JP2003247618A - ボールねじ - Google Patents

ボールねじ

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JP2003247618A
JP2003247618A JP2002046511A JP2002046511A JP2003247618A JP 2003247618 A JP2003247618 A JP 2003247618A JP 2002046511 A JP2002046511 A JP 2002046511A JP 2002046511 A JP2002046511 A JP 2002046511A JP 2003247618 A JP2003247618 A JP 2003247618A
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screw
rolling path
ball screw
ball rolling
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JP2002046511A
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Tsutomu Okubo
努 大久保
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NSK Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ボールがボール循環路とボール転動路との間
を通過する際の急激な圧力変化を緩和できると共にボー
ルとボールねじ溝の摩耗と剥離を有効に抑制できるボー
ルねじを提供する。 【解決手段】 本発明は外径面にボールねじ溝1aを有
するねじ軸1と、前記ねじ軸のボールねじ溝1aに対向
するボールねじ溝2aを内径面に有し、前記両ボールね
じ溝により形成されるボール転動路8に転動自在に装填
された多数のボール10を介して前記ねじ軸に螺合され
るボールナット2と、前記ボールを前記ボール転動路8
の一端からすくい上げて他端に戻るボール循環路9と、
を備えたボールねじにおいて、前記ボール転動路の一端
のボールすくい上げ開始部8bの表面硬さを、負荷を受
ける前記ボール転動路のボール転動部8aの表面硬さよ
り小さくした。よって、ボール循環路とボール転動路間
にボールの滑りが発生し難くなり、ボールとボールねじ
溝の摩耗と剥離を有効に抑制できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工作機械や各種装
置で高荷重、高速回転で使用されるボールねじに係り、
特にボール循環路とボール転動路間においてボールをス
ムーズに循環させることができるボールねじに関する。
【0002】
【従来の技術】ボールねじとしては、従来、外径面に螺
旋状のボールねじ溝を有するねじ軸と、前記ボールねじ
溝と対向する螺旋状のボールねじ溝を内径面に有するボ
ールナットとを備え、前記両ボールねじ溝により形成さ
れるボール転動路内に多数のボールを介在せしめ、別体
の循環チューブ等からなる循環路を経由して、前記ボー
ルを前記ボール転動路の一端からすくいあげて他端に戻
し、このようにして多数のボールを循環させつつボール
ナットとねじ軸をその軸心まわりに相対螺旋運動させる
ものが知られている。
【0003】なお、前記循環チューブの両端は、一般に
ボールナットのボールねじ溝に連通して開設される二つ
の装着穴に嵌挿されている。一方、ボールナットに取り
付けられる循環チューブの内径はボールの外径よりも若
干大きく形成されているから、ボール循環路内ではボー
ルは無負荷状態となっている。これに対して、ねじ軸と
ボールナットの両ボールねじ溝間に形成されるボール転
動路ではボールは予圧により若干弾性変形しているの
で、負荷状態となっている。以降はこの負荷状態におい
てボールが転動する通路をボール転動路の転動部と記
す。
【0004】他方、ボール転動路からボール循環路へボ
ールがすくい上げられる際には、循環チューブの一端の
開口部(すなわち、ボールすくい上げ部)とボール転動
路との境界部分(以降は、ボール転動路のボールすくい
上げ開始部と記す)において、ボールに対する急激な圧
力解放が行われる。また、ボール循環路からボール転動
路へボールが戻される際には、循環チューブの他端の開
口部(すなわち、ボール送り込み部)とボール転動路と
の境界部分(以降は、ボール転動路のボール送り込み開
始部と記す)において、ボールに対する急激な圧力付加
が行われる。なお、ねじ軸を逆転させると、ボールの循
環移動方向が逆になるので、正転時の前記ボールすくい
上げ開始部が前記ボール送り込み開始部となり、前記ボ
ール送り込み開始部が前記ボールすくい上げ開始部とな
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来のボールねじで
は、ボール転動路のボールすくい上げ開始部のボールね
じ溝がボール転動路の転動部のボールねじ溝と同様な熱
処理によって、ほぼボールに近い硬さを有するため、ボ
ールは前記ボール循環路から前記ボール転動路に入り込
む際に、急激な応力変化を受けると共に、ねじ軸とボー
ルナットの振動につながり騒音の問題となる恐れがあ
る。
【0006】図5はこの応力変化に伴う騒音の測定結果
を示すものであり、図中に示すように、2000Hz以
下である低周波数領域において、顕著なピーク山が見ら
れ、これは前述したようにボールがボール転動路に入り
込む際の急激な圧力変動によるものである。また、上記
のような急激な圧力変化はボールとボールねじ溝の摩耗
を促進させる要因となっている。特に、前記ボール転動
路のボールすくい上げ開始部又はボール送り込み開始部
は常にこの急激な圧力変化を受けているため、摩耗や剥
離が進展し易くなるという問題があった。
【0007】従来、この問題の対策としては、前記ボー
ルすくい上げ開始部又はボール送り込み開始部の有効径
を前記ボール循環路側に向けてなだらかに拡大して(以
降は、クラウニング部と記す)、圧力変動をなめらかに
するというクラウニング加工方法が提案されていた。し
かし、この方法は、圧力変動をなめらかにすることがで
きるが、ボールがクラウニング部を滑りながら移動して
いく可能性があるため、ボールとボールねじ溝との摩耗
と剥離を有効に軽減することができない場合があった。
【0008】更に、従来のボールねじでは、前記装着穴
はその先端部が前記ボールすくい上げ開始部又は前記ボ
ール送り込み開始部として機能し、その表面部も熱処理
により、ボールねじ溝とほぼ同じ表面硬さを有する。こ
のため、ボールは前記ボール循環路内では、後ろのボー
ルに押されながら、表面硬さの高い装着穴の先端部へ移
動している際に、硬いもの同士のすべりによって、装着
穴の先端部との摩耗や損傷が発生しし易いおそれがあっ
た。
【0009】そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなさ
れたものであり、ボール循環路とボール転動路間におい
てボールをスムーズに循環させることができると共に、
従来のものよりボールとボールねじ溝に摩耗と剥離が発
生し難いボールねじを提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は次のような構成からなる。すなわち、本発
明に係る請求項1のボールねじは、外径面にボールねじ
溝を有するねじ軸と、前記ねじ軸のボールねじ溝に対向
するボールねじ溝を内径面に有し、前記両ボールねじ溝
により形成されるボール転動路に転動自在に装填された
多数のボールを介して前記ねじ軸に螺合されるボールナ
ットと、前記ボールを前記ボール転動路の一端からすく
い上げて他端に戻るボール循環路と、を備えたボールね
じにおいて、前記ボール転動路の一端のボールすくい上
げ開始部の表面硬さを、負荷を受ける前記ボール転動路
のボール転動部の表面硬さより小さくしたことを特徴と
する。
【0011】ここで、ボールすくい上げ開始部は、ボー
ル転動路の一端の近傍部分のうち、ボールに予圧や外力
による負荷力が作用する箇所から負荷力の解除が完全に
終了するまでの箇所と定義する。この発明によれば、ボ
ール転動路において、ボールすくい上げ開始部の表面硬
さをボール転動部の表面硬さより小さくすることによ
り、ボール循環路からボール転動路へ向かって硬度が緩
やかに高くになっていくため、ボールの通過に伴う急激
な圧力変動が緩和されると共に、ねじ軸とボールナット
の振動も軽減され、振動と騒音の抑制につながることが
できる。またボールが硬度の低いボールすくい上げ開始
部に収容され転動しながらボール循環路に入っていく
際、表面硬さの相違によって、ボールとボールねじ溝と
の間にすべりが発生し難いため、ボールとボールねじ溝
の摩耗や剥離が緩和される。
【0012】また、本発明に係る請求項2のボールねじ
は、請求項1に記載のボールねじにおいて、前記ボール
転動路の一端のボールすくい上げ開始部の表面硬さは、
負荷を受ける前記ボール転動路のボール転動部の表面硬
さよりHRCで5〜20小さいことを特徴とする。本発
明によれば、請求項1と同様な作用・効果を得ることが
できる。
【0013】さらに、本発明に係る請求項3のボールね
じは、外径面にボールねじ溝を有するねじ軸と、前記ね
じ軸のボールねじ溝に対向するボールねじ溝を内径面に
有し、前記両ボールねじ溝により形成されるボール転動
路に転動自在に装填された多数のボールを介して前記ね
じ軸に螺合されるボールナットと、前記ボールを前記ボ
ール転動路の一端からすくい上げて他端に戻るボール循
環路と、を備えたボールねじにおいて、前記ボール転動
路の一端のボールすくい上げ開始部の剛性は、負荷を受
ける前記ボール転動路のボール転動部の剛性より小さい
ことを特徴とする。
【0014】本発明によれば、ボール転動路において、
前記ボールすくい上げ開始部の剛性を前記ボール転動部
の剛性より小さくすることにより、ボール循環路からボ
ール転動路へ向かって剛性が徐々に大きくなっていくた
め、請求項1と同様な作用・効果を得ることができる。
具体的には、前記ボールすくい上げ開始部の近傍部分に
おいて、ボールナットの外径面側からその内径面側に向
けて誘導穴を開設し、その剛性を低下させことにより、
請求項1と同様な作用・効果を得ると共に、ボールの通
過に伴う急激な圧力変化をより確実に吸収することがで
きる。
【0015】さらに、本発明に係る請求項4のボールね
じは、外径面にボールねじ溝を有するねじ軸と、前記ね
じ軸のボールねじ溝に対向するボールねじ溝を内径面に
有し、前記両ボールねじ溝により形成されるボール転動
路に転動自在に装填された多数のボールを介して前記ね
じ軸に螺合されるボールナットと、前記ボールを前記ボ
ール転動路の一端からすくい上げて他端に戻るボール循
環路と、を備えたボールねじにおいて、前記ボール転動
路の一端のボールすくい上げ開始部の表面粗さは、負荷
を受ける前記ボール転動路のボール転動部の表面粗さよ
り粗いことを特徴とする。ここでは、前記ボールすくい
上げ開始部の表面粗さを前記ボール転動路の表面粗さよ
り2倍以上粗くするのが好ましい。
【0016】本発明によれば、ボール転動路において、
前記ボールすくい上げ開始部の表面粗さがボール転動路
のボール転動部の表面粗さより粗くすることにより、前
記ボールすくい上げ開始部を通過するボールがより確実
に転がることから、前記請求項1、2、3と同様な効果
を得ることができる。さらに、本発明に係る請求項5の
ボールねじは、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に
記載のボールねじにおいて、前記ボール間にはセパレー
タを介在させたことを特徴とする。
【0017】本発明によれば、ボール間にセパレータを
介装することにより、ボール同士が接触することがな
く、ボールとセパレータとの相対滑り速度も大きく低下
するため、セパレータの素材に由来する潤滑性も相俟っ
てボールの摩耗が確実に抑えられ、ボールねじの耐久性
を格段に向上することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明のボールねじに係る
実施形態を図面を参照して説明する。図1は本発明に係
るボールねじの実施形態の平面図、図2は、図1のI−
I線の部分拡大図、図3は図1のII―II線の部分拡大
図、図4は本発明に係るボールねじの他の実施形態の側
面図である。
【0019】まず、図1乃至図3によりボールねじの全
体構成を説明すると、本発明に係るボールねじは、外径
面にボールねじ溝1aを有するねじ軸1と、前記ねじ軸
1のボールねじ溝1aに対向するボールねじ溝2aを内
径面に有し、前記両ボールねじ溝1a、2aにより形成
されるボール転動路8に転動自在に装填された多数のボ
ール10を介して、前記ねじ軸1に螺合されるボールナ
ット2と、前記ボール10を前記ボール転動路8の一端
からすくい上げて他端に戻るボール循環路9とを備えて
いる。
【0020】ねじ軸1は、外径面に螺旋状のボールねじ
溝1aを有する軸部材である。ボールナット2は、ねじ
軸1のボールねじ溝1aに対応するボールねじ溝2aを
内径面に有する円筒状の部材で、外径面の一部に形成さ
れた平面部3にボールねじ溝2aに開口する二つの装着
穴4が形成されている。このボールナットの装着穴4に
は、U字形の循環チューブ5の端部がそれぞれ嵌挿され
ている。この循環チューブ5は、止めねじ6によりボー
ルナットの平面部3に取付板7を介して固定されてい
る。
【0021】ボールナット2の内径面側には、ねじ軸1
を、ねじ軸1のボールねじ溝1aとボールナット2のボ
ールねじ溝2aと対向するように挿通し、ボール転動路
8が形成される。前記循環チューブ5の両端は、ボール
ナットの装着穴4に嵌挿してボール転動路8に至り、ボ
ール転動路8内を転動するボール10が循環チューブ5
を通って循環されるようになっている。
【0022】すなわち、ボール10は負荷を受けるボー
ル転動路8のボール転動部8a内を移動しねじ軸1の回
りを複数回回転してから、ボール転動路8の一端A(循
環チューブ5の端部とボール転動路8との交点)におい
て循環チューブ5の一方の端部(開口部)から循環チュ
ーブ5内にすくい上げられ、すくい上げられたボール1
0は、ボール循環路9の中を通って、循環チューブ5の
他方の端部(開口部)からボール転動路8の他端に戻さ
れる。なお、前記装着穴4の先端部4aはボール転動路
の端部と連通されている。
【0023】この際、前記装着穴4の先端部4aを含む
ボール転動路8の一端Aの近傍部分のうち、端部Dより
ボール転動路側ではボール10が完全に負荷を受けてい
る。荷重は端部Dから一端Aに向かって徐々に小さくな
り、一端Aと端部Bとの中間位置において(すなわち、
ボール転動路8の一端Aの手前において)荷重がほぼ完
全に解除される。
【0024】そして、端部Dから一端Aまでの部分はボ
ールすくいあげ開始部8bとし、その範囲は例えば、ボ
ール3個分と設計する。なお、ボール循環路9からボー
ル転動路8へボール10が戻される場合は、ボール転動
路8の他方の一端A(図示せず)の近傍部分において、
必要に応じて、前記ボールすくい上げ開始部8bと同様
な構造を有するボール送り込み開始部8cを形成するこ
とができる。
【0025】一方、従来、ボールナットやねじ軸は、耐
摩耗性の向上を図り、浸炭焼入を施してその表面硬さが
HRCで58〜62と高くされている。本発明では、前
記ボールすくい上げ開始8bの表面硬さは、ボール転動
路8のボール転動部8aの表面硬さより小さくする。例
えば、前記ボール転動部8aでは、ボールねじ溝2aの
表面硬さがHRCで58〜62であるのに対して、前記
ボールすくい上げ開始部8b(又はボール送り込み開始
部8c)では、装着穴4の先端部4aとボールねじ溝2
aの表面硬さがHRCで38〜57とする。つまり、前
記ボールすくい上げ開始部8bの表面硬さを、前記ボー
ル転動部8aの表面硬さよりHRCで5から20の間に
小さくする。その形成方法としては、前記ボールすくい
上げ開始部8b(又はボール送り込み開始部)を浸炭焼
入によらず熱処理する方法、又はそれを軟質金属メッキ
により処理する方法が考えられる。なお、表面硬さは、
端部Dから一端A(図2を参照)に向けて徐々に軟らか
くしていくのが望ましい。
【0026】このようにして、前記ボールすくい上げ開
始部8bを経由して、ボール10がボール転動路8から
ボール循環路9へ入り込む際、ボールの通路の表面硬さ
が徐々小さくになっていくため、従来技術に比べてボー
ルの通過に伴う急激な圧力変動が緩和される。更に表面
硬さの相違によって、ボール10とボールすくい上げ開
始部8bとの間に滑りが発生し難くなるため、ボール1
0とボールねじ溝2a及び装着穴4の先端部4aの摩耗
や剥離の進展が抑制される。
【0027】なお、前記ボール送り込み開始部8cを経
由して、ボール10がボール循環路9からボール転動路
8へ戻される際、ボールの通路の表面硬さが徐々高くに
なっていくため、前記と同様な作用効果が得られる。次
に、図3を援用して、本発明の第2の実施形態を説明す
る。この第2の実施形態では、前記ボールすくい上げ開
始部8b又は前記ボール送り込み開始部8cの近傍部分
において、ボールナット2の外径側からその内径側に向
かって誘導穴11が開設される。なお、その他の構成
は、前記の第1の実施形態と同様であるので、その説明
は省略する。
【0028】そして、前記ボールすくい上げ開始部8b
(又はボール送り込み開始部8c)の剛性が前記ボール
転動部8aの剛性より小さくなり、ボール転動路8とボ
ール循環路9との境界部分における剛性の急激な変化が
緩和されるため、ボールの通過に伴う急激な圧力変動が
抑制される。また、大きな衝撃力をより有効に吸収する
ためには、必要に応じて、前記誘導穴11にゴム等の防
振材を充填してもよい。
【0029】なお、前記誘導穴11の寸法や傾斜角は、
前記ボール転動部8aに対して、必要な剛性低下率など
によって予め決められる。次に、本発明の第3の実施形
態を説明する。第3の実施形態は、前記ボールすくい上
げ開始部8b(又はボール送り込み開始部8c)の表面
粗さを、前記ボール転動部8aの表面より粗くしたもの
である。なお、その他の構成は、前記の第1の実施形態
と同様であるので、その説明は省略する。
【0030】ここで、前記ボール転動路8aでは、ボー
ルねじ溝2aの表面粗さがRmaxで1.6s程度に対
して、ボールすくい上げ開始部8b(又はボール送り込
み開始部8c)では、ボールねじ溝2aや先端部4aの
表面粗さがRmaxで3.2〜25sとほぼ2倍以上粗
くする。また、その形成方法としては、例えば、前記ボ
ール転動部8aとボールすくい上げ開始部8bでの砥石
スピード等の研削条件を変化させることにより形成する
ことができる。
【0031】そうすると、前記ボールすくい上げ開始部
8b又は前記ボール送り込み開始部8cにおいて、ボー
ル10の滑りが発生し難くなるため、ボール10とボー
ルねじ溝2a及び先端部4aとの摩耗と剥離が低減され
る。次に、本発明の第4の実施形態を説明する。第4の
実施形態では、図4に示すように、ボール10の間には
セパレータ12が介在されており、これらセパレータ1
2がボール10の転動に伴って両ボールねじ溝1a、2
aの間や循環チューブ5の内部を移動する。
【0032】セパレータ12は、例えばポリアミドやフ
ッ素樹脂等のそれ自体に潤滑作用を有する樹脂、或いは
潤滑油を含浸させたポリエチレン等からなり、好ましく
はボール10と接触する両面が、ボール10の半径より
も曲率半径の大きい凹球面又はゴシックアーチ形状の曲
面又は円錐形状の曲面となるように形成されている。こ
のようなセパレータ12は、ボール10と比較的小さな
面積をもって接触するとともに、その外周における厚み
よりも中央部の厚みが小さくなっており、ボール10同
士の間隔も小さくなる。
【0033】このようにして、セパレータ12が介在さ
れていると、ボール10同士が接触することがなく、ま
たボール10とセパレータ12との相対滑り速度も、セ
パレータ無しのボールねじにおけるボール同士の相対滑
り速度の約1/2となるため、セパレータ12の素材に
由来する潤滑性も相俟ってボール10の摩耗が抑えら
れ、長時間運転が行われた場合でもボールねじが所期の
性能を維持できる。また、セパレータ12がボール10
に比べて弾性変形し易いため、組み立て作業が容易にな
るという利点もある。
【0034】なお、上記の実施形態では、循環チューブ
方式のボールねじの場合について説明したが、循環駒、
エンドキャップ方式のボールねじに対しても本発明を適
用できる。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のボールね
じは、ボール転動路のボールすくい開始部の表面硬さと
剛性及び表面粗さをボール転動路のボール転動部の同一
ものより小さくしたことにより、ボール循環路とボール
転動路との間にボールの滑りが発生し難くなるため、ボ
ールの通過に伴う急激な応力変化の緩和を図ることがで
きると同時に、ボールとボールねじ溝の摩耗と剥離を有
効に抑制することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るボールねじの一実施形態を示す平
面図である。
【図2】図1のI―I線の部分拡大図である。
【図3】図1のII―II線の部分拡大図である。
【図4】本発明に係るボールねじの他の実施形態を示す
側面図である。
【図5】従来ボールねじの騒音測定結果を示す説明図で
ある。
【符号の説明】
1 ねじ軸 1a ボールねじ溝 2 ボールナット 2a ボールねじ溝 3 平面部 4 装着穴 5 循環チューブ 6 止めねじ 7 取付板 8 ボール転動路 8a ボール転動部 8b ボールすくい上げ開始部 9 ボール循環路 10 ボール 11 誘導穴 12 セパレータ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外径面にボールねじ溝を有するねじ軸と、
    前記ねじ軸のボールねじ溝に対向するボールねじ溝を内
    径面に有し、前記両ボールねじ溝により形成されるボー
    ル転動路に転動自在に装填された多数のボールを介して
    前記ねじ軸に螺合されるボールナットと、前記ボールを
    前記ボール転動路の一端からすくい上げて他端に戻るボ
    ール循環路と、を備えたボールねじにおいて、 前記ボール転動路の一端のボールすくい上げ開始部の表
    面硬さは、負荷を受ける前記ボール転動路のボール転動
    部の表面硬さより小さいことを特徴とするボールねじ。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のボールねじにおいて、 前記ボール転動路の一端のボールすくい上げ開始部の表
    面硬さは、負荷を受ける前記ボール転動路のボール転動
    部の表面硬さよりHRCで5〜20小さいことを特徴と
    するボールねじ。
  3. 【請求項3】外径面にボールねじ溝を有するねじ軸と、
    前記ねじ軸のボールねじ溝に対向するボールねじ溝を内
    径面に有し、前記両ボールねじ溝により形成されるボー
    ル転動路に転動自在に装填された多数のボールを介して
    前記ねじ軸に螺合されるボールナットと、前記ボールを
    前記ボール転動路の一端からすくい上げて他端に戻るボ
    ール循環路と、を備えたボールねじにおいて、 前記ボール転動路の一端のボールすくい上げ開始部の剛
    性は、負荷を受ける前記ボール転動路のボール転動部の
    剛性より小さいことを特徴とするボールねじ。
  4. 【請求項4】外径面にボールねじ溝を有するねじ軸と、
    前記ねじ軸のボールねじ溝に対向するボールねじ溝を内
    径面に有し、前記両ボールねじ溝により形成されるボー
    ル転動路に転動自在に装填された多数のボールを介して
    前記ねじ軸に螺合されるボールナットと、前記ボールを
    前記ボール転動路の一端からすくい上げて他端に戻るボ
    ール循環路と、を備えたボールねじにおいて、 前記ボール転動路の一端のボールすくい上げ開始部の表
    面粗さは、負荷を受ける前記ボール転動路のボール転動
    部の表面粗さより粗いことを特徴とするボールねじ。
  5. 【請求項5】前記ボール間にはセパレータを介在させた
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項
    に記載のボールねじ。
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