JP2003251628A - プラスチック製品並びに再利用可能プラスチック生産装置及び方法 - Google Patents

プラスチック製品並びに再利用可能プラスチック生産装置及び方法

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JP2003251628A
JP2003251628A JP2002053306A JP2002053306A JP2003251628A JP 2003251628 A JP2003251628 A JP 2003251628A JP 2002053306 A JP2002053306 A JP 2002053306A JP 2002053306 A JP2002053306 A JP 2002053306A JP 2003251628 A JP2003251628 A JP 2003251628A
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修一 岩田
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    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/62Plastics recycling; Rubber recycling

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  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 再利用可能なプラスチックを経済的かつ高品
位に生産可能にする。 【解決手段】 プラスチック再生時の材質又は物性の範
囲に基づいて予め定められた分類別に回収プラスチック
材料を取り込む分類手段Aと、分類した回収プラスチッ
ク材料を他の材料と分離する分離手段として、分類手段
Aにて分類されたプラスチックとの複合構成物を所定の
大きさに破砕する破砕機1、破砕手段1にて破砕された
破砕物から金属を分離除去する磁力選別機2および金属
選別機3、軽量異物をプラスチックから分離する振動ミ
ル4、振動ミル4によって分離されたプラスチックと軽
量異物とを風力を利用して選別する風量選別機5とを備
えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子・電気機器、
自動車、産業機械、包装容器、建築資材等に利用される
プラスチック製品のリサイクル性向上と、電子・電気機
器、自動車、産業機械、包装容器、建築資材等に利用さ
れ回収された使用済プラスチックのリサイクルを行な
い、高品質な再利用可能プラスチックを生産するための
方法、または装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の家電リサイクル法などの地球環境
保護に関する法的な規制を背景にプラスチックのリサイ
クルの検討が盛んに行われている。プラスチックのリサ
イクルは、マテリアルリサイクル、ケミカルリサイク
ル、サーマルリサイクルの3つに分類することができる
が、再び同様のプラスチックに戻すというマテリアルリ
サイクルの環境負荷が最も小さく、回収・分別にかかる
経済コストが小さければ、最も優れたリサイクル方法で
あると言われている。そこで、回収したプラスチックを
材料別に分別しやすくするため、プラスチック部品には
材質名を表示することが行われている。
【0003】しかし、現在、回収されている廃家電品の
材質表示によって分類されるプラスチックの物性範囲は
非常に幅広く、この分類によってプラスチック部品を分
別・回収したものを同様のプラスチック材料(以下、
「再生プラスチック」という)に戻した場合、回収・再生
単位(以下、「ロット」という)の間で、物性値にばらつ
きが生じてしまう。また、ばらつきを修正するために、
物性値を調整しようとすれば検査費用や調整費用によ
り、再生プラスチックの価格が新規のプラスチック(以
下「バージンプラスチック」という)よりも高くなってし
まって、再生プラスチックの適用範囲が広がらないとい
う問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような問題を解決
する手段として、コピー機などのOA機器では、特開2
000−153524のように、材質表示に加え、材料
メーカーが商品名としてつけている品番(以下、「グレ
ード名」という)をプラスチック部品に表示している。
グレード名は含まれるすべての成分と量が特定のものに
限定されたプラスチックにつけられているので、グレー
ド名により、分別・回収して得られた再生プラスチック
は、ロット間の物性値のばらつきが非常に小さくなると
いうメリットがある。
【0005】しかし、グレード名はその性質上、各材質
内でも膨大な数であり、この分類による分別・回収で
は、大型部品に特定のグレードのプラスチックを長年に
わたって採用しているような限られた製品の場合を除い
て、分別数の多さや回収量の観点から、低価格で安定し
た供給量を確保できる再生プラスチックを得ることが非
常に難しい。
【0006】この発明は上記のような課題を解消するた
めになされたもので、再利用可能なプラスチックを経済
的かつ高品位に生産可能にすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明に係るプラスチ
ック製品は、プラスチック再生時の材質又は物性の範囲
に基づいて予め定められた分類を表示する表示部を備え
たものである。
【0008】また、前記材質又は物性の範囲を加工性、
剛性及び衝撃強度により定めたものである。
【0009】また、前記分類は予め定められた記号によ
って表示したものである。
【0010】また、この発明に係る再利用可能プラスチ
ック生産装置は、プラスチック再生時の材質又は物性の
範囲に基づいて予め定められた分類別に回収プラスチッ
ク材料を取り込む分類手段と、分類した回収プラスチッ
ク材料を他の材料と分離する分離手段とを備えたもので
ある。
【0011】また、前記材質又は物性の範囲を加工性、
剛性及び衝撃強度により定めたものである。
【0012】また、前記分類はプラスチック製品に表示
される分類表示と予め合致するよう定め、前記分類手段
はこのプラスチック製品に表示された分類表示と前記分
類とを照合して取り込むものである。
【0013】また、この発明に係る再利用可能プラスチ
ック生産方法は、プラスチック再生時の材質又は物性の
範囲に基づいて予め定められた分類別に回収プラスチッ
ク材料を取り込む分類工程と、分類した回収プラスチッ
ク材料を他の材料と分離する分離工程とを備える。
【0014】また、前記材質又は物性の範囲を加工性、
剛性及び衝撃強度により定めた。
【0015】また、前記分類はプラスチック製品に表示
される分類表示と予め合致するよう定め、前記分類工程
はこのプラスチック製品に表示された分類表示と前記分
類とを照合して取り込む工程を含む。
【0016】
【発明の実施の形態】実施の形態1.以下、本発明の実
施の形態1による再利用可能プラスチック生産装置を図
について説明する前に、材質又は物性による分類につい
て説明する。本実施の形態では、材質及び物性値によっ
て分類を行い、物性値は材料の加工性と剛性および衝撃
強度に範囲を定めて分類した。図1は材質がポリプロピ
レン樹脂(以下、PPという)の場合における物性値と
その範囲を分類した対応表である。加工性についてはメ
ルトフローレート(以下MFRという)、剛性について
は曲げ弾性率、衝撃強度についてはアイゾット衝撃強度
を用いた。分類の範囲は再生プラスチックとして利用す
る際に要求される物性値のレベル毎に分けてある。この
分類方法で、主用PPメーカー5社の計129グレード
名のPPを分類したところ、図2の通り36種類に分類
することができる。必要に応じて難燃剤や強化材などの
添加剤による分類を加えても良い。
【0017】図3は本実施の形態における再利用可能プ
ラスチック生産装置(リサイクルプラント)を示すブロ
ック図である。図3において、Aは上述した図2の36
種類の分類別に廃製品の投入口が分かれた分類機(分類
手段)、1は分類機Aにて分類された金属やシール類、
ウレタンフォームなどと分類されたプラスチックとの複
合構成物を所定の大きさ以下に破砕する破砕機(破砕手
段)、2は破砕機1によって破砕された破砕物から、
鉄、ステンレスなどの磁石に引き付けられる金属および
これら金属を含むプラスチックを磁石によって分離除去
する磁力選別機(第1の金属選別手段)、3は磁力選別
機2によって破砕物から分離除去できなかった真鍮やあ
る種のステンレスなどの磁力に引き付けられない金属お
よびこれら金属を含むプラスチックを金属検知器によっ
て検知し、検知した金属を破砕物から分離除去する金属
選別機(第2の金属選別手段)である。
【0018】4は金属選別機3によって金属の殆どが分
離除去された後のプラスチック片などの表面を擦過し、
プラスチック片に付着したシール類やその粘着材、ウレ
タンフォームなどの軽量異物をプラスチックから分離す
る振動ミル(軽量異物分離手段)、5は振動ミル4によ
って分離されたプラスチックと軽量異物とを風力を利用
して選別する風力選別機(軽量異物選別手段)である。
これら分類機Aによる分類工程並びに破砕機1、磁力選
別機2、金属選別機3、振動ミル4及び風力選別機5に
よる分離工程がこの順番に処理工程を形成するようリサ
イクルプラントに配置されている。
【0019】次に動作について説明する。プラスチック
に金属部品などが構成された複合構成物は、上述した3
6の分類に従って分類機Aの所定の投入口に投入され
る。破砕機1により5〜8mm程度の大きさにまで破壊さ
れ、破壊を伴いながらプラスチック部分と金属単体もし
くは金属を含むプラスチック部分となどに分離する。破
砕機1を出た破砕物は磁力選別機2へと送られる。磁力
選別機2では、約6000ガウス以上の磁石によって引
き付けられる鉄などの金属およびこのような金属を含む
プラスチックを破砕物中から磁石に引き付けて選別す
る。これによって磁石に引き付けられる金属のうち大ま
かなものは取り除かれる。磁石に引き付けられなかった
プラスチック片などの破砕物は金属選別機3へと送られ
る。
【0020】磁力選別機2で磁石にひきつけられなかっ
た真鍮やある種のステンレスなどの金属およびこのよう
な金属を含むプラスチックは、金属選別機3において金
属検出機がその存在を検出する。検出された金属はその
検出位置を基に破砕物から選別除去される。これによっ
て磁石に引き付けられないような金属のうち大まかなも
のも取り除かれる。大まかな金属が除去された後のプラ
スチック片などは振動ミル4へと送られる。振動ミル4
では、プラスチック片などの表面を機械的に擦過するこ
とにより、プラスチックと異なる素材で作られたシール
類やその粘着材並びに防振、防音用のウレタンフォーム
やその貼り付けに利用される粘着材などの軽量異物とに
分離する。分離されたプラスチックや軽量異物は風力選
別機5へと送られる。
【0021】振動ミル4で分離された破砕に伴う粉塵や
シールなどの剥離された部分である軽量異物は風力選別
機5にてプラスチックと分離される。このようにして軽
量異物を選別除去することにより、物性のばらつきを抑
え、異物の少ない高品質の再利用可能プラスチック原料
を得ることができる。
【0022】図4は本実施の形態で使用される分類機A
の様子を示した概念図である。分類機Aは図2に示され
た分類毎に分けられ投入口A1が開口し、投入口A1上
方には投入口の分類が図2の何れかの分類であることを
示す分類表示A2が投入作業者からわかるよう表示され
ている。A3は投入口A1側方に位置する投入台A4か
ら投入口A1正面に位置する投入穴A5に投入された廃
家電品などの複合構成物を投入口A1内へと移送するベ
ルトコンベアである。投入穴A5はベルトコンベアA3
よりも手前側まで開口しており、ベルトコンベアA3の
メンテナンス時にはメンテナンス作業空間としての役割
も担う。尚、図4ではベルトコンベアA3等が見えるよ
う、投入台A4を破線で示した透視斜視図にして示して
いる。
【0023】次に動作について説明する。テレビ、エア
コン、冷蔵庫、洗濯機、パソコンなど廃家電製品よりな
る複合構成物は図2の分類に従って作業員により分類さ
れ、分類機Aの分類が合致する投入口A1右側或いは左
側所定の側の投入台A4より投入穴A5内のベルトコン
ベアA3上に投下される。投下された複合構成物はベル
トコンベアA3によって投入口A1内へと移送され、さ
らにこの投入口A1によって以降の工程も分類毎に分離
された破砕機1へと進む。
【0024】図5は本実施の形態で使用される破砕機1
の様子を示した概念図である。図4において、11は軸
方向が水平で円柱状の回転ドラムで、周面に回転刃11
1が設けられている。12は複合構成物190を回転ド
ラム11に押し付けるプッシャーで、矢印121で示す
ように水平方向に移動する。191は破砕機によって破
砕された破砕物である。この破砕機1は複合構成物19
0を概ね5〜8mm程度の破砕物191にまで破砕するも
のである。
【0025】次に動作について説明する。分類機Aにて
所定の分類毎に分類され、ベルトコンベアA3により移
送されてきた複合構成物190は破砕機1に投入され
る。複合構成物190は水平方向121に移動するプッ
シャー12によって回転するドラム11に押し付けら
れ、回転ドラム11周面に設けられた回転刃111によ
って所定の大きさの破砕物191になるまで破砕され
る。破砕機1をこのような構成とすることで、複合構成
物190にプラスチックに比べて堅牢な金属部品が組み
付けられていても、破砕機のダメージを少なくでき、破
砕に費やす時間も短くできる。また、回転刃111によ
ってウレタンなどプラスチック表面に粘着された異物を
掻き落とすことができる。破砕物191を概ね8mm程度
以下にする理由は、後段の工程である磁力選別や風力選
別、静電選別時に選別しやすい大きさとするためで、5
mm程度以上とする理由は1mm以下のプラスチックだと粉
状になり再利用時に扱いにくいため、粉状プラスチック
の発生を抑えるためである。
【0026】図6は磁力選別機2の様子を示した概念図
である。図6において、20は磁力選別機2の筐体、2
1は軸方向が水平で円柱状の回転ドラムシェル、22は
回転ドラムシェル21内にて固定軸に固定された半円状
の永久磁石で、半円面は回転ドラム21の下向き回転方
向となる半周面に沿った曲面形状をしている。23は回
転ドラムシェル21下方に所定間隔をおいて設けられた
デバイダーである。永久磁石22の一方の端部は回転ド
ラム21の略最下部まで達しており、デバイダー23は
この端部よりも若干回転方向上流側に位置している。
【0027】次に動作について説明する。破砕機1から
排出されてきた破砕物290は磁力選別機2の筐体20
上部に形成された投入部から順次投入されていく。この
破砕物290は鉄やステンレスなどに代表される磁石に
くっつく性質を有する金属などの磁着物292と、アル
ミなどに代表される磁石にくっつかない金属やプラスチ
ックなどのた非磁着物291とが混在している。筐体2
0内に投入された破砕物290は回転ドラムシェル22
の直上に落下し、回転するドラム周面に沿って移動す
る。周面に沿って移動するとやがて重力や遠心力の作用
によって破砕物290は回転ドラムシェル22から離脱
し落下しはじめる。
【0028】このとき、非磁着物291は永久磁石22
の影響を受けることなく離脱、落下するが、磁着物29
2は永久磁石22によって回転ドラムシェル21にくっ
ついており、そのまま回転ドラムシェル21の周面最下
部まで移動する。磁着物292は最下部まで移動するこ
とによりデバイダー23を越える。磁着物292はデバ
イダー23を通過してすぐに永久磁石22の端部を通過
するため、重力により回転ドラムシェル21から離脱落
下する。このようにして、プラスチックなどの非磁着物
291と鉄などの磁着物292とが分離される。本実施
の形態では、磁性の弱いステンレスなども磁着物として
分離できるよう、回転ドラムシェル21表面での磁力が
約6000ガウス以上となるよう永久磁石22の大きさ
が設定されている。尚、磁石は永久磁石でなく電磁石で
も良い。
【0029】図7は金属選別機3の様子を示した概念図
である。図7において、31は磁力選別機2で磁石にく
っつく金属が取り除かれた後の破砕片を搬送する破砕片
コンベア(移動手段)、32は破砕片コンベアの終端付
近に設けられたアクチュエーター付きの経路切換ダンパ
ー(除去手段)で、実線の状態は金属検出時の位置を、
破線で示す32bの状態は金属を検出しない通常の位置
をそれぞれ示している。
【0030】33は破砕片コンベアの始端付近に設置さ
れたコイル、34は破砕片コンベア31によって搬送さ
れる金属含有片290の移動によってコイル33に発生
するパルス印加電圧による電圧曲線の減衰パターンの差
を検出し、破砕片コンベア31上の金属含有片290の
位置を演算する信号検出演算部(金属検出手段)、35
は経路切換ダンパー32の位置を切り換え指示するアク
チュエーター駆動電子回路である。
【0031】次に動作について説明する。磁力選別機2
から磁石にくっつく金属が取り除かれた破砕片は、主に
アルミニウムや一部のステンレスなど磁石にくっつかな
い金属が含まれた金属含有片290と、プラスチック片
291とから成る。このような破砕片が金属選別機3へ
と送られ、金属選別機3内では破砕片コンベア31上を
移動する。
【0032】破砕物コンベア31上の破砕物中の金属含
有片290は、図8に示すようにコイル33近傍に存在
することによって変化するパルス印加電圧340の電圧
曲線減衰パターンの差によって、信号検出演算部34が
金属含有片290の存在を検知し、この検知結果に基づ
いてアクチュエーター駆動電子回路35が破砕物コンベ
ア31の速度に応じた適当な遅れ時間の後(即ち金属含
有片290が破砕片コンベア31の終端に来るタイミン
グ)にアクチュエーター付の経路切り替えダンパー32
を金属検出時の破線位置32bに移動するよう制御す
る。この結果、金属含有片290は金属を含む破砕物の
排出方向292へと移動し、除去される。
【0033】また、金属含有片290が検出されない場
合には、アクチュエーター駆動電子回路35がアクチュ
エーター付の経路切り替えダンパー32を実線位置に維
持するよう制御する。この結果、プラスチック片291
は金属を含まない破砕物の排出方向293へと移動し、
振動ミル4へと搬送される。このように金属検出器を利
用して破砕物中の金属含有片290を選別除去すること
ができる。また、経路切り替えダンパー32を32b位
置にした際、プラスチック片291の一部が金属を含む
破砕物の排出方向292へと移動し、除去される可能性
があり、再利用可能なプラスチックの回収率が低下する
可能性があるが、事前に磁力選別機2を用いて磁石にく
っつく金属を取り除いているため、金属選別機3ですべ
ての金属を選別する必要がなく、経路切り替えダンパー
32が32b位置になる回数を減らすことができるか
ら、再利用可能なプラスチック片を高率で振動ミル4へ
送ることができる。
【0034】図9は擦過装置(軽量異物分離手段)の様
子を示した概念図である。図9において、451は擦過
装置内においてグリット461を放射するためのインペ
ラー(放射手段)、452は穴明きベルト453を所定
方向へと回転させるプーリー、454は金属が除去され
たプラスチック片470等の破砕片を収納するため穴明
きベルト453を窪ませるベントプーリー、455はベ
ントプーリー454の下方に設置されたグリット回収
皿、463は穴明きベルト453の穴から落下し、グリ
ット回収皿455へ回収される回収グリットである。
【0035】次に動作について説明する。上述した擦過
装置において、グリット461を高速で回転するインペ
ラ−451から放射し、穴明きベルト453上のプラス
チック片470表面に高速で衝突させることにより、プ
ラスチック表面のシールや防音用ウレタンなどを剥離さ
せる。穴明きベルト453の移動によってもプラスチッ
ク片470が互いに衝突する。このようにしてプラスチ
ック片の表面に粘着されたシールや防音用ウレタンなど
を剥離させることができる。
【0036】放射されたグリット461はプラスチック
片470表面を擦過し、シールやウレタン等を剥離した
後、プーリー452やベントプーリー454によって移
動する穴明きベルト453の穴を通過してグリット回収
皿455上に落下し回収され、再度インペラー451へ
と戻され利用される。プラスチック片470は穴明きベ
ルト453の移動により攪拌され、グリットが照射され
る面が偏らないように構成されている。このような分離
工程の後、プラスチック片470は剥離されたシールや
防音用ウレタンなどと一緒に風力選別機5へと搬送され
る。このようにして、プラスチック片からシールや防音
用ウレタンなどの軽量異物を確実に分離することができ
る。
【0037】図10は振動ミル4の様子を示した概念図
である。図10において、40は擦過装置の外殻で、図
11、12に示すような周面にローレット加工による溝
411を有する円柱状で鉄製のロッド41を内蔵してい
る。42は外殻40の一端に開口したプラスチック片4
01の投入口、43は外殻40の他端に開口したプラス
チック片401の排出口、44はユニバーサルジョイン
ト45を介して駆動軸を外殻40に偏心して装着したモ
ーター、46は外殻40を支える支持ばねである。
【0038】次に動作について説明する。金属が除外さ
れ金属選別機3から排出された主にプラスチック片40
1から成る破砕物は、投入口42から外殻40内に投入
される。モーター44の回転駆動力は偏心した駆動軸、
ユニバーサルジョイント45によって外殻40を偏心回
転させる。この偏心回転により支持バネ46によって支
えられた外殻40内の鉄製のロッド41とプラスチック
片401は高速な振動を与え合う。外殻40の一端にプ
ラスチック片401の投入口42を、他端にプラスチッ
ク片401の排出口43を配置することにより、投入口
42から送致されたプラスチック片401は高速振動す
る外殻40とロッド41の間隙内を安息角に沿って移動
しながら、ロッド41の間で強力に擦過してプラスチッ
ク片401の表面に付着したシールや防音用ウレタンな
どの異物を削り落とす。
【0039】このような振動ミル4によって、比較的大
きなエネルギーでプラスチック表面を衝撃擦過すること
ができるため、シールなどの異物、粘着材、さらにはプ
ラスチック片における一部の表面劣化層の除去が可能に
なる。尚、上記実施の形態では周面にローレット加工に
よる溝411が形成されたロッド41を用いたが、例え
ば図13のように周面に凹凸の梨子地412が形成され
たロッド41としてもよく、同様な効果が得られる。ま
た、ロッド41は筒状でなく球状でも良い。
【0040】図14は風力選別機5の様子を示した概念
図である。図14において、50は風力選別機5のケー
シング、51はケーシング50の天面に開口し、前段の
分離工程にて剥離されたシールやウレタンフォーム、さ
らには破砕時の粉塵などの軽量異物502を含むプラス
チック片501の投入口、52はケーシング50の底面
に開口し異物分離後のプラスチック片503を排出する
排出口である。
【0041】53はケーシング50の中部と下部に形成
された風入口、54はケーシング50上部に形成された
異物吸入口で、これら各口は上下方向に千鳥状に位置す
る。55は一つ目が投入口51と中部の風入口53との
間から下部風入口53と異物吸入口54との間にかけて
下降傾斜するよう配置され、二つ目が下部風入口53と
異物吸入口54との間から排出口52にかけて下降傾斜
するよう配置された穴明きスロープで、投入口51から
排出口52に至るプラスチック片搬送経路を形成する。
510は各風入口53から異物吸入口54へ至る選別風
の流れ方向である。
【0042】次に動作について説明する。風力選別機5
は図9、図10に示す擦過手段により剥離されたシール
やウレタン片や粉塵等の軽量異物502を含むプラスチ
ック片501から軽量異物502を分離する。投入口5
1から投入された剥離されたシールやウレタン片や粉塵
等の軽量異物502を含むプラスチック片501は、一
つ目の穴明きスロープ55上を滑りながら移動する。こ
のとき中部の風入り口53から供給される選別風510
によって投影面積あたりの重量が小さい剥離されたシー
ルやウレタン片や粉塵等の軽量異物502が吹き上げら
れ、選別風510とともに異物吸入口54から排出され
る。同様にプラスチック片501は二つ目の穴明きスロ
ープ55上を滑りながら移動し、下部の風入り口53か
ら供給される選別風510によって投影面積あたりの重
量が小さい剥離されたシールやウレタン片や粉塵等の軽
量異物502が吹き上げられ、選別風510とともに異
物吸入口54から排出される。
【0043】図14の例は穴明きスロープ55が2段に
構成されている例であり、一つ目の穴明きスロープから
二つ目の穴明きスロープにプラスチック片501が移る
際の落下時にプラスチック片が攪拌され、二つ目のスロ
ープで表面に出てきた軽量異物502を除去でき、軽量
異物502の除去精度の向上が図られている。異物分離
後のプラスチック片503はケーシング50の下部に配
置されたの排出口52から排出される風入口53から流
入する風力は軽量異物502の大きさや重量、プラスチ
ック片503の大きさや重量に応じて調整可能になって
いる。以上の工程を経て再利用可能プラスチックが抽出
生産される。
【0044】実施の形態2.図15は本実施の形態にお
けるセパレート型空気調和機の室内機を示す斜視図であ
る。図15において、Cは壁などに取り付けられる空気
調和機本体、C1は壁面に固定される図示しない据付板
に引っ掛け固定され、プラスチックより成る本体筐体、
C2は本体筐体C1の前面を覆うプラスチックより成る
パネル、C5は壁穴C6を通じて図示しない室外機と接
続される配管類、Bは本体筐体C1の下面に彫り込み表
示された表示部である。この空気調和機本体Cはプラス
チック部品が図2の分類上同分類となるプラスチック材
質より構成されている。空気調和機本体C内部にはプラ
スチック部品の他、金属製の熱交換器など異種材料の部
品も含まれている。
【0045】図16は図15に示された表示部Bの拡大
図である。図16において、表示部Bにはプラスチック
部品の材質記号B1、プラスチック部品の添加剤の種類
を示す記号B2、同添加剤の量を示す記号B3、図2に
より分類された物性値等の分類記号B4が表示されてい
る。このようにリサイクルプラントにてリサイクル処理
に供することを目的とする家電製品等のプラスチック製
品には、回収したいプラスチック部品に表示部Bのよう
な表示がされている。材質記号B1は、JISK689
9に従い、物性値等の分類記号は実施の形態1及び図
1、2の分類と同一分類にしてある。
【0046】従って、このようなプラスチック製品は廃
家電品となった後、実施の形態1における再利用可能プ
ラスチック生産装置(リサイクルプラント)を通じて容
易に再利用可能プラスチックが抽出生産できるようにな
る。即ち、実施の形態1の分類機Aにおいて、空気調和
機本体Cの表示部Bに表示された分類記号B4に基づい
て、このB4と合致する分類表示A2の投入口A1に対
応する投入台A4から投入穴A5内のベルトコンベアA
3に投入してやれば、以降実施の形態1の分離工程に沿
って再利用可能プラスチックの抽出生産が行なわれる。
この分類に基づく表示によれば、廃家電品からのプラス
チック部品の分別・回収がしやすく、分類毎の回収量
も、グレード名で分別・回収した場合に比べ、容易に確
保できる。また、必要に応じて難燃剤や強化材などの添
加剤の種類、量を表示してあるので、リサイクル処理時
に添加剤の考慮も可能になる。
【0047】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、プラ
スチック再生時の材質又は物性の範囲に基づいて予め定
められた分類を表示する表示部を備えたので、回収時に
は回収用途に応じた範囲で分類すればよくなるから、再
利用可能プラスチックの抽出生産が容易なプラスチック
製品にできる。
【0048】また、前記材質又は物性の範囲を加工性、
剛性及び衝撃強度により定めたので、再利用可能プラス
チックの抽出生産に適したプラスチック製品にできる。
【0049】また、前記分類は予め定められた記号によ
って表示したので、分類作業が容易にできる。
【0050】また、プラスチック再生時の材質又は物性
の範囲に基づいて予め定められた分類別に回収プラスチ
ック材料を取り込む分類手段と、分類した回収プラスチ
ック材料を他の材料と分離する分離手段とを備えたの
で、再利用可能プラスチックの生産時における回収プラ
スチックの物性のバラツキを抑制できる。
【0051】また、プラスチック再生時の材質又は物性
の範囲に基づいて予め定められた分類別に回収プラスチ
ック材料を取り込む分類工程と、分類した回収プラスチ
ック材料を他の材料と分離する分離工程とを備えたの
で、再利用可能プラスチックの生産時における回収プラ
スチックの物性のバラツキを抑制できる。
【0052】また、前記材質又は物性の範囲を加工性、
剛性及び衝撃強度により定めたので、分類が細分化しす
ぎることを抑え、安定した品質を確保しつつ回収プラス
チックを容易に確保できる。
【0053】また、前記分類はプラスチック製品に表示
される分類表示と予め合致するよう定め、前記分類手段
はこのプラスチック製品に表示された分類表示と前記分
類とを照合して分類される回収プラスチックを取り込む
ので、回収プラスチックの分類が容易に行なえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 材質がポリプロピレン樹脂(以下、PPとい
う)の例の場合における物性値とその範囲を分類した対
応表である。
【図2】 材質がポリプロピレン樹脂(以下、PPとい
う)の例の場合における分類表である。
【図3】 本発明の実施の形態1による再利用可能プラ
スチック生産装置を示すブロック図である。
【図4】 本発明の実施の形態1による再利用可能プラ
スチック生産装置の分類装置を示す概念図である。
【図5】 本発明の実施の形態1による再利用可能プラ
スチック生産装置の1軸押し付け式破砕機を示す概念図
である。
【図6】 本発明の実施の形態1による再利用可能プラ
スチック生産装置のドラム型磁力選別機を示す概念図で
ある。
【図7】 本発明の実施の形態1による再利用可能プラ
スチック生産装置の金属選別機を示す概念図である。
【図8】 本発明の実施の形態1による再利用可能プラ
スチック生産装置の金属選別機を示す概念図である。
【図9】 本発明の実施の形態1による再利用可能プラ
スチック生産装置の硬質砂状物の照射による表面擦過装
置を示す概念図である。
【図10】 本発明の実施の形態1による再利用可能プ
ラスチック生産装置のロッドミルタイプの表面擦過装置
を示す概念図である。
【図11】 本発明の実施の形態1による再利用可能プ
ラスチック生産装置のロッドミルにおけるロッドの表面
状態を示す概念図である。
【図12】 本発明の実施の形態1による再利用可能プ
ラスチック生産装置のロッドミルにおけるロッドの表面
状態を示す概念図である。
【図13】 本発明の実施の形態1による再利用可能プ
ラスチック生産装置のロッドミルにおけるロッドの表面
状態を示す概念図である。
【図14】 本発明の実施の形態1による再利用可能プ
ラスチック生産装置の風力選別機を示す概念図である。
【図15】 本発明の実施の形態2による空気調和機本
体を示す斜視図である。
【図16】 本発明の実施の形態2による表示部を示す
拡大図である。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチック再生時の材質又は物性の範
    囲に基づいて予め定められた分類を表示する表示部を備
    えたことを特徴とするプラスチック製品。
  2. 【請求項2】 前記材質又は物性の範囲を加工性、剛性
    及び衝撃強度により定めたことを特徴とする請求項1記
    載のプラスチック製品。
  3. 【請求項3】 前記分類は予め定められた記号によって
    表示したことを特徴とする請求項1又は2記載のプラス
    チック製品。
  4. 【請求項4】 プラスチック再生時の材質又は物性の範
    囲に基づいて予め定められた分類別に回収プラスチック
    材料を取り込む分類手段と、分類した回収プラスチック
    材料を他の材料と分離する分離手段とを備えたことを特
    徴とする再利用可能プラスチック生産装置。
  5. 【請求項5】 前記材質又は物性の範囲を加工性、剛性
    及び衝撃強度により定めたことを特徴とする請求項4記
    載の再利用可能プラスチック生産装置。
  6. 【請求項6】 前記分類はプラスチック製品に表示され
    る分類表示と予め合致するよう定め、前記分類手段はこ
    のプラスチック製品に表示された分類表示と前記分類と
    を照合して分類される回収プラスチックを取り込むこと
    を特徴とする請求項4又は5記載の再利用可能プラスチ
    ック生産装置。
  7. 【請求項7】 プラスチック再生時の材質又は物性の範
    囲に基づいて予め定められた分類別に回収プラスチック
    材料を取り込む分類工程と、分類した回収プラスチック
    材料を他の材料と分離する分離工程とを備えたことを特
    徴とする再利用可能プラスチック生産方法。
  8. 【請求項8】 前記材質又は物性の範囲を加工性、剛性
    及び衝撃強度により定めたことを特徴とする請求項7記
    載の再利用可能プラスチック生産方法。
  9. 【請求項9】 前記分類はプラスチック製品に表示され
    る分類表示と予め合致するよう定め、前記分類工程はこ
    のプラスチック製品に表示された分類表示と前記分類と
    を照合して取り込む工程を含むことを特徴とする請求項
    7又は8記載の再利用可能プラスチック生産方法。
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