩行動作の軌道修正を始めとして、機体の
姿勢安定制御には、一般に、ZMPに対する偏差を小さ
くするための位置、速度、及び加速度が連続となるよう
に、5次多項式を用いた補間計算により行う。ZMP
(Zero Moment Point)を歩行の安定度判別の規範とし
て用いている。ZMPによる安定度判別規範は、歩行系
から路面には重力と慣性力、並びにこれらのモーメント
が路面から歩行系への反作用としての床反力並びに床反
力モーメントとバランスするという「ダランベールの原
理」に基づく。力学的推論の帰結として、足底接地点と
路面の形成する支持多角形(すなわちZMP安定領域)
の辺上あるいはその内側にピッチ軸及びロール軸モーメ
ントがゼロとなる点、すなわち「ZMP(Zero Moment
Point)」が存在する。
【0040】図3には、この脚式移動ロボットが具備す
る関節自由度構成を模式的に示している。同図に示すよ
うに、脚式移動ロボットは、2本の腕部と頭部を含む上
肢と、移動動作を実現する2本の脚部からなる下肢と、
上肢と下肢とを連結する体幹部とで構成された、複数の
肢を備えた構造体である。
【0041】頭部を支持する首関節(Neck)は、首
関節ヨー軸1と、第1及び第2の首関節ピッチ軸2A及
び2Bと、首関節ロール軸3という3自由度を有してい
る。
【0042】また、各腕部は、その自由度として、肩
(Shoulder)における肩関節ピッチ軸4と、肩
関節ロール軸5と、上腕ヨー軸6、肘(Elbow)に
おける肘関節ピッチ軸7と、手首(Wrist)におけ
る手首関節ヨー軸8と、手部とで構成される。手部は、
実際には、複数本の指を含む多関節・多自由度構造体で
ある。
【0043】また、体幹部(Trunk)は、体幹ピッ
チ軸9と、体幹ロール軸10という2自由度を有する。
【0044】また、下肢を構成する各々の脚部は、股関
節(Hip)における股関節ヨー軸11と、股関節ピッ
チ軸12と、股関節ロール軸13と、膝(Knee)に
おける膝関節ピッチ軸14と、足首(Ankle)にお
ける足首関節ピッチ軸15と、足首関節ロール軸16
と、足部とで構成される。
【0045】但し、エンターティンメント向けの脚式移
動ロボットが上述したすべての自由度を装備しなければ
ならない訳でも、あるいはこれに限定される訳でもな
い。設計・製作上の制約条件や要求仕様などに応じて、
自由度すなわち関節数を適宜増減することができること
は言うまでもない。
【0046】上述したような脚式移動ロボットが持つ各
自由度は、実際にはアクチュエータを用いて実装され
る。外観上で余分な膨らみを排してヒトの自然体形状に
近似させること、2足歩行という不安定構造体に対して
姿勢制御を行うことなどの要請から、アクチュエータは
小型且つ軽量であることが好ましい。本実施形態では、
ギア直結型で且つサーボ制御系をワンチップ化してモー
タ・ユニットに内蔵したタイプの小型ACサーボ・アク
チュエータを搭載することとした(この種のACサーボ
・アクチュエータに関しては、例えば本出願人に既に譲
渡されている特開2000−299970号公報に開示
されている)。本実施形態では、直結ギアとして低減速
ギアを採用することにより、人間との物理的インタラク
ションを重視するタイプのロボットに求められている駆
動系自身の受動的特性を得ている。
【0047】B.脚式移動ロボットの制御システム構成 図4には、本発明に実施に供される脚式移動ロボットの
制御システム構成を模式的に示している。同図に示すよ
うに、脚式移動ロボットは、全体の動作の統括的制御や
その他のデータ処理を行う制御ユニット20と、入出力
部40と、駆動部50と、電源部60とで構成される。
以下、各部について説明する。
【0048】入出力部40は、入力部として脚式移動ロ
ボットの目に相当するCCDカメラ41や、耳に相当す
るマイクロフォン42、また、出力部として、口に相当
するスピーカ43、あるいは点滅の組み合わせや点灯の
タイミングにより顔の表情を形成するLEDインジケー
タ(目ランプ)44などを装備している。これら出力部
は、音声出力やLEDの点滅などを用いて、機体動作以
外の形式でもロボット装置1からのユーザ・フィードバ
ックを表現することができる。
【0049】また、ロボットが外部環境を取得するため
に、頭部や背中などの部位に配設されてユーザの接触を
感知するタッチ・センサ45(あるいは五感に相当する
その他の各種のセンサ)を含む。
【0050】また、ロボットが機体で実行する動作や行
動の状況を取得するために、接地センサ46や加速度セ
ンサ47を備えている。接地センサ46は、左右の足部
の足底に配設されて、床反力などを検出して、現在着床
中かどうかを判別するようになっている。加速度センサ
47は、機体の傾斜・姿勢計測に用いられる。加速度セ
ンサ47を設置した場所で世界座標系を取得することが
できる。例えば、左右の両脚に加速度センサ47を設け
ることにより、立脚から判る世界座標系を使って期待の
運動制御や姿勢制御を行なうことができる。また、機体
の腰部に加速度センサ47を配設することにより、世界
座標上の腰位置を基準にして姿勢安定制御を行なうこと
が可能となる。なお、加速度センサ47の代わりに、傾
斜センサとジャイロの組み合わせによっても機体の傾斜
を計測することができる。
【0051】駆動部50は、制御部20が指令する所定
の運動パターンに従って脚式移動ロボットの機体動作を
実現する機能ブロックであり、行動制御による制御対象
である。駆動部50は、脚式移動ロボットの各関節にお
ける自由度を実現するための機能モジュールであり、そ
れぞれの関節におけるロール、ピッチ、ヨーなど各軸毎
に設けられた複数の駆動ユニットで構成される。各駆動
ユニットは、所定軸回りの回転動作を行うモータ51
と、モータ51の回転位置を検出するエンコーダ52
と、エンコーダ52の出力に基づいてモータ51の回転
位置や回転速度を適応的に制御するドライバ53の組み
合わせで構成される。各関節軸モータ51には、低減速
ギア直結で、ドライバ53内蔵型のACサーボ・モータ
が使用されている(前述)。
【0052】電源部60は、その字義通り、脚式移動ロ
ボット内の各電気回路などに対して給電を行う機能モジ
ュールである。本実施形態に係る脚式移動ロボットは、
バッテリを用いた自律駆動式であり、電源部60は、充
電バッテリ61と、充電バッテリ61の充放電状態を管
理する充放電制御部62とで構成される。
【0053】充電バッテリ61は、例えば、複数本のリ
チウムイオン2次電池セルをカートリッジ式にパッケー
ジ化した「バッテリ・パック」の形態で構成される。
【0054】また、充放電制御部62は、バッテリ61
の端子電圧や充電/放電電流量、バッテリ61の周囲温
度などを測定することでバッテリ61の残存容量を把握
し、充電の開始時期や終了時期などを決定する。充放電
制御部62が決定する充電の開始及び終了時期は制御ユ
ニット20に通知され、ロボット装置1が充電オペレー
ションを開始及び終了するためのトリガとなる。
【0055】図5には、制御ユニット20の構成をさら
に詳細に図解している。同図に示すように、制御ユニッ
ト20は、メイン・コントローラとしてのCPU(Cent
ralProcessing Unit)21が、メモリやその他の各回路
コンポーネントや周辺機器とバス接続された構成となっ
ている。バス27は、データ・バス、アドレス・バス、コ
ントロール・バスなどを含む共通信号伝送路である。バ
ス27上の各装置にはそれぞれに固有のアドレス(メモ
リ・アドレス又はI/Oアドレス)が割り当てられてい
る。CPU21は、アドレスを指定することによってバ
ス28上の特定の装置と通信することができる。
【0056】RAM(Random Access Memory)22は、
DRAM(Dynamic RAM)などの揮発性メモリで構成さ
れた書き込み可能メモリであり、CPU21が実行する
プログラム・コードをロードしたり、実行プログラムに
よる作業データの一時的な保存のために使用される。
【0057】実行されるプログラム・コードには、脚式
移動ロボットの電源投入時に実行する起動シーケンス・
プログラムや、脚式移動ロボットの運動系の動作を制御
する動作制御プログラムなどが挙げられる。また、本実
施形態では、運動系の動作制御は、姿勢安定性や消費電
力、状態遷移を考慮した複数の基本姿勢を規定して、こ
れら基本姿勢に基づく状態遷移により行なわれる。起動
シーケンス・プログラムや運動系の動作制御の詳細につ
いては後述に譲る。
【0058】ROM(Read Only Memory)23は、プロ
グラムやデータを恒久的に格納する読み出し専用メモリ
である。また、不揮発性メモリ24は、例えばEEPR
OM(Electrically Erasable and Programmable ROM)
のように電気的に消去再書き込みが可能なメモリ素子で
構成され、逐次更新すべきデータを不揮発的に保持する
ために使用される。逐次更新すべきデータには、暗号鍵
やその他のセキュリティ情報、出荷後にインストールす
べき装置制御プログラムなどが挙げられる。
【0059】機体動作のプラットフォームを構築するた
めの装置制御プログラムは、ROM23やEEPROM
24などの不揮発性記憶領域にマッピングされる。この
うちハードウェア固有の制御プログラムはROM23内
にあらかじめ用意され、ハードウェア変更に伴うプログ
ラム・モジュール部分はEEPROM24に追記するよ
うにしてもよい。本実施形態では、このプラットフォー
ム領域では、複数の基本姿勢をベースにして機体動作を
効率的に制御するようになっている(後述)。また、脚
式移動ロボットは、立ち姿勢などにおいて、歩行や跳
躍、ダンスなど全身動作を利用した各種のパフォーマン
スを行なうが、その装置制御プログラムは、プラットフ
ォーム上で動作するアプリケーションとして位置付けら
れる。これらアプリケーション・プログラムは、外部記
憶からRAM22上に随時ロードされ、CPU21によ
って実行される。
【0060】インターフェース25は、制御ユニット2
0外の機器と相互接続し、データ交換を可能にするため
の装置である。インターフェース25は、例えば、カメ
ラ41やマイクロフォン42、スピーカ43との間でデ
ータ入出力を行う。また、インターフェース25は、駆
動部50内の各ドライバ53−1…との間でデータやコ
マンドの入出力を行う。
【0061】また、インターフェース25は、RS(Re
commended Standard)−232Cなどのシリアル・イン
ターフェース、IEEE(Institute of Electrical an
d electronics Engineers)1284などのパラレル・
インターフェース、USB(Universal Serial Bus)イ
ンターフェース、i−Link(IEEE1394)イ
ンターフェース、SCSI(Small Computer System In
terface)インターフェース、PCカードやメモリ・ス
ティックを受容するメモリ・カード・インターフェース
(カード・スロット)などのような、コンピュータの周
辺機器接続用の汎用インターフェースを備え、ローカル
接続された外部機器との間でプログラムやデータの移動
を行うようにしてもよい。
【0062】さらに、制御ユニット20は、無線通信イ
ンターフェース26やネットワーク・インターフェース
・カード(NIC)27、赤外線通信(IrDA)イン
ターフェースなどを含み、Bluetoothのような
近接無線データ通信や、IEEE 802.11bのよ
うな無線ネットワーク、あるいはインターネットなどの
広域ネットワークを経由して、外部のさまざまなホスト
・コンピュータとデータ通信を行うことができる。
【0063】このような脚式移動ロボットとホスト・コ
ンピュータ間におけるデータ通信により、遠隔の計算機
資源を用いて、脚式移動ロボットの複雑な動作制御を演
算したり、リモート・コントロールすることができる。
【0064】C.脚式移動ロボットの起動シーケンス 一般に、自動機械は、電源投入後、所定の自己診断や初
期化処理を経て、通常の動作状態を回復することができ
る。情報機器のように機械運動系を持たない装置、据置
き型の多軸自動機械であれば、起動時における装置の姿
勢を考慮する必要はなく、装置本体を安定した場所に設
置した状態(若しくは基本姿勢)で、オペレータが電源
スイッチを投入するだけでよい。
【0065】これに対し、図1〜図3に示すような直立
歩行型の脚式移動ロボットの場合、歩行などの機体運動
を考慮した場合における基準となる姿勢は、2足で立ち
上がった立ち姿勢である。例えば、立ち姿勢の中では最
も安定した状態(すなわち不安定性の極小点)を基本立
ち姿勢にすることができる。しかし、このような基本立
ち姿勢は、その姿勢を安定に維持するためには、姿勢安
定制御の実行、制御指示による脚部などの関節軸モータ
のトルク生成が必要であり、これらの駆動のための電力
消費を伴う。言い換えれば、無電源状態では立ち姿勢は
決して安定ではない。
【0066】そこで、本実施形態では、脚式移動ロボッ
トの基本仰向け姿勢(若しくは基本うつ伏せ姿勢)を定
義して、この基本仰向け姿勢でオペレータが電源を投入
すると、脚式移動ロボットは、基本仰向け姿勢のまま、
ハードウェアの診断やソフトウェアの初期化、機体(各
関節アクチュエータ)の原点チェックなどの起動シーケ
ンスを行なった後、所定の起き上がりモーション・シー
ケンスに従って基本立ち姿勢に自動的に遷移するように
した。一旦基本立ち姿勢を形成すると、これを姿勢遷移
の基準にして、歩行やダンスなど、脚部を始め全身の各
部の自由度を活用した各種のパフォーマンスを行なうこ
とが可能となる。
【0067】基本仰向け姿勢、すなわち立ち姿勢でない
脱力姿勢からの機体の起動オペレーションが可能となる
ことから、オペレータの作業負担は著しく軽減される。
【0068】図6には、本実施形態に係る脚式移動ロボ
ットの起動シーケンスをフローチャートの形式で示して
いる。この起動シーケンスは、実際には、制御ユニット
20内のCPU21が所定のプログラム・コードを実行
するという形態で実現される。
【0069】機体を基本仰向け姿勢にして、電源スイッ
チを操作して電源を投入する。これに応答して、制御ユ
ニット20内では、自己診断テストなどを経てオペレー
ティング・システムが起動する(ステップS1)。図7
には、基本仰向け姿勢の脚式移動ロボットを示してい
る。
【0070】次いで、機体のハードウェア構成(関節ア
クチュエータの接続関係など)を記述した所定の構成情
報ファイルを用いて、脚式移動ロボットの実機ハードウ
ェア構成をチェックする(ステップS2)。
【0071】次いで、脚式移動ロボットの基本的な行動
パターンやその組み合わせからなる複合パターンを記述
したモーション・ファイルを、外部記憶装置から(ある
いはネットワーク経由で)読み込んで登録する(ステッ
プS3)。
【0072】次いで、各センサのキャリブレーションを
行なった後(ステップS4)、加速度センサ47を用い
て世界座標系を確認してから(ステップS5)、各関節
アクチュエータの原点チェックを行なう(ステップS
6)。原点チェックは、ハードウェア原点探索指令を各
関節アクチュエータに発行して、アクチュエータ側では
ハードウェア原点の探索を行なうことにより構成され
る。原点チェック後、関節アクチュエータは、関節サー
ボのゲインを最低状態(受動的な駆動状態)にして、サ
ーボを付勢する。
【0073】原点を取得した後、制御システムは、これ
を基にソフトウェア原点を設定して、サーボ制御を行な
うことが可能となる。機体を駆動させるときには、ま
ず、関節サーボ・ゲインを高ゲインに設定する(ステッ
プS7)。
【0074】そして、所定の起き上がり動作ルーチンに
従って機体を駆動して、図7に示すような基本仰向け姿
勢からの起き上がりモーションを実行して、図8に示す
ような基本立ち姿勢に遷移する(ステップS8)。
【0075】基本立ち姿勢は、立ち状態で最も安定した
状態であり、姿勢安定制御のための計算機負荷や消費電
力が最小又は極小となるような姿勢である。例えば、図
8に示すように膝を伸展させて、直立状態を保つための
モータ・トルクを最小限に抑えている。
【0076】他方、基本立ち姿勢は、姿勢安定性に優れ
ているがこのまま歩行など脚式作業に移行するためには
最適化されていない。そこで、脚式作業を開始する際に
は、まず、関節サーボ・ゲインを中ゲインに再設定して
から(ステップS9)、図9に示すような基本歩行姿勢
に遷移する(ステップS10)。後述するように、脚式
移動ロボットは基本歩行姿勢を中心にして各種の立ち姿
勢パフォーマンスへと効率的に遷移することができる。
【0077】図8と図9の比較からも判るように、基本
立ち姿勢において、股関節、膝関節、並びに足首関節の
各ピッチ軸12、14、15を駆動して、機体の重心位
置を少し落とす格好にすることによって、基本歩行姿勢
に遷移する。基本歩行姿勢では、一方の脚を持ち上げて
単脚支持期への遷移を円滑に行なうことができる。但
し、膝を屈曲させた分だけ、この姿勢を維持するための
トルクが余分に必要とならことから、基本立ち姿勢に比
し消費電力は増大する。
【0078】C.脚式移動ロボットの原点チェック動作 関節アクチュエータに絶対座標系の測定器を用いた場合
には、上記のステップS6における原点チェックを省略
することもできる。但し、相対座標系の測定器を用いる
ことにより、アクチュエータ周辺部品を小型・軽量化す
ることができ、その分だけ機体設計が容易になる。
【0079】本実施形態に係る脚式移動ロボットの原点
は、両脚支持での立位、仰向け、そしてうつ伏せの各姿
勢状態において、安全かつ安定にハードウェア原点の探
索動作を行なえる場所に設定されている。
【0080】原点チェックは、ハードウェア原点探索指
令を各関節アクチュエータに発行して、アクチュエータ
側ではハードウェア原点の探索を行なうことにより構成
される。ハードウェア原点の探索は、基本姿勢において
関節アクチュエータを駆動させて、原点を通過すること
によって行なわれる。
【0081】図7に示す基本仰向け姿勢において、原点
探索している様子を図10に示している。同図に示すよ
うに、各関節アクチュエータを作動させて、探索対象と
なる関節角を少し屈曲してハードウェア原点を通過する
ことによって原点チェックが行なわれる。
【0082】また、図11には基本うつ伏せ姿勢のロボ
ットを示し、図12にはこの基本うつ伏せ姿勢において
原点探索を行なっている様子を示している。基本仰向け
姿勢の場合も、同様に、探索対象となる関節角を少し屈
曲してハードウェア原点を通過することによって原点チ
ェックが行なわれる。
【0083】後述するように、本実施形態に係る脚式移
動ロボットは、複数の基本姿勢を基準にして機体動作を
行なう。この基本姿勢の近傍にハードウェア原点を配置
することにより、ある基本姿勢から他の基本姿勢に遷移
する過程を利用して、任意のタイミングで原点チェック
動作を実行することができる。このような場合、基本的
な実機動作に隠れて原点チェック処理を行なうことがで
きるので、ユーザは意識する必要がない。
【0084】例えば、基本歩行姿勢(図9を参照のこ
と)と、歩行を開始するための単脚支持期最前期の間
に、脚部の各関節アクチュエータのハードウェア原点を
配設しておくことにより、最初の歩行開始時に確実に原
点チェックを行なうことができる。また、最初の歩行開
始時に原点チェックしてエラーが発生した場合には、歩
行動作を中断することにより、歩行後の機体の転倒など
の不測の損害を回避することができる。
【0085】本実施形態に係る脚式移動ロボットでは、
脚部を構成する各関節アクチュエータにおいて、以下に
示すハードウェア原点の設定を必須としている。
【0086】
【表1】
【0087】足首ロール軸16や股関節ロール軸13に
関しては、歩行時の姿勢安定制御のための最も高い精度
が要求される。そこで、基本歩行姿勢から単脚支持最前
期の間という歩行予備動作中にこれらロール軸の原点を
設定することにより、歩行予備動作中に原点チェックす
ることができる。また、原点チェックによりエラーを検
出できれば歩行動作に遷移する前に機体を停止して安全
を確保することができる。勿論、毎歩行予備動作におい
て原点チェックを行なうこともできる。
【0088】図13及び図14には、脚式移動ロボット
の基本歩行姿勢と単脚支持期最前期の間を利用して原点
チェックを行なっている様子を示している。
【0089】歩き出し時には、必ずZMPを軸足(立
脚)の足底に移動させなければならない。図13及び図
14に示す例では、左足を軸足としており、左右両方の
股関節ロール軸13並びに足首ロール軸16が回転し
て、ZMP(この場合は機体重心と等価)が左足底に移
動させている。これらの各ロール軸アクチュエータのハ
ードウェア原点を基本歩行姿勢と単脚支持期最前期の間
に配置しておくことにより、歩行開始のための前処理に
相当する股関節ロール軸13並びに足首ロール軸16の
各関節アクチュエータ駆動を利用してその原点探索を行
なうようになっている。
【0090】なお、図示しないが、右足を軸足として歩
行(単脚支持)を開始する場合も、図13に示した場合
と同様の関節アクチュエータ動作により歩行開始前の原
点チェックを行なうことができる。
【0091】また、足首ピッチ軸15や膝関節ピッチ軸
14、股関節ピッチ軸12などのピッチ軸は、基本立ち
姿勢と基本歩行姿勢の間に原点を設定することにより、
歩行停止毎に原点確認を行なうことができる。また、原
点チェックによりエラーを検出できれば歩行準備に相当
する期間に機体を停止して安全を確保することができ
る。
【0092】基本立ち姿勢から基本歩行姿勢に遷移する
際には、図8と図9の比較からも判るように、基本立ち
姿勢において、股関節、膝関節、並びに足首関節の各ピ
ッチ軸12、14、15を駆動して、機体の重心位置を
少し落とす格好にすることによって、基本歩行姿勢に遷
移する(前述)。これら各ピッチ軸アクチュエータのハ
ードウェア原点を基本立ち姿勢と基本歩行姿勢の間に配
置しておくことにより、歩行開始のための前処理に相当
する股関節、膝関節、並びに足首関節の各ピッチ軸1
2、14、15の各関節アクチュエータ駆動を利用して
その原点探索を行なうようになっている。
【0093】また、体幹の関節アクチュエータにおいて
は、以下に示すようなハードウェア原点の設定を推奨す
る。
【0094】
【表2】
【0095】例えば、体幹ロール軸10に関しては、基
本歩行姿勢から単脚支持最前期の間という歩行予備動作
中にこれらロール軸の原点を設定することにより、歩行
予備動作中に原点チェックすることができる。また、体
幹ピッチ軸9に関しては、基本立ち姿勢と基本歩行姿勢
時の間に原点を設定することにより、歩行停止毎に原点
確認を行なうことができる。
【0096】また、上肢の関節アクチュエータにおいて
は、以下に示すようなハードウェア原点の設定を推奨す
る。
【0097】
【表3】
【0098】腕部に関しては、肩関節ピッチ軸4及びロ
ール軸5のハードウェア原点は、基本立ち姿勢時とソフ
トウェア原点の間に設定することが好ましい。また、上
腕ヨー軸6のハードウェア原点は、基本立ち姿勢時とソ
フトウェア原点の間にあることが好ましい。また、肘関
節ピッチ軸7のハードウェア原点は、基本立ち姿勢時と
ソフトウェア原点の間にあることが好ましい。また、手
首関節ヨー軸8に関しては、ソフトウェア原点とハード
ウェア原点を一致させてもよい。
【0099】なお、脚式移動ロボットの基本立ち姿勢
は、ソフトウェア原点とは相違する。図15には、脚式
移動ロボットが機体のすべての関節アクチュエータがソ
フトウェア原点に設定された状態で立脚している様子を
示している。また、図16には脚式移動ロボットが仰向
けになっている状態で関節アクチュエータがソフトウェ
ア原点に設定されている様子を、図17には脚式移動ロ
ボットがうつ伏せになっている状態で関節アクチュエー
タがソフトウェア原点に設定されている様子を、それぞ
れ示している。
【0100】脚式移動ロボットの姿勢制御は、世界座標
系に対する機体座標系(若しくは、機体の各部位毎に設
定されるローカル座標系)を利用して行なわれる。この
ような場合、各関節アクチュエータへの駆動制御信号
は、基本的には機体座標系に対する運動を指示する指令
値となる。ソフトウェア原点は、このような機体制御シ
ステムの都合により定められるものであり、必ずしも、
姿勢の安定性や、消費エネルギ、次の状態への遷移を考
慮したものではない。
【0101】図15〜図17に示す例では、頭部、胴体
部、上肢及び下肢はいずれも、鉛直方向に伸張した状態
でソフトウェア原点が設定されている。これは、姿勢の
安定性や、消費エネルギ、次の状態への遷移を考慮した
基本立ち姿勢(図8を参照のこと)とは明らかに相違す
る。
【0102】D.脚式移動ロボットの運動系基本状態遷
本実施形態に係る脚式移動ロボットの制御システムは、
複数の基本姿勢を定義する。各々の基本姿勢は、機体の
安定性や、消費エネルギ、次の状態への遷移を考慮して
定義されており、基本姿勢間の遷移という形態により機
体運動を効率的に制御することができる。
【0103】図18には、本実施形態に係る脚式移動ロ
ボットの運動系が持つ基本状態繊維を示している。同図
に示すように、脚式移動ロボットは、基本仰向け姿勢、
基本立ち姿勢、基本歩行姿勢、基本座り姿勢、基本うつ
伏せ姿勢がそれぞれ仰向け時、立脚時、歩行準備時、着
席時、及びうつ伏せ時における機体の安定性や、消費エ
ネルギ、次の状態への遷移を考慮して定義されている。
【0104】これら基本姿勢は、機体の動作制御プログ
ラムのプラットフォームに位置付けられ、ROM23や
EEPROM24などの不揮発性記憶領域にマッピング
される。また、脚式移動ロボットは、立ち姿勢などにお
いて、歩行や跳躍、ダンスなど全身動作を利用した各種
のパフォーマンスを行なうが、その装置制御プログラム
は、プラットフォーム上で動作するアプリケーションと
して位置付けられる。これらアプリケーション・プログ
ラムは、外部記憶からRAM22上に随時ロードされ、
CPU21によって実行される。
【0105】基本仰向け姿勢は、図7に示した通りであ
る。既に述べたように、機体への電源投入時に基本仰向
け姿勢をとり、転倒などの心配がなく機械運動的に最も
安定した状態からの起動を行うことができる。
【0106】また、脚式移動ロボットは、起動時(図6
を参照のこと)だけでなくシステム動作の終了時も基本
仰向け姿勢に復帰するようになっている。したがって、
機械運動学的に機体が最も安定した状態で作業を開始す
るとともに、最も安定した状態で作業を終了することか
ら、脚式移動ロボットの動作オペレーションは自己完結
的となる。
【0107】勿論、機体の転倒時においても、床上での
所定のモーションを経て一旦基本仰向け姿勢に戻った後
に、規定の立ち上がり動作を実行することにより、基本
立ち姿勢を介して、作業中断時の元の姿勢を回復するこ
とができる。
【0108】また、本実施形態に係る脚式移動ロボット
は、床上での基本姿勢として、基本仰向け姿勢の他に、
図11に示したような基本うつ伏せ姿勢を備えている。
この基本うつ伏せ姿勢は、基本仰向け姿勢と同様に、機
械運動学的に機体が最も安定した状態であり、電源が遮
断された脱力状態においても姿勢安定性を維持すること
ができる。例えば、脚式作業において不測の外力などに
より期待が転倒した場合、仰向け又はうつ伏せのいずれ
の状態で落下するか不明なので、本実施形態では、この
ように2通りの床上基本姿勢を規定している。
【0109】基本うつ伏せ姿勢の状態で各関節アクチュ
エータを少しだけ駆動させることにより、探索対象とな
る関節角を少し屈曲してハードウェア原点を通過するこ
とによって原点チェックが行なわれる(図12を参照の
こと)。
【0110】基本仰向け姿勢と基本うつ伏せ姿勢の間
は、各種の床上姿勢を経て可逆的に遷移することができ
る。逆に言えば、これら基本仰向け姿勢と基本うつ伏せ
姿勢を基準にして各種の床上姿勢へ円滑に状態遷移する
ことができる。
【0111】基本仰向け姿勢は、機械運動学的には最も
安定した基本姿勢であるが、脚式作業を考慮した場合、
円滑な状態遷移を行うことはできない。そこで、図8に
示すような基本立ち姿勢が定義されている。基本立ち姿
勢を定義することで、その後の脚式作業へ滞りなく移行
することができる。
【0112】基本立ち姿勢は、立ち状態で最も安定した
状態であり、姿勢安定制御のための計算機負荷や消費電
力が最小又は極小となるような姿勢であり、膝を伸展さ
せることにより直立状態を保つためのモータ・トルクを
最小限に抑えている。この基本立ち姿勢から各種の立ち
姿勢へ円滑に状態遷移して、たとえば上肢を利用したダ
ンス・パフォーマンスなどを実演することができる。
【0113】他方、基本立ち姿勢は、姿勢安定性に優れ
ているがこのまま歩行など脚式作業に移行するためには
最適化されていない。そこで、本実施形態に係る脚式移
動ロボットは、立脚状態の他の基本姿勢として、図9に
示すような基本歩行姿勢を定義している。
【0114】基本立ち姿勢において、股関節、膝関節、
並びに足首関節の各ピッチ軸12、14、15を駆動し
て、機体の重心位置を少し落とす格好にすることによっ
て、基本歩行姿勢に遷移する。基本歩行姿勢では、通常
の歩行動作を始めとして各種の脚式動作への遷移を円滑
に行なうことができる。但し、膝を屈曲させた分だけ、
この姿勢を維持するためのトルクが余分に必要とならこ
とから、基本歩行姿勢は、基本立ち姿勢に比し消費電力
は増大する。
【0115】基本立ち姿勢は、機体のZMP位置はZM
P安定領域の中心付近にあり、膝の曲げ角が小さくエネ
ルギ消費量が低い姿勢である。これに対し、基本歩行姿
勢では、ZMP位置が安定領域の中心付近にあるが、高
い路面適応性、高い外力適応性を確保するために膝の曲
げ角を比較的大きくとっている。
【0116】また、本実施形態に係る脚式移動ロボット
では、さらに基本座り姿勢が定義されている。この基本
座り姿勢(図示しない)では、所定の椅子に腰掛けたと
きに、姿勢安定制御のための計算機負荷や消費電力が最
小又は極小となるような姿勢である。前述した、基本仰
向け姿勢、基本うつ伏せ姿勢、並びに基本立ち姿勢から
は、可逆的に基本姿勢へ遷移することができる。また、
基本座り姿勢並びに基本立ち姿勢からは、各種の座り姿
勢へと円滑に移行することができ、座り姿勢で例えば状
態のみを用いた各種のパフォーマンスを実演することが
できる。
【0117】E.その他の状態 本実施形態に係る脚式移動ロボットは、前項で説明した
ような基本姿勢以外にも、安全な機体動作を保証するた
めに幾つかの主要な状態が定義されているので、ここで
説明しておく。
【0118】抱き上げ時の脱力状態は、オペレータがロ
ボットを抱き上げたときに、関節アクチュエータが脱力
して受動駆動を行う状態を指す。アクチュエータに低減
速器が直結されていることに加えて、抱き上げを検出し
たことに応答して各関節アクチュエータに最低ゲインを
設定したり、出力トルクを最小値に設定することによ
り、脱力状態を実現することができる。
【0119】脚式移動ロボットが抱き上げられたかどう
かは、脚部に設置されている床反力センサの出力がゼロ
になったこととの加速度センサがZ軸上方向の加速度を
検出したことによって判断することができる。
【0120】また、突発的転倒や、機体の落下時におい
ても、このような脱力状態に遷移することにより、床面
への着床時に印加される衝撃力が関節軸やアクチュエー
タ出力軸に伝播しなくなるようにして、機体へのダメー
ジを最小限に抑えることができる。
【0121】また、機体の暴走時やその他の不測の事態
に遭遇したときに備えて、脚式移動ロボットは緊急停止
機能を備えている。例えば機体に配設されている緊急停
止ボタン(図示しない)を操作することにより、サーボ
・ゲインを低下させた安全停止状態に陥る。
【0122】また、図2に示したように、脚式移動ロボ
ットの胴体後方の略上端縁には、オペレータが機体を把
持するためのハンドルが設けられている。このハンドル
には、オペレータが把持したことを検知することができ
るタッチ・センサが配設されている。そして、ハンドル
の握りを検出するとシステムに対し脱力指示を発行し
て、上述した脱力状態に遷移させる。したがって、オペ
レータは、機体動作を緊急停止したいときに簡易な操作
方法としてハンドルを握って脚式移動ロボットを持ち上
げればよい。
【0123】この脱力状態から機体動作を復帰させるた
めには、脚式移動ロボットを基本仰向け姿勢に配置すれ
ばよい。脚式移動ロボットは、所定の起き上がり動作を
実行することにより、基本立ち姿勢を経て所望の脚式作
業を回復することができる。
【0124】[追補]以上、特定の実施例を参照しなが
ら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発
明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施例の修正や
代用を成し得ることは自明である。
【0125】本発明の要旨は、必ずしも「ロボット」と
称される製品には限定されない。すなわち、電気的若し
くは磁気的な作用を用いて人間の動作に似せた運動を行
う機械装置であるならば、例えば玩具等のような他の産
業分野に属する製品であっても、同様に本発明を適用す
ることができる。
【0126】要するに、例示という形態で本発明を開示
してきたのであり、本明細書の記載内容を限定的に解釈
するべきではない。本発明の要旨を判断するためには、
冒頭に記載した特許請求の範囲の欄を参酌すべきであ
る。
【0127】
【発明の効果】以上詳記したように、本発明によれば、
エンターテインメント型のロボットのように、定型的な
作業に限らず多種多様な機体動作を好適に行なうことが
できる、優れた脚式ロボットの姿勢制御装置及び姿勢制
御方法を提供することができる。
【0128】また、本発明によれば、複数の基本姿勢を
ベースにして機体動作を効率的に制御することができ
る、優れた脚式ロボットの姿勢制御装置及び姿勢制御方
法を提供することができる。
【0129】また、本発明によれば、機体の安定性や、
消費エネルギ、次の状態への遷移を考慮して基本姿勢を
設定して機体運動を好適に制御することができる、優れ
た脚式ロボットの姿勢制御装置及び姿勢制御方法を提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施に供される脚式移動ロボットが直
立している様子を前方から眺望した様子を示した図であ
る。
【図2】本発明の実施に供される脚式移動ロボットが直
立している様子を後方から眺望した様子を示した図であ
る。
【図3】脚式移動ロボットが具備する関節自由度構成を
模式的に示した図である。
【図4】本発明に実施に供される脚式移動ロボットの制
御システム構成を模式的に示した図である。
【図5】制御ユニット20の構成をさらに詳細に示した
図である。
【図6】本実施形態に係る脚式移動ロボットの起動シー
ケンスをフローチャートである。
【図7】基本仰向け姿勢の脚式移動ロボットの様子を示
した図である。
【図8】基本立ち姿勢の脚式移動ロボットの様子を示し
た図である。
【図9】基本歩行姿勢の脚式移動ロボットの様子を示し
た図である。
【図10】基本仰向け姿勢において原点探索をしている
様子を示した図である。
【図11】基本うつ伏せ姿勢の脚式移動ロボットの様子
を示した図である。
【図12】基本うつ伏せ姿勢において原点探索をしてい
る様子を示した図である。
【図13】脚式移動ロボットの基本歩行姿勢と単脚支持
期最前期の間を利用して原点チェックを行なっている様
子を機体正面から示した図である。
【図14】脚式移動ロボットの基本歩行姿勢と単脚支持
期最前期の間を利用して原点チェックを行なっている様
子を機体右斜め前方から示した図である。
【図15】脚式移動ロボットが機体のすべての関節アク
チュエータがソフトウェア原点に設定された状態で立脚
している様子を示した図である。
【図16】脚式移動ロボットが仰向けになっている状態
で関節アクチュエータがソフトウェア原点に設定されて
いる様子を示した図である。
【図17】脚式移動ロボットがうつ伏せになっている状
態で関節アクチュエータがソフトウェア原点に設定され
ている様子を示した図である。
【図18】本実施形態に係る脚式移動ロボットの運動系
が持つ基本状態遷移を示した図である。
【符号の説明】
1…首関節ヨー軸 2A…第1の首関節ピッチ軸 2B…第2の首関節(頭)ピッチ軸 3…首関節ロール軸 4…肩関節ピッチ軸 5…肩関節ロール軸 6…上腕ヨー軸 7…肘関節ピッチ軸 8…手首関節ヨー軸 9…体幹ピッチ軸 10…体幹ロール軸 11…股関節ヨー軸 12…股関節ピッチ軸 13…膝関節ロール軸 14…膝関節ピッチ軸 15…足首関節ピッチ軸 16…足首関節ロール軸 20…制御ユニット 40…入出力部 41…カメラ,42…マイクロフォン 43…スピーカ,44…LEDインジケータ 45…タッチ・センサ,46…接地センサ 47…加速度センサ 50…駆動部 51…モータ,52…エンコーダ 53…ドライバ 60…電源部 61…充電バッテリ,62…充放電制御部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山口 仁一 東京都日野市多摩平5−14−38 (72)発明者 長阪 憲一郎 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 2C150 CA01 DA04 DA24 DA26 DA27 DA28 DF03 DF06 DF23 EB01 EC03 EC15 EC25 ED10 ED42 ED47 ED52 EF07 EF16 EF17 EF22 EF23 EF29 EF33 EF36 3C007 AS36 CS08 KS23 KS31 KS34 KT01 KV01 LT17 LV12 LV20 LV24 WA03 WA13 WB07 WB15 WB23

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の関節自由度を備えるとともに複数の
    基本姿勢間の遷移により機体動作を制御する脚式ロボッ
    トの姿勢制御装置であって、 脱力した仰向け又はうつ伏せ姿勢で静止状態を維持する
    基本床上姿勢にて駆動電源を投入する電源投入手段と、 前記基本床上姿勢にて機体の初期化処理を行なう初期化
    手段と、 床上姿勢において機体の傾斜確認及び/又は各関節自由
    度における原点探索を行なう原点探索手段と、を具備す
    ることを特徴とする脚式ロボットの姿勢制御装置。
  2. 【請求項2】前記原点探索手段は、前記基本床上姿勢に
    おいて探索対象となる関節角を原点探索方向に駆動させ
    て原点を通過することによって原点チェックを行なう、
    ことを特徴とする請求項1に記載の脚式移動ロボットの
    姿勢制御装置。
  3. 【請求項3】前記基本床上姿勢から基本立脚姿勢に遷移
    させる機体起き上がり手段をさらに備える、ことを特徴
    とする請求項1に記載の脚式移動ロボットの姿勢制御装
    置。
  4. 【請求項4】前記原点探索手段が原点チェックに失敗し
    たことに応答して前記機体起き上がり手段の起動を停止
    する手段をさらに備える、ことを特徴とする請求項3に
    記載の脚式移動ロボットの姿勢制御装置。
  5. 【請求項5】前記基本立脚姿勢は機体のZMPをZMP
    安定領域の中心付近に配置した姿勢であり、膝の曲げ角
    を小さくしてエネルギ消費量を抑制した基本立ち姿勢
    と、膝の曲げ角を比較的大きくして路面適応性並びに外
    力適応性を高めた基本歩行姿勢を含む、ことを特徴とす
    る請求項3に記載の脚式移動ロボットの姿勢制御装置。
  6. 【請求項6】複数の関節自由度を備えるとともに複数の
    基本姿勢間の遷移により機体動作を制御する脚式ロボッ
    トの姿勢制御方法であって、 脱力した仰向け又はうつ伏せ姿勢で静止状態を維持する
    基本床上姿勢にて駆動電源を投入する電源投入ステップ
    と、 前記基本床上姿勢にて機体の初期化処理を行なう初期化
    ステップと、 床上姿勢において機体の傾斜確認及び/又は各関節自由
    度における原点探索を行なう原点探索ステップと、を具
    備することを特徴とする脚式ロボットの姿勢制御方法。
  7. 【請求項7】前記原点探索ステップでは、前記基本床上
    姿勢において探索対象となる関節角を原点探索方向に駆
    動させて原点を通過することによって原点チェックを行
    なう、ことを特徴とする請求項6に記載の脚式ロボット
    の姿勢制御方法。
  8. 【請求項8】前記基本床上姿勢から基本立脚姿勢に遷移
    させる機体起き上がりステップをさらに備える、ことを
    特徴とする請求項6に記載の脚式ロボットの姿勢制御方
    法。
  9. 【請求項9】前記原点探索手段が原点チェックに失敗し
    たことに応答して前記機体起き上がり手段の起動を停止
    するステップをさらに備える、ことを特徴とする請求項
    8に記載の脚式ロボットの姿勢制御方法。
  10. 【請求項10】前記基本立脚姿勢は機体のZMPをZM
    P安定領域の中心付近に配置した姿勢であり、膝の曲げ
    角を小さくしてエネルギ消費量を抑制した基本立ち姿勢
    と、膝の曲げ角を比較的大きくして路面適応性並びに外
    力適応性を高めた基本歩行姿勢を含む、ことを特徴とす
    る請求項8に記載の脚式ロボットの姿勢制御方法。
  11. 【請求項11】複数の基本姿勢間の遷移により機体動作
    を制御する脚式ロボットの姿勢制御装置であって、 基本姿勢近傍の関節角度に原点を設定する原点設定手段
    と、 基本姿勢から関節が変位して原点を通過するときに原点
    チェックを行なう機体診断手段と、を具備することを特
    徴とする脚式ロボットの姿勢制御装置。
  12. 【請求項12】前記機体診断手段が原点チェックに失敗
    したことに応答して、機体動作を停止させる機体停止手
    段をさらに備える、ことを特徴とする請求項11に記載
    の脚式移動ロボットの姿勢制御装置。
  13. 【請求項13】機体の立脚時においてZMPをZMP安
    定領域の中心付近に配置した基本姿勢として、膝の曲げ
    角を小さくしてエネルギ消費量を抑制した基本立ち姿勢
    と、膝の曲げ角を比較的大きくして路面適応性並びに外
    力適応性を高めた基本歩行姿勢を備える、ことを特徴と
    する請求項11に記載の脚式移動ロボットの姿勢制御装
    置。
  14. 【請求項14】前記脚式移動ロボットは脚部において、
    足首ピッチ軸、足首ロール軸、膝ピッチ軸、股関節ロー
    ル軸、股関節ピッチ軸の関節自由度を備え、 前記原点設定手段は、前記足首ロール軸及び股関節ロー
    ル軸の原点を前記基本歩行姿勢から単脚支持期最前期の
    間に設定するとともに、前記足首ピッチ軸、膝ピッチ
    軸、股関節ピッチ軸の原点を前記基本立ち姿勢と前記基
    本歩行姿勢の間に設定し、 前記機体診断手段は、立脚側への機体のZMPを移動さ
    せる歩行予備動作期間中に前記足首ロール軸及び股関節
    ロール軸の原点チェックを行なうとともに、歩行停止毎
    に前記足首ピッチ軸、膝ピッチ軸、股関節ピッチ軸の原
    点チェックを行なう、ことを特徴とする請求項13に記
    載の脚式移動ロボットの姿勢制御装置。
  15. 【請求項15】前記脚式移動ロボットの胴体はさらに体
    幹ピッチ軸及び体幹ロール軸の関節自由度を備え、 前記原点設定手段は、前記体幹ロール軸の原点を前記基
    本歩行姿勢から単脚支持期最前期の間に設定するととも
    に、前記体幹ピッチ軸の原点を前記基本立ち姿勢と前記
    基本歩行姿勢の間に設定し、 前記機体診断手段は、立脚側への機体のZMPを移動さ
    せる歩行予備動作期間中に前記体幹ロール軸の原点チェ
    ックを行なうとともに、歩行停止毎に前記体幹ピッチ軸
    の原点チェックを行なう、ことを特徴とする請求項14
    に記載の脚式移動ロボットの姿勢制御装置。
  16. 【請求項16】複数の基本姿勢間の遷移により機体動作
    を制御する脚式ロボットの姿勢制御方法であって、 基本姿勢近傍の関節角度に原点を設定する原点設定ステ
    ップと、 基本姿勢から関節が変位して原点を通過するときに原点
    チェックを行なう機体診断ステップと、を具備すること
    を特徴とする脚式ロボットの姿勢制御方法。
  17. 【請求項17】前記機体診断ステップにおいて原点チェ
    ックに失敗したことに応答して、機体動作を停止させる
    機体停止ステップをさらに備える、ことを特徴とする請
    求項16に記載の脚式移動ロボットの姿勢制御方法。
  18. 【請求項18】機体の立脚時においてZMPをZMP安
    定領域の中心付近に配置した基本姿勢として、膝の曲げ
    角を小さくしてエネルギ消費量を抑制した基本立ち姿勢
    と、膝の曲げ角を比較的大きくして路面適応性並びに外
    力適応性を高めた基本歩行姿勢を備える、ことを特徴と
    する請求項16に記載の脚式移動ロボットの姿勢制御方
    法。
  19. 【請求項19】前記脚式移動ロボットは脚部において、
    足首ピッチ軸、足首ロール軸、膝ピッチ軸、股関節ロー
    ル軸、股関節ピッチ軸の関節自由度を備え、 前記原点設定ステップでは、前記足首ロール軸及び股関
    節ロール軸の原点を前記基本歩行姿勢から単脚支持期最
    前期の間に設定するとともに、前記足首ピッチ軸、膝ピ
    ッチ軸、股関節ピッチ軸の原点を前記基本立ち姿勢と前
    記基本歩行姿勢の間に設定し、 前記機体診断ステップでは、立脚側への機体のZMPを
    移動させる歩行予備動作期間中に前記足首ロール軸及び
    股関節ロール軸の原点チェックを行なうとともに、歩行
    停止毎に前記足首ピッチ軸、膝ピッチ軸、股関節ピッチ
    軸の原点チェックを行なう、ことを特徴とする請求項1
    8に記載の脚式移動ロボットの姿勢制御方法。
  20. 【請求項20】前記脚式移動ロボットの胴体はさらに体
    幹ピッチ軸及び体幹ロール軸の関節自由度を備え、 前記原点設定ステップでは、前記体幹ロール軸の原点を
    前記基本歩行姿勢から単脚支持期最前期の間に設定する
    とともに、前記体幹ピッチ軸の原点を前記基本立ち姿勢
    と前記基本歩行姿勢の間に設定し、 前記機体診断ステップでは、立脚側への機体のZMPを
    移動させる歩行予備動作期間中に前記体幹ロール軸の原
    点チェックを行なうとともに、歩行停止毎に前記体幹ピ
    ッチ軸の原点チェックを行なう、ことを特徴とする請求
    項18に記載の脚式移動ロボットの姿勢制御方法。
JP2002073389A 2002-03-15 2002-03-15 脚式ロボットの姿勢制御装置及び姿勢制御方法 Expired - Lifetime JP3813102B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002073389A JP3813102B2 (ja) 2002-03-15 2002-03-15 脚式ロボットの姿勢制御装置及び姿勢制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002073389A JP3813102B2 (ja) 2002-03-15 2002-03-15 脚式ロボットの姿勢制御装置及び姿勢制御方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003266338A true JP2003266338A (ja) 2003-09-24
JP3813102B2 JP3813102B2 (ja) 2006-08-23

Family

ID=29203066

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002073389A Expired - Lifetime JP3813102B2 (ja) 2002-03-15 2002-03-15 脚式ロボットの姿勢制御装置及び姿勢制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3813102B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005335033A (ja) * 2004-05-28 2005-12-08 Sony Corp ロボット装置及びその制御方法、並びにロボット装置の基本姿勢設定方法
CN102339060A (zh) * 2011-05-24 2012-02-01 北京工业大学 一种桌面型两轮机器人的舞步运动规划方法
JP2016064454A (ja) * 2014-09-24 2016-04-28 本田技研工業株式会社 移動ロボットの制御装置
WO2019220754A1 (ja) * 2018-05-14 2019-11-21 株式会社日立製作所 姿勢制御装置

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6234206A (ja) * 1985-08-07 1987-02-14 Hitachi Ltd ロボツトの制御方式
JPH0934553A (ja) * 1995-07-14 1997-02-07 Sony Corp ロボット装置およびその制御方法
JP2003114721A (ja) * 2001-10-04 2003-04-18 Honda Motor Co Ltd 自動原点合わせ方法及び自動原点確認方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6234206A (ja) * 1985-08-07 1987-02-14 Hitachi Ltd ロボツトの制御方式
JPH0934553A (ja) * 1995-07-14 1997-02-07 Sony Corp ロボット装置およびその制御方法
JP2003114721A (ja) * 2001-10-04 2003-04-18 Honda Motor Co Ltd 自動原点合わせ方法及び自動原点確認方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005335033A (ja) * 2004-05-28 2005-12-08 Sony Corp ロボット装置及びその制御方法、並びにロボット装置の基本姿勢設定方法
CN102339060A (zh) * 2011-05-24 2012-02-01 北京工业大学 一种桌面型两轮机器人的舞步运动规划方法
JP2016064454A (ja) * 2014-09-24 2016-04-28 本田技研工業株式会社 移動ロボットの制御装置
WO2019220754A1 (ja) * 2018-05-14 2019-11-21 株式会社日立製作所 姿勢制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3813102B2 (ja) 2006-08-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3555107B2 (ja) 脚式移動ロボット及び脚式移動ロボットの動作制御方法
JP4305323B2 (ja) ロボット装置の動作制御装置及び動作制御方法
JP4127043B2 (ja) 脚式移動ロボット並びに脚式移動ロボットの関節軸として適用されるアクチュエータ装置
CN104011613B (zh) 具有可变刚度的关节的机器人和用于计算所述优化的刚度的方法
JP2001277163A (ja) ロボットの制御装置及び制御方法
WO2003078109A1 (fr) Dispositif de commande operationnelle pour robot mobile du type a jambes, procede de commande operationnelle, et robot
JP2001150371A (ja) ロボット、及びロボット用の関節装置
Kopacek Cost oriented humanoid robots
JP3813102B2 (ja) 脚式ロボットの姿勢制御装置及び姿勢制御方法
JP3558220B2 (ja) ロボット装置に用いられる手部装置及びロボット装置
JP4289446B2 (ja) 脚式移動ロボット
JP2002233978A (ja) 移動ロボット及び移動ロボット間のデータ通信制御方法
JP2003266340A (ja) 脚式移動ロボット
JP4660870B2 (ja) 脚式移動ロボット及びその制御方法
JP4600551B2 (ja) 移動ロボット
JP3615539B2 (ja) ロボット装置の動作制御装置及び動作制御方法、並びにロボット装置の遠隔操作装置及び遠隔操作方法
JP4110525B2 (ja) ロボット装置及びその動作制御方法
JP4981074B2 (ja) 脚式移動ロボット
JP2004295766A (ja) ロボット装置及びロボットを介したユーザの認証方法
JP3555946B2 (ja) 移動ロボット装置及び移動ロボット装置の制御方法
JP2002144261A (ja) 脚式移動ロボット及びその制御方法
JP3555947B2 (ja) 移動ロボット装置、移動ロボット装置の制御方法、移動ロボット装置の運動パターン生成方法、並びに移動ロボット装置の運動制御プログラム
JP2005014144A (ja) ロボット装置及びその動作制御方法
JP4506249B2 (ja) ロボット装置及びその動作比較方法
JP2008296368A (ja) 脚式移動ロボット

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040908

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050128

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050328

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050926

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051117

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060530

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060530

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 3813102

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090609

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100609

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110609

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110609

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120609

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120609

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130609

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term