JP2003240554A - 振動型ジャイロスコープ、振動子の収容構造および振動子用パッケージ - Google Patents

振動型ジャイロスコープ、振動子の収容構造および振動子用パッケージ

Info

Publication number
JP2003240554A
JP2003240554A JP2002036346A JP2002036346A JP2003240554A JP 2003240554 A JP2003240554 A JP 2003240554A JP 2002036346 A JP2002036346 A JP 2002036346A JP 2002036346 A JP2002036346 A JP 2002036346A JP 2003240554 A JP2003240554 A JP 2003240554A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
package
vibrator
base
sound wave
joining member
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2002036346A
Other languages
English (en)
Inventor
Makoto Tani
信 谷
Seiji Ishikawa
石川  誠司
Takayuki Kikuchi
菊池  尊行
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NGK Insulators Ltd
Original Assignee
NGK Insulators Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NGK Insulators Ltd filed Critical NGK Insulators Ltd
Priority to JP2002036346A priority Critical patent/JP2003240554A/ja
Publication of JP2003240554A publication Critical patent/JP2003240554A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Gyroscopes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】振動型ジャイロスコープ用振動子をパッケージ
内に収容し、回路基板に実装するのに際し、振動子から
の出力信号に基づく0点温度ドリフトを抑制する。 【解決手段】振動型ジャイロスコープ用の振動子を収容
するためのパッケージを提供する。このパッケージが、
振動子を設置するための基盤3C、パッケージ内の音波
を反射するための基盤3Cと一体の音波反射部3e、3
f、および基盤3Cに接合されているカバーを備えてい
る。基板3Cは、金属、セラミックスまたは金属とセラ
ミックスとの複合材料からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、振動型ジャイロス
コープ、振動子の収容構造および振動子用パッケージに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近、自動車の車体回転速度フィードバ
ック式の車両制御方法に用いる回転速度センサーに、振
動型ジャイロスコープを使用することが検討されてい
る。こうしたシステムにおいては、操舵輪の方向自身
は、ハンドルの回転角度によって検出する。これと同時
に、実際に車体が回転している回転速度を振動ジャイロ
スコープによって検出する。そして、操舵輪の方向と実
際の車体の回転速度を比較して差を求め、この差に基づ
いて車輪トルク、操舵角に補正を加えることによって、
安定した車体制御を実現する。
【0003】こうした振動子は、セラミックパッケージ
などの収容部材に収容し、これを回路基板に実装し、さ
らに所定の筐体内に収容し、筐体を車体へと取り付け可
能とする必要がある。
【0004】これまで振動型ジャイロスコープが利用さ
れてきた各種分野では、精密な観測機器であることか
ら、周囲環境の温度変化が少ないことが多く、このため
測定値に対する0点温度ドリフトの影響は少なかった。
しかし、例えば車体制御システムにおいては、振動型ジ
ャイロスコープおよびその振動子は、幅広い環境温度、
即ち高温と低温とにさらされる。このような使用温度範
囲は、通常は−30℃−+85℃(更には−40℃−+8
5℃)の範囲にわたっており、一層厳しい仕様では更に
広い温度範囲にわたる場合もある。
【0005】本出願人は、特開2001−165665
号公報において、パッケージの内部空間を伝搬する音波
が、0点温度ドリフトの原因となっていることを開示し
た。そして、このような音波による0点温度ドリフトを
抑制するために、パッケージの内部に振動子を収容する
際に、パッケージの内壁面と振動子との間に、樹脂等の
材質からなる音波反射体を設置することを開示した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述の方法によって多
くのパッケージにおいて0点温度ドリフトが顕著に低減
された。しかし、本発明者が更に検討したところ、回路
基板上にパッケージを実装した後に、実装プロセスによ
っては、0点温度ドリフトの低減作用が乏しい場合があ
った。例えば、パッケージを回路基板上に設置し、リフ
ロー炉を用いてパッケージ及び回路基板を加熱して、パ
ッケージの半田パッドを回路基板上の半田パッドに対し
て半田付けすると、0点温度ドリフトが発生することが
あり、歩留り低下の原因になっていた。
【0007】本発明の課題は、振動型ジャイロスコープ
用振動子をパッケージ内に収容し、回路基板に実装する
のに際して、振動子からの出力信号に基づく0点温度ド
リフトを抑制できるようにすることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、回転角速度を
所定温度範囲内で検出するための振動型ジャイロスコー
プであって、振動子、振動子に駆動モードの振動を励振
するための駆動手段、振動子の回転に対応して前記振動
子中にコリオリ力によって生ずる検出モードの振動を検
出するための検出手段、振動子を収容するためのパッケ
ージおよびパッケージを実装するための回路基板を備え
ており、パッケージが、振動子を設置するための基盤、
パッケージ内の音波を反射するための基盤と一体の音波
反射部、および基盤に接合されているカバーを備えてお
り、基盤が金属、セラミックスまたは金属とセラミック
スとの複合材料からなることを特徴とする。
【0009】また、本発明は、振動型ジャイロスコープ
用の振動子を収容する収容構造であって、振動子、振動
子に駆動モードの振動を励振するための駆動手段、振動
子の回転に対応して前記振動子中にコリオリ力によって
生ずる検出モードの振動を検出するための検出手段、お
よび振動子を収容するためのパッケージを備えており、
パッケージが、振動子を設置するための基盤、パッケー
ジ内の音波を反射するための基盤と一体の音波反射部、
および基盤に接合されているカバーを備えており、基盤
が金属、セラミックスまたは金属とセラミックスとの複
合材料からなることを特徴とする。
【0010】また、本発明は、振動型ジャイロスコープ
用の振動子を収容するためのパッケージであって、パッ
ケージが、振動子を設置するための基盤、パッケージ内
の音波を反射するための基盤と一体の音波反射部、およ
び基盤に接合されているカバーを備えており、基盤が金
属、セラミックスまたは金属とセラミックスとの複合材
料からなることを特徴とする。
【0011】本発明者は、パッケージ内に音波反射体を
設置した場合にも0点温度ドリフトが発生する場合につ
いて種々検討した結果、次の発見に至った。0点温度ド
リフトとは、目的とする温度範囲において、振動子が回
転していないときのジャイロ出力の変化のことである。
【0012】即ち、パッケージ内部に振動子および音波
反射体を設置した後、パッケージを回路基板上に実装す
る必要がある。この場合には、例えば図12に示すよう
に、回路基板22上にパッケージ1Cを設置し、回路基
板上の半導体回路パッケージ21とプリント配線40に
よって接続する。パッケージ1Cは、パッケージ1Cの
例えば底面にある端子4に対して、例えば半田付けによ
ってプリント配線40に接続する。このためには、回路
基板22上にパッケージ1Cを設置した後、回路基板2
2およびパッケージ1Cをリフロー炉内に収容し、加熱
する。しかし、この加熱工程の際に、パッケージ1C内
部の充填材(音波反射体)が熱変形したり、あるいは有
機成分をパッケージ内雰囲気へと揮発する場合がある。
この場合には、パッケージ内雰囲気の組成が変化し、所
望の0点温度ドリフト特性が得られないものと考えられ
る。
【0013】本発明者は、こうした知見に立ち、パッケ
ージに、パッケージ本体部分と一体の音波反射部を設
け、パッケージの全体を、金属、セラミックスまたは金
属とセラミックスとの複合材料によって構成することを
想到した。このようなパッケージ形態および材質の変更
によって、前述した0点温度ドリフトの増大やバラツキ
が顕著に抑制されることが判明した。
【0014】この理由は断定はできないが、パッケージ
本体に対して音波反射部を一体化し、かつパッケージの
構成材料である金属等、セラミックス、あるいは両者の
複合材料によって形成することで、前述したパッケージ
内雰囲気への不純物成分の飛散が抑制され、雰囲気成分
の変動が防止されたためと考えられる。
【0015】
【発明の実施の形態】図1(a)は、本発明の一実施形
態に係るパッケージ1Aを示す正面図であり、図1
(b)は、パッケージ1Aの底面図であり、図2は、パ
ッケージ1Aの基盤3Aおよび接合部材5Aを示す平面
図であり、図3(a)、(b)は、パッケージ1Aの断
面図である。図3(a)は図2のIIIa−IIIa線
断面に対応しており、図3(b)は図2のIIIb−I
IIb線断面に対応している。
【0016】図1(a)、(b)に示すように、パッケ
ージ1Aは、基盤3A、接合部材5Aおよびカバー6を
備えている。基盤3Aの底面3aには端子7が露出して
おり、側面には端子4が露出している。基盤3Aの上端
面には接合部材5Aが接合されており、接合部材5A上
にカバー6が接合されている。本例では端子4、7は半
田パッドである。
【0017】図2、図3に示すように、基盤3Aは、平
板状部3cと、平板状部3cの周縁から上方へと突出す
る側壁部3bとを備えている。そして、平板状部3cの
内壁面10上に、後述するように振動子を設置する。本
例では、側壁部3bの内壁面から、例えば4対の音波反
射部3dが突出している。各音波反射部3dは、側壁部
3bと一体成形されている。各音波反射部3dの上面に
は、それぞれワイヤーボンディングパッド45が形成さ
れており、各ワイヤーボンディングパッド45は、図示
しない配線および側壁部のハーフスルーホールを通し
て、端子4、7に接続されている。ワイヤーボンディン
グパッド45は、後述するように、振動子上の端子に対
して電気的に接続されるものである。
【0018】本例では、接合部材5Aは、側壁部3b上
を一周するリング状の本体部分5aと、本体部分5aか
ら内側へと突出する音波反射部5bとを備えている。音
波反射部5bは、音波反射部3d上に載っており、両者
の間には隙間がない。このように、音波反射部5bおよ
び3dによって、異形の振動子収容空間8が形成されて
いる。なお、図2においては、カバー6を図示省略し
た。
【0019】図4(a)は、本発明の他の実施形態に係
るパッケージ1Bを示す正面図であり、図4(b)は、
パッケージ1Bの底面図であり、図5は、パッケージ1
Bの基盤3Bおよび接合部材5Bを示す平面図であり、
図6(a)、(b)は、パッケージ1Bの断面図であ
る。図6(a)は図5のVIa−VIa線断面に対応し
ており、図6(b)は図5のVIb−VIb線断面に対
応している。
【0020】図4〜6において、図1〜3に既に示した
部材については、その説明を省略する。本例において
は、図4(a)、(b)に示すように、基盤1Bの底面
3aには、端子7、9と、4隅に形成された略円形の端
子46とを備えている。端子7、9は本例では半田パッ
ドである。パッド7は、パッケージ側面のハーフスルー
ホールを介して、パッケージ内側のワイヤーボンディン
グパッドと電気的に接続されている。4箇所のパッド9
は、パッケージ側面のハーフスルーホールを介して、パ
ッケージ内側のべたパターンと電気的に接続している。
パッド46は、パッケージの平板状部3cを貫通するビ
ア導体を介して、パッケージ内側のべたパターンと電気
的に接続している。
【0021】パッド7、9は、回路基板上のプリント配
線に対してハンダ付けされ、プリント配線を通して半導
体回路に接続される。パッド46は、パッケージを回路
基板に固定するためのパッドであり、半導体回路と電気
的に接続される必要はない。
【0022】このように回路基板との電気的接続を要し
ない半田パッド46を設けることで、以下の作用効果が
得られる。即ち、パッケージを回路基板にハンダ付けし
た場合には、その後にパッケージおよび回路基板が冷却
される。この際の温度変化によって、半田パッド7、9
には熱応力が加わる。半田パッド46を設けることによ
り、振動子と半導体回路との間の信号伝達に関与する半
田パッド7、9に加わる熱応力を緩和し、半田パッド
7、9における抵抗値上昇や接合不良を防止することが
できる。
【0023】図5、図6に示すように、本例の基盤3B
は3層構造からなっている。基盤3Bの最下層は平板状
部3cである。平板状部3cの底面3aには前述の半田
パッドが設けられており、平板状部3cには、図示しな
いビア導体が設けられている。平板状部3cの内壁面1
0には、べたパターンが形成されている。
【0024】基盤3Bの第二層(中間層)には、音波反
射部3eが形成されている。音波反射部3eは、後述す
るように、振動子の駆動振動片と検出振動片との間に介
在するものである。各音波反射部3eの上面には、それ
ぞれワイヤーボンディングパッド45が形成されてい
る。基盤3Bの最上層には、音波反射部3fが形成され
ている。音波反射部3fの寸法は音波反射部3eの寸法
よりも若干小さくなっており、音波反射部3fは、音波
反射部3e上のワイヤーボンディングパッド45を避け
るように形成されている。この音波反射部を設けること
で、ワイヤーボンディングパッド45と接合部材5Bと
の間のクリアランスを確保することが容易になる。
【0025】基盤3Bの側壁部3bおよび音波反射部3
fの上端面には、接合部材5Bが固定されている。接合
部材5Bは、側壁部3bの上端面を一周する本体部分5
aと、本体部分5aから内側へと向かって突出する音波
反射部5cとを備えている。音波反射部5cは、基盤3
Bの音波反射部3fと隙間なく接合されている。接合部
材5B上にはカバー6が接合されている。
【0026】図7は、本発明の更に他の実施形態に係る
パッケージ1Cの基盤3Cおよび接合部材5Cを示す平
面図であり、図8(a)、(b)は、パッケージ1Cの
断面図である。図8(a)は図7のVIIIa−VII
Ia線断面に対応しており、図8(b)は図7のVII
Ib−VIIIb線断面に対応している。
【0027】本例においては、基盤3Cの底面の端子の
構成は、図4に示した構成と同じなので、図示省略す
る。また、本例の基盤3Cの形態は、図4〜図6に示す
基盤3Bの形態とほぼ同様である。
【0028】基盤3Bの側壁部3bおよび音波反射部3
fの上端面には、接合部材5Cが固定されている。接合
部材5Cは、側壁部3bの上端面を一周する本体部分5
aを備えている。ここで、本例では、接合部材5Cが二
層構造に分かれている。接合部材5Cの下層には、本体
部分5aから内側へと向かって突出する音波反射部5c
が設けられており、音波反射部5cは、基盤3Bの音波
反射部3fと隙間なく接合されている。接合部材5Cの
上層には音波反射部5cが設けられておらず、その代り
に空隙11が形成されている。空隙11を設けることに
よって、本体部分5aの上端面にカバー6を接合する際
に、音波反射部5cとカバー6との間のクリアランスを
確保することが容易である。
【0029】振動子の材質は限定されず、恒弾性合金や
圧電性セラミックスであってよいが、特に好ましくは圧
電性単結晶である。
【0030】振動子の形態は特に限定されず、例えば図
9に示すような形態を有する。本例においては、振動子
13は、圧電単結晶からなる平板状の振動子であり,所
定平面に沿って形成されている。振動子13の基部13
aから、細長い直線状の支持部13cが突出しており、
各支持部13cの先端側から支持部13cに直交する方
向に、一対の駆動振動片13dが延びている。各駆動振
動片13dには、それぞれ駆動電極15が設けられてい
る。また、基部13cから一対の細長い検出振動片13
bが突出しており、各検出振動片13bには検出電極1
4が設けられている。基部13a上には端子16が設け
られている。
【0031】図10は、図7の基盤3Cおよび接合部材
5C内に、図9の振動子13を収容した状態を示す平面
図であり、図11(a)、(b)は、パッケージ1Cお
よび振動子13からなる収容構造20を示す断面図であ
る。図11(a)は図10のXIa−XIa線断面に対
応しており、図11(b)は図10のXIb−XIb線
断面に対応している。
【0032】本例では、図11に示すように、基盤の平
板状部3cの内壁面10に支持ピン41が固定されてお
り、支持ピン41上に接着層42を介して振動子13の
基部13aが固定されている。この結果、基盤および接
合部材内の空間8に振動子13が収容される。そして、
駆動振動片13dと検出振動片13bとの間には、それ
ぞれ音波反射部3e、3f、5cが介在している。
【0033】図12は、パッケージの回路基板への取付
例を示す斜視図である。本例においては、回路基板22
上に、パッケージ1C、半導体回路パッケージ21、お
よびチップ抵抗/コンデンサ23が実装されている。パ
ッケージ25の端子4は、プリント配線40を介して半
導体回路パッケージ21の端子へと電気的に接続されて
いる。24は基板保持部材である。パッケージ1C、2
1の実装方法それ自体は公知である。
【0034】図13は、本発明の更に他の実施形態に係
るパッケージ用のカバー30内に振動子13を収容した
状態を示す平面図であり、図14は、カバー30の正面
図であり、図15は、カバー30および基盤44を備え
るパッケージ31内に振動子13が収容された状態を示
す断面図である。ただし、図13においては基盤44を
図示省略した。
【0035】カバー30は、平板状部30aと、平板状
部30aからの突出部30bとを備えている。各突出部
30bの裏面側には空間30dが設けられている。この
ような形状のカバー30は、例えば金属板の絞り加工に
よって容易に形成できる。収容構造43を構成する際に
は、図15に示すように、基盤44上にピン41を固定
し、ピン41上に振動子13を前述のように設置する。
振動子13は、図13に示すように、カバー30の収容
空間30c内に収容され、カバー30の内壁面30eに
面する。そして、駆動振動片13dと検出振動片13b
とは、各突出部30bによって遮蔽される。従って、突
出部30bは、それぞれ、駆動振動片と検出振動片との
間の音波を反射、遮蔽する音波反射部として機能する。
【0036】カバー30と基盤44とは接合材32によ
って接合する。この結果、振動子13の収容構造43が
構成される。
【0037】本発明において、パッケージを構成するセ
ラミックスは限定されないが、アルミナ、アルミナとマ
グネシアの共晶セラミックスなどが好ましい。パッケー
ジを構成する金属は限定されないが、コバール、SP
C、ステンレス、シリコン、タングステン、タンタル、
モリブデンなどが好ましい。また、複合材料の種類も限
定されないが、シリコンとシリカの複合材料が好まし
い。
【0038】いわゆるセラミックパッケージの場合に
は、基盤をセラミックスによって形成し、接合部材およ
びカバーを前述のような金属によって形成することが好
ましい。また、基盤と接合部材との接合方法としては、
ロウ付け、はんだ付け、ガラス接合などが好ましい。接
合部材とカバーとの接合方法としては、シーム溶接、は
んだ付け、ガラス接合などが好ましい。
【0039】
【実施例】(本発明例)図10、図11に示すパッケー
ジ1C内に振動子13を収容し、パッケージ1Cを、図
12に示すように回路基板上に実装した。
【0040】まず、図9に示す振動子13を作製した。
厚さ0.3mmの水晶のZ板のウエハーに、スパッタ法
によって、所定位置に、厚さ100オングストロームの
クロム膜と、厚さ1500オングストロームの金膜とを
形成した。ウエハーの両面にレジストをコーティングし
た。
【0041】このウエハーを、ヨウ素とヨウ化カリウム
との水溶液に浸漬し、余分な金膜をエッチングによって
除去し、更に硝酸セリウムアンモニウムと過塩素酸との
水溶液にウエハーを浸漬し、余分なクロム膜をエッチン
グして除去した。温度80℃の重フッ化アンモニウムに
10時間ウエハーを浸漬し、ウエハーをエッチングし、
振動子の外形を形成した。メタルマスクを使用して、厚
さ2000オングストロームのアルミニウム膜を電極膜
として形成した。
【0042】得られた振動子13の基部13aの寸法は
3mm×3mmであり、各検出振動片13bの寸法は、
幅0.5mm×長さ3mmであった。検出電極14の寸
法は、幅0.4mm×長さ2.0mmであり、検出振動
片13bの付け根から0.5−2.5mmの位置に形成
されていた。駆動振動片と検出振動片との間隔は7.9
mmとした。振動子13の中央部に0.25mm×0.
25mmの正方形の貫通孔を形成した。
【0043】一方、図10、図11に示すパッケージを
作製した。アルミナのグリーンシート3層を、図11に
示すような形態に成形し、一体焼結させることによっ
て、基盤3Cを作製した。コバール製の接合部材5Cを
基盤の上端面にろう付けした。基盤3cの平板状部3c
の内壁面10をタングステンでメタライズし、電解ニッ
ケルメッキ、電解金メッキを施して、べたパターンを形
成した。この上に金属ピン41をエポキシ銀ペーストに
よって接合した。シリコーン樹脂組成物によって振動子
の基部13aと金属ピン41とを接着した。パッケージ
の内部に乾燥窒素を封入し、溶接部材上にコバール製の
カバー6をシーム溶接し、パッケージ1Cを密封した。
この溶接に際しては、溶接前に、減圧容器中でパッケー
ジとその内容物とを加熱し、吸着ガス、水分を除去し、
次いでパッケージとその内容物とを溶接室内に移動させ
た。溶接室も隔壁によって外部と遮断されている。溶接
室内には乾燥窒素を満たした。
【0044】パッケージ1Cを回路基板22上に設置
し、リフロー炉内に収容し、パッケージの半田パッドを
プリント配線に対してハンダ付けし、振動型ジャイロス
コープを作製した。そして、この振動型ジャイロスコー
プを温度試験槽に入れ、雰囲気温度を、図16に示すよ
うに変化させた。駆動振動の共振周波数を29kHzと
し、目的とする温度範囲を−40℃−+85℃とした。
パッケージを静止させたときの振動子からの出力電圧を
測定した。
【0045】あらかじめ、回転角速度に対するジャイロ
感度を測定し、検量線を準備しておいた。そして、出力
電圧を、予め測定しておいたジャイロ感度を用いて回転
角速度に換算し、換算結果を図16に示した。図16か
らわかるように、0点の温度ドリフトのグラフは直線的
であり、パッケージ内の雰囲気共鳴などの原因によるピ
ークは観測されず、比較的に良好であった。
【0046】(比較例)本発明例と同様にしてパッケー
ジを作製し、パッケージを回路基板に実装し、0点温度
ドリフトを測定した。ただし、本発明例とは異なり、基
盤3Cの音波反射部3e、3f、接合部材5Cの音波反
射部5cを設けなかった。この結果を図17に示す。図
17からわかるように、低温領域においては、グラフが
湾曲し、かつ立ち上がっており、パッケージ内の雰囲気
共鳴によるピークが観測される。
【0047】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、振動型ジャイロスコープ用振動子をパッケー
ジ内に収容し、回路基板に実装するのに際して、振動子
からの出力信号に基づく0点温度ドリフトを抑制でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明の一実施形態に係るパッケー
ジ1Aを示す正面図であり、(b)は、パッケージ1A
の底面図である。
【図2】パッケージ1Aの基盤3Aおよび接合部材5A
を示す平面図である。
【図3】(a)、(b)は、パッケージ1Aの断面図で
あり、図3(a)は図2のIIIa−IIIa線断面に
対応しており、図3(b)は図2のIIIb−IIIb
線断面に対応している。
【図4】(a)は、本発明の他の実施形態に係るパッケ
ージ1Bを示す正面図であり、(b)は、パッケージ1
Bの底面図である。
【図5】パッケージ1Bの基盤3Bおよび接合部材5B
を示す平面図である。
【図6】(a)、(b)は、パッケージ1Bの断面図で
あり、図6(a)は図5のVIa−VIa線断面に対応
しており、図6(b)は図5のVIb−VIb線断面に
対応している。
【図7】本発明の更に他の実施形態に係るパッケージ1
Cの基盤3Cおよび接合部材5Cを示す平面図である。
【図8】図8(a)、(b)は、パッケージ1Cの断面
図である。図8(a)は図7のVIIIa−VIIIa
線断面に対応しており、図8(b)は図7のVIIIb
−VIIIb線断面に対応している。
【図9】振動子13を示す平面図である。
【図10】図7の基盤3Cおよび接合部材5C内に、図
9の振動子13を収容した状態を示す平面図である。
【図11】(a)、(b)は、パッケージ1Cおよび振
動子13からなる収容構造20を示す断面図であり、図
11(a)は図10のXIa−XIa線断面に対応してお
り、図11(b)は図10のXIb−XIb線断面に対応
している。
【図12】パッケージの回路基板への取付例を示す斜視
図である。
【図13】本発明の更に他の実施形態に係るパッケージ
用のカバー30内に振動子13を収容した状態を示す平
面図である。
【図14】カバー30の正面図である。
【図15】カバー30および基盤44を備えるパッケー
ジ31内に振動子13が収容された収容構造43を示す
断面図である。
【図16】本発明例の振動形ジャイロスコープにおいて
0点の温度変化を示すグラフである。
【図17】比較例の振動形ジャイロスコープにおいて0
点の温度変化を示すグラフである。
【符号の説明】
1A、1B、1C、31 パッケージ 3A、3
B、3C、44 基盤 3a 基盤の底面
3b 側壁部 3c 平板状部 3d、3e、
3f 音波反射部 4、7、9 半導体回路に接
続される半田パッド 5A、5B、5C、32
接合部材 5a 接合部の本体部分 5
b、5c 音波反射部 6、30 カバー 8 振動子の収容空間 10 平板状部の内壁面
(振動子の設置面) 11 接合部分の音波反射部とカバー6との空隙
13 振動子 13b 検出振動片 13d 駆動振動片
14 検出手段 15 駆動手段
16 振動子のワイヤーボンディングパッド
20、43 収容構造 21 半導体回路パッ
ケージ 22 回路基板 30b 音波反射部 4
6 パッケージを回路基板に固定する半田パッド
フロントページの続き (72)発明者 菊池 尊行 愛知県名古屋市瑞穂区須田町2番56号 日 本碍子株式会社内 Fターム(参考) 2F105 AA02 BB08 CC04 CD01 CD05 CD13

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転角速度を検出するための振動型ジャイ
    ロスコープであって、 振動子、 前記振動子に駆動モードの振動を励振するための駆動手
    段、 前記振動子の回転に対応して前記振動子中にコリオリ力
    によって生ずる検出モードの振動を検出するための検出
    手段、 前記振動子を収容するためのパッケージおよび前記パッ
    ケージを実装するための回路基板を備えており、 前記パッケージが、前記振動子を設置するための基盤、
    前記パッケージ内の音波を反射するための前記基盤と一
    体の音波反射部、および前記基盤に接合されているカバ
    ーを備えており、前記基盤が金属、セラミックスまたは
    金属とセラミックスとの複合材料からなることを特徴と
    する、振動型ジャイロスコープ。
  2. 【請求項2】前記振動子が駆動振動片および検出振動片
    を備えており、前記音波反射部が、前記駆動振動片と前
    記検出振動片との間に介在することを特徴とする、請求
    項1記載の振動型ジャイロスコープ。
  3. 【請求項3】前記パッケージが、前記基盤と前記カバー
    とを接合するための金属製の接合部材を備えており、こ
    の接合部材の内壁面に前記接合部材と一体の他の音波反
    射部が設けられていることを特徴とする、請求項1また
    は2記載の振動型ジャイロスコープ。
  4. 【請求項4】前記接合部材が備える前記他の音波反射部
    と前記カバーとの間に空隙が設けられていることを特徴
    とする、請求項3記載の振動型ジャイロスコープ。
  5. 【請求項5】振動型ジャイロスコープ用の振動子を収容
    する収容構造であって、振動子、 前記振動子に駆動モードの振動を励振するための駆動手
    段、 前記振動子の回転に対応して前記振動子中にコリオリ力
    によって生ずる検出モードの振動を検出するための検出
    手段、および前記振動子を収容するためのパッケージを
    備えており、 前記パッケージが、前記振動子を設置するための基盤、
    前記パッケージ内の音波を反射するための前記基盤と一
    体の音波反射部、および前記基盤に接合されているカバ
    ーを備えており、前記基盤が金属、セラミックスまたは
    金属とセラミックスとの複合材料からなることを特徴と
    する、振動子の収容構造。
  6. 【請求項6】前記振動子が駆動振動片および検出振動片
    を備えており、前記音波反射部が前記駆動振動片と前記
    検出振動片との間に介在することを特徴とする、請求項
    5載の収容構造。
  7. 【請求項7】前記パッケージが、前記基盤と前記カバー
    とを接合するための金属製の接合部材を備えており、前
    記接合部材の内壁面に前記接合部材と一体の他の音波反
    射部が設けられていることを特徴とする、請求項5また
    は6記載の収容構造。
  8. 【請求項8】前記接合部材が備える前記他の音波反射部
    と前記カバーとの間に空隙が設けられていることを特徴
    とする、請求項7記載の収容構造。
  9. 【請求項9】振動型ジャイロスコープ用の振動子を収容
    するためのパッケージであって、 前記パッケージが、前記振動子を設置するための基盤、
    前記パッケージ内の音波を反射するための前記基盤と一
    体の音波反射部、および前記基盤に接合されているカバ
    ーを備えており、前記基盤が金属、セラミックスまたは
    金属とセラミックスとの複合材料からなることを特徴と
    する、振動子用パッケージ。
  10. 【請求項10】前記振動子が駆動振動片および検出振動
    片を備えており、前記音波反射部が、前記駆動振動片と
    前記検出振動片との間に介在するように形成されている
    ことを特徴とする、請求項9記載のパッケージ。
  11. 【請求項11】前記パッケージが、前記基盤と前記カバ
    ーとを接合するための金属製の接合部材を備えており、
    前記接合部材の内壁面に前記接合部材と一体の他の音波
    反射部が設けられていることを特徴とする、請求項9ま
    たは10記載のパッケージ。
  12. 【請求項12】前記接合部材が備える前記他の音波反射
    部と前記カバーとの間に空隙が設けられていることを特
    徴とする、請求項11記載のパッケージ。
JP2002036346A 2002-02-14 2002-02-14 振動型ジャイロスコープ、振動子の収容構造および振動子用パッケージ Withdrawn JP2003240554A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002036346A JP2003240554A (ja) 2002-02-14 2002-02-14 振動型ジャイロスコープ、振動子の収容構造および振動子用パッケージ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002036346A JP2003240554A (ja) 2002-02-14 2002-02-14 振動型ジャイロスコープ、振動子の収容構造および振動子用パッケージ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003240554A true JP2003240554A (ja) 2003-08-27

Family

ID=27778252

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002036346A Withdrawn JP2003240554A (ja) 2002-02-14 2002-02-14 振動型ジャイロスコープ、振動子の収容構造および振動子用パッケージ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003240554A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005340631A (ja) * 2004-05-28 2005-12-08 Sony Corp 圧電素子部品及び電子装置
JP2012068178A (ja) * 2010-09-27 2012-04-05 Hitachi Automotive Systems Ltd 加速度および角速度検出装置
US8797760B2 (en) 2011-08-01 2014-08-05 Seiko Epson Corporation Substrate, electronic device, and electronic apparatus

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005340631A (ja) * 2004-05-28 2005-12-08 Sony Corp 圧電素子部品及び電子装置
JP2012068178A (ja) * 2010-09-27 2012-04-05 Hitachi Automotive Systems Ltd 加速度および角速度検出装置
US8797760B2 (en) 2011-08-01 2014-08-05 Seiko Epson Corporation Substrate, electronic device, and electronic apparatus

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4381354B2 (ja) 振動子の支持構造および物理量測定装置
JP4259842B2 (ja) 圧電共振子およびケースに密封された圧電共振子を備える組立品
US9222775B2 (en) Vibrator element, sensor unit, and electronic device
US8640540B2 (en) Vibrating element, vibrator, and electronic apparatus
US20020046604A1 (en) Angular velocity measuring apparatus
JP4428309B2 (ja) 振動型ジャイロスコープ
EP1353146A1 (en) Angular velocity sensor
US6880399B1 (en) Angular velocity sensor
US10411671B2 (en) Crystal element and crystal device
JP2003240554A (ja) 振動型ジャイロスコープ、振動子の収容構造および振動子用パッケージ
JP2005257615A (ja) 角速度センサ
JP4600677B2 (ja) 振動型ジャイロスコープ
JP4859347B2 (ja) 振動型ジャイロスコープ
JP5982889B2 (ja) 物理量センサーモジュール及び電子機器
JP5712755B2 (ja) 加速度検出器、加速度検出デバイス及び電子機器
JP2007181130A (ja) 圧電デバイス及びその製造方法
JP5838694B2 (ja) 物理量検出器、物理量検出デバイス及び電子機器
US20200136586A1 (en) Piezoelectric device
JP2001116551A (ja) 角速度センサ
JP2003224425A (ja) 温度補償型圧電発振器
JP4324956B2 (ja) 振動型ジャイロスコープ
JP2004356912A (ja) 表面実装型圧電発振器
JP5240931B2 (ja) 圧電振動子及び圧電発振器
JP2006292463A (ja) 圧電振動ジャイロおよびその製造方法
JP2005241490A (ja) 振動子の支持構造および振動子用パッケージ

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20050510