JP2003242992A - エネルギ供給機能を有する業務用建物及びその運用方法 - Google Patents

エネルギ供給機能を有する業務用建物及びその運用方法

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JP2003242992A
JP2003242992A JP2002038314A JP2002038314A JP2003242992A JP 2003242992 A JP2003242992 A JP 2003242992A JP 2002038314 A JP2002038314 A JP 2002038314A JP 2002038314 A JP2002038314 A JP 2002038314A JP 2003242992 A JP2003242992 A JP 2003242992A
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oxygen
fuel cell
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building
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Yoshiyuki Ozawa
由行 小澤
Masao Masuda
正夫 増田
Hideyuki Okamoto
英之 岡本
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Takasago Thermal Engineering Co Ltd
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Takasago Thermal Engineering Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 再生型燃料電池をより有効に利用して当該再
生型燃料電池が設置されている建物の付加価値を高め
る。 【解決手段】 業務用建物内の地下ピットに可逆型セル
スタックを有する再生型燃料電池が設置されている。再
生型燃料電池の水電解運用によって発生する水素はピッ
ト内の水素タンクに貯蔵される。水素タンクから配管さ
れる水素供給管21は,地上に設営されている駐車場P
の水素配給装置22に接続されている。駐車場に駐車し
ている水素自動車23は,駐車している間に水素配給装
置22から水素の供給を受けることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,水素と酸素とを反
応させてエネルギを発生させる可逆的セルスタックを有
する再生型燃料電池を設置した業務用建物において,当
該再生型燃料電池から発生するエネルギの有効利用を図
ったものである。
【0002】
【従来の技術】近年,水素エネルギや燃料電池の研究開
発が進められているが,導入普及のターゲットとしては
自動車用,家庭用の場合がほとんどである。水素燃料の
コストについては,WE−NET(World Energy Netwo
rk)構想,(正式名称:水素利用国際クリーンエネルギ
ーシステム技術開発;経済産業省,NEDO所轄)によ
れば,海外で水力発電から液化水素を作って輸入し,そ
れを利用するとそのコストは12〜24円/kWhであ
ると試算されている。一方,利用場所に水電解装置を設
置して業務用の系統電力を使用して夜間に水から水素を
製造すると,その水素のコストは6〜14円/kWhに
なると見積もることができる。つまり,エネルギを使用
する場所で水素を製造すること(オンサイト化)は,そ
の製造コストの低減に繋がり,結果的にそのことが水素
利用技術の普及のために重要な要素となる。
【0003】そして従来は,水素と酸素とを反応させる
再生型燃料電池から生じた電力を工場などの建物で使用
する場合には,全て,当該再生型燃料電池が設置されて
いる建物の需要設備,負荷に回されていた。そして反応
の際に生ずる熱エネルギのみが,当該建物の空調負荷や
温水給湯等に使用されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで業務用建物で
は従来からその収益性を高めるべく有効活用が求められ
ている。レンタブル比の向上は普遍的な課題であるが,
近時,賃貸に付される建物では多種多様な事業展開や付
加価値の付与あるいは向上が競われ,一方自己の建物に
ついても不動産証券化などに呼応して,高資産価値化を
促す動きがでてきている。
【0005】さらに一定容積以上の事務所ビルにおいて
は,駐車場を設けることが義務づけられている。また他
に人の集まる施設では,積極的に駐車場が用意され,建
物の価値の維持向上に貢献するひとつの要因となってい
る。しかし,駐車場は大きな面積を占める一方,車両が
常時駐車しているわけでもなく,建物の高付加価値化の
流れの中で,顧慮されずあるいは等閑に付されている観
があった。
【0006】しかしながら,前記したように,従来は燃
料電池によって発生させた際に生ずる電力は,すべて当
該建物の固有の需要設備に供給するようにしていたが,
蓄電して利用されている訳ではなく,高い付加価値を付
与するには至らなかった。そのため従来技術では,建物
の高付加価値化を実現するに際し,熱・電力を安定して
供給し,かつ建物の付帯設備(例えば空調,照明,エレ
ベータ,防災・防犯の各設備など)の運転費を安定して
廉価にしたいという要望に応えることができなかった。
換言すれば,従来燃料電池から発生する電力を設置され
ている建物の固有設備のみに供給して投資に対する収益
に限界があった。また可逆的セルスタックを有する燃料
電池を使用している場合でも,水の電気分解の際に発生
する酸素や水素については,特に有効利用を図っていな
かった。
【0007】本発明は,かかる点に鑑みてなされたもの
であり,水の電解作用と電気発生作用との双方を可逆的
に行うことができる可逆的セルスタックを有する再生型
燃料電池を用いた場合の,エネルギの有効利用を図るこ
とをその目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め,本発明によれば,水素と酸素との反応によって発生
するエネルギを供給する業務用建物であって,前記反応
を発生させる可逆型セルスタックを有する再生型燃料電
池と,当該再生型燃料電池から発生する電力を前記業務
用建物固有の電力需要設備外に供給する電力供給ケーブ
ルと,前記供給ケーブルからの電力を配給するための電
力配給装置とを有し,前記電力配給装置は,前記業務用
建物の管轄領域に設営された駐車場に設置されているこ
とを特徴とする,エネルギ供給機能を有する業務用建物
が提供される。
【0009】かかる発明によれば,駐車場に駐車してい
る電気自動車に対して前記供給ケーブルからの電力を電
力配給装置を介して充電させることができる。したがっ
て,例えば建物を利用する人が車両で乗り付けた際,商
用等を行っている間に当該車両に対して充電することが
できる。それゆえ駐車場を単なる駐車のための場として
ではなく,当該車両を稼働させるのに必要なエネルギの
供給場としても同時に利用できる。したがって当該建物
の付加価値が高まると共に,再生型燃料電池の有効利用
を従来より図ることができる。
【0010】また本発明によれば,水素と酸素との反応
によって発生するエネルギを供給する業務用建物であっ
て,前記反応を発生させる可逆型セルスタックを有する
再生型燃料電池と,当該再生型燃料電池から発生する水
素を外部に供給するための水素配給装置とを有し,前記
水素配給装置は,前記業務用建物の管轄領域に設営され
た駐車場に設置されていることを特徴とする,エネルギ
供給機能を有する業務用建物が提供される。
【0011】かかる場合には,前記駐車場に駐車してい
る,水素をエネルギ源とするいわゆる水素自動車に対し
てエネルギを供給することができる。この場合,前記水
素配給装置は,大気との流通が充分である位置に配置さ
れていることが,安全上好ましい。またこれらの場合,
再生型燃料電池から発生する水素を一旦貯蔵する水素タ
ンクを設置し,前記水素配給装置に対しては,この水素
タンクから水素を供給するようにしてもよい。
【0012】さらに前記した業務用建物において,水電
解の結果分離された酸素をオゾンに変換し,このオゾン
を前記業務用建物の排水処理に用いるようにすれば,さ
らに再生型燃料電池の有効利用を図ることが可能であ
る。この場合も,再生型燃料電池から発生する酸素を一
旦貯蔵する酸素タンクを設置し,当該酸素タンクからの
酸素をオゾンに変換して使用するようにしてもよい。
【0013】なお前記した再生型燃料電池は,業務用建
物の地下ピット,外壁と内壁との間又は業務用建物構造
体の内壁間(例えば空調熱源機械室の余空間)に設置す
れば,建物自体が保有している死空間を有効に利用する
ことが可能である。
【0014】また本発明によれば,前記再生型燃料電池
を,夜間において商用電源によって水電解運用させて水
素と酸素を生成し,発生した水素を水素タンクに貯蔵
し,当該貯蔵した水素タンクからの水素を駐車場の配給
装置に供給する運用方法が提案できる。さらにまた,発
生した酸素を酸素タンクに貯蔵して,当該酸素タンクか
らの酸素をオゾンに変換して排水処理に使用するように
してもよい。
【0015】そのような運用によって,再生型燃料電池
を使用する場合のいわゆる電力の平準化をさらに向上さ
せることが可能である。
【0016】なお本明細書において「業務用建物」と
は,事務所ビル,電算センタ,ホテル,劇場,大規模小
売店舗,美術館,レジャー施設,研究施設,工場など事
業に供される建物であり,他人に使用させて収益をあげ
あるいは自己が使用して自己の事業に係る事務を担い事
業を維持発展させるための施設を称する。「事業」,
「収益」の語は営利目的であることを意味せず,病院,
礼拝堂などの宗教施設,公立図書館などもその設立の目
的を達するために建造されたという意味で本稿の「業務
用建物」の概念に含まれる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に,本発明の好ましい実施の
形態を図面に基いて説明する。図1は本実施の形態のう
ち,地下ピットでの構成要素の配置例,図2は階上(地
上)の構成要素の配置例,図3は配管をはじめとする構
成要素間の連係例をそれぞれ示している。
【0018】再生型燃料電池1は,業務用の建物Bの地
下ピット空間2内に設置されている。地下ピット空間2
は,建物Bの,構造力学上必要となる,地中梁と地中梁
との間の空間である。前記再生型燃料電池1は可逆セル
スタックを有する再生型燃料電池であり,水電解運用と
燃料電池運用とを一体化した装置である。すなわち,水
を供給して電気分解により純水素と純酸素を発生させる
機能(水電解運用)と,水素と酸素から水を生成する過
程で電気を発生させる機能(燃料電池運用)とを時間的
に切り換えて発揮させることができるように構成されて
いる。この再生型燃料電池1は固体高分子膜(PEM)
方式を採用しており,自動車用や家庭用に幅広く導入普
及が見込まれる固体高分子膜型燃料電池(PEFC)の
量産効果による低コスト化が十分に見込めるものであ
る。
【0019】再生型燃料電池1に供給される水素は,水
素貯蔵合金を封入した水素タンク11から水タンク12
を経由して水素/水入口1aから供給される。なお本実
施の形態では,図1に示したように,水素タンク11
は,後述する週単位の負荷平準化用水素タンク11Aと
日単位の負荷平準化用水素タンク11Bとを並列に設置
している。水素タンク11は,漏洩防止のためピット内
壁に二重タンクのように鋼板で覆われ,気密性が高めら
れている。
【0020】水素貯蔵合金は,固体の状態で水素を吸
収,貯蔵し,再び放出できる機能を有しており,吸収,
貯蔵寺には発熱し,水素を放出する際には吸熱反応を起
こす。したがって,かかる特性に鑑みて,水素タンク1
1には冷却塔CTからの冷却水が供給されるようになっ
ているが,図2に示したように,冷却塔CTからの冷却
水は,循環系(往,還の配管)14に供給されて,熱交
換器13に分配される。そしてその後冷却塔12に戻さ
れるようになっている。なお冷却塔CTは,外気を取り
入れてこれと冷却水を熱交換することの効率上,図2に
示したように,屋外に設置されることが望ましい。
【0021】一方,再生型燃料電池1での水電解運用に
よって発生した水素は,図3に示したように,水素/水
出口1bから出て,水分除去装置15を経て水分が除去
された後,さらに乾燥装置16によって乾燥された後,
一部が水素タンク11に戻されるようになっている。そ
して残りの一部は,外部への水素供給管21に供給され
る。またこの水素供給管21には,水素タンク11内の
水素貯蔵合金から発生した水素も供給できるように配管
されている。以上,乾燥装置16と外部への水素供給管
21,水素供給管21と水素タンク11への分配は,各
管に設けられたモーターバルブで流量制御される。また
水分除去装置15を経て水分が除去された後の水素の一
部は,再び再生型燃料電池1の水素/水入口1aに供給
されるようになっている。
【0022】そして水電解運用の際に要する水は,前記
水タンク12から水素供給用の配管を通じて再生型燃料
電池1に水素/水入口1aに供給される。また燃料電池
運用の際に発生した水は,水素/水出口1bから水分除
去装置15へと供給され,その後ドレン管15aによっ
て排出される(図3参照)。
【0023】再生型燃料電池1に供給される酸素は,酸
素タンク31から水タンク32を経由して酸素/水入口
1cから供給される。本実施の形態では,図1に示した
ように,水素タンクの場合と同様,酸素タンク11は,
週単位の負荷平準化用酸素タンク31Aと日単位の負荷
平準化用酸素タンク31Bとを並列に設置している。酸
素タンク31は,漏洩防止のため,例えばピット内壁に
接して二重タンクのように鋼板で覆い,気密性を高める
ことが望ましい。
【0024】再生型燃料電池1での水電解運用によって
発生した酸素は,酸素/水出口1dから出て,水分除去
装置33を経て水分が除去された後,さらに乾燥装置3
4(図1では作図の都合上,図示は省略)によって乾燥
され,一部が酸素タンク31に戻されるようになってい
る。そして残りの一部は,外部への酸素供給管41に供
給される。またこの酸素供給管41には,酸素タンク3
1内の酸素も供給できるように配管されている。また水
分除去装置33を経て水分が除去された後の酸素の一部
は,再び再生型燃料電池1の酸素/水入口11cに供給
されるようになっている。なお各管への分配は,前述し
た水素の場合と同様,各管に設けられたモーターバルブ
によって流量制御される。
【0025】水電解運用の際に必要な水は,前記水タン
ク32から酸素供給用の配管を通じて再生型燃料電池1
に酸素/水入口1cに供給される。また燃料電池運用の
際に発生する水は,水素/水出口1dから水分除去装置
33へと供給され,その後ドレン管33aによって排出
される(図3参照)。
【0026】冷却塔CTからの冷却水は,既述したよう
に,水素タンク11の水素貯蔵合金と熱交換器13その
他との間で循環する循環系14に供給される。冷却水は
この循環系14から供給される供給系の配管51とは並
列の配管52(図3参照)を通じて前記水分除去装置1
5,33の中で熱交換を行って水分が凝縮させた後,両
配管を流れる冷却水の合流を経て,再生型燃料電池1と
熱交換器53との間で熱交換を行う循環系14の枝回路
54に供給されることが可能に配管され(図3参照),
該枝回路54を出た水は,冷却塔CTに戻されるように
なっている。つまり循環系14は,冷却塔CTと再生型
燃料電池1との間を循環する系であるが,本実施の形態
では,本管,分岐管,枝回路を主として備えている。そ
して分岐管による冷却水の分配で,水分除去装置15,
33の内部を冷却し,その分昇温したが,未だ冷却に足
る温度をもって再生型燃料電池1(例えば80℃の熱を
持っている)を冷却し,その後給湯/暖房等の予熱用の
熱交換器を経て戻る系である。なお冷却塔CTと水素タ
ンク11を結ぶ配管51は,タンク内の温度が冷えすぎ
て0℃以下になりそうなときに冷却水を導入する非常用
管路である。
【0027】水タンク12,32には,水を精製する純
水製造装置61からの純水が供給されるようになってい
る。
【0028】再生型燃料電池1で発電された電力は直流
であるため,直流−交流の相互の変換が可能な直交変換
器62によって交流に変換された後,建物B内の需要負
荷63に供給されると共に,建物Bの外部へと供給可能
な供給ケーブル64にも出力可能になっている。また商
用電源65からの交流は,直交変換器62をへて,再生
型燃料電池1へと供給されるようになっている。なお図
2に示したように,直交変換器62に隣接しているの
は,配電盤66であり,これら直交変換器62,配電盤
66は通常,電気室67内に設置されている。
【0029】前出水素供給管21は,建築物の管轄領域
にある駐車場Pまで配管され,駐車場Pに設置されてい
る水素配給装置22に接続されている。水素供給管21
は床を貫通し駐車場Pの床上に立ち上がるが,その端末
となる水素配給装置22は,特に駐車場P入口近辺ある
いは料金所周辺であることが望ましい。前者では水素を
自動車に供給する際の若干の放散による発火事故等の危
険を低減できる。後者では,供給された水素に対する会
計を即時ないし迅速に済ませることができる。いずれに
しろ,大気との接触が十分確保された場所に設置するこ
とが安全性の上望ましい。水素配給装置22は,水素自
動車23へ水素を供給することが可能である。また水素
配給装置22には,水素自動車23に供給した水素の量
を計測し,予め設定した単価に基づいて料金を表示する
機能を有している。
【0030】前出酸素供給管41は,オゾン発生装置4
2に接続され,そこで発生したオゾンは排水処理装置4
3へと供給される。例えば厨房排水や汚水を排水処理装
置43内に引き込み,当該排水中にオゾンを吹き出させ
るなどして,バブリングするように排水処理装置43は
構成されている。オゾンには殺菌・脱臭効果があるの
で,これら厨房排水や汚水は,バブリングによって殺菌
・脱臭処理される。
【0031】前出供給ケーブル64は,例えばケーブル
管路を駐車所床を貫通して立ち上げ,他端を駐車場Pの
周壁に沿って設けられた充電用ケーブルスペースに配置
し,電力配給装置68に接続する。電力配給装置68に
おいては,例えば個々の充電用ケーブル69を備え,そ
の一端は,人の手の高さに設けた把持具等に預けられて
いる。これによって使用する者は,当該把持具等によっ
て容易に自動車に対して充電することができる。
【0032】本実施の形態にかかるシステムは,以上の
ように構成されており,次にその運用例について説明す
る。再生型燃料電池1は,直交交換器62を経由させて
商用電源(系統電力)65に接続して使用されるが,具
体的には電力料金の高価な昼間には,再生型燃料電池1
から電気を発生させることで,商用電源からの買電を抑
え,夜間には前述の発電サイクルの逆,つまり安価な夜
間の商用電源で水電解を行って水から水素と酸素を生成
・分離・貯蔵する。その傍ら,必要に応じてあるいは不
足する建物Bの電力需要は商用電源を利用して賄うこと
もできる。
【0033】そしてまず昼間は,すでに水素タンク11
に水素が,酸素タンク31に酸素が貯蔵されている。こ
の両者が再生型燃料電池1に供給されて,再生型燃料電
池1が発電する(燃料電池運用)。例えば温度80℃,
圧力0.15Mpa,セル電圧0.84V,電流密度
0.7A/cmの条件下での水素利用率を99%,酸
素利用率を98%とすると,出力が400kWの場合の
必要水素量は207Nm /h,必要酸素量は105N
/h,生成純水量は2.81/min,冷却能力は
251kWとなる。このような条件下で直流電流が発生
し,直交交換器62で交流にする。交流発電端効率は大
凡50%になる。発電された電気は建物の電源設備に系
統連系させて供給する。なお,水素と酸素とを反応させ
た際に生成される水は,水タンク12,32に蓄えられ
る。
【0034】昼間における前記発電運転の際には再生型
燃料電池1において熱が発生するが,発生した熱は,枝
回路54を介して熱交換器53において,例えば建物か
らの熱媒水と熱交換される。熱媒水は例えば60℃〜8
0℃以上に加熱される。熱媒水は例えば吸収式冷凍機に
導かれ冷水製造に用いることができる。
【0035】昼間の水素タンク11では,水素貯蔵合金
から水素を放出する。この際の水素の脱着反応では周囲
雰囲気から熱を奪う。したがって水素タンク11と熱交
換器13との間の循環系14を介して冷熱が熱交換器1
3側へと移動する。それゆえ,熱交換器13の他方に,
空調負荷を循環して流れる熱媒が導入しておくことで,
この冷熱は,例えば冷房需要に供することができる。
【0036】そして再生型燃料電池によって発電された
電気については,建物Bの電源設備を介して系統連系さ
せて,需要設備に供給されるが,供給ケーブル64によ
って電力配給装置68にも供給される。したがって,利
用者は建物B内における所用を済ませる間に,自己が乗
り付けた電気自動車70に対して充電ができる。想定し
た昼間の建物の電力負荷を賄える容量の設備とすれば,
大規模設備による前述のスケールメリットを享受でき,
発電した電気は一般には電源設備において蓄えておくこ
とができないため,過剰発電対策にもなる。
【0037】一方夜間には,水素は水素タンク11の水
素貯蔵合金に蓄えられ,酸素は酸素タンク31に蓄えら
れる。その際に必要な電力については商用電源(系統電
力)62から買電する。夜間電力は安価であり,かつ建
物の用途によっては例えば事務所ビルでは稼働率が少な
いため買電することも不利ではない。さらに,昼間の電
力需要のピークを消失あるいは大幅に低減できれば,コ
ストメリットが一層高くなる。
【0038】また夜間には,水を電気分解し水素と酸素
にして次の発電サイクルに備える。この際に熱交換器1
3,53に建物Bの負荷から熱媒水を導くことができ
る。その際には昼間モードとは逆に前者が温熱,後者が
冷熱を発生する。なおこのとき,建物負荷の非定常的な
増加などにより,熱交換器13,53が利用できる程度
の温度にはならない場合に対処するには,熱源装置が別
途必要となる。
【0039】夜間の水電解時に生成する酸素は,昼間の
発電時の燃料になるが,それ以外に酸素については,酸
素供給管41を通じてオゾン発生装置42に供給して,
オゾンに変換し,これを排水処理に利用することができ
る。
【0040】また夜間の水電解時に生成する水素につい
ても,酸素と同様,昼間の発電時の燃料になるが,それ
以外に水素供給管21を通じて水素配給装置22に供給
して,既述したように,駐車場Pに駐車している水素自
動車23のエネルギ源として利用することができる。
【0041】前記した駐車場Pにおける電力配給装置6
8,水素配給装置22において各々充電用の電力,水素
を供給する場合,既述したように,供給した電力や水素
の量を計測して,単価に基づいて使用量を算出してその
料金を表示するようにしてもよいが,例えば別途演算装
置に使用量のデータを送信すると便利である。すなわ
ち,利用者のデータ(入場時に付与する。駐車位置のデ
ータで兼用してもよい)と使用量を演算装置(図示せ
ず)に入力すると,当該演算装置が保有する料金データ
ベースを参照して請求額を出力するという方法である。
このほか,プリペイドカードを発行し,残高金額と照会
し,一定の残高があるときに充電や水素の受給を許し,
残高以内での充電や水素の受給が終了したら請求金額分
を引き落とすという方法も提案できる。
【0042】なお,再生型燃料電池1の水分解運用と燃
料電池運用では,後者の方が運転時間を持続できる。水
分解運用と燃料電池運用を同一時間行おうとすると,水
分解運用の途中で分解が終わり水素は吸蔵され尽くす。
その後水分解をなおも続けたいならば,水タンク11,
31以外に,純水製造装置61からの水の供給を受ける
必要がある。逆に言えば,再生型燃料電池1における可
逆セルについては,水電解の能力は水製造の能力を上回
るので,水素タンク11と酸素タンク31から可逆セル
に至る配管にそれぞれ分岐を設けることで,水素と酸素
を取り出す過程でそれらの一部を他用途に使用すること
ができる。したがって,前記したように,水素配給装置
11に水素を供給したり,オゾン発生装置42に酸素を
供給することが可能になっているのである。
【0043】さらに本実施の形態のシステムでは,とく
に事務所ビルにおいてみられる,週単位での負荷変動の
大きさに着目して,次のような運用も実現できる。すな
わち,例えば再生型燃料電池1の規模をそのままにし
て,水素タンク11,酸素タンク31の規模のみを増せ
ば,月曜から金曜までは通常の日負荷対応の平準化機能
を発揮させて,土曜,日曜,祝日などは夜間と同様に電
力料金が安いため,水電解運用を終日行って水素と酸素
を蓄えることができる。その結果,週単位の平準化が可
能であると共に,この余剰な水素と酸素を用いれば,月
曜から金曜までの夜間の水電解時間を短縮させたり,昼
間の水素自動車用の燃料供給に対処させたり,さらに排
水処理用の酸素を確保させたりすることができる。本実
施の形態では,水素タンク11,酸素タンク31に関
し,各々より容量の大きい,週単位の負荷平準化用水素
タンク11A,週単位の負荷平準化用酸素タンク31A
とを設置しているので,かかる運用も可能になってい
る。
【0044】さらにまた本実施の形態は,建物設備とし
て発電機能とエネルギ貯蔵機能とを有していることか
ら,非常用の電源装置として運用させることもできる。
すなわち,前述までの実施形態では,常時には日および
週単位での電力需給の平準化機能および電気あるいは水
素・酸素の別用途への供給源として運用するが,非常時
には,水素・酸素の別用途への供給を停止して,建物機
能を永続させるエネルギ源として運用することも可能で
ある。このような常用・非常用の兼用化を図ることによ
り建物設備の建設コストを低減させることができる。
【0045】なお前記実施の形態では,主要設備である
再生型燃料電池1,水素タンク11,酸素タンク31を
全て建物の地下ピット2内に設置していたが,それらの
いずれかについて,設置場所をピットに替えて例えば建
物外壁と内壁との間の空間,例えば柱と外壁の間の死空
間を囲って形成する空間や,建物構造体の内壁間,例え
ばエレベータやパイプシャフトに隣接し拡張して形成す
る空間や別途コンクリート壁で区画する機械室などに設
置してもよい。このように本発明では,再生型燃料電池
1というエネルギ変換装置と,水素タンク11酸素タン
ク31というエネルギ貯蔵装置の配置と規模とが独立に
設計および介装できるので,設置する建物の構造に応じ
てこれらの設備を独立して配置することが可能である。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば,業務用建物に設置され
ている再生型燃料電池を従来より有効に利用することが
でき,建物の付加価値を向上させることが可能である。
また電力の平準化を従来よりも向上させることが可能で
ある。また,建物を建てに際し,投資の早期回収が見込
めるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる業務用建物におけ
る地下ピット部分の斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態にかかる業務用建物におけ
る地上の駐車場部分の斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態にかかる業務用建物におけ
る再生型燃料電池周りの系統図である。
【符号の説明】
1 再生型燃料電池 2 地下ピット 11 水素タンク 13 熱交換器 21 水素供給管 22 水素配給装置 31 酸素タンク 41 酸素供給管 42 オゾン発生装置 53 熱交換器 64 供給ケーブル 68 電力配給装置 P 駐車場
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡本 英之 神奈川県海老名市大谷54−1 シテ・リヴ ェール203 Fターム(参考) 5H027 AA06 BA11 BA13 BC01

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水素と酸素との反応によって発生するエ
    ネルギを供給する業務用建物であって,前記反応を発生
    させる可逆型セルスタックを有する再生型燃料電池と,
    当該再生型燃料電池から発生する電力を前記業務用建物
    固有の電力需要設備外に供給する供給ケーブルと,前記
    供給ケーブルからの電力を配給するための電力配給装置
    とを有し,前記電力配給装置は,前記業務用建物の管轄
    領域に設営された駐車場に設置されていることを特徴と
    する,エネルギ供給機能を有する業務用建物。
  2. 【請求項2】 水素と酸素との反応によって発生するエ
    ネルギを供給する業務用建物であって,前記反応を発生
    させる可逆型セルスタックを有する再生型燃料電池と,
    当該再生型燃料電池から発生する水素を配給するための
    水素配給装置とを有し,前記水素配給装置は,前記業務
    用建物の管轄領域に設営された駐車場に設置されている
    ことを特徴とする,エネルギ供給機能を有する業務用建
    物。
  3. 【請求項3】 前記水素配給装置は,大気との流通が充
    分である位置に配置されていることを特徴とする,請求
    項2に記載のエネルギ供給機能を有する業務用建物。
  4. 【請求項4】 再生型燃料電池から発生する水素を一旦
    貯蔵する水素タンクを有し,前記水素配給装置には,当
    該水素タンクから供給されることを特徴とする,請求項
    2又は3に記載のエネルギ供給機能を有する業務用建
    物。
  5. 【請求項5】 水電解の結果分離された酸素をオゾンに
    変換し,このオゾンを前記業務用建物の排水処理に用い
    るようにしたことを特徴とする,請求項1,2,3又は
    4に記載のエネルギ供給機能を有する業務用建物。
  6. 【請求項6】 水電解の結果分離された酸素を一旦貯蔵
    する酸素タンクを有し,当該酸素タンクからの酸素を前
    記排水処理に用いるようにしたことを特徴とする,請求
    項1,2,3,4又は5に記載のエネルギ供給機能を有
    する業務用建物。
  7. 【請求項7】 再生型燃料電池は,業務用建物の地下ピ
    ット,外壁と内壁との間又は業務用建物構造体の内壁間
    に設置されていることを特徴とする,請求項1,2,
    3,4,5又は6に記載のエネルギ供給機能を有する業
    務用建物。
  8. 【請求項8】 請求項4に記載のエネルギ供給機能を有
    する業務用建物を運用する方法であって,夜間において
    商用電源によって前記再生型燃料電池を水電解運用させ
    て水素と酸素を生成し,発生した水素を前記水素タンク
    に貯蔵することを特徴とする,エネルギ供給機能を有す
    る業務用建物の運用方法。
  9. 【請求項9】 請求項6に記載のエネルギ供給機能を有
    する業務用建物を運用する方法であって,夜間において
    商用電源によって前記再生型燃料電池を水電解運用させ
    て水素と酸素を生成し,発生した酸素を前記酸素タンク
    に貯蔵することを特徴とする,エネルギ供給機能を有す
    る業務用建物の運用方法。
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