JPH0933369A - 電動モータ系の外力・外トルク検出方法並びにその装置 - Google Patents

電動モータ系の外力・外トルク検出方法並びにその装置

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JPH0933369A
JPH0933369A JP18168395A JP18168395A JPH0933369A JP H0933369 A JPH0933369 A JP H0933369A JP 18168395 A JP18168395 A JP 18168395A JP 18168395 A JP18168395 A JP 18168395A JP H0933369 A JPH0933369 A JP H0933369A
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external force
torque
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JP18168395A
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Akira Murakami
晃 村上
Toshihiko Nishimura
利彦 西村
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Kobe Steel Ltd
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Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 電動モータの被駆動体に加わる外力・外トル
クをこのモータの駆動電流に直接現れるようにすること
によって、力・トルクセンサを用いることなく、かつ、
静止摩擦力の存在による影響を及ぼさないようにして、
電動モータ、電動モータシステム、電動ロボットに加わ
る外力・外トルクの正確な検出を可能とする。 【解決手段】 被駆動体2が連結される電動モータ1に
おいて、電動モータ1の駆動電流に対しその周波数より
も高い周波数の微細振幅を有するディザー信号を印加・
重畳するディザー信号発生器14と、電動モータ1の駆
動電流の変化を検出する電流検出器12と、電流検出器
12が検出した電流変化から電動モータ1に加わる外力
・外トルクを算出するモータ用演算器15,16,17
とにより電動モータ系の外力・外トルク検出装置が構成
される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被駆動体が連結さ
れる電動モータ、電動モータをアクチュエータとして持
つ電動モータシステム、電動ロボットに対して外部から
加わる力やトルクを検出するための電動モータ系の外力
・外トルク検出方法並びにその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電動モータシステム、電動ロボットにお
いて、それ等の手先に加わる外力・外トルクを検出する
ことが必要になる場合が多い。ここで、電動モータシス
テム、電動ロボットとは、電動モータをアクチュエータ
として持つシステム、ロボットを指すものであり、例え
ば工作機械、産業用ロボット等である。また、外力・外
トルクとは、ロボットの搬送する物体の重量や、バリ取
りロボットの手先に加わる反力のような、電動モータシ
ステム、電動ロボットに外部から加わる力やトルクを指
すものである。
【0003】このような外力・外トルクを検出する方法
として、従来は、主として以下の2つの方法がある。そ
の1つは、力・トルクセンサを設けて外力・外トルクを
直接検出する方法であり、例えば特開平 4−315205号公
報、特開平 6− 31667号公報に記載の先行技術がある。
いま1つは、力・トルクセンサを用いないで、電動モー
タの電流値の変化から外力・外トルクを間接的に検出す
る方法であり、例えば特開昭62−292544号公報に記載の
先行技術がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述する従来技術にお
いて、前者の方法では、例えばばねを介して一方が他方
に接近・離間移動する関係の一対の板と、非接触変位セ
ンサとを要素とする複雑且つ高価な構造のセンサが必要
であって、しかも取付けスペースを確保しなければなら
ないことから、コスト高を招く不利が免れない。一方、
後者の方法では、モータが静止しているときには、外力
・外トルクを正確に検出できないか、または、全く検出
できないということである。この理由は、静止摩擦力が
働いて外力・外トルクが加わってもモータ電流値の変化
として現れなかったり、また、正確に電流値の変化とし
て現れなかったりするからである。この場合の静止摩擦
力は減速機等の減速機構があると大きくなる。このた
め、通常、減速機を用いている産業用ロボットではこの
問題が大きくなる。具体例で説明すると、従来技術にお
いては積み荷が軽くてモータの静止摩擦力に打ち勝てな
い場合には、積荷重量は電流値に反映されずに検出され
ない。また、譬え検出された場合でも、電流値から算出
された積荷重量は、モータの静止摩擦力に相当する重量
分の不正確さが生じるのである。
【0005】本発明は、このような問題点の解消を図る
ために成されたものであり、本発明の目的は、電動モー
タの被駆動体に加わる外力・外トルクをこのモータの駆
動電流に直接現れるようにすることによって、力・トル
クセンサを用いることなく、かつ、静止摩擦力の存在に
よる影響を及ぼさないようにして、電動モータ、電動モ
ータシステム、電動ロボットに加わる外力・外トルクの
正確な検出を可能とする方法並びに装置を提供すること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するため以下に述べる構成としたものである。即
ち、本発明は、被駆動体が連結される電動モータにおい
て、この電動モータの駆動電流に対しその周波数よりも
高い周波数の微細振幅を有するディザー信号を印加・重
畳して、この印加・重畳によって生じる電動モータの電
流変化から電動モータに加わる外力・外トルクを算出す
ることを特徴とする電動モータ系の外力・外トルク検出
方法である。
【0007】本発明はまた、電動モータをアクチュエー
タとして各軸に備える電動モータシステムまたは電動ロ
ボットにおいて、各電動モータの駆動電流に対しその周
波数よりも高い周波数の微細振幅を有するディザー信号
を印加・重畳して、この印加・重畳によって生じる各電
動モータの電流変化から各軸の電動モータに加わる外力
・外トルクを算出し、この各外力・外トルクから電動モ
ータシステムまたは電動ロボットの手先に加わる外力・
外トルクを検出することを特徴とする電動モータ系の外
力・外トルク検出方法である。
【0008】本発明はまた、上記のディザー信号が、電
動モータのフィードバック制御系におけるモータ回転数
またはモータ位置の制御を行う位置ループ、回転速度ま
たは移動速度の制御を行う速度ループ、電流制御を行う
電流ループのいずれかのループの前の入力信号ラインに
印加・重畳される電動モータ系の外力・外トルク検出方
法であり、また、ディザー信号が、電動モータに連結さ
れる被駆動体の共振周波数よりも高い周波数の微細振幅
に設定される電動モータ系の外力・外トルク検出方法で
あり、さらに、ディザー信号が、該信号値によって決ま
るディザートルクを電動モータに連結される被駆動体の
最大静止摩擦力に比し大きくさせる微細振幅に設定され
る電動モータ系の外力・外トルク検出方法である。
【0009】本発明はまた、被駆動体が連結される電動
モータにおいて、この電動モータの駆動電流に対しその
周波数よりも高い周波数の微細振幅を有するディザー信
号を印加・重畳するディザー信号発生器と、電動モータ
の駆動電流の変化を検出する電流検出器と、この電流検
出器が検出した電流変化から電動モータに加わる外力・
外トルクを算出するモータ用演算器とを含むことを特徴
とする電動モータ系の外力・外トルク検出装置である。
【0010】本発明はまた、電動モータをアクチュエー
タとして各軸に備える電動モータシステムまたは電動ロ
ボットにおいて、各電動モータの駆動電流に対しその周
波数よりも高い周波数の微細振幅を有するディザー信号
を印加・重畳するディザー信号発生器と、各電動モータ
の駆動電流の変化を検出する電流検出器と、この電流検
出器が検出した電流変化から電動モータに加わる外力・
外トルクを算出するモータ用演算器と、このモータ用演
算器が算出した外力・外トルクから電動モータシステム
または電動ロボットの手先に加わる外力・外トルクを算
出する手先用演算器とを含むことを特徴とする電動モー
タ系の外力・外トルク検出装置である。
【0011】本発明はまた、上記の構成に成る外力・外
トルク検出装置において、ディザー信号発生器が、電動
モータのフィードバック制御系におけるモータ回転数ま
たはモータ位置の制御を行う位置ループ、回転速度また
は移動速度の制御を行う速度ループ、電流制御を行う電
流ループのいずれかのループの前の入力信号ラインに出
力側を接続してなることを特徴とするものであり、ま
た、ディザー信号発生器が、電動モータに連結される被
駆動体の共振周波数よりも高い周波数の微細振幅に設定
されたディザー信号を発生するように形成されることを
特徴とするものであり、さらに、ディザー信号発生器
が、ディザー信号値によって決まるディザートルクを電
動モータに連結される被駆動体の最大静止摩擦力に比し
大きくさせる微細振幅に設定されたディザー信号を発生
するように形成されることを特徴とする電動モータ系の
外力・外トルク検出装置である。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明に従えば、電動モータの駆
動電流に対しその周波数よりも高い周波数の微細振幅を
有するディザー信号を印加・重畳することによって、電
動モータに連結される被駆動体を微小振動させて動摩擦
状態におくことが可能である。このようにすることによ
って、被駆動体に加わる外力・外トルクがモータの電流
に変化として直接現れる。従って、電動モータの電流変
化から電動モータに加わる外力・外トルクを正確に算出
することができる。また、各電動モータに加わる外力・
外トルクから電動モータシステム、電動ロボットの手先
に加わる外力・外トルクの検出を可能にする。
【0013】このようにして得られた外力・外トルク
は、例えば、ロボットにおける搬送物体の重量測定や、
力・トルク制御に利用される。この時、特にディザー信
号の周波数を被駆動体の機械的な共振周波数よりも高く
することによってディザー信号によるモータ軸、システ
ムの軸の位置決め精度の劣化を防ぐことができる。
【0014】さらに本発明の態様を、その実施例が示さ
れる添付図面を参照しながら説明する。図1及び図2に
は、本発明方法が適用される通常の物体搬送用及びバリ
取り用の電動ロボットが示され、また、図3には、本発
明の実施例に係る電動モータ駆動系統の外観形状が示さ
れる。図1は物体搬送用ロボットであり、本体部 101
と、ワーク 103を把持するための把持部 102とを備えて
いる。、本体部 101には、把持部 102を三次元的に移動
させるための電動モータを駆動源とする駆動系統が設け
られている。また、図2はバリ取り用ロボットであり、
本体部 104とワーク 106を研磨するための研磨部105 と
を備えている。本体部 104には、研磨部 105を三次元的
に移動させるための電動モータを駆動源とする駆動系統
が設けられている。
【0015】それらの駆動系統は図3に示されるよう
に、サーボモータで実現される電動モータ1と、その出
力軸に直結された減速機2とにより形成されていて、サ
ーボモータ1に外部から加わる外トルクは減速機2の出
力軸2Aに加わるトルクとなることは言うまでもない。
ここで、減速機2の減速比をnとし、減速機2における
摩擦を考えない場合には、出力軸2Aでのトルクは1/
n倍されてサーボモータ1の出力軸でのトルクとなる。
ところが、減速機2の摩擦が大きい場合には、出力軸2
Aのトルクが摩擦よりも小さくなったり、または、相対
的に小さいものとなったりするため、サーボモータ1の
出力軸でのトルクとして現れない場合や、ほとんど現れ
ない場合があり、このような状態については図4にトル
ク線図で示される通りである。
【0016】このことは、サーボモータ1の出力軸での
トルク、即ち、モータの電流値をモニタしていたとして
も減速機軸のトルクを正確に観測できないということを
意味するものである。そこで図5に示されるような外ト
ルク検出装置を考える。図5は、本発明の実施例に係る
外トルク検出装置が設けられるモータ制御系のブロック
回路図である。図5に示されるモータ制御回路は、サー
ボモータ1のトルク自動制御を行わせるために電流制御
する電流ループ3と、同じくモータ回転数自動制御を行
わせるために回転位置を制御する位置ループ4と、同じ
く回転速度自動制御を行わせるために回転速度を制御す
る速度ループ5との3つの制御ループを備えるフィード
バックモータ制御回路に形成されている。
【0017】上記モータ制御回路において、サーボモー
タ1のコイルに接続される回路には、位置制御回路6、
速度制御回路7、電流制御回路8、パワー素子を要素と
する電流出力回路9が直列関係に設けられていて、サー
ボモータ1には電流出力回路9の出力電流に対してトル
ク定数KT を乗じたトルクが加えられる。位置ループ4
における目標値に対するフィードバック量としては、サ
ーボモータ1の軸回転を検出するエンコーダ11の電気
信号が与えられ、速度ループ5における目標値に対する
フィードバック量としては、エンコーダ11の前記電気
信号を微分回路13により微分することによって得られ
る速度信号が与えられ、さらに、電流ループ3における
目標値に対するフィードバック量としては、サーボモー
タ1の駆動電流を検出する電流センサ12の電気信号が
与えられるようになっている。
【0018】このようなフィードバックモータ制御回路
に対して、モータの駆動電流の周波数よりも高い周波数
の微細振幅を持つディザー信号を出力するディザー信号
発生器14、ローパスフィルタ15、トルク定数KT 乗
算回路16及び減速比n乗算回路17から成るトルク検
出装置が付加される。但し、サーボモータ1がディジタ
ルサーボとなっているときは、トルク検出装置をソフト
的に加えることも可能である。なお、図5に示される例
は、ディザー信号発生器14が発生するディザー信号を
電流ループ3の前の入力(目標値)信号ラインに加える
ようにしているが、位置ループ4や速度ループ5に加え
ることも可能である。
【0019】ディザー信号発生器14からのディザー信
号が印加・重畳されたサーボモータ1の駆動電流は、ロ
ーパスフィルタ15によってディザー成分が取除かれた
電流にて出力された後、トルク定数KT と減速比nが乗
算されることによって、サーボモータ1軸に加わる外ト
ルク19として検出される。この外トルク19は、減速
機2の軸に加わる外トルク18に関連を有していること
は言うまでもない。
【0020】図6(1) 〜(4) には、本発明に係るサーボ
モータの外トルク検出の原理が示される。この図を参照
して、外トルクの検出原理を簡単に説明すると、ディザ
ー信号Id が電流ループ3の直前に加えられると、サー
ボモータ1が静止摩擦力に打ち勝って微小振動する結
果、サーボモータ1は静止摩擦力に較べて充分小さい動
摩擦力の影響下におかれる。このとき、外トルク19
(図6(1) 参照)が加えられるとフィードバックループ
により外トルクに相当する電流が流れる(図6(2)参
照)。なお、このときモータ電流にはディザー成分Id
が含まれる。
【0021】次に、ローパスフィルタ15を経させるこ
とによって図6(3) に示されるようにディザー成分Id
が除去される。これに、さらにトルク定数KT と減速比
nとを乗じたものが外トルク19(τo )となる(図6
(4) 参照)。なお、ディザー信号Id の周波数を被駆動
体の共振周波数より高くすることによって、モータ軸は
この振動に追従するが、被駆動体の動きは減衰すること
により小さくなる。このことは、図7のボード線図に示
される通りである。これにより、モータの位置精度やモ
ータシステム全体の位置精度の劣化を防ぐことができ
る。
【0022】次に、サーボモータ1の外トルク19を検
出する方法の動作手順を図8のフローチャートに基づき
図5を参照しながら以下に説明する。検出運転の開始
(Start)に伴ってstep1でディザー信号発生器14によ
りサーボモータ1の駆動電流にディザー信号Id の印加
・重畳を始める。次いで、step2に移行して、電流ルー
プ3の電流センサ12によってモータ電流を読み込む。
つづいて、step3に移行してローパスフィルタ15によ
り読み込んだ電流値にローパスフィルタをかけた後、st
ep4でトルク定数KT と減速比nを乗算する。その結果
は次のstep5でチェックされ、検出を終了するか続ける
かを判断して、終了するならstep6へ、続けるならstep
2へそれぞれ進ませる。終了が判断されるとstep6へ移
行して、モータ電流へのディザー信号Id の印加・重畳
を終了させる。
【0023】以上は減速機2が直結される電動モータに
加わる外トルクの検出手段についての説明であるが、電
動モータをアクチュエータとして備える複数軸を持つ電
動モータシステム、電動ロボットについても同様の要領
によって外力・外トルクの検出が可能であり、次に、電
動ロボットについて外力・外トルクの検出の態様を説明
する。図9には、本発明の実施例に係る電動ロボットの
外力・外トルク検出装置がブロック図で示される。また
図10には、同じく外力・外トルク検出方法のフローチ
ャートが示される。
【0024】図9において、A1 、A2 、〜AN は、図
5で説明したのと同じ外トルク検出装置であり、電動ロ
ボットの各軸モータの外トルク19-1、19-2、〜19
-Nをそれぞれ検出する。検出された各外トルク19-1、
19-2、〜19-Nは、手先の外力・外トルク検出装置B
に入力されて、ここで手先の外力・外トルク20が検出
される。この場合、電動ロボットの外力・外トルク20
の検出方法を図9及び図10に基づいて説明する。
【0025】先ずstep1において、各軸モータの外トル
ク19-1、19-2、〜19-Nを検出する。この検出の手
順は、図8に基づき行われる前記手順と同じであるので
重複を避けてここでは説明を省略する。なお、このとき
の各モータの外トルクをτi(i=1,2,…N)とする。また、
τ= [τ1,τ2,…, τN]T とおく。
【0026】次にstep2に移ってロボット手先の外力・
外トルク20を算出する。この場合のロボット手先の外
力・外トルク20の各成分をfi(i=1,2,…N)とおく。ま
た、f = [f 1,f 2,…, f N]T とおく。さらに、ロボッ
トのモータ角度( 軸角度) からロボット手先の位置・姿
勢へのヤコビアンをJとおく。このとき、ロボット手先
の外力・外トルクは次式(1) で与えられる。
【0027】
【数1】f=−JT-1 τ ………(1)
【0028】続いてstep3に移ってロボットの自重成分
を除去する演算を行う。即ち、step2での外力・外トル
クfは、ロボットの自重成分を含んでいるので、この成
分を差算する必要があるのである。例えば、図1に示さ
れる物体搬送用ロボットにおける重量測定の場合には、
物体を把持していないときのfの値(f0 とおく)を引
く必要がある。すると、重量に相当する手先の外力・外
トルク成分fext が、fext =f−f0 として得られ
る。また、図2に示されるバリ取り用ロボットにおける
接触力・トルク測定の場合には、ワークに接触していな
いときのfの値(これもf0 とおく)を引く必要があ
る。すると、接触力・トルク成分fext が、fext =f
−f0 として得られる。この手先外力・外トルク成分f
ext を算出する一例として、図11に示される2自由度
パラレルリンク機構を備えるロボットでの計算例を以下
に示す。
【0029】ロボット手先位置は下記式(2) で表され
る。
【0030】
【数2】 従って、ヤコビアンは下記式(3) となる。
【0031】
【数3】
【0032】このとき、自重成分を含む手先の外力は下
記式(4) で得られる。
【0033】
【数4】
【0034】ここで、手先に外力が働かないときのトル
クをτ10, τ20とおくと、自重成分のみから成る手先で
の外力は次式(5) のように計算される。
【0035】
【数5】
【0036】従って、外力は次式(6) のようになる。
【0037】
【数6】
【0038】
【発明の効果】本発明は以上述べたような構成を有し、
かつ、作用を成すものであって、電動モータの駆動電流
に対しその周波数よりも高い周波数の微細振幅を有する
ディザー信号を印加・重畳することによって、電動モー
タに連結される被駆動体を微小振動させて動摩擦状態に
おくことが可能であり、これによって、被駆動体に加わ
る外力・外トルクがモータの電流に変化として直接現れ
る。従って、複雑な構造でコスト高の力・トルクセンサ
を省略し得て、しかも、電動モータの電流変化から電動
モータに加わる外力・外トルクを正確に算出することが
できる。また、各電動モータに加わる外力・外トルクか
ら電動モータシステム、電動ロボットの手先に加わる外
力・外トルクの正確な検出が可能となる。以上のことか
ら。
【0039】このようにして得られた外力・外トルク
は、例えば、ロボットにおける搬送物体の重量測定や、
力・トルク制御に有効に利用することができる。特にデ
ィザー信号の周波数を被駆動体の機械的な共振周波数よ
りも高くすることによって、ディザー信号によるモータ
軸、システムの軸の位置決め精度の劣化を防ぐことがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】物体搬送用の電動ロボットの正面図である。
【図2】バリ取り用の電動ロボットの正面図である。
【図3】本発明の実施例に係る電動モータ駆動系統の斜
視図である。
【図4】本発明を説明するための減速機の摩擦によるモ
ータ軸でのトルク線図である。
【図5】本発明の実施例に係る外トルク検出装置が設け
られるモータ制御系のブロック回路図である。
【図6】本発明に係るサーボモータの外トルク検出の原
理説明図である。
【図7】本発明の実施例に係るディザー周波数設定のボ
ード線図である。
【図8】本発明の実施例に係るサーボモータの外トルク
検出方法のフローチャートである。
【図9】本発明の実施例に係る電動ロボットの外力・外
トルク検出装置のブロック図である。
【図10】本発明の実施例に係る電動ロボットの外力・
外トルク検出方法のフローチャートである。
【図11】ロボットの2自由度パラレルリンク機構図で
ある。
【符号の説明】
1…電動モータ、 2…減速機、3
…電流ループ、 4…位置ループ、
5…速度ループ、 6…位置制御回
路、7…速度制御回路、 8…電流制
御回路、9…電流出力回路、 10…乗
算回路、11…エンコーダ、 12…
電流センサ、13…微分回路、 1
4…ディザー信号発生器、15…ローパスフィルタ、
16…トルク定数KT 乗算回路、17…減速
比n乗算回路、 18…外トルク、19…外
トルク、

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被駆動体が連結される電動モータにおい
    て、この電動モータの駆動電流に対しその周波数よりも
    高い周波数の微細振幅を有するディザー信号を印加・重
    畳して、この印加・重畳によって生じる電動モータの電
    流変化から電動モータに加わる外力・外トルクを算出す
    ることを特徴とする電動モータ系の外力・外トルク検出
    方法。
  2. 【請求項2】 電動モータをアクチュエータとして各軸
    に備える電動モータシステムまたは電動ロボットにおい
    て、各電動モータの駆動電流に対しその周波数よりも高
    い周波数の微細振幅を有するディザー信号を印加・重畳
    して、この印加・重畳によって生じる各電動モータの電
    流変化から各軸の電動モータに加わる外力・外トルクを
    算出し、この各外力・外トルクから電動モータシステム
    または電動ロボットの手先に加わる外力・外トルクを検
    出することを特徴とする電動モータ系の外力・外トルク
    検出方法。
  3. 【請求項3】 ディザー信号が、電動モータのフィード
    バック制御系におけるモータ回転数またはモータ位置の
    制御を行う位置ループ、回転速度または移動速度の制御
    を行う速度ループ、電流制御を行う電流ループのいずれ
    かのループの前の入力信号ラインに印加・重畳される請
    求項1または2に記載の電動モータ系の外力・外トルク
    検出方法。
  4. 【請求項4】 ディザー信号が、電動モータに連結され
    る被駆動体の共振周波数よりも高い周波数の微細振幅に
    設定される請求項1、2または3に記載の電動モータ系
    の外力・外トルク検出方法。
  5. 【請求項5】 ディザー信号が、該信号値によって決ま
    るディザートルクを電動モータに連結される被駆動体の
    最大静止摩擦力に比し大きくさせる微細振幅に設定され
    る請求項1、2、3または4に記載の電動モータ系の外
    力・外トルク検出方法。
  6. 【請求項6】 被駆動体が連結される電動モータにおい
    て、この電動モータの駆動電流に対しその周波数よりも
    高い周波数の微細振幅を有するディザー信号を印加・重
    畳するディザー信号発生器と、電動モータの駆動電流の
    変化を検出する電流検出器と、この電流検出器が検出し
    た電流変化から電動モータに加わる外力・外トルクを算
    出するモータ用演算器とを含むことを特徴とする電動モ
    ータ系の外力・外トルク検出装置。
  7. 【請求項7】 電動モータをアクチュエータとして各軸
    に備える電動モータシステムまたは電動ロボットにおい
    て、各電動モータの駆動電流に対しその周波数よりも高
    い周波数の微細振幅を有するディザー信号を印加・重畳
    するディザー信号発生器と、各電動モータの駆動電流の
    変化を検出する電流検出器と、この電流検出器が検出し
    た電流変化から電動モータに加わる外力・外トルクを算
    出するモータ用演算器と、このモータ用演算器が算出し
    た外力・外トルクから電動モータシステムまたは電動ロ
    ボットの手先に加わる外力・外トルクを算出する手先用
    演算器とを含むことを特徴とする電動モータ系の外力・
    外トルク検出装置。
  8. 【請求項8】 ディザー信号発生器が、電動モータのフ
    ィードバック制御系におけるモータ回転数またはモータ
    位置の制御を行う位置ループ、回転速度または移動速度
    の制御を行う速度ループ、電流制御を行う電流ループの
    いずれかのループの前の入力信号ラインに出力側を接続
    してなる請求項6または7に記載の電動モータ系の外力
    ・外トルク検出装置。
  9. 【請求項9】 ディザー信号発生器が、電動モータに連
    結される被駆動体の共振周波数よりも高い周波数の微細
    振幅に設定されたディザー信号を発生するように形成さ
    れる請求項6、7または8に記載の電動モータ系の外力
    ・外トルク検出装置。
  10. 【請求項10】 ディザー信号発生器が、ディザー信号
    値によって決まるディザートルクを電動モータに連結さ
    れる被駆動体の最大静止摩擦力に比し大きくさせる微細
    振幅に設定されたディザー信号を発生するように形成さ
    れる請求項6、7または8に記載の電動モータ系の外力
    ・外トルク検出装置。
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