JP2003258511A - 能動集積アンテナ用高周波回路 - Google Patents

能動集積アンテナ用高周波回路

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JP2003258511A
JP2003258511A JP2002060847A JP2002060847A JP2003258511A JP 2003258511 A JP2003258511 A JP 2003258511A JP 2002060847 A JP2002060847 A JP 2002060847A JP 2002060847 A JP2002060847 A JP 2002060847A JP 2003258511 A JP2003258511 A JP 2003258511A
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conductive film
film conductor
antenna
conductor
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JP2002060847A
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Kiyoshi Oshima
清志 大島
Nobutaka Kidera
信隆 木寺
Kazuhiko Niwano
和彦 庭野
Koji Igawa
耕司 井川
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AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】誘電体基板に導電膜を形成して伝送線路等で構
成された回路部を備える高周波回路において、透明性を
確保しつつ効率よく機能を発揮する能動集積アンテナ用
高周波回路を提供する。 【解決手段】高周波回路10は、導電膜15が形成され
た透明性を有する誘電体基板12と、この導電膜15で
構成された誘電体基板12上の回路部16と、この回路
部16と接続されて誘電体基板12に実装された能動素
子14とを備え、回路部16の導電膜15は、厚さが異
なる厚膜導体18と透明性を有する薄膜導体20,22
とで構成される。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、透明性を有する誘
電体基板上に形成された導電膜を用いて回路部を構成し
た高周波回路であって、通信・放送・レーダー(物体探
査)に用いられるマイクロ波やミリ波領域の能動集積ア
ンテナ用高周波回路に関する。 【0002】 【従来の技術】今日、高速、大容量通信への要求から、
マイクロ波やミリ波を用いて電波を送受信する高周波の
通信が急速に拡がっている。それとともに、マイクロ波
やミリ波を用いた移動体通信機器の小型化、軽量化に伴
い、マイクロ波やミリ波を効率よく送受信する、小型軽
量で、しかも薄型の送受信アンテナ装置が望まれてい
る。 【0003】このような状況下、平面アンテナと電界効
果型トランジスタ(FET)等の能動素子を擬光学技術
を用いて渾然一体化した能動集積アンテナが種々提案さ
れている。ここで、能動集積アンテナとは、平面アンテ
ナとFET等とを接続コネクタを介さずに平面状の伝送
線路により結合し、高周波信号を効率よく平面アンテナ
に伝送し、あるいは平面アンテナで受信した高周波信号
をFET等に伝送し効率よく増幅するものである。この
ような能動集積アンテナは、小型軽量で薄型のアンテナ
装置を提供するので、例えば、建築物や自動車の窓や携
帯通信機器の表示窓に、透明性を有し、光を取り込むこ
とのできる窓としての機能を備えたコンパクトな能動集
積アンテナを組み込むことも可能であると考えられる。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかし、能動集積アン
テナに透明性を有する回路部を用いて、建築物や自動車
の窓や携帯通信機器の表示窓に組み込むことのできるコ
ンパクトな能動集積アンテナを実用化するに至っておら
ず、また、提案されていないのが現状である。 【0005】そこで、本発明は、誘電体基板に導電膜を
形成して伝送線路等で構成された回路部を備え、透明性
が確保され、しかも、効率よく機能を発揮することので
きる高周波回路であって、高周波信号を効率よく平面ア
ンテナに伝送することができ、あるいは平面アンテナで
受信した高周波信号を効率良く増幅することができる、
透明性を確保した能動集積アンテナに好適に用いられる
能動集積アンテナ用高周波回路を提供することを目的と
する。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、透明性を有する誘電体基板と、この誘電
体基板に設けられた導電膜で構成された前記誘電体基板
上の回路部と、この回路部と接続されて前記誘電体基板
に設けられた能動素子とを備え、前記回路部における前
記導電膜は、透明性を有する導電膜と、この透明性を有
する導電膜より厚さの厚い導電膜を備えることを特徴と
する能動集積アンテナ用高周波回路を提供する。 【0007】ここで、前記回路部は、前記誘電体基板上
に形成された透明性を有する第1の導電膜と前記誘電体
基板上に形成された第2の導電膜とによって構成しても
よいし、前記誘電体基板上に形成された透明性を有する
第1の導電膜とこの第1の導電膜の上に第2の導電膜を
部分的に積層した積層構造の導電膜とによって構成して
もよい。透明性を有するとは、可視光において透過率が
10%以上であることをいい、無色、着色された状態で
あってもよい。なお、第2の導電膜は厚さが例えば2〜
100μmの厚膜導体であり、好ましくは、2〜20μ
mの厚膜導体である。この厚膜導体は、例えば、Ag,
Au,Cu,Pd,Pt,Al,Niの群から選択され
た1つ以上の金属単体、前記群から選択された2つ以上
の金属からなる合金、または、前記金属単体または前記
合金からなる混合物を導体材料として有する。その際、
前記厚膜導体は、前記導体材料を90質量%以上含むの
が好ましい。また、前記能動集積アンテナ用高周波回路
において、前記能動素子と接続される前記回路部の接続
部を含む前記回路部の少なくとも一部分には、前記誘電
体基板に設けられる導電膜として前記厚膜導体が用いら
れるのが好ましい。 【0008】このような能動集積アンテナ用高周波回路
は、例えば、前記能動素子は増幅素子であり、この増幅
素子により発振回路を構成するものが例示される。そし
て、前記回路部は、伝送線路を有する回路および受動回
路のいずれか一つを少なくとも有するのが好ましい。よ
り具体的な態様としては、前記増幅素子は電界効果型ト
ランジスタであり、前記トランジスタは前記伝送線路お
よび前記受動回路と接続されており、前記トランジスタ
と接続される伝送線路は、前記トランジスタのゲート端
子と接続された接続部から延びるゲート側伝送線路およ
び前記トランジスタのドレイン端子と接続された接続部
から延びるドレイン側伝送線路であり、前記トランジス
タと接続される受動回路は、前記トランジスタのソース
端子と接続されるショートスタブである。その際、前記
ゲート側伝送線路、前記ドレイン側伝送線路および前記
ショートスタブの少なくともいずれか一つにおける導電
膜には前記厚膜導体が用いられるのが好ましい。この場
合、前記厚膜導体は、ゲート側伝送線路、ドレイン側伝
送線路またはショートスタブの一部分に用いられてもよ
いし、全体に用いられてもよい。前記ドレイン側伝送線
路の、前記トランジスタと接続された接続部と反対側の
端部近傍には、前記誘電体基板に設けられた導電膜によ
り構成された平面アンテナが設けられて前記能動集積ア
ンテナ用高周波回路は能動集積アンテナを構成する。 【0009】また、具体的な態様として、前記誘電体基
板上には前記能動集積アンテナを1単位として複数の能
動集積アンテナが設けられるとともに、この複数の能動
集積アンテナのゲート側伝送線路同士をお互いに結合し
たゲート側強結合線路と、前記複数の能動集積アンテナ
のドレイン側伝送線路同士をお互いに結合したドレイン
側強結合線路とが、前記誘電体基板上に形成された導電
膜で強結合線路として構成されて前記回路部に設けら
れ、各能動集積アンテナの、ゲート側伝送線路、ドレイ
ン側伝送線路、ショートスタブの少なくともいずれか一
つにおける導電膜には前記厚膜導体が用いられる、いわ
ゆる、能動集積アレイアンテナが挙げられる。この場
合、前記厚膜導体は、ゲート側伝送線路、ドレイン側伝
送線路またはショートスタブの一部分に用いられてもよ
いし、全体に用いられてもよい。その際、前記ゲート側
強結合線路における導電膜には、前記厚膜導体が用いら
れるのが好ましい。また、前記トランジスタにバイアス
電圧を供給するバイアス回路が、前記受動回路として前
記回路部に設けられ、このバイアス回路における導電膜
には前記厚膜導体が用いられるのが好ましい。これらの
場合、前記厚膜導体は、ゲート側強結合線路またはバイ
アス回路の一部分に用いられてもよいし、全体に用いら
れてもよい。 【0010】前記回路部における導電膜は、前記厚膜導
体が用いられる部分以外には、厚さが1.5μm以下の
透明な薄膜導体が用いられるのが好ましい。前記伝送線
路は、マイクロストリップ線路、コプレーナ線路、前記
能動素子が設けられた前記誘電体基板の面と反対の背面
に導電膜が形成されて構成されたコプレーナ線路、また
は、これらの線路の組み合わせた伝送線路であるのが好
ましい。また、前記誘電体基板は、ガラス板であるのが
好ましい。 【0011】ここで前記能動集積アンテナ用高周波回路
に用いられる高周波信号は、電波におけるミリ波やマイ
クロ波に相当する周波数を有し、例えば0.8〜30G
Hzの周波数帯域の信号であるのが好ましい。前記能動
集積アンテナでは、ミリ波やマイクロ波の電波を送信
し、または受信するのが好ましい。 【0012】 【発明の実施の形態】以下、本発明の能動集積アンテナ
用高周波回路(以降、高周波回路という)について、添
付の図面に示される好適実施例を基に詳細に説明する。 【0013】図1は、本発明の高周波回路の一実施形態
である高周波回路10の概略斜視図である。図2(a)
は、図1に示すX−Y切断線に沿って切断した高周波回
路10の断面図であり、図2(b)は、図1に示すA−
B切断線に沿って切断した高周波回路10の断面図であ
る。 【0014】高周波回路10は、透明性を有する誘電体
基板12と、能動素子14と、誘電体基板の前面12a
(能動素子14の実装側の面)および背面12b(能動
素子14の実装側と反対の面)に導電膜15が所望の形
状に形成されて構成された回路部16とを有し、回路部
16に能動素子14が接続されている。導電膜15は厚
膜導体18と透明な薄膜導体20,22を有し、厚膜導
体18と透明な薄膜導体20,22とは厚さが異なり、
薄膜導体20,22が厚膜導体18に比べて厚さが薄
い。能動素子14は、図2(a)に示すように、端子が
ハンダあるいは導電性ペースト等の接合材24にて厚膜
導体18と薄膜導体20に接続されて、誘電体基板12
に実装されている。なお、高周波回路10は、0.8〜
30GHzの周波数帯域の信号を対象とする。 【0015】このように、能動素子14の少なくとも1
つの端子との接続部を含む回路部16の少なくとも一部
分を厚膜導体18で構成するのは、能動素子14を取り
巻く回路抵抗を小さくして、能動素子14の動作に大き
な影響を与える入力信号や制御信号の電力や能動素子1
4の出力信号の電力に損失を与えず、能動素子14を効
率よく機能させるためである。 【0016】誘電体基板12は、例えば、比誘電率が3
〜9で厚さが0.2〜6mmの透明な基板であり、ガラ
ス基板が好適に用いられる。能動素子14は、トランジ
スタやダイオード等である。トランジスタの場合、増幅
素子または発振素子として機能を発揮する、JFET
(Junction Field Effect Transistor) やMESFET
(Metal Semiconductor Field Effect Transistor )や
HEMT(High Election Mobility Transistor) 等の電
界効果型トランジスタ(FET)またはバイポーラ型ト
ランジスタ(BT)が例示される。ダイオードの場合、
整流、電圧クランプ、発振、スイッチング等の機能を発
揮するショットキーダイオード、ガンダイオードまたは
pinダイオード等が例示される。 【0017】回路部16は、誘電体基板12の前面12
aおよび背面12bに形成された導電膜15で構成され
たマイクロストリップ線路を有する回路を備えるほか受
動回路を備える。ここで、受動回路は、例えば、オープ
ンスタブやショートスタブのほか、分配器、合成器、位
相変成器、インピーダンス整合回路、遅延回路、フィル
タ回路、バイアス回路等、公知の分布定数回路が例示さ
れ、さらに、キャパシタ等の公知の受動素子とともに構
成されてもよい。なお、誘電体基板12の背面12bに
形成された薄膜導体22は接地されて接地導体となって
いる。図2(b)中の厚膜導体18の幅W1は、例え
ば、誘電体基板12の比誘電率が6.8、厚さが0.7
6mmの場合1.0mmである。 【0018】薄膜導体20,22は、Ag,Au,C
u,Pd,Pt,Al,Cr,Rh,Ni等の金属単体
を主成分またはIn23,SnO2,Cd2SnO4,C
dO,ZnO等の金属酸化物を主成分として、Sn,S
b,F,Al,In,B,F,Ga等を添加物として
0.5〜5原子%加えた材料によって形成される。金属
単体を主成分とする場合、薄膜導体20,22の厚さは
10〜90nmとし、金属酸化物を主成分とする場合、
薄膜導体20,22の厚さは10nm〜1.5μmとす
るのが好ましく、これによって薄膜導体20,22の透
明性を確保することができる。このように、薄膜導体2
0,22は透明性を確保する点から少なくとも1.5μ
m以下である。薄膜導体20,22の形成方法は特に限
定されないが、例えば公知の真空蒸着法やスパッタリン
グ法等のように原子、イオンあるいは分子に近い状態を
経て所望の形状の薄膜を形成する。 【0019】また、導電膜15の厚膜導体18は、A
g,Au,Cu,Pd,Pt,Al,Niの群から選択
された1つ以上の金属単体、この群から選択された2つ
以上の金属からなる合金、または、前記金属単体または
前記合金からなる混合物を導体材料として有し、厚膜導
体18の厚さを2〜100μm、好ましくは、2〜20
μmとする。また、厚膜導体18には上記導体材料が9
0質量%以上含まれるのが好ましい。厚膜導体18の形
成方法は、例えば、厚膜導体18の導体材料を原材料と
する粉体を有機結合剤に溶解させて混練して厚膜ペース
トを作り、この厚膜ぺーストを、ナイロンやテトロン等
のメッシュに印刷パターンを残したスクリーンメッシュ
から押し出して誘電体基板12上に塗布したのち、焼成
温度にて熱処理を加えて厚膜を形成するスクリーン印刷
による厚膜法が挙げられる。 【0020】このような高周波回路10では、能動素子
14の端子と接続されるマイクロストリップ線路は厚膜
導体18で構成されるので、回路抵抗を小さくすること
ができ、能動素子14を効率よく機能させ、例えば、信
号を高出力で出力させることができる。 【0021】なお、本実施形態の導電膜15では、能動
素子14の一方の端子との接続部を含む回路部16の少
なくとも一部分を厚膜導体18を用いて構成し、能動素
子14の他の端子との接続部を薄膜導体20を用いて構
成したが、両端子の接続部を含む回路部16の少なくと
も一部分を厚膜導体18を用いて構成してもよい。ま
た、厚膜導体18を用いた導電膜15の部分は、誘電体
基板12上に厚膜導体18を形成した一層構造の導電膜
となっているが、予め厚膜導体18の形成する領域に誘
電体基板12上の薄膜導体20を延長して形成した後、
この上に厚膜導体18を形成した積層構造の導電膜とし
てもよい。 【0022】図3(a)〜(c)は、本発明の高周波回
路の別の一実施形態である高周波回路10’を示してい
る。図3(a)は、高周波回路10’の概略斜視図であ
る。図3(b)は、図3(a)に示すX’−Y’切断線
に沿って切断した高周波回路10’の断面図であり、図
3(c)は、図3(a)に示すA’−B’切断線に沿っ
て切断した高周波回路10’の断面図である。 【0023】高周波回路10’は、透明性を有する誘電
体基板12’と、能動素子14’と、誘電体基板の前面
12a’(能動素子14’の実装側の面)に導電膜1
5’が所望の形状に形成されるとともに背面12b’
(能動素子14’の実装側と反対の面)に導電膜15’
が形成された回路部16’とを有して構成され、回路部
16’の前面12a’に能動素子14’が接続されてい
る。導電膜15’は厚膜導体18’と透明性を有する薄
膜導体20’,21’,22’とを有し、厚膜導体1
8’と薄膜導体20’,21’,22’とは厚さが異な
り、薄膜導体20’,21’,22’は厚膜導体18’
に比べて厚さが薄い。能動素子14’は、図3(a)に
示すように、能動素子14’の端子がハンダあるいは導
電性ペースト等の接合材24’を介して、厚膜導体1
8’と薄膜導体20’に接続されて、誘電体基板12’
に実装されている。なお、高周波回路10’は、0.8
〜30GHzの周波数帯域の信号を対象とする。 【0024】誘電体基板12’および能動素子14’
は、上述の誘電体基板12および能動素子14と同様の
構成、同様の作用を有するので説明は省略する。誘電体
基板12’の前面12a’には厚膜導体18’と薄膜導
体20’,21’が、背面12b’には薄膜導体22’
が形成されて回路部16’を構成している。厚膜導体1
8’および薄膜導体20’は、周囲を所定の間隔をあけ
て薄膜導体21’に取り囲まれた島状導体を成すととも
に、薄膜導体21’,22’は接地されて接地導体を成
す。従って、回路部16’には背面に導電膜が形成され
たコプレーナ線路が構成される。また、回路部16’に
は、導電膜15’によって受動回路が構成される。この
受動回路は、オープンスタブやショートスタブのほか、
分配器、合成器、位相変成器、インピーダンス整合回
路、遅延回路、フィルタ回路、バイアス回路等の公知の
受動回路等が例示され、さらに、キャパシタ等の公知の
受動素子とともに構成されてもよい。 【0025】コプレーナ線路における厚膜導体18’の
幅W2(図3(c)参照)は、例えば、誘電体基板1
2’の比誘電率が6.8、厚さが0.76mmの場合、
1.0mmであり、薄膜導体21’の隙間の幅W3(図
3(c)参照)は、3.0mmである。従って、島状の
厚膜導体18’は、薄膜導体21’と1.0mmの間隔
をあけて設けられる。前述の実施形態では厚膜導体18
と薄膜導体20,22とによってマイクロストリップ線
路を構成するが、本実施形態では、厚膜導体18’と薄
膜導体20’,21’,22’とによって背面に導電膜
の形成されたコプレーナ線路を構成する点が異なる他
は、材料や厚さや形成方法も厚膜導体18、薄膜導体2
0,22と同様である。 【0026】高周波回路10’は、厚膜導体18’を用
いて構成されたコプレーナ線路を有し、この厚膜導体1
8’のコプレーナ線路が能動素子14’の一つの端子と
接続されているので、回路抵抗を小さくすることがで
き、能動素子14’を効率よく機能させ、例えば、信号
を高出力で出力させることができる。なお、厚膜導体1
8’を用いた導電膜15’の部分は、誘電体基板12’
上に厚膜導体18’を形成した一層構造の導電膜となっ
ているが、予め厚膜導体18’の形成する領域に誘電体
基板12’上の薄膜導体20’を延長して形成した後、
この上に厚膜導体18’を形成した積層構造の導電膜と
してもよい。 【0027】図4(a)〜(c)は、本発明の高周波回
路のさらに別の一実施形態である高周波回路10’’を
示している。図4(a)は、高周波回路10’’の概略
斜視図である。図4(b)は、図4(a)に示すX’’
−Y’’切断線に沿って切断した高周波回路10’’の
断面図であり、図4(c)は、図4(a)に示すA’’
−B’’切断線に沿って切断した高周波回路10’’の
断面図である。 【0028】高周波回路10’’は、透明性を有する誘
電体基板12’’と、能動素子14’’と、誘電体基板
の前面12a’’(能動素子14’’の実装側の面)に
導電膜15’’が所望の形状に形成された回路部1
6’’とを有して構成され、回路部16’’に能動素子
14’’が接続されている。導電膜15’’は厚膜導体
18’’と透明性を有する薄膜導体20’’,21’’
とを有し、厚膜導体18’’と薄膜導体20’’,2
1’’とは厚さが異なり、薄膜導体20’’,21’’
は厚膜導体18’’に比べて厚さが薄い。能動素子1
4’’は、能動素子14’’の端子がハンダあるいは導
電性ペースト等の接合材24’’を介して、厚膜導体1
8’’と薄膜導体20’’に接続されて、誘電体基板1
2’’に実装されている。誘電体基板12’’および能
動素子14’’は、上述の誘電体基板12’および能動
素子14’と同様の構成、同様の作用を有するので説明
は省略する。回路部16’’は、厚膜導体18’’と薄
膜導体20’’,21’’とによって構成され、背面1
2b’’に導電膜のない通常のコプレーナ線路が構成さ
れる以外は、上述の回路部16’と同様である。コプレ
ーナ線路における厚膜導体18’’の幅W4(図4
(c)参照)は、例えば、誘電体基板12’’の比誘電
率が6.8、厚さが0.76mmの場合には1.8mm
であり、薄膜導体21’’の隙間の幅W5(図4(c)
参照)は、2.4mmである。従って、島状の厚膜導体
18’’は、薄膜導体21’’と0.3mmの間隔をあ
けて設けられる。 【0029】高周波回路10’’は、厚膜導体18’’
を用いて構成されたコプレーナ線路を有し、このコプレ
ーナ線路が能動素子14’’の1つの端子と接続される
ので、回路抵抗を小さくすることができ、能動素子1
4’’を効率よく機能させ、あるいは、信号を高出力で
出力させることができる。なお、厚膜導体18’’を用
いた導電膜15’’の部分は、誘電体基板12’’上に
厚膜導体18’’を形成した一層構造の導電膜となって
いるが、予め厚膜導体18’’の形成する領域に誘電体
基板12’’上の薄膜導体20’’を延長して形成した
後、この上に厚膜導体18’’を形成した積層構造の導
電膜としてもよい。 【0030】このように高周波回路10,10’,1
0’’は、特に、誘電体基板12,12’,12’’の
透明性と、誘電体基板12,12’,12’’に形成さ
れる薄膜導体の透明性とにより、高周波回路10,1
0’,10’’の大部分の領域の透明性を確保しつつ、
高周波回路を効率よく機能させることができる。なお、
本実施形態ではいずれも導電膜が厚さの異なる2種類の
導電膜で構成されるが、厚さの異なる3種類以上の導電
膜で構成されてもよい。 【0031】このような高周波回路10,10’,1
0’’は、例えば、能動素子としてトランジスタ等の増
幅素子を用いて発振回路を構成するとともに、発振した
信号を電波として放射する平面アンテナを備えた送信用
能動集積アンテナに好適に用いることができる。同様
に、受信した信号を増幅する受信用能動集積アンテナと
しても好適に用いることができる。以降では、本発明の
高周波回路を送信用能動集積アンテナに用いた例で説明
するが、これに限られるわけではなく、受信用能動集積
アンテナに用いてもよい。 【0032】図5(a)は、本発明の高周波回路を用い
た能動集積アレイアンテナ装置(以降、アレイアンテナ
という)50の正面図であり、図5(b)はアレイアン
テナ50をZ方向から見た側面図である。アレイアンテ
ナ50は、後述するように発振回路とアンテナを含み、
発振された0.8〜30GHzの高周波信号を送信する
装置であるが、アンテナで受信した微弱な高周波信号を
増幅する装置構成にしてもよい。アレイアンテナ50
は、表面に導電膜52,54が所定の形状に形成された
透明性を有する誘電体基板56を有し、誘電体基板56
上に同一の構造を持つ能動集積アンテナ50Aおよび能
動集積アンテナ50Bを並列に配した高周波回路であ
る。導電膜52は、透明性を有する薄膜導体58と厚膜
導体60とによって構成されており、詳細については後
述する。導電膜54は、薄膜導体58と同様の透明性を
有する薄膜導体で構成される。能動集積アンテナ50A
は、誘電体基板56上に、導電膜52で構成された回路
部62と、この回路部62とハンダあるいは導電性ペー
スト等の接合材63を介して接続されて実装されたと電
界効果型トランジスタ(以降、FETという)64とを
備え、回路部62は平面アンテナ66を備える。能動集
積アンテナ50Bも能動集積アンテナ50Aと同様の構
成を備える。以降では、能動集積アンテナ50Aを代表
して説明する。 【0033】回路部62の能動集積アンテナ50Aに当
たる部分は、FET64のドレイン端子と接続されて伸
びるドレイン側伝送線路68と、FET64のゲート端
子と接続されて伸びるゲート側伝送線路70と、FET
64のソース端子と接続される受動回路としての一対の
ショートスタブ72とを主に有し、ドレイン側伝送線路
68の先端部近傍に平面アンテナ66が設けられてい
る。また、ゲート側伝送線路70の先端部にはショート
スタブ71が設けられている。平面アンテナ66は、図
5(a)に示すように、フォールディッドスロットアン
テナであるが、この他に、通常のスロットアンテナや、
誘電体基板上にパッチ放射器が設けられたマイクロスト
リップアンテナや、誘電体基板上に線状の送受信素子が
設けられた線状アンテナ、例えばダイポールアンテナや
quasi−八木宇田アンテナが挙げられる。 【0034】また、誘電体基板上56には、能動集積ア
ンテナ50Aのドレイン側伝送線路68と能動集積アン
テナ50Bにおける対応するドレイン側伝送線路とを横
断して結合するように、ドレイン側強結合線路74が設
けられ、能動集積アンテナ50Aのゲート側伝送線路7
0と能動集積アンテナ50Bの対応するゲート側伝送線
路とを結合するように、ゲート側強結合線路76が設け
られている。すなわち、二重強結合されている。このよ
うにして、上記平面アンテナや上記各伝送線路や上記各
強結合線路は透明性を有する誘電体基板56上に形成さ
れた導電膜52,54によって構成され、回路部62が
アレイアンテナ50の発振回路の回路部となっている。
なお、ゲート側伝送線路70にはゲート側強結合線路7
6を延長するようにオープンスタブ78が設けられ、ド
レイン側伝送線路68にはドレイン側強結合線路74を
延長するようにオープンスタブ80が設けられている。
なお、平面アンテナ66や上記各伝送線路や上記結合線
路を覆う導電膜52の領域は接地される。 【0035】ドレイン側伝送線路68沿いには、所定の
バイアス電圧を供給してFET64を作動させるための
バイアス回路82が導電膜52およびチップコンデンサ
84によって構成されている。バイアス回路82にはバ
イアス電圧供給用のパッド82aが設けられ、このパッ
ド82aは途中幅の狭い高インピーダンス伝送線路82
bを介し、さらに、エアーブリッジ86を介してドレイ
ン側伝送線路68と接続されている。また、エアーブリ
ッジ88,90が、図5(a)に示すように、ドレイン
側強結合線路74およびゲート側強結合線路76を跨ぐ
ように設けられている。 【0036】次に、図6を用いて、回路部62をより細
かく説明する。図6に示されるように、回路部62のう
ち、バイアス回路82と平面アンテナ66を除いた部分
の伝送線路はコプレーナ線路である。ここで、図5
(b)に示されているように、FET64のゲート側か
らドレイン側に至る一定の領域R1には、FET64の
実装される前面とは反対側の背面に接地電位の導電膜5
4が形成されており、領域R1における前記コプレーナ
線路は、背面に導電膜のあるコプレーナ線路となってい
る。一方、前記領域R1以外の前記コプレーナ線路は、
背面に導電膜のない通常のコプレーナ線路となってい
る。さらに、ゲート側伝送線路70、ショートスタブ7
2、ゲート側強結合線路76、FET64のドレイン端
子と接続する接続部を含むドレイン側伝送線路68の一
部、およびバイアス回路82の領域(図6中の濃いグレ
ー領域)が厚膜導体60で構成され、その他の導電膜5
2の領域は透明性を有する薄膜導体58で構成される。
導電膜54は透明性を有する薄膜導体で構成される。な
お、厚膜導体60を用いた導電膜52の部分は、誘電体
基板56上に厚膜導体60を形成した一層構造の導電膜
となっているが、予め厚膜導体60の形成する領域に誘
電体基板56上の薄膜導体58を延長して形成した後、
この上に厚膜導体60を形成した積層構造の導電膜とし
てもよい。 【0037】ここで、厚膜導体60は、上述したよう
に、Ag,Au,Cu,Pd,Pt,Al,Niの群か
ら選択された1つ以上の金属単体、この群から選択され
た2つ以上の金属からなる合金、または、前記金属単体
または前記合金からなる混合物を導体材料として有し、
厚さを2〜100μmとする導電膜である。好ましく
は、この導電膜の厚さは2〜20μmである。厚膜導体
60の形成は、例えば、上述したスクリーン印刷による
厚膜法で行われる。 【0038】導電膜54の薄膜導体および薄膜導体58
は、Ag,Au,Cu,Pd,Pt,Al,Cr,R
h,Ni等の金属単体を主成分またはIn23,SnO
2,Cd2SnO4,CdO,ZnO等の金属酸化物を主
成分として、Sn,Sb,F,Al,In,B,F,G
a等を添加物として0.5〜5原子%加えた材料によっ
て形成されている。金属単体を主成分とする場合、厚さ
は10〜90nmとし、金属酸化物を主成分とする場
合、厚さは10nm〜1.5μmとするのが好ましく、
これによって薄膜導体の透明性を確保することができ
る。薄膜導体の形成方法は特に限定されず、例えば、真
空蒸着法やスパッタリング法等の公知の方法が挙げられ
る。 【0039】このような回路部62を表面に設ける誘電
体基板56は、上述したように、比誘電率は3〜9であ
り、厚さを0.2〜6mmとする。なお、本発明におけ
る透明な誘電体基板は、ガラス板が好適に用いられる
が、比誘電率が3〜9の透明な板状の誘電体であればい
ずれであってもよい。例えば、サファイヤ、ポリカーボ
ネートやアクリル等の材料を使用することができる。そ
の中でも、0.8〜30GHzの高周波帯域で伝送損失
の少ない材料が好適に使用される。ガラス板を誘電体基
板として用いる場合、表示素子用のガラス板ばかりでな
く、建築用ガラス板や自動車用ガラス板を誘電体基板と
して用いてもよい。 【0040】このようなアレイアンテナ50の発振回路
の回路部を構成する回路部62では、ショートスタブ7
2、ゲート側伝送線路70およびゲート側伝送線路70
の先端部に設けたショートスタブ71が、発振における
信号の帰還に寄与する。一方、ショートスタブ72、ゲ
ート側伝送線路70およびゲート側伝送線路70の先端
部に設けたショートスタブ71は抵抗の小さな厚膜導体
60で構成されているので回路抵抗が小さい。このた
め、発振における信号の帰還率が高まり発振強度が高く
なる。 【0041】また、ドレイン側伝送線路68の一部およ
びバイアス回路82が抵抗の小さな厚膜導体60で構成
されているので、FET64のバイアス制御を効率良く
行うことができる。さらに、能動素子アンテナ50Aと
能動素子50Bを同相で発振させるためのゲート側強結
合線路76が抵抗の小さな厚膜導体60で構成されてい
るので、能動素子アンテナ50Aと能動素子50Bの発
振の同期を高めることができる。 【0042】このようにアレイアンテナ50の透明性を
有する誘電体基板56に形成される薄膜導体は透明性を
有するので、大部分の領域が透明性を有するアレイアン
テナを作製することができる。なお、回路部62の全領
域を厚膜導体により導電膜を形成することで可能な限り
回路抵抗を小さくすることはできるが、反面、アレイア
ンテナの透明性がなくなる。アレイアンテナ50は、ア
レイアンテナ50を効率よく機能させるための回路中の
重要な部分、すなわち、FETを取り巻く、FETの端
子と接続された伝送線路や受動回路の一部分に、あるい
はバイアス回路に厚膜導体を用い、その他の部分は透明
性を有する薄膜導体を用いることで、大部分の領域の透
明性を確保しつつ、アレイアンテナを効率よく機能させ
ることができる。なお、厚膜導体60を用いて導電膜5
2を構成する部分は、本実施形態では、ドレイン側伝送
線路68の一部分の他、ゲート側伝送線路70全体、シ
ョートスタブ72全体、ゲート側強結合線路76全体お
よびバイアス回路82の全体であるが、これらのうちの
一部分が厚膜導体60を用いて構成されてもよい。 【0043】なお、アレイアンテナ50は、同様の構成
を有する能動集積アンテナを2つ並列して設けたが、本
発明では2つの能動集積アンテナを並列して設けること
に限定されるわけではない。複数個の能動集積アンテナ
を同一の誘電体基板上に設けたものであってもよい。ま
た、単一の能動集積アンテナを誘電体基板に設けたもの
であってもよい。 【0044】図7(a),(b)は、本発明の高周波回
路の一実施形態である誘電体基板に単一のFETを実装
した発振回路の回路図である。図7(a)は、上述した
アレイアンテナ50を構成する能動集積アンテナ50
A、あるいは能動集積アンテナ50Bの発振回路の部分
を取り出した回路図でもある。図7(a)は、FET1
00と、FET100のゲート端子と接続されるショー
トスタブ102と、FET100のソース端子と接続さ
れるショートスタブ104と、FET100のドレイン
端子と接続されるバイアス回路106と、ドレイン端子
から延びるドレイン側伝送線路108と、出力ポート1
10とを備える。能動集積アンテナとして用いる場合、
出力ポート110にアンテナが接続される。なお、バイ
アス回路106は、電源112から高インピーダンス伝
送線路114を介してドレイン端子にバイアス電圧を供
給する。途中、高インピーダンス線路114とドレイン
端子との間でパスコンデンサ116が接続される。図7
(b)は、FET100のゲート端子にショートスタブ
の替わりにオープンスタブを設けた構成の発振回路の構
成であり、その他は図7(a)の発振回路の構成と同様
である。 【0045】このような発振回路においても、透明な誘
電体基板上に、厚膜導体と透明な薄膜導体とを用いて導
電膜を形成して回路部を構成することができる。例え
ば、FET100のゲート端子と接続されるショートス
タブ102またはオープンスタブ103、FET100
のソース端子と接続されるショートスタブ104、ドレ
イン側伝送線路108のドレイン端子と接続する接続部
を含む少なくとも一部分、および、バイアス回路106
の、少なくともいずれか一つを、上述した厚膜導体を用
い、それ以外は、透明性を有する薄膜導体とする。これ
によって、発振回路の回路抵抗を小さくすることがで
き、信号の発振強度を増大させることができるととも
に、発振回路の透明性を確保することができる。なお、
上記高周波回路10’,10’’,10’’’、アレイ
アンテナ50はいずれもガラス板の表面に導電膜を設け
たものであるが、本発明においては、合わせガラス板の
合わせ面に導電性膜を設けて回路部を構成したものであ
ってもよい。 【0046】 【実施例】このような高周波回路の一実施例として、図
5(a),(b)に示すアレイアンテナ50を作製し
て、実際に電波を放射させて発振強度を調べた。具体的
には、誘電体基板56として、厚さが0.76mm、比
誘電率が6.8で、一辺が100mmの正方形のガラス
板を用いた。導電膜54の薄膜導体および薄膜導体58
は、スパッタリング法を用いてAgの厚さが26nmと
なるように形成し、厚膜導体60は、テトロン#350
のメッシュを用いたスクリーン印刷法を用いてAgの厚
さが6μmとなるように形成した。そして、回路部62
における、導電膜54の薄膜導体、薄膜導体58および
厚膜導体60の形状、すなわち、図8(a),(b)に
示す寸法L1〜L17,L21〜L31を下記のようにした。
スクリーン印刷法では、印刷した誘電体基板56を12
0℃で4分間乾燥させた後、600℃にて10分間焼成
した。また、実装するFETは、三菱電気社製MGF4
951Aを用いた。 【0047】 L1=2.4mm ,L2=1.8mm ,L3=26.2mm , L4=13.1mm ,L5=3mm ,L6=11.5mm , L7=8.1mm ,L8=14.1mm ,L9=5.4mm , L10=14.25mm,L11=1.3mm ,L12=1.7mm , L13=10.83mm,L14=12.83mm,L15=1.7mm , L16=3.45mm ,L17=2.2mm , L21=0.7mm ,L22=0.6mm ,L23=0.3mm , L24=0.6mm ,L25=0.9mm ,L26=0.6mm , L27=0.5mm ,L28=1.2mm ,L29=4.7mm , L30=1.6mm ,L31=0.5mm 【0048】作製したアレイアンテナ50(実施例)を
図9に示すように配置した測定系を用いて、アレイアン
テナ50の発振強度を調べた。すなわち、アレイアンテ
ナ50の面に対して対向する位置に標準ゲインホーンア
ンテナ120を配し、同軸ケーブル122を介して標準
ゲインホーンアンテナ120で受信した信号をスペクト
ルアナライザ124に取り込み、アレイアンテナ50の
発振強度を調べた。一方、比較例として、アレイアンテ
ナ50の導電膜52をすべて厚さが26nmのAgの薄
膜導体としたアレイアンテナ(比較例)を作製し、図9
に示す測定系でアレイアンテナの発振強度を調べた。図
10は、本発明の実施例と比較例の発振強度のスペクト
ル分布のグラフである。横軸は周波数、縦軸はスペクト
ラムアナライザ124による読み取り値である。 【0049】これによると、本実施例は8.54GHz
で発振し、比較例は8.41GHzで発振し、発振ピー
クの発振強度は比較例に比べて実施例が2.8dB高か
った。これより、実施例は、比較例と同等の透明性を確
保しつつ、アレイアンテナの発振強度を高くすることが
でき、効率の良い発振を行うことがわかった。 【0050】以上、本発明の高周波回路について詳細に
説明したが、本発明は上記実施例や実施形態に限定はさ
れず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の
改良および変更を行ってもよいのはもちろんである。 【0051】 【発明の効果】以上、詳細に説明したように、透明性を
有する誘電体を用いた高周波回路の回路部を、透明性を
有する導電膜と、この導電膜より厚さの厚い導電膜を用
いて構成することで、透明性を確保しつつ、高周波回路
の機能を効率よく発揮させることができ、高周波信号を
効率よく平面アンテナに伝送し、あるいは平面アンテナ
で受信した高周波信号を効率良く増幅する能動集積アン
テナに好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】 本発明の能動集積アンテナ用高周波回路の一
実施形態である高周波回路の概略斜視図である。 【図2】 (a)は、図1に示すX−Y切断線に沿って
切断した高周波回路の断面図であり、(b)は、図1に
示すA−B切断線に沿って切断した高周波回路の断面図
である。 【図3】 (a)は本発明の能動集積アンテナ用高周波
回路の別の一実施形態である高周波回路の概略斜視図で
あり、(b)は、図3(a)に示すX’−Y’切断線に
沿って切断した高周波回路の断面図であり、(c)は、
図3(a)に示すA’−B’切断線に沿って切断した高
周波回路の断面図である。 【図4】 (a)は本発明の能動集積アンテナ用高周波
回路のさらに別の一実施形態である高周波回路の概略斜
視図であり、(b)は、図4(a)に示すX’’−
Y’’切断線に沿って切断した高周波回路の断面図であ
り、(c)は、図4(a)に示すA’’−B’’切断線
に沿って切断した高周波回路の断面図である。 【図5】 (a)は、本発明の能動集積アンテナ用高周
波回路を用いた能動集積アレイアンテナ装置の平面図で
あり、(b)は図5(a)に示す能動集積アレイアンテ
ナ装置をZ方向から見た側面図である。 【図6】 図5(a)に示す能動集積アレイアンテナ装
置の回路部を説明する図である。 【図7】 (a)および(b)は、誘電体基板に単一の
FETを実装した発振回路の回路構成を示す回路図であ
る。 【図8】 (a)および(b)は、図5(a)に示す能
動集積アレイアンテナ装置の回路部の寸法を説明する図
である。 【図9】 能動集積アレイアンテナ装置の発振強度を測
定する際の測定系の概略図である。 【図10】 図9に示す測定系で得られる発振強度の結
果を示す図である。 【符号の説明】 10,10’,10’’ 高周波回路 12,12’,12’’ 誘電体基板 12a,12a’,12a’’ 前面 12b,12b’,12b’’ 背面 14,14’,14’’ 能動素子 15,15’,15’’ 導電膜 16,16’,16’’ 回路部 18,18’,18’’ 厚膜導体 20,22,20’,21’,22’,20’’,2
1’’ 薄膜導体 24,24’,24’’,63 接合材 50 能動集積アレイアンテナ装置 52,54 導電膜 56 誘電体基板 58 薄膜導体 60 厚膜導体 62 回路部 64,100 電界効果型トランジスタ 66 平面アンテナ 68,108 ドレイン側伝送線路 70 ゲート側伝送線路 72,102,104 ショートスタブ 74 ドレイン側結合線路 76 ゲート側結合線路 78,80,103 オープンスタブ 82,106 バイアス回路 84 チップコンデンサ 86,88,90 エアブリッジ 110 出力ポート 112 電源 114 高インピーダンス伝送線路 116 パスコンデンサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 庭野 和彦 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社内 (72)発明者 井川 耕司 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社内 Fターム(参考) 5J011 CA15 5J014 CA00 5J021 AA02 AA11 AB06 CA03 FA26 HA05 5J046 AA00 AB13 PA01

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】透明性を有する誘電体基板と、この誘電体
    基板に設けられた導電膜で構成された前記誘電体基板上
    の回路部と、この回路部と接続されて前記誘電体基板に
    設けられた能動素子とを備え、 前記回路部における前記導電膜は、透明性を有する導電
    膜と、この透明性を有する導電膜より厚さの厚い導電膜
    を備えることを特徴とする能動集積アンテナ用高周波回
    路。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104330169A (zh) * 2014-08-15 2015-02-04 中国空空导弹研究院 一种非制冷型毫米波/红外叠层探测器
US11152695B2 (en) 2018-08-07 2021-10-19 Murata Manufacturing Co., Ltd. Antenna module

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