JP2003263468A - 電荷シミュレーション方法及びその装置 - Google Patents

電荷シミュレーション方法及びその装置

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JP2003263468A
JP2003263468A JP2003011128A JP2003011128A JP2003263468A JP 2003263468 A JP2003263468 A JP 2003263468A JP 2003011128 A JP2003011128 A JP 2003011128A JP 2003011128 A JP2003011128 A JP 2003011128A JP 2003263468 A JP2003263468 A JP 2003263468A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 順序回路セルの真理値表及びパス・コンディ
ションのセル情報を正確に、かつ短時間で作成すること
の可能なセル情報作成装置を提供する。 【解決手段】 第1の真理値表作成部S2は、メモリ部を
有するCMOS論理回路セルの外部入力ピンとメモリ部
との組合せにより外部入力ピンとメモリ部が強制的に初
期化する。次に初期化を解除し、先の初期化した状態
と、その初期化を解除した状態とにより第1の真理値表
を作成する。第2の真理値表作成部S3は、第1の真理値
表に基づいて外部入力ピンとメモリ部とが安定したパタ
ーンを抽出し、第2の真理値表を作成する。第3の真理
値表作成部S4は、第2の真理値表に基づいて外部入力ピ
ンとメモリ部とを初期化した後、外部入力ピンの状態を
変化し、先に初期化した状態と変化した後の状態とで第
3の真理値表を作成する。パス・コンディション抽出部
S6は、第3の真理値表に基づいてパスとコンディション
とを抽出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体集積回路装
置を構成するCMOS論理回路セルの特性を正確に算出
するために必要なセル情報を作成するセル情報作成装置
に用いられる電荷シミュレーション方法及びその装置に
関するものである。
【0002】近年、LSIの設計においては、多様化す
るユーザの要求に応じてCMOS論理回路セルを設計し
ている。その設計された論理回路セルが仕様を満足して
いるか否かの判断は、論理回路セルの特性により判断す
る手法が用いられている。また、LSIの開発期間の短
縮が要求されていることから、論理回路セルの特性を正
確に、かつ短時間で算出することが要求されている。
【0003】
【従来の技術】従来、LSIの設計において、ユーザの
仕様に応じてCMOS論理回路セルを設計している。従
って、LSIが仕様通りに作成されているかを検証する
ためには、各論理回路セルが仕様を満たしているかどう
かを判断する必要がある。その判断のためには、各論理
回路セルの特性を算出し、その特性によって各論理回路
セルが仕様と満たしているかどうかを判断する手法が用
いられている。
【0004】論理回路セルの主な特性としては、論理回
路セルの外部入力ピンから外部出力ピンまでの信号の遅
延時間がある。この遅延時間を得るためには、論理回路
セルの1つの外部入力ピンのみの信号の変化によって外
部出力ピンの信号が変化する時の外部入力ピンと外部出
力ピンの信号変化を示すパスをセル情報として抽出す
る。この抽出したセル情報に基づいて回路シミュレーシ
ョンを実行し、そのシミュレーション結果に基づいて論
理回路セルの遅延時間を算出する。
【0005】一方、論理回路セルのなかには、外部入力
ピンの信号の変化に対して、複数の外部出力ピンの信号
が変化する時、それらの信号が変化するまでの時間が異
なる場合がある。このような論理回路セルにおいては、
外部入力ピンの信号の変化に対して、信号が変化する外
部出力ピン毎にパスをセル情報として抽出する。
【0006】また、論理回路セルのなかには、外部入力
ピンの信号の変化に対して、他の外部入力ピンの状態に
基づいて信号が変化する外部出力ピンが異なる場合があ
る。このような論理回路セルにおいては、外部入力ピン
と外部出力ピンのパスと、他の外部入力ピンの状態を示
すコンディションとをセル情報として抽出する。
【0007】そして、この抽出したセル情報に基づいて
回路シミュレーションを実行し、そのシミュレーション
結果に基づいて論理回路セルの遅延時間を算出する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、論理回路セ
ルには、組合せ回路セルと順序回路セルとがある。組合
せ回路セルは、アンド回路等のゲートの組み合わせによ
り形成された論理回路セルであって、外部入力ピンの信
号の変化に応じて外部出力ピンの信号が変化する。従っ
て、組合せ回路セルのパス・コンディションを抽出する
場合には、ゲートの接続を示すネット情報や、真理値
表、ブール演算等に基づいて容易にパス・コンディショ
ンを抽出することが可能であった。そして、抽出したパ
ス・コンディションに基づいて回路シミュレーションを
実行して遅延時間を算出したり、実際に作成したLSI
をテスタ上で動作させて動作検証が行われていた。
【0009】一方、順序回路セルは、その内部に記憶素
子(メモリ)を持っていて、外部入力ピンの信号の変化
に対して、その信号の変化とメモリに保持された状態と
に基づいて外部出力ピンの信号が変化する。例えば、図
18に示すように、順序回路セルとしてD形フリップフ
ロップセル(以下、DFFセルという)50がある。こ
のDFFセル50の場合、外部入力ピンD,CKにLレ
ベルの信号を入力すると、メモリM1,M2がLレベル
の場合には外部出力ピンQからLレベル、外部出力ピン
XQからHレベルの信号を出力する。しかし、メモリM
1がLレベル、メモリM2がHレベルの場合,DFFセ
ル50は外部出力ピンQからHレベル、外部出力ピンX
QからLレベルの信号を出力する。
【0010】そのため、順序回路セルにおいては、ネッ
ト情報等により容易にパス・コンディションを抽出する
ことができなかった。従って、順序回路セルにおいて
は、設計者が論理回路図面を見ながら人手で真理値表を
作成していた。また、順序回路セルのパス・コンディシ
ョンは、設計者が論理回路図面の外部出力ピンから信号
をたどっていって全ての組合せを抽出していた。そのた
め、順序回路セルの真理値表を作成したり、全てのパス
・コンディションを抽出するのに非常に時間がかかって
いた。
【0011】また、設計者が人手で真理値表を作成した
り、パス・コンディションを抽出しているので、真理値
表が間違っていたり、全てのパス・コンディションを抽
出することができないことがある。すると、論理上では
仕様通りに動作したLSIが、実際に作成したLSIを
テスタ上で動作させてみて初めて順序回路セルの回路の
間違いを発見する場合があった。また、順序回路セルの
遅延時間が論理上と異なってLSIが仕様通りに動作し
ない場合があった。
【0012】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであって、その目的は順序回路セルの真理値表
及びパス・コンディションのセル情報を正確に、かつ短
時間で作成することのできるセル情報作成装置に用いら
れる電荷シミュレーション方法及びその装置を提供する
ことにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため、請求項1に記載の発明は、電荷シミュレーシ
ョンを行う電荷シミュレーション装置に適用される電荷
シミュレーション方法であって、論理回路セルのトラン
ジスタレベルネットリスト、トランジスタモデルから回
路内で使用されているネット毎に前状態の電荷量と現在
の電荷量を設定できる回路内ネットテーブルと、回路内
で使用されているMOSトランジスタ素子毎にトランジ
スタのタイプ、ドレイン側ネットのポインタ、ソース側
ネットのポインタ、ゲート側ネットのポインタを設定し
たMOSトランジスタ結線テーブルとを予め作成してお
き、前記2つのテーブルと電荷シミュレーション制御情
報とを入力し、電荷量を単位容量あたりの電圧とみなし
て、ネットテーブル内電源部ネットに、電源部電圧相当
の電荷を、信号入力部ネットに、入力信号パターン相当
の電荷を供給し、MOSトランジスタのソース・ドレイ
ン間でトランジスタタイプ別の電荷移動の式に従って電
荷を移動させ、回路内の全トランジスタ素子について電
荷供給と電荷移動を行った後、ネット毎の電荷の変化量
と収束判定レベルとを比較して電荷の移動が収束したか
どうかを判断し、電荷の移動が収束した後、ネットテー
ブル内信号出力部ネットの電荷量を信号変換しきい値に
従って信号値に変換して出力するようにした。
【0014】従って、請求項1に記載の発明によれば、
予め作成された論理回路セルのトランジスタレベルネッ
トリストとトランジスタモデルとから回路内ネットテー
ブルとMOSトランジスタ結成テーブルとが入力され、
ネットに電源又は入力信号パターンに基づいた電荷量の
電荷が設定される。その電荷は、トランジスタタイプに
よる電荷移動式により移動された後、ネット毎の電荷量
が信号値に変換され出力される。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した一実施
例を図1〜図18に従って説明する。図2は、本発明を
適用したセル情報作成装置のシステム構成を示す模式図
である。セル情報作成装置1はCAD(ComputerAidedD
esign)装置からなり、セル情報作成装置1を構成する
中央処理装置(以下、CPUという)2、メモリ3、磁
気ディスク4、キーボード5、プリンタ6、及びCRT
等の表示器7は、システムバス8により互いに接続され
ている。
【0016】CPU2は、キーボード5の操作により、
メモリ3に記憶された所定の処理プログラムに基づいて
セル情報作成処理を実行するようになっている。処理プ
ログラムは、図1に示すステップ(以下、単にSとい
う)1からS6により構成されている。S1は真理値表
作成部(真理値表作成手段)であって、S2〜S4によ
り構成されている。
【0017】S2はメモリ部モニター真理値表作成部で
あって、第1の真理値表作成手段としてのメモリ部モニ
ター真理値表作成手段である。CPU2は、ネット情報
11を読み込み、順序回路セルの外部入力ピンの信号と
メモリ部のレベルとを、Hレベル又はLレベルのセット
信号を供給して強制的にセットする初期化を行なう。こ
のとき、HレベルとLレベルとの組合せにより、複数の
パターンで外部入力ピンの信号とメモリ部とにセットす
る。そして、メモリ部に供給する信号を解除した場合、
メモリ部の状態が外部入力ピンの信号の影響で変化する
か、または変化しないかを検出する。そして、セット信
号を供給した場合の外部入力ピン、メモリ部、外部出力
ピンの状態と、セット信号の供給を解除した場合のメモ
リ部、外部出力ピンの状態とを示す第1の真理値表とし
てのメモリ部モニター真理値表を作成する。
【0018】このとき、CPU2は、S5の電荷シミュ
レーション部(電荷シミュレーション手段)を実行し、
セット信号を供給した場合の外部出力ピンの状態と、セ
ット信号の供給を解除した場合のメモリ部,外部出力ピ
ンの状態を求める。
【0019】S3はイニシャルパターン真理値表作成部
であって、第2の真理値表作成手段としてのイニシャル
パターン真理値表作成手段である。CPU2は、S2に
おいて作成したメモリ部モニター真理値表を入力する。
そして、CPU2は、その入力した真理値表に基づいて
順序回路セル内のメモリ部の信号が衝突しない安定した
状態を検出し、第2の真理値表としてのイニシャルパタ
ーン真理値表を作成する。例えば、S2において供給し
たセット信号によるメモリ部の状態がHレベルであっ
て、外部入力ピンの信号によるメモリ部の状態がLレベ
ルのときがある。この場合、メモリ部においてHレベル
とLレベルが衝突し、セット信号の供給を解除すると、
メモリ部は初期状態であるHレベルからLレベルに変化
する。このようなHレベルとLレベルとが衝突していな
いパターンをメモリ部モニター真理値表から抽出し、イ
ニシャルパターン真理値表を作成する。
【0020】S4は出力部モニター真理値表作成部であ
って、第3の真理値表作成手段としての出力部モニター
真理値表作成手段である。CPU2は、S3において作
成したイニシャルパターン真理値表を入力する。そし
て、CPU2は、その入力した真理値表に基づいて外部
入力ピンの信号の変化と、その変化したときの外部入力
ピンの信号の変化及びメモリの信号レベルを抽出し、第
3の真理値表としての出力部モニター真理値表を作成す
る。このとき、CPU2は、S2と同様に、S5の電荷
シミュレーション部を実行し、順序回路セルを構成する
MOSトランジスタの各部の信号レベルを確定する。そ
して、イニシャルパターン真理値表13を作成すると、
その作成した真理値表13を磁気ディスク4へ書き込
み、S6へ移る。
【0021】S6はパス・コンディション抽出部であっ
て、パス・コンディション抽出手段である。CPU2
は、S4において作成したイニシャルパターン真理値表
13を入力する。CPU2は、入力した真理値表13に
基づいて外部入力ピンの信号の変化に応じて外部出力ピ
ンの信号が変化するパスと、そのパスにおける他の外部
入力ピンとメモリ部の状態のコンディションとを抽出
し、パス・コンディションデータ14として磁気ディス
ク4へ書き込む。そして、データ14の書き込みを終了
すると、CPU2は、セル情報作成処理を終了する。
【0022】メモリ3には、CPU2が実行する前記プ
ログラムが磁気ディスク4から読み出されて記憶されて
いる。また、メモリ3には、当該プログラムデータの実
行に必要な各種データが予め記憶されるとともに、当該
プログラムデータに基づくCPU2の処理結果等が一時
的に記憶されるようになっている。
【0023】磁気ディスク4には、図1に示すようなネ
ット情報11,電荷シミュレーション制御情報(以下、
単に制御情報という)12,真理値表13,パス・コン
ディション14が格納されている。ネット情報11及び
制御情報12は、図示しないCAD装置等により予め作
成され、磁気ディスク4に格納されている。真理値表1
3及びパス・コンディション14は、セル情報作成装置
1の処理結果が格納される。
【0024】ネット情報11は、トランジスタレベルネ
ットリスト、トランジスタモデル、電源部ネット名、電
源部電圧、外部入力ピン名、外部出力ピン名、回路内メ
モリ部ネット名により構成されている。ネット情報11
は、図示しない配置配線設計用のCAD装置により予め
作成され、メモリ3に格納されている。トランジスタレ
ベルネットリストは、設計され、LSIを構成するため
に配置されたCMOS論理回路セルのうち、順序回路セ
ルの実パターンのMOSトランジスタに対して接続され
た配線を示している。
【0025】例えば、図14に示すように、順序回路セ
ル内のMOSトランジスタQ1はNチャネルMOSトラ
ンジスタであって、ソースは低電位側電源VSSに接続さ
れ、ドレインは高電位側電源VDDに接続されている。ま
た、MOSトランジスタQ1のゲートは図示しない他の
MOSトランジスタに接続され、信号Sinを入力してい
る。そして、MOSトランジスタQ1のソースは図示し
ない他のMOSトランジスタに接続され、信号Soutを
出力している。
【0026】このMOSトランジスタQ1の場合、ゲー
トは他のMOSトランジスタとネットN1により接続さ
れる。また、MOSトランジスタQ1のソースは低電位
側電源VSS及び他のMOSトランジスタとネットN2に
接続される。更に、MOSトランジスタQ1のドレイン
は高電位側電源VDDとネットN3の配線により接続され
る。従って、ネットN1〜N3がMOSトランジスタQ
1のトランジスタレベルネットリストとしてネット情報
11に格納されている。
【0027】トランジスタモデルは、そのMOSトラン
ジスタがNチャネルMOSトランジスタかPチャネルM
OSトランジスタかを示す情報であって、「N」又は
「P」が格納されている。例えば図14に示すMOSト
ランジスタQ1はNチャネルMOSトランジスタである
ので、「N」が格納されている。
【0028】電源部ネット名は、MOSトランジスタか
ら電源に対して接続されるネット名であって、MOSト
ランジスタQ1の場合には、ネットN2,N3が格納さ
れている。電源部電圧は、順序回路セルが駆動するため
の電源部の電圧を示しており、例えば高電位側電源VDD
=3.0V,低電位側電源VSS=0Vが格納されてい
る。
【0029】外部入力ピン名は、順序回路セルに信号が
入力されるピン名を示し、外部出力ピン名は、順序回路
セルから信号が出力されるピン名を示し、回路内メモリ
部ネット名は、順序回路セル内のメモリ部を示してい
る。例えば、図18に示すように、順序回路セルとして
D形フリップフロップセル(DFFセル)50の場合、
外部入力ピン名は、外部入力ピンD及び外部入力ピンC
Kとなる。また、外部出力ピン名は、外部出力ピンQ及
び外部出力ピンXQとなる。更に、回路内メモリ部ネッ
ト名は、ネットM11及びネットM12となる。
【0030】制御情報12は、電荷シミュレーション部
S5を実行するための制御情報であって、収束判定レベ
ルと信号変換しきい値とから構成されている。収束判定
レベルは、信号の変化によりMOSトランジスタを介し
て移動する電荷の量に基づいて信号が伝達されたと判断
するための電荷量である。順序回路セルを構成するMO
Sトランジスタが信号に基づいて動作する場合、その動
作によってMOSトランジスタを介してネット間の電荷
の移動をシミュレーションする。そして、その電荷の移
動量が所定の量以下になったときに信号が伝達されたと
判断し、シミュレーションを終了する。
【0031】信号変換しきい値は高電位側のしきい値
と、低電位側のしきい値とから構成され、MOSトラン
ジスタを介して信号が伝達されたとき、そのときのネッ
トの電荷量により伝達された信号がHレベルかLレベル
かを判断するための電荷量である。また、この信号変換
しきい値は、MOSトランジスタを設計するときに予め
設定されている。即ち、ネットの電荷量が、高電位側の
しきい値よりも多い場合にはHレベル、低電位側のしき
い値よりも少ない場合にはLレベル、高電位側のしきい
値よりも少なく、低電位側のしきい値よりも多い場合に
はZレベル(ハイインピーダンス)又はXレベル(不
定)として変換する。
【0032】キーボード5は、メモリ3に格納された前
記プログラムの実行に必要なデータを入力したり、プリ
ンタ6や、表示器7に処理結果等の出力命令を入力する
ために用いられている。
【0033】次に、S2〜S6の処理について順に詳述
する。先ず、CPU2は、S2のメモリ部モニター真理
値表作成部を図3に示すフローチャートに従って実行す
る。即ち、S11は、入力情報読み込み部であって、C
PU2は、ネット情報11のトランジスタレベルネット
リスト等を入力する。そして、CPU2は、入力したト
ランジスタレベルネットリスト等をメモリ3に格納し、
S12へ移る。
【0034】S12はテーブル生成部であって、CPU
2は、S11において入力したトランジスタレベルネッ
トリストとトランジスタモデルとからMOSトランジス
タ結線テーブル15と回路内ネットテーブル16とを作
成し、メモリ3に格納する。図12に示すように、MO
Sトランジスタ結線テーブル15には、MOSトランジ
スタの素子名と、そのMOSトランジスタのトランジス
タタイプ及びそのMOSトランジスタに接続されたネッ
トを示すネットポインタが格納されている。回路内ネッ
トテーブル16には、順序回路セル内のネット名と、そ
のネットの電荷量とが格納されている。
【0035】例えば、図14に示すMOSトランジスタ
Q1の場合、素子名として「Q1」が格納されるととも
に、MOSトランジスタQ1のトランジスタタイプであ
る「Nch」がタイプに格納される。そして、ネットポ
インタには、MOSトランジスタQ1のソース,ゲー
ト,ドレインにそれぞれ接続されたネット名を格納した
回路内ネットテーブル16のポインタが格納されてい
る。即ち、ドレイン側ネットポインタには、MOSトラ
ンジスタQ1のドレインに接続され回路内ネットテーブ
ル16に格納されたネットN3のポインタが格納されて
いる。同様に、ソース側ネットポインタにはネットN2
のポインタが、ゲート側ネットポインタにはネットN3
のポインタが格納されている。
【0036】そして、MOSトランジスタ結線テーブル
15と回路内ネットテーブル16との作成を終了する
と、CPU2はS13へ移る。S13は信号ネット生成
部であって、CPU2は、電荷シミュレーション部S5
に入力する信号入力部のネットと信号出力部のネットと
を作成する。信号入力部のネットは、外部入力ピンとメ
モリ部のネットとから構成され、信号出力部のネット
は、外部入力ピンとメモリ部と外部出力ピンのネットと
から構成される。
【0037】即ち、図18に示すDFFセル50の場
合、信号入力部のネットは外部入力ピンD,CKとメモ
リ部M1,M2とから構成され、信号出力部のネットは
外部入力ピンD,CKとメモリ部M1,M2と外部出力
ピンQ,XQとから構成される。
【0038】S14は入力信号パターン生成部であっ
て、CPU2は、外部入力ピンとメモリ部に強制的にセ
ット信号を供給するために入力信号パターンを作成す
る。入力信号パターンは、外部入力ピンとメモリ部につ
いて、Hレベル,Lレベルの組合せにより生成される。
従って、DFFセル50の場合、CPU2は、外部入力
ピンD,CKとメモリ部M1,M2とにより16通りの
組合せの入力信号パターンを作成し、S15へ移る。
【0039】S15は初期電荷供給部であって、CPU
2は、S13において作成した信号入力部のネットと電
源部のネットとに初期電荷を供給する。この初期電荷
は、14において作成した入力信号パターンの状態に応
じた電荷を供給する。また、ネットテーブル内の電源部
ネットに電源電圧相当の電荷を設定しておく。
【0040】即ち、入力信号パターンがHレベルの場合
には、高電位側電源VDDに応じた電荷(本実施例の場合
は「3.0」)を設定し、Lレベルの場合には、低電位
側電源VSSに応じた電荷(本実施例の場合は「0」)を
供給する。
【0041】S16は電荷シミュレーション部であっ
て、CPU2は、入力信号パターンに応じて電荷を供給
した順序回路セルのデータに基づいて、S5の電荷シミ
ュレーション部を実行する。ここで、電荷シミュレーシ
ョン部について詳述する。
【0042】図11は、S5の電荷シミュレーション部
を詳述したフローチャートである。CPU2は、図11
に示すフローチャートに従って、信号入力部のネットに
対して入力信号パターンに応じた電荷を供給する。CP
U2は、順序回路セルを構成するMOSトランジスタレ
ベルにおいてその供給した電荷を移動させる。そして、
CPU2は、信号出力部のネットに対して移動後の電荷
量を信号レベルに変換して出力する電荷シミュレーショ
ンを実行する。
【0043】即ち、S31は入力情報読み込み部であっ
て、CPU2は、電荷シミュレーション制御情報12か
ら、収束判定レベルと信号変換しきい値とを入力し、メ
モリ3に格納し、S32へ移る。
【0044】S32は電荷供給部であって、CPU2
は、回路内ネットテーブルの電源部ネットに電源部電圧
相当の電荷を供給する。また、CPU2は、信号入力部
のネットに入力信号パターンに相当する電荷を供給す
る。このとき、供給する電荷量は、電源電圧単位の電荷
量とする。
【0045】例えば、高電位側電源VDDの電圧が3.0
Vの場合、電源部のネットの電荷量設定領域に「3.
0」を設定する。信号入力部への電荷の供給は、例え
ば、信号入力部の信号がHレベルの場合、ネットテーブ
ル内の信号入力部のネットの電荷量設定領域に高電位側
電源VDDの電圧値、即ち、「3.0」を設定する。
【0046】S33はMOSトランジスタ電荷移動部で
あって、CPU2は、MOSトランジスタのソース・ド
レイン間でMOSトランジスタのトランジスタタイプ別
に電荷を移動させるシミュレーションを行なう。このと
き、1回のシミュレーションにより移動させる電荷移動
量QMは、 QM=K×(QD−QS)/2 (1) で決定される。尚、QDはドレイン側電荷量、QSはソー
ス側電荷量である。また、Kはゲートオープン係数であ
って、シミュレーションを実行するMOSトランジスタ
がPチャネルMOSトランジスタかNチャネルMOSト
ランジスタかによって変更されている。NチャネルMO
Sトランジスタの場合にはゲートオープン係数KN、P
チャネルMOSトランジスタの場合にはゲートオープン
係数KPが用いられる。ゲートオープン係数KN,K
Pは、ゲート側電荷量QG、電源電荷量QVDDとすると、 KN=(QG/QVDD2 (2) KP=((QVDD−QG)/QVDD2 (3) により算出される。
【0047】又、シミュレーションを高速化したい場
合、QG≧QVDDであれば KN=1.0 (但しQG≧QVDD) 又は KN=0 (但しQG<QVDD) (4) KP=1.0 (但しQG≦QVDD) 又は KP=0 (但しQG>QVDD) (5) により算出される。
【0048】そして、CPU2は、算出した電荷移動量
Mに基づいて各MOSトランジスタの電荷移動のシミ
ュレーションを1回実行する。図15は、図14に示す
MOSトランジスタQ1に対する電荷移動シミュレーシ
ョンの模式図であって、MOSトランジスタQ1に接続
されたネットN2の電荷量の変化を調べる場合を示して
いる。
【0049】図15(a)に示すように、MOSトラン
ジスタQ1のドレインはネットN3により高電位側電源
DDに接続されている。従って、ネットN3の電荷量
は、高電位側電源VDDの電荷量、即ち、「3.0」とな
っている。一方、電荷量の変化を調べるネットN2は、
Hレベル又はLレベルのどちらでもない電荷量「1.
5」を初期電荷量として設定している。
【0050】MOSトランジスタQ1は、そのゲートに
接続されたネットN1を介してHレベルの信号Sinを入
力するとゲートオープンとなる。このとき、信号Sinは
Hレベルであるので、ゲート側電荷量QGは高電位側電
源VDDの電荷量と同じ「3.0」となる。従って、MO
SトランジスタQ1はNチャネルMOSトランジスタで
あるので、式(2)によりゲートオープン係数KN=1
となる。すると、ドレイン側電荷量QD=3.0、ソー
ス側電荷量QS=1.5であるので、電荷移動量QMは、
式(1)によりQM=0.75となる。従って、CPU
2は、図15(b)に示すように、この電荷移動量QM
の電荷がMOSトランジスタQ1のドレインからソース
に移動させる。
【0051】そして、MOSトランジスタQ1のソー
ス,ドレインに接続されたネットに対して移動後の電荷
量を格納する。即ち、図13に示す回路内ネットテーブ
ル16において、ネットN2に対応した前状態電荷量領
域16aに移動前の電荷量、即ち「1.5」が格納さ
れ、現在電荷量領域16bに現在の電荷量、即ち「2.
25」が格納される。同様に、ネットN3の前状態電荷
量領域16aには「3.0」が、現在電荷量領域16b
には「2.25」が格納される。
【0052】S34において、CPU2は、電荷シミュ
レーションを行なう順序回路セルを構成する全てのMO
Sトランジスタに対して電荷の移動を行ったか否かを判
断する。そして、CPU2は、電荷移動を行っていない
MOSトランジスタが存在する場合にはS32,全ての
MOSトランジスタに対して電荷移動を行った場合には
S35へ移る。
【0053】S35は電荷移動収束判定部であって、C
PU2は、MOSトランジスタの電荷の移動が収束した
かどうかを判定する。図16に示すように、電荷移動量
Mが収束判定レベルよりも大きい場合、S36におい
て、CPU2はS32に移り、再び電荷移動を行なう。
【0054】一方、電荷移動量QMが全てのMOSトラ
ンジスタにおいて収束判定レベルよりも小さくなった場
合、CPU2は、電荷の移動が収束したと判断し、S3
7に移る。
【0055】S37は信号変換部であって、CPU2
は、全ネットの電荷量を信号値に変換し、信号出力部ネ
ットの信号を出力する。このとき、ネットの電荷量をS
31において入力した信号変換しきい値と比較する。こ
のとき、図17に示すように、変換しようとする電荷量
が高電位側の信号変換しきい値よりも多い場合にはHレ
ベル、低電位側の信号変換しきい値よりも少ない場合に
はLレベル、高電位側の信号変換しきい値よりも少なく
低電位側の信号変換しきい値よりも多い場合にはZレベ
ル又はXレベルに変換する。そして、全てのネットに対
して電荷量を信号レベルに変換すると、CPU2は、そ
の変換した信号出力部の信号パターン21を生成し、電
荷シミュレーション部の処理を終了する。
【0056】S16において、電荷シミュレーションを
終了すると、CPU2は、S17に移る。S17は信号
パターン記憶部であって、CPU2は、S16において
電荷シミュレーションを行った結果の信号パターン21
をメモリ3に格納する。
【0057】S18は信号ネット生成部であって、CP
U2は、S13と同様に、電荷シミュレーション部S5
に入力する信号入力部のネットと信号出力部のネットと
を生成し、S19へ移る。
【0058】S19は入力信号生成部であって、CPU
2は、メモリ部の信号を解放した入力信号パターン、即
ち、外部入力ピンの信号のみの入力信号パターンを生成
する。次に、S20は電荷シミュレーション部であっ
て、CPU2は、メモリ部のセット信号を解放した電荷
シミュレーションを行なう。即ち、CPU2は、S19
において作成した入力信号パターンに基づいてDFFセ
ル50の電荷シミュレーションを行なう。その詳細は、
図11に示す処理と同じ処理を行なう。
【0059】S21は信号パターン記憶部であって、C
PU2は、S20においてメモリ部のセット信号を解放
した結果の信号パターンをメモリ3に格納する。そし
て、S22において、CPU2は、外部入力ピンとメモ
リ部の組合せを全て終了したか否かを判断する。そし
て、CPU2は、組合せが残っている場合にはS13へ
移り、残った組合せに基づいてセット信号を供給した電
荷シミュレーションと、セット信号の供給を解除した電
荷シミュレーションとを実行する。一方、全ての組合せ
について終了した場合、CPU2はS23へ移る。
【0060】S23はメモリ部モニター真理値表出力部
であって、CPU2は、S17においてメモリ3に格納
した入力信号パターンと、S21においてメモリ3に格
納した入力信号パターンとに基づいてメモリ部モニター
真理値表17を作成し、出力する。順序回路セルがDF
Fセル50の場合、CPU2は、図4に示すメモリ部モ
ニター真理値表17を作成する。
【0061】この作成したメモリ部モニター真理値表1
7により、DFFセル50の動作を容易に確認すること
ができる。また、DFFセル50の回路上、実パターン
上の動作を容易に検証することができる。
【0062】そして、CPU2は、作成したメモリ部モ
ニター真理値表17を磁気ディスク4に格納すると、メ
モリ部モニター真理値表作成処理を終了する。次に、C
PU2は、図5に示すイニシャルパターン真理値表作成
処理を行なう。即ち、S41は入力情報読み込み部であ
って、CPU2は、S2において作成したメモリ部真理
値表17を入力し、メモリ3に格納しS42へ移る。
【0063】S42はイニシャルパターン抽出部であっ
て、CPU2は、順序回路セル内でLレベルとHレベル
とが衝突しない様な安定した状態の外部入力ピンの信号
とメモリ部の信号レベルの組合せを抽出する。即ち、C
PU2は、図4に示すメモリ部モニター真理値表17に
おいて、メモリ部へのセット信号の解放前後において、
メモリ部と外部出力ピンの信号が変化していないパター
ンを抽出する。
【0064】図4に示すメモリ部モニター真理値表17
の場合、信号が変化していないパターンは「1」,
「2」,「5」,「8」,「11」,「12」,「13」,
「16」である。従って、CPU2は、これらのパターン
を抽出し、S43へ移る。
【0065】S43はイニシャルパターン出力部であっ
て、CPU2は、メモリ部モニター真理値表17から抽
出したパターンのうち、外部入力ピンD,CKのパター
ンと、セット信号解放後のメモリ部M1,M2及び外部
出力ピンQ,XQのパターンとを図6に示すイニシャル
パターン真理値表18として磁気ディスク4に格納す
る。この作成したイニシャルパターン真理値表18によ
り、DFFセル50の安定した状態となるときの外部入
力ピンD,CK、メモリ部M1,M2、外部出力ピン
Q,XQの状態を知ることができる。
【0066】そして、イニシャルパターン真理値表18
の格納を終了すると、CPU2は、イニシャルパターン
真理値表作成処理を終了する。次に、CPU2は、S3
において作成したイニシャルパターン真理値表に基づい
て、S4の出力部モニター真理値表作成部を実行する。
この出力部モニター真理値表作成部は、図7に示すフロ
ーチャートに従って実行される。この出力部モニター真
理値表作成部は、S2のメモリ部モニター真理値表作成
部と同様の処理を行なう。従って、CPU2がS2と異
なる処理を実行する部分についてのみ説明する。
【0067】CPU2は、S2における外部入力ピンと
メモリ部とに強制的にセットするセット信号のパターン
に代えて、S3において作成したイニシャルパターン真
理値表18に基づいて電荷シミュレーションを実行す
る。即ち、S54の入力信号パターン作成部において、
CPU2は、イニシャルパターン真理値表18のパター
ンに基づいて外部入力ピンD,CKとメモリ部M1,M
2とからなる信号入力部のネット、外部入力ピンD,C
Kとメモリ部M1,M2と外部出力ピンQ,XQとから
なる出力信号部のネットとを作成する。CPU2は、そ
の作成したネットに基づいてS56の電荷シミュレーシ
ョンを実行する。そして、CPU2は、S57におい
て、電荷シミュレーションの結果を信号パターンとして
メモリ3に格納する。
【0068】次に、CPU2は、S59の信号パターン
生成部において、イニシャルパターン真理値表18のパ
ターンのうち、外部入力ピンD,CKの一方、例えば外
部入力ピンCKの状態を変更した信号入力部のネットと
信号出力部のネットとを作成する。CPU2は、その作
成したネットに基づいてS60の電荷シミュレーション
を実行する。即ち、変更した外部入力ピンCKの状態に
応じたメモリ部M1,M2と外部出力ピンQ,XQとの
状態をシミュレーションする。そして、CPU2は、S
61において、電荷シミュレーションの結果を信号パタ
ーンとしてメモリ3に格納する。
【0069】次に、S62において、CPU2は、全て
の外部入力ピンの状態を変化させたかどうかを判断す
る。DFFセル50の場合、S58〜S61において外
部入力ピンCKについて変化させた後は、外部入力ピン
Dについて変化させた場合の信号パターンが必要であ
る。従って、CPU2はS53に移り、外部入力ピンD
について変化させる電荷シミュレーションを実行し、信
号パターンを作成する。そして、全ての外部入力ピンの
信号を変化させた場合に信号パターンを作成すると、C
PU2はS63へ移る。
【0070】次に、S63において、CPU2はイニシ
ャルパターン真理値表18の全てのパターンについて信
号パターンを格納したかどうかを判断する。そして、C
PU2は、パターンがまだ残っている場合にはS53に
戻って残っているパターンについて信号パターンを作成
しメモリ3に格納する。一方、全てのパターンについて
信号パターンを作成した場合、CPU2は、S64へ移
る。
【0071】S64は、出力部モニター真理値表出力部
であって、CPU2はメモリ3に格納した全てのイニシ
ャルパターン真理値表18についての信号パターンをデ
ィスク4へ図8に示す出力部モニター真理値表19、即
ち、図1に示す真理値表13として出力する。この作成
した出力部モニター真理値表19により、DFFセル5
0の安定した状態から外部入力ピンD又はCKの信号を
変化させたときの外部出力ピンQ,XQの変化を容易に
知ることができる。
【0072】次に、CPU2は、S6のパス・コンディ
ション抽出部を図9に示すフローチャートに従って実行
する。即ち、S71は真理値表入力部であって、CPU
2は、出力部モニター真理値表19を入力する。S72
は出力ピン変化パターン抽出部であって、CPU2は入
力した真理値表19のパターンのうち、外部出力ピン
Q,XQの状態が変化したパターンのみを抽出する。図
8に示す出力部モニター真理値表19において、外部出
力ピンQ,XQの状態が変化しているパターンは「3」
「9」のみである。従って、CPU2は、このパターン
「3」「9」を抽出し、S73へ移る。
【0073】S73は入出力パス構成部であって、CP
U2は抽出したパターンにおいて、外部入力ピンの状態
の変化に対してどの外部出力ピンの状態が変化している
かを確認する。そして、CPU2は、外部入力ピンと、
その外部入力ピンの状態の変化に対して状態が変化する
外部出力ピンとによりパスを構成する。
【0074】図8の出力部モニター真理値表19では、
パターン「3」において、外部入力ピンCKの状態の変
化に対して外部出力ピンQの状態が変化している。従っ
て、CPU2は、先ず、外部入力ピンCKと外部出力ピ
ンQとによるパスを構成する。
【0075】そして、S74において、CPU2は、全
ての外部出力ピンについてパスを構成したか否かを判断
する。DFFセル50の場合、外部入力ピンCKの状態
の変化に対して外部出力ピンXQも状態が変化してい
る。従って、CPU2は、S73において外部入力ピン
CKと外部出力ピンXQとによるパスを構成する。
【0076】S75において、CPU2は、全ての外部
入力ピンに対してパスを構成したかを判断し、まだパス
を構成する外部入力ピンが残っている場合には、S73
に戻り、パスを構成する。また、S76において、CP
U2は、全ての抽出したパターンについてパスを構成し
たか否かを判断する。即ち、CPU2は、パターン
「3」と同様に、パターン「9」について外部入力ピン
CKと外部出力ピンQとによるパスと、外部入力ピンC
Kと外部出力ピンXQとによるパスとを構成する。従っ
て、図18に示すDFFセル50の場合、4通りのパス
が構成される。そして、全ての抽出パターンについてパ
スを構成すると、CPU2はS77へ移る。
【0077】S77は同変化パス抽出部であって、CP
U2はS73において構成した全てのパスに対して状態
の変化の同じもの同士でコンディションを抽出する。例
えば、DFFセル50の場合、外部入力ピンCKと外部
出力ピンQのパスについて、外部入力ピンCKがLレベ
ルからHレベルへの変化に応じて外部出力ピンQがHレ
ベルからLレベルに変化する場合と、外部入力ピンCK
がLレベルからHレベルへの変化に応じて外部出力ピン
QがLレベルからHレベルに変化する場合とがある。こ
の時の変化前の外部入力ピンDの状態とメモリM1,M
2の状態からコンディションが抽出される。
【0078】即ち、外部入力ピンCKがLレベルからH
レベルへの変化に応じて外部出力ピンQがHレベルから
Lレベルに変化する場合、図10に示すように、CPU
2はコンディションとして外部入力ピンDのLレベル、
メモリ部M1のLレベル、メモリ部M2のHレベルを抽
出する。そして、CPU2はS78へ移る。
【0079】S78は処理結果ファイル出力部であっ
て、CPU2は抽出したパスとコンディションをファイ
ルとしてメモリ3に格納する。そして、CPU2はS7
9において、全ての変化状態について抽出を終了したか
否かを判断する。従って、CPU2は、外部入力ピンC
KがLレベルからHレベルへの変化に応じて外部出力ピ
ンQがLレベルからHレベルに変化する場合のコンディ
ションとして外部入力ピンDのHレベル、メモリ部M1
のHレベル、メモリ部M2のLレベルを抽出する。
【0080】次に、CPU2はS80において、全ての
パスについてコンディションを抽出したか否かを判断す
る。即ち、CPU2は、外部入力ピンCKがLレベルか
らHレベルへの状態の変化に応じて外部出力ピンXQが
LレベルからHレベルに変化する場合のコンディション
として外部入力ピンDのLレベル、メモリ部M1のLレ
ベル、メモリ部M2のHレベルを抽出する。また、CP
U2は、外部入力ピンCKがLレベルからHレベルへの
状態の変化に応じて外部出力ピンXQがHレベルからL
レベルに変化する場合のコンディションとして外部入力
ピンDのHレベル、メモリ部M1のHレベル、メモリ部
M2のLレベルを抽出する。
【0081】そして、CPU2は全てのパスについてコ
ンディションの抽出を終了すると、メモリ3に格納した
パス・コンディションを磁気ディスク4へパス・コンデ
ィション20、即ちパス・コンディションデータ14と
して格納し、全ての処理を終了する。
【0082】このように、本実施例では、メモリ部を有
するCMOS論理回路セルに対して、その論理回路セル
の外部入力ピンの信号の状態と、メモリ部の状態との組
合せを抽出しておき、その組合せのセット信号を供給し
て外部入力ピンとメモリ部とを強制的に初期化し、その
ときの外部入力ピンとメモリ部と外部出力ピンとの状態
を記憶しておく。次に、セット信号の供給を解除し、メ
モリ部の状態と外部出力ピンとの状態とを記憶する。そ
して、先に初期化した時の状態と、セット信号の供給を
解除した場合の状態とをメモリ部モニター真理値表17
として作成する。
【0083】次に、作成したメモリ部モニター真理値表
のうち、初期化したときの状態とセット信号の供給を解
除した時のメモリ部の状態が変化しないパターンについ
て抽出し、そのパターンをイニシャルパターン真理値表
18として作成する。
【0084】その作成したイニシャルパターン真理値表
のイニシャルパターンに基づいて、イニシャルパターン
で安定な状態に外部入力ピンとメモリ部と外部出力ピン
を初期化しておき、その時の状態を記憶する。その状態
で外部入力ピンの状態を変化させ、その変化させた時の
メモリ部と外部出力ピンの状態を記憶する。そして、先
に初期化した時の状態と、外部入力ピンの状態を変化さ
せたときの状態とを出力部モニター真理値表19として
作成する。
【0085】その真理値表19を入力し、外部入力ピン
と、外部入力ピンの状態の変化に対して状態が変化する
外部出力ピンとからなるパスを抽出する。そして、抽出
したパスにおいて、パスを構成する外部入力ピン以外の
外部入力ピンと、メモリ部との状態をコンディションと
して抽出し、パス・コンディション20を作成するよう
にした。
【0086】その結果、順序回路セルにおけるパス・コ
ンディションを容易に抽出することができる。そして、
上記のセル情報作成装置1により作成されたパス・コン
ディション20を用いて回路シミュレーションを行なう
ことにより、順序回路セルであるDFFセル50の遅延
時間の特性を正確に算出することができる。
【0087】尚、本発明は前記実施例の他、以下の態様
で実施するようにしてもよい。 1)上記実施例では、順序回路セルとしてD形フリップ
フロップセルの真理値表、パス・コンディションを抽出
したが、他の順序回路セル、例えばラッチ回路,カウン
タ,レジスタ等の真理値表、パス・コンディションを抽
出するようにする。
【0088】また、順序回路セル以外に、組合せ回路セ
ルに対して実施するようにしてもよい。 2)上記実施例において、図2に示すセル情報作成装置
1の構成に、光ディスク等の装置を接続して実施する。
【0089】3)上記実施例では、真理値表作成部S1
を構成する各真理値表作成部S2〜S4毎にMOSトラ
ンジスタ結線テーブル15と回路ネットテーブル16を
メモリ3上に作成するようにしたが、一旦、磁気ディス
ク4上にテーブル15,16を作成しておき、各真理値
表作成部S2〜S4で使用する。そして、パス・コンデ
ィション20を抽出した後に、テーブル15,16を削
除するようにしてもよい。
【0090】4)上記実施例の真理値表作成部S1及び
電荷シミュレーション部S5と、パス・コンディション
抽出部S6とを別のプログラムとして構成する。更に、
真理値表作成部S1と電荷シミュレーション部S5とを
別のプログラムとして構成する。そして、S16,S2
0,S56,S60において、CPU2は、電荷シミュ
レーション部S5のプログラムを起動して電荷シミュレ
ーションを行なう。
【0091】更には、真理値表作成部S1のメモリ部モ
ニター真理値表作成部S2とイニシャルパターン真理値
表作成部S3と出力部モニター真理値表作成部S4とを
別々のプログラムとして構成する。
【0092】5)上記実施例では、CMOS論理回路セ
ルの真理値表とパス・コンディションを作成するように
したが、他のデバイス、例えばバイポーラ、Bi−CM
OS等の論理回路セルについて実施するようにしてもよ
い。
【0093】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
順序回路セルの真理値表及びパス・コンディションのセ
ル情報を正確に、かつ短時間で作成することのできるセ
ル情報作成装置に用いられる電荷シミュレーション方法
及びその装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一実施例のセル情報作成処理のフローチャー
トである。
【図2】 一実施例のセル情報作成装置の概略構成図で
ある。
【図3】 メモリ部モニター真理値表作成部のフローチ
ャートである。
【図4】 メモリ部モニター真理値表を示す説明図であ
る。
【図5】 イニシャルパターン真理値表作成部のフロー
チャートである。
【図6】 イニシャルパターン真理値表を示す説明図で
ある。
【図7】 出力部モニター真理値作成部のフローチャー
トである。
【図8】 出力部モニター真理値表を示す説明図であ
る。
【図9】 パス・コンディション抽出部のフローチャー
トである。
【図10】 パス・コンディションを示す説明図であ
る。
【図11】 電荷シミュレーション部のフローチャート
である。
【図12】 MOSトランジスタ結線テーブルを示す説
明図である。
【図13】 回路内ネットテーブルを示す説明図であ
る。
【図14】 各テーブルを説明するための回路図であ
る。
【図15】 電荷シミュレーションの模式図である。
【図16】 電荷移動の収束判定を示す説明図である。
【図17】 電荷量に対する信号レベルを示す模式図で
ある。
【図18】 D形フリップフロップセルの論理等価回路
図である。
【符号の説明】
S1 真理値表作成手段 S2 第1の真理値表作成手段としてのメモリ部モニタ
ー真理値表作成手段 S3 第2の真理値表作成手段としてのイニシャルパタ
ーン真理値表作成手段 S4 第3の真理値表作成手段としての出力部モニター
真理値表作成手段 S5 電荷シミュレーション手段 S6 パス・コンディション抽出手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 若生 正人 愛知県春日井市高蔵寺町二丁目1844番2 富士通ヴィエルエスアイ株式会社内 Fターム(参考) 5B046 AA08 BA03 JA04 5J056 AA03 BB60 CC00 CC14 DD13 DD29 DD51 EE06 GG14 KK00 KK03

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電荷シミュレーションを行う電荷シミュ
    レーション装置に適用される電荷シミュレーション方法
    であって、 論理回路セルのトランジスタレベルネットリスト、トラ
    ンジスタモデルから回路内で使用されているネット毎に
    前状態の電荷量と現在の電荷量を設定できる回路内ネッ
    トテーブルと、回路内で使用されているMOSトランジ
    スタ素子毎にトランジスタのタイプ、ドレイン側ネット
    のポインタ、ソース側ネットのポインタ、ゲート側ネッ
    トのポインタを設定したMOSトランジスタ結線テーブ
    ルとを予め作成しておき、 前記2つのテーブルと電荷シミュレーション制御情報と
    を入力し、 電荷量を単位容量あたりの電圧とみなして、ネットテー
    ブル内電源部ネットに、電源部電圧相当の電荷を、信号
    入力部ネットに、入力信号パターン相当の電荷を供給
    し、 MOSトランジスタのソース・ドレイン間でトランジス
    タタイプ別の電荷移動の式に従って電荷を移動させ、 回路内の全トランジスタ素子について電荷供給と電荷移
    動を行った後、ネット毎の電荷の変化量と収束判定レベ
    ルとを比較して電荷の移動が収束したかどうかを判断
    し、 電荷の移動が収束した後、ネットテーブル内信号出力部
    ネットの電荷量を信号変換しきい値に従って信号値に変
    換して出力するようにした電荷シミュレーション方法。
  2. 【請求項2】 論理回路セルのトランジスタレベルネッ
    トリスト、トランジスタモデルから回路内で使用されて
    いるネット毎に前状態の電荷量と現在の電荷量を設定で
    きる回路内ネットテーブルと、回路内で使用されている
    MOSトランジスタ素子毎にトランジスタのタイプ、ド
    レイン側ネットのポインタ、ソース側ネットのポイン
    タ、ゲート側ネットのポインタを設定したMOSトラン
    ジスタ結線テーブルとを予め作成しておき、 前記2つのテーブルと電荷シミュレーション制御情報と
    を入力する入力情報読み込み手段と、 電荷量を単位容量あたりの電圧とみなして、ネットテー
    ブル内電源部ネットに、電源部電圧相当の電荷を、信号
    入力部ネットに、入力信号パターン相当の電荷を供給す
    る電荷供給手段と、 MOSトランジスタのソース・ドレイン間でトランジス
    タタイプ別の電荷移動の式に従って電荷を移動させる電
    荷移動手段と、 回路内の全トランジスタ素子について電荷供給と電荷移
    動を行った後、ネット毎の電荷の変化量と収束判定レベ
    ルとを比較して電荷の移動が収束したかどうかを判定す
    る収束判定手段と、 電荷の移動が収束した後、ネットテーブル内信号出力部
    ネットの電荷量を信号変換しきい値に従って信号値に変
    換して出力する信号変換手段とから構成された電荷シミ
    ュレーション装置。
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