JP2003256419A - 対話方法、対話装置、対話プログラム及びこれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents

対話方法、対話装置、対話プログラム及びこれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体

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JP2003256419A
JP2003256419A JP2002331193A JP2002331193A JP2003256419A JP 2003256419 A JP2003256419 A JP 2003256419A JP 2002331193 A JP2002331193 A JP 2002331193A JP 2002331193 A JP2002331193 A JP 2002331193A JP 2003256419 A JP2003256419 A JP 2003256419A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンピュータとユーザとの間で自然な対話を
実現する。 【解決手段】 a)対話情報を用いて予測した将来起こ
りうる対話パターンを評価基準により評価し、b)評価
の高い対話パターンから次に出力すべきシステムメッセ
ージを選択及び出力し、c)前記システムメッセージへ
の応答の選択肢であるユーザメッセージを対話情報から
選択して出力し、d)いずれかのユーザメッセージの選
択を受け付け、e)選択されたユーザメッセージに応
じ、現在の話題を示すポインタのトピックネット上での
次の位置を決定し、f)前記a)〜e)を繰り返す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ユーザに適した商
品やサービスの販売や検索、問い合わせなどを行うため
の、コンピュータを用いた応答技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、商品やサービス(以下、商品など
と言う)の販売や検索、問い合わせなどをコンピュータ
を用いて行うための様々な対話システムが提供されてい
る。これらの対話システムでは、質問文の入力や選択肢
の選択入力などのユーザ入力に対し、応答を行うことを
主眼としている。ユーザ入力への応答を実現する手段と
しては、ユーザ入力をキーとして応答内容を検索する方
法がとられている。また、コンピュータゲームにおい
て、ユーザがコンピュータからの質問に対する回答や行
動を選択することによって対話を進行させ、なぞを解く
ゲームが存在する。このような対話は、ユーザの選択で
きる回答や行動に制限を設け、回答・行動と質問との考
えられる全ての組み合わせを想定した対話パターンをあ
らかじめ用意しておくことにより実現される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前述のユーザ入力に対
する応答内容を検索する方法をとると、基本的にユーザ
と対話システムとの対話は一往復で終わってしまう。ま
た同じ仕組みで複数の対話を行う場合、一つ一つの対話
は独立しており、人間同士が行うような前後関係を考慮
した文脈性を持つ対話は実現されない。さらにユーザが
質問や行動の主導権を持つので、対話システム側は受身
の出力しかできず、対話相手であるユーザにとっては面
白味に欠ける対話内容となる。
【0004】一方、前記コンピュータゲームのようにユ
ーザが選択できる回答や行動をあらかじめ設定して対話
を行う場合、対話が長くなればなるほど、想定する対話
の構造が複雑になる。その結果、ユーザの選択肢に対す
る制約が強くなり、ユーザが本当に選択したい回答や行
動が無かったり、同じような対話が繰り返されることに
なりかねない。すなわち、ある程度の文脈性を保ちつ
つ、効果的な情報交換を行う対話を実現できる対話シス
テムは未だ提供されていない。また、このような対話シ
ステムを用いて対話を特定の結末に導くことができれ
ば、コンピュータを用いた商品などの検索や問い合わせ
に有効であると期待できる。
【0005】本発明は、ユーザとの間で自然な対話を実
行するための、コンピュータを用いた対話技術を提供す
ることを目的とする。また、商品などの販売や検索、問
い合わせなどに有効な、コンピュータを用いた対話技術
を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本願第1発明は、コンピュータと前記コンピュータ
のユーザとの間で対話を実行する対話方法を提供する。
この方法は以下のステップを含む。 ・複数の話題がリンクされた話題ネットを記憶する話題
ネット記憶ステップ、 ・前記コンピュータ側からのメッセージとなるシステム
メッセージの少なくとも1つと、前記システムメッセー
ジに対する前記ユーザ側からのメッセージとなるユーザ
メッセージの少なくとも1つと、前記話題ネット上の位
置と前記システムメッセージ及び/または前記ユーザメ
ッセージの対応と、を含む対話情報を記憶する対話情報
記憶ステップ、 ・前記対話での現在の話題を示す第1ポインタの前記話
題ネット上での位置に基づいて、起こり得る対話のパタ
ーンを生成するステップと、生成した前記対話パターン
の中から少なくとも1つを選択するステップと、選択さ
れた対話パターンに基づいてシステムメッセージを選択
し、出力するステップとを含むメッセージングステッ
プ、 ・前記選択されたシステムメッセージの話題ネット上で
の位置に基づいて少なくとも1つのユーザメッセージを
選択するステップと、前記選択されたユーザメッセージ
を出力するステップとを含む選択肢出力ステップ、 ・前記ユーザメッセージのいずれかの選択を受け付ける
選択受付ステップ、 ・前記話題ネット上での前記第1ポインタの次の位置を
決定する決定ステップ、 ・前記メッセージングステップと、前記選択肢出力ステ
ップと、前記選択受付ステップと、前記決定ステップと
を反復する反復ステップ。
【0007】この対話方法は、ポインタを移動させなが
らシステムメッセージを出力し、対話を進行させる。出
力するシステムメッセージは、ポインタの現在の位置か
ら予測される未来の対話パターンのいずれかを選択する
ことにより決定される。選択方法の一例としては、全て
の対話パターンを評価し、もっとも評価の高い対話パタ
ーンを選択する方法が挙げられる。この方法において、
前記話題ネット中の任意の第1の話題と任意の第2の話
題とを結ぶリンクは、前記第1の話題から前記第2の話
題へ向かう第1の方向と、前記第2の話題から前記第1
の話題へ向かう第2の方向とを定義している場合があ
る。
【0008】例えば商品検索や問い合わせに用いる話題
ネットでは、上流側から下流側へ、リンクによりツリー
状に連結されているノード構造が好ましい。このような
話題ネットでは、上流側ノードは、下流側に比して一般
的または包括的な話題を示す。また下流側ノードは、上
流側に比して個別的な話題を示す。但し、リンクの方向
は、話題ネットを使った対話の進行方向を規定するとは
限らない。つまり、対話は、リンクの方向に沿って進行
したり、リンクに逆行して進行したりする。別の態様の
前記対話方法は、下記ステップをさらに含んでいる。 ・前記第1ポインタとは独立に、前記話題ネット上の任
意の位置に第2ポインタを新たに生成するポインタ生成
ステップ、 ・前記第1ポインタ及び第2ポインタのそれぞれについ
て、前記メッセージングステップ、前記選択肢出力ステ
ップ、前記選択受付ステップ、前記決定ステップ及び反
復ステップを実行することにより、2つの対話を実行す
る複数対話ステップ。
【0009】ポインタを新たに生成することにより、第
2,第3の話題が生じる。各ポインタが示す話題につい
ての対話は、それぞれ独立に実行される。1つの対話を
しばらく実行した後に別の対話を実行し、交互にこれを
繰り返してもよいし、複数の対話が同時に並行して進行
することも可能である。これにより、人間が行う会話の
ように、話がそれたり再び戻ったりするような、自然な
文脈の流れから構成される自然な対話が可能となる。こ
こで、第2ポインタの生成方法は特に限定されないが、
2以上の対話パターンが選択された場合に第2ポインタ
を生成することが一例として挙げられる。
【0010】また、2つの対話が独立に進行した結果、
各ポインタの位置が一致する、すなわち各対話の話題が
一致する場合がある。この場合、2つの対話を1つに併
合するとよい。第2ポインタの生成方法の別の例とし
て、ユーザから生成の指示を受け付ける方法があげられ
る。例えばユーザの希望に合う旅行パックを検索する場
合、ユーザが興味のある話題として「目的地」及び「旅
行目的」が選択されたとする。この場合、2つのポイン
タが生成され、各話題に沿った2つの対話が進行する。
【0011】本発明の別の態様は、 ・前記対話情報は、前記システムメッセージまたは前記
ユーザメッセージの種類を示すメッセージタイプをさら
に含み、 ・前記メッセージングステップは、前記メッセージタイ
プに基づいて前記対話パターンを生成し、 ・前記選択肢出力ステップは、前記システムメッセージ
に対応するユーザメッセージのうち、前記システムメッ
セージのメッセージタイプに適合するメッセージタイプ
のユーザメッセージを出力する、対話方法を提供する。
【0012】メッセージタイプとしては、「積極説
明」、「通常説明」、「個別化自由質問」、「提案」、
「ユーザ同意」、「ユーザ否定」、「ユーザ選択」など
が一例として挙げられる。前記対話パターンを生成する
場合に、メッセージタイプを考慮することにより、ある
システムメッセージに対しユーザが選ばないであろうユ
ーザメッセージを組み合わせることを防止できる。具体
的には、「個別化自由質問」のシステムメッセージに対
し、「ユーザ同意」や「ユーザ否定」のユーザメッセー
ジは組み合わされない。同様に、出力されるシステムメ
ッセージに対して表示されるユーザメッセージのうち、
メッセージタイプが不適切なものは選択肢として出力さ
れない。
【0013】本発明のさらに別の態様は、 ・前記対話パターンを評価するための評価基準を記憶す
る基準記憶ステップをさらに含み、 ・前記メッセージングステップは、前記評価基準に基づ
いて、生成した対話パターンを評価し、評価結果に基づ
いて少なくとも1つの対話パターンを選択する対話方法
を提供する。評価基準としては、例えば下記のように複
数のルールを設定し、ルールを満たしたか否かにより点
数を付与する。 1)「10回以内の対話で目標の話題のいずれかに達す
る」と20点を付与。 2)「同じポインタが4回以上連続してシステムメッセ
ージの出力対象となる」と6点を付与。 3)「ポインタが結合する」と5点を付与。
【0014】最終的に、合計点数に基づいて少なくとも
1つの対話パターンが選択される。合計点数が最も高い
対話パターンを選択してもいいが、選択方法はこれだけ
に限定されない。例えば、合計点数の差が小さい場合に
は、複数の対話パターンを選択しても良い。前記評価基
準の好ましい例として、同じシステムメッセージの繰り
返し出力を避けるようなものが挙げられる。この評価基
準を適用した対話方法では、過去に出力したシステムメ
ッセージを記憶する履歴記憶ステップをさらに含む。ま
た、前記メッセージングステップは、生成した対話パタ
ーンを前記評価基準に基づいて評価し、過去に出力した
システムメッセージと重複するシステムメッセージが少
ない対話パターンを選択する。こうすれば、同じ質問や
発話をユーザに対して繰り返さずにすみ、自然な対話の
実行が可能となる。
【0015】前記評価基準の別の好ましい例として、ポ
インタの数を一定以下に制御するようなものが挙げられ
る。この評価基準を適用した対話方法は以下のステップ
をさらに含む。この方法において、前記メッセージング
ステップは、生成した対話パターンを前記評価基準に基
づいて評価し、前記対話パターンのうちポインタの総数
がしきい値を超えない対話パターンを選択する。 ・前記話題ネット上の任意の位置に少なくとも1つの第
2ポインタを新たに生成する第2生成ステップ、 ・前記第1ポインタ及び第2ポインタのそれぞれについ
て、前記メッセージングステップ、前記選択肢出力ステ
ップ、前記選択受け付けステップ、前記決定ステップ及
び反復ステップを実行する第2複数対話ステップ。
【0016】ポインタが増えると言うことは、ユーザが
同時に複数の話題について会話していることになる。話
題が多すぎると、ユーザ自身が全ての話題を覚えられず
対話が発散してしまうおそれが出てくる。そこで、一度
に進行する話題の数に上限を設け、対話の収束を促すこ
とが好ましい。前記評価基準の別の好ましい例として、
ユーザの発話時間とシステム側の発話時間のバランスを
とるようなものが挙げられる。この評価基準を適用した
対話方法では、前記メッセージングステップは、生成し
た対話パターンを前記評価基準に基づいて評価し、シス
テムメッセージの量とユーザメッセージの量との釣り合
いがとれた対話パターンを選択する。システムメッセー
ジの量が多すぎると、ユーザにとって受け身の対話とな
り面白味に欠ける。その逆だと、ユーザへの情報の提供
量が少なすぎることになる。そこで、両者の釣り合いの
とれた対話パターンを選択し、自然で面白みのある対話
を実現する。
【0017】前記評価基準の別の好ましい例として、ユ
ーザが嫌いな話題を避けるようなものが挙げられる。こ
の評価基準を適用した対話方法は、ユーザが好まない話
題であることを示す禁止トピック変数を前記話題ネット
中の話題に設定する禁止トピック設定ステップを、さら
に含む。また、前記話題ネット記憶ステップは、前記禁
止トピック設定ステップで設定された禁止トピック変数
を、前記話話題と関連づけてさらに記憶している。さら
に前記メッセージングステップは、生成した対話パター
ンを前記評価基準に基づいて評価し、ユーザが好まない
話題である禁止トピックを含まない対話パターンを選択
する。禁止トピックは、例えばユーザが選択したユーザ
メッセージから推測することができる。また例えば、話
題ネット中の各話題に禁止トピック変数を設定し、禁止
トピック変数に基づいて禁止トピックを推定しても良
い。禁止トピック変数の値は、例えば、ユーザが選択し
たユーザメッセージに基づいて設定することができる。
また例えば、話題ネットの各ノードが表す話題がユーザ
にとってどれだけ重要かを示す重要度や、重要度がどの
くらい確かかを示す確信度などを、禁止トピック変数と
して用いても良い。
【0018】前記評価基準の別の好ましい例として、前
記重要度に基づいて対話パターンを選択するものが挙げ
られる。この評価基準を適用した対話方法では、前記話
題ネットにおける各話題のそれぞれを前記ユーザがどれ
だけ重要視しているかを示す重要度を、前記話題ネット
中の話題と関連づけて設定する重要度設定ステップをさ
らに含む。また前記対話情報記憶ステップは、前記重要
度設定ステップで設定された重要度を、前記話題と関連
づけてさらに記憶する。さらに前記メッセージングステ
ップは、生成した対話パターンに含まれる話題の重要度
と前記評価基準とに基づいて対話パターンを選択する。
ユーザが重要と考えている話題を含む対話パターンに沿
ってシステムメッセージを出力することにより、ユーザ
にとって面白い対話を実行できると考えられる。重要度
は、ユーザにより入力された値であっても良いし、ユー
ザにより入力された値を話題ネットのリンクに沿って伝
搬させた値であっても良い。
【0019】前記評価基準の別の好ましい例として、前
記重要度及び確信度に基づいて対話パターンを選択する
ものが挙げられる。この評価基準を適用した対話方法で
は、前記話題ネットにおける各話題のそれぞれを前記ユ
ーザがどれだけ重要視しているかを示す重要度と、前記
重要度がどれだけ確実かを示す確信度とを、前記話題ネ
ット中の話題と関連づけて設定する変数設定ステップを
さらに含む。また前記対話情報記憶ステップは、前記変
数設定ステップで設定された重要度と確信度とを、前記
話題と関連づけてさらに記憶する。さらに前記メッセー
ジングステップは、生成した対話パターンに含まれる話
題の重要度及び確信度と前記評価基準とに基づいて、対
話パターンを選択する。確信度は、例えばユーザにより
入力された重要度については高くなり、話題ネットのリ
ンクに沿って伝搬した重要度については低くなる。従っ
て、重要度と確信度とが共に高い話題は、ユーザの関心
が高いと考えられる。そのような話題を含む対話パター
ンを選択することにより、ユーザの興味に沿う対話を実
行することができる。
【0020】前記評価基準の別の好ましい例として、新
しい話題による対話を優先させるものが挙げられる。こ
の評価基準を適用した対話方法は、下記第2生成ステッ
プと更新ステップと第2複数対話ステップとを含む。ま
た、前記メッセージングステップは、生成した対話パタ
ーンに含まれる話題の重要度及び確信度と前記評価基準
とに基づいて対話パターンを選択する。前記話題ネット
上の任意の位置に少なくとも1つの第2ポインタを新た
に生成する第2生成ステップ、ポインタの生成からの経
過時間を監視して一定時間経過したポインタを削除し、
削除されたポインタに関連する話題の前記重要度及び/
または確信度を更新するか、または一定時間経過したポ
インタを削除せずに前記ポインタに関連する話題の前記
重要度及び/または確信度を更新する更新ステップ、前
記第1ポインタ及び第2ポインタのそれぞれのうち残っ
ているものについて、前記メッセージングステップ、前
記選択肢出力ステップ、前記選択受け付けステップ、前
記決定ステップ及び反復ステップを実行する第2複数対
話ステップ。
【0021】古いポインタに関連する話題の重要度や確
信度を低下させる。これにより、新しいポインタに関連
する話題の重要度や確信度が高くなるので、新しいポイ
ンタによる対話パターンが優先的に選択される。前記評
価基準の別の好ましい例として、対話の進行方向の切り
替え回数を制限するものが挙げられる。この評価基準を
適用した対話方法では、前記話題ネット中の任意の第1
の話題と任意の第2の話題とを結ぶリンクが、前記第1
の話題から前記第2の話題へ向かう第1の方向と、前記
第2の話題から前記第1の話題へ向かう第2の方向とを
示している。また前記メッセージングステップは、生成
した対話パターンを前記評価基準に基づいて評価し、前
記第1ポインタの動きが第1の方向と第2の方向との間
で頻繁に切り替わらない対話パターンを選択する。
【0022】対話の方向が、二方向、例えば一般化/個
別化の間で頻繁に切り替わると、流れが悪く進展の乏し
い対話になってしまうおそれがある。そのような対話パ
ターンを避けるように対話を選択することで、対話の進
行を促すことができる。前記評価基準の別の好ましい例
として、話題ネットに新しく登録された話題を優先する
ものが挙げられる。この評価基準を適用した対話方法で
は、前記対話情報記憶ステップは、前記対話情報が話題
ネットに関連づけられて記憶されてから経過した時間を
さらに記憶している。また前記メッセージングステップ
は、生成した対話パターンを前記評価基準に基づいて評
価し、前記第1ポインタの動きが第1の方向と第2の方
向との間で所定の割合以上に頻繁に切り替わらない対話
パターンを選択する。新しい対話情報を含む対話パター
ンを実行することにより、新鮮な情報に基づくホットな
対話が可能となる。
【0023】前記評価基準の別の好ましい例として、信
頼性のある話題に基づく対話パターンを選択するものが
挙げられる。この評価基準を適用した対話方法では、前
記対話情報記憶ステップは、前記対話情報が話題ネット
に関連づけられた日時をさらに記憶する。またこの対話
方法は、現在日時を計時し、前記記憶された日時から現
在日時までの経過時間を算出する経過時間算出ステップ
をさらに含む。さらに前記メッセージングステップは、
生成した対話パターンを前記評価基準に基づいて評価
し、前記経過時間のより短い対話情報が関連づけられた
話題を含む対話パターンを選択する。
【0024】この方法により、信頼性が高いと思われる
登録者が関係する話題にユーザを導くことができる。例
えば、過去の対話で触れた話題の中にある登録者Aによ
り登録された話題が含まれている場合、登録者Aが登録
した話題を含む対話パターンを選択する。また例えば、
生成した対話パターンの一つに含まれる話題「ワイン」
に関し、世界的に有名な登録者Bが対話情報の一部を登
録している場合、その対話パターンを選択することが挙
げられる。前記評価基準の別の好ましい例として、話題
が豊かな方向に対話を誘導するものが挙げられる。この
評価基準を適用した対話方法では、前記メッセージング
ステップは、生成した対話パターンを前記評価基準に基
づいて評価し、前記対話パターンに含まれるシステムメ
ッセージの数がより多い対話パターンを選択する。シス
テムメッセージが豊富な方へユーザを導くことにより、
変化に富んだ対話を実現することができる。
【0025】さらに別の好ましい態様は、前記メッセー
ジングステップが、システムメッセージ及びユーザメッ
セージからなり、システムメッセージ及びユーザメッセ
ージの総数が所定数n以上の対話パターンを生成する対
話方法を提供する。所定数n(正の整数)は特に限定さ
れないが、“n”が大きければ大きいほど、対話パター
ンの数が増加して対話パターンの生成負担が増大する。
一方、“n”があまりにも小さいと、対話パターンの評
価を適切に行い難い。この両面及び話題ネットの複雑さ
を鑑みて、“n”の値を適宜設定することが好ましい。
【0026】本発明の別の態様は、コンピュータと前記
コンピュータのユーザとの間で対話を実行するための対
話装置を提供する。この装置は、以下の手段を有する。 ・複数の話題がリンクされた話題ネットを記憶する話題
ネット記憶手段、 ・前記コンピュータ側からのメッセージとなるシステム
メッセージの少なくとも1つと、前記システムメッセー
ジに対する前記ユーザ側からのメッセージとなるユーザ
メッセージの少なくとも1つと、前記話題ネット上の位
置と前記システムメッセージ及び/または前記ユーザメ
ッセージの対応と、を含む対話情報を記憶する対話情報
記憶手段、 ・前記対話での現在の話題を示す第1ポインタの前記話
題ネット上での位置に基づいて、起こり得る対話のパタ
ーンを生成し、生成した前記対話パターンの中から少な
くとも1つを選択し、選択された対話パターンに基づい
てシステムメッセージを選択し、これを出力するメッセ
ージング手段、 ・前記選択されたシステムメッセージの話題ネット上で
の位置に基づいて少なくとも1つのユーザメッセージを
選択し、前記選択されたユーザメッセージを出力する選
択肢出力手段、 ・前記ユーザメッセージのいずれかの選択を受け付ける
選択受付手段、 ・前記話題ネット上での前記第1ポインタの次の位置を
決定する決定手段、及び ・前記メッセージング手段と、前記選択肢出力手段と、
前記選択受付手段と、前記決定手段とを反復して機能さ
せる反復手段。
【0027】本発明の別の態様は、コンピュータと前記
コンピュータのユーザとの間で対話を実行する対話プロ
グラムを提供する。このプログラムは、前記コンピュー
タを前記会話装置として機能させる。本発明のさらに別
の態様は、コンピュータと前記コンピュータのユーザと
の間で対話を実行する対話プログラムを記録したコンピ
ュータ読み取り可能な記録媒体を提供する。この対話プ
ログラムは、前記第1発明に記載の方法を実行する。こ
こで、記録媒体としては、コンピュータが読み書き可能
なフレキシブルディスク、ハードディスク、半導体メモ
リ、CD-ROM、DVD、光磁気ディスク(MO)、その他
のものが挙げられる。
【0028】<概要>本発明では、コンピュータとその
ユーザとの対話を行う。本発明において、トピックネッ
ト(話題ネット)とは、トピック(話題)と、トピック
を連結するリンクと、トピックを識別するためのトピッ
クID(ノード識別子)とを含む。トピックネットが商
品の検索を目的としている場合、トピックは、商品の特
性や商品の検索におけるキーワードなど、商品に関する
話題を表す。例えば旅行パックの検索を目的とするトピ
ックネットでは、トピックは「目的地」、「旅行目
的」、「時期」などである。リンクは、トピック間に存
在する、上流側/下流側の関係を表す。
【0029】本発明に係る対話方法は、トピックネット
に加え、評価基準とトピックネットに関連する対話情報
とを用いて対話を実行する。本発明の対話方法を要約す
れば、以下のようになる。 1)対話情報を用いて予測した将来起こりうる対話パタ
ーンを評価基準により評価することにより、評価の高い
対話パターンから次に出力すべきシステムメッセージを
選択及び出力し、 2)前記システムメッセージへの応答の選択肢であるユ
ーザメッセージを対話情報から選択して出力し、 3)いずれかのユーザメッセージの選択を受け付け、 4)選択されたユーザメッセージに応じ、現在のトピッ
クを示すポインタの次の位置を決定し、 5)前記1)から4)を繰り返す。 ここで、システムメッセージとは、コンピュータからユ
ーザへのメッセージである。またユーザメッセージと
は、システムメッセージへの応答としてユーザが選択で
きる選択肢である。
【0030】<第1実施形態例>次に、本発明の第1実
施形態例を挙げ、具体的に説明する。第1実施形態例で
は、図1に示す対話システムを用い、トピックネットに
よる対話を、対話システムとそのユーザとの間で行う。
図1は、対話システムの機能構成を示すブロック図であ
る。対話システムは、対話装置1とGUI(Graph
ical User Interface)2とを含ん
で構成される。対話装置1はコンピュータを用いて実現
することができる。対話装置1のハードディスクには、
トピックネットデータベース(話題記憶手段)11と、
評価基準データベース12(基準手段)と、が構築され
ている。トピックネットDB11は、トピックネット及
び対話情報を蓄積する。評価基準DB12は、将来の対
話パターンを評価するための評価基準を蓄積する。これ
らのデータベース(以下、DBという)は、対話装置1
が通信可能な他のコンピュータのハードディスクに構築
されていても良い。また対話装置1のCPUは、制御部
13として機能する。制御部13は、メッセージング手
段の一例であるメッセージングモジュール131、選択
肢出力手段の一例である選択肢出力モジュール132、
選択受付手段の一例である選択受付モジュール133、
決定手段の一例である決定モジュール134及び反復手
段の一例である反復モジュール135を有している。
【0031】GUI2はコンピュータを用いて実現する
ことができる。対話装置1とGUI2とは一つのコンピ
ュータ端末上にあっても良いし、それぞれ別のコンピュ
ータ端末上にあっても良い。GUI2はシステムメッセ
ージやユーザメッセージ、対話履歴などの表示を行う。
以下に対話システムの詳細な説明を行なう。説明を容易
にするために、まずトピックネットによる対話の基本的
な考え方を説明し、次いで対話の進行方法を説明し、こ
れらの説明の中で対話システムの詳細を述べることとす
る。
【0032】(1)トピックネットによる対話の基本的
な考え方 (1−1)トピックネット 図2は、トピックネットDB11に蓄積されるトピック
ネットの具体例を示す説明図である。トピックネット
は、商品検索や商品に関する問い合わせなど、目的別及
び商品の種類別に構築される。この例は、トピックネッ
トを用いてユーザに合う旅行プランを設計するためのト
ピックネットを示している。このトピックネットは、上
流から下流へ広がるツリー状に、各ノードがリンクによ
り連結されている。つまり、リンクによって連結される
任意の第1ノードと第2ノードとは、第1ノードが第2
ノードの上流側にあり、第2ノードが第1ノードの下流
側にある。ただし、トピックネットによっては、リンク
に方向付けのないトピックネットもあり得る。リンクの
方向と対話の進む方向とは、一致していても良いし一致
していなくても良い。またトピックネットによっては、
下流から上流へツリー状に広がってもよく、またツリー
状を形成せずノードがリンクにより連結されているだけ
でも良い。トピックネットには、制御部13の決定モジ
ュール134により、少なくとも1つのポインタが設定
される。ポインタは、各対話の現在のトピックに対応す
るノードを示す。この図では2つのポインタP−1、P
−2が設定されている。ポインタについては後述する。
【0033】図3及び図4は、図2のトピックネットに
基づいて行われた対話の履歴の一例を示す。対話履歴
は、図示しないRAMなどの作業領域に一時的に蓄積さ
れ、GUI2により出力される。もちろん、対話履歴を
対話装置1のハードディスクやその他の記録媒体に保存
することも可能である。この対話履歴は、ユーザの旅行
先を設定するための対話の一例である。この対話では、
「目的地」という上流側のトピックから「ローマ」とい
う下流側のトピックへの対話の進行例を示している。こ
の対話により、「目的地」という包括的なトピックは、
「ローマ」というより個別具体的なトピックに収束して
いる。なお、対話の自然さを実現する目的のために、ま
たはトピックネットの用途によっては、下流側から上流
側へ対話が進行する場合があっても良い。
【0034】対話履歴には、対話を構成するメッセージ
に加え、その他の情報を含めることができる。ここで
は、対話を構成する各メッセージには、通し番号である
「メッセージNo.」が割り当てられている。また、各メ
ッセージの「メッセージタイプ」及び「トピック」が、
対話履歴に含まれている。「メッセージタイプ」は、メ
ッセージの性質を示す属性情報であり、対話情報により
設定されている。「トピック」は、ポインタが位置する
ノードに対応している。従って、対話履歴の中のトピッ
クの変遷は、対話におけるポインタの移動を示してい
る。
【0035】図5は、前記図2のトピックネットの詳細
を示す説明図である。前記図2のトピックネットの一部
分が拡大されて示されている。トピックネットの各ノー
ドは、トピックID(ノード識別子)「TP−13
1」、「TP−132」・・・で特定される。各ノード
には、トピックが対応付けられている。また、各リンク
はリンクID(リンク識別子)「LK−122」、「L
K−1222」・・・で特定される。リンクは、そのリ
ンクにより結ばれている2つのトピックのうち、いずれ
が上流側でいずれが下流側かを示す方向を有する。例え
ば図5において、トピックTP−122「イタリア」
と、トピックTP−131「ローマ」とは、リンクLK
−1221で結ばれている。このリンクは、トピック
「イタリア」からトピック「ローマ」への方向を持つリ
ンクである。上流側のトピックは、下流側のトピックよ
りも包括的なトピックや一般的なトピックを示す。逆に
下流側のトピックは、上流側のトピックよりも個別的な
トピックやより具体的なトピックを示す。方向を持つリ
ンクにより各ノードが連結されることにより、上流側か
ら下流側へ広がるツリー構造を有するトピックネットが
構成される。
【0036】各ノード及びリンクには、システムメッセ
ージ及び/またはユーザメッセージを含む対話情報が、
対応付けられて記憶されている。但し、リンクの対話情
報は、そのリンク元のノードに対応付けて記憶されるこ
ともできる。トピックネットには、ある対話の現在のト
ピックを示すポインタP−1が設定されている。ポイン
タP−1は、対話の進行に伴い、トピックネット上をリ
ンクに沿って移動する。ポインタP−1が位置するノー
ドまたはそのノードに対応する対話情報に基づいて、シ
ステムメッセージやユーザメッセージがGUI2に出力
される。
【0037】トピックネットにおいて、あるトピックA
よりも下流側に複数のトピックB,C・・・がリンクさ
れている場合、もとのトピックAはそれらのトピック
B,C・・・全てに共通するより包括的なトピックを表
す。例えば、トピックTP−122「イタリア」は、よ
り具体的なトピックTP−131「ローマ」、トピック
TP−132「ヴェネチア」及びトピックTP−133
「ミラノ」にリンクされている。トピック「イタリア」
は、トピック「ローマ」、「ヴェネチア」及び「ミラ
ノ」に共通し、これら3つを包括する場所を示してい
る。
【0038】逆に、あるトピックAよりも上流側に複数
のトピックB,C・・・がリンクされている場合、もと
のトピックAはそれらのトピックB,C・・・全てに共
通する、より具体的なトピックを表す。例えば図2にお
いて、トピック「コロッセオ」は、より上流側のトピッ
ク「ローマ」及び「歴史探訪」にリンクされている。ト
ピック「コロッセオ」は、トピック「ローマ」及び「歴
史探訪」に共通し、これら2つよりも個別的なまたは具
体的な場所を示している。以上に述べたトピックネット
は、図2の例に限定されない。トピックネットは、旅行
プランの作成用トピックネット、ノートブックパソコン
用トピックネット、ウェディングパーティ用トピックネ
ットなどのように、商品またはサービス種別毎に準備さ
れる。トピックネットDB11には、少なくとも1つの
トピックネットが記憶されている。
【0039】(1−2)対話情報 図6、図7及び図8は、トピックネットDB11に蓄積
される対話情報の概念図を示す。対話情報は、トピック
ネット上のノードやリンクと対応づけて生成される。こ
こに示す対話情報は、前記図5のトピックネットにおけ
る対話情報の一例である。図6は、ノードTP−122
(トピック「イタリア」)に対応付けられた対話情報で
ある。図7は、トピック「イタリア」から「ローマ」へ
のリンクLK−1221に対応付けられた対話情報であ
る。図8は、ノードTP−131(トピック「ロー
マ」)に対応付けられた対話情報である。
【0040】この例では、各対話情報は情報IDで特定
される。各対話情報は、「メッセージフラグ」、「メッ
セージタイプ」及び「メッセージ」を含んでいる。「メ
ッセージフラグ」は、システム側からのメッセージであ
るシステムメッセージ「S」か、またはユーザが選択す
るためのユーザメッセージ「U」かのいずれであるかを
示すフラグである。但し、このフラグは、システムメッ
セージであるかユーザメッセージであるかの判別がメッ
セージタイプにより可能な場合にはなくても良い。
【0041】「メッセージタイプ」は、質問、説明、確
認、同意、否定、選択などメッセージの種別を示す。メ
ッセージタイプは、必ずしも必須の情報ではないが、多
くの場合、後述する評価基準(2−2参照)において対
話パターンの評価に利用されることになるので設けてお
くことが好ましい。本実施形態例では、システムメッセ
ージのメッセージタイプとして、積極的説明、重要度確
認、通常説明、単純遷移、個別化選択質問、個別化自由
質問、提案の7つのタイプを設定している。このうち、
トピックの内容に関連した性質のメッセージである積極
的説明、重要度確認、通常説明の3つは、例えばノード
の対話情報に含まれるメッセージタイプ(以下、ノード
タイプという)とすることができる。他の4つ、単純遷
移、個別化選択質問、個別化自由質問及び提案は、トピ
ックの変遷に関連しているので、リンクの対話情報に含
まれるメッセージタイプ(以下、リンクタイプという)
とすることができる。例えばノードTP−233(トピ
ック「イタリア」)及びノードTP−131(トピック
「ローマ」)には、3つのノードタイプのシステムメッ
セージが設定されている。「イタリア」から「ローマ」
へのリンクLK−1221には、4つのリンクタイプの
システムメッセージが設定されている。なお、同じメッ
セージタイプの複数のメッセージが同一のノードやリン
クに対応付けられていても良い。
【0042】また本実施形態例では、ユーザメッセージ
のメッセージタイプとして、ユーザ選択、ユーザ保留、
ユーザ同意、ユーザ否定の4つのタイプ(以下、ユーザ
タイプという)を設定している。ユーザメッセージは、
本実施形態例では、ノードの対話情報に持たせ、リンク
の対話情報には含ませない。例えば、ノードTP−12
2及びTP−131(トピック「イタリア」及び「ロー
マ」)には全ユーザタイプのユーザメッセージが設定さ
れている。しかし、「イタリア」から「ローマ」へのリ
ンクLK−1221の対話情報には、ユーザメッセージ
が含まれていない。このリンクのシステムメッセージに
対するユーザメッセージは、リンク先のノードTP−1
31(トピック「ローマ」)のユーザメッセージから選
択される。もちろん、リンクの対話情報にユーザメッセ
ージを持たせることも可能である。
【0043】「メッセージ」には、システムメッセージ
として画面に表示するテキストメッセージ、またはシス
テムメッセージに応答するための選択肢として表示する
テキストメッセージが記憶されている。また、テキスト
メッセージだけでなく、1または複数の画像ファイルや
音声ファイル、これらのファイルへのリンクなどをメッ
セージに含ませることもできる。図8の「ローマ」の対
話情報は、システムメッセージの1つにローマの見所の
画像を含んでいる。同様に、例えばコンサートチケット
に関するトピックのシステムメッセージには、各チケッ
トに応じて演奏される曲目の音声ファイルや、演奏者の
演奏風景を記録した動画像ファイルを含ませることもで
きる。
【0044】(1−3)ポインタの位置と表示されるメ
ッセージ トピックネットを用いた対話は、トピックネット上をポ
インタが移動することにより進行する。前述したよう
に、トピックネットには少なくとも1つのポインタが、
制御部13の決定モジュール134により設定され、動
かされる。本実施形態例では、ポインタはノードからノ
ードへリンクの方向に沿って移動する。表示されるシス
テムメッセージ及びユーザメッセージは、トピックネッ
ト上でのポインタの位置に応じて変化する。再び前記図
5を参照し、ポインタの位置と表示されるシステムメッ
セージ及びユーザメッセージとの関係について説明す
る。
【0045】表示されるシステムメッセージは、ポイン
タが位置するノード及びこのノードから発生しているリ
ンクの対話情報から選択される。例えば前記図5では、
ポインタP−1はノードTP−122(トピック「イタ
リア」)に位置している。この場合、このノード及びこ
のノードから出ている3つのリンクに対応する対話情報
D−122,D−1221,D−1222,D−122
3の中から、表示する1つのシステムメッセージが選択
され、表示される。この選択及び表示の制御は、メッセ
ージングモジュール131により実行される。
【0046】選択されたシステムメッセージに対して表
示されるユーザメッセージは、システムメッセージがノ
ードの対話情報D−122から選択される場合には、そ
の対話情報D−122に含まれる一部または全てのユー
ザメッセージである。システムメッセージがリンクの対
話情報から選択されている場合には、リンク先のノード
の対話情報に含まれる一部または全てのユーザメッセー
ジである。例えば「イタリア」から「ローマ」へのリン
クLK−1221の対話情報D−1221からシステム
メッセージが選択された場合を考える。この場合、ユー
ザメッセージは、リンク先のノードTP−131(トピ
ック「ローマ」)の対話情報D−131から選択され
る。
【0047】対話情報D−131に含まれる全てのユー
ザメッセージを表示対象として選択しても良いが、シス
テムメッセージのタイプとユーザメッセージのタイプと
の組み合わせが適切なユーザメッセージだけを表示対象
としても良い。メッセージタイプの組み合わせが適切な
例としては、例えば1)システムの「選択質問」に対
し、回答となりうる選択肢をユーザに表示する、2)シ
ステムの「説明」に対し、ユーザの「同意」、「否
定」、「理解不能」と言った対応に当たる「分かりまし
た」、「そうは思いません」、「分かりません」と言っ
た選択肢をユーザに表示する、ことが挙げられる。
【0048】なお、リンクの対話情報にシステムメッセ
ージとユーザメッセージとの両方を持たせる場合、リン
クのシステムメッセージに対応して、そのリンクのユー
ザメッセージ及び/またはリンク先のノードのユーザメ
ッセージを表示させることができる。ユーザメッセージ
の選択及び表示の制御は、選択肢出力モジュール132
により実行される。表示されたいずれかのユーザメッセ
ージが選択されると、そのユーザメッセージを含む対話
情報を持つノードに、ポインタが移動する。ユーザメッ
セージの選択の受付は選択受付モジュール133により
行われる。ポインタの移動は、決定モジュール134に
より行われる。
【0049】(1−4)複数のポインタ及びポインタの
結合 図9は、複数のポインタ及びポインタの結合を示す説明
図である。トピックネットに設定するポインタの数は1
つに限られない。制御部13の決定モジュール134
は、第2,第3のポインタを生成し、トピックネット上
に複数のポインタを設定することができる。各ポインタ
は、そのポインタが示す主題に沿った対話の進行状況を
表す。例えば前記図2において、トピック「目的地」に
ポインタP−1(第1ポインタ)が、トピック「目的」
にポインタP−2(第2ポインタ)が設定されたとす
る。この場合、「目的地」という主題に沿って第1の対
話が進行する。また、それとは独立に、「目的」という
主題に沿って第2の対話が進行する。
【0050】図9は、2つの対話の進行途中の状態を示
す説明図である。ポインタP−1(第1ポインタ)は、
ノードTP−131(トピック「ローマ」)に位置して
いる。このポインタP−1は、トピック「目的地」(前
記図2参照)からトピック「ローマ」に移動してきてい
る。一方、ポインタP−2(第2ポインタ)は、ノード
TP−231(トピック「歴史探訪」)に位置してい
る。このポインタP−2は、トピック「目的」(前記図
2参照)からトピック「歴史探訪」に移動してきてい
る。このように、2つのポインタがそれぞれ独立にトピ
ックネット上を移動することにより、2つの対話がそれ
ぞれ独立に進行する。これにより、人間が行う会話のよ
うに、話がそれたり再び戻ったりするような、自然な文
脈の流れから構成される自然な対話が可能となる。
【0051】独立に進行する対話は、1つにまとまるこ
ともある。これは、複数のポインタが同じ位置に移動し
た場合である。例えば、ノードTP−131(トピック
「ローマ」)に位置するポインタP−1に応じてシステ
ムメッセージを表示した結果、ユーザがユーザメッセー
ジ「コロッセオに興味があります」を選択したとする。
ポインタP−1は、ノードTP−143(トピック「コ
ロッセオ」)に移動する。また一方で、ノードTP−2
31(トピック「歴史探訪」)に位置するポインタP−
2に応じてシステムメッセージを表示した結果、ユーザ
メッセージ「コロッセオに興味があります」が選択され
たとする。ポインタP−2は、ノードTP−143(ト
ピック「コロッセオ」)に移動する。この結果、ポイン
タP−1及びP−2は、共にノードTP−143(トピ
ック「コロッセオ」)に移動し、1つのポインタとな
る。このように、複数のポインタが同じ位置に移動する
と、決定モジュール134はそれらのポインタを結合
し、1つのポインタとする。その結果、対話が収束し、
対話を結論に導きやすくなる。
【0052】(1−5)対話表示例 図10は、GUI2により表示される対話中の画面例で
ある。メッセージングモジュール131や選択肢出力モ
ジュール132で選択されたメッセージは、GUI2に
より画面上に表示される。この画面例は、2つのポイン
タがトピックネットに設定され、2つの対話が進行して
いる場合の画面例を示している。画面には、メッセージ
ウインドウ101a、101bが表示されている。各メ
ッセージウインドウは、それぞれ別々のポインタによる
対話に対応している。この例では、メッセージウインド
ウ101aは、メッセージタイプ「通常説明」のメッセ
ージを表示している。メッセージウインドウ101b
は、メッセージタイプ「個別化自由質問」のシステムメ
ッセージと、質問の答えに適するユーザメッセージを表
示している。ユーザはこの例では少なくとも一つのユー
ザメッセージを選択することができる。
【0053】また、画面には履歴ウインドウ102が表
示されている。履歴ウインドウ102には、ユーザと対
話システムとの間で交わされた対話の履歴(前記図3,
4参照)が表示されている。図11は、ユーザによるト
ピックの選択を受け付ける画面例を示す。この画面例
は、例えば対話の開始時に表示され、1または複数の主
題の選択を受け付ける。この例では、「目的地」及び
「目的」の2つの主題が選択されている。その後、選択
された主題の数のメッセージウインドウが画面に表示さ
れ、各対話が進行していく。主題の選択の受付は、決定
モジュール134により行う。尚、対話の開始に先立
ち、主題の選択を対話装置1により自動的に行うことも
可能である。
【0054】(2)対話の進行方法 次に、トピックネットを用いた対話の進行方法について
図面を参照して説明する。 (2−1)対話パターンの生成 図12は、対話パターンの生成を示す説明図である。対
話パターンとは、現在のトピックからその後対話がどの
ように展開するかのパターンである。言い換えれば、対
話パターンは、現在のポインタの位置(以下、カレント
ノードという)及びそれより下流側にある各ノードやリ
ンクのシステムメッセージとユーザメッセージとの組み
合わせで形成される。従って、何回先のメッセージまで
組み合わせるかにより、生成される対話パターンの数は
変わってくる。図12では、n(n≧2、整数)回先ま
で対話を先読みした場合の全ての対話パターンを生成す
ることを示す説明図である。この図はn=3の場合を示
しているが、nの値は特に限定されない。nの値があま
りにも大きいと、対話パターンの数が増え、処理負担が
増大する。また余りにも小さいと、対話パターンの評価
結果の信頼性が低下する。トピックネットの構造や目的
に応じ、適宜nの値を設定すればよい。対話パターン
は、各ポインタ毎に生成される。なお、システムメッセ
ージのタイプとユーザメッセージのタイプとの組み合わ
せが適切な対話パターンだけを生成することが好まし
い。これは多数の対話パターンが存在する場合には、対
話パターンを評価する計算量を削減する効果もあり有効
である。対話パターンは、ポインタが移動するたびに、
新たなカレントノードに基づいてメッセージングモジュ
ール131により生成される。
【0055】図13は、n=4とした場合の対話パター
ンの具体例を示す。前記図2に示すトピックネットにお
いて、ポインタがトピック「目的地」のノードに位置し
ている場合を考える。図13は、このカレントノードに
基づいて、4回先まで先読みした場合の全ての対話パタ
ーンを生成することを示す。例えば、対話パターンの一
例は次のようになる。 [第1対話パターン] S1:「目的地はお決まりですか?」 U2:「はい」 S3:「どういったところに行きたいとお考えでしょう
か?」 U4:「アジアに興味があります」。 ここで、Sはシステムメッセージを、Uはユーザメッセ
ージを示す。また、SまたはUの後の数字は、何回先の
メッセージかを示す。
【0056】また対話パターンの別の一例は次のように
なる。 [第2対話パターン] S1:「目的地はお決まりですか?」 U2:「はい」 S3:「どういったところに行きたいとお考えでしょう
か?」 U4:「ヨーロッパに興味があります」。 (2−2)評価基準 図14は、評価基準DB12に蓄積されている評価基準
の一例を示す説明図である。生成された全ての対話パタ
ーンは、メッセージングモジュール131により評価基
準に基づいて評価される。図14の例では、ルールN
o.1〜10で示される10のルールが評価基準として
設定されている。また、各ルールには、このルールを満
たす対話パターンに与えられる点数が設定されている。
対話パターンが満たすルールに応じた点数の合計点数に
基づいて、対話パターンが評価される。このルールにつ
いて具体的に説明する。
【0057】ルールNo.1:10回以内の対話で目標
のトピックに達する。本実施形態例においては、システ
ムメッセージとユーザメッセージとの総数が10以内で
旅行先が決定する対話パターンに20点が与えられる。 ルールNo.2:11回以上の対話で目標のトピックに
達する。例えば、システムメッセージとユーザメッセー
ジとの総数が11以上で旅行先が決定する対話パターン
には、10点が与えられる。 ルールNo.3:同じポインタが4回以上連続して出力
対象となる。即ち、同じ主題について話が飛ぶことなく
対話が続く対話パターンに6点が与えられる。
【0058】ルールNo.4:ポインタが結合する。即
ち、複数のポインタがどこかで結合する対話パターンに
は、5点が与えられる。 ルールNo.5:結合するポインタが、結合の5回前以
内に表示されたメッセージに対応している。即ち、結合
するポインタに関連して表示されるメッセージが新しい
場合には、対話パターンに4点が与えられる。 ルールNo.6:説明と質問との比率が基準以上。即
ち、ユーザに質問ばかりするのではなく、適度に説明が
行われている対話パターンには、3点が与えられる。
【0059】ルールNo.7:対話を行なうポインタが
変更される頻度が5回以下。即ち、主題をあまり変えす
ぎない対話パターンには、2点が与えられる。 ルールNo.8:初めての主題に移動する際に質問を行
なう対話パターンには、2点が与えられる。 ルールNo.9:2つのポインタが結合する場合に提案
を行う対話パターンには2点が与えられる。 ルールNo.10:ユーザの疑問に対し、システムが説
明を行わない対話パターンには、マイナス5点が与えら
れる。
【0060】なお、ここに例示したルール以外にも、対
話パターンの評価が適切に行われるようなルールを適宜
設定することができる。図15は、対話パターンの評価
例を示す説明図である。各ルールについて、そのルール
を満たしているかどうかを判定し、満たしている場合に
はそのルールに応じた点数を対話パターンに与える。対
話パターンが条件を満たすルールの点数の合計がその対
話パターンの合計点数となる。この例では、対話パター
ンは、ルールNo.1、7、8及び10のルールを満た
しているので、合計点数28となる。生成した全ての対
話パターンについて同様に評価を行う。
【0061】全ての対話パターンの評価結果に基づき、
次に出力すべきシステムメッセージが決定される。例え
ば、合計点数が最も高い対話パターンにおける1回先の
システムメッセージを、次に表示するシステムメッセー
ジとすることができる。また1回先のシステムメッセー
ジに関係する、複数の対話パターンの合計点数の平均値
を求め、その点数が高い1回先のシステムメッセージを
次に表示するシステムメッセージとすることもできる。
この場合には、対話の数が増加し、それに伴いメッセー
ジウインドウが増加する。対話パターン及びシステムメ
ッセージの選択は、メッセージングモジュール131に
より行われる。
【0062】選択されたシステムメッセージに対応し、
ユーザメッセージが表示される。表示されるユーザメッ
セージは、前記(1−3)で述べたように、選択された
システムメッセージがノードの対話情報に含まれるの
か、リンクの対話情報に含まれるのかにより異なる。表
示されるユーザメッセージの選択は、選択肢出力モジュ
ール132により行われる。再び前記図13を参照し、
対話パターンの選択及びメッセージの表示について具体
例を挙げて説明する。図13において、前述した第1の
対話パターンが最も合計点数が高かった場合、「目的地
はお決まりですか?」が次に表示されるシステムメッセ
ージとして選択される。また、このシステムメッセージ
に対応して表示するユーザメッセージは、「はい」、
「ヨーロッパに興味があります」などとなる。
【0063】ユーザメッセージの表示後、選択されたい
ずれかのユーザメッセージに応じてポインタを移動さ
せ、新たなカレントノードに基づいて再び対話パターン
の生成、対話パターンの評価、システムメッセージ及び
ユーザメッセージの選択及び表示、ポインタの移動を行
う。これを反復モジュール135により繰り返し、トピ
ックネットに基づく対話が進行する。 (2−3)対話進行処理 図16は、制御部13が行う対話進行処理の流れを示す
フローチャートである。
【0064】ステップ1;制御部13は、メッセージン
グモジュール131により処理対象のポインタであるカ
レントポインタを選択する。ポインタが1つの場合には
そのポインタがカレントポインタとなる。次いで、メッ
セージングモジュール131は、カレントポインタのカ
レントノードの対話情報と、そのノードより下流のリン
ク及びノードの対話情報とに基づいて、対話パターンを
生成する。これらの対話パターンは、n回先のメッセー
ジまで生成される。 ステップS2;メッセージングモジュール131は、評
価対象の対話パターンを選択する。
【0065】ステップS3;メッセージングモジュール
131は、選択された対話パターンを、前記評価基準に
基づいて評価し、合計点数を算出する。 ステップS4;メッセージングモジュール131は、生
成した全ての対話パターンについて評価を行ったか否か
を判断する。“No”と判断すると前記ステップS2に
戻り、前述の処理を繰り返す。“Yes”と判断すると
ステップS5に移行する。 ステップS5;メッセージングモジュール131は、少
なくとも1つの対話パターンを選択し、選択された対話
パターンを形成する最初のシステムメッセージを選択す
る。ここで、複数の対話パターンを選択する場合は、決
定モジュール134により新たなポインタが生成され
る。選択されたシステムメッセージは、GUI2によ
り、ポインタ毎のメッセージウインドウに出力される。
【0066】ステップS6;選択肢出力モジュール13
2は、ステップS5で選択されたシステムメッセージに
応じたユーザメッセージを、対話情報から選択する。こ
の選択方法は、前記(1−3)に述べたとおり、システ
ムメッセージがノードの対話情報から選択されている場
合、そのノードまたはそのノードから発生するリンクの
ユーザメッセージが選択される。システムメッセージが
リンクから選択されている場合、そのリンク先ノードの
ユーザメッセージが選択される。選択されたユーザメッ
セージは、システムメッセージに対する応答の選択肢と
して、GUI2により画面上に表示される。
【0067】ステップS7;選択受付モジュール133
は、表示されたいずれかのユーザメッセージの選択を、
ユーザから受け付ける。 ステップS8;決定モジュール134は、選択されたユ
ーザメッセージに従い、カレントポインタを移動させ
る。 ステップS9;反復モジュール135は、生成されてい
る全てのポインタについて前述の処理を行ったか否かを
判断する。“No”と判断するとステップS1に戻り、
カレントポインタを変更して前述の処理を行う。“Ye
s”と判断するとステップS10に移行する。
【0068】ステップS10;反復モジュール135
は、処理を終了するか否かを判断する。すなわち、反復
モジュール135は、対話の結果、ポインタが目標のト
ピックに達したか否かを判断する。例えば前記図2のト
ピックネットであれば、トピックネット中の最下流側の
ノードにポインタが到達すると、処理が終了したと判断
する。“Yes”と判断すると処理を終了し、“No”
と判断すると前記ステップS1に戻る。すなわち、対話
の目的が達成されるまで、カレントノードに対する対話
パターンの生成と、対話パターンの評価と、評価結果に
基づく対話の実行とポインタの移動とが繰り返し行われ
る。
【0069】<第2実施形態例>カレントノードからど
のように対話を進行させるか、言い換えれば生成した対
話パターンのいずれを選択するかは、評価基準に依存す
る。どのような評価基準を用いるかは、トピックネット
の使用目的などに応じて適宜変更可能である。具体例を
挙げれば、図17に例示するルールを、前記第1実施形
態例で挙げた評価基準の各ルールと共にまたは独立に、
評価基準として用いることができる。また、本実施形態
例では、対話パターンを生成するに当たり、カレントノ
ードとそれより下流側にあるノードやリンクのメッセー
ジに加え、カレントノードよりも上流側にあるメッセー
ジを用いることができる。評価基準のルールに応じてル
ールを満たしているかどうかの判断方法が変化する点、
及び対話パターンの生成の仕方の2点を除き、対話装置
1の機能は前記第1実施形態例とおおむね同様である。
但し、評価基準によっては後述する機能が対話装置1に
新たに付加される。
【0070】(1)評価基準 まず、評価基準として用いられるルールの他の例につい
て、図17を参照して説明する。 ルールNo.11:同じシステムメッセージを2回繰り返し
ている。すなわち、過去の対話で出力したものと重複す
るシステムメッセージを1つ含んでいれば、−7点を対
話パターンに与える。同じ質問や話題をユーザに対して
繰り返さずにすみ、自然な対話の実行が可能となる。
【0071】ルールNo.12:同じシステムメッセージを
3回以上繰り返している。すなわち、過去の対話で出力
したものと重複するシステムメッセージを2つ以上含ん
でいれば、−10点を対話パターンに与える。同じ質問
や話題をユーザに対して何度も繰り返さずにすみ、自然
な対話の実行が可能となる。 ルールNo.13:ポインタの数が4以上。すなわち、対話パ
ターンの中で新たなポインタが生成される場合、ポイン
タが全部で4つ以上になると対話パターンに−8点が与
えられる。ポインタが増えると言うことは、ユーザが同
時に複数の主題について対話していることになる。主題
が多すぎると、ユーザ自身が全ての主題における対話内
容を覚えられず対話が発散してしまうおそれが出てく
る。そこで、一度に進行する対話の数に上限を設け、対
話の収束を促すことが好ましい。
【0072】ルールNo.14:双方のメッセージ量のバラ
ンスが崩れている。すなわち、システムメッセージの量
が多すぎたり、逆にユーザメッセージの量が多すぎる場
合、対話パターンに−2点が付与される。システムメッ
セージの量が多すぎると、ユーザにとって受け身の対話
となり面白味に欠ける。その逆だと、ユーザへの情報の
提供量が少なすぎることになる。そこで、両者のバラン
スを取ることにより、自然で面白みのある対話を実現す
る。 ルールNo.15:禁止トピックにつながる。すなわち、ユ
ーザが触れたがらない話題である禁止トピックにつなが
る対話パターンには、−10点が付与される。禁止トピ
ックを避けることで、ユーザの嗜好に合う対話を実現す
ることができる。禁止トピックは、例えばあるシステム
メッセージに対してユーザが選択したユーザメッセージ
から推測することができる。また例えば、トピックネッ
ト中の各トピックに変数を設定し、その変数に基づいて
禁止トピックを推定しても良い。変数としては、ユーザ
が触れたがらない度合いを示す禁止トピック変数が挙げ
られる。禁止トピック変数として、トピックネットの各
ノードが表すトピックがユーザにとってどれだけ重要か
を示す重要度や、重要度がどのくらい確かかを示す確信
度などを用いることもできる。
【0073】ルールNo.16:重要度が高いトピックを含
む。後述するようにトピックネットの各ノードに重要度
が設定されている場合、重要度の高いトピックを含む対
話パターンに+4点が付与される。ユーザが重要と考え
ているトピックに沿ってシステムメッセージを出力する
ことにより、ユーザにとって面白い対話を実行できると
考えられる。重要度は、ユーザにより指定された値であ
っても良いし、ユーザにより指定された値をトピックネ
ットのリンクに沿って伝搬させた推測値であっても良
い。
【0074】ルールNo.17:重要度及び確信度が高いト
ピックを含む。後述するようにトピックネットの各ノー
ドに重要度及び確信度が設定されている場合、重要度及
び確信度が高いトピックを含む対話パターンに+2点が
付与される。確信度は、例えばユーザにより値を指定さ
れた重要度については高くなり、トピックネットのリン
クに沿って伝搬することにより値が決定した重要度につ
いては低くなる。従って、重要度と確信度とが共に高い
トピックは、ユーザの関心が高いと考えられる。そのよ
うなトピックを含む対話パターンを選択することによ
り、ユーザの興味に沿う対話を実行することができる。
【0075】ルールNo.18:対話の方向が安定してい
る。すなわち、対話の方向が二方向の間で頻繁に切り替
わらず安定している場合、対話パターンに+2点が付与
される。例えばトピックネットのリンクが、トピックの
一般化/個別化の方向を示しているとする。対話の方向
が、一般化/個別化の間で頻繁に切り替わると、流れが
悪く進展の乏しい対話になってしまうおそれがある。そ
のような対話パターンを避けることで、対話の進展を促
すことができる。対話の方向が安定しているか否かは、
対話の方向の切替が発生する頻度がしきい値を超えるか
否かにより判断することができる。なお、リンクの方向
は、そのトピックネットの性質により、上流/下流、一
般化/個別化、高価/廉価などのように言い表される。
このような表現の違いはあっても二方向の間で安定して
いるような対話パターンに+2点が評価される。
【0076】ルールNo.19:古いポインタに基づいてシ
ステムメッセージを出力する。このルールを適用できる
のは、前記重要度と確信度とが設定されているトピック
ネットである。ポインタが生成された日時を対話装置1
に記憶させ、生成日時から一定時間が経過したポインタ
をトピックネットから削除する。削除されたポインタに
関連するトピックの重要度、確信度を低下させる。削除
されたポインタに関連するトピックを含む対話パターン
には、−3点が付与される。削除されたポインタに関連
するトピックの割合が一定値を超える対話パターンに−
3点を付与しても良い。結果としては、新しいポインタ
に関連するトピックを含む対話パターンが優先されるよ
うになる。
【0077】ルールNo.20:データ登録日時の新しいト
ピックを使う。すなわち、対話情報の登録日時を対話装
置1に記憶させ、登録日時が新しい対話情報を含む対話
パターンに+2点を付与する。すなわち、データ登録日
時からの経過時間がより短い対話情報を含む対話パター
ンに+2点を付与する。例えば、経過時間が所定値を超
える対話情報の占める割合が一定値を超える場合に+2
点を付与することができる。新しい対話情報を含む対話
パターンを実行することにより、新鮮な情報に基づくホ
ットな対話が可能となる。
【0078】ルールNo.21:信頼できるトピックを使
う。すなわち、信頼性が高そうな登録者が関係するトピ
ックを含む対話パターンまたはそのようなトピックの割
合が一定以上の対話パターンに、+2点を提供する。こ
こで登録者とは、対話情報を入力した人または対話情報
を作成した人である。例えば、過去の対話で触れたトピ
ック群の中に、ある登録者Aにより登録された「ワイ
ン」が含まれているとする。この場合、登録者Aが登録
した別のトピック「醸造所」を含む対話パターンに、+
2点が付与される。登録者Aが登録したトピックをユー
ザが好むと推定できるからである。また例えば、生成し
た対話パターンの一つに含まれるトピック「ワイン」に
関し、世界的に有名なワインの権威者である登録者Bが
対話情報の一部を登録している場合、その対話パターン
を選択することが挙げられる。
【0079】ルールNo.22:話題が豊かである。すなわ
ち、システムメッセージのバリエーションが多い対話パ
ターンに、+4点が付与される。システムメッセージが
豊富な方へユーザを導くことにより、変化に富んだ対話
を実現することができる。 (2)対話パターンの生成 説明を容易にするため、トピックネットのリンクが連結
する2つのノードのうち、一方は上流側で他方は下流側
であることを表す場合を例にとる。対話パターンは、カ
レントノードよりも下流にあるノードやリンクだけでな
く、カレントノードよりも上流にあるノードやリンクの
システムメッセージ及びユーザメッセージを含んでいて
もよい。また、対話パターンにおける対話の進行方向
は、下流方向だけでなく、上流方向でもよい。さらに対
話の進行方向が、上流方向/下流方向へ、少なくとも1
回切り換わっていてもよい。図18は、カレントノード
からいったん上流方向へ向かい、その後下流方向に進行
する対話パターンを示す。前述したように、上流方向/
下流方向への切替を一度だけでなく何度も行う対話パタ
ーンの生成も可能である。
【0080】また対話パターンの中でポインタが増加す
る場合もある。図19は、1つの対話パターンの中でポ
インタが増加する場合を示す。この例では1つのポイン
タが生成される場合を示しているが、2つ以上のポイン
タを生成する対話パターンの生成も可能である。 (3)ルールによっては必要となる対話装置の機能 前述したように、評価基準として用いるルールに応じ、
対話装置1に付加される機能がある。以下にその例を挙
げて説明する。
【0081】(3−1)前記ルールNo.15を用いる
場合、トピックに禁止トピック変数が設定される。例え
ば、あるトピックを避けるようなユーザメッセージが選
択された場合、そのトピックの禁止トピック変数として
比較的高い値を設定する。また、ユーザメッセージの選
択履歴に基づいて、禁止トピック変数を設定しても良
い。例えば「ショッピングはいかがですか」というシス
テムメッセージを否定するユーザメッセージが選択され
ている場合、ショッピングに関連するトピックの禁止ト
ピック変数を比較的高い値に設定することができる。ま
たショッピングと観光とが両方とも否定されている場
合、両者に関連するトピックの禁止トピック変数は、一
方に関連するトピックに比して高く設定することができ
る。禁止トピック変数は、例えば0〜1までの数字や、
0から100までの数字などで表すことができる。
【0082】またコンピュータ処理を容易にするため
に、2つの値しか取らない禁止トピックフラグを用いて
もよい。例えば禁止トピックフラグの値が“0”であれ
ば禁止トピックではなく、“1”であれば禁止トピック
と判断できる。このフラグを“1”にするか否かの判断
は前述と同様である。禁止トピック変数に変えて重要度
や確信度を用いる場合は、重要度・確信度の値が低いト
ピックを、禁止トピックと見なすことが考えられる。 (3−2)前記ルールNo.16,17を用いる場合、ト
ピックネットに重要度や確信度が設定される。図20
は、重要度及び確信度をトピックネットに設定する機能
を有する対話装置1の機能ブロック図である。図21
は、重要度及び確信度が設定されたトピックネットの一
例を示す。なおこの例では、リンクは連結する2つのノ
ードが相対的に一般的か個別的かを示している。トピッ
クに対して重要度を設定することにより、そのトピック
をユーザがどれだけ重要視しているかを、トピックネッ
ト上で表すことができる。また、トピックの重要度に加
え確信度を設定することにより、重要度の確実性をトピ
ックネット上で表すことができる。重要度や確信度は、
0〜1までの数字や、0から100までの数字などで表
すことができる。以下では、重要度及び確信度をまとめ
てニーズ情報といい、0〜100までの数字で表す。
【0083】重要度や確信度は、ユーザと対話するセー
ルスマンやユーザ自身がGUI2を用いてトピック毎に
入力することにより設定される。あるトピックについて
入力された重要度や確信度は、他のトピックに伝播さ
れ、そのトピックの重要度や確信度として設定されても
よい。トピックの重要度や確信度が伝播することによ
り、これらの情報が直接入力されていないトピックにつ
いても、重要度や確信度を設定することが可能となる。
重要度や確信度の伝播方法としては、いくつか考えるこ
とができる。
【0084】図22は、重要度及び確信度の伝播方法の
一例を示す。図22は、トピックTP−5「ベネチア」
の重要度X、確信度Yが設定されると、そのトピックを
一般化したトピックTP−8「観光」の重要度X”、確
信度Y“を、もとのトピック「ベネチア」の重要度X及
び確信度Yと同一に設定することを示す(X=X”、Y
=Y“)。一般化したトピック「観光」は、もとのトピ
ック「ベネチア」の内容を含むからである。また、図2
2は、もとのトピックTP−5「ベネチア」を個別化し
たトピックTP−1「ベネチアングラス」及びトピック
TP−2「最新オートクチュール」の重要度X’及び確
信度Y’を、もとのトピック「ベネチア」の重要度X及
び確信度Yよりも低く設定することを示す(X’<X、
Y’<Y)。
【0085】重要度の伝播方法の一例について、図23
及び図24を用いてさらに詳しく説明する。図23は、
重要度の値がそのまま伝搬する例を示す。より具体的に
は、図23は、あるトピックTP−1「ベネチアングラ
ス」よりも一般的な全てのトピックTP−5、TP−
6、TP−8、TP−9に、トピック「ベネチア」に入
力された重要度及び確信度がそのまま伝播することを示
す。ここで、トピックTP−8「観光」、トピックTP
−9「買い物」は、元のトピックTP−1「ベネチアン
グラス」と直接リンクしていない。しかし、トピックT
P−1「ベネチアングラス」と直接リンクするトピック
TP−5「ベネチア」、トピックTP−6「ガラス製
品」を介し、トピック「ベネチア」の重要度及び確信度
がトピック「観光」及び「買い物」にそのまま伝播して
いる。
【0086】また、図23は、伝播した重要度及び確信
度が互いに重畳することを示す。例えば、トピックTP
−1「ベネチアングラス」とトピックTP−3「有名店
新作オートクチュール」とに入力された重要度は、それ
ぞれ伝播してトピックTP−9「買い物」で重畳する。
その結果、トピック「買い物」の重要度が、重畳の生じ
ないトピックTP−8「観光」よりも高くなる。具体例
として、トピックTP−1「ベネチアングラス」及びト
ピックTP−3「有名店新作オートクチュール」の重要
度が、それぞれ“60”及び“50”と入力された場合
を考える。トピックTP−9「買い物」には、重要度6
0と重要度50とが伝播する。その結果、トピックTP
−9「買い物」の重要度は、重要度60と50とが重畳
し、60及び50よりも高い値、例えば80になる。こ
うすることにより、断片的な重要度からそのユーザの要
望を一般化して捉えることが容易になる。この例では、
ユーザが「買い物」を重視していることが推測できる。
確信度についても同様に重畳した結果、元のトピック
「ベネチアングラス」の確信度50及び「有名店新作オ
ートクチュール」の確信度40のうち、高い方の値「5
0」を伝搬先トピックの確信度とすることができる。も
ちろん、元のトピックよりも高い値に設定しても良い。
【0087】伝搬した重要度や確信度の値を決定する他
の方法として、式を用いる方法が考えられる。例えば、
複数の個別的トピックが共通にリンクしている一般的ト
ピックの重要度Xを、下式(1)を用いて決定する方法
が挙げられる。 X=[1-(1-X1/100)(1-X2/100)(1-X3/100)・・・]×100 (1) ここで、X1, X2, X3・・・は、共通の一般的
トピックを有する複数の個別的トピックそれぞれの重要
度である。例えば、図23において、トピックTP−1
「ベネチアングラス」及びトピックTP−2「最新オー
トクチュール」に、それぞれ重要度60及び50が入力
されたとする。両トピックは共通の一般的トピックTP
−5「ベネチア」を有している。トピックTP−5「ベ
ネチア」の重要度X5は、以下のように算出される。確
信度についても同様にして式により算出することができ
る。
【0088】X5=[1-(1-60/100)(1-50/100)]×100=80 図24は、重要度及び確信度の値が低下しながら伝搬す
る例を示す。より具体的には、図24は、あるトピック
TP−5「ベネチア」よりも個別的なトピックTP−
1、トピックTP−2に、トピックTP−5「ベネチ
ア」に入力された重要度及び確信度が低下しながら伝播
することを示す。例えばトピックTP−5「ベネチア」
の重要度60及び確信度50は、トピックTP−1「ベ
ネチアングラス」に伝播することにより、それぞれ“3
0”及び“25”に低下している。同様に、トピックT
P−7「洋服」の重要度50及び確信度40は、トピッ
クTP−3「有名店新作オートクチュール」に伝播する
ことにより、それぞれ“25”及び“20”に低下して
いる。
【0089】また図24は、複数のトピックの重要度及
び確信度が指定された時に、それらに共通するより個別
的なトピックに伝播した重要度・確信度が重畳すること
を示す。例えば、トピックTP−5「ベネチア」の重要
度“60”とトピックTP−7「洋服」の重要度“5
0”が指定されたとする。この場合、両者に共通する個
別的トピックTP−2「最新オートクチュール」にそれ
ぞれの重要度が伝播し、重畳する。重畳することによ
り、トピックTP−2「最新オートクチュール」の重要
度が高まり、例えば“55”となって、このトピックの
重要性が明確になる。すなわち、重要度が入力されたト
ピックに共通する個別的トピックの重要度を高めること
により、その個別的トピックの重要性を浮かび上がらせ
ることができる。確信度についても同様に、複数のトピ
ックの確信度の値を伝搬及び重畳させることができる。
【0090】また、伝搬した重要度の値を決定するため
に確信度を用いてもよい。すなわち、図23や図24に
おいて、(確信度/100)により伝播する重要度の重
み付けを行ってもよい。例えば、図24において、トピ
ックTP−5「ベネチア」の重要度が60、確信度が5
0であれば、トピックTP−1「ベネチアングラス」の
重要度X1を、下式(2)のように算出することができ
る。 X1=60×50/100 (2) さらに、図23や図24に示すように伝播した重要度を
重畳する場合において、確信度で重み付けをしてもよ
い。例えば図24において、トピックTP−5「ベネチ
ア」の重要度“60”、確信度“50”、トピックTP
−7「洋服」の重要度“50”、確信度“40”に基づ
いて、トピックTP−2「最新オートクチュール」の重
要度を下式のように算出しても良い。これらの式は確信
度を用いた重要度の伝播や重畳の一例であり、必要に応
じた式を用いることはもちろんである。
【0091】 X2=(60×50+50×40)/(50+40) (3) 以上に述べた重要度の入力の受付及び重要度の伝播は、
図20に示す対話装置1の重要度処理部136により行
う。また、確信度の入力の受付及び確信度の伝搬は、図
20に示す対話装置の確信度処理部137により行う。
(3−3)前記ルールNo.20を用いる場合、トピック
ネットDB11への対話情報の登録日時をトピックネッ
トDB11に蓄積しておく。図25は、対話情報の登録
日時が蓄積されたトピックネットDB11の概念説明図
を示している。メッセージ単位で対話情報を登録・更新
できる対話装置1の場合、登録日時はメッセージ毎に蓄
積される。トピック又はリンク単位で対話情報を登録/
更新できる対話装置1の場合、登録日時はトピック毎ま
たはリンク毎に蓄積される。
【0092】(3−4)前記ルールNo.21を用いる場
合、トピックや対話情報に関連する登録者の識別子を、
これらと関連づけてトピックネットDB11に蓄積して
おく。図25は、トピックに関連する登録者の名前が蓄
積されたトピックネットDB11の概念説明図を示す。
登録者は、例えば対話情報を登録または作成した人や、
トピックに関係する人である。トピックに関係する人と
は、そのトピックに関する権威者、有名人などでも良い
し、歴史的、経済的、または社会的に関係のある人でも
良い。
【0093】(4)評価基準の適用例 次に評価基準の具体的な適用例について説明する。な
お、説明を容易にするために、以下では図17に例示す
るルールの一部に基づいて対話パターンを評価する場合
について説明するが、これらのルールや第1実施形態例
における評価基準のルールを必要に応じて組み合わせる
ことができることは言うまでもない。また、各ルールを
用いるために必要となる機能は対話装置1に備わってい
るとする。 (3−1)適用例1 適用するルール ルールNo.12:同じ発話を3回以上繰り返している
(−10) ルールNo.13:ポインタの数が4以上(−8) 説明を容易にするために、図26のトピックネットを用
いて購入するパソコンを決定する対話を例にとる。この
トピックネットのリンクは、リンクしている2つのトピ
ックの一方が他方より一般的であることを示している。
逆にいれば、トピックの一方が他方より個別的であるこ
とを表している。
【0094】[過去の対話] S01:いらっしゃいませ、何をお探しですか? U01:ノートPCを探しています。 S02:どういったものがご希望でしょうか? U02:出張で移動中に使えるものがいいです。 S03:他にはなにかご希望はございますか? U03:インターネットを使いたいです。
【0095】S04:他にはなにかご希望はございますか? U04:DVDが見られるといいですね。 上記の対話により、3つのポインタが、3つのトピック
「移動中に使う」、「ネットを使う」、及び「DVDを
見る」にそれぞれ位置するようになる。例えばトピック
「ネットを使う」から展開可能な対話パターンの一例と
して、下記の対話パターン1、2が生成される。ここで
は、一回先のメッセージからなる対話パターンを生成す
る例を示す。
【0096】[対話パターン1] S05:他にはなにかご希望はございますか? [対話パターン2] S05:出張は新幹線での移動が多いですか? 対話パターン1と対話パターン2とをルールNo.12
及びNo.13に基づいて比較した場合、対話パターン
1では過去に2回出力されているシステムメッセージを
含んでいる。また、対話パターン1は、新たに4つ目の
ポインタを発生させている。従って対話パターン1には
計−18点が付与され、結果として対話パターン2が選
択される。
【0097】(3−2)適用例2 適用するルール ルールNo.22:話題が豊かである(+4) 説明を容易にするため、図27のトピックネットを用い
て旅行先を決める対話を例に取り説明する。このトピッ
クネットのリンクは、一方のトピックが他方よりも一般
的であることを示している。逆に言えば、リンクは一方
のトピックが他方よりも個別的であることを示してい
る。
【0098】[過去の対話] S01:いらっしゃいませ、旅行先にヨーロッパはいかがで
しょう? U01:いいですね。 S02:イタリアでの観光はいかがですか? U02:いいですね。 上記のような過去の対話により、ポインタはトピック
「観光」のノードに移動する。このノードから展開可能
な対話パターンの一例として、下記の対話パターン1や
対話パターン2が生成される。ここでは、1回先のメッ
セージからなる対話パターンを生成する例を示す。
【0099】[対話パターン1] S03:歴史のある水路の街ベネチアはいかがでしょう? [対話パターン2] S03:「ローマの休日」の舞台となった街ローマはいかが
でしょう? 対話パターン1と対話パターン2とを前記ルールNo.
22に基づいて比較すると、他の都市よりもリンクの多
いトピック「ベネチア」を含む対話パターン2が選択さ
れることになる。
【0100】(3−3)適用例3 適用するルール ルールNo.14:双方のメッセージ量のバランスが崩
れている(-2) ルールNo.15:禁止トピックにつながる(-10) 説明を容易にするため、前記図27のトピックネットを
用い、前記適用例2の対話の続きが次のように行われた
と仮定する。 [過去の対話] S01:いらっしゃいませ、旅行先にヨーロッパはいかがで
しょう? U01:いいですね。
【0101】S02:イタリアでの観光はいかがですか? U02:いいですね。 S03:歴史のある水路の街ベネチアはいかがでしょう? U03:いいですね。 S04:ベネチアでゴンドラに乗るのはいかがでしょう? U04:船に弱いので絶対ダメです。 ユーザメッセージU04により、ポインタはトピック「ベ
ネチア」のノードに位置したままとなる。このノードか
ら展開可能な対話パターンの一例として、下記の対話パ
ターン1〜3が生成される。ここでは、3回先のメッセ
ージからなる対話パターンを生成する例を示す。
【0102】[対話パターン1] S05:他にイタリアで、何かしたいことはありますか? U05:イタリアの音楽に関するものが聞きたいですね。 S06:イタリアといえばカンツォーネが有名ですね。 [対話パターン2] S05:他にイタリアで、何かしたいことはありますか? U05:イタリアの音楽に関するものが聞きたいですね。
【0103】S06:イタリアでの本場のオペラ観劇はお勧
めです。 [対話パターン3] S05:では、レストランで名物のかに料理はどうでしょう
? U05:興味ありません。 S06:では、Aオペラ劇場でオペラ鑑賞はいかがでしょう
? ユーザメッセージU04が入力された時点で、システムメ
ッセージの量がユーザメッセージの量よりもかなり多く
なっている。そこで、双方のメッセージのバランスを改
善するために、ルールNo.14を適用して対話パター
ンが選択される。具体的には、ユーザメッセージの量が
少ない個別化選択質問に比して、ユーザメッセージの量
を増やしやすい個別化自由質問が多く含まれている対話
パターンが選択される。さらに、ユーザメッセージU04
により、ゴンドラに乗ることは触れてはいけないトピッ
クと解釈される。そこで、ゴンドラにつながる対話パタ
ーン以外のものが選択される。
【0104】前記対話パターン1、2、3を評価すると
次のようになる。対話パターン1は、個別化自由質問が
多い一方で、カンツォーネから禁止トピックの「ゴンド
ラ」につながるので、−10点が与えられる。対話パタ
ーン2は、禁止トピックにつながらない上に個別化自由
質問が多いので、減点されない。対話パターン3は、禁
止トピックは含まれていないが個別化選択質問が多く、
−2点が付与される。従ってこの場合は対話パターン2
が選択される。 (3−4)適用例4 適用するルール ルールNo.16:重要度が高いトピックに移動する
(+4) ルールNo.17:確信度が高いトピックに移動する
(+2) ルールNo.20:データ登録日時の新しいトピックを
使う(+2) 説明を容易にするため、前記図27のトピックネットを
用い、前記適用例3の対話の続きが次のように行われた
とする。またその結果、トピック「ベネチア」及びトピ
ック「オペラ」の重要度と確信度とが上昇してきている
とする。
【0105】[過去の対話] S01:いらっしゃいませ、旅行先にヨーロッパはいかがで
しょう? U01:いいですね。 S02:イタリアでの観光はいかがですか? U02:いいですね。 S03:歴史のある水路の街ベネチアはいかがでしょう? U03:いいですね。
【0106】S04:ベネチアでゴンドラに乗るのはいかが
でしょう? U04:船に弱いので絶対ダメです。 S05:他にイタリアで、何かしたいことはありますか? U05:イタリアの音楽に関するものが聞きたいですね。 S06:イタリアでの本場のオペラ観劇はお勧めです。 U06:いいですね。 この対話により、2つのポインタがトピック「ベネチ
ア」及びトピック「オペラ」の2つのノードにそれぞれ
位置する。これらのノードから展開可能な対話パターン
の一例として、下記の対話パターン1〜3が生成され
る。ここでは、1回先のメッセージからなる対話パター
ンを生成する例を示す。
【0107】[対話パターン1] S07:ベネチアのA劇場では、すばらしいオペラを楽しむ
ことができます。 [対話パターン2] S07:ベネチアのB劇場では、すばらしいオペラを楽しむ
ことができます。 [対話パターン3] S07:ローマのC劇場では、すばらしいオペラを楽しむこ
とができます。 各対話パターン1〜3は、ルールNo.16,17に基
づいて、次のように評価される。対話パターン1は、重
要度と確信度とが共に高いトピック「ベネチア」及び
「オペラ」の両方を含む。またA劇場に関する詳細デー
タは、同じベネチアのB劇場の詳細データよりも新し
い。従って対話パターン1には計+8点が付与される。
一方、対話パターン2は、更新日がより古いデータを用
いているため、6点が与えられる。一方、対話パターン
3は、ローマの重要度及び確信度が低いために、対話パ
ターン1及び2に比して低い評価値となる。従って、こ
の場合は対話パターン1が選択される。
【0108】(3−5)適用例5 適用するルール ルールNo.18:対話の方向が安定している(+2) ルールNo.21:信頼できるトピックを使う(+2) 説明を容易にするため、前記適用例4の対話に続き、対
話パターンが次のように生成されたとする。 [対話パターン1] S08:他にもベネチアではおいしい食事をお楽しみいただ
けます。
【0109】U08:ふむ。 S09:本格的イタリア・パスタである、イカスミ・スパゲ
ティはいかがですか。 U09:イカスミはちょっと・・・。 S10:ベネチアは他にも様々な工芸品でも有名です。 U10:ほう。 S11:例えば美しいベネチアン・グラスは皆様に愛されて
います。
【0110】[対話パターン2] S08:イタリアといえば様々なお買い物を楽しめますが、
いかがでしょうか? U08:いいですね。 S09:どういったものをお買いになりたいですか? U09:洋服を買いたいですね。 S10:それならば、世界的に有名な「最新オートクチュー
ル」のお店Rに行くのはいかがでしょう? U10:それはいいですね。
【0111】[対話パターン3] S08:イタリアといえば様々なお買い物を楽しめますが、
いかがでしょうか? U08:いいですね。 S09:どういったものをお買いになりたいですか? U09:洋服を買いたいですね。 S10:それならば、服飾評論家A氏が推薦する、「有名店
新作オートクチュール」のお店Qを見に行くのはいかが
でしょう? 対話パターン1では、対話の流れが、トピックネットの
一般化方向と個別化方向との間で頻繁に切り替わってい
る。そのため、ユーザにとって話の流れが分かりにく
く、盛り上がりに欠ける対話となってしまう。従って、
対話パターン1にはルールNo.18に基づくポイント
は付与されない。
【0112】対話パターン2及び3では、新しいポイン
タが生成され、そのポインタにより対話が進行する。そ
のため、ルールNo.18に基づいて+2点がそれぞれ
に付与される。また、対話パターン3は、有名服飾専門
家が薦めているオートクチュール店Qのトピックを含
む。これにより、ルールNo.21に基づいて対話パタ
ーン3にはさらに+2点が与えられる。従って、この例
では対話パターン3が選択される。 (3−6)適用例6 適用する評価ルール ルールNo.19:古いポインタに基づいてシステムメッセ
ージを出力する(-3) 説明を容易にするため、前記図27のトピックネットに
基づいて前記適用例5の対話がさらに進み、第1ポイン
タP−1が関係するベネチアやオペラの話とはまったく
無縁の話がしばらく継続していたとする。この場合、第
1ポインタP−1は削除され、トピック「ベネチア」や
トピック「オペラ」の重要度、確信度が低下する。さら
に、第2ポインタP−2による対話が行き詰まり、話を
変えようとしたとき、例えば次のような対話パターンが
生成される。
【0113】[対話パターン] S20:ところで、ベネチアではおいしい食事をお楽しみい
ただけます。 この対話パターンでは、結果として古い話を唐突に出し
てしまい、ユーザを混乱させる。そのため、ルールN
o.19に基づいて、前記対話パターンには−3点が付
与される。従って、このような対話パターンは選択され
にくくなる。 <その他の実施形態例> (A)前記第1及び第2実施形態例では、商品などの検
索を例に挙げたが、本発明は次のような用途に用いるこ
ともできる。例えば、車のナビゲーションシステムに、
本発明を適用することが挙げられる。ユーザは、出発地
と目的地とを入力し、途中でしたいこと、例えば「美術
館に寄る」、「食事をする」などをメニューから選択す
る。ナビゲーションシステムは、予め記憶されている道
路地図及びそこに埋め込まれている情報と、ユーザの要
望とに基づいて、システムメッセージを出力する。例え
ば「富士通美術館が○○にあります。この美術館は、日
本画の大家、富士通一郎の作品を展示しています。」、
「レストラン富士通はいかがですか?」と言ったシステ
ムメッセージを出力する。ユーザは、これに対し、応答
を選択する。これを繰り返すことにより、出発地から目
的地までのルートが決定され、そのルートに従ったナビ
ゲーションが実行される。
【0114】(B)前記第1実施形態例及び第2実施形
態例の評価基準として用いた各ルールは、トピックネッ
トの用途に応じて適宜組み合わせて用いることができ
る。また、トピックネットの用途に応じ、前期実施形態
例に記載していないルールを評価基準として用いること
ができる。 (C)前述した方法を実行するプログラム及びこのプロ
グラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体
は、本発明に含まれる。ここで、記録媒体としては、コ
ンピュータが読み書き可能なフレキシブルディスク、ハ
ードディスク、半導体メモリ、CD-ROM、DVD、光磁気
ディスク(MO)、その他のものが挙げられる。
【0115】
【発明の効果】本発明を用いれば、自然な文脈を有する
対話をコンピュータとユーザとの間で実行することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態例に係る対話システムの構成。
【図2】トピックネットの具体例を示す説明図。
【図3】対話履歴の一例を示す説明図。
【図4】図3の対話履歴の続きを示す説明図。
【図5】トピックネットの詳細を示す説明図。
【図6】図5のトピックネットにおけるトピック「イタ
リア」に対応付けられた対話情報の一例を示す説明図。
【図7】図5のトピックネットにおけるリンク「イタリ
ア→ローマ」に対応付けられた対話情報の一例を示す説
明図。
【図8】図5のトピックネットにおけるトピック「ロー
マ」に対応付けられた対話情報の一例を示す説明図。
【図9】複数のポインタが設定されたトピックネットの
説明図。
【図10】システムメッセージ及びユーザメッセージ並
びに対話履歴の表示例。
【図11】ユーザによるトピックの選択を受け付ける画
面例。
【図12】対話パターンの生成を示す説明図。
【図13】対話パターンの具体例を示す説明図。
【図14】評価基準の一例を示す説明図。
【図15】図14の評価基準による評価例を示す説明
図。
【図16】対話進行処理の流れの一例を示すフローチャ
ート。
【図17】評価基準の別の例を示す説明図。
【図18】対話パターンにおける進行方向が上流方向/
下流方向へ切り替わる説明図。
【図19】対話パターンにおいて新たなポインタが生成
されることを示す説明図。
【図20】別の実施形態例における対話装置の機能説明
図。
【図21】重要度及び確信度が設定されたトピックネッ
トの説明図。
【図22】重要度及び確信度の伝搬を示す説明図。
【図23】重要度及び確信度の伝搬と重畳とを示す説明
図。
【図24】重要度及び確信度の伝搬と重畳を示す説明
図。
【図25】登録日時及び登録者が蓄積されたトピックネ
ットDBの概念説明図。
【図26】トピックネットの一例を示す説明図。
【図27】トピックネットの別の一例を示す説明図。
【符号の説明】
1:対話装置 2:GUI 11:トピックネットDB(話題ネット記憶手段、対話
情報記憶手段) 12:評価基準DB 13:制御部 131:メッセージングモジュール(メッセージング手
段) 132:選択肢出力モジュール(選択肢出力手段) 133:選択受付モジュール(選択受付手段) 134:決定モジュール(決定手段) 135:反復モジュール(反復手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮田 亮介 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 (72)発明者 村上 公一 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 Fターム(参考) 5B091 CA14 CB01 CB21 CC01 CC15

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コンピュータと前記コンピュータのユーザ
    との間で対話を実行する対話方法であって、 複数の話題がリンクされた話題ネットを記憶する話題ネ
    ット記憶ステップと、 前記コンピュータ側からのメッセージとなるシステムメ
    ッセージの少なくとも1つと、前記システムメッセージ
    に対する前記ユーザ側からのメッセージとなるユーザメ
    ッセージの少なくとも1つと、前記話題ネット上の位置
    と前記システムメッセージ及び/または前記ユーザメッ
    セージの対応と、を含む対話情報を記憶する対話情報記
    憶ステップと、 前記対話での現在の話題を示す第1ポインタの前記話題
    ネット上での位置に基づいて、起こり得る対話のパター
    ンを生成するステップと、生成した前記対話パターンの
    中から少なくとも1つを選択するステップと、選択され
    た対話パターンに基づいてシステムメッセージを選択
    し、出力するステップとを含むメッセージングステップ
    と、 前記選択されたシステムメッセージの話題ネット上での
    位置に基づいて少なくとも1つのユーザメッセージを選
    択するステップと、前記選択されたユーザメッセージを
    出力するステップとを含む選択肢出力ステップと、 前記ユーザメッセージのいずれかの選択を受け付ける選
    択受付ステップと、 前記話題ネット上での前記第1ポインタの次の位置を決
    定する決定ステップと、 前記メッセージングステップと、前記選択肢出力ステッ
    プと、前記選択受付ステップと、前記決定ステップとを
    反復する反復ステップと、 を含む対話方法。
  2. 【請求項2】前記話題ネット中の任意の第1の話題と任
    意の第2の話題とを結ぶリンクは、前記第1の話題から
    前記第2の話題へ向かう第1の方向と、前記第2の話題
    から前記第1の話題へ向かう第2の方向とを定義してい
    る、請求項1に記載の対話方法。
  3. 【請求項3】前記第1ポインタとは独立に、前記話題ネ
    ット上の任意の位置に第2ポインタを新たに生成するポ
    インタ生成ステップと、 前記第1ポインタ及び第2ポインタのそれぞれについ
    て、前記メッセージングステップ、前記選択肢出力ステ
    ップ、前記選択受付ステップ、前記決定ステップ及び反
    復ステップを実行することにより、2つの対話を実行す
    る複数対話ステップと、 をさらに含む、請求項1に記載の対話方法。
  4. 【請求項4】前記ポインタ生成ステップは、前記メッセ
    ージングステップにおいて前記対話パターンの中から2
    つの対話パターンが選択された場合に前記第2ポインタ
    を生成し、一方の対話パターンに対して前記第1ポイン
    タを対応付け、他方の対話パターンに対して前記第2ポ
    インタを対応付ける、請求項3に記載の対話方法。
  5. 【請求項5】前記第1ポインタ及び第2ポインタの位置
    が一致した場合、両ポインタを1つのポインタに統合す
    ることにより、2つの対話を1つに統合する統合ステッ
    プをさらに含む、請求項3に記載の対話方法。
  6. 【請求項6】ユーザから少なくとも1つの話題の選択を
    受け付ける話題選択ステップと、 前記選択された話題の数に応じて少なくとも1つのポイ
    ンタを生成する生成ステップと、 生成された各ポインタについて、前記メッセージングス
    テップ、前記選択肢出力ステップ、前記選択受付ステッ
    プ、前記決定ステップ及び反復ステップを実行する話題
    平行ステップと、 をさらに含む、請求項1に記載の対話方法。
  7. 【請求項7】前記対話情報は、前記システムメッセージ
    または前記ユーザメッセージの種類を示すメッセージタ
    イプをさらに含み、 前記メッセージングステップは、前記メッセージタイプ
    に基づいて前記対話パターンを生成し、 前記選択肢出力ステップは、前記システムメッセージに
    対応するユーザメッセージのうち、前記システムメッセ
    ージのメッセージタイプに適合するメッセージタイプの
    ユーザメッセージを出力する、 請求項1に記載の対話方法。
  8. 【請求項8】前記対話パターンを評価するための評価基
    準を記憶する基準記憶ステップをさらに含み、 前記メッセージングステップは、前記評価基準に基づい
    て生成した対話パターンを評価し、評価結果に基づいて
    少なくとも1つの対話パターンを選択する、 請求項1に記載の対話方法。
  9. 【請求項9】過去に出力したシステムメッセージを記憶
    する履歴記憶ステップをさらに含み、 前記メッセージングステップは、生成した対話パターン
    を前記評価基準に基づいて評価し、過去に出力したシス
    テムメッセージと重複するシステムメッセージが少ない
    対話パターンを選択する、 請求項8に記載の対話方法。
  10. 【請求項10】前記話題ネット上の任意の位置に少なく
    とも1つの第2ポインタを新たに生成する第2生成ステ
    ップと、 前記第1ポインタ及び第2ポインタのそれぞれについ
    て、前記メッセージングステップ、前記選択肢出力ステ
    ップ、前記選択受け付けステップ、前記決定ステップ及
    び反復ステップを実行する第2複数対話ステップと、を
    さらに含み、 前記メッセージングステップは、生成した対話パターン
    を前記評価基準に基づいて評価し、前記対話パターンの
    うちポインタの総数がしきい値を超えない対話パターン
    を選択する、 請求項8に記載の対話方法。
  11. 【請求項11】前記メッセージングステップは、生成し
    た対話パターンを前記評価基準に基づいて評価し、シス
    テムメッセージの量とユーザメッセージの量との釣り合
    いがとれた対話パターンを選択する、請求項8に記載の
    対話方法。
  12. 【請求項12】ユーザが好まない話題であることを示す
    禁止トピック変数を、前記話題ネット中の話題に設定す
    る禁止トピック設定ステップをさらに含み、 前記話題ネット記憶ステップは、前記禁止トピック設定
    ステップで設定された禁止トピック変数を、前記話話題
    と関連づけてさらに記憶し、 前記メッセージングステップは、生成した対話パターン
    を前記評価基準に基づいて評価し、ユーザが好まない話
    題である禁止トピックを含まない対話パターンを選択す
    る、請求項8に記載の対話方法。
  13. 【請求項13】前記話題ネットにおける各話題のそれぞ
    れを前記ユーザがどれだけ重要視しているかを示す重要
    度を、前記話題ネット中の話題と関連づけて設定する重
    要度設定ステップをさらに含み、 前記対話情報記憶ステップは、前記重要度設定ステップ
    で設定された重要度を、前記話題と関連づけてさらに記
    憶し、 前記メッセージングステップは、生成した対話パターン
    に含まれる話題の重要度と前記評価基準とに基づいて対
    話パターンを選択する、請求項8に記載の対話方法。
  14. 【請求項14】前記話題ネットにおける各話題のそれぞ
    れを前記ユーザがどれだけ重要視しているかを示す重要
    度と、前記重要度がどれだけ確実かを示す確信度とを、
    前記話題ネット中の話題と関連づけて設定する変数設定
    ステップをさらに含み、 前記対話情報記憶ステップは、前記変数設定ステップで
    設定された重要度と確信度とを、前記話題と関連づけて
    さらに記憶し、 前記メッセージングステップは、生成した対話パターン
    に含まれる話題の重要度及び確信度と前記評価基準とに
    基づいて、対話パターンを選択する、請求項8に記載の
    対話方法。
  15. 【請求項15】前記話題ネット上の任意の位置に少なく
    とも1つの第2ポインタを新たに生成する第2生成ステ
    ップと、 ポインタの生成からの経過時間を監視して一定時間経過
    したポインタを削除し、削除されたポインタに関連する
    話題の前記重要度及び/または確信度を更新するか、ま
    たは一定時間経過したポインタを削除せずに前記ポイン
    タに関連する話題の前記重要度及び/または確信度を更
    新する更新ステップと、 前記第1ポインタ及び第2ポインタのそれぞれのうち残
    っているものについて、前記メッセージングステップ、
    前記選択肢出力ステップ、前記選択受け付けステップ、
    前記決定ステップ及び反復ステップを実行する第2複数
    対話ステップと、 をさらに含み、 前記メッセージングステップは、生成した対話パターン
    に含まれる話題の重要度及び確信度と前記評価基準とに
    基づいて対話パターンを選択する、請求項14に記載の
    対話方法。
  16. 【請求項16】前記話題ネット中の任意の第1の話題と
    任意の第2の話題とを結ぶリンクは、前記第1の話題か
    ら前記第2の話題へ向かう第1の方向と、前記第2の話
    題から前記第1の話題へ向かう第2の方向とを示してお
    り、 前記メッセージングステップは、生成した対話パターン
    を前記評価基準に基づいて評価し、前記第1ポインタの
    動きが第1の方向と第2の方向との間で所定の割合以上
    に頻繁に切り替わらない対話パターンを選択する、 請求項8に記載の対話方法。
  17. 【請求項17】前記対話情報記憶ステップは、前記対話
    情報が話題ネットに関連づけられた日時をさらに記憶
    し、 現在日時を計時し、前記記憶された日時から現在日時ま
    での経過時間を算出する経過時間算出ステップをさらに
    含み、 前記メッセージングステップは、生成した対話パターン
    を前記評価基準に基づいて評価し、前記経過時間のより
    短い対話情報が関連づけられた話題を含む対話パターン
    を選択する、請求項8に記載の対話方法。
  18. 【請求項18】前記メッセージングステップは、生成し
    た対話パターンを前記評価基準に基づいて評価し、前記
    対話パターンに含まれるシステムメッセージの数がより
    多い対話パターンを選択する、請求項8に記載の対話方
    法。
  19. 【請求項19】前記メッセージングステップは、システ
    ムメッセージ及びユーザメッセージからなり、システム
    メッセージ及びユーザメッセージの総数が所定数以上の
    対話パターンを生成する、請求項1に記載の対話方法。
  20. 【請求項20】コンピュータと前記コンピュータのユー
    ザとの間で対話を実行するための対話装置であって、 複数の話題がリンクされた話題ネットを記憶する話題ネ
    ット記憶手段、 前記コンピュータ側からのメッセージとなるシステムメ
    ッセージの少なくとも1つと、前記システムメッセージ
    に対する前記ユーザ側からのメッセージとなるユーザメ
    ッセージの少なくとも1つと、前記話題ネット上の位置
    と前記システムメッセージ及び/または前記ユーザメッ
    セージの対応と、を含む対話情報を記憶する対話情報記
    憶手段、 前記対話での現在の話題を示す第1ポインタの前記話題
    ネット上での位置に基づいて、起こり得る対話のパター
    ンを生成し、生成した前記対話パターンの中から少なく
    とも1つを選択し、選択された対話パターンに基づいて
    システムメッセージを選択し、これを出力するメッセー
    ジング手段、 前記選択されたシステムメッセージの話題ネット上での
    位置に基づいて少なくとも1つのユーザメッセージを選
    択し、前記選択されたユーザメッセージを出力する選択
    肢出力手段、 前記ユーザメッセージのいずれかの選択を受け付ける選
    択受付手段、 前記話題ネット上での前記第1ポインタの次の位置を決
    定する決定手段、及び前記メッセージング手段と、前記
    選択肢出力手段と、前記選択受付手段と、前記決定手段
    とを反復して機能させる反復手段、を備える対話装置。
  21. 【請求項21】コンピュータと前記コンピュータのユー
    ザとの間で対話を実行する対話プログラムであって、 複数の話題がリンクされた話題ネットを記憶する話題ネ
    ット記憶手段、 前記コンピュータ側からのメッセージとなるシステムメ
    ッセージの少なくとも1つと、前記システムメッセージ
    に対する前記ユーザ側からのメッセージとなるユーザメ
    ッセージの少なくとも1つと、前記話題ネット上の位置
    と前記システムメッセージ及び/または前記ユーザメッ
    セージの対応と、を含む対話情報を記憶する対話情報記
    憶手段、 前記対話での現在の話題を示す第1ポインタの前記話題
    ネット上での位置に基づいて、起こり得る対話のパター
    ンを生成し、生成した前記対話パターンの中から少なく
    とも1つを選択し、選択された対話パターンに基づいて
    システムメッセージを選択し、これを出力するメッセー
    ジング手段、 前記選択されたシステムメッセージの話題ネット上での
    位置に基づいて少なくとも1つのユーザメッセージを選
    択し、前記選択されたユーザメッセージを出力する選択
    肢出力手段、 前記ユーザメッセージのいずれかの選択を受け付ける選
    択受付手段、 前記話題ネット上での前記第1ポインタの次の位置を決
    定する決定手段、及び前記メッセージング手段と、前記
    選択肢出力手段と、前記選択受付手段と、前記決定手段
    とを反復して機能させる反復手段、 として前記コンピュータを機能させる対話プログラム。
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