JP2003239521A - 床板支持装置および二重床工法 - Google Patents

床板支持装置および二重床工法

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JP2003239521A
JP2003239521A JP2002040758A JP2002040758A JP2003239521A JP 2003239521 A JP2003239521 A JP 2003239521A JP 2002040758 A JP2002040758 A JP 2002040758A JP 2002040758 A JP2002040758 A JP 2002040758A JP 2003239521 A JP2003239521 A JP 2003239521A
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Norihisa Hashimoto
典久 橋本
Tomoyuki Shiogoshi
智之 塩越
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 重量床衝撃音遮断性能の高い二重床工法を提
供すること。 【解決手段】 床板支持装置を、二重床構造における床
板に固定され、床板からの荷重を受けて、これを荷重変
換支持手段10に伝播するための固定手段3と、固定手
段3に連結され、二重床構造における床スラブ上に載置
されて床板を鉛直方向に支持し、かつ固定手段3から受
けた荷重の伝播を水平方向に変換することのできる荷重
変換支持手段10とを有し、荷重変換支持手段10は、
荷重の伝播方向を少なくとも二方向に分散させるための
支持脚部4と、分散された荷重の伝播方向をさらに水平
方向に変換して支持脚部4を開閉させることができ、こ
れにより鉛直方向の荷重による衝撃エネルギーを吸収す
ることのできる衝撃力変換吸収部6とから構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は床板支持装置および
二重床工法に関し、特に、二重床構造において、重量衝
撃力の伝播方向を変換することにより建築物における床
衝撃音を低減することのできる、床板支持装置および二
重床工法に関する。
【0002】
【従来の技術】集合住宅では、子供の飛び跳ねや走り回
りによる上階からの床衝撃音が住環境の大きな問題とな
っており、平成12年に施行された「住宅の品質確保の
促進に関する法律」でも、床衝撃音は重要な性能表示項
目の一つとなっている。この床衝撃音のうち、重量床衝
撃音の遮断性能は、床の表面仕上げに関係なく床構造、
特に主として床スラブの厚みによって決定されるため、
重量床衝撃音の問題が表面化した後における対策実施が
困難であり、したがって施工時において適正な性能が確
保されることが、特に重要となっている。
【0003】さらに、現在の鉄筋コンクリート造(以
下、「RC造」という。)の集合住宅では、積載荷重に
対する構造的な耐力によって床スラブの厚みが決まるの
ではなく、重量床衝撃音遮断性能に対応できる厚みによ
って決定されている。これらの理由から、RC造床スラ
ブの厚みが、近年だんだん厚くなる傾向にあり、200
mmから250mmの厚みの建物が多くなっている。床
スラブの厚みが大きくなると、建物全体の重量が増え、
杭基礎への負担や地震耐力などの安全性の面で不利とな
り、またコスト的にも不利となる。したがってスラブ厚
は、床衝撃音遮断性能を確保できる条件のもとで、可能
な限り薄くできることが望ましい。
【0004】最近のRC造の集合住宅では、床スラブの
仕上げ工法として二重床構造が多く採用されている。図
4は、従来の二重床工法における床板支持の機構を示す
概念図である。図において従来の機構は、二重床の床板
41を支える支持脚44、および床スラブ47上に設け
られ該支持脚44が載置されるクッションゴム46から
なる機構が一般的である。支持脚44に用いられる材料
にスチールやプラスチックなどの違いがあったり、また
支持脚44やクッションゴム46の形状が若干異なる場
合があるが、床板を支える基本的な機構は図4に示す機
構と同一である。
【0005】これら従来の二重床工法は、バリアフリー
に対応しやすいこと、二重床下空間を配管スペースとし
て使えること、そのため室内の間取り変更に容易に対応
できること、床の底冷え防止効果があること、転倒時の
傷害発生軽減に効果があること、などの優れた特徴を有
し、機能性の高い床仕上げ構造を提供することができ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これら従来の
二重床工法をRC造床スラブに施工した場合、重量床衝
撃音遮断性能が、二重床工法による仕上げのない裸スラ
ブの場合と比較して低下するという問題点がある。特
に、床衝撃音の性能を決定する63Hzの周波数帯域
で、裸スラブよりも性能が著しく低下する傾向が見られ
る。そのため、二重床を施工しても床スラブの厚みを軽
減することはできず、逆に、安全を見込んでやや厚めに
施工するのが一般的であり、床衝撃音の面からは不利な
工法となっているのが現状である。
【0007】したがって、床衝撃音遮断性能に優れた二
重床工法が開発されれば、床スラブの厚みを軽減するこ
とができ、二重床本来の優れた特長と併せて、建築物に
とって大いに有用な工法となる。特に、高層の集合住宅
などでは、建物重量を軽減できるということは大変重要
な効果であり、建築経済的にも大きな意義がある。
【0008】従来の二重床工法では、クッションゴムを
バネとし、二重床の床板を質量とする振動系が床スラブ
と直列に構成されるため、重量床衝撃音による衝撃が加
わったときに振動が増幅して床スラブに伝わる傾向があ
り、これが63Hz帯域の床衝撃音遮断性能の低下とし
て現われてくる。
【0009】二重床における床衝撃音遮断を目的とした
従来技術としては、特開平10−259658号公報に
開示された発明があるが、これは、不織布からなる吸音
材と鋳鉄粉入りゴムアスファルトシートからなる制振遮
音性シートを用いて課題解決手段とするものであり、二
重床構造における振動系の構成を根本的に見直すもので
はない。したがって、不織布やシートといった余計な装
填物を準備し、これを床下に装填、敷設する必要が生じ
ることとなる。
【0010】図5は、床衝撃音の周波数帯域と衝撃音レ
ベルの関係を示すグラフ図である。RC造床スラブの重
量床衝撃音遮断性能はL等級によって評価されるが、通
常の場合、図5に示すように63Hz以外の周波数帯域
での性能は、63Hzの性能より充分に高いことが多い
ため、63Hz帯域の性能を改善すれば全体の性能が向
上することになる。本発明では、この周波数帯域を中心
に、重量床衝撃音遮断性能の高い二重床工法およびそれ
に用いる床板支持装置を提供することを目的とする。
【0011】特に、二重床構造における振動系の構成を
根本的に見直し、重量床衝撃音の原因である衝撃力の緩
和に着目した、重量床衝撃音遮断性能の高い二重床工法
およびそれに用いる床板支持装置を提供することを目的
とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本願発明者は上記課題に
つき鋭意検討した結果、大きな衝撃力の発生する重量床
衝撃音の衝撃力を、床スラブと直列の関係となる縦方向
の変形ではなく、横方向の変形に変換して処理すること
によって上記課題を解決し得ることを見出し、本発明に
至った。すなわち、上記課題を解決するための手段とし
て、本願で特許請求される発明は以下のとおりである。
【0013】(1)二重床構造における床板に固定さ
れ、該床板からの荷重を受けて、これを後記荷重変換支
持手段に伝播するための固定手段と、該固定手段に連結
され、該二重床構造における床スラブ上に載置されて該
床板を鉛直方向上方に支持し、かつ該固定手段から受け
た荷重の伝播を水平方向に変換することのできる荷重変
換支持手段とを有し、該荷重変換支持手段が、該荷重の
伝播方向を少なくとも二方向に分散させるための支持脚
部と、該分散された荷重の伝播方向をさらに水平方向に
変換して該支持脚部を開脚させることができ、これによ
り鉛直方向の該荷重による衝撃エネルギーを吸収するこ
とのできる衝撃力変換吸収部と、を備えることを特徴と
する、床板支持装置。
【0014】(2)前記荷重の大きさが静的荷重限界値
を超えない静的荷重である場合は、該荷重の伝播方向が
水平方向に変換されずに鉛直方向のままであり、該荷重
の大きさが該静的荷重限界値を越えた重量衝撃力である
場合は、該衝撃力変換吸収部の機能により、該重量衝撃
力の伝播方向が変換されて水平方向となり、床衝撃音を
低減することができることを特徴とする、(1)の床板
支持装置。
【0015】(3)前記支持脚部が前記固定手段に開閉
自在に設けられた一対の支持脚からなり、前記衝撃力変
換吸収部が該一対の支持脚の間を連結して設けられ、該
衝撃力変換吸収部が水平方向の振動系たる弾性体を用い
たものであることを特徴とする、(1)または(2)の
床板支持装置。
【0016】(4)前記支持脚部が、該支持脚の開閉を
円滑に行わせるための水平方向転動手段または水平方向
滑動手段をさらに備えていることを特徴とする、(3)
の床板支持装置。
【0017】(5)前記水平方向転動手段が、前記支持
脚の端部に設けられた車輪であることを特徴とする、
(4)の床板支持装置。
【0018】(6)前記静的荷重限界値が100kg以
上400kg以下の範囲内の値であることを特徴とす
る、(2)ないし(5)のいずれかの床板支持装置。
【0019】(7)(1)ないし(6)のいずれかの床
板支持装置を用いて、該床板支持装置を二重床の床スラ
ブ上に載置し、床板下部において前記固定手段により、
該床板支持装置と該床板とを固着させることを特徴とす
る、二重床工法。
【0020】本発明は、大きな衝撃力の発生する重量床
衝撃音の衝撃力を、床スラブと直列の関係となる縦方向
の変形ではなく、横方向の変形に変換して処理する装置
および工法である。通常、二重床に静的に掛かる局部的
な荷重は、最大でも100kg程度であるが、重量床衝
撃音の衝撃力は瞬間的に最大400kg程度まで掛かる
ことになる。本発明は、これらの荷重の大きさの違いに
着目してなされた。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面により詳細に
説明する。以下、図中、同一の構成要素に対しては同一
の符号を付して説明する。
【0022】図1は、本発明の床板支持装置の作動機構
を示す概念図である。図1(a)において本装置は、二
重床構造における床板に固定され、該床板からの荷重を
受けて、これを後記荷重変換支持手段10に伝播するた
めの固定手段3と、該固定手段3に連結され、該二重床
構造における床スラブ上に載置されて該床板を鉛直方向
上方に支持し、かつ該固定手段3から受けた荷重の伝播
を水平方向に変換することのできる荷重変換支持手段1
0とを有し、該荷重変換支持手段10は、該荷重の伝播
方向を少なくとも二方向に分散させるための支持脚部4
と、該支持脚部4に設けられ、該分散された荷重の伝播
方向をさらに水平方向に変換して該支持脚部4を開閉さ
せることができ、これにより鉛直方向の該荷重による衝
撃エネルギーを吸収することのできる衝撃力変換吸収部
6とを備えることを、主たる構成とする。
【0023】前記支持脚部4は、前記荷重の伝播方向を
三方向、または四以上の方向に分散させることができる
よう構成することができる。この場合、バネその他の弾
性体等による前記衝撃力変換吸収部6は、伝播方向数に
応じて構成される。
【0024】
【作用】図1(a)において、前記荷重が静的荷重限界
値を超えない静的荷重Fsである場合は、該荷重Fsは
前記荷重変換支持手段10と釣り合い、したがって該荷
重Fsの伝播方向は水平方向に変換されずに鉛直方向の
ままである(Fv)。
【0025】一方、図1(b)において、該荷重が静的
荷重限界値を超える重量衝撃力Fdである場合は、該荷
重Fdは前記荷重変換支持手段10と釣り合わず、該衝
撃力変換吸収部6の機能により、すなわち弾性体等から
なる該衝撃力変換吸収部6の変形を伴う該重量衝撃力F
dの伝播方向変換、およびこれに係るエネルギーの吸収
がなされ、これにより該重量衝撃力Fdの伝播方向が変
換されて水平方向となる(Fh)。該重量衝撃力Fdの
伝播の水平方向への変換とエネルギーの吸収により、該
重量衝撃力Fdの鉛直方向荷重部分は低減され、床衝撃
音の低減を図ることができる。
【0026】本発明において静的荷重限界値とは、本発
明の装置による衝撃力変換・吸収作用発揮の対象となら
ない静止状態における荷重(以下、「静的荷重」ともい
う。)の最大値をいう。静的荷重限界値は、静的荷重と
して二重床に静的に掛かる局部的な荷重の通常における
最大値が100kg程度であること、および重量床衝撃
音の衝撃力が瞬間的に到達し得る値が400kgの場合
があることに鑑みて、100kg以上400kg以下の
範囲内の値とすることができる。
【0027】図1(a)、(b)において、前記支持脚
部4は、前記固定手段3に開閉自在に設けられた一対の
支持脚4Aおよび4Bからなり、前記衝撃力変換吸収部
6は該支持脚4Aおよび4Bの間を連結して設けられて
いる。該前記衝撃力変換吸収部6としては、水平方向の
振動系たるバネ等の弾性体を用いることができる。
【0028】図において、また、前記荷重変換支持手段
10は、前記支持脚4Aおよび4Bからなる支持脚4の
開閉を円滑に行わせるための水平方向転動手段5をさら
に備えることができ、該水平方向転動手段5として、該
支持脚4Aおよび4Bの各端部に設けられた車輪5Aお
よび5Bを用いることができる。水平方向転動手段に代
えて、水平方向に低摩擦状態で滑動することのできる水
平方向滑動手段を用いることもできる。
【0029】本発明の床板支持装置を用いて、該床板支
持装置を二重床の床スラブ上に載置し、床板下部におい
て前記固定手段3と該床板とを固着させることにより、
床衝撃音遮断性能を高めた本発明の二重床工法とするこ
とができる。
【0030】すなわち本発明の装置は、通常の静的な荷
重Fsは図1(a)に示すようにバネ等の弾性体(6)
での釣り合いにより鉛直荷重としてそのまま受け止め
(Fv)、図1(b)に示すように、静的荷重を越える
過大な衝撃力Fdが作用したときは、その衝撃力Fdの
伝搬方向を機械的に横方向に変化させ(Fh)、該変化
させられた衝撃力については、バネ等の弾性体(6)か
らなる横方向の振動系を用いてその衝撃エネルギーを吸
収させる。これにより、床スラブへの衝撃力Fdの入力
が低減され、重量床衝撃音遮断性能を向上させることが
できる。
【0031】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面により説明する
が、本発明は下記実施例に限定されるものではない。 実施例1 図2(a)は、本発明に係る床板支持装置の実施例の正
面図であり、図2(b)は同側面図である。各図におい
て、本発明の床板支持装置が適用される二重床構造は、
床板21および床スラブ27を有する。図において本装
置は、床板21に固定され、該床板21からの衝撃力2
2を受けて、これを伝播するための固定手段であるピン
固定部23と、該ピン固定部23にピン止め連結され、
床スラブ27上に載置されて床板21を鉛直方向に支持
し、かつピン固定部23から受けた衝撃力22の伝播方
向を二方向に分散させるための支持脚24Aおよび24
Bと、該分散された荷重の伝播方向をさらに水平方向に
変換して該支持脚24Aおよび24Bからなる支持脚部
を、再度の閉脚、開閉が可能な状態で開脚させることが
でき、これにより鉛直方向の該荷重22による衝撃エネ
ルギーを吸収することのできるバネ26と、支持脚の開
閉を円滑に行わせるための水平方向転動手段として支持
脚24Aおよび24Bの端部にそれぞれ取り付けられた
車輪25Aおよび25Bと、からなる。
【0032】支持脚24Aおよび24Bは、互いに反対
方向斜め下方に延びて設けられ、いずれも、ピン固定部
23を支点として自由に動くように設けられている。2
6は水平方向に設置されたバネであり、支持脚24Aお
よび24Bの間を繋ぐように設けられている。
【0033】床板21の上部から、静止荷重限界値を超
えた荷重の重力衝撃力22が作用すると、支持脚24A
および24Bの間の間隔が広がることにより、上部より
作用した衝撃力22は水平方向の力に変換され、同時に
バネ26が延びて衝撃力のエネルギーを吸収する。車輪
25Aおよび25Bは、支持脚24Aおよび24Bの動
きを滑らかにするために設けられる。
【0034】重量衝撃力ではない通常の床の荷重に対し
ては、バネ26の変形が僅かであるようにバネの硬さを
選んでおくと、静的な荷重は水平方向に変換されずに、
車輪25Aおよび25Bを介してそのまま床スラブ27
に伝えられる。
【0035】図3は、本実施例の装置を用いた二重床工
法により施工された二重床と、従来の工法により施工さ
れた二重床について、重量衝撃力が加わったときの床衝
撃音レベルを測定した測定結果を示すグラフ図である。
床衝撃音レベルは、仕上げのない裸床スラブでの結果を
基準とした相対レベル差(dB)で示している。従来の
二重床工法では、裸床スラブと比較して、63Hzで5
dB程度性能が悪くなったが、本実施例の結果では逆
に、裸床スラブよりも5dB程度性能が良くなった。す
なわち、従来の二重床工法と実施例とを比較すると、6
3Hzで10dB程度良くなった。床衝撃音遮断性能は
5dBで1ランクの性能差とされるため、本発明の工法
によれば、従来の工法と比較して、2ランクの性能向上
を得ることができた。
【0036】なお、250Hzから500Hzの周波数
帯域では、基準とした裸床スラブよりも性能が低くなっ
ているが、これらの周波数帯域は、床衝撃音遮断性能へ
の影響が小さく、実際上問題とならないものであり、本
発明の装置および工法により効果的かつ確実に床衝撃音
遮断性能向上を確保した上で、二重床の床上の仕上げ段
階において容易に解決することができるものである。
【0037】また、床衝撃音遮断性能への影響が小さい
該周波数帯域の性能低下は、バネ6の共振の影響と考え
られ、共振を防止するダンパーなどを付加することによ
っても改善することができる。
【0038】実施例2 上記250Hzから500Hzの周波数帯域における性
能低下は、上述のとおり問題とならないものではある
が、これを床上の仕上げ段階以前に解決する方法とし
て、バネの共振を防止するダンパーをバネに設け、それ
以外は実施例1と同様に本床板支持装置を構成し、本発
明の二重床工法を施工したところ、裸床スラブに対する
床衝撃音の相対レベル差において従来型二重床と同等レ
ベルとなり、該帯域の性能低下を改善することができ
た。
【0039】一般に床衝撃音は、概ね床スラブ厚の3乗
に比例してレベルが上がる。したがって、本発明実施例
により重量床衝撃音が10dBも改善できるということ
は、床スラブの厚みで考えると、250mmのスラブ厚
を170mmにまで薄くでき、30%以上もの床スラブ
重量軽減を実現することができ、建物重量全体の軽減が
可能となる。
【0040】
【発明の効果】本発明の床板支持装置および二重床工法
によれば、上述のように構成されているため、重量床衝
撃音遮断性能を高めることができ、これにより、住宅品
質の確保、住環境改善を図ることができる。
【0041】また、床スラブの厚みを軽減することがで
き、二重床本来の優れた特長と併せて、建物重量全体の
軽減が可能となり、建築物にとって大いに有用な工法を
提供することができる。特に高層の集合住宅などでは、
建物重量を軽減できるということは大変重要な効果であ
り、建築経済的にも意義が大きいものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の床板支持装置の作動機構を示す概念図
である。
【図2】(a)は本発明の実施例の正面図であり、
(b)は同側面図である。
【図3】本実施例の装置を用いた二重床工法により施工
された二重床と、従来の工法により施工された二重床に
ついて、重量衝撃力が加わったときの床衝撃音レベルを
測定した測定結果を示すグラフ図である。
【図4】従来の二重床工法における床板支持の機構を示
す概念図である。
【図5】床衝撃音の周波数帯域と衝撃音レベルの関係を
示すグラフ図である。
【符号の説明】
3…固定手段3、 4…支持脚部、 4A、4B、24
A、24B…支持脚、5…水平方向転動手段、 5A、
5B、25A、25B…車輪、 6…衝撃力変換吸収
部、 10…荷重変換支持手段、 21、41…床板、
22…衝撃力、23…ピン固定部、 26…バネ、
27、47…床スラブ、 44…支持脚、 46…クッ
ションゴム、 Fs…静的荷重、 Fd…重量衝撃力、
Fv…荷重Fsの伝播方向の力、 Fh…荷重Fdの
伝播方向の力

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二重床構造における床板に固定され、該
    床板からの荷重を受けて、これを後記荷重変換支持手段
    に伝播するための固定手段と、該固定手段に連結され、
    該二重床構造における床スラブ上に載置されて該床板を
    鉛直方向上方に支持し、かつ該固定手段から受けた荷重
    の伝播を水平方向に変換することのできる荷重変換支持
    手段とを有し、該荷重変換支持手段が、該荷重の伝播方
    向を少なくとも二方向に分散させるための支持脚部と、
    該分散された荷重の伝播方向をさらに水平方向に変換し
    て該支持脚部を開脚させることができ、これにより鉛直
    方向の該荷重による衝撃エネルギーを吸収することので
    きる衝撃力変換吸収部と、を備えることを特徴とする、
    床板支持装置。
  2. 【請求項2】 前記荷重の大きさが静的荷重限界値を超
    えない静的荷重である場合は、該荷重の伝播方向が水平
    方向に変換されずに鉛直方向のままであり、該荷重の大
    きさが該静的荷重限界値を越えた重量衝撃力である場合
    は、該衝撃力変換吸収部の機能により、該重量衝撃力の
    伝播方向が変換されて水平方向となり、床衝撃音を低減
    することができることを特徴とする、請求項1に記載の
    床板支持装置。
  3. 【請求項3】 前記支持脚部が前記固定手段に開閉自在
    に設けられた一対の支持脚からなり、前記衝撃力変換吸
    収部が該一対の支持脚の間を連結して設けられ、該衝撃
    力変換吸収部が水平方向の振動系たる弾性体を用いたも
    のであることを特徴とする、請求項1または2に記載の
    床板支持装置。
  4. 【請求項4】 前記支持脚部が、該支持脚の開閉を円滑
    に行わせるための水平方向転動手段または水平方向滑動
    手段をさらに備えていることを特徴とする、請求項3に
    記載の床板支持装置。
  5. 【請求項5】 前記水平方向転動手段が、前記支持脚の
    端部に設けられた車輪であることを特徴とする、請求項
    4に記載の床板支持装置。
  6. 【請求項6】 前記静的荷重限界値が100kg以上4
    00kg以下の範囲内の値であることを特徴とする、請
    求項2ないし5のいずれかに記載の床板支持装置。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれかに記載の床
    板支持装置を用いて、該床板支持装置を二重床の床スラ
    ブ上に載置し、床板下部において前記固定手段により、
    該床板支持装置と該床板とを固着させることを特徴とす
    る、二重床工法。
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KR100739877B1 (ko) 2005-09-09 2007-07-16 한양대학교 산학협력단 건축물의 층간 바닥구조물
KR101482983B1 (ko) * 2014-11-12 2015-01-19 한국건설기술연구원 건축구조물의 바닥충격음 저감 장치 및 그 시공방법

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