JP2003265060A - 水産システム - Google Patents

水産システム

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JP2003265060A
JP2003265060A JP2002072520A JP2002072520A JP2003265060A JP 2003265060 A JP2003265060 A JP 2003265060A JP 2002072520 A JP2002072520 A JP 2002072520A JP 2002072520 A JP2002072520 A JP 2002072520A JP 2003265060 A JP2003265060 A JP 2003265060A
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water
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JP2002072520A
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Arata Ito
新 伊藤
Seiichi Yokobori
誠一 横堀
Yutaka Watanabe
裕 渡邊
Yasuo Takagi
康夫 高木
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Toshiba Corp
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
    • Y02A40/80Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in fisheries management
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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    • Y02P60/60Fishing; Aquaculture; Aquafarming

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  • Farming Of Fish And Shellfish (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】発電プラントの排熱を効率よく利用して周年休
止することなく海水を加温して海洋水産物を養殖育成す
ることのできる水産システムを提供する。 【解決手段】排出される熱量と発電される電気エネルギ
ーの比を切り上げて得られる整数以上の数の発電プラン
ト1を備え、これらの発電プラント1の排熱の冷却に海
洋深層水10を用い、所定温度に加熱された海洋深層水10
を沿岸海域2に放流するようにした構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発電プラントの排
熱を用いて海洋深層水を加熱して沿岸海域等に放流し漁
場を形成して漁業振興と熱の有効利用を図る水産システ
ムに関する。
【0002】
【従来の技術】石炭ガス化発電プラントおよび原子力発
電プラントは、燃料費が安いためにベースロード運用が
行われている。電力需要には日負荷変動があるために、
ピーク電力需要に対しては水力発電および石油火力発電
プラントが用いられている。また、季節変動もあり、夏
期と冬期にピークがあるが、冷房需要の増大のため、夏
期のピーク電力需要が最も大きくなる。原子力発電プラ
ントの発電効率は、最新のABWRの場合で33.4%であ
り、熱出力の66.6%が排熱として海水中に放出されてい
る。
【0003】夏期においては海面温度が上昇し、タービ
ン排出蒸気の凝縮温度が高くなり、タービン出口圧力が
上昇してタービン出力の低下が生じ、発電効率が低下す
る。この季節変動需要と発電効率低下に対しても水力発
電と石油火力発電プラントが用いられている。水力発電
の場合には遠隔立地で、環境破壊、建設期間が長い等の
問題があり、石油火力発電の場合には炭酸ガス排出によ
る地球温暖化の問題がある。
【0004】前述のように、原子力発電プラントでは復
水器の冷却に海水を用いている。復水器で熱交換を行っ
て海面温度より7℃程度昇温した海水を放流している。
夏期には海面温度が23℃程度あり、放流される海水温度
は30℃になる。冬期には海面温度が8℃程度であり、放
流される海水温度は15℃程度である。よく養殖されるブ
リ、マダイ、ヒラメ、クルマエビ、ウナギの最適水温範
囲は、16℃〜21℃、20℃〜28℃、14℃〜17℃、25℃〜28
℃、20℃〜28℃である。
【0005】水深300m程度より取水する海洋深層水の
水温は7℃程度であり、周年一定温度である。また海洋
深層水は富栄養塩を含み、細菌類がほとんどいない清浄
な海水であるため、養殖に用いると成長が速いと同時に
病虫害対策の薬剤の投与が少なくて済む。
【0006】原子力発電プラントは、年に30日ほどかけ
て定期検査を行う。原子力発電プラントの排熱を魚の養
殖に利用する場合、定期検査中においても排熱に代わる
ものを準備する必要がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、海洋深
層水は富栄養塩を含み、細菌類がほとんどいない清浄性
のために養殖に用いると効果が大であるが、約7℃と低
温であり、魚の成長適温度に対しては低いために加温し
て成長に適した水温にする必要がある。
【0008】また、魚を養殖する場合、1日も休むこと
ができない。しかし、原子力発電プラントでは定期検査
のために1年の間に30日程度のプラント休止期間があ
り、排熱を供給できない期間が発生する。この定期検査
期間中にも養殖のために熱を供給する必要がある。
【0009】そこで本発明は、発電プラントの排熱を効
率よく利用して周年休止することなく海水を加温して海
洋水産物を養殖育成することのできる水産システムを提
供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、排出
される熱量と発電される電気エネルギーの比を切り上げ
て得られる整数以上の数の発電プラントを備え、これら
の発電プラントの排熱との熱交換に海洋深層水を用い、
所定温度に加熱された海洋深層水を沿岸海域に放流する
ようにした構成とする。
【0011】請求項2の発明は、2基の発電プラントの
発熱量の半分までの排熱で海洋深層水を所定温度に加熱
して沿岸海域に放流し、残りの排熱は前記発電プラント
に備えられた復水器において熱交換をして得られる温度
に加熱して沿岸海域に放流するようにした構成とする。
【0012】請求項3の発明は、発電プラントは水蒸気
タービンを備え、前記発電プラントのタービン抽気蒸気
を導入して熱貯蔵を行い取水された海洋深層水を加熱す
る潜熱貯蔵システムを備えた構成とする。
【0013】請求項4の発明は、発電プラントのボトミ
ングサイクルとして混合媒体発電システムを備え、この
混合媒体発電システムの復液器で海洋深層水が加熱され
るようにした構成とする。
【0014】請求項5の発明は、陸上養殖システムを備
え、発電プラントまたは混合媒体発電システムにおいて
加熱された海洋深層水は上記陸上養殖システムに導入さ
れ陸上養殖システムを通過後に沿岸に放流されるように
した構成とする。
【0015】請求項6の発明は、発電プラントは、モジ
ュラー型高速増殖型原子力発電プラント、モジュラー型
高温ガス冷却原子力発電プラント、モジュラー型軽水減
速原子力発電プラント、石炭ガス化発電プラントのいず
れかである構成とする。
【0016】請求項7の発明は、加熱された海洋深層水
の温度を海表面温度より高く7℃以下にして、沿岸海域
に放流する代わりに海洋深層水取水場所で海面方向に向
けて放流するようにした構成とする。
【0017】請求項8の発明は、海洋深層水の取水配管
および放水配管を通す海底トンネルと、前記海底トンネ
ルの端末部および中間部に設けられた海底構造物と海面
に設けられた浮構造物との間を結ぶ垂直配管とを備えた
構成とする。
【0018】請求項9の発明は、海底構造物と海面の浮
構造物を垂直配管で結合した構造物、あるいは海底構造
物と中性浮力の海中構造物を垂直配管で結合した構造物
を地上で製作し、海面に浮かぶ状態で設置現場に曳航し
て、海底構造物から沈めて垂直状態にして海底に設置
し、海底構造物の底の岩盤を掘削して海底構造物を埋め
込んで設置した構成とする。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の第1の実施の形態を図
1,図2および図3を参照して説明する。本実施の形態
の水産システムは、海洋深層水を海底トンネルを経由し
て取水し、3基で1組の原子力発電プラントの復水器で
熱交換を行い、陸上養殖システムを経由して、あるいは
経由せずに沿岸海域に放流するようにした水産システム
である。
【0020】図1に示す実施例は、3基の原子力発電プ
ラント1と、沿岸海域2に設けた放水配管3を備え、原
子力発電プラント1の排熱で海洋深層水10を加熱後、沿
岸海域2に放流するようにした水産システムである。
【0021】原子力発電プラント1は、原子炉4、水蒸
気タービン5、発電機6、復水器7、加圧ポンプ8およ
び切り換え弁9で構成されている。原子炉4で生成した
蒸気が水蒸気タービン5に流入し、これを駆動し、その
排気が復水器7に流入して熱交換をして復水し、加圧ポ
ンプ8で加圧されて原子炉4に循環する。水蒸気タービ
ン5のトリップがあると、切り換え弁9を開放して蒸気
を復水器7に直接導いて熱交換を行う。
【0022】低温の海洋深層水10が取水配管11を経由し
て送水ポンプ12で復水器7の熱交換部に送られ、熱交換
をして高温になった海洋深層水が弁13を経由して放水配
管3に送られ、ノズル孔14より高温海洋深層水15が沿岸
海域2に放流される。3基の原子力発電プラント1の復
水器7の熱交換部で熱交換を行って昇温した高温海洋深
層水は放水配管3において合流する。
【0023】図2に示す実施例は、原子力発電プラント
1の排熱で海洋深層水10を加熱後、陸上養殖システム16
を経由して沿岸海域2に放流する水産システムである。
原子力発電プラント1の復水器7の熱交換部の出口に設
置された弁13の後に陸上養殖システム16を設置し、この
陸上養殖システム16を出た高温海洋深層水が放水配管3
に流入する。また、3基の陸上養殖システム16の高温海
洋深層水流入配管はお互いに配管結合された構成であ
る。
【0024】海洋深層水を取水し沿岸海域に放流するた
めの構成は図3のようになっている。すなわち、低温の
海洋深層水10が、水中トンネル20および海底トンネル21
内部に設置された取水配管(図示せず)を経由して原子
力発電プラント1の復水器7の熱交換部に流入して熱交
換後、放水配管3を経由して沿岸海域2に放流される構
成である。海底トンネル21の中間部と端部には海底構造
物22が設けられ、海底構造物22と浮構造物23が垂直配管
24で結合された構成である。
【0025】垂直配管24は、海底トンネル21の掘削工事
の時にはシールドマシンの搬入、掘削残土の搬出用のル
ートとして、完成後には浮構造物23の周辺での養殖を行
う浮沈型生簀へのアクセスルートとして用いられる。
【0026】以上のような構成とした本発明の第1の実
施の形態の水産システムにおいては、水深300m程度の
深さより海洋深層水10を汲み上げ、原子力発電プラント
1の復水器7の熱交換部に導いて、水蒸気タービン5よ
りの排気蒸気と熱交換をして昇温させて陸上養殖システ
ム16に導き、ヒラメ等の流水式養殖槽を通過後に放水配
管3に導き、ノズル孔14より沿岸海域2に放流する。
【0027】1基の原子力発電プラント1の水蒸気ター
ビン5に事故が発生すると、切り換え弁9を開放して原
子炉4で生成される蒸気を復水器7に導くと同時に原子
炉4の閉鎖操作を行う。切り換え弁9を経由して復水器
7に蒸気が導かれると、海洋深層水10の汲み上げ量を50
%程度増加させて対応する。原子炉4の閉鎖操作が進む
に従い復水器7に流入する蒸気量が減ると、残り2基の
原子力発電プラント1の切り換え弁9を開放して、事故
が発生したプラントの復水器7での熱交換量の減少量に
対応させて蒸気量を復水器7に注入して、復水器7での
交換熱量を増加させる。交換熱量の増加に従い海洋深層
水10の取水量を増加させる。
【0028】事故を起こした原子力発電プラント1の発
生熱量が崩壊熱除去系の除熱能力以下になると弁13を閉
鎖し、残りの2基の健全な原子力発電プラント1は、熱
供給専用炉として発電を停止する。1基の原子力発電プ
ラント1が定期検査のために停止している時にも、残り
の2基の原子力発電プラント1は熱供給専用炉として運
転し、発電は行わない。
【0029】この第1の実施の形態の水産システムによ
れば、3基の原子力発電プラントを組合せて海洋深層水
をタービン排熱で加熱して陸上養殖システムに供給し、
利用後の高温海洋深層水を沿岸海域に放流して漁場を形
成することにより、原子力発電プラントの排熱のカスケ
ード利用を行うことができ、漁業の振興が達成でき、世
界の予想される人口増加に対して効率的に動物性蛋白質
の供給ができるようになる。また、原子力発電プラント
は年に30日程度の定期検査のために運転を停止する期間
があるが、3基を組合せて他の2基の発電プラントを熱
供給専用炉に運転を切り換えることにより、養殖のため
に海洋深層水を加熱する手段を確保することができるよ
うになる。
【0030】なお、上記第1の実施の形態の水産システ
ムは3基の原子力発電プラント1を備えたが、原子力発
電プラント1の復水器7の冷却水に排出する熱量と発電
される電気エネルギーの比を切り上げて得られる整数以
上の原子力発電プラント1を設置し、その原子力発電プ
ラント群の復水器7の冷却に海洋深層水10を用い、一定
温度に加熱された海洋深層水10を沿岸海域2に放流する
ようにした構成でもよい。
【0031】また、2基の発電プラント1の発熱量の半
分までの排熱で海洋深層水10を一定温度に加熱して沿岸
海域2に放流し、残りの排熱は復水器7と熱交換をして
得られる温度に加熱して沿岸海域2に放流するようにし
た構成でもよい。また、原子力発電プラント1の代わり
に火力発電プラント等の排熱を生じる発電プラントを設
けてもよい。
【0032】つぎに本発明の第2の実施の形態を図4,
5,6を参照して説明する。この実施の形態の水産シス
テムは、原子力発電プラント1の原子炉4より出た蒸気
を分岐して潜熱貯蔵システム28に温熱貯蔵し、取水した
海洋深層水10を分岐して潜熱貯蔵システム28に導いて加
熱し、じかに、あるいは陸上養殖システムを経由して沿
岸海域2に放流するようにした水産システムである。
【0033】すなわち図4に示すように、原子力発電プ
ラント1の原子炉4を出た蒸気が分岐されて潜熱貯蔵シ
ステム28に導かれ、熱交換をして原子力発電プラント1
の加圧ポンプ8の入口側に戻る構成になっている。潜熱
蓄熱システム28には三菱化学エンジニアリング製のエリ
スリトール系蓄熱材(PCM−120A)等の蓄熱材が
設備されている。そして、取水された海洋深層水10を分
岐して潜熱貯蔵システム28に導き、熱交換を行って昇温
させて弁29を経由して放水配管3に導く。
【0034】ここで電力需要の日内変動および年間変動
をみると図5および図6のようになっている。図5は、
東京電力管内の電力需要の昼夜の変動を示したものであ
る。電力設備は、昼間のピーク需要に合わせて設備され
るために夜間においては設備容量の43%程度を稼動すれ
ば足りることを示している。通常この変動には揚水発電
所や、石油火力発電所で対応している。設備容量の57%
の発電エネルギーを夜間の約12時間、熱エネルギーの形
で潜熱貯蔵する。水産養殖にこの貯蔵した熱エネルギー
を利用する場合、発電設備容量の28.5%を熱エネルギー
として利用することができる。
【0035】図6は、我が国の月別の最大電力の変動を
示したものである。夏場の需要に合わせて電力設備を設
けると、春と秋には設備容量71.5%程度の需要になる。
春と秋の電力需要の少ない時に余る電気エネルギーを海
洋深層水を加熱するのに用いると、夏場に比べて1.14倍
の海洋深層水を加熱することができる。定期検査を春か
秋に行うと、3基原子力発電プラントの余剰の電気エネ
ルギーを潜熱の形で貯蔵して、停止した原子力発電プラ
ントに対処することができる。
【0036】そこで本実施の形態の水産システムにおい
ては、夜間の12時間は、原子力発電プラント1の原子炉
4で発生する蒸気を用いて、発電する発電量の57%に対
応する原子炉4での発生熱量を潜熱エネルギーとして貯
蔵する。復水器7より排出される熱量は定格運転時の43
%であり、分岐される海洋深層水量も定格運転時の43%
になる。潜熱貯蔵システム28に分岐する海洋深層水10の
量は、復水器7に流す量の1.66倍程度である。
【0037】昼間の12時間は、復水器7には定格運転時
対応の量の海洋深層水を流し、潜熱貯蔵システム28には
復水器7に流す量の0.14倍を流す。放水配管3に流す高
温深層海水量は、負荷変動で余る夜間の熱エネルギーを
貯蔵しない場合の1.14倍の量である。原子力発電プラン
ト1の1基が定期検査のために運転停止をしている分を
他の原子力発電プラント1の夜間の熱エネルギーを貯蔵
したもので対応する場合には、7基の原子力発電プラン
トが必要になる。その時は、上記の1.14倍の高温深層海
水を流す必要がない。
【0038】この第2の実施の形態の水産システムは前
記第1の実施の形態と同様な効果が得られるほかに、7
基の原子力発電プラントで夜間の余った電気エネルギー
を潜熱の形で貯蔵することにより、原子力発電プラント
1基が定期検査のために停止しても必要な排熱相当量を
賄うことができ、魚の養殖に対して悪影響を及ぼすこと
がない。
【0039】また、3基の原子力発電プラントの春ある
いは秋に発生する季節的余剰電気エネルギーを潜熱の形
で貯蔵することにより、原子力発電プラント1基が定期
検査のために停止しても必要な排熱相当量を賄うことが
でき、魚の養殖に対して悪影響を及ぼすことがない。
【0040】つぎに本発明の第3の実施の形態を図7と
図8を参照して説明する。すなわち、この実施の形態の
水産システムは、図7に示すように、原子力発電プラン
ト1に、混合媒体発電システム30をボトミングサイクル
として付設し、その復液器34の冷却を海洋深層水10で行
い、加熱後の海洋深層水を沿岸海域2に放流するように
した水産システムである。
【0041】混合媒体発電システム30は、高圧分離器3
1、混合媒体タービン32、発電機33、復液器34、加圧ポ
ンプ35、熱交換器36、絞り弁37、切り換え弁38、膨張弁
39等で構成される。
【0042】水およびアンモニア等の水よりも沸点の低
い媒体からなる混合媒体液が、原子力発電プラント1の
復水器7で加熱され、高圧分離器31に導かれ、高濃度混
合媒体蒸気と低濃度混合媒体液に分離され、高濃度混合
媒体蒸気は混合媒体タービン32に導かれ、その排気が復
液器34に導かれる構成である。低濃度混合媒体液は熱交
換器36に導かれ、熱交換後に絞り弁37を経由して復液器
34に導かれる。復液器34で高濃度混合媒体蒸気は低濃度
混合媒体液に吸収されて凝縮し、加圧ポンプ35で加圧さ
れて熱交換器36で熱交換を行って原子力発電プラント1
の復水器7に導かれる構成である。
【0043】海洋深層水10は、図8に示すように、海底
構造物22に設けられた取水口によって取水されて水中ト
ンネル20と海底トンネル21によって送水され、送水ポン
プ12で混合媒体発電システム30の復液器34に導かれ、熱
交換を行って弁13を経由して、海底構造物22に設けられ
た放水配管3に導かれる構成である。
【0044】本実施の形態の水産システムは、このよう
な構成によって、混合媒体発電システム30より中濃度の
混合媒体液が原子力発電プラント1の復水器7の熱交換
部に導かれ、熱交換をして加熱されて混合媒体発電シス
テム30の高圧分離器31に導かれる。
【0045】混合媒体液は高圧分離器31で高濃度混合媒
体蒸気と低濃度混合媒体液に分離される。高濃度混合媒
体蒸気は切り換え弁38を経由して混合媒体蒸気タービン
32に導かれ、これを駆動して同軸に結合された発電機33
で発電を行う。混合媒体タービン32を排出された蒸気は
復液器34に流入する。
【0046】低濃度混合媒体液は熱交換器36に導かれ、
復液器34で復液された中濃度混合媒体液と熱交換をして
冷却され、絞り弁37で減圧されて混合媒体タービン32よ
り排出された高濃度混合媒体蒸気を混合吸収して復液器
34に流入する。
【0047】復液器34では海洋深層水10で冷却されて中
濃度混合媒体液に復液し、加圧ポンプ35で加圧されて熱
交換器36の熱交換部に流入する。ここで熱交換を行って
加熱されて原子力発電プラント1の復水器7の熱交換部
に環流する。海洋深層水10は取水配管11を経由して送水
ポンプ12で混合媒体発電システム30の復液器の熱交換部
に導かれ、加熱されて弁13を経由して放水配管3に導か
れる。
【0048】このようにこの第3の実施の形態の水産シ
ステムは、原子力発電プラント1の復水器7の除熱を混
合媒体発電システム30で行い、この混合媒体発電システ
ム30の復液器34の冷却を海洋深層水10で行い、加熱され
た海洋深層水15を沿岸海域2に放流する水産システムで
ある。
【0049】この第3の実施の形態の水産システムにお
いては、混合媒体発電システム30を原子力発電プラント
1のボトミングサイクルとして付設することにより、海
洋深層水10の低温度(7℃)を有効に利用することがで
き、33.4%の発電効率が36.1%程度に上昇する。原子力
発電プラント1の復水器7を海洋深層水10で冷却した場
合の約2倍程度の発電効率が期待できる。また、混合媒
体発電システム30の復液器34の排熱を海洋深層水10の加
熱に使うことにより、原子力発電プラント1の復水器7
の排熱を用いる場合に比較して放射能汚染の環境への拡
散防止をより確実に行うことができる。
【0050】原子力発電プラントの発電効率は33.4%で
あり、排熱として環境に放出している熱量が非常に大き
い。上記の各実施の形態の水産システムにおいては、こ
の排熱を有効利用するために低温度の海洋深層水を加熱
するのに用い、魚の養殖の海水温度を成長適温にし、養
殖効率を向上させる。
【0051】魚を養殖する場合、1日も休むことができ
ない。原子力発電プラントでは定期検査のために1年の
間に30日程度のプラント休止期間があり、排熱を供給で
きない期間が発生する。この定期検査期間中にも養殖の
ために熱を供給するために補助ボイラーを準備すること
も考えられるが、原子力発電プラントの排熱は熱出力の
66.6%もあり、膨大な量であるため現実的な対応ではな
い。そこで複数基の原子力発電プラント群で養殖用の排
熱を供給することになる。3基の組合せで1基が定期検
査を行っている場合、他の2基は養殖のために熱を供給
するために発電を中止して熱供給専用原子炉としての運
転を行うことになる。高温度の蒸気で低温度を製造する
ことは無駄な行為であり、高温蒸気は発電に利用し、発
電に使えない温度の蒸気を養殖用に用いるほうがよい。
【0052】原子力発電プラントは、発電コストが安い
ため、ベースロード運転をした方が有利である。しかし
ながら、電力需要には日負荷変動があるため、夜間の熱
エネルギーに余剰が生じる。そこでこの夜間の余剰の熱
エネルギーを貯蔵し、貯蔵熱エネルギーと排熱とで養殖
用の海洋深層水を加熱する。
【0053】110万Kw級原子力発電プラントの復水器の
冷却用海洋深層水は、75トン/s程度の量であり、取水用
の配管は大規模なものになる。またその取水距離は数km
程度ある。水深300m程度からの取水となると深海中の
作業となる。シールド工法によるトンネル掘削技術が進
んでいるため、海底にトンネルを掘削してその中に取水
配管を付設することを考える。シールド工法による掘削
時間を短縮するため海中に浮人工島を設け、回転に設け
た構造物との間を配管で結合し、浮人工島より掘削機を
海底に入れ、掘削残土を人工島より搬出して掘削工事を
行うようにする。掘削工事が終了すると浮人工島周囲に
生簀を設けて養殖を行う。この生簀および浮人工島を海
中に沈ませる機構を設け、嵐等で海が荒れる場合は海中
に退避できる構成である。
【0054】浮人工島や海底設置構造物、それらを結合
する配管は、現地工事をすると作業性が悪いために建設
期間が長期化する。そこで、これらを造船所等で建設
し、海面に浮かべて設置場所へ曳航して、設置する工法
を採用する。海底設置構造物は、ケーソン工法で海底の
岩盤を掘削して、その中に埋め込む。
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、発電プラントの排熱を
効率よく利用して周年休止することなく海水を加温して
海洋水産物を養殖育成することのできる水産システムを
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の水産システムの構
成を示す図。
【図2】本発明の第1の実施の形態の他の実施例の水産
システムの構成を示す図。
【図3】本発明の第1の実施の形態の水産システムにお
ける海洋深層水の取水および放流のための構成を示す
図。
【図4】本発明の第2の実施の形態の水産システムの構
成を示す図。
【図5】電力需要の昼夜の変動を示すグラフ。
【図6】月別の最大電力の変動を示すグラフ。
【図7】本発明の第3の実施の形態の水産システムの構
成を示す図。
【図8】本発明の第3の実施の形態の水産システムにお
ける海洋深層水の取水および放流のための構成を示す
図。
【符号の説明】
1…原子力発電プラント、2…沿岸海域、3…放水配
管、4…原子炉、5…水蒸気タービン、6…発電機、7
…復水器、8…加圧ポンプ、9…切り換え弁、10…海洋
深層水、11…取水配管、12…送水ポンプ、13…弁、14…
ノズル孔、15…高温海洋深層水、16…陸上養殖システ
ム、17…海面、18…海底、19…岩盤、20…水中トンネ
ル、21…海底トンネル、22…海底構造物、23…浮構造
物、24…昇降配管、25…ケーブル、28…潜熱貯蔵システ
ム、29…弁、30…混合媒体発電システム、31…高圧分離
器、32…混合媒体タービン、33…発電機、34…復液器、
35…加圧ポンプ、36…熱交換器、37…絞り弁、38…切り
換え弁、39…膨張弁。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡邊 裕 東京都港区芝浦一丁目1番1号 株式会社 東芝本社事務所内 (72)発明者 高木 康夫 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中事業所内 Fターム(参考) 2B104 AA01 AA05 CA01 CB41 EC01 EC05 EC12

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排出される熱量と発電される電気エネル
    ギーの比を切り上げて得られる整数以上の数の発電プラ
    ントを備え、これらの発電プラントの排熱との熱交換に
    海洋深層水を用い、所定温度に加熱された海洋深層水を
    沿岸海域に放流するようにしたことを特徴とする水産シ
    ステム。
  2. 【請求項2】 2基の発電プラントの発熱量の半分まで
    の排熱で海洋深層水を所定温度に加熱して沿岸海域に放
    流し、残りの排熱は前記発電プラントに備えられた復水
    器において熱交換をして得られる温度に加熱して沿岸海
    域に放流するようにしたことを特徴とする水産システ
    ム。
  3. 【請求項3】 発電プラントは水蒸気タービンを備え、
    前記発電プラントのタービン抽気蒸気を導入して熱貯蔵
    を行い取水された海洋深層水を加熱する潜熱貯蔵システ
    ムを備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の
    水産システム。
  4. 【請求項4】 発電プラントのボトミングサイクルとし
    て混合媒体発電システムを備え、この混合媒体発電シス
    テムの復液器で海洋深層水が加熱されるようにしたこと
    を特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の水産
    システム。
  5. 【請求項5】 陸上養殖システムを備え、発電プラント
    または混合媒体発電システムにおいて加熱された海洋深
    層水は上記陸上養殖システムに導入され陸上養殖システ
    ムを通過後に沿岸に放流されるようにしたことを特徴と
    する請求項1ないし4のいずれかに記載の水産システ
    ム。
  6. 【請求項6】 発電プラントは、モジュラー型高速増殖
    型原子力発電プラント、モジュラー型高温ガス冷却原子
    力発電プラント、モジュラー型軽水減速原子力発電プラ
    ント、石炭ガス化発電プラントのいずれかであることを
    特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の水産シ
    ステム。
  7. 【請求項7】 加熱された海洋深層水の温度を海表面温
    度より高く7℃以下にして、沿岸海域に放流する代わり
    に海洋深層水取水場所で海面方向に向けて放流するよう
    にしたことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに
    記載の水産システム。
  8. 【請求項8】 海洋深層水の取水配管および放水配管を
    通す海底トンネルと、前記海底トンネルの端末部および
    中間部に設けられた海底構造物と海面に設けられた浮構
    造物との間を結ぶ垂直配管とを備えたことを特徴とする
    請求項1ないし7のいずれかに記載の水産システム。
  9. 【請求項9】 海底構造物と海面の浮構造物を垂直配管
    で結合した構造物あるいは海底構造物と中性浮力の海中
    構造物を垂直配管で結合した構造物を地上で製作し、海
    面に浮かぶ状態で設置現場に曳航して、海底構造物から
    沈めて垂直状態にして海底に設置し、海底構造物の底の
    岩盤を掘削して海底構造物を埋め込んで設置したことを
    特徴とする請求項8に記載の水産システム。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN106545934A (zh) * 2016-10-27 2017-03-29 江苏科技大学 一种深海空间站设备舱冷却系统及其控制方法
KR101905720B1 (ko) * 2017-04-12 2018-10-11 박현민 해양심층수를 이용한 민물장어 축양방법
CN112489843A (zh) * 2020-11-02 2021-03-12 中广核工程有限公司 核电厂余热利用系统及核电厂余热利用方法

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