JP2003252600A - パワーアシスト装置 - Google Patents

パワーアシスト装置

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JP2003252600A
JP2003252600A JP2002058288A JP2002058288A JP2003252600A JP 2003252600 A JP2003252600 A JP 2003252600A JP 2002058288 A JP2002058288 A JP 2002058288A JP 2002058288 A JP2002058288 A JP 2002058288A JP 2003252600 A JP2003252600 A JP 2003252600A
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Japan
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predetermined
speed
moving speed
viscosity coefficient
force
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JP2002058288A
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English (en)
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Yoshiatsu Ikeura
良淳 池浦
Hisashi Nakamura
久 中村
Hirohito Minoshima
博仁 蓑島
Kazumi Ota
和美 太田
Tomohiro Honda
朋寛 本田
Yuko Matsuda
祐子 松田
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Mie University NUC
Toyoda Koki KK
Original Assignee
Mie University NUC
Toyoda Koki KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 操作感を向上し得るパワーアシスト装置を提
供する。 【解決手段】 パワーアシスト装置20では、制御装置
60により求められるアシスト力Fは、運動方程式;F
= mV ×a + c×v + k×xによって求められ、
粘性係数cは、ワークWの移動速度vに基づいて定めら
れている。これにより、ワークWの移動速度vの増加ま
たは減少に伴って粘性係数cを減少または増加、ひいて
は「人間の剛性」およびその変化に対応させたインピー
ダンス制御を行うことができる。そのため、制御装置6
0により、操作者Mの腕のインピーダンス変化に倣って
アシスト力Fを求めることができるので、操作者Mの腕
の剛性変化に合わせたアシスト力Fの制御により操作者
Mを補助することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、移動または姿勢変
更の対象となる物体を操作する者の操作力に基づいてア
シスト力を発生させ、当該操作者を補助するパワーアシ
スト装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】移動または姿勢変更の対象となる物体を
操作する者(以下「操作者」という)の操作力に基づい
てアシスト力を発生させ、当該操作者を補助するパワー
アシスト装置として、例えば、操作者による物体の操作
力をフォースセンサ等により検出し、この検出した操作
力に定数を乗じてアシスト力を求め、これに相当するア
シストトルクを発生するようにモータを駆動制御するも
のがある。
【0003】しかし、このような制御方法によるパワー
アシスト装置では、モータに発生させるアシスト力は、
操作者の操作力に定数を乗じただけの単純なものであ
る。そのため、移動等をさせようとする物体の質量等に
一切関係なく、どのような状態の物体でも同じアシスト
力で操作者を補助するので、操作感が悪いという印象を
与えていた。
【0004】このような問題を解決する方策の一つとし
て、インピーダンス制御による制御方法が知られてい
る。インピーダンス制御は、移動等をさせようとする物
体を、その質量m、粘性係数c、ばね係数kを用いた運
動方程式;F = m×a + c×v + k×xによりモ
デル化することにより、モータに発生させるアシスト力
Fを制御するものである。そして、このようなインピー
ダンス制御には、位置または速度をベースに制御するも
のと、力をベースに制御するものとがあるが、制御アル
ゴリズムの容易さから、一般には位置または速度をベー
スに制御される場合が多い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本願発
明者らの研究により、前述したインピーダンス制御によ
っても、次のような問題のあることが判明した。例え
ば、移動中の物体を所定位置に位置決めして載置するよ
うな位置決操作の場合、一般に、移動中の物体が位置決
め予定位置に近づくと、操作者は当該物体を持った腕に
力を入れて所定の位置に物体を停止させようと試みる。
そのため、当該操作者の腕ないしは全身の筋肉がさらに
緊張することから、いわゆる「人間の剛性」が変化して
より高まる。即ち、人間の腕は、筋肉がリラックスして
いる場合に剛性が低く、筋肉が緊張している場合には剛
性が高い。したがって、両手に物体を持った人間が、そ
の物体を所定の位置に位置決めしようとしている場合に
は、移動中の場合よりも筋肉の緊張が増すので、人間の
腕の剛性がより高くなるようにその剛性が変化するもの
と考えられる。
【0006】ところが、従来のパワーアシスト装置で
は、操作者が単に物体を楽に運ぶことをその主目的とし
ているため、インピーダンス制御をしているものの、
「人間の剛性」やその変化までは考慮されていない。そ
のため、物体の移動途中においては当該物体を楽に運ぶ
ことはできても、いざ所定の位置に位置決めしようとし
たときにも「人間の剛性」やその変化を考慮することの
ないアシストが継続されることになるので、予定した位
置に物体を位置決めしようとしても、操作者はパワーア
シスト装置に引っ張られるような感覚を受ける。つま
り、意図した位置に位置決めし難いことから、従来のパ
ワーアシスト装置では、物体の移動途中における操作感
を向上させることはできても、位置決め時の操作感を向
上させるには至っていないという問題がある。
【0007】本発明は、上述した課題を解決するために
なされたものであり、その目的とするところは、操作感
を向上し得るパワーアシスト装置を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段および発明の作用・効果】
上記目的を達成するため、請求項1のパワーアシスト装
置では、移動または姿勢変更の対象となる物体を操作す
る者の操作状態を検出する操作状態検出手段と、前記操
作状態検出手段により検出された前記操作状態に基づい
て、前記物体の操作をアシストし得るアシスト力Fを求
める演算手段と、前記演算手段により求められたアシス
ト力Fを発生する駆動手段と、を備えたパワーアシスト
装置であって、前記アシスト力Fは、前記物体の実際の
質量mR に対する前記駆動手段に係る仮想質量mV 、前
記物体の加速度a、前記駆動手段に係る粘性係数c、前
記物体の移動速度v、前記駆動手段に係るばね係数k、
前記物体の位置xであるとき、運動方程式;F = mV
×a + c×v + k×xによって求められ、前記粘性
係数cは、前記物体の移動速度vに基づいて定められて
いることを技術的特徴とする。
【0009】請求項1の発明では、演算手段により求め
られるアシスト力Fは、運動方程式;F = mV ×a
+ c×v + k×xによって求められ、当該粘性係数
cは、物体の移動速度vに基づいて定められている。こ
れにより、演算手段により求められるアシスト力Fは、
物体の移動速度vに基づいて定められている粘性係数c
を用いて運動方程式;F = mV ×a + c×v + k
×xによって求められるため、物体の移動速度vの増加
または減少に伴って粘性係数cを減少または増加、ひい
ては「人間の剛性」およびその変化に対応させたインピ
ーダンス制御を行うことができる。そのため、演算手段
により、操作者の腕のインピーダンス変化に倣ってアシ
スト力Fを求めることができるので、操作者の腕の剛性
変化に合わせたアシスト力Fの制御により操作者を補助
することができる。したがって、操作感を向上し得る効
果がある。
【0010】また、請求項2のパワーアシスト装置で
は、請求項1において、前記粘性係数cは、前記物体の
移動速度vの増加に伴って減少し、前記物体の移動速度
vの減少に伴って増加するように、定められていること
を技術的特徴とする。
【0011】請求項2の発明では、演算手段により求め
られるアシスト力Fは、運動方程式;F = mV ×a
+ c×v + k×xによって求められ、当該粘性係数
cは、物体の移動速度vの増加に伴って減少し、物体の
移動速度vの減少に伴って増加するように、定められて
いる。これにより、演算手段により求められるアシスト
力Fは、物体の移動速度vの増加に伴って減少し、物体
の移動速度vの減少に伴って増加するように定められて
いる粘性係数cを用いて運動方程式;F = mV×a +
c×v + k×xによって求められる。
【0012】つまり、物体の移動速度vの増加に伴って
粘性係数cが減少するため、物体の加速時には演算され
たアシスト力Fが大きくなり、大きなアシスト力Fによ
り操作者を補助する。これに対し、物体の移動速度vの
減少に伴って粘性係数cが増加するため、物体の減速時
には演算されたアシスト力Fが小さくなり、小さなアシ
スト力Fにより操作者を補助する。これにより、例えば
物体の移動開始時には、当該物体を加速させる操作者の
腕の剛性変化(低い→高い)に合わせて大きなアシスト
力Fにより操作者を補助するので、物体の移動操作が楽
にできるような感覚を当該操作者に与えることができ
る。また、例えば物体の位置決め時には、当該物体を減
速させる操作者の腕の剛性変化(高い→低い)に合わせ
て小さなアシスト力Fにより操作者を補助するので、物
体の位置決操作が違和感なくできるような感覚を当該操
作者に与えることができる。したがって、操作感を向上
し得る効果がある。
【0013】さらに、請求項3のパワーアシスト装置で
は、請求項1において、任意の目標位置に前記物体を位
置決めする状態における粘性係数cS は、前記位置決め
する状態における前記物体の移動速度vS よりも速い移
動速度vF 時の粘性係数cFよりも、大きな値に設定さ
れていることを技術的特徴とする。
【0014】請求項3の発明では、演算手段により求め
られるアシスト力Fは、運動方程式;F = mV ×a
+ c×v + k×xによって求められ、当該粘性係数
cは、任意の目標位置に物体を位置決めする状態におけ
る粘性係数cS が、位置決めする状態における物体の移
動速度vS よりも速い移動速度vF 時の粘性係数cF
りも、大きな値に設定されている。これにより、演算手
段により求められるアシスト力Fは、任意の目標位置に
物体を位置決めする状態における粘性係数cS が、位置
決めする状態における物体の移動速度vS よりも速い移
動速度vF 時の粘性係数cF よりも、大きな値に設定さ
れている粘性係数cを用いて運動方程式;F = mV ×
a + c×v + k×xによって求められる。
【0015】つまり、任意の目標位置に物体を位置決め
する状態では、位置決めする状態における物体の移動速
度vS よりも速い移動速度vF 時の粘性係数cF より
も、大きな値に粘性係数cS が設定されているので、物
体の位置決め時には演算されたアシスト力Fが小さくな
り、小さなアシスト力Fにより操作者を補助する。これ
により、物体の位置決め時には、当該物体を減速させる
操作者の腕の剛性変化(高い→低い)に合わせて小さな
アシスト力Fにより操作者を補助するので、物体の位置
決操作が違和感なくできるような感覚を当該操作者に与
えることができる。したがって、操作感を向上し得る効
果がある。
【0016】また、請求項4のパワーアシスト装置で
は、請求項1において、前記粘性係数cは、前記物体の
移動速度vが所定速度より増加した場合、所定期間内に
第1の所定値から第2の所定値に減少し、前記物体の移
動速度vが前記所定速度よりも減少した場合、前記所定
期間内に前記第2の所定値から前記第1の所定値に増加
するように、定められていることを技術的特徴とする。
【0017】請求項4の発明では、演算手段により求め
られるアシスト力Fは、運動方程式;F = mV ×a
+ c×v + k×xによって求められ、当該粘性係数
cは、物体の移動速度vが所定速度より増加した場合、
所定期間内に第1の所定値から第2の所定値に減少し、
物体の移動速度vが所定速度よりも減少した場合、所定
期間内に第2の所定値から第1の所定値に増加するよう
に、定められている。これにより、演算手段により求め
られるアシスト力Fは、物体の移動速度vが所定速度よ
り増加した場合、所定期間内に第1の所定値から第2の
所定値に減少し、物体の移動速度vが所定速度よりも減
少した場合、所定期間内に第2の所定値から第1の所定
値に増加するように定められている粘性係数cを用いて
運動方程式;F = mV ×a + c×v + k×xによ
って求められる。
【0018】つまり、物体の移動速度vが所定速度より
増加した場合、所定期間内に第1の所定値から第2の所
定値に粘性係数cが減少するため、粘性係数cを時間的
制限なく適当に減少させる場合に比べて、瞬時に減少す
る人間の腕のインピーダンス変化に倣った粘性係数cの
減少制御ができる。これにより、物体の加速時には、操
作者の腕のインピーダンス変化に倣って減少制御された
粘性係数cを用いて前記運動方程式により求めたアシス
ト力Fで操作者を補助する。これに対し、物体の移動速
度vが所定速度よりも減少した場合、所定期間内に第2
の所定値から第1の所定値に粘性係数cが増加するた
め、粘性係数cを時間的制限なく適当に増加させる場合
に比べて、瞬時に増加する人間の腕のインピーダンス変
化に倣った粘性係数cの増加制御ができる。これによ
り、物体の減速時には、操作者の腕のインピーダンス変
化に倣って増加制御された粘性係数cを用いて前記運動
方程式により求めたアシスト力Fで操作者を補助する。
したがって、操作者の腕の剛性変化に合わせたアシスト
力Fの制御により操作者を補助することができるので、
操作感をさらに向上し得る効果がある。
【0019】さらに、請求項5のパワーアシスト装置で
は、請求項4において、前記所定速度は、前記物体の移
動速度vが増加した場合に比較するものを第1の所定速
度とし、前記物体の移動速度vが減少した場合に比較す
るものを第2の所定速度とし、両所定速度は、前記第1
の所定速度が前記第2の所定速度よりも大きい関係にあ
ることを技術的特徴とする。
【0020】請求項5の発明では、演算手段により求め
られるアシスト力Fは、運動方程式;F = mV ×a
+ c×v + k×xによって求められ、当該粘性係数
cは、物体の移動速度vが第1の所定速度より増加した
場合、所定期間内に第1の所定値から第2の所定値に減
少し、物体の移動速度vが第2の所定速度よりも減少し
た場合、所定期間内に第2の所定値から第1の所定値に
増加するように、定められている(第1の所定速度>第
2の所定速度)。これにより、物体の移動速度vが増加
した場合に比較する第1の所定速度と、物体の移動速度
vが減少した場合に比較する第2の所定速度と、が異な
り、両所定速度は第1の所定速度が第2の所定速度より
も大きい関係にあることから、物体の移動速度vの増減
に対する粘性係数cの変化にヒステリシス特性を持たせ
ることができる。そのため、単一の所定速度に対して物
体の移動速度vを比較する場合よりも、当該所定速度の
近傍前後において安定した粘性係数cの切り替えを行う
ことができる。したがって、操作感を一層向上し得る効
果がある。
【0021】また、請求項6のパワーアシスト装置で
は、請求項1〜5のいずれか一項において、前記物体の
質量mR を測定する質量測定手段をさらに備え、前記質
量測定手段により測定された前記物体の質量mR に基づ
いて、前記仮想質量mV を増加または減少させることを
技術的特徴とする。
【0022】請求項6の発明では、質量測定手段により
測定された物体の質量mR に基づいて、仮想質量mV
増加または減少させるので、運動方程式;F = mV ×
a+ c×v + k×xから、演算手段により求められ
るアシスト力Fを当該仮想質量mV の増減によって、増
加または減少させることができる。これにより、移動ま
たは姿勢変更の対象である物体の質量mR に基づいて
も、操作者を補助するアシスト力Fを変更することがで
きる。したがって、操作感をより一層向上し得る効果が
ある。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明のパワーアシスト装
置の実施形態を各図に基づいて説明する。まず、図1〜
図4を参照して本実施形態に係るパワーアシスト装置2
0の機械的な構成を説明する。
【0024】本パワーアシスト装置20は、主に、フレ
ーム部、駆動部、移動部40、操作部50および制御装
置60から構成されており、移動または姿勢変更の対象
となるワークWを操作する操作者Mの操作力に基づいて
アシスト力を発生させ、当該操作者Mを補助する機能を
有するものである。なお、図1には、操作者Mが、操作
部50に設けられたハンド57で物体としてのワークW
を把持し、本パワーアシスト装置20によりワークWを
作業台Ta上から作業台Tb上に移動させようとしてい
る様子が示されている。
【0025】図1に示すように、フレーム部は、パワー
アシスト装置20の枠組みを構成するもので、グランド
面Gに対し略鉛直方向に立設された4本のハリ21a、
21b、21c、21dと、グランド面Gに対し水平方
向にハリ21a、21b、21c、21dに架けられた
4本のレール22a、22b、22c、22dと、によ
り門型のフレームを構成し、それぞれ相互に連結させて
いる。
【0026】なお、本実施形態において、ハリ21a、
21b間に架けられるレール22aあるいはハリ21
c、21d間に架けられるレール22cの長手方向をx
方向、ハリ21b、21c間に架けられるレール22b
あるいはハリ21a、21d間に架けられるレール22
dの長手方向をy方向とする。またグランド面Gに対し
鉛直方向をz方向とする。
【0027】図1および図2に示すように、駆動部は、
モータ31a、31b、31c、シャフト32a、32
b、32c、32d、ギヤ33、ベルト34、移動輪3
5、x方向ロッド36a、y方向ロッド36b、z軸用
ボールねじ38等から構成されている。
【0028】モータ31a、31b、31cは、後述す
る制御装置60により求められたアシスト力を発生する
直流サーボモータで、制御装置60によって制御されて
いるものである。本実施形態では、例えばブラシレス直
流モータを用い、モータ31aはx方向ロッド36a、
モータ31bはy方向ロッド36b、モータ31cは雌
ねじ管43、をそれぞれ駆動可能に構成されている。
【0029】なお、本実施形態では、ブラシレス直流モ
ータを用いているが、これに限られることはなく、サー
ボモータであれば、任意の形態のモータを用いても良
い。また、このモータ31a、31b、31cには、モ
ータ回転角を検出する回転角センサ(エンコーダ)Eが
それぞれに設けられており、その検出データは後述する
制御装置60に対して出力されている。なお、モータ3
1a、31b、31cは、特許請求の範囲に記載の「駆
動手段」に相当するものである。
【0030】シャフト32a、32b、32c、32d
は、レール22a、22b、22c、22dに並んで併
設されている軸部材で、それぞれの両端部にはギヤ33
が取り付けられているほか、同端部が軸受部材によって
回動自在に支持されている。またこれらのうちシャフト
32cには、その一端部にモータ31aが連結され、同
様にシャフト32dの一端部にはモータ31bが連結さ
れている。これにより、モータ31aの駆動力によりシ
ャフト32cを、またモータ31bの駆動力によりシャ
フト32dを、それぞれ回転させることができる。
【0031】ベルト34は、ギヤ33、ギヤ33間に架
け渡し可能に構成されている帯状の環状部材で、並列に
位置するシャフト32a、32cのギヤ33同士あるい
はシャフト32b、32dのギヤ33同士の間に架けら
れている。これにより、モータ31aの駆動力によりシ
ャフト32cが回転すると、ベルト34を介してシャフ
ト32aを回転されることができる。また同様にモータ
31bの駆動力によってもシャフト32bおよびシャフ
ト32dを回転させることができる。
【0032】x方向ロッド36aは、後述する中央ベー
ス41をx軸方向に案内可能な軸部材で、その両端に
は、レール22b、22d上を転動可能な移動輪35が
取り付けられている。そして、当該両端部は、軸受部材
によって回動自在に支持されている。この軸受部材に
は、前述のベルト34が連結されているため、x方向ロ
ッド移動用のモータ31aから出力される駆動トルク
は、ギヤ33、シャフト32cおよびベルト34を介し
てx方向ロッド36aに伝達される。これにより、ベル
ト34により伝達された当該駆動トルクによって、x方
向ロッド36aをy軸方向に移動させることができる。
【0033】y方向ロッド36bも、x方向ロッド36
aと同様な構成を採っている。即ち、y方向ロッド36
bは、中央ベース41をy軸方向に案内可能な軸部材
で、その両端には、レール22a、22c上を転動可能
な移動輪35が取り付けられ、さらに当該両端部は、軸
受部材により回動自在に支持されている。この軸受部材
にもベルト34が連結されているので、y方向ロッド移
動用のモータ31bから出力される駆動トルクは、ギヤ
33、シャフト32dおよびベルト34を介してy方向
ロッド36bに伝達される。これにより、ベルト34に
より伝達された駆動トルクによって、y方向ロッド36
bをx軸方向に移動させることができる。
【0034】図2および図3に示すように、z軸用ボー
ルねじ38はねじ棒であり、中央ベース41の略中央に
鉛直方向に貫通するように設けられた雌ねじ管43とと
もにねじ送り機構を構成している。本実施形態では、中
央ベース41はz軸方向には移動しないので、モータ3
1cの駆動力によって雌ねじ管43が時計回りあるいは
反時計回りに回転することで、その軸(z軸)方向上下
にz軸用ボールねじ38を移動させることができる。
【0035】移動部40は、中央ベース41を主に構成
されている。この中央ベース41の下面には、前述した
x方向ロッド36aを軸受可能な軸受42aと、y方向
ロッド36bを軸受可能な軸受42bと、が取り付けら
れており、さらに略中央には鉛直(z軸)方向に貫通し
た雌ねじ管43が回動自在に支持されている。
【0036】これにより、x方向ロッド36aおよびy
方向ロッド36bの移動に伴って、中央ベース41をx
y平面上に自在に移動させることができるので、x方向
ロッド36aの移動量およびy方向ロッド36bの移動
量をモータ31aの回転角およびモータ31bの回転角
により制御することによって、xy座標系の制御点を決
定することができる。また、前述したようにz軸用ボー
ルねじ38とともにねじ送り機構を構成する雌ねじ管4
3の回転に伴って、z軸用ボールねじ38をz軸方向に
上下動させることができるので、当該z軸用ボールねじ
38のz軸方向の移動量をモータ31cの回転角により
制御することによってz座標系の制御点を決定すること
ができる。
【0037】図2および図3に示すように、操作部50
は、主に、操作ハンドル52、フォースセンサ54、重
量センサ55、ハンド57等から構成されており、z軸
用ボールねじ38の下端部に設けられている。
【0038】操作ハンドル52は、操作者Mが両手で握
ることのできるように形成された棒状部材で、z軸用ボ
ールねじ38の径方向両側に突設されている。なお、こ
の操作ハンドル52の付近には、図略の緊急停止ボタン
等の操作スイッチが配列されており、また図略の小型カ
メラ等が装着されている。これにより、操作部50から
操作者Mまでの距離を随時測定することができる。
【0039】フォースセンサ54は、操作者Mの操作状
態を検出するもので、例えば、操作ハンドル52に加え
られた操作力の大きさやその方向を検出することが可能
な6軸(x軸、y軸、z軸、およびx軸、y軸、z軸の
それぞれの回転軸a軸、b軸、c軸)による力覚センサ
が用いられる。本実施形態では、6軸のうち、x軸、y
軸、z軸についてわかれば足りる。なお、フォースセン
サ54は、特許請求の範囲に記載の「操作状態検出手
段」に相当するものである。
【0040】重量センサ55は、ワークWの重さ、即ち
質量mR を測定するもので、例えば、重量計が用いられ
る。この重量センサ55は、特許請求の範囲に記載の
「質量測定手段」に相当するものである。なお、フォー
スセンサ47および重量センサ55により検出または測
定された検出・測定データは、無線回線または有線回線
を介して制御装置60に対して出力される。
【0041】ハンド57は、ワークWを把持する機能を
有するもので、対向する2本の爪をエアシリンダ等によ
り開閉することによって、ワークWを掴んだり、放した
りすることができるように構成されている。
【0042】図4に示すように、制御装置60は、前述
したフォースセンサ54、重量センサ55、回転角セン
サE等から送られてくる各種データに基づいて、後述す
る所定の演算・制御処理を実行するもので、主に、CP
U61、インタフェイス(I/F)63、モータ駆動回
路65等から構成されている。なお、この制御装置60
は、特許請求の範囲に記載の「演算手段」に相当するも
のである。
【0043】CPU61は、演算処理装置であり、図略
のROM、RAM等のメモリとともに所定プログラムに
基づいて演算処理を実行可能に構成されているものであ
る。本実施形態では、インタフェイス63を介して入力
される操作力およびその方向、ワークWの質量mR 、モ
ータ31a等の回転角に基づいて、モータ駆動回路65
へ送出すべき電流指令値を決定しモータ駆動回路65に
出力する処理を行う。なお、図略のROM、RAM等の
メモリには、パワーアシスト装置20を制御するための
制御プログラムや後述する粘性係数可変処理等が格納さ
れている。
【0044】インタフェイス63は、CPU61とフォ
ースセンサ54等のセンサ群との間に介在するもので、
A/D変換や信号レベルの調整等を行い得るものであ
る。モータ駆動回路65は、図略のバッテリ、PWM変
換器、スイッチング回路等から構成されており、チョッ
パ制御により駆動電流を正弦波にしてモータ31a、3
1b、31cに駆動電力を供給し得るものである。
【0045】次に、このような構成からなる制御装置6
0による制御ブロックの構成を図5に基づいて説明す
る。図5に示すように、本機能ブロックは、フォースセ
ンサ54から送られてくる検出データが信号入力される
ところから始まる。フォースセンサ54から入力された
操作力情報やその方向情報は、まずインタフェイス63
に内蔵されたA/D変換器(63)によりアナログ信号
からディジタル信号に変換される。そして、ディジタル
信号に変換された操作力情報やその方向情報から、ディ
ジタルフィルタ61aにより、不要なノイズ成分を除去
したり、また操作部50の機械的な固有振動数成分やフ
ォースセンサ54の軸干渉成分を除去する。このディジ
タルフィルタ61には、例えば、フォースセンサ54の
軸干渉成分の周波数をカットオフ周波数に設定したロー
パスフィルタや、操作部50の機械的な固有振動数成分
を選択的に除去するノッチフィルタ等が用いられる。
【0046】ディジタルフィルタ61aの後段には、ア
シストマップ61bが設けられている。このアシストマ
ップ61bは、フィルタ処理された操作力情報に基づい
てモータ31a、31b、31cにより発生させるアシ
スト力を予め用意されたマップにより求める機能を有す
るもので、例えば、アシストマップとして図6(A) に示
すようなものがある。
【0047】例えば、図6(A) に示すように、このアシ
ストマップ61bは、前方または後方に加わった操作力
が7N以上50N以下までの範囲においては、ほぼ正比
例の関係でモータの定格電流の1.5倍まで増加するよ
うにアシスト力がマッピングされている。また前方ある
いは後方に加わった操作力が50N以上の場合には、モ
ータ31a等の安全を考慮して発生させるアシスト力が
所定値(例えば定格電流の1.5倍)で飽和するように
マッピングされている。なお、操作ハンドル52に僅か
に手が触れた程度の操作力(7N未満)の場合には、不
用意にアシストしないように、例えば定格電流を0倍に
マッピングした不感帯を設定している。
【0048】アシストマップ61bにより、アシスト力
が設定されると、次に、速度判定61cを行う。この速
度判定61cは、モータ31a、31b、31cに取り
付けられた回転角センサEから入力された回転角情報に
基づいて求められたワークWの移動速度によって、その
移動速度を判定する機能を有するものである。例えば、
図6(B) に示すように、移動速度が0.9m/s以下の
場合には、トルク指令演算61dを行い、移動速度が
0.9m/sを超えた場合には、速度指令演算61eを
行うという、選択処理を行うものである。
【0049】ここで、このように速度判定61cによっ
て、ワークWの移動速度を判断する必要があるのは、次
の理由による。即ち、トルク指令演算61dは、モータ
31a等により発生させるアシストトルクを一定にする
ように制御するようにトルク指令値を出力する機能を有
するものであるため、図6(B) に示すように、トルク指
令演算61dの場合には、アシストトルクを一定にする
ことにより、加速し続けるように制御される。これに対
して、速度指令演算61eは、移動途中のワークWの移
動速度が一定になるように速度指令値を出力する機能を
有するものであるため、図6(B) に示すように、速度指
令演算61eの場合には、移動速度が例えば1.0m/
sというように一定になるように制御される。このよう
な両指令演算の特性から、ワークWの移動速度が一定の
速度以上になると、トルク指令演算61dから速度指令
演算61eに切り替えるための制御を行う必要があるた
め、ワークWの移動速度の判定を速度判定61cにより
行っている。
【0050】このようにトルク指令演算61dは、モー
タ31a等により発生させるアシストトルクを一定にす
るように制御するようにトルク指令値を出力する機能を
有するものである。そのため、トルク指令演算61dで
は、トルク指令値を所定のトルク演算により求めるが、
本実施形態では、当該所定のトルク演算によりトルク値
を求めた後、さらにこの求めたトルク値からc×v相当
値を減算する処理を行う。即ち、後述するように設定さ
れる粘性係数cとワークWの移動速度vとの積(c×
v)をモータ31a等の回転力に換算したものを、当該
求めたトルク値から引き、その結果をトルク指令値とし
て出力するようにしている。これにより、ワークWの移
動速度vに基づいて定められている粘性係数cを用いて
当該トルク指令値が求められる。
【0051】また、速度指令演算61eも、移動途中の
ワークWの移動速度が一定になるように速度指令値を出
力する機能を有するものである。そのため、速度指令演
算61eでは、運動方程式;F = mV ×a + c×v
+ k×xから、加速度aを求めて(a = (F−c×
v−k×x)/mV )、これに所定のサンプリング周期
を乗算することにより速度を算出し、さらにこの算出し
た速度を所定時間で積分することにより、速度指令値を
求めることができるので、その結果を速度指令値として
出力するようにしている。これにより、ワークWの移動
速度vに基づいて定められている粘性係数cを用いて当
該速度指令値が求められる。
【0052】なお、前記運動方程式において、Fはアシ
スト力、mR はワークWの実際の質量、mV は質量mR
に対するモータ31a、31b、31cに係る仮想質
量、aはワークWの加速度、cはモータ31a、31
b、31cに係る粘性係数、vはワークWの移動速度、
kはモータ31a、31b、31cに係るばね係数、x
はワークWの位置である。本実施形態ではk=0として
いる。
【0053】したがって、トルク指令演算61dおよび
速度指令演算61eのいずれにおいても、ワークWの移
動速度vの増加または減少に伴って粘性係数cを減少ま
たは増加、ひいては「人間の剛性」およびその変化に対
応させたインピーダンス制御を行うことができる。
【0054】電流制御61fは、前段のトルク指令演算
61dや速度指令演算61eにより演算されたトルクあ
るいは速度に基づいて、それに相当するモータ31a、
31b、31cの駆動電流を演算および制御する機能を
有するもので、その結果をモータ31a、31b、31
cに出力している。
【0055】速度演算61gは、モータ31a、31
b、31cに設けられた回転角センサEから出力されて
くるモータ回転角に基づいてワークWの移動速度を演算
する機能を有するもので、その演算結果は速度判定61
c、トルク指令演算61dおよび速度指令演算61eに
出力されている。
【0056】次に、制御装置60により行われる粘性係
数cの設定処理の例を図7および図8に基づいて説明す
る。図7に示すように、粘性係数可変処理では、所定の
初期化処理の後、まずステップS101により、粘性係
数cを第1の所定値に設定する処理を行う。本実施形態
では、例えば100N・s/mを第1の所定値とするこ
とにより、最初の粘性係数cをこの値に設定する。
【0057】次にステップS103に処理を移行してワ
ークWの移動速度v(xdt)が第1の所定速度v0 を超
えているか否かの判断を行う。このステップS103で
は、第1の所定速度v0 (例えば0.02m/s)より
も速くワークWが移動しているか否かを判断することに
よって、第1の所定速度v0 を超えた移動速度vでワー
クWを移動させている場合には(S103でYes)、
操作者Mが比較的長い距離においてワークWを移動して
いるか、またはそのようにしようとしているものと判断
する。
【0058】即ち、移動中のワークWを所定の位置に位
置決めしようとしている場合には、操作者Mは操作部5
0の操作ハンドル52を握る腕等が必然的に緊張するこ
とから、前述したように操作者Mの腕ないしは全身の剛
性が高まる傾向にある。そのため、ワークWの位置決め
途中、特に微小位置決めの状態にある場合には、ワーク
Wの移動速度vが極めて遅くなることに着目して、経験
的事実に基づいて決定された第1の所定速度v0 (例え
ば0.02m/s〜0.01m/s)を超えているか否
かをステップS103により判断する。
【0059】そして、ステップS103によりワークW
の移動速度vが第1の所定速度v0を超えていると判断
できるまでこの判断処理を続け、当該判断ができると
(S103でYes)、続くステップS105による第
2の所定値設定処理に移行する。ここで、図8を参照し
て第2の所定値設定処理の流れを説明する。
【0060】図8に示すように、第2の所定値設定処理
は、ステップS201によるタイマの初期化処理から始
まる。即ちタイマカウンタtにゼロを設定する処理を行
う。なお、このタイマカウンタtは、特許請求の範囲に
記載の「所定期間」を計時するためのものである。
【0061】次にステップS203により、粘性係数c
= C1kt−C2-kt の演算処理、つまり粘性係数c
の設定を行う。この演算を所定期間(0.3秒〜0.5
秒)内に繰り返し実行することにより、図10に示すよ
うな人間の粘性係数の特性カーブαに近似するように、
粘性係数cを減少させることができるため、このような
演算をしている。なお、図10に示す特性は、逐次最小
2乗法を用いて人間のインピーダンス特性を計算したも
ので、同図中、αは人間の粘性係数、βはばね係数を示
すものである。
【0062】
【数1】 上式(1)において、C1 、C2 は、次式(1)により
与えられるもので、同式中のcs は粘性係数の最大値、
f は粘性係数の最小値、tf は減少させる時間、A/
Bは粘性係数を減少させる速さをそれぞれ表している。
【0063】ステップS203による粘性係数cの演算
が終わると、次のステップS205により、ワークWの
移動速度v(xdt)が第2の所定速度v1 未満であるか
否かの判断を行う。このステップS205では、第2の
所定速度v1 (例えば0.02m/s)よりも遅くワー
クWが移動しているか否かを判断することによって、第
2の所定速度v1 よりも遅い移動速度vでワークWを移
動させている場合には(S205でYes)、操作者M
が所定位置にワークWを位置決めしている途中か、また
はそのようにしようとしているものと判断し、当該第2
の所定値設定処理を抜けて図7に示す粘性係数可変処理
に戻る。
【0064】一方、第2の所定速度v1 よりも遅い移動
速度vでワークWを移動させていると判断できない場合
には(S205でNo)、ステップS207に処理を移
行してタイマカウンタtに所定時間Tを加算する。そし
て、ステップS209によりタイマカウンタtの値がタ
イムアップ値tf を超えているか否かの判断を行う。な
お、このタイムアップ値tf には、例えば0.4秒が設
定されている。
【0065】ステップS209により、タイマカウンタ
tの値がタイムアップ値tf を超えていると判断できた
場合には(S209でYes)、所定期間が経過してい
るので当該第2の所定値設定処理を抜けて図7に示す粘
性係数可変処理に戻る。一方、タイマカウンタtの値が
タイムアップ値tf を超えていると判断できない場合に
は(S209でNo)、未だ所定期間が経過していない
ので、処理をステップS203に移して再び式(1)の
演算により粘性係数cの設定を行う。
【0066】ここで、タイムアップ値tfに0.4秒を
設定している理由について、図10を参照して説明す
る。図10は、前述したように、人間のインピーダンス
特性を逐次最小2乗法を用いて計算したもので、同図中
には、人間の粘性係数αおよびばね係数βが示されてい
る。この図10に示す人間のインピーダンス変化は、人
間の腕が外部から強制的に変位を加えられたときの人間
が力を抜く特性ともいえるため、人間の剛性が高いとこ
ろから低いところに変位した場合のインピーダンス特性
としても同様に捉えることができる。
【0067】そこで、粘性係数の特性カーブαをみる
と、粘性係数が100N・s/mから10N・s/mに
変位するまでに0.3秒〜0.5秒の時間を要している
ことがわかる。したがって、この0.3秒〜0.5秒の
時間に合わせた期間内に式(1)による粘性係数cの減
算を行ってやれば図10に示す人間のインピーダンス特
性に倣ったインピーダンス制御をすることできることに
なるので、ステップS207によるタイムアップ値tf
を0.4秒に設定し、ステップS209によりタイマカ
ウンタtの値がタイムアップ値tf を超えているか否か
の判断を行うこととしている。
【0068】図7に戻り粘性係数可変処理を参照する
と、ステップS107では、ワークWの移動速度v(x
dt)が第2の所定速度v1 未満であるか否かの判断を行
う。このステップS205では、第2の所定速度v1
(例えば0.02m/s)よりも遅くワークWが移動し
ているか否かを判断することによって、第2の所定速度
v1 よりも遅い移動速度vでワークWを移動させている
と判断できるまで(S107でYes)、このステップ
S107をループして待つ。そして、第2の所定速度v
1 よりも遅い移動速度vでワークWを移動させていると
判断できる場合には(S107でYes)、操作者Mが
所定位置にワークWを位置決めしている途中か、または
そのようにしようとしているものと判断して、続くステ
ップS109に処理を移行する。
【0069】そして、ステップS109により、粘性係
数cを第1の所定値に設定する処理を、ステップS10
1と同様に行う。本実施形態では、例えば100N・s
/mを第1の所定値とすることにより、最後の粘性係数
cをこの値に設定している。
【0070】ここで、上述したように粘性係数cを変化
させることがxy方向の移動のみならず、z軸方向の移
動にも有効であることを明かにするため、パワーアシス
ト装置20のハンド57に把持させたワークWを作業台
Taの上方からz軸方向に移動させ、作業台Ta上に載
置した場合おけるワークWの挙動や操作力の変化を図1
1〜図13に基づいて説明する。なお、この図11〜図
13に示す特性図は、本願発明者らによる実験結果に基
づくものである。
【0071】図11には、粘性係数cを100N・s/
mの一定に設定した場合における特性図で、上から順番
に、それぞれの縦軸は、ワークWの初期位置を原点とし
た現在位置、フォースセンサ54で測定した操作力、ワ
ークWの移動速度v、粘性係数cを表し、それぞれの横
軸は時間(秒)を表す。また図12には、粘性係数cを
500N・s/mの一定に設定した場合における特性図
で、その他、各特性図の軸スケール等は図11と同様で
ある。さらに図13には、移動開始後、1.5秒前後に
粘性係数cを500N・s/mから100N・s/m
に、約2秒間で減少させた場合における特性図で、その
他、各特性図の軸スケール等は図11と同様である。
【0072】図11および図12により、粘性係数cを
一定に設定した場合には、移動開始から6秒付近におい
て、z軸方向位置が一定になっていることから、ワーク
Wあるいはハンド57の先端と作業台Taとが接触した
ことがわかるが、その後、操作力を示すカーブに振動状
態を示すスパイク状の波形が記録されている。つまり、
z軸方向の位置決めが十分にできていなかったことか
ら、作業台TaにワークWが接触したときの反作用によ
って、作業台Ta上でワークWが跳ねていることが予想
される。
【0073】一方、図13により、粘性係数cを可変し
た場合にも、移動開始から6秒付近において、z軸方向
位置が一定になっていることから、ワークWあるいはハ
ンド57の先端と作業台Taとが接触したことがわかる
が、その後、操作力のカーブをみても特に目立った振動
を起こすことがないため、作業台Ta上にワークWを安
定して載置できていること、つまりz軸方向の位置決め
が十分にできていることがわかる。
【0074】以上説明したように粘性係数cを設定する
ことにより、ワークWの移動速度vが第1の所定速度v
0 より増加した場合、所定期間内に第1の所定値から第
2の所定値に粘性係数cが減少するため、粘性係数cを
時間的制限なく適当に減少させる場合に比べて、瞬時に
減少する人間の腕のインピーダンス変化に倣った粘性係
数cの減少制御ができる。これにより、ワークWの加速
時には、操作者Mの腕のインピーダンス変化に倣って減
少制御された粘性係数cを用いて、運動方程式;F =
V ×a + c×v + k×xにより求めたアシスト力
Fで操作者Mを補助する。これに対し、ワークWの移動
速度vが所定速度よりも減少した場合、所定期間内に第
2の所定値から第1の所定値に粘性係数cが増加するた
め、粘性係数cを時間的制限なく適当に増加させる場合
に比べて、瞬時に増加する人間の腕のインピーダンス変
化に倣った粘性係数cの増加制御ができる。これによ
り、ワークWの減速時には、操作者Mの腕のインピーダ
ンス変化に倣って増加制御された粘性係数cを用いて前
記運動方程式により求めたアシスト力Fで操作者を補助
する。したがって、操作者Mの腕の剛性変化に合わせた
アシスト力Fの制御により操作者Mを補助することがで
き、操作感をさらに向上し得る効果がある。
【0075】また、制御装置60により求められるアシ
スト力Fは、運動方程式;F = m V ×a + c×v
+ k×xによって求められ、粘性係数cは、ワークW
の移動速度vが第1の所定速度v0 より増加した場合、
所定期間内に第1の所定値から第2の所定値に減少し、
ワークWの移動速度vが第2の所定速度v1 よりも減少
した場合、所定期間内に第2の所定値から第1の所定値
に増加するように、定められている。これにより、ワー
クWの移動速度vが増加した場合に比較する第1の所定
速度v0 と、ワークWの移動速度vが減少した場合に比
較する第2の所定速度v1 と、が異なり、両所定速度は
第1の所定速度v0 が第2の所定速度v1よりも大きい
関係にあることから、ワークWの移動速度vの増減に対
する粘性係数cの変化にヒステリシス特性を持たせるこ
とができる。そのため、単一の所定速度に対してワーク
Wの移動速度vを比較する場合よりも、当該所定速度の
近傍前後において安定した粘性係数cの切り替えを行う
ことができる。したがって、操作感を一層向上し得る効
果がある。
【0076】なお、上述したパワーアシスト装置20で
は、ワークWの移動速度vに基づいて粘性係数cを定め
ているので、起動、移動、位置決め等の工程が予めわか
らない場合であっても、上述の如き、作用および効果を
得ることができる。
【0077】次に、図9を参照して、本実施形態による
粘性係数可変処理の変形例等を説明する。図9(A) 、
(B) には、前述したステップS203による粘性係数c
= C 1kt−C2-kt の演算処理に用いられるパラメ
ータcs およびcf を可変する例が示されている。例え
ば図9(A) に示す処理では、ステップS311によりワ
ークWが床や壁に接触したか否かを判断し、もし接触し
ている場合には(S311でYes)、ステップS31
3によりcs =k1×cs の演算を行うことにより、パラ
メータcs を変化させる。これにより、前述したステッ
プS203による粘性係数cの演算結果に影響を与える
ため、例えば床や壁に接触した場合には粘性係数cを大
きく設定することで、床や壁によるワークWの跳ね返り
を抑制することができる。
【0078】また、図9(B) に示す処理では、ステップ
S321によりcf =k2×mV の演算を行うことによ
り、ワークWの仮想質量mV に基づいてパラメータcf
を変化させる。これにより、ワークWの仮想質量mV
即した値をパラメータcf に設定することができる。
【0079】さらに、図9(C) に示す処理では、ステッ
プS331によりmV ’=k3×mVの演算を行うことに
より、ワークWの仮想質量mV を係数k3に基づいて変化
させる。これにより、ワークWの実際の質量mR とは異
なる仮想質量mV ’に基づいて運動方程式;F =
V ’×a + c×v + k×xによりアシスト力Fを
求めることができるので、例えば、重量センサ55によ
り測定された物体の質量m R に基づいて、仮想質量mV
を増加または減少させた仮想質量mV ’から、アシスト
力Fを制御装置60により求めることができる。これに
より、ワークW物体の質量mR に基づいても、操作者M
を補助するアシスト力Fを変更することができる。
【0080】なお、パワーアシスト装置20では、重量
センサ55によりワークWの質量m R を測定し、測定し
たワークWの質量mR に基づいて、仮想質量mV を増加
または減少させても良い。これにより、重量センサ55
により測定されたワークWの質量mR に基づいて、仮想
質量mV を増加または減少させるので、運動方程式;F
= mV ×a + c×v + k×xから、制御装置60
により求められるアシスト力Fを当該仮想質量mV の増
減によって、増加または減少させることができるため、
ワークWの質量mR に基づいても、操作者Mを補助する
アシスト力Fを変更することができる。したがって、操
作感をより一層向上し得る効果がある。
【0081】なお、本実施形態では、パワーアシスト装
置20に本発明を適用して説明したが、本発明はこれに
限られることはなく、自動車、航空機、鉄道車両、ロボ
ット等を構成する人間の運動を伝達する操作器について
もパワーアシスト装置20と同様に本発明を適用するこ
とができ、上述同様の作用および効果を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るパワーアシスト装置
の機械的構成を示す斜視図で、パワーアシスト装置の上
方から見たものである。
【図2】本実施形態のパワーアシスト装置の機械的構成
を示す斜視図で、パワーアシスト装置のほぼ側方から見
たものである。
【図3】本パワーアシスト装置の機械的構成を示す斜視
図で、パワーアシスト装置の下方から見たものである。
【図4】本パワーアシスト装置の制御装置の構成を示す
ブロック図である。
【図5】本パワーアシスト装置の制御装置による制御機
能の構成を示す機能ブロック図である。
【図6】図6(A) は、図5に示すアシストマップの一例
を示す説明図で、図6(B) は、移動速度vに対する指令
制御の切り替えと、本パワーアシスト装置の制御装置に
おける移動速度vに対する粘性係数cの可変設定例とを
示す説明図である。
【図7】本パワーアシスト装置の制御装置による粘性係
数可変処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】図7に示す第2の所定値設定処理の流れを示す
フローチャートである。
【図9】本パワーアシスト装置の制御装置による粘性係
数可変処理の変形例等を示すフローチャートである。
【図10】人間のインピーダンス特性を逐次最小2乗法
を用いて計算した結果を示す特性図で、粘性係数および
ばね係数を示すものである。
【図11】パワーアシスト装置のハンドに把持させたワ
ークを作業台の上方からz軸方向に移動させた場合にお
けるワークの挙動や操作力の変化等を示す特性図で、粘
性係数を一定(100N・s/m)にしたものある。
【図12】パワーアシスト装置のハンドに把持させたワ
ークを作業台の上方からz軸方向に移動させた場合にお
けるワークの挙動や操作力の変化等を示す特性図で、粘
性係数を一定(500N・s/m)にしたものある。
【図13】パワーアシスト装置のハンドに把持させたワ
ークを作業台の上方からz軸方向に移動させた場合にお
けるワークの挙動や操作力の変化等を示す特性図で、粘
性係数を可変したものある。
【符号の説明】
20 パワーアシスト装置 31a、31b、31c モータ (駆
動手段) 36a x方向ロッド 36b y方向ロッド 38 z軸用ボールねじ 54 フォースセンサ(操
作状態検出手段) 55 重量センサ (質
量測定手段) 60 制御装置 (演
算手段) W ワーク (物
体) M 操作者 v0 第1の所定速度 v1 第2の所定速度
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 久 愛知県刈谷市朝日町1丁目1番地 豊田工 機株式会社内 (72)発明者 蓑島 博仁 愛知県刈谷市朝日町1丁目1番地 豊田工 機株式会社内 (72)発明者 太田 和美 愛知県刈谷市朝日町1丁目1番地 豊田工 機株式会社内 (72)発明者 本田 朋寛 愛知県刈谷市朝日町1丁目1番地 豊田工 機株式会社内 (72)発明者 松田 祐子 愛知県刈谷市朝日町1丁目1番地 豊田工 機株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 移動または姿勢変更の対象となる物体を
    操作する者の操作状態を検出する操作状態検出手段と、 前記操作状態検出手段により検出された前記操作状態に
    基づいて、前記物体の操作をアシストし得るアシスト力
    Fを求める演算手段と、 前記演算手段により求められたアシスト力Fを発生する
    駆動手段と、 を備えたパワーアシスト装置であって、 前記アシスト力Fは、前記物体の実際の質量mR に対す
    る前記駆動手段に係る仮想質量mV 、前記物体の加速度
    a、前記駆動手段に係る粘性係数c、前記物体の移動速
    度v、前記駆動手段に係るばね係数k、前記物体の位置
    xであるとき、運動方程式;F = mV ×a + c×v
    + k×xによって求められ、 前記粘性係数cは、前記物体の移動速度vに基づいて定
    められていることを特徴とするパワーアシスト装置。
  2. 【請求項2】 前記粘性係数cは、前記物体の移動速度
    vの増加に伴って減少し、前記物体の移動速度vの減少
    に伴って増加するように、定められていることを特徴と
    する請求項1記載のパワーアシスト装置。
  3. 【請求項3】 任意の目標位置に前記物体を位置決めす
    る状態における粘性係数cS は、前記位置決めする状態
    における前記物体の移動速度vS よりも速い移動速度v
    F 時の粘性係数cF よりも、大きな値に設定されている
    ことを特徴とする請求項1記載のパワーアシスト装置。
  4. 【請求項4】 前記粘性係数cは、 前記物体の移動速度vが所定速度より増加した場合、所
    定期間内に第1の所定値から第2の所定値に減少し、 前記物体の移動速度vが前記所定速度よりも減少した場
    合、前記所定期間内に前記第2の所定値から前記第1の
    所定値に増加するように、定められていることを特徴と
    する請求項1記載のパワーアシスト装置。
  5. 【請求項5】 前記所定速度は、 前記物体の移動速度vが増加した場合に比較するものを
    第1の所定速度とし、前記物体の移動速度vが減少した
    場合に比較するものを第2の所定速度とし、両所定速度
    は、前記第1の所定速度が前記第2の所定速度よりも大
    きい関係にあることを特徴とする請求項4記載のパワー
    アシスト装置。
  6. 【請求項6】 前記物体の質量mR を測定する質量測定
    手段をさらに備え、 前記質量測定手段により測定された前記物体の質量mR
    に基づいて、前記仮想質量mV を増加または減少させる
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の
    パワーアシスト装置。
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