JP2003238158A - 酸化チタン粒子、その水分散ゾル、薄膜及びそれらの製造法 - Google Patents

酸化チタン粒子、その水分散ゾル、薄膜及びそれらの製造法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光触媒作用、透明性、基材との密着性等に優
れたブルーカイト型酸化チタンの薄膜を得ることが可能
な水分散酸化チタンゾル、その薄膜を提供すること。 【解決手段】 平均粒子径が0.5μm以下で比表面積
が20m2 /g以上のブルーカイト型酸化チタン粒子が
分散した水分散酸化チタンゾル。75〜100℃の熱水
に四塩化チタンを加え、75℃〜溶液の沸点までの温度
で加水分解することにより得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水分散酸化チタンゾ
ル、該ゾルを用いてセラミックス、プラスチック等の基
材に形成した酸化チタンの薄膜、特定の酸化チタン粒子
及び水分散酸化チタンゾルの製造法に関する。この酸化
チタン薄膜は透明性にして光触媒作用に優れ、また基材
との密着性が良好なものである。
【0002】
【従来の技術】二酸化チタン(以下、酸化チタンと称
す)にはアナターゼ、ブルーカイト、ルチル型の3つの
結晶相の存在が知られている。四塩化チタンと酸素等の
混合燃焼方法で製造する気相法の場合において、最も低
温で生成し安定なのがアナターゼ型である。これに熱処
理を施し焼成していくと816〜1040℃でブルーカ
イト型、それ以上の温度域ではルチル型構造の酸化チタ
ンが得られる(理化学辞典第3版、P.514〜51
5)。
【0003】また、液相法では例えば、舟木 好右衛
門、工業化学 第59巻、第11号、P.1295らに
より四塩化チタン水溶液の加水分解により生成する酸化
チタンの結晶相について詳細に報告している。これによ
ると、主として高濃度液中からはルチル型が、低濃度側
からはアナターゼ型の酸化チタンが生成すると結論づけ
ている。そして液相中ではブルーカイト型でしかも微粒
子の酸化チタンの生成は不可能であったと述べている。
これら報告から今までブルーカイト型の酸化チタンを液
相法で安定的に製造することは困難であった。上記した
ように気相法による酸化チタンを高温で熱処理すればブ
ルーカイト型酸化チタンになるが、熱処理するため粒子
が成長するので、微細な粒子でブルーカイト型結晶のも
のを得ることは従来難しかった。
【0004】一方、酸化チタンゾルの生成方法に関して
は、結晶性或いはアモルファスの酸化チタン粒子を分散
媒に分散させるか、分散媒中にチタンアルコキシド、硫
酸チタン、四塩化チタンなどの酸化チタンの前駆体を混
入させ中和、加水分解などの方法によりゾルを形成させ
ることが一般的である。酸化チタンゾルは酸化チタン粉
末の製造に用いられたり、あるいはゾルをガラスやプラ
スチック等に塗布し、酸化チタンの薄膜をそれらの表面
に形成したりするのに用いられている。酸化チタンは光
半導体であり、粒子径が小さくなれば透明性が生じ、か
つ光触媒機能が向上することが知られている。酸化チタ
ンの光触媒機能については近年、盛んに研究開発が行わ
れている。この光触媒の利用方法には有害物質の除去に
よる防汚、アンモニアなどの悪臭ガスの脱臭、細菌類の
殺菌などがあるが、その利用目的により酸化チタンの形
態は、バルク粒子、薄膜、ゾルと様々である。この光触
媒機能はさらに透明性を付加しようとする場合はもっぱ
ら薄膜にされる場合が多い。そのために酸化チタンはゾ
ルの形で薄膜生成材料として使用される。
【0005】酸化チタンの光触媒能力に関しては、ルチ
ル型よりもアナターゼ型の方が能力が大きいことが認め
られている。その理由は、両者のエネルギーギャップに
よるものであり、ルチル型が3.02eV、アナターゼ
型が3.23eVと約0.2eVの差があることによる
(セラミックス31(1996) No.10、P.81
7)。このエネルギー差から高エネルギーギャップを持
つアナターゼ型酸化チタンが光半導体として好んで用い
られている。しかし、ブルーカイト型に関して言えば、
今までに単体物質そのものを取り出した例が少なく、そ
の上光半導体(光触媒)として用いることのできるよう
な高比表面積を持つ微粒子として得ることは従来は高温
での製造のため粒子が焼結してしまい不可能であった。
【0006】薄膜の利用形態として最近照明器具、例え
ば蛍光ランプのガラス管やそのカバーに酸化チタンゾル
を塗布して薄膜を形成し、光触媒作用により上記ガラス
管やカバーに油煙等の有機物が付着した場合、それを分
解し、ガラス管やカバーの汚れを防止する方法が提案さ
れている。しかし、前記した方法で得られたゾルを用い
て薄膜を形成した場合、透明性の高い薄膜とすることが
可能であるものは少なく、特にブルーカイト型酸化チタ
ン薄膜を照明器具等の光触媒に用いたものは従来知られ
ていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】酸化チタン薄膜をガラ
ス、プラスチック、その他の基材に形成して光触媒とし
て利用する場合、その薄膜は触媒活性が高いことが要求
される。光触媒作用は粒子表面での反応であるため高活
性を持たせるには粒子が高い表面積をもつ微粒子である
こと、また結晶性が良いことが好ましい。さらに照明器
具等に薄膜を形成する場合には薄膜は透明性であること
が必要である。透明性をよくするためにも酸化チタンは
触媒活性の場合と同様に微粒子であり、かつ単分散であ
るものが望ましい。こうした問題に対しては、従来はも
っぱらアナターゼ型の酸化チタンを微細化することで対
応していた。また酸化チタン薄膜を基材に形成する場
合、薄膜と基材との密着性をよくし、容易に薄膜が剥離
しないようにしなければならない。
【0008】従来の四塩化チタンを加水分解する方法で
は、粒子径が非常に小さい微粒子で、かつ結晶性がよ
く、薄膜にしたとき透明性がよい酸化チタンゾルをつく
ることが困難であった。チタンアルコシド化合物の加水
分解ではゾル中の酸化チタンは非常に小さい微粒子とな
るなど粉体特性としては優れているが、ゾル中にアルコ
ールが含まれ、薄膜にして焼成する場合爆発などの安全
上の問題がある。また、爆発を防ぐには防爆の大型設備
が必要となり、経済的に不利である。またチタンアルコ
シド化合物は四塩化チタンに比べ非常に高価である。本
発明は水分散酸化チタンゾルを各種の基材に塗布し、基
材表面に酸化チタンの薄膜を形成した場合、薄膜が光触
媒機能及び透明性に優れ、かつ薄膜と基材との密着性が
良好となる酸化チタンゾル及び微細なブルーカイト型酸
化チタン粒子を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、酸化チタ
ンゾルから形成された酸化チタンの薄膜について種々研
究した結果、酸化チタンゾル中に含まれる塩素イオンが
薄膜の透明性、基材と薄膜との密着性等に関与し、特定
の塩素イオン濃度の酸化チタンゾルがこれらの特性をよ
くすること及び酸化チタンの光触媒機能についてエネル
ギーギャップの大きいブルーカイト型が特に優れている
ことを知見し本発明に至った。
【0010】本発明は基本的には以下の発明からなる。 (1)塩素イオンを塩素元素として50〜10,000
ppm含む水分散酸化チタンゾル。 (2)平均粒子径が0.5μm以下で比表面積が20m
2 /g以上のブルーカイト型酸化チタン粒子が分散した
水分散酸化チタンゾル。 (3)接着剤を含む上記(1)又は(2)記載の水分散
酸化チタンゾル。 (4)平均粒子径が0.5μm以下で比表面積が20m
2 /g以上であるブルーカイト型酸化チタン粒子。 (5)上記(1)〜(3)の水分散酸化チタンゾルを用
いて基材表面に形成した酸化チタン薄膜。 (6)四塩化チタンの加水分解により水分散酸化チタン
ゾルを生成させ、該ゾル中の塩素イオンを塩素元素とし
て50〜10,000ppmに調整することを特徴とす
る水分散酸化チタンゾルの製造法。 (7)75〜100℃の熱水に四塩化チタンを加え、7
5℃〜溶液の沸点の温度範囲で加水分解することを特徴
とするブルーカイト型酸化チタン粒子の水分散ゾルの製
造法。 (8)上記(7)の酸化チタン粒子の水分散ゾルを濾
過、乾燥することを特徴とするブルーカイト型酸化チタ
ン粒子の製造法。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の水分散酸化チタンゾルの
第1は該ゾルから形成した薄膜が光触媒機能に優れるば
かりでなく、特に基材との密着性、透明性を高めたもの
で、その水分散酸化チタンゾルには塩素イオンが塩素元
素として50〜10,000ppm、好ましくは100
〜4,000ppm含まれている。四塩化チタンを加水
分解して水分散酸化チタンゾルを得る方法では反応によ
り塩化水素が生成する。そしてゾル中では殆ど塩素イオ
ンと水素イオンに解離している。一般的にはこの塩化水
素は加熱下の加水分解反応において多くは系外に逸出さ
れる。またゾルに塩化水素が含まれているとゾルから酸
化チタン粉末を得たり、あるいは酸化チタン薄膜を得る
場合にも種々の障害が発生すると考えられ、加水分解反
応でゾル中に塩化水素がある程度以上残留した場合は脱
塩素処理してできるだけゾル中に塩化水素は含まれない
ようにするのが普通であった。しかし、従来はこのゾル
中の塩素イオンが酸化チタンの薄膜特性に及ぼす影響に
ついて考慮されたことはなく、この観点からゾル中の塩
素イオンを制御する技術は存在しなかった。
【0012】水分散酸化チタンゾルにおいて、含有する
塩素イオンが塩素元素として50ppm未満では基材に
形成した酸化チタン薄膜の基材との密着性が十分でな
い。特に薄膜を焼成した場合に塩素イオンが50ppm
以上含むか否かによりこの密着性に差異が現れる。本発
明ではこの密着性は薄膜の基材からの剥離強度及び薄膜
の硬度で表わされる。逆にゾル中の塩素イオンが多くな
り、塩素元素として10,000ppmを越えると薄膜
の透明性が劣る。上記の範囲において特に好ましい範囲
は100〜4,000ppmである。
【0013】上記の塩素イオンの作用については定かで
ないが、酸化チタンゾル中において酸化チタン粒子の粒
子間の電気的な反発が多くなるので、粒子の分散性が良
好となることにより透明性と剥離強度等にこのような結
果がもたらされたものと推定される。水分散酸化チタン
ゾルの酸化チタン粒子は細かい方が酸化チタン薄膜の光
触媒作用が高まり、また透明性もよくなる。また触媒作
用の点から結晶質であることが好ましい。しかし、あま
り細かい酸化チタン粒子を得ることは製造上の困難を伴
うので、ゾル中の酸化チタン粒子は平均粒径で0.01
〜0.1μmの範囲が好ましい。
【0014】本発明の水分散酸化チタンゾルの第2は、
該ゾルから形成された薄膜の光触媒機能及び透明性を高
めたもので、平均粒子径が0.5μm以下、好ましくは
0.01〜0.1μmで、比表面積が20m2 /g以上
のブルーカイト型酸化チタン粒子が水に分散したゾルで
ある。このブルーカイト型酸化チタン粒子はエネルギー
ギャップが3.23eV以上である。酸化チタンの粒子
径に関していえば、酸化チタン薄膜の透明性を高めるた
めゾル中の酸化チタン粒子は平均粒径が0.5μm以
下、より好ましくは0.01〜0.1μmの単分散であ
ることが好ましい。比表面積が大きくても、ゾル中で1
次粒子が凝集している場合は塗布して薄膜とした時に透
明にはならない。
【0015】従来はブルーカイト型を得るには、前述し
たようにアナターゼ型酸化チタンの熱処理による方法し
かなく、熱処理により得られたブルーカイト型酸化チタ
ン粒子を薄膜としようとする場合は、粒子径が熱処理に
よる焼結により大きく成長しているので薄膜形成用とし
ては全く使用されなかった。このブルーカイト型酸化チ
タンが水に分散したゾルにも前記同様塩素イオンを塩素
元素として50〜10,000ppm含めることができ
る。これによってゾルから形成された薄膜は触媒機能に
優れるばかりでなく、基材との密着性も高まる。上記の
第1及び第2の発明のゾルにおいて、ゾル中の酸化チタ
ン粒子の濃度が高過ぎると粒子が凝集し、ゾルが不安定
になる。また酸化チタン粒子の濃度が低過ぎると、例え
ば薄膜形成の際ゾルの塗布工程に時間がかかるなどの問
題が生じる。これらのことから水分散酸化チタンゾル中
の酸化チタン粒子の濃度(含有量)は0.05〜10モ
ル/リットルが特に適する。
【0016】本発明の水分散酸化チタンゾルは、これを
濾過、水洗、乾燥することにより酸化チタン粒子を得る
ことができる。ブルーカイト型酸化チタンのゾルから得
られる粒子は平均粒子径が5μm以下、好ましくは0.
01〜0.1μmで、比表面積が20m2 /g以上であ
る。そしてエネルギーギャップは3.23eV以上であ
る。また水分散酸化チタンゾルを薄膜形成に用いる場
合、塗膜の成膜性を高めるためにゾルに水溶性高分子を
少量、例えば10〜10,000ppm程度添加するこ
とが好ましい。水溶性高分子としてはポリビニルアルコ
ール、メチルセルロース、エチルセルロース、CMC、
澱粉などが好適である。
【0017】本発明の水分散酸化チタンゾルを各種の材
料、成形体等の基材に塗布し、基材の表面に酸化チタン
薄膜を形成することができる。基材としてはセラミック
ス、ガラス、金属、プラスチック、木材、紙等殆ど制限
なく対象とすることができる。基材をアルミナ、ジルコ
ニア等からなる触媒担体とし、これに酸化チタン薄膜の
触媒を担持して触媒として使用することもできる。また
蛍光ランプ等の照明器具のガラスやそのプラスチックカ
バー等を基材としてこれに酸化チタン薄膜を形成すれば
薄膜は透明であり、かつ光触媒作用を有するので光を遮
蔽することなく油煙等の有機物を分解することができ、
ガラスやカバーの汚れを防止するのに有効である。また
建築用ガラスや壁材に酸化チタン薄膜を形成すれば同様
に汚れを防止することが可能になるので、高層ビルなど
の窓材や壁材に用いることができ、清掃作業を必要とし
なくなるためビル管理コスト削減に役立つ。水分散酸化
チタンゾルを基材に塗布するには基材をゾル中に浸漬す
る方法、基材にゾルをスプレーする方法、ゾルを刷毛で
基材に塗布する方法などが採用される。ゾルの塗布量は
液状の厚さにして0.01〜0.2mmが適当である。
塗布後乾燥して水分を除去すれば薄膜が得られ、このま
までも触媒等の用途に供することができる。
【0018】基材が金属やセラミックス、例えばガラス
等の耐熱性である場合は酸化チタン薄膜を形成後焼成す
ることができ、これによって薄膜は一層強く基材に密着
し、薄膜の硬度も上る。この焼成温度は200℃以上が
好ましい。焼成温度の上限には特に制限はなく、基材の
耐熱性に応じて定めればよいが、あまり温度を高くして
も薄膜の硬度や基材との密着性は増さないので800℃
位迄が適当である。また、ブルーカイト型酸化チタンの
場合は、その結晶形を維持するには700℃以下の温度
で焼結するのがよい。焼成の雰囲気は特に制限されず、
大気中でよい。焼成時間は特に制限はなく、例えば1〜
60分の範囲で行えばよい。焼成によって得られる酸化
チタン薄膜の厚さは、前記の塗布量の場合0.05〜
1.0μm位である。また、本発明の透明薄膜をより強
固で基材に対する接着力を高めるために、適当な接着剤
を水分散酸化チタンゾルに添加することもできる。例え
ば、アルキルシリケートなどの有機シリカ化合物が好適
である。添加量は本発明の酸化チタンゾル中の酸化チタ
ンに対しSiO2 換算にして1〜50重量%程度でよ
い。添加量が1重量%未満であると、接着剤の添加効果
が低い。また、50重量%を越えると、基材に対する接
着強度は非常に強固になるが、酸化チタン粒子が接着剤
に完全にくるまれてしまい光触媒能が消失してしまうの
で好ましくない。この場合の接着剤は、接着剤の性質に
より成膜直前に混入するかあらかじめゾルに混合した状
態にするか選択すればよく、どちらでも本発明の効果に
は何ら問題はない。この接着剤を含む薄膜は焼成しなく
てもよいが焼成することもできる。
【0019】本発明による酸化チタンゾルを用いて製造
される酸化チタン薄膜は共通して結晶性であること、酸
化チタン微粒子が非常に微細な粒子であること、不純物
を含んでいないこと、さらにこの酸化チタン微粒子が1
次粒子に限りなく近く分散していることから光触媒能力
及び透明性が高く、特に酸化チタンがブルーカイト型で
ある場合一層触媒能力が高い。
【0020】次にゾルの製造法の発明について説明す
る。本発明の第1の水分散酸化チタンゾルは前記した量
の塩素イオンが含まれていればよく、その製法は特に限
定されない。例えばチタンのアルコキシド化合物を加水
分解し、アルコールを少量含む水分散酸化チタンゾルを
得、これにHCl等を加え、塩素イオン濃度を前記の範
囲とすることも可能である。しかし、加水分解により塩
化水素が生成する四塩化チタンを用いることが好まし
い。第2の発明は四塩化チタンを特定の条件で加水分解
することにより得られる。これらの加水分解において生
成する塩化水素は反応槽からの逸出を防止し、できるだ
けゾル中に残留させることが好ましい。発生する塩化水
素を逸出させながら四塩化チタンの加水分解を行なうと
ゾル中の酸化チタンは粒子径が小さくなりにくく、また
結晶性もよくない。
【0021】加水分解により発生する塩化水素は完全に
逸出が防止されていなくても抑制されておればよい。ま
たその方法も抑制できるものであれば特に限定されず、
例えば加圧することによっても可能であるが、最も容易
にして効果的な方法は加水分解の反応槽に還流冷却器を
設置して加水分解を行う方法である。この装置を図1に
示す。図において1が四塩化チタンの水溶液2を充填し
た反応槽で、これに還流冷却器3が設置されている。4
は撹拌機、5は温度計、6は反応槽を加熱するための装
置である。加水分解反応によって水及び塩化水素の蒸気
が発生するが、その大部分は還流冷却器により凝縮し、
反応槽に戻されるので反応槽から外に塩化水素が逸出す
ることは殆どない。
【0022】加水分解する四塩化チタン水溶液中の四塩
化チタンの濃度は低過ぎると生産性が悪く、生成する水
分散酸化チタンゾルから薄膜を形成する際に効率が低
く、また濃度が高過ぎると反応が激しくなり、得られる
酸化チタンの粒子が微細になりにくく、かつ分散性も悪
くなるために透明薄膜形成材としては適さない。従って
加水分解により酸化チタンの濃度の高いゾルを生成さ
せ、これを多量の水で希釈して前記したような酸化チタ
ンの濃度0.05〜10モル/リットルに調整する方法
は好ましくない。ゾルの生成時において酸化チタンの濃
度が前記の範囲にするのがよく、そのためには加水分解
される四塩化チタン水溶液中の四塩化チタンの濃度は前
記した生成する酸化チタンの濃度と大差ない値、即ちほ
ぼ0.05〜10モル/リットルとすればよく、必要な
らば以後の工程で少量の水の添加もしくは濃縮すること
で濃度を0.05〜10モル/リットルに調整してもよ
い。
【0023】加水分解における温度は50℃以上、四塩
化チタン水溶液の沸点迄の範囲が好ましい。50℃未満
では加水分解反応に長時間を要する。加水分解は上記の
温度に昇温し、10分から12時間程度保持して行われ
る。この保持時間は加水分解の温度が高温側にある程短
くてよい。四塩化チタン水溶液の加水分解は四塩化チタ
ンと水との混合溶液を反応槽中で所定の温度に加熱して
もよく、また水を反応槽中で予め加熱しておき、これに
四塩化チタンを添加し、所定の温度にしてもよい。この
加水分解により一般的にはブルーカイト型にアナターゼ
型及び/又はブルーカイト型が混合した酸化チタンが得
られる。その中でブルーカイト型の酸化チタンの含有率
を高めるには水を反応槽で予め75〜100℃に加熱し
ておき、これに四塩化チタンを添加し、75℃〜溶液の
沸点の温度範囲で加水分解する方法が適する。その方法
によって生成する全酸化チタンのうちブルーカイト型の
酸化チタンを70重量%以上とすることが可能である。
【0024】加水分解における四塩化チタン水溶液の昇
温速度は早い方が得られる粒子が細かくなるので、好ま
しくは0.2℃/min以上、さらに好ましくは0.5
℃/min以上である。この方法によってゾル中の酸化
チタン粒子は平均粒径が0.5μm以下、好ましくは
0.01〜0.1μmの範囲の結晶性のよいものとな
る。本発明の水分散酸化チタンゾルの製造方法はバッチ
式に限らず、反応槽を連続槽にして四塩化チタンと水を
連続投入しながら、投入口の反対側で反応液を取り出
し、引き続き脱塩素処理するような連続方式も可能であ
る。生成したゾルは第1の発明においては脱塩素処理や
あるいは支障ない範囲で水の添加、脱水等により塩素イ
オンが50〜10,000ppmになるように調整す
る。また第2発明においても必要により前記同様塩素イ
オンを50〜10,000ppmに調整することができ
る。
【0025】脱塩素処理は一般の公知手段でよく電気透
析、イオン交換樹脂、電気分解などが可能である。脱塩
素の程度はゾルのpHを目安にすればよく、塩素イオン
が50〜10,000ppmの場合、pHは約5〜0.
5、好ましい範囲である100〜4,000ppmの場
合、pHは約4〜1である。本発明の水分散ゾルに有機
溶媒を加え、水と有機溶媒の混合物に酸化チタン粒子を
分散させることもできる。本発明の水分散酸化チタンゾ
ルから酸化チタンの薄膜を形成する場合、加水分解反応
で生成したゾルをそのまま用いるのが好ましく、このゾ
ルから酸化チタンの粉末を製造し、これを水に分散し、
ゾルにして用いることは好ましい方法ではない。酸化チ
タンの粒子は表面活性が高く、微粒子になればなるほど
活性度が上昇するため水への分散は非常に困難になる、
すなわち凝集体となってしまい、これからつくられた薄
膜は透明性に劣り、光触媒作用も低下するからである。
【0026】
【実施例】以下、実施例により具体的に説明するが、本
発明は実施例に限定されるものではない。 (実施例1〜6)四塩化チタン(純度99.9%)に水
を加え、四塩化チタン濃度が0.25モル/リットル
(酸化チタン換算2重量%)となるように溶液を調整し
た。この時、水溶液の液温が50℃以上に上昇しないよ
うに氷冷など適当な冷却装置を設けた。次に、この水溶
液1リットルを図1に示す還流冷却器付きの反応槽に装
入し、沸点付近(104℃)まで加熱し、60分間保持
して加水分解した。得られたゾルを冷却後、反応で生成
した残留塩素を電気透析により取り除き、表1に示す塩
素イオン濃度とした。電気透析は旭化成工業(株)製電
気透析装置G3型を用いゾル液のpHを監視しながら実
施した。塩素イオンを調整した夫々の水分散酸化チタン
ゾルに、成膜用助剤として水溶性高分子であるポリビニ
ルアルコールをゾル液重量に対して1,000ppm添
加した。このゾルは塩素イオンが50〜10,000p
pmのものは安定であり、1日以上経過しても生成した
酸化チタン微粒子の沈降は認められなかった。しかし、
塩素イオンが30ppmのものはゾル中の酸化チタンの
凝集がみられ、また15,000ppmのものはそれを
用いた薄膜が薄い白色を呈した。透過型電子顕微鏡でゾ
ル中の粒子を観察したところ粒子の平均粒子径は0.0
15〜0.018μmであり、X線回折装置から前記粒
子の同定を行ったところ結晶性の酸化チタンであった。
【0027】(比較例1,2)水分散酸化チタンゾル中
の塩素イオン濃度を30ppm(比較例1)及び15,
000ppm(比較例2)とした以外は実施例と同様に
してゾルを得た。
【0028】実施例、比較例のゾルを用いてディップコ
ートによりガラス板上に塗布して乾燥後、500℃で1
時間空気中で熱処理して酸化チタン薄膜を得た。熱処理
後の酸化チタン薄膜の厚さは0.15μmであった。酸
化チタンの結晶形を粉末X線回折パターンのリートベル
ト解析により調べた結果、熱処理前のものはアナターゼ
型約50重量%と、ブルーカイト型約50重量%の混合
物であり、800℃以上に加熱するとルチル型単独とな
った。
【0029】成膜の評価 実施例、比較例それぞれの水分散酸化チタンゾルから得
た酸化チタン薄膜の光透過率、光触媒能力及び石英ガラ
ス板との密着性を測定した。光透過率の測定方法は、石
英ガラス板上に成膜した酸化チタン薄膜を日本分光
(株)製分光光度計にセットして700〜200nmま
で波長を連続的に変化させることで光透過率を測定し
た。そして550nmにおける光透過率を本発明におけ
る光透過率として表わした。その結果を表1に示す。シ
ュウ酸の分解方法は、成膜した酸化チタン薄膜付石英ガ
ラス板で反応容器を作製し、これに5ミリモル/リット
ルのシュウ酸を入れ、酸素を吹込みながら100Wの水
銀ランプを照射し、4時間後のシュウ酸の分解量を過マ
ンガン酸カリウムの酸化還元滴定により求めた。その結
果を表1に示す。また焼成後の石英ガラス板と薄膜との
密着性は鉛筆硬度試験法ならびにごばん目剥離試験法
(JIS K5400)により求めた。その結果を表1
に示す。
【0030】
【表1】
【0031】(実施例7,8、比較例3,4)実施例1
〜6、比較例1,2と同じく水分散酸化チタンゾルを用
い、基材としてプラスチック(ポリエチレンテレフタレ
ート(PET))板を用い、その上に前記酸化チタンゾ
ルの塗膜を形成し、焼成の代りに100℃で乾燥した以
外は前記実施例、比較例と同様にして酸化チタン薄膜を
形成し、その薄膜の特性を評価した。その結果を表2に
示す。
【0032】
【表2】
【0033】(実施例9)蒸留水954mlを図1に示
す還流冷却器付きの反応槽に装入し、95℃に加温す
る。撹拌速度を約200rpmに保ちながら、ここに四
塩化チタン(Ti含有量:16.3%、比重1.59、
純度99.9%)水溶液46mlを約5ml/minの
速度で反応槽に滴下した。この時、反応液の温度が下が
らないように注意した。その結果、四塩化チタン濃度が
0.25mol/l(酸化チタン換算2重量%)であっ
た。反応槽中では反応液が滴下直後から、白濁し始めた
がそのままの温度で保持を続け、滴下終了後さらに昇温
し沸点付近(104℃)まで加熱し、この状態で60分
間保持して完全に反応を終了した。冷却後、反応で生成
した残留塩素を電気透析により取り除き、pH=2(塩
素イオン600ppm)とした後、成膜用助剤として水
溶性高分子であるポリビニルアルコールを酸化チタン含
有量に対して0.1%添加して、酸化チタンゾルとし
た。このゾルは安定であり、30日以上経過しても生成
した酸化チタン微粒子の沈降は認められなかった。
【0034】前記ゾルを濾過後60℃の真空乾燥器を用
いて粉末として取り出し、前記したX線回折法により同
定した結果、酸化チタンはブルーカイト型が96.7重
量%、ルチル型が0.9重量%、アナターゼ型が2.4
重量%であった。また、透過型電子顕微鏡でこの微粒子
を観察したところ、1次粒子の平均粒子径は15nmで
あった。さらにBET法によりこの微粒子比表面積は1
00m2 /gであった。一方、前記ゾルをスピンコータ
ーを用いて石英ガラス基板に均一に塗布して、100℃
乾燥器で乾燥し透明膜を得た。この薄膜付き石英ガラス
基板の透過率は可視部では95%以上を示し完全に透明
であった。さらに、紫外部において吸収が認められ、基
礎吸収端から求めたエネルギーギャップは3.75eV
であった。この時のエネルギーギャップを求める式は
(1)式に示す。 λ=1239/Eg (1) λ:基礎吸収端(nm) Eg:エネルギーギャ
ップ(eV)
【0035】(実施例10)実施例9において、四塩化
チタン水溶液の滴下する反応温度を75℃とした以外
は、実施例9と同様にして酸化チタンを析出させた。こ
の粒子を同様にX線回折装置で同定したところブルーカ
イト型酸化チタンが75重量%、ルチル型酸化チタンが
25重量%であった。また、透過型電子顕微鏡でこの微
粒子を観察したところ、1次粒子の平均粒子径は10n
mであった。さらにBET法によりこの微粒子比表面積
は120m2 /gであった。電気透析により、pH=1
(塩素イオン3000ppm)とした酸化チタンゾルを
用いてガラス基板に塗布して、500℃に焼成すること
で透明薄膜を作製した。この薄膜を薄膜X線回折で測定
したところ、前記同様ブルーカイト型とルチル型の混合
酸化チタンであった。また、この薄膜付きガラス基板の
透過スペクトルから可視部では95%以上の透過率を示
し完全に透明であった。さらに、紫外部による基礎吸収
端から求めたエネルギーギャップは3.30eVであっ
た。
【0036】(実施例11)実施例9において、水と四
塩化チタン水溶液の量をそれぞれ862ml、138m
lとした以外は同様にした。電気透析でpHを2とした
後、このゾルに対してエチルアルコールを等量添加して
有機溶媒混合ゾルとした。これをポリエチレンシート上
に塗布して乾燥することで酸化チタン薄膜を得た。解析
の結果、結晶形はブルーカイト型85重量%、ルチル型
15重量%の混合物で、粒子径は15nmであった。可
視部の透過率は80%以上であり、エネルギーギャップ
は3.51eVであった。
【0037】(比較例5)1次粒子径が7nmであるア
ナターゼ型酸化チタン粒子を用い、実施例9と同じよう
に酸化チタン濃度が2%水溶液となるように水に超音波
分散器を用いて分散させた。この際、解膠剤として塩酸
を添加してpH1とし、以下同様の操作をして酸化チタ
ンゾルとした。また、同様にガラス基板上に塗布、10
0℃での乾燥により透明薄膜を作成した。
【0038】(比較例6)1次粒子径が50nmである
ルチル型の酸化チタン粒子を用いた以外は比較例5と同
様にして酸化チタンゾルを得た。このゾルも比較例5と
同様酸化チタン微粒子の沈降が認められたので解膠剤と
して塩酸を用いて再分散させて成膜した。この酸化チタ
ンのゾルは時間の経過と共に酸化チタンの微粒子が沈降
した。沈降後の上澄み液で成膜した膜に光触媒能力が認
められなかったため、ゾルを作成直後に超音波分散器で
分散させてから実施例9と同じ方法でガラス基板上に成
膜し、光触媒能力の評価を行った。
【0039】成膜した薄膜の評価結果 実施例9〜11、比較例5,6のそれぞれの酸化チタン
ゾルから得た酸化チタン薄膜の光触媒能力を前記したシ
ュウ酸分解法で求めた。その結果を表3に示す。
【0040】
【表3】
【0041】比較例5においては、酸化チタンの凝集体
がガラス基板上に形成され表面が不均一であった。比較
例6においては、透明な酸化チタン薄膜が得られなかっ
たため、光触媒能力の評価は実施しなかった。
【0042】(実施例12)実施例9と同様の反応を行
い、濃度が0.25mol/lの四塩化チタン(酸化チ
タン換算2重量%)を加水分解させた。次にこの反応液
を濃縮し酸化チタン濃度を10重量%とし、電気透析で
残留塩素を取り除き、pH=2(塩素イオン濃度約60
0ppm)とした後、接着剤としてテトラメチルオルソ
シリケートSi(OCH34 を酸化チタンに対してS
iO2 換算で5重量%となるように添加して、酸化チタ
ンゾルとした。
【0043】(実施例13)実施例12と濃縮、電気透
析まで同様な操作を行った後、イソプロピルアルコール
で5倍に希釈した後、接着剤としてテトラエチルオルソ
シリケートSi(OC254 を酸化チタンに対して
SiO2 換算で20重量%となるように添加して、有機
溶媒混合の酸化チタンゾルとした。
【0044】(実施例14)実施例12において、テト
ラエチルオルソシリケートの代りにテトラプロピルオル
ソシリケートSi(OC374 を酸化チタンに対し
てSiO2 換算で35重量%となるように添加して、酸
化チタンゾルとした。
【0045】(比較例7)実施例14において、テトラ
プロピルオルソシリケートSi(OC374を酸化
チタンに対してSiO2 換算で55重量%となるように
添加して、酸化チタンゾルとした。
【0046】成膜した薄膜の評価結果 実施例12〜14、比較例7のそれぞれの酸化チタンゾ
ルをスピンコーターを用いて石英ガラス板に均一に塗布
して室温に放置・乾燥して透明膜を得た。この膜付き石
英ガラス板の透過率は可視部では95%以上の透過率を
示し完全に透明であった。また、透明膜付きの石英ガラ
ス板の鉛筆硬度試験と密着性の試験を前述の方法で評価
した。その結果を表4に示す。
【0047】
【表4】
【0048】
【発明の効果】本発明の水分散酸化チタンゾルはこれを
各種の基材に塗布して酸化チタンの薄膜を形成した場
合、薄膜は透明にして光触媒作用に優れる。特に酸化チ
タンがブルーカイト型の場合、光触媒作用が高い。また
薄膜は硬度が高く、かつ基材との密着性に優れたものと
なる。従って基材上の薄膜は耐久性があり、この薄膜を
例えば照明器具のガラス管や照明器具のカバー等に使用
すれば光を遮断することなく長期に亘って光触媒作用が
維持される。本発明の水分散酸化チタンゾルは四塩化チ
タンを原料とする水系で製造することが可能であるの
で、原料は安価であり、またゾルが容易に薄膜を形成で
き、経済的にも有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法に用いられる反応槽の概略断面図
である。
【符号の説明】
1…反応槽 2…四塩化チタン水溶液 3…還流冷却器 4…撹拌機 5…温度計 6…加熱装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 英則 千葉県千葉市緑区大野台1丁目1番1号 昭和電工株式会社総合研究所内 (72)発明者 村瀬 典子 千葉県千葉市緑区大野台1丁目1番1号 昭和電工株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 4G047 CA02 CB05 CC03 CD02 CD07 4G065 AA01 AA06 AA08 AB28X AB38X BB01 BB03 CA13 DA03 DA10 EA01 EA03 EA05 EA10 FA01 4G069 AA03 BA04A BA04B BA48A EA08 EC22X EC22Y FB08 FB23

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒子径が0.5μm以下で比表面積
    が20m2 /g以上のブルーカイト型酸化チタン粒子が
    分散した水分散酸化チタンゾル。
  2. 【請求項2】 塩素イオンを塩素元素として50〜1
    0,000ppm含む請求項1に記載の水分散酸化チタ
    ンゾル。
  3. 【請求項3】 酸化チタン含有量が0.05〜10モル
    /リットルである請求項1又は2に記載の水分散酸化チ
    タンゾル。
  4. 【請求項4】 水溶性高分子を10〜10,000pp
    m含む請求項1〜3に記載の水分散酸化チタンゾル。
  5. 【請求項5】 接着剤を酸化チタンに対し酸化珪素換算
    で1〜50重量%含む請求項1〜4記載の水分散酸化チ
    タンゾル。
  6. 【請求項6】 接着剤がアルキルシリケートである請求
    項5記載の水分散酸化チタンゾル。
  7. 【請求項7】 平均粒子径が0.5μm以下で比表面積
    が20m2 /g以上であるブルーカイト型酸化チタン粒
    子。
  8. 【請求項8】 ブルーカイト型酸化チタンのエネルギー
    ギャップが3.23eV以上である請求項1〜7に記載
    の水分散酸化チタンゾル又は酸化チタン粒子。
  9. 【請求項9】 請求項1〜6又は8に記載のゾルを用い
    て基材表面に形成した酸化チタン薄膜。
  10. 【請求項10】 基材がセラミックス、金属、ガラス、
    プラスチック、紙、木材のいずれかである請求項9に記
    載の酸化チタン薄膜。
  11. 【請求項11】 基材がセラミックス、金属、ガラス等
    の耐熱性物質であり、酸化チタン薄膜が焼成したもので
    ある請求項9に記載の酸化チタン薄膜。
  12. 【請求項12】 四塩化チタンの加水分解により水分散
    酸化チタンゾルを生成させ、該ゾル中の塩素イオンを塩
    素元素として50〜10,000ppmに調整すること
    を特徴とする水分散酸化チタンゾルの製造法。
  13. 【請求項13】 75〜100℃の熱水に四塩化チタン
    を加え、75℃〜溶液の沸点の温度範囲で加水分解する
    ことを特徴とするブルーカイト型酸化チタン粒子の水分
    散ゾルの製造法。
  14. 【請求項14】 請求項13の酸化チタン粒子の水分散
    ゾルを濾過、乾燥することを特徴とするブルーカイト型
    酸化チタン粒子の製造法。
  15. 【請求項15】 四塩化チタンの加水分解を反応槽に還
    流冷却器を設置して行なう請求項12又は13に記載の
    水分散酸化チタンゾルの製造法。
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