JP2003238743A - 水素化ニトリルゴム組成物及びこれを用いた伝動ベルト - Google Patents

水素化ニトリルゴム組成物及びこれを用いた伝動ベルト

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JP2003238743A
JP2003238743A JP2002039117A JP2002039117A JP2003238743A JP 2003238743 A JP2003238743 A JP 2003238743A JP 2002039117 A JP2002039117 A JP 2002039117A JP 2002039117 A JP2002039117 A JP 2002039117A JP 2003238743 A JP2003238743 A JP 2003238743A
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nitrile rubber
rubber composition
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Yorifumi Hineno
順文 日根野
Toshimichi Takada
俊通 高田
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Mitsuboshi Belting Ltd
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Mitsuboshi Belting Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた強度、耐摩耗性を保持しつつ耐寒性を
向上させた水素化ニトリルゴム組成物及びこれを用いた
伝動ベルトを提供することを目的とする。 【解決手段】 歯付ベルト1の少なくとも歯部2に、ア
クリロニトリル含有量が10〜30質量%の水素化ニト
リルゴム100質量部に対して可塑剤5〜25質量部、
カーボンブラック30〜65質量部、不飽和カルボン酸
金属塩1〜10質量部、および有機過酸化物0.2〜1
0質量部を含有する水素化ニトリルゴム組成物を用いた
構成からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた強度、耐摩
耗性を保持しつつ耐寒性を向上させた水素化ニトリルゴ
ム組成物及びこれを用いた伝動ベルトに関する。
【0002】
【従来の技術】近年では伝動ベルトに求められる品質が
年々過酷なものとなっている。中でも自動車エンジンに
使用される伝動ベルトは、エンジンルーム内の温度に耐
えられるものでなければならず元々環境温度としては厳
しいものであった。最近、省スペース化、エンジンのコ
ンパクト化などの傾向があり、エンジンルームもかなり
狭くなってきており、エンジンルーム内の温度は更に上
昇する方向にあって、伝動ベルトにとっても極高温に耐
えうるものが必要とされている。
【0003】また、自動車が特に北欧などの寒い地域で
用いられる場合、例えば夜間、エンジンが停止している
間に伝動ベルトは極低温状態で放置されることになる
が、伝動ベルトの中でプーリに巻きかかった箇所が屈曲
したまま低温で硬化し、その箇所が朝のエンジンの始動
時に急激に伸ばされることによって激しく疲労し、早期
にクラックが発生したり、更にクラックが拡大して切断
してしまうといった問題が発生する可能性が高まってい
る。このため、低温側での更なる厳しい環境への適応性
が求められるようになっている。
【0004】水素化ニトリルゴムにおいて耐寒性を向上
させるため、例えば特開平1−242643号公報に開
示されているようなアクリルニトリル結合量を減少さ
せ、第3成分(含フッ素ビニル系単量体)を共重合する
ことで耐寒性を改良したポリマーも開発されている。ま
た、その他に耐寒性を改良する手段としては、特開平6
−107858号公報に開示されているように可塑剤を
充填するという方法も考えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、まず上記のよ
うな耐寒性改良ポリマーを用いると確かに耐寒性が改良
され、従来の水素化ニトリルゴムを用いた場合よりも低
温環境において優れた物性を発揮することができるが、
アクリロニトリル結合量を減少させているため、硬度、
モジュラスなどの物性低下及び、耐摩耗性が低下するこ
とで粘着摩耗が発生する問題があった。
【0006】これまでこの問題を解決するためにカーボ
ンブラック等の補強剤を増量することによって物性、耐
摩耗性を向上する方法が検討されてきたが、補強剤を増
量すると屈曲疲労性、耐寒性が劣る結果となった。
【0007】本発明はこのような問題に対処するもので
あり、優れた強度、耐摩耗性を保持しつつ耐寒性を向上
させた水素化ニトリルゴム組成物及びこれを用いた伝動
ベルトを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】即ち、本願請求項1の発
明では、アクリロニトリル含有量が10〜30質量%の
水素化ニトリルゴム100質量部に対して可塑剤5〜2
5質量部、カーボンブラック30〜65質量部、不飽和
カルボン酸金属塩1〜10質量部、および有機過酸化物
0.2〜10質量部を含有する水素化ニトリルゴム組成
物にあり、耐寒性を大幅に改善するとともに硬度、モジ
ュラスなどの物性を低下させることのないゴム組成物を
得ることができる。ここで用いられる不飽和カルボン酸
金属塩を配合する目的は補強剤としてではなく、有機過
酸化物の架橋によって不飽和カルボン酸金属塩がポリマ
ー鎖間で発生すると考えられるグラフト重合によって架
橋度を上げることを目的として配合され、これの効果に
よって優れた耐寒性を保持しつつ物性が改善されてい
る。
【0009】本願請求項2の発明では、ベルト長手方向
に沿って心線を埋設した接着ゴム層に隣接して圧縮ゴム
層を配置した動力伝動用ベルトにおいて、上記ゴム層の
少なくとも一部に、アクリロニトリル含有量が10〜3
0質量%の水素化ニトリルゴム100質量部に対して可
塑剤5〜25質量部、カーボンブラック30〜65質量
部、不飽和カルボン酸金属塩1〜10質量部、および有
機過酸化物0.2〜10質量部を含有する水素化ニトリ
ルゴム組成物を用いた伝動ベルトであり、耐寒性を大幅
に改善するとともに硬度、モジュラスなどの物性も維持
することができる。
【0010】本願請求項3の発明では、上記伝動ベルト
がベルト長手方向に沿って心線を埋設した接着ゴムと、
ベルト長手方向に沿って少なくとも1つのリブ部をもつ
圧縮ゴム層からなるVリブドベルトであり、最適な伝動
ベルトになる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の水素化ニトリルゴム組成
物は耐寒性を大幅に向上し、しかも硬度やモジュラスな
どの物性をベルトとして用いるのに適正な範囲を保持し
たものであり、アクリロニトリル結合量が10〜30質
量%の水素化ニトリルゴム100質量部に対して、可塑
剤5〜25質量部でより好ましくは5〜15質量部、カ
ーボンブラック30〜65質量部でより好ましくは35
〜55質量部、不飽和カルボン酸金属塩2〜10質量
部、そして有機過酸化物0.2〜10質量部を含有して
いる。
【0012】本発明で用いる水素化ニトリルゴムは、ア
クリロニトリル、メタクリロニトリル、その他の不飽和
ニトリルからなるアクリロニトリル結合量が10〜30
質量%と、1,3−ブタジエン、2,3−ジメチルブタ
ジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、その他の
共役ジエン90〜70質量%とからなる共重合体、およ
び更にこれらのモノマーに加えて共重合可能なエチレン
性不飽和モノマーを共重合させた多元共重合体が挙げら
れる。ニトリルゴム中の不飽和ニトリルの量が過少であ
ると耐油性が低く、また、逆に過多であると硬度・モジ
ュラスなどの一般的物性に劣る。
【0013】上記エチレン性不飽和モノマーとしては、
スチレン、クロロメチルスチレン、α−メチルスチレン
などのビニル芳香族化合物、(メタ)アクリル酸、メチ
ル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレー
ト、エトキシエチルアクリレート、マレイン酸、イタコ
ン酸、モノメチルマレイン酸エステル、ジメチルマレイ
ン酸エステルなどの不飽和ジカルボン酸、これらの不飽
和ジカルボン酸のモノエステルおよびジエステルなどが
挙げられる。
【0014】上記アクリロニトリル結合量は10〜30
質量%であり、この範囲のアクリロニトリル結合量を有
する水素化ニトリルゴムは低温下においても柔軟性を維
持する耐寒性に優れたものになる。アクリロニトリル結
合量が10質量%未満であると硬度、モジュラス、耐油
性が低下して伝動ベルトとしての機能を満足できないと
いった問題があり、一方30質量%を超えると耐寒性が
低下して低温環境下における伝動ベルトの寿命が短くな
ってしまう。
【0015】可塑剤は、配合することによって低温環境
における柔軟性を付与し、低温での屈曲疲労を防止する
ためのものである。本発明で用いられる可塑剤として
は、例えばポリジメチルシロキサンオイル、ジフェニル
シランジオール、トリメチルシラノール、フタル酸誘導
体フタレート系、アジピン酸誘導体アジペート系、トリ
メリット酸誘導体、セバケート系、フォスフェート系、
ポリエーテル系がある。そして可塑剤の配合量は5〜2
5質量部、好ましくは5〜15質量部の範囲とする。5
質量部未満であると耐寒性が十分に改善されず、一方2
5質量部を超えて配合すると強度が低下し、可塑剤がブ
リードするといった問題が起こるので好ましくない。
【0016】カーボンブラックは、可塑剤のブリードを
抑制するとともに、ベルトの硬度やモジュラスといった
物性を高く保つために配合するものであり、その配合量
は35〜65質量部、より好ましくは35〜55質量部
配合される。カーボンブラックの配合量が35質量部未
満であると、硬度やモジュラスなどの物性が低下すると
共に耐磨耗性が不十分となり伝動ベルトとしての機能を
満足できなくなる。また65質量部を超えると硬度が高
くなりすぎると共に伸びが低くなり、耐寒寿命が短くな
るので好ましくない。
【0017】本発明の水素化ニトリルゴム組成物には、
上記の可塑剤とカーボンブラック以外にも必要に応じて
種々の添加剤を配合する。例えば、短繊維、架橋剤、老
化防止剤、耐熱剤、粘着付与剤、スコーチ防止剤、架橋
促進剤、促進助剤、架橋遅延剤、着色剤、紫外線吸収
剤、難燃剤、耐油性向上剤、その他充填剤等が挙げられ
る。
【0018】上記架橋促進剤としては、トリアリルシア
ヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリメチロー
ルプロパントリメタクリレート、エチレンジメタアクリ
レート、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、フェ
ニレンジマレイミド等がある。
【0019】このうち短繊維は、綿、ポリエステル、ポ
リアミド、アラミドなどの繊維からなる長さが1〜10
mm程度の通常よく用いられる短繊維を用いることがで
きる。また短繊維として径が0.1〜2.0μmであ
り、長さが10μm〜1.0mの範囲である特殊なサイ
ズの超短繊維を用いることもできる。伸縮性のベルト全
域に渡る均質さをよりレベルの高いものにすることがで
きる。水素化ニトリルゴムにそのような径および長さの
短繊維を混入して均質に分散させたものとして、例えば
宇部興産株式会社製の商品名(Super Hybri
d Polymer)が挙げられる。
【0020】このような超短繊維の場合は短繊維の分散
性や水素化ニトリルゴムの均質性を高いレベルに引き上
げることができ、短繊維を配合することによる亀裂の発
生や劣化を抑えることができる。そのような高いレベル
の分散性、均質性で見ると、短繊維の径が0.1μm未
満であると分散状態が不均一になり、2.0μmより大
きくなると均質性が損なわれるとともに、ベルト走行中
に短繊維部分が起点となって亀裂を生じる可能性が高ま
ることになる。
【0021】また、短繊維の長さが10μm未満である
と水素化ニトリルゴムのモジュラスを向上させる効果が
低くなり、1 .0mmより長くなると水素化ニトリルゴ
ム中での分散状態が不均一となり、搬送用ベルトの伸縮
性が全体で不均等になる。一方、短繊維の水素化ニトリ
ルゴムへの混入量は、水素化ニトリルゴム100質量部
に対して1〜30質量部の範囲で混入するのが好まし
い。1質量部未満であると短繊維でのモジュラスを向上
させる効果が十分に得られず、20質量部を越えると硬
度が高くなりすぎるために好ましくない。
【0022】不飽和カルボン酸金属塩はカルボキシル基
を有する不飽和カルボン酸と金属とがイオン結合した物
であり、不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタ
クリル酸等のモノカルボン酸やマレイン酸、フマル酸、
イタコン酸等のジカルボン酸やマレイン酸モノメチル、
イタコン酸モノメチルが挙げられる。また、金属として
は不飽和カルボン酸と塩を形成するものであれば構わな
いが、通常はベリリウム、マグネシウム、カルシウム,
ストロンチウム、バリウム、チタン、クロム、モリブデ
ン、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、銀、亜
鉛、カドミウム、アルミニウム、錫、鉛、水銀、アンチ
モンなどを使用することができるが、ゴムの補強として
用いる場合には通常亜鉛、マグネシウム、カルシウム、
アルミニウムがよく用いられる。この不飽和カルボン酸
金属塩の含有量を水素化ニトリルゴム100質量部に対
し1〜10質量部に設定したのは、1質量部未満である
と期待される補強効果が得ることが出来なくなるからで
ある。また、10質量部を超えると補強効果が過多にな
り硬度上昇が大きく、屈曲疲労性が劣り耐寒性を低下さ
せてしまうからである。
【0023】架橋剤は有機過酸化物であり、有機過酸化
物は水素化ニトリルゴム100質量部に対して、0.2
〜10質量部を配合する。0.2質量部未満であると架
橋が不十分となり、引張強さなどの物性が劣ることにな
り、逆に10質量部を超えると過架橋となり、伸びが低
下し十分なゴム弾性および耐屈曲疲労性を得ることが出
来なくなるからである。
【0024】具体的には2,5−ジメチル−2,5−ジ
(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、2,5−ジメ
チル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、
2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)−p−ジイソプ
ロピルベンゼン、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブ
チルパーオキサイド、t−ブチルパーベンゾエート、
1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−ト
リメチルシクロヘキサン、2,4−ジクロロベンゾイル
パーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、p−クロ
ロベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクミルパーオ
キサイド、ジクミルパーオキサイド、ジアルキルパーオ
キサイド、ケタールパーオキサイドを挙げることができ
る。架橋促進剤としてはステアリン酸、酸化亜鉛などが
挙げられる。
【0025】老化防止剤としては、フェニレンジアミン
類、フォスフェート類、キノリン類、クレゾール類、フ
ェノール類、ジチオカルバメート金属塩類を挙げること
ができる。
【0026】耐熱剤としては、酸化鉄、酸化セシウム、
水酸化カリウム、ナフテン酸鉄、ナフテン酸カリウムを
挙げることができる。
【0027】充填剤としては、珪藻土、亜鉛華、塩基性
炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、珪酸マグネシウ
ム、珪酸アルミニウム、二酸化チタン、タルク、雲母、
硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ア
スベスト、ガラス繊維、カーボンブラック、炭酸カルシ
ウム、二酸化チタン、クレー、タルク、アルミナ、シリ
カなどの無機充填剤が挙げられる。
【0028】本発明を適用できる伝動ベルトは、図1に
示すような歯付ベルトであり、この歯付ベルト1はベル
ト長手方向に沿って複数の歯部2と溝部7、ガラス繊維
あるいはアラミド繊維コードからなる心線3を埋設した
背部4からなり、上記歯部2の表面と溝底面9には歯布
5が貼着されている。
【0029】また、図2に示すVリブドベルト10は、
アラミド繊維あるいはポリステル繊維コードからなる心
線13を接着ゴム層12中に埋設し、その下側に弾性体
層である圧縮ゴム層15を有している。この圧縮ゴム層
15にはベルト長手方向にのびる断面略三角形の複数の
リブ部16とベルト表面に付着したゴム付帆布14が設
けられている。
【0030】その他、図示はしないがVベルト、ラップ
ドベルトなど様々なベルトに適用できるものである。ま
た、ベルト全体がこのゴム組成物でできているというも
のではなく、圧縮ゴム部分のみであったら背面ゴムのみ
であったりベルトの一部がこのゴム組成物でなっている
ものも本発明の範囲に含まれるものである。次に、本発
明の実施例と比較例を挙げて本発明の効果を確かめた。
【0031】
【実施例】実施例1 実施例1では水素化ニトリルゴムとしてバイエル社のT
herban VPKA8798(アクリロニトリル量
=21質量%、RDB=0.9%max)100質量部
に対してカーボンブラックを40質量部と可塑剤を10
質量部配合、メタクリル酸亜鉛を1質量部配合し、その
他表1に示すような配合のゴム組成物を用いて硬度、モ
ジュラスなどのゴム物性を測定すると共に低温(Geh
man)ねじり試験、DIN摩耗試験を行った。また、
心線としてガラス製のロープを用い、表1に示すような
配合のゴム組成物を用いて歯付ベルトを作製した。
【0032】耐寒走行試験では、歯付ベルトを駆動プー
リ(サイズ24T)と従動プーリ(サイズ24T)に懸
架し、雰囲気温度−40℃で駆動プーリを回転数2,0
00rpmにて回転させて耐寒性評価を行った。
【0033】また、多軸屈曲試験として駆動プーリ(サ
イズ24歯)と3つの従動プーリ(サイズ24歯)、そ
して4つのアイドラープーリ(サイズ直径32mm)か
らなる走行試験機を用い、歯付ベルトを駆動プーリと3
つの従動プーリに懸架し、各プーリ間に位置する歯付ベ
ルトの背面にアイドラープーリを当接させ、駆動プーリ
の回転数5,500rpm、初張力411N、雰囲気温
度100℃の条件下で歯付ベルトを走行させてベルト背
ゴムの粘着摩耗評価を行った。その結果を表2に示す。
【0034】実施例2 水素化ニトリルゴム100質量部に対するメタクリル酸
亜鉛の配合量を5質量部とした以外は実施例1と全く同
じ条件で配合したゴム組成物にて物性を測定するととも
に歯付ベルトを作製して走行させた。その結果を表2に
示す。
【0035】実施例3 水素化ニトリルゴム100質量部に対するメタクリル酸
亜鉛の配合量を10質量部とした以外は、実施例1と全
く同じ条件で配合したゴム組成物にて物性を測定すると
ともに歯付ベルトを作製して走行させた。その結果を表
2に示す。
【0036】実施例4 水素化ニトリルゴム100質量部に対するカーボンブラ
ックの配合量を30質量部とし可塑剤の配合量を5質量
部としメタクリル酸亜鉛の配合量を10質量部とした以
外は、実施例1と全く同じ条件で配合したゴム組成物に
て物性を測定するとともに歯付ベルトを作製して走行さ
せた。その結果を表2に示す。
【0037】実施例5 水素化ニトリルゴム100質量部に対するカーボンブラ
ックの配合量を65質量部とし可塑剤の配合量を25質
量部としメタクリル酸亜鉛の配合量を1質量部とした以
外は、実施例1と全く同じ条件で配合したゴム組成物に
て物性を測定するとともに歯付ベルトを作製して走行さ
せた。その結果を表2に示す。
【0038】比較例1 水素化ニトリルゴムとして日本ゼオン社のZetpol
2010L(アクリロニトリル量36%、ヨウ素価=
11)を用い、水素化ニトリルゴム100質量部に対す
るカーボンブラックの配合量を40質量部とし可塑剤の
配合量を10質量部とし、その他表1に示すような配合
のゴム組成物を用いて物性を測定するとともに歯付ベル
トを作製して走行させた。その結果を表2に示す。
【0039】比較例2 メタクリル酸亜鉛を配合しない以外は実施例1と全く同
じ条件で配合したゴム組成物にて物性を測定するととも
に歯付ベルトを作製して走行させた。その結果を表2に
示す。
【0040】比較例3 水素化ニトリルゴム100質量部に対するメタクリル酸
亜鉛の配合量を0.5質量部とした以外は実施例1と全
く同じ条件で配合したゴム組成物にて物性を測定すると
ともに歯付ベルトを作製して走行させた。その結果を表
2に示す。
【0041】比較例4 水素化ニトリルゴム100質量部に対するメタクリル酸
亜鉛の配合量を11質量部とした以外は実施例1と全く
同じ条件で配合したゴム組成物にて物性を測定するとと
もに歯付ベルトを作製して走行させた。その結果を表2
に示す。
【0042】比較例5 メタクリル酸亜鉛を配合しない以外は実施例4と全く同
じ条件で配合したゴム組成物にて物性を測定するととも
に歯付ベルトを作製して走行させた。その結果を表2に
示す。
【0043】比較例6 メタクリル酸亜鉛を配合しない以外は実施例5と全く同
じ条件で配合したゴム組成物にて物性を測定するととも
に歯付ベルトを作製して走行させた。その結果を表2に
示す。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】表1、2に示すように、比較例1ではアク
リロニトリル結合量が36質量%の水素化ニトリルゴム
を用いており、アクリロニトリル結合量が21質量%の
水素化ニトリルゴムを用いている比較例2や本発明と比
べると低温ねじり試験の結果において劣っていると共に
低温環境下での走行試験においても寿命が短くなってい
ることが判る。
【0047】比較例2においては、アクリロニトリル結
合量が21質量%の水素化ニトリルゴムを用いているが
メタクリル酸亜鉛を配合していないため、歯付ベルトと
して満足するゴム物性が得られず、摩耗量が多いことか
ら多軸屈曲試験の粘着評価にて背面の粘着が確認され
た。また、比較例3ではメタクリル酸亜鉛を0.5質量
部配合したが、十分な補強効果を得ることが出来ず、比
較例2と同様の結果となった。更に比較例4では、メタ
クリル酸亜鉛を11質量部と本発明の範囲から超えて過
多に配合した影響で耐寒走行評価を満足する結果が得ら
れなかった。
【0048】比較例5、6ではカーボンブラック及び可
塑剤の配合量を本発明の範囲内とし、メタクリル酸亜鉛
を配合しないで評価を行うと、比較例2同様の結果にな
った。
【0049】これに対して実施例は、優れた耐寒性を保
持しつつ、不飽和カルボン酸金属塩の補強効果によりゴ
ム強度、耐摩耗性を向上し、歯付ベルトとして優れた特
性を有していることが判った。
【0050】
【発明の効果】以上のようにアクリロニトリル結合量が
10〜30質量%の水素化ニトリルゴム100質量部に
対して、可塑剤5〜25質量部、カーボンブラック30
〜65質量部、不飽和カルボン酸金属塩1〜10質量
部、有機過酸化物0.2〜10質量部を含有することを
特徴とするゴム組成物は優れた耐寒性を保持しつつ、不
飽和カルボン酸金属塩の補強効果によりゴム強度、耐摩
耗性を向上することが出来た。更には前述のゴム組成物
を背ゴムとして用いたことを特徴とする歯付きベルトで
は耐寒走行で満足する結果を得られ、又ベルト背面の粘
着を抑制することを可能とした。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用する歯付ベルトの側面図である。
【図2】本発明を適用するVリブドベルトの要部断面斜
視図である。
【符号の説明】
1 歯付ベルト 2 歯部 3 心線 4 背部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16G 1/06 F16G 1/06 //(C08L 15/00 C08L 83:04 83:04) 71:00 (C08L 15/00 71:00) Fターム(参考) 4J002 AC111 CH002 CP032 DA037 EG018 EG058 EH096 EH146 EK039 EK049 EK059 EW046 EX046 FD017 FD022 FD026 FD149 FD208 GM01

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリロニトリル含有量が10〜30質
    量%の水素化ニトリルゴム100質量部に対して可塑剤
    5〜25質量部、カーボンブラック30〜65質量部、
    不飽和カルボン酸金属塩1〜10質量部、および有機過
    酸化物0.2〜10質量部を含有することを特徴とする
    水素化ニトリルゴム組成物。
  2. 【請求項2】 伝動ベルトを構成するゴム層の少なくと
    も一部に、アクリロニトリル含有量が10〜30質量%
    の水素化ニトリルゴム100質量部に対して可塑剤5〜
    25質量部、カーボンブラック30〜65質量部、不飽
    和カルボン酸金属塩1〜10質量部、および有機過酸化
    物0.2〜10質量部を含有する水素化ニトリルゴム組
    成物を用いたことを特徴とする伝動ベルト。
JP2002039117A 2002-02-15 2002-02-15 水素化ニトリルゴム組成物及びこれを用いた伝動ベルト Pending JP2003238743A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN107880560A (zh) * 2017-11-09 2018-04-06 苏州甫众塑胶有限公司 耐磨型传输带覆盖胶及其制备工艺

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