JP2003252712A - 植物の生長調節剤及び生長調節法 - Google Patents

植物の生長調節剤及び生長調節法

Info

Publication number
JP2003252712A
JP2003252712A JP2002111224A JP2002111224A JP2003252712A JP 2003252712 A JP2003252712 A JP 2003252712A JP 2002111224 A JP2002111224 A JP 2002111224A JP 2002111224 A JP2002111224 A JP 2002111224A JP 2003252712 A JP2003252712 A JP 2003252712A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nahco
growth
plant
length
root
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002111224A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003252712A5 (ja
Inventor
Yutaka Matsugu
豊 真次
Koji Hasegawa
宏司 長谷川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SUPER BLAST SYSTEMS KK
Original Assignee
SUPER BLAST SYSTEMS KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by SUPER BLAST SYSTEMS KK filed Critical SUPER BLAST SYSTEMS KK
Priority to JP2002111224A priority Critical patent/JP2003252712A/ja
Priority to US10/483,044 priority patent/US20040248737A1/en
Publication of JP2003252712A publication Critical patent/JP2003252712A/ja
Publication of JP2003252712A5 publication Critical patent/JP2003252712A5/ja
Priority to US11/504,683 priority patent/US20070015663A1/en
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は植物の生長調節剤及びその調節法に
関し、更に詳しくは、地球環境に優しい物質を用いて植
物の生長を調節する技術に係るものである。 【解決手段】 NaHCO3 及び/又はKHCO3 を有
効主成分とすることを特徴とする植物の生長調節剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は植物の生長調節剤及
びその調節法に関するもので、更に詳しくは、地球環境
に優しい物質を用いて植物の生長を調節する技術に係る
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、植物の生長促進或いは抑制剤とし
て、植物ホルモン或いは植物生長促進剤や抑制剤等が種
々の作物の栽培に利用されている。さらに、植物ホルモ
ン以外にもフイチン酸、コリン等が知られている。しか
し、これらの物質は高価であり、使用に際して安価な物
質が望まれていた。又、一部の植物ホルモンは人体に対
して催奇生を有するものもあり、人体に対して安全な物
質が求められていた。
【0003】植物の生長促進剤に関しては従来より様々
な提案がなされているところ、その多くは化学合成され
た薬剤でありこれを希釈して散布する方法が主として採
用されていた。しかし、最近は堆肥や自然の有機肥料を
使用する有機農法が盛んになり、植物の生長促進剤にお
いても、土壌や環境面に影響を与えることのないものを
開発する試みがなされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、農薬
等における安全性の問題を回避し、かつ地球環境に配慮
しつつ植物の生長を調節する方法を提供するものであ
り、調節剤として全く新たな化合物を採用したものであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の要旨は、
NaHCO3 及び/又はKHCO3 を有効主成分とする
ことを特徴とする植物の生長調節剤に関するものであ
る。そして、場合によっては、植物ホルモン(好ましく
はオ−キシン)を有効成分として加えた植物の生長調節
剤を提供するものである。
【0006】そして本発明の第2の要旨は、植物の発芽
・生育床に0.003〜1重量%のNaHCO3 及び/
又はKHCO3 を含有させた植物の生長調節法に関する
ものである。そして、場合によっては、10-3〜10-7
Mの植物ホルモンを含有させた植物の生長調節法を提供
するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】既に提案しているように、本発明
者らは、重曹(NaHCO3 )を用いた植物の矮化法に
ついて開発を行っているところであり、重曹が水溶性で
人畜無害であり地球環境にやさしく比較的低コストで入
手できる点に着目したものである。しかるに、本発明者
らは種々研究を重ねた結果、全く意外にも植物に対して
重曹が植物の発芽・生長を促進する作用があることを見
出し、先の提案を更に発展させて本発明に到達したもの
であり、安価でしかも人体に対して安全な植物の生長調
節剤及び植物の生長調節法を提供することとなったもの
である。
【0008】本発明で用いる植物調節剤は水溶性のNa
HCO3 (重曹)及び/又はKHCO3 を有効主成分と
するものである。以下、重曹を中心に本発明を更に説明
するが、重曹は飽和水溶液でもほぼ中性(pH8.2)
なので、土質に影響を及ぼすことが殆んどない。又、植
物への処理後は雨とともに流れ去るので、地球環境に優
しく、悪影響を与えることなく処理することができるこ
とはいうまでもない。かかる重曹等は公知のものを使用
でき、本発明の目的から逸脱して環境に悪影響を与えな
い限り不純物を含んでいても良い。勿論、窒素、リン、
カリウム等植物の肥料成分と他の植物生長調節剤と併用
しても差し支えない。本発明で用いられる市販品の重曹
には、例えば商品名「ARMEX」、Church&D
wight Co.,Inc.があり、これには極く微
量のNa2 CO3 、Ca、Mg、SiO2 等が存在する
が、これらが共存していても植物調節剤としては何ら問
題がなく使用できる。勿論、本発明の重曹がこれに限定
されるものではない。KHCO3 についても重曹とほぼ
同様であって、地球環境へ与える影響は極めて少ない。
【0009】本発明の重曹等を水耕栽培時に水中に添加
して用いる場合、勿論、植物の種類によって処理濃度に
差があるが、その濃度は0.003〜1重量%、好まし
い範囲は0.01〜0.1重量%である。即ち、濃度は
高い範囲にあっては、植物の生育に対してこれを阻害す
る方向に働く因子として機能し、又、一定の範囲の濃度
であれば、植物の生長促進効果を期待できるものであっ
て、背丈も大きく、生長も速く、更には果実の大型化、
多実化の効果をもたらすこととなる。尚、濃度が濃過ぎ
ると、発芽しないという欠点があり、濃度が少な過ぎる
と効果は期待できない等の理由から濃度範囲が決定され
るものである。重曹とKHCO3 との併用も勿論可能で
あり、その割合は適用する植物によって適宜濃度を決め
ることになる。
【0010】本発明にあって、重曹やKHCO3 に対し
て植物ホルモンを併用することもまた好ましい手段であ
って、例えば、植物ホルモンのインドール−3−酢酸
(IAA)は比較的高濃度では生長を抑制するが、薄い
濃度(10-4〜10-7M程度)では生長促進作用が見ら
れる。この仕組みについては完全には解明されてはいな
いが、植物にはNa+ やK+ の流出入によって刺激され
る生長促進機能が、或いは生長促進ホルモンの活性化を
誘導する機能があるかも知れない。
【0011】使用される植物ホルモンとしてオ−キシン
が挙げられ、例えば2,4−D(2,4−ジクロロフェ
ノキシ酢酸)、IAA(インドール−3−酢酸)、IB
A(インドール−3−酪酸)、NAA(1−ナフタレン
酢酸)、2,4,5−T(2,4,5−トリクロロフェ
ノキシ酢酸)、ピクロラム(4−アミノ−3,5,6−
トリクロロピリジン−2−カルボン酸)、ダイカンバ
(3,6−ジクロロ−O−アニス酸)、ナフタレンアセ
トアミド、5−クロロ−1H−インダゾール−3−イル
酢酸エチル、MCPA(4−クロロ−O−トリルオキシ
酢酸)、2,3,6−TBA(2,3,6−トリクロロ
安息香酸)、ジクロルプロップ〔2−(2,4−ジクロ
ロフェノキシ)プロピオン酸〕、メコプロップ〔2−
(4−クロロ−2−メチルフェノキシ)プロピオン
酸〕、2,4−DB〔4−(2,4−ジクロロフェノキ
シ)酪酸〕、MCPB〔4−(4−クロロ−O−トリル
オキシ)酪酸〕、フェノプロップ〔2−(2,4,5−
トリクロロフェノキシ)プロピオン酸〕などをあげるこ
とができ、それを単独でまたは2種以上を組み合わせて
使用することができる。
【0012】またサイトカイニンとしては、例えばカイ
ネチン(6−フルフリルアミノプリン)、BA(ベンジ
ルアデニン)、4−PU(4−ピリジルフェニルウレ
ア)、ゼアチン〔4−ヒドロキシ−3−メチル(E)−
2−ブテニルアミノプリン〕、ジヒドロゼアチン(4−
ヒドロキシ−3−メチルブチルアミノプリン)、2−イ
ソペンテニルアデニン、2−イソペンテニルアデノシ
ン、トランスリボシルゼアチン〔6−(4−ヒドロキシ
−3−メチル−(E)−2−ブテニルアミノ)−9−β
−D−リボフラノシルプリン〕、CPPU〔N−(2−
クロロ−4−ピリジル)−N−フェニルウレア〕などを
あげることができ、それを単独でまたは2種以上を組み
合せて使用することができる。
【0013】その他の植物ホルモンとしては、たとえば
GA(シベレリン)、ABA(アブシジン酸)、ブラシ
ノステロイド、ジャスモン酸などがあげられる。
【0014】本発明の重曹等の使用方法は特に限定され
ないが、土壌潅注処理、水耕栽培の溶液への添加、種子
のコート、挿し木への処理等、植物生長調節剤の通常の
方法で用いられる。また、他の農薬、肥料と併用するこ
ともできることは言うまでもない。従って、土壌改良剤
としてもその効果は大きいものであり、後述するが、例
えば火山灰に重曹等を配合することによって土壌として
の改質効果をももたらすものである。
【0015】具体的な使用方法としては、重曹水溶液中
に植物の種子を浸漬し、次いで圃場あるいは培土に撒種
して植物を発芽・生成する方法であり、重曹を固定化し
た担体あるいはこれを含んだ培土と種子と混合し、つい
で圃場或いは培土に撒種する方法が取られ得る。
【0016】適用対象植物は特に限定されないが、例え
ばダイコン、ニンジン、ゴボウ等の根菜類;モヤシ、レ
タス、ハクサイ、コマツナ、イチゴ、メロン等の野菜
類;イネ、小麦、トウモロコシ等の穀物類;菊、ユリ、
ラン、バラ、パンジー、カーネション等の花弁類;高架
芝、野芝、ペントグラス等の芝類;エンドウ、大豆、ピ
ーナッツ等の豆類;スギ、ヒノキ、サツキ等の樹木類;
トマト、ナシ、ブドウ、リンゴ等の果樹類、オオイヌノ
フグリにて代表される雑草等が挙げられる。
【0017】
【実施例】以下に、実施例を示して本発明を具体的に説
明するが、これは単に例示の目的で述べるものであり、
本発明はこれらの実施例に限定されるものでない。 (1)NaHCO3 の効果 (実施例1・イネ・図1、図2)イネを用いて本発明
(NaHCO3 )を実証した。4.5cmのシャーレに
脱脂綿を敷き試験液10mlを入れた。そこに種子(1
0粒)を加え、4日間暗黒下23℃で育て、その後3日
間明所(約3000ルックス)23℃で培養した。各図
は左からNaHCO3 を有効主成分としたもので、対照
−コントロール(NaHCO3 の濃度が0%)、1%
(飽和水10%とした原液の1/10希釈)、0.3
%、0.1%、0.03%、0.01%、0.003%
である。
【0018】図1は夫々のシャーレ内の種子の状態を示
した図であり、図2は各々のシュ−ト(茎)の長さ及び
根の長さを比較した図であり、茎は各々5.3±0.3
mm、3.3±0.3mm、7.3±1.5mm、1
3.3±0.9mm、15.0±1.0mm、10.0
±0mm、11.0±1.0mmであり、根の長さは各
々10.3±1.8mm、0±0mm、2.3±0.3
mm、20.7±2.3mm、23.7±0.9mm、
18.0±9.7mm、32.0±9.3mmである。
尚、ラベルの長さは5mmである。
【0019】図1及び図2、更には各々の茎や根の長さ
にて分かる通り、濃度の濃い場合には生長が抑制され、
濃度の薄い場合には生長が促進することが分かる。
【0020】(実施例2・トマト・図3、図4)トマト
を用いて本発明(NaHCO3 )を実証した。図3は図
1と同様の各々のシャーレ内の芽生えの状態を示した図
であり、図4は図2と同様の各々の胚軸(茎)の長さ及
び根の長さを比較した図である。
【0021】茎は各々22.7±1.5mm、0±0m
m、14.7±0.3mm、41.3±1.9mm、4
6.0±1.5mm、39.3±1.5mm、30.0
±1.7mmであり、根の長さは各々55.0±1.2
mm、0±0mm、1.3±0.3mm、29.3±
1.8mm、60.7±8.1mm、26.3±3.7
mm、17.0±1.6mmである。尚、ラベルの長さ
は5mmである。
【0022】図3及び図4、更には各々の茎や根の長さ
にて分かる通り、濃度の濃い場合には生長が抑制され、
0.1%以下では生長が促進することが分かる。
【0023】(実施例3・レタス・図5、図6)レタス
を用いて本発明(NaHCO3 )を実証した。図5は図
1と同様の各々のシャーレ内の芽生えの状態を示した図
であり、図6は図2と同様の各々の茎の長さ及び根の長
さを比較した図である。
【0024】茎は各々17.3±0.3mm、0±0m
m、6.7±0.3mm、15.7±0.3mm、2
4.3±0.3mm、24.3±0.9mm、14.0
±0.6mmであり、根の長さは各々21.3±0.7
mm、0±0mm、3.7±0.3mm、11.0±
0.6mm、14.3±1.9mm、21.0±0.6
mm、18.7±4.7mmである。尚、ラベルの長さ
は5mmである。
【0025】図5及び図6更には各々の茎や根の長さに
て分かる通り、濃度の濃い場合には生長が抑制され、濃
度の薄い場合には生長が促進することが分かる。
【0026】(実施例4・ペレニアルライグラス・図
7、図8)ペレニアルライグラスを用いて本発明(Na
HCO3 )を実証した。図7は図1と同様の各々のシャ
ーレ内の種子の状態を示した図であり、図8は図2と同
様の各々のシュ−ト(茎)の長さ及び根の長さを比較し
た図である。
【0027】茎は各々25.3±0.9mm、0±0m
m、19.0±0.6mm、55.7±0.7mm、4
4.3±1.5mm、42.0±0.6mm、24.3
±0.3mmであり、根の長さは各々29.7±0.3
mm、0±0mm、4.7±0.3mm、28.0±
1.5mm、28.0±0.6mm、27.3±1.5
mm、25.3±0.9mmである。尚、ラベルの長さ
は5mmである。
【0028】図7及び図8、更には各々の茎や根の長さ
にて分かる通り、濃度の濃い場合には生長が抑制され、
濃度の薄い場合には生長が促進することが分かる。
【0029】(実施例5・ダイコン・図9)ダイコンを
用いて本発明(NaHCO3 )を実証した。図9は図2
と同様の各々の胚軸(茎)の長さ及び根の長さを比較し
た図である。
【0030】茎は各々60.3±1.9mm、0±0m
m、19.3±0.7mm、66.7±3.4mm、6
0.0±3.1mm、74.0±1.5mm、66.3
±4.1mmであり、根の長さは各々33.7±4.2
mm、0±0mm、7.3±1.3mm、22.0±
1.5mm、80.7±5.9mm、71.3±1.9
mm、37.0±1.5mmである。尚、ラベルの長さ
は5mmである。
【0031】図9、更には各々の茎や根の長さにて分か
る通り、濃度の濃い湯合には生長が抑制され、濃度の薄
い揚合には生長が促進することが分かる。
【0032】(2)KHCO3 及びNaHCO3 の併用
効果 (実施例6・オオイヌノフグリ・図10)オオイヌノフ
グリを用いて本発明(NaHCO3 +KHCO3 )を実
証した。図10は図1と同様の各々のシャーレ内の種子
の状態を示した図であり、各コントロ−ルを示す。図は
左からNaHCO3 を有効主成分としたもので、0%、
10%、3%、1%、0.3%、0.1%であり、更に
夫々の胚軸(茎)の長さ及び根の長さを示すものであ
る。
【0033】さて、図10に示すNaHCO3 の各濃度
に対してKHCO3 の濃度を変化させて実験を行った。
図示はしないが、NaHCO3 がO%で、KHCO3
濃度を変化させた場合、KHCO3 が1%の場合には茎
及び根の長さは0mmであったが、0.1%の場合には
夫々7mm、10mmとなり、NaHCO3 の0.1%
の場合の値とほぼ同じとなった。
【0034】次に、NaHCO3 の濃度が10%、3
%、1%、0.3%の場合、KHCO 3 の濃度を変化さ
せて(0.1〜10%)実験を行ったが、茎及び根の長
さは0mmであった。更に、NaHCO3 が0.1%の
場合につき同様の試験を行ったところ、KHCO3 10
〜1%では茎及び根の伸びはなかったが、0.1%にあ
っては、茎の長さが10mm、根の長さが18mmとな
った。これはコントロ−ル(図10)のNaHCO3
0.1%(茎:8mm、根:9mm)及びKHCO 3
0.1%(茎:7mm、根:10mm)よりも生長が著
しいものであり、両者の併用効果が実証された。
【0035】(実施例7・トマト・図11)トマトを用
いて本発明(NaHCO3 +KHCO3 )を実証した。
図11は図1と同様の各々のシャーレ内の種子の状態を
示した図であり、各コントロ−ルを示す。図は左からN
aHCO3 を有効主成分としたもので、0%、10%、
3%、1%、0.3%、0.1%であり、更に夫々の茎
の長さ及び根の長さを示すものである。
【0036】さて、図11に示すNaHCO3 の各濃度
に対してKHCO3 の濃度を変化させて実験を行った。
図示はしないが、NaHCO3 がO%で、KHCO3
濃度を変化させた場合、KHCO3 が1%の場合には茎
及び根の長さは0mmであったが、0.1%の場合には
夫々40mm、62mmとなり、NaHCO3 の0.1
%の場合の値以上の効果があることが判明した。
【0037】次に、NaHCO3 の濃度が10%、3%
の場合、KHCO3 の濃度を変化させて(0.1〜10
%)実験を行ったが、茎及び根の長さは0mmであっ
た。また、NaHCO3 が1%の場合につき同様の試験
を行ったところ、KHCO3 10%、0.1%では茎及
び根の伸びはなかったが、KHCO3 が1%にあって
は、茎の長さが11mm、根の長さが5mmとなった。
これはコントロ−ル(図11)のNaHCO3 1%
(茎:5mm、根:1mm)よりも大きな効果があるこ
とが分かる。更に、NaHCO3 0.1%にあって、K
HCO3 が10%の場合には茎及び根の伸びは0mmで
あったが、これが1%の場合には茎の長さが2mm、
0.1mmの場合には茎の長さが50mm、根の長さが
45mmとなり併用の効果は著しい。
【0038】(3)オ−キシンの併用効果 (実施例8・トマト・図12〜図14)トマトを用いて
本発明(オ−キシン併用)を実証した。尚、オ−キシン
としてインドール−3−酢酸(IAA)を用いた。IA
Aが10-4〜10-5Mの場合には、図示はしないが、夫
々茎の長さが20mm、23mm、根の長さが30m
m、41mmであった。しかるに、NaHCO3 との併
用の場合を検討するに、図12はNaHCO3 10%、
3%とIAAが10-3〜10-5Mの場合には茎、根はい
ずれも0mmであった。図13はNaHCO3 1%、
0.3%とIAAが10-3〜10-5Mの場合の写真であ
る。更に、図14はNaHCO3 が0.1%でIAAが
10-3〜10-5Mの場合の写真である。この図から両者
が特定の割合の場合には特に根がしっかりしたものとな
ることが判明した。以上、NaHCO3とIAAを併用
した場合、植物の生長を阻害したり、生長を促進したり
する併用効果が顕著であり、特に、NaHCO3 が0.
1%の場合、IAAの濃度が10 -4〜10-6M程度であ
れば、植物の生長に大きく寄与することが分かる。
【0039】(実施例9・オオイヌノフグリ・図15〜
図16)オオイヌノフグリを用いて本発明(オ−キシン
併用)を実証した。尚、オ−キシンとしてインドール−
3−酢酸(IAA)を用いた。IAAが10-4〜10-5
Mの場合には、図示はしないが、夫々茎の長さが8m
m、13mm、根の長さが11mm、22mmであっ
た。しかるに、NaHCO3 との併用の場合を検討する
に、NaHCO3 10%、3%とIAAが10-3〜10
-5Mの場合には茎、根はいずれも0mmであった。図1
5はNaHCO3 1%、0.3%とIAAが10-3〜1
-5Mの場合の写真である。更に、図16はNaHCO
3 が0.1%でIAAが10-3〜10-5Mの場合の写真
である。この図から、NaHCO3 とIAAを併用した
場合、植物の生長を阻害したり、生長を促進したりする
併用効果が顕著であることが分かる。
【0040】(実施例10・火山灰の改質)火山灰(北
海道:千歳産)にNaHCO3 を配合し、これにレタス
の芽生えを促したものである。コントロ−ル・1は、
4.5cmのシャーレに脱脂綿を敷き水10mlを入
れ、そこに種子(10粒)を加え、4日間暗黒下23℃
で育て、その後3日間明所(約3000ルックス)23
℃で培養した。茎及び根の長さは図17に示す通りであ
る。水のみの場合をコントロ−ルとしたが、茎及び根の
長さは24.1±1mm及び26.9±1.5mmであ
った。また、火山灰に水を加えた土壌(火山灰100
g:水28g)に対し、レタスを播種したもので、茎及
び根の長さは23.7±2.9mm及び17.1±2.
6mmであった。
【0041】しかるに、火山灰+NaHCO3 10%
(火山灰100g:重曹飽和溶液28g)の土壌にあっ
ては茎及び根の伸びは0mmであった。又、火山灰+N
aHCO3 1%(火山灰100g+NaHCO3 1%溶
液28g)の土壌にあっては茎及び根の長さは26.0
±1.5mm及び5.4±1.1mmであった。更に、
火山灰+NaHCO3 0.1%(火山灰100g:Na
HCO3 0.1%溶液28g)の土壌にあっては茎及び
根の伸びは33.4±1.1mm及び21.1±0.8
mmであった。
【0042】この結果より、NaHCO3 を土壌に加え
ることにより植物の生長に寄与することとなり、シラス
等の火山灰、赤土の改質が可能となったものである。勿
論、NaHCO3 単独のみならずKHCO3 との併用、
更には植物ホルモンとの併用によって土壌改質ができる
ことは言うまでもない。
【0043】
【発明の効果】本発明の植物調節剤は以上のような大き
な効果があり、しかもその入手も簡単であり、しかも土
壌に悪影響がなく環境にも優しいという特徴があり、そ
の有用性は高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はシャーレ内のイネの芽生えの状態を示し
た図(写真)である。
【図2】図2は図1の芽生えの茎及び根の長さを比較し
た図(写真)である。
【図3】図3はシャーレ内のトマトの芽生えの状態を示
した図(写真)である。
【図4】図4は図3の芽生えの茎及び根の長さを比較し
た図(写真)である。
【図5】図5はシャーレ内のレタスの芽生えの状態を示
した図(写真)である。
【図6】図6は図5の芽生えの茎及び根の長さを比較し
た図(写真)である。
【図7】図7はシャーレ内のベレニアルライダラスの芽
生えの状態を示した図(写真)である。
【図8】図8は図7の芽生えの茎及び根の長さを比較し
た図(写真)である。
【図9】図9はダイコンの芽生えの茎及び根の長さを比
較した図(写真)である。
【図10】図10はNaHCO3 におけるオオイヌノフ
グリのコントロ−ルとしての芽生えの茎及び根の長さを
比較した図(写真)である。
【図11】図11はNaHCO3 におけるトマトのコン
トロ−ルとしての芽生えの茎及び根の長さを比較した図
(写真)である。
【図12】図12はNaHCO3 とオ−キシンの併用の
際のトマトの芽生えの茎及び根の長さを比較した図(写
真)である。
【図13】図13はNaHCO3 とオ−キシンの併用の
際のトマトの芽生えの茎及び根の長さを比較した別例の
図(写真)である。
【図14】図12はNaHCO3 とオ−キシンの併用の
際のトマトの芽生えの茎及び根の長さを比較した更に別
例の図(写真)である。
【図15】図15はNaHCO3 とオ−キシンの併用の
際のオオイヌノフグリの芽生えの茎及び根の長さを比較
した図(写真)である。
【図16】図16はNaHCO3 とオ−キシンの併用の
際のオオイヌノフグリの芽生えの茎及び根の長さを比較
した別例の図(写真)である。
【図17】図17は火山灰を用いたNaHCO3 のレタ
スの芽生えの茎及び根の長さを比較した別例の図(写
真)である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 NaHCO3 及び/又はKHCO3 を有
    効主成分とすることを特徴とする植物の生長調節剤。
  2. 【請求項2】 植物ホルモンを有効成分として加えた請
    求項1記載の植物の生長調節剤。
  3. 【請求項3】 植物ホルモンがオ−キシンである請求項
    2記載の植物の生長調節剤。
  4. 【請求項4】 植物の発芽・生育床に対し、0.003
    〜1重量%のNaHCO3 及び/又はKHCO3 を含有
    させた植物の生長調節法。
  5. 【請求項5】 10-3〜10-7Mの植物ホルモンを含有
    させた請求項4記載の植物の生長調節法。
  6. 【請求項6】 植物ホルモンがオ−キシンである請求項
    5記載の植物の生長調節剤。
JP2002111224A 2001-07-10 2002-04-12 植物の生長調節剤及び生長調節法 Pending JP2003252712A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002111224A JP2003252712A (ja) 2001-12-28 2002-04-12 植物の生長調節剤及び生長調節法
US10/483,044 US20040248737A1 (en) 2001-07-10 2002-07-10 Growth regulator and process for growth regulation of plant
US11/504,683 US20070015663A1 (en) 2001-07-10 2006-08-16 Growth regulator and process for growth regulation of plant

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001-399226 2001-12-28
JP2001399226 2001-12-28
JP2002111224A JP2003252712A (ja) 2001-12-28 2002-04-12 植物の生長調節剤及び生長調節法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003252712A true JP2003252712A (ja) 2003-09-10
JP2003252712A5 JP2003252712A5 (ja) 2004-12-24

Family

ID=28677360

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002111224A Pending JP2003252712A (ja) 2001-07-10 2002-04-12 植物の生長調節剤及び生長調節法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003252712A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013532173A (ja) * 2011-03-02 2013-08-15 中国水▲稲▼研究所 水稲の機械的移植のトレー育苗用発根剤及びその使用方法
KR20140023933A (ko) 2011-03-17 2014-02-27 히로지 야나모토 발아 곡물, 그 제조 방법 그리고 그것을 함유하는 식품 및 bdnf 생성 촉진제

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013532173A (ja) * 2011-03-02 2013-08-15 中国水▲稲▼研究所 水稲の機械的移植のトレー育苗用発根剤及びその使用方法
KR20140023933A (ko) 2011-03-17 2014-02-27 히로지 야나모토 발아 곡물, 그 제조 방법 그리고 그것을 함유하는 식품 및 bdnf 생성 촉진제
US9775370B2 (en) 2011-03-17 2017-10-03 Hiroji Yanamoto Sprouted cereal, method for manufacturing same, food product containing same, and BDNF production accelerator
US10849344B2 (en) 2011-03-17 2020-12-01 Hiroji Yanamoto Sprouted cereal, method for manufacturing same, food product containing same, and BDNF production accelerator

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5389677B2 (ja) 植物成長調整剤組成物
JPH04338305A (ja) 植物成長促進剤
JP2014510086A (ja) オーキシン植物成長調整剤
CN101754679B (zh) 植物中金属成分的吸收促进剂
JPH0753487A (ja) 植物成長調節剤
KR100612641B1 (ko) 천연광물을 이용한 채소의 재배방법
Malakar et al. Effect of growing media and plant growth regulators on rooting of different types of stem cuttings in acid-lime cv. Kagzi
JP2022097560A (ja) 植物の灌水量の低減剤、及び植物の灌水量を低減する方法
Meena A review: role of plant growth regulators in vegetable production.
JP2014503498A (ja) 植物成長増強混合物及び該混合物の適用方法
JP2003252712A (ja) 植物の生長調節剤及び生長調節法
Setiaji et al. In vitro propagation of Vanda orchid: a review
JPH10182317A (ja) 植物根の生育促進剤
JP6706949B2 (ja) 不定根発生誘導剤及び根系発達促進剤
JP6679490B2 (ja) 不定根発生誘導剤及び根系発達促進剤
US20070015663A1 (en) Growth regulator and process for growth regulation of plant
JPH08225408A (ja) 植物のクロロフィル含量向上方法
JP2003252712A5 (ja)
Kumar et al. Panchgavya: a boon in liquid fertilizer for organic farming
Mitra et al. Sustainable guava production in West Bengal, India
EP0220514B1 (en) Composition for increasing the quantity and quality of fruits and flowers of plants
Yadav et al. Effect of foliar application of N and Zn on growth and yield of cauliflower (Brassica oleracea var. botrytis L.) cv. Snowball
JP2001192312A (ja) 植物成長促進剤
Pandey et al. Review on application of plant growth regulators in different vegetable crops
JPH04217603A (ja) 抽苔抑制剤および抽苔抑制方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20031217

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040128

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040128

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Effective date: 20060126

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Effective date: 20060203

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20060131

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20060203

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20060330

A072 Dismissal of procedure

Effective date: 20060808

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A073

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20071114

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Effective date: 20080326

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02